【写真】新潟に修斗、MMAを根付かせる活動を続ける風田陣氏(C)SHOJIRO KAMEIKE
9月3日(日)、新潟市中央区の万代島多目的広場大かまで、プロ修斗公式戦=越後風神まつり11が開催される。
Text by Shojiro Kameike
2013年11月に第1回大会が開催された越後風神まつりでは、これまでリングが使用されてきた。MAキックのキックボクサーから、シューターとなり今や現プロモーターとして活動中の風田陣氏に、新潟のMMA事情と大会について訊いた。
――MMAPLANETでは国内リングMMAも解禁し、現在リングで行われているプロ修斗新潟大会=越後風神祭りも扱わせていただくこととなりました。
「ありがとうございます!」
――新潟大会は2013年11月17日からスタートし、年1回のペースで開催されてきました。しかし9月3日の第11回大会は今年2回目の興行となります。これは興行規模の拡大や選手層の充実など、何か理由があるのでしょうか。
「コロナ禍があり、関係者から試みとして『ネット配信だけの大会もやってみよう』という提案を頂いたんです。それが今年3月の第10回大会でした。結局はお客さんを入れたのですが……3月の新潟は寒かったですね(笑)」
――新潟大会がスタートした頃は毎年11月頃に新潟LOTSで開催されていましたが、現在は夏に万代島多目的広場大かまを使用しています。開催時期の変更は会場の都合もあったのですか。
「アハハハ、そうなんですよ。3月の大かまは寒くて(苦笑)。だから今後は、春はネット配信大会、夏にお客さんを入れる興行と年2回開催を考えています」
――これまで年1回開催であったのは、マンパワーの問題だったのですね。
「はい。最初はアマチュア修斗を年3回開催して、その集大成として11月にプロ興行をやろうというコンセプトで始めました。あとは僕のやる気次第というか……正直、収支が厳しかったです。これ以上プロ興行を増やしても赤字が増えるだけだったので、年1回開催に」
――これまで修斗の普及のために各地域で、ジム運営→アマチュア修斗開催→プロ興行という流れがありました。もちろん全ての地域で全てのジム関係者が実現できるものではありません。そのなかで、風田さんが新潟でプロ興行を開催しようと考えたキッカケは何だったのでしょうか。
「修斗がなければ今の僕はいません。ですから『修斗に恩返しがしたい、もっと修斗を広めていきたい』という気持ちがありました。ウチのジムも含めてアマチュア選手も頑張っているので、彼らが戦えるプロのステージを創りたい――収支どうこうよりも、まずは自分の想いからプロ興行を始めたんです」
――なるほど。どうしても日本では経済の中心が太平洋側に集中しています。それは格闘技に関しても同じで、日本海側の新潟で風田さんご自身は現役時代からどのような練習環境にあったのでしょうか。現在のジム運営についても教えてください。
「もともと僕はキックボクシングをやっていましたが、寝技についてはテイクダウンされたらクローズドガードで凌ぐだけという状態でした。まずレスリングは新潟にレスリングの強豪校があるので、そこで練習させてもらっていました。柔術はパラエストラ新潟(現レナトゥス柔術アカデミー)で。いろんなところで学んだことをMMAとしてまとめる練習はピュアブレッド大宮でやらせていただいていましたね」
――ピュアブレッド大宮まで通っていたのですか。
「ピュアブレッドの石川真さんが新潟県出身で。試合会場でお会いした時に相談したら『良かったらピュアブレッドで練習しませんか』と誘っていただいたんです。そこから月1回、大宮で練習させてもらっていました。僕も新潟で常設ジムを始め、ウチで育った選手たちが独立していくようになりました。SAI-GYMやBATTLEといったMMAジムは、ウチの卒業生たちが運営しています」
――そうしてジム運営やアマチュア修斗の大会が行われるなか、風田さんの現役時代はプロの試合に出場する場合、新潟から東京、名古屋、大阪まで出向くのが当たり前でした。一方、新潟では他にもプロ興行が開催されていたものの、なかなか定着せずに終わる大会が多かった印象があります。
「他の興行のことは分かりませんが、自分はまず想いだけでやってきましたから。それは僕だけじゃなく、修斗に関わっている人みんながそうでした。だから自分も『とにかく大会をやる!』ということだけ決めて――収支とかは関係なく。それこそコロナ禍では、この先どうなるかは分からなかったし、実際に興行も収支は厳しかったです。でもイベントは絶対に続けよう、と」
――「もう続けるのは無理だ」と諦めそうになることはありませんでしたか。
「それは毎回思っています(笑)。でも応援してくれて、イベントを手伝ってくれている皆さんのおかげで続けることができているんですよ。『そういうものを背負っていけるのは、自分しかいない』という自負はありますね。僕がプロ興行を開催することで、新潟だけでなく日本海側にある全ての格闘技を盛り上げていきたいです」
――そして2013年11月17日、第1回目の新潟大会が開催されました。プロ修斗公式戦は2試合で、他はグラップリングや柔術、アマ修斗公式戦がマッチメイクされています。当時、新潟でプロ興行を開催するうえで大変な面はなかったですか。
「第1回大会の会場である新潟LOTSは、地下格闘技の影響で『もう格闘技には貸さない』ということになっていました。でも何とか交渉した結果、プロ修斗興行のために会場を貸してくれることになって。すると『地下格闘技の人間が新潟LOTSで大会が開催されることに怒っている。当日、輩(やから)が会場に来るかもしれない』という噂が流れたんですよ」
――えぇっ!
「そうしたら石川真さん、天突頑丈さんなど錚々たるメンバーが『会場には一歩も入れさせない』と会場前を固めてくれて」
――石川さんや天突頑丈さん! いろんな意味で強すぎます。
「結局は何も起きなかったのですが、彼らが睨みを利かせてくれていたからだろうと思っています。本当に助かりました」
<この項、続く>
■視聴方法(予定)
9月3日(日)
午後12 時50分~ ツイキャス
■ 越後風神祭り11対戦カード
<フェザー級/5分2R>
TOMA(日本)
岡田達磨(日本)
<フェザー級/5分2R>
小川将貴(日本)
ヨシ・イノウエ(日本)
<フェザー級/5分2R>
久保村ヨシTERU(日本)
櫻庭泰裕(日本)
<バンタム級/5分2R>
Jセロウ若林(日本)
松下祐介(日本)
<ライト級/5分2R>
畑田智洋(日本)
磯部雄太(日本)
<フェザー級/5分2R>
加藤裕彦(日本)
澤江優侍(日本)
<バンタム級/5分2R>
青井心二(日本)
江口諒(日本)
<フライ級/5分2R>
蓮池勇太(日本)
隼吾(日本)
<フライ級/5分2R>
一杉芳樹(日本)
本多“弥彦”直樹(日本)
<フェザー級/5分2R>
長濱靖(日本)
歩生(日本)
<フェザー級/5分2R>
YOKOSAI(日本)
ムテカツ(日本)
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【Echigo Fujin Festival 11】越後風神祭り主催、風田陣に訊く新潟の修斗─01─「輩が会場に来るかも……」 first appeared on
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