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【DEEP JEWELS】速報中!DEEP JEWELS 39

本野美樹VS須田萌里S
全国的に雨模様の祝日。皆さんいかがお過ごしでしょうか。憂鬱な空気が漂う中、浜松町のニューピアホールではDEEP JEWELS 39が開催されます。メインにはDEEP JEWELSフェザー級チャンピオンの東よう子が登場。ダイヤモンドローズ・ザ・ロケットを迎え撃ちします。さらには本野美樹(AACC)×須田萌里(SCORPION GYM)の若手実力派対決など見どころ十分。今回はSPWNでPPV観戦しつつ、電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。


【第1試合 54kg契約】
×MANA(フリー)
(1R チョーク)
○谷山瞳(BRAVE)
1R、パンチを被弾して嫌がったMANAが組み付いて首投げでテイクダウン。しかし谷山はすぐに立ち上がると逆に投げで倒す。そのままバックに回ると側頭部にパウンド。谷山がグラウンドをコントロール。完全にMANAの身体を伸ばすとチョーク。これがガッチリ極まってレフェリーが試合を止めた。谷山がプロデビュー戦で鮮やかな一本勝ちです。


【第2試合 バンタム級】
○ゆりな(OOTA DOJO)
(1R アームロック)
×ひしぬま JUCY さやか(和術慧舟會GODS)
1R、開始直後の差し合い。JUCYはスタンドでバックに回る。しかしゆりな後ろ手に腕絡み。そのままアームロックで捻り上げるとそのままグラウンドへ。さらに絞め上げるとレフェリーが試合を止めた!ゆりながアームロックであっと言う間に仕留めた。


【第3試合 バンタム級】
○熊谷麻理奈(Trister Gym)
(判定3-0)
×細谷ちーこ(ABLAZE八王子)
1R、開始直後から熊谷のストレート、ジャブがよく伸びる。嫌った細谷が胴タックルで組み付く。しかし熊谷は突き放してスタンドの展開。熊谷は膝をヒットさせて再び差し合い。ケージに押し付ける時間が続く。細谷は隙を見て片足タックルを狙うが不発。さらに離れ際には熊谷のパンチの連打を浴びる。熊谷はそれでも片足タックルに行くとテイクダウンに成功。だがすぐにラウンドを終えた。
2R、スタンドのパンチの交差。細谷のタックルに合わせて熊谷は膝を当てるが、熊谷は組み付いて足を掛けてテイクダウンに成功。しかし熊谷はしぶとく立ち上がる。スタンドに戻って身体が離れると細谷はまたも片足タックル。しぶとく倒すとサイドに回る。さらにマウントを狙いつつ腕を取ると熊谷は亀の体勢に回避。そのまま立ち上がるとスタンドの攻防。熊谷のジャブがヒット。細谷はまたも片足タックル。熊谷が切ったところで試合終了。判定は熊谷に軍配!


【第4試合 ストロー級】
×ARAMI(MIBURO)
(判定0-3)
○万智(スポーツジム67’s)
1R、スタンドの攻防から組み付いた万智。一気にテイクダウンするがすぐさまARAMIがスイープ。上を奪い返すが万智も下から足を取ってさらにスイープ。サイドを狙いつつ首を取りに行く。だがARAMIも下から足関節を狙いつつ立ち上がる。万智もついていきスタンドでバックに回ってコントロール。ARAMIを崩してテイクダウンに成功。ここからまたしても上下が激しく入れ替わるスクランブルの展開。最後は万智が上を取ってラウンドを終えた。
2R、スタンドの攻防が続いていたが万智が豪快な胴タックル。ARAMIは崩れたがケージを背にして堪える。スタンドに戻ると万智がバックに回る。しかしARAMIは背中越しに腕絡み。そのまま反転してグラウンドに持ち込むとアームロックであわやの場面。しかし万智は上手く身体を反転させて脱出。逆に組み付くとまたもスタンドで爆に回ってコントロール。終了間際にはグラウンドに持ち込んでバックから強引に腕十字→三角絞め。ここでタイムアップ。判定は万智。プロデビュー戦でARAMIを相手にここまでやれるとは。。。末恐ろしい。


【第5試合 ストロー級】
×長野美香(フリー)
(判定0-3)
○松田亜莉紗(BLOWS)
1R、開始直後から間合いを詰めてパンチを出していく松田。長野は後退する場面が目立つ。1分が経過したあたりで長野は低空のタックル。しかし松田はこれを切ってスタンドでの差し合い。長野はしつこく足を掛けて倒しにかかる。さらに強引にバックに回ろうとするが松田の腰は重く、長い差し合いが続く。業を煮やした長野は引き込みを狙うが松田は付き合わない。スタンドでの差し合いに戻ると長野は腕絡みからグラウンドに持ち込んでアームロック。だがこれは極まらずラウンドを終えた。
2R、開始直後に長野は片足タックル。これが決まってテイクダウン。だが松田はケージを背にしてすぐに立ち上がる。それでも長野はタックルに行くが松田はこれを潰して逆に上を取る。そこから怒涛のパウンド。あわやの場面だったが長野は身体を動かして脱出。スタンドに戻るとまたも長野はタックル。テイクダウンに成功するが松田はすぐに立ち上がって逆に足を掛けてテイクダウン。パウンドを集中して仕留めにいくがタイムアップ。判定は一方的に攻めた松田に軍配。


【第6試合 フライ級】
○栗山葵(SMOKER GYM)
(判定3-0)
×藤田翔子(リバーサルジム新宿Me,We)
1R、ストライカー同士に緊張感溢れる神経戦。静かな展開が続く。徐々に前に出るのは藤田。栗山はサークリング。距離が詰まると栗山のワンツーがヒット。さらに前蹴りなど徐々に手数が増える。さらに左右のパンチを当てると藤田は組みいて回避。身体が離れると今度は藤田の左右のパンチがヒット。終盤は巻き返してラウンドを終えた。
2R、序盤から栗山の左ストレートがよく伸びる。距離を詰める藤田に対して的確にヒットする。藤田もミドルを起点に攻撃を仕掛けるが栗山はサークリングで距離を取りつつ、カウンターでパンチを当てる。特に左フックは強烈。有効打で上回って試合終了。判定は栗山に軍配。


【第7試合 フライ級】
×ミッコ・ニルバーナ(AACC)
(判定1-2)
○NORI(PRAVAJRA)
1R、開始と同時に距離を詰めるミッコ。NORIはサークリングで距離を取るがついに捕まる。ミッコはケージに押し込んで差し合い。足を掛けてテイクダウンを狙うが不発。ブレイクがかかる。再開するとNORIの打撃が連続でヒット。ハイにストレートが面白いように当たる。それでもミッコは前進。するとNORIはバランスを崩して転倒したところを見逃さずミッコは上になる。しかしNORIは下から足を取って足関節を仕掛けてディフェンス。ミッコはそれを捌いてラウンドを終えた。
2R、またもミッコは前進して間合いを詰める。一気に組み付くとNORIはミッコの首を掴んでフロントチョーク狙い。ミッコはお構いなしにテイクダウン。それでもNORIは首を掴んで離さない。この状態のまま時間が経過して試合終了。微妙な判定はスプリットでNORIに軍配。


【第8試合 セミファイナル 49kg契約】
○本野美樹(AACC)
(判定3-0)
×須田萌里(SCORPION GYM)
1R、スタンドでの長い神経戦。プレッシャーを掛ける須田に対して本野はサークリングで距離を取る。中盤に入って距離が近づくと本野が組み付いてテイクダウン。しかし須田は下から三角絞め。耐える本野に対して側頭部にパウンドを当てながら絞め上げる。さらに腕十字に切り替えると本野は身体を反転して脱出に成功。最後はスタンドで打撃を交差させてラウンド終了。
2R、開始直後にミドルをヒットさせて本野。須田は効いたか一気に距離を詰めて組み付く。そのままテイクダウン。しかし本野は一瞬の隙を突いてスイープに成功。だが下になった須田は腕十字!これは本野は冷静に捌いてスタンドに脱出。再開するとパンチの交差から本野が組み付いてテイクダウン。ケージに押し付けて細かいパウンド。一方の須田は下から腕十字と三角を仕掛けるが不発に終わってタイムアップ。
3R、開始直後からパンチを振るって前に出る本野。そのまま組み付くとテイクダウン。上から強めのパウンドで削る。須田はまたも下から腕十字を狙う。この状態で長らく膠着したが本野は腕を抜く。猪木アリ状態からパウンド。さらに身体を密着させてパウンド。小刻みに削ってグラウンドをコントロールして試合終了。判定は本野に軍配!
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【DEEP JEWELS39】須田萌里戦へ、本野美樹─02─「海外で試合がしたい。UFCを目指せないわけじゃない」

【写真】今日の計量は両者揃ってクリア。米国で感じた想いを、試合内容と結果でまずは形にすることができるか(C)DEEP

23日(水・祝)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS30のコメインで須田萌里と対戦する本野美樹インタビュー後編。

ABEM海外武者修行プログラム、最後のプロ練習後にシンジケートMMAでの練習の総決算を聞くと──UFCへの想いを募らせていた本野は、既に決まっていた須田戦を「圧倒しないと意味がない」と話していた。

<本野美樹インタビューPart.01はコチラから>


──強い選手に囲まれている環境を楽しめる自分がいることを、日本を発つ前に想像はできていましたか。

「ビビっていても勿体ないという気持ちではいました。昨日、アンジェラ・ヒル選手とスパーリングができたのですが、それまでは上の階級の選手がずっと相手でした。なので、昨日はビビるというよりも、1Rだけでも試合だと思ってやりました」

──シンジケートは女子も多いと聞いています。それでもストロー級は少ないと。

「今日は10人にいかないぐらいでしたけど、結構人数はいます。でもフライ級から上の選手が多いですね。ラモーナ・パスカルとか、あまり名前が分からないのですが、UFCの選手も3人ぐらいいて」

椎木努(ABEMAディレクター) 本当に女子が多くて。でも、僕が見る限り本当に楽しそうに練習されていました。

「ハイ。楽しいです」

──日本だとストロー級でもアトム級にミクロ級の選手のなかにあって、大きい部類に入ることもあるかと思います。

「ハイ。だから最初に来た時は、テイクダウンができないで。普通に止められて『アレっ?』って感じでした。それからどうやって倒そうとかを考えるようになり、スパーリングをやっていくうちにフェイントを多く入れて、全然倒しやすくなりました。そこは自分のなかで成長できたと思っている部分ではあります。でも、フィジカルが強いというのは最初に感じたところです」

──28歳になり、今後を考えるとホントに手遅れにならないギリギリのタイミングでその体験ができた滞在になったのではないでしょうか。

「色々と気付けたことが多かったです。本当に来て良かったです。これまで余り海外で試合をしたいと思っていなかったのですが、強い選手と練習していると本当に楽しくて。今は海外で試合がしたいという想いが強くなっています」

──海外というと?

「UFCに出たいです。以前は思っていなかったです。でも、こっちに来てUFCに出たいと思って、コンテンダーシリーズを観戦させてもらい……本当にこっちで試合に出たいって強く想うようになりました。今はUFCに出たいという気持ちが強いです」

──練習とはいえアンジェラ・ヒルをテイクダウンして、サイドを取った。UFCを目指す上で自信になりましたか。

「こっちに来るまでUFCは自分が届くモノじゃないと思っていました。でも最後に同じ階級の選手と練習ができて……試合と練習は違いますけど、目指せないわけじゃないという気持ちになれました」

──では帰国後、UFCを目指す上で試合と練習、どのようにキャリアを積んでいこうと考えていますか。

「11月にDEEP JEWELSでは49キロで試合をすることが決まっています。この試合は圧倒的に勝たないと意味がないと思っていて──。自分が目指したいステージが変わったので、ストロー級で戦っていきたい。でも日本だと選手が少ないので、そこは帰国して相談しつつストロー級で戦える体創りをしていきたいです。もう体重を落とす必要はないかと……思っているので(笑)。

練習は……また来たいです(笑)。UFCを目指すとなると、こっちでの練習を継続したい。これからも自分で来られるように、どうにか考えて行きたいです」

──その意識を日本で継続しないといけない。とはいえ、日本には日本の空気があります。より厳しく律さないといけないかもしれない。

「日本でも自分が一番上なわけじゃないし、AACCでも浜崎(朱加)選手だったりRENA選手、大島沙緒里と自分より強い選手がいっぱいいるので。皆、強くなりたいという気持ちは変わらないし、そこで海外で練習できたことを生かして帰国してもそういう練習を継続していきたいと思います」

──日本に戻ると『米国がこうだったから、こうしたい』という意見……言える環境と、言いづらい環境があると自分は考えています。

「AACCの練習でも、凄く良い練習をさせてもらっていますし、阿部さんはきっと米国がどうだったかを尋ねてくれると思います。そうなると、素直に話したいです。でも阿部さんが築き上げてきた練習を、自分が1カ月経験しただけのことで全てを共有してほしいとも思っていないです。だから『こうしてほしい』と言うこともない。練習の前後に自分でできることはできますし、自分の中の意識を高く取り組めばそれは大丈夫なはずです」

──阿部さんは「UFCを目指す」という意見がきっと嬉しいはずですし、帰国してからの報告を楽しみにしているかと思います。

「本当は阿部さんも来たがってくれていたので。凄く、こっちでの練習に興味を持っていると思います。だから海外で経験して良いと思ったことは、阿部さんに伝えたいです。阿部さんが上手く消化してくれると思います」

■視聴方法(水・祝)
11月23日(日)
午前11時30分~SPWN PPV
午前11時30分~ニコニコ生放送

■ DEEP JEWELS39計量結果

<バンタム級/5分3R>
東よう子:61.6キロ
ダイヤモンドローズ・ザ・ロケット:61.1キロ

<49キロ契約/5分3R>
本野美樹:48.9キロ
須田萌里:48.45キロ

<フライ級/5分2R>
ミッコ・ニルバーナ:56.7キロ
NØRI:56.25キロ

<フライ/5分2R>
栗山葵:56.65キロ
藤田翔子:57.17キロ

<ストロー級/5分2R>
長野美香:52.15キロ
松田亜莉紗:51.95キロ

<ストロー級/5分2R>
ARAMI:52.65キロ
万智:52.25キロ

<バンタム級/5分2R>
熊谷麻理奈:61.35キロ
細谷ちーこ:61.45キロ

<バンタム級/5分2R>
熊谷麻理奈:61.0キロ
細谷ちーこ:61.7キロ

<54キロ契約/5分2R>
MANA:53.9キロ
谷山瞳:53.7キロ

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【DEEP JEWELS39】須田萌里戦、53日前の本野美樹─01─「打撃は前よりもビビらなくなった」

【写真】溌剌という言葉が本当に当てはまるベガスでの本野だ(C)TSP

23日(水・祝)、東京都港区のニューピアホールで開催されるDEEP JEWELS30のコメインで須田萌里と対戦する本野美樹。

元ストロー級暫定チャンピオンは9月の1カ月間をABEMAの海外武者修行プログラムに参加し、ラスベガスのシンジケートMMAで練習をしてきた。須田戦が決まっていたという水野だが、キャリア3年で7勝3敗というMMA歴の彼女が同プロジェクトに申し込んだ理由とは。そして──ベガスで何を掴んだのか。現地を離れる前日に行っていたインタビュー、本野がベガスで見つけたMMAファイターとしての生き方とは。


──今、どのような場所でインタビューを受けていただいているのでしょうか。

「UFC世界バンタム級チャンピオンのアルジャメイン・ステーリング選手のラスベガスの自宅です。アルジャメインは先週、NYに戻ったのですが、ここに泊まらせてもらっています」

──今回、ABEMA海外武者修行プロジェクトに申し込み、シンジケートMMAで約1カ月に渡り、練習をしてきました。偏見かもしれないですけど、AACC所属の本野さんがABEMAのプロジェクトで海外で練習をするというのが意外でした。このプロジェクト参加選手はルーキー的な選手が多いのですが、本野選手は既にDEEP JEWELSで暫定ストロー級のベルトを巻いていましたし。

「この企画をツイッターで見て、試合も組まれていなかったので直感的に海外で練習したいと思って、その日の練習の時に阿部(裕之)さんに伝えました。そして、すぐにABEMAに連絡してもらいました。正直、海外で戦いたいとか思っていたわけでもなかったです。ただ去年、田中路教さんが日本に帰国していた時にグランドスラムの練習で会って、練習への取り組みとかMMAへの姿勢を見て、自分の向き合い方と全然違っていると感じました。

本当に尊敬できて。田中選手は普段は海外で練習しているのを知って、その時から海外で練習したいと興味を持つようになっていました」

──田中選手に関していえば人生を賭けているのではなくて、人生を捨てているぐらいの取り組みです(笑)。

「アハハハハ。でも、スタート地点から違うような気がしました。だから武者修行プロジェクトに応募したのは海外で試合をしたいというよりも、海外のMMAに興味を持ったからです。どれぐらいの強さなのかを知りたいと思って。直感と海外の技術が進んでいると聞いていたので、その技術を学びたいと思いました」

──伊澤星花選手に敗れてから、キャリアの積み方など立ち位置が難しい状況になっているなど考えたことはなかったでしょうか。そもそも伊澤選手が何者か世に知れわたる前にプロ2戦目の選手と戦うことはベルトを持つ者として、どのように思っていたのでしょうか。

「ストロー級で戦う相手が本当にいなくて。伊澤選手のことは試合を見て、強いと思っていました。あの時はボクシングを習い始めたばかりだったので、それを試したくて。試合を組んでもらえるなら、誰とでも戦いたいと思っていました」

──タイトルマッチで挑戦を受ける時は、心構えは違っていましたか。

「全然違いました。初戦は舐めていたわけでもないですが、打撃を試したいという気持ちで戦って本当に打撃しか使わなかったです。そこもあって、2戦目は負けるわけにはいかないので自分の得意な組み技を使って、最初にペースを掴もうという作戦でした。でも、伊澤選手のペースに巻き込まれて腕十字でアッサリと負けてしまいました……」

──組み技主体の選手同士の対戦は、組み技力で試合の大勢が決まってしまうという印象がMMAでは強いです。伊澤選手との2連戦を終えて、MMAファイターとして完成度を高めたいという気持ちには?

「ストライカーと試合をするのとは全然違っていました。自分の得意なところが伊澤選手は得意で、自分より極めが上手でした。勝つポイントを見つけることが難しかったです。そういう相手とこれからも戦っていかないといけないのですが、最近は……ベガスに来てからもそうでしたけど、外国人選手と練習すると打撃でも手足が長いし、日本と同じような打撃をしていたら通用しない、圧されてしまいます。

なら彼女たちよりもスピードを速く、動きを増やしてみようとか。少しずつ考えながら……ようやくですけど、デキるようになったかもしれないです」

──そのベガスでの練習も、もうほとんど終了したタイミングだと聞いています。

「ハイ、選手練習は今日終わって。明日の一般のキックボクシングに出て終わりです」

──約1カ月の練習で、一番ガツンと来るものは何でしたか。

「正直、グラップリングに関しては細かい技術を教えてもらったのですが、今直ぐに使うことは難しいので日本に帰国して反復練習をしようと考えています。打撃は……日本にいた時はジャブならジャブと単発で終わっていたのが、こっちの選手はパン、パン、パンと連続で重たい形で来て、蹴りも多いので最初は戸惑いました。ただ練習しているうちに慣れてきて、打撃は前よりもビビらなくなったと思います。

日本では打ち合うということを練習でやっていなかったのですが、少し打ち合いがデキるようになったり、フェイントのバリエーションが増えました。打撃の部分では成長できているというのは感じられています」

──日本では男子とも練習をしていたのですか。

「グランドスラムではMMAスパーを男の選手ともやらせてもらっていました」

──なるほど。いやAACC女子部だと選手の特性上、打撃が続くというMMAスパーにはならないのかと……。

「ジムが広いので、下がりたいだけ下がることができます。だから組みたくて組めないという状況にはなりました。シンジケートで練習すると、皆、下がらないです。そこが日本と考え方、取り組み方が違うというのはありました」

──一発当てると、『この野郎』とより強くなることは?

「最初から強かったです(笑)。でも強く来てくれる分、こっちも強くできてやりやすい。試合のような練習ができました」

──アンジェラ・ヒルとのスパー映像を見せてもらったのですが、凄く溌剌としているように見えました。

「アハハハ。なんかこっちに来て練習していると、自分より強い選手がたくさんいて。考えてやらないとボコボコにされます。

強い選手とやっている練習は、凄く楽しくできました。環境的にも自分に向いているのかと思いました。たくさん考えてできるので、楽しいです」

<この項、続く>

■視聴方法(水・祝)
11月23日(日)
午前11時30分~SPWN PPV
午前11時30分~ニコニコ生放送

■ DEEP JEWELS39対戦カード

<バンタム級/5分3R>
東よう子(日本)
ダイヤモンドローズ・ザ・ロケット(タイ)

<49キロ契約/5分3R>
本野美樹(日本)
須田萌里(日本)

<フライ級/5分2R>
ミッコ・ニルバーナ(日本)
NØRI(日本)

<フライ/5分2R>
栗山葵(日本)
藤田翔子(日本)

<ストロー級/5分2R>
長野美香(日本)
松田亜莉紗(日本)

<ストロー級/5分2R>
ARAMI(日本)
万智(日本)

<バンタム級/5分2R>
熊谷麻理奈(日本)
細谷ちーこ(日本)

<54キロ契約/5分2R>
MANA(日本)
谷山瞳(日本)

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DEEP KINGレイナ o Te-a   パンクラス 中井りん 修斗 大島沙緒里 杉山しずか 東よう子 須田萌里

『DEEP JEWELS 36』試合結果


第7試合 メインイベント DEEP JEWELSフライ級GP 2022(王座決定トーナメント)決勝 5分2R
○中井りん(修斗道場四国/元パンクラス女子バンタム級王者、元VALKYRIE無差別級王者)
×杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)
1R 4’53” 腕ひしぎ十字固め
※中井が王者に
※中井に賞金100万円、杉山に30万円

第6試合 セミファイナル DEEP JEWELSアトム級(47.6kg)タイトルマッチ 5分3R
○大島沙緒里(AACC/王者、DEEP女子ミクロ級(44kg)王者)
×須田萌里[もえり](SCORPION GYM/挑戦者)
1R 2’58” アームロック
※大島が初防衛

第5試合 DEEP JEWELS初代フェザー級王者決定戦 5分3R
○東よう子(リバーサルジム新宿Me,We)
×KINGレイナ(フリー)
判定5-0 (植松29-28/松宮30-26/田澤30-26/柴田30-26/福田30-27)
※東が王者に

第4試合 ストロー級 5分2R
○長野美香(フリー)
×ケイト・ロータス(KING GYM KOBE)
2R 0’57” フロントチョーク

第3試合 ミクロ級(44kg) 5分2R
○山崎桃子(フリー)
×ちびさいKYOKA(SAI-GYM)
判定3-0 (福田20-17/橋本20-17/植松20-17)

第2試合 準決勝第2試合 5分2R
○杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)
×栗山 葵(SMOKER GYM)
不戦勝
※栗山が56.7kgのフライ級リミットを前日計量で150gオーバーし失格

第1試合 準決勝第1試合 5分2R
○中井りん(修斗道場四国/元パンクラス女子バンタム級王者、元VALKYRIE無差別級王者)
×Te-a(AACC)
2R 4’43” 腕ひしぎ十字固め

オープニングファイト アマチュアSPルール フライ級 3分2R
○奥富夕夏(リバーサルジム新宿Me,We)
×MANA(TEAM AGENT)
判定3-0 (20-18/20-18/20-17)

 5月8日に後楽園ホールで開催された『DEEP JEWELS 36』の試合結果。フライ級グランプリ2022(王座決定トーナメント)は中井りんが優勝。アトム級タイトルマッチは大島沙緒里が須田萌里に1Rアームロックで勝利し王座初防衛に成功。初代フェザー級王者決定戦は東よう子がKINGレイナに判定勝ちし王座戴冠しています。続きを読む・・・
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【DEEP JEWELS37】TD&バックコントロールで差をつけた東よう子がKINGを下してフェザー級王者に

<DEEP JEWELSフェザー級王者決定戦/5分3R>
東よう子(日本)
Def.5-0:30-26.30-26.30-26.30-27.29-28.
KINGレイナ(日本)

左ジャブを伸ばすKINGレイナ。東もKINGの動く方向に合わせて左ジャブを打ちおろす。東の右ローに右フックを合わせたKINGレイナ。東はKINGレイナの右ローの打ち終わりにダブルレッグを仕掛けた。これをスプロールしたKINGレイナは、ガブりながら左腕でギロチンを狙うも極まらず。立ち上がった東に対し、右腕を差し上げてケージに押し込んでいく。東は体勢を入れ替え、ケージから離れる。KINGレイナの投げを耐える東が離れた。

距離を保って左ジャブを伸ばす東。さらにKINGレイナが距離を詰めると右ストレートを繰り出す。右ストレートから左ジャブを伸ばす東、KINGレイナは東のパンチに合わせてダブルレッグを狙うも東は足に触らせず。KINGレイナは東の左ジャブに右ストレートを被せた。東の右ストレートがクリーンヒット。さらに右カーフキックを当て、左ジャブで距離を取る。左ジャブをボディに伸ばした東は、さらに右フックを当てる。組んだKINGレイナが東をケージに押し込み、初回を終えた。

2R、東が距離を詰めて左ジャブを当てる。KINGレイナは東の右をかわして回るも組みつくことができない。KINGレイナの右をバックステップでかわした東が、左ジャブを当てる。KINGレイナも右クロスをヒットさせた。互いに左ジャブを当てるなか、東がボディロックで組みつきKINGレイナの背中をマットに着けさせた。東の左足を取ってヒザ十字、さらに内ヒールを狙うKINGレイナ。東は足を抜きながらパンチを落とす。

さらに立ち上がって右の拳を落とす東に対し、KINGレイナは東の右足を取ってヒールを仕掛けるも、足を掴んだままのKINGレイナに東がパンチを落とし続ける。そしてバックに回った東。腰を上げるKINGレイナをサイドバックでコントロールする東が、KINGレイナの顔面にパンチを当て続ける。明らかに表情が変わったバックコントロールから東が殴り続けた。

最終回、東は左ジャブからスタート。KINGレイナのパンチの打ち終わりに右カーフを狙う。疲労が見えるKINGレイナに対し、東の手数が多い。左ジャブを突き続ける東。左のボディストレートがヒットした。KINGレイナも右クロスを当てる。東もKINGレイナの右の打ち終わりに、相手の右側に回って左ジャブを当てた。さらに右カーフキックを当てる。上下にパンチを散らす東に対し、KINGレイナが右クロスを狙う。

足のフェイントを織り交ぜる東が、左ジャブを打って足を使う。KINGレイナの左ジャブをパーリングした東は、KINGレイナが前に出て来るとバックステップでかわし、ケージ中央で左ジャブを当て続ける。東の左ボディストレートがヒット。KINGレイナは右ミドル、右クロスを当てる。組みついてくるKINGレイナをかわした東が、左ジャブを突きながら、動きが止まったKINGレイナに組みついてテイクダウンを奪った。ハーフガードのKINGレイナをケージに押し込み、試合終了のゴングを聞いた。

終了直後、雄たけびを挙げた東。判定は4人のジャッジが東にフルマークをつけ、大差の判定勝利を収めた東がフェザー級のベルトを巻いた。


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【DEEP JEWELS】速報中!DEEP JEWELS 37

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長かったゴールデンウィークも最終日。名残惜しさこの上ありませんが、せっかくなので最後の最後まで楽しもうじゃありませんか。今日は1日中DEEP DAY。まずは後楽園ホールでDEEP JEWELS 37が開催されます。中井りんと杉山しずかが出場しているDEEP JEWELSフライ級GP 2022の準決勝・決勝が目玉ですが、なんと栗山葵が計量オーバーにより失格。杉山が不戦勝という大アクシデントが発生。杉山圧倒的優位の中、果たして誰が王座戴冠するのか。そしてDEEP JEWELSアトム級タイトルマッチは大島沙緒里×須田萌里、DEEP JEWELS初代フェザー級王者決定戦として東よう子×KINGレイナと見どころ盛りだくさん。今日も後楽園ホールから電波と充電の続き限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。


【オープニングファイト アマチュアSPルール フライ級】
◯奥富夕夏(リバーサルジム新宿Me,We)
(判定3-0)
×MANA(TEAM AGENT)
1R、パンチの交差から奥富がタックル。スタンドでバックに回ると脚を掛けてテイクダウン。バックから下になりながら腕十字を狙うがMANAが堪えてラウンドを終えた。
2R、打撃で前に出るMANA。しかし奥富はタックルで組み付いてテイクダウン。またしてもバックに回ってポジションをキープ。終了間際にMANAがガードポジションに戻すと下から腕十字を仕掛けたところで試合終了。判定は奥富!


【第1試合 DEEP JEWELSフライ級GP 2022準決勝第1試合】
◯中井りん(修斗道場四国)
(2R 腕十字)
×Te-a(AACC)
1R、スタンドのお見合いから中井が組みつく。リフトして豪快にテイクダウン。簡単にマウントに移行。ポジションをがっちりキープする。終盤にバックに移行するとチョークを狙う。さらにマウントになって腕十字を仕掛けるが腕が伸びた瞬間にタイムアップ。決められないが中井が圧倒した。
2R、しばらくスタンドの様子見が続く。中井は片足タックルでテイクダウン。サイドを奪取。ガッチリと抑え込む。Te-aは全く動けない状態が続く。中井は脇腹にパウンドを打ち込みつつ、最後は腕十字!耐えるTe-aだったがレフェリーが試合を止めた!中井が圧勝です。


【第2試合 DEEP JEWELSフライ級GP 2022(準決勝第2試合】
◯杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)
(失格)
×栗山葵(SMOKER GYM)
栗山の契約体重オーバーにより失格。杉山が不戦勝。決勝は中井りん×杉山しずかに決定!


【第3試合 ミクロ級(44kg)】
◯山崎桃子(フリー)
(判定3-0)
×ちびさいKYOKA(SAI-GYM)
1R、序盤から山崎はイケイケ。間合いを詰めるとパンチをヒットさせ、さらには前蹴りも当ててケージに追い込む。嫌がったちびさいは胴タックルで組みつく。だが山崎は投げでテイクダウンに成功。するとちびさいは下から腕十字。だが山崎は持ち上げて脱出に成功。スタンドに戻ると山崎は首相撲から膝をボディに何発もヒットさせてラウンドを終えた。
2R、ちびさいはボディが効いたか、再び山崎の膝をもらうかばう仕草。山崎はそのままテイクダウンしてパウンドを集中。さらにバックに回ってチョークを狙うがちびさいは脱出。スタンドに戻ると打撃戦は山崎の手数が上手。終了間際にまたもテイクダウンすると上をキープして試合終了。判定は山崎に軍配。


【第4試合 ストロー級】
◯長野美香(フリー)
(2R フロントチョーク)
×ケイト・ロータス(KING GYM KOBE)
1R、開始早々に組み付いたケイト。ケージに押し込んで差し合い。すると長野が逆に投げる。ケイトは踏みとどまってグラウンドでバックに回る。不完全ながらポジションをキープ。山崎は立ち上がるがケイトはしつこく背中に張り付く。最後は長野が正対してラウンド終了。
2R、開始直後に組み付くケイト。しかし長野は首を取るとそのまま飛びついてギロチンチョーク。そのままグラウンドへ。長野は上から絞め上げるとケイトはタップ!長野が劇的な一本勝ちです!


【第5試合 DEEP JEWELS初代フェザー級王者決定戦】
◯東よう子(リバーサルジム新宿Me,We)
(判定3-0)
×KINGレイナ(フリー)
1R、東が前戦と同じく左ジャブがよく伸びる。レイナが嫌がって前に出ると右フックを蓄積。さらにレイナが打ち気になったところでカウンターのタックル。しかしレイナは尻餅をつくがすぐに立ち上がる。スタンドではレイナの右フックに対して東は左ジャブ、右フックをヒットさせてラウンド終了。手数は東が上手か。
2R、開始直後から東の左ジャブが的確にヒット。さらに胴タックル。レイナはテイクダウンを許すも下から脚関節を取って逆転を狙う。しかし東は冷静に対処。足を抜いてサイドバックに回ると側頭部にパウンドをコツコツ当てる。レイナが立ってもバックを離れずラウンドを終えた。
3R、後がないレイナだがなかなか前に出ない。逆に東は左ジャブ、ボディ、ロー、右フックと着実に蓄積。だが決して深追いしない。終盤にやっと前に出てきたレイナに対してカウンターのタックルでテイクダウン。これで万事休す。東が上をキープして試合終了。判定は東!王座戴冠です。


【第6試合 セミファイナル DEEP JEWELSアトム級(47.6kg)タイトルマッチ】
◯大島沙緒里(AACC)
(1R アームロック)
×須田萌里(SCORPION GYM)
1R、開始直後に須田の前蹴りが顔面にヒット。大島は一気に間合いを詰めて組み付くと足を掛けてテイクダウン。素早くサイドに回る。腕をしつこく狙い続けて最後はアームロック。がっちり極まるがタップしない須田。見かねたレフェリーが試合を止めた!大島が女子高生ファイター須田を止めて王座防衛に成功です。


【第7試合 メインイベント DEEP JEWELSフライ級GP 2022決勝】
◯中井りん(修斗道場四国)
(1R 腕十字)
×杉山しずか(リバーサルジム新宿Me,We)
1R、静かなスタンドの立ち上がり。杉山の強烈な左フックが連続でヒット。中井はフックに合わせてタックル。これは杉山が耐える。だが身体が離れると中井は圧力を強める。後退する杉山に対してにじり寄ってタックルでテイクダウン。すかさず腕十字!これは辛うじて杉山が脱出。しかし中井は上をキープすると試合終了間際にまたも腕十字!残り7秒だったがレフェリーが試合を止めた!中井が圧勝で王座戴冠。やっぱり強い。
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【DEEP JEWELS37】KINGレイナとフェザー級王座戦、東ようこ─02─「負けたら傷口に塩を塗ってくる子」

【写真】昨年6月のKINGレイナ戦後、息子さんも一緒に恒例の記念撮影。前回、セコンドに就いていた藤田大和と杉山しずかも8日は大勝負を迎える (C)MMAPLANET

8日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP JEWELS37で、フェザー級王座を賭けてKINGレイナと対戦する東よう子のインタビュー後編。

前編では再戦に向けて、東に前回の試合を振り返ってもらった。この後編では、そんな初戦から見えてきたもの――さらに自身が成長してきた部分を語ってくれた。前回、KINGレイナに勝ったことでたどり着いた初のタイトルマッチで、東は何を見せてくれるのか。


――KINGレイナ戦の内容については、やはり東選手の左ジャブが目立ちました。過去の試合ではパンチを出すことはあっても、そこまで左ジャブを突くという印象がなかったので、意外な一面でもありました。

「それまでの試合も、ずっと左ジャブは意識していました。でもKING戦では、以前よりも左ジャブで距離を取ろうとは意識していたと思います。もともと私は、自分から前に出ていくタイプだったんですよ」

――これまでの試合では、フックを振りながら前に出て、組んでケージに押し込む場面が多かったと思います。

「でもKINGレイナ戦に向けて、プレッシャーをかけられて自分が下がった時の展開を練習していました。その練習がなかったらKING戦でも私が下がったところに打撃を食らって、やられていたと思います。実際の試合では下がっても、ケージを背負ってもサークリングで対応することができました」

――結果、東選手にとっても新しいスタイル……自分の可能性を確認できた試合だったのではないでしょうか。

「私、柔道の時は寝技が苦手だったんですよ。MMAをやり始めてから、グラップリングや柔術の練習を通して、寝技って楽しいなって感じるようになって。だから、もともとの柔道のスタイルを考えると、打撃で展開を作っていくほうが自分に合っているんじゃないかと思いました。今でも柔道出身のMMAファイターって、組んで投げてからヘッドロックのような形で抑えるっていう選手が多いじゃないですか」

――そうですね。結果、首を抜かれてバックを奪われるというパターンがよく見られます。

「でも柔道って、立ち技から始まるんですよね。MMAも立ち技から始まるので、自分としてもその部分を鍛えていきたいです。やっぱり打撃のレベルを上げないと、世界では勝てないなって思うので。たとえばパンクラスで、意味が分からないぐらい打撃が強いブラジル人選手を呼んでくるじゃないですか」

――意味が分からない(笑)。パンクラスでストロー級QOPになりUFCと契約したヴィヴィアニ・アロージョは、そのタイプですよね。

「そういう選手を見ていると、やっぱり世界の打撃って凄いなって思います。結構ブンブン丸なのに当たるし。でも、そういう選手を見たおかげで、自分も打撃のレベルを上げないといけないと思っていました。

あと柔道って、姿勢を正して掴みに行くことが多い競技なんですよね。だからレスリングのテイクダウンに慣れないところもあって」

――姿勢を正して道着を掴みに行く柔道と、道着のない相手を掴みに行くレスリングでは、構えからして異なりますよね。特に足を取りに行く動きは、柔道ではあまり無いものですし。

「そうなんです。だから世界で戦うためにはMMAの立ち技、打撃とレスリングをもっと鍛えていかないといけないと思います。

KING戦でも、ジャブを突きながら組みで足を触ることができたら、もっと展開が違っていたんだろうなって。それは試合後、メチャクチャ反省しました(苦笑)。そう考えると、KINGレイナ戦を経験して、いろんなものが見えてきたと思います」

――いろんなものが見えてきた前回の試合から11カ月、東選手の中ではどの部分が、どのように成長してきたのでしょうか。

「さっき言った、下への攻めですね。前回の試合で自分がやりきれなかった分、ここ数カ月で詰め込んできました。あとは至近距離でも打ち合えるように練習しています。KING戦で出していたのは、遠い距離からの左ジャブだったので。そうやって自分に足りなかったものを埋めています」

――では反対にKINGレイナ選手については、この11カ月間で変化は見られますか。

「Te-a戦(昨年12月、KINGレイナが腕十字で一本勝ち)では、以前のように強いフックを振ってから組むというスタイルで戦っていましたよね。そうやって以前の勢いを取り戻してくるのかな、とは思います」

――それを踏まえて、再戦はどのような試合になると考えていますか。

「前回は確実に勝つという作戦で、3Rまで戦いました。そこで1回試合をしていることもあって、再戦では本当の意味で白黒がつくんじゃないかと思います。1Rでも2Rでも3Rでも、しっかりと決着をつける形で試合を終わらせたいですね」

――ちなみに、東選手は勝利した試合では息子さんをケージの中に呼び入れています。お子さんは前回の試合で勝利したことについて、どのように言っていますか。

「友達とごはんを食べに行くと、『ママはKINGレイナに勝ったんだよ!』と言っています。今回のタイトルマッチが決まってからも、『前はママが勝ったんだから!』って……。本人も、あの試合で勝つというのが、どういうことか分かっているみたいです。だから再戦も勝たないと――」

――勝たないと……?

「何を言われるか分からない。負けたら私の傷口に塩を塗ってくる子なので(笑)」

――アハハハ。しかし勝って、そんなことも無くなりましたか。

「はい。そういう子供の言葉は、素直に嬉しいです。だから次の試合も、親の威厳を保つために勝ちます。勝って――あの子にもベルトを巻いてあげたいですね」

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【DEEP JEWELS37】KINGレイナと再戦=フェザー級王座決定戦、東ようこ─01─「これをやったら勝てる」

【写真】ジャブをつくこと。着実に勝てるのが、一番だ。それができないと、勝負は賭けが必要になってくるのだから (C)MMAPLANET

8日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP JEWELS37で、東陽子改め東よう子が、KINGレイナとのDEEP JEWELSフェザー級王座決定戦に臨む。

東とKINGレイナは昨年6月、ノンタイトルマッチで対戦し、東が判定勝ちを収めた。パンクラスを主戦場としていた東にとって、アウェイでネームバリューの高いKINGレイナに勝利した価値とは一体どんなものだったのだろうか。再戦を前にリモート取材──まずは前回の試合のポイントを振り返ってもらった。


――KINGレイナ選手とのベルトを賭けた再戦が控えている東よう子選手です。前回の試合までは「東陽子」という本名で試合をしていましたが、リングネームは「東よう子」になったのですね。

「そうなんです。東陽子だと名前の画数が悪いと言われて。あとは陽っていう漢字は画数が多く、自分も書きにくかったので(苦笑)」

――KINGレイナ選手に勝ってベルトを巻き、「東よう子」とサインを書きまくる気満々ということですか。

「いやいや、そういうことはないです! でもサインを書くのは憧れますね(笑)」

――アハハハ。とはいえ前回、KINGレイナ選手に勝利したことは、それだけ大きなことだったのではないでしょうか。

「はい。日本の女子重量級では、KINGレイナ選手が一番強い相手だと思っていたので」

――KING選手に勝った時、ベルトを賭けた再戦ということは想定していましたか。

「いえ、まったく考えていなかったです。自分の中ではもう1回パンクラスに戻り、パンクラスでタイトルマッチをやりたいと思っていました。あるいは、もっと上の大会に出たりとか。外国人選手を呼べるようになったら、ということにはなってしまいますけど」

――ではタイトルの有無は関係なく、KINGレイナ選手との再戦があるかもしれない、ということも考えていなかったのでしょうか。

「再戦があるとすればRIZINでやるのかな、とは考えていました。でも、こうしてDEEPでタイトルマッチとして、再戦を組んでいただけたのは嬉しいです。タイトルマッチであれば、自分としても再戦をやる意味があると思えるし、モチベーションも上がります」

――では改めて、KINGレイナ選手との初戦を振り返っていただけますか。前回の試合では、東選手が終始、自身の作戦を徹底し続けたように見えました。

「山﨑さんが米国へ行くので(山﨑剛Me,We代表はKINGレイナ戦と同日、UFCに出場する村田夏南子のセコンドとして渡米していた)、その前に試合の作戦を立ててくださって。その作戦をしっかりと、当日セコンドについてくださるチームと確認して試合に臨みました。そうやって、みんなが作戦を共有できていたのかなと思います」

――その作戦というのが、左ジャブを突くことだったのでしょうか。

「とにかく大きいことはせず、確実に勝ちに行く。それが作戦でした。左ジャブについても、相手の大振りに対してインサイドを突く、という感じで」

――左ジャブを突きつつ、自分から組むことは考えていなかったのですか。

「もちろん壁際で組む練習はしていましたけど、どちらかといえば相手が組んできた時のために、と考えていましたね。だから相手が組んできたらこう、というプランもありました」

――一方のKINGレイナ選手も、ほとんど組んでこなかったですね。

「そうなんです。私が掴んだら、ヒザを合わせて離れるという感じでした。結果的に、組みの展開はなかったですね」

――KINGレイナ選手が組んでこないことは、想定内でしたか。それとも想定外だったのでしょうか。

「私が柔道をやっていることを知っているので、そんなに組んでくることはないかな、と思っていました。私としても確実に勝つことが一つの目標だったので、自分の作戦を徹底できたかなと思います」

――ただ、東選手の左ジャブをもらいながらも、表情を変えずにKINGレイナ選手が前に出て来ました。東選手にとってプレッシャーには感じなかったのでしょうか。

「それが……以前パンクラスで対戦したキム・ヨンギ選手(2019年6月に判定勝ち)も、打っても打っても前に出て来るタイプだったんです。その経験があったので、KINGレイナ戦ではプレッシャーに感じることはなかったです。でも1R、2Rは『何なんだ!?』と思っていました。何をやったら相手は倒れるんだろうか、と。

でも3Rには流血していて、その前にもパンチが効いているなと思った場面もあったんです。KINGレイナ選手は、肩でパンチをいなすじゃないですか」

――ショルダーブロック、あるいはショルダーロールと呼ばれる技術ですね。

「はい。それで肩を引く時に、一瞬フラッとした時があったんですよ。今思えば、その時に自分がもう一歩、踏み込んだほうが良かったのかなって。でもその時は、とにかく確実に勝つっていう意識が強かったので」

――判定になった時は、ご自身の勝利を確信することはできましたか。

「いえ自分も当てられて下がってしまった時があったので。セコンドは『勝っているよ!』とは言ってくれていたんですけど、私は自信がなかったです。DEEPは相手のホームじゃないですか。それもあったらヤバいかな……それぐらいの差しかなかったです」

――絶対に勝つ、大きなことはしないという作戦の中で、打っても打っても相手が前に出て来る……そこで大きなことをしようとは考えなかったのでしょうか。

「それは無かったです。山﨑さんをはじめ、チームのみんなを全面的に信頼しているので。これをやっていたら勝てる、そういう練習をして試合に臨みました。ここで大きいことをするのではなく、1勝を大事にしようと思った結果、KINGレイナ選手に勝つことができたんです」

<この項、続く>

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