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【週刊ジョビンNEWS】RIZIN9月カード。ピカのケイトロータスへの発言。風間敏臣UFC勝利。パントージャvs朝倉海!?フワちゃん&アインシュタイン稲田の件。今週の格言は焼き肉と寿司は全て同じ味。

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第11試合/朝倉未来 vs. 平本蓮
第10試合/マニー・パッキャオ vs. 安保瑠輝也
第9試合/斎藤裕 vs. 久保優太
第8試合/扇久保博正 vs. 神龍誠
第7試合/所英男 vs. ヒロヤ
第6試合/芦澤竜誠 vs. 皇治
第5試合/ジョン・ドッドソン vs. 征矢貴
第4試合/RENA vs. ケイト・ロータス
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第2試合/タイ・エマリー vs. チャリーサ・シガーラ
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【超RIZIN3】全試合を振り返る【ラジオ代わりにどうぞ】

■超RIZIN3結果
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第11試合/朝倉未来 vs. 平本蓮
第10試合/マニー・パッキャオ vs. 安保瑠輝也
第9試合/斎藤裕 vs. 久保優太
第8試合/扇久保博正 vs. 神龍誠
第7試合/所英男 vs. ヒロヤ
第6試合/芦澤竜誠 vs. 皇治
第5試合/ジョン・ドッドソン vs. 征矢貴
第4試合/RENA vs. ケイト・ロータス
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総合格闘家・元谷友貴の活動を投稿しています。

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【元谷友貴】
石川県加賀市出身。アメリカン・トップチーム所属。
初代、第3代DEEPフライ級王者。
第7代DEEPバンタム級王者。DEEP2階級制覇王者。

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#mma #元谷友貴 #格闘技

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o RIZIN VTJ YouTube   佐藤ルミナ 安保瑠輝也 平本蓮 所英男 朝倉未来 榊原信行

【RIZIN】朝倉未来 平本蓮に完敗!引退発言を考える

昨日開催された超RIZIN.3。久しぶりのさいたまスーパーアリーナスタジアムバージョンの熱気にほだされる第1試合からフィニッシュシーンの連続。所英男が涙のTKO勝ちを収めると、セミでもレジェンドボクサーのマニー・パッキャオを相手に安保瑠輝也が大善戦。判定があれば勝っていたのでないかと思うほどの動きを見せて会場を沸かせました。

その中でも特筆すべきはやはり朝倉未来×平本蓮の一戦でしょう。4年に渡る激しい舌戦と張り巡らされた遺恨。その中に垣間見えるお互いのリスペクト。複雑に絡み合った伏線を回収する日がついにやってきました。

でも、待ち受けていたのは圧倒的に残酷な現実。RIZINの榊原信行CEOはその喪失感を髙田延彦×ヒクソン・グレイシーに例えていたのは絶妙。そうだよなとしみじみ思いつつ、私はどちらかというと、VTJ 1stで行われた佐藤ルミナ×所英男と重なりました。今回と同じく短時間決着。長い期間を掛けて煽られて妄想も膨らんでいただけに、「え?もう終わり?」という虚無感というか、物足りなさというか。切なさに近いものを感じたあの時と一緒の感覚です。

朝倉と平本。私の戦前の予想は5Rをフルに使っての判定決着。お互い待ちのスタイルのため、警戒し合って手が出ないまま試合が進み、歓声とブーイングに包まれながら試合終了のゴングが鳴る。。。そんな状況を想像していたので、まさか1Rで決着がつくとは予想だにしていなかったのは私だけではないでしょう。

それが故にパンチを簡単に被弾してあっさりとダウンした朝倉の姿は儚かった。格闘家として正直好きなタイプではないし、散々批判も書いてきました。それでも、ライト層にまで格闘技、RIZINの名前を浸透させてムーブメントを作ったのは朝倉未来という存在があってこそ。その男がこうもあっさりの敗れるとは。。。その姿は見ていて辛いものがありましな。

そして一夜明けて朝倉は宣言通り引退を表明。でも、平本蓮や榊原CEOなど現役続行を期待する声があちこちから湧き上がっています。確か、ウガール・ケラモフに一本負けを喫した後も引退表明をしながら、一転して現役続行を決断した前例もあるし、焦って結論を出さずに時間をかけてゆっくり考えればいいのではないかなと。

格闘家にとって引退撤回はプロテインを飲むくらい普通な事だし、引退するかどうかは本人の決断次第。何度も書いてますが、ピークが過ぎても三浦知良のように現役にこだわる選手もいれば、中田英寿のように余力を残しながらもスパッと第二の人生にシフトする選手もいます。大事なのは本人の意志。

かつて桜庭和志は「桜庭引退か?」という新聞の見出しを揶揄して「新聞記者なんかに引退させられたくない」と切って捨てました。まさしくその通り。SNSや外野の声に左右されず、自分がやりたいようにしてほしい。だって今の格闘技の盛り上がり、昨日のさいたまスーパーアリーナのスタジアムバージョンの景色は朝倉未来がいなければ実現してませんもん。朝倉にはそれくらいのわがままを言う権利は間違いなくあります。また修羅の道に踏み入れるか。何はともあれ、まずはお疲れ様でした。
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45 MMA MMAPLANET o RIZIN SUPER RIZIN03 ヒロヤ 所英男

【SUPER RIZIN03】崖っぷちの所英男、ローに右ストレートを合わせてマウント&ヒジでヒロヤにTKO勝ち

<59キロ契約/5分3R>
所英男(日本)
Def.1R3分20秒 by TKO
ヒロヤ(日本)

ジャブを見せて動く所、ヒロヤが右カーフを蹴る。距離を測るなかで、ヒロヤが右クロスを放つ。カーフからワンツーのヒロヤに対し、所も右ローを蹴る。跳ねるような右ハイを見せたヒロヤは、シングルレッグを切る。ここで引き込んだ所の足関節を対処すると、潜りもエルボーを落とす。所は左を差して立ち上がって、離れる。様子見のなかローの同士討ちから、ヒロヤが右カーフを入れる。体がよれた所はローに右ストレートを合わせる。

グシャっという音がして、腰から崩れたヒロヤ。所はマウントを取った、エルボーの連打で引退返上のTKO勝ちを決めた。所は家族とチームメイトと勝利を喜んだ。


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【SUPER RIZIN03】計量終了 握手も一触即発も3試合。フィリピンではパッキャオの試合が300円PPV

【写真】所に対する、ヒロヤのリスペクトが感じられた (C)MMAPLANET

明日28日(日)に、さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで開催される超RIZIN03の公開計量が、27日(土)に会場非公開で実施された。
Text by Manabu Takashima

メディアとファンクラブ当選者に限定公開された公開セレモニアル計量は、選手のアクションに対するファンの反応が非常に良く既に大きな盛り上げりを見せていた。

そんななかMMA、ベアナックル戦、スタンディングバウトに出場する22選手全員が計量をクリアし、フェイスオフが行われた。ところでフェイスオフ前後で握手を交わしたのは、わずかに3試合のみ。MMAに限ると8試合中、健闘を誓い合ったのは所英男とヒロヤの2人だけだった。

彼ら以外の握手組はマニー・パッキャオ&安保瑠輝也、ジョン・ドッドソンと征矢貴というボクシングとベアナックルファイト出場選手達で、同様にベアナックルで戦うタイ・エマリーはチャリーサ・シガーラに対し、手を合わせて丁寧に挨拶を行っていた。

意外だったのは斎藤裕と久保優太が握手をしなかったことか。

両者の普段の言動を前提とすると掌を合わせるかと思われたが、第7試合以降はフェイスオフ後にマイクでコメントという流れだったために、一旦取った距離を戻すことが難しい空気にはなっていた。


対して握手でなくても体が触れる──もしくは触れそうな一触即発の状況に陥ったのも3試合。鈴木博昭が一気に距離を詰めると、YA-MANに額を押しつけ不敵な笑みを見せた。

手を伸ばしたのは、やはり芦澤竜誠と皇治だった。ただし、5月の会見時のように殴り合いに発展することはなく、ばかりか芦澤が最前列で見学をしていたライアン・ガルシアを指さし、これに反応した皇治がガルシアを挑発するという出来上がり具合だった。

ショーアップを超越してピリピリしていたのは、扇久保博正と神龍誠だった。握手をしづらい距離となっていたにも関わらず、マイクで互いに「殺してやる」と言葉を吐くと、指をさして詰め寄るというシーンが見られた。

体が触れることはなかったが、やはり最高の緊張感が感じられたのはメインで戦う朝倉未来と平本蓮だった。その平本、会場を後にする際に目が合うと「これまでと全く違いますよ」と仕上がり具合に自信をのぞかせていた。

打撃もそうだが、グラップリングに関して打ち合うこと前提の組みを取り入れて、より総合力が上がっているという話も聞かれる。結果、打撃に関しても、より威力を増した一撃を入れることができるようになったというが──果たして……。

今回の計量はフィリピンから多くのメディアが取材をしていたのも印象深い。もちろん、パッキャオが目当ての彼らは「MMAに興味はない。マニーの取材のためにだけに日本に来た」と言い切っていたが、懸命にIZINガールを撮影していたのはご愛敬だ。

そんなフィリピンのメディアに、どのようにしてフィリピンのファンが今大会をチェックできるのかを尋ねると、日本円で300円ほどのPPVで、携帯で視聴できるということ。ただし、それもイベント全体でなくパッキャオ×安保の1試合のみということだった。

■視聴方法(予定)
7月28日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

■ SUPER RIZIN03計量結果

<フェザー級/5分5R>
朝倉未来:65.9キロ
平本蓮:66.0キロ

<スタンディングバウト特別ルール69キロ契約/3分3R>
マニー・パッキャオ:68.05キロ
安保瑠輝也:68.75キロ

<フェザー級/5分3R>
斎藤裕:66.0キロ
久保優太:65.95キロ

<フライ級/5分3R>
扇久保博正:56.95キロ
神龍誠:56.95キロ

<59キロ契約/5分3R>
所英男:58.9キロ
ヒロヤ:59.0キロ

<バンタム級/5分3R>
芦澤竜誠:61.0キロ
皇治:60.85キロ

<BKFCフライ級(57.2キロ)/2分5R>
ジョン・ドッドソン:57.2キロ
征矢貴:57.2キロ

<女子スーパーアトム級/5分3R>
RENA:48.9キロ
ケイト・ロータス:48.65キロ

<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭:65.9キロ
YA-MAN:65.95キロ

<BKFCフライ級(57.2キロ)/2分5R>
タイ・エマリー:54.1キロ
チャリーサ・シガーラ:53.9キロ

<フェザー級/5分3R>
新居すぐる:65.6キロ
摩嶋一整:65.8キロ

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【超RIZIN】所英男vs.ヒロヤ、「最高の試合をしましょう」ガッチリと握手! 『Yogibo presents 超RIZIN.3』公開計量

#所英男 #ヒロヤ #rizin

27日、『Yogibo presents 超RIZIN.3』の公開計量が行われ、出場選手が登場した。
RIZIN FF オフィシャルサイト
https://jp.rizinff.com/

(オススメ動画)
🎬【超RIZIN】芦澤竜誠vs.皇治、乱闘寸前で会場が騒然!ライアン・ガルシアを見つけ司会に制される 『Yogibo presents 超RIZIN.3』公開計量

🎬【超RIZIN】平本蓮、会場からの“未来コール”にも動じず!朝倉未来とバッチバチの睨み合い 『Yogibo presents 超RIZIN.3』公開計量

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【SUPER RIZIN03】この夏、一番危険な戦い。扇久保博正「初めての感情。本当に完膚なきまでやっつけたい」

【写真】これは──2カ月前だからできたインタビュー。メディアデーの最後に頭を使わせてしまい、終わった時には扇久保から安堵のような笑みが見られた(C)MMAPLANET

28日(日)、さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで行われる超RIZIN03で、神龍誠と対戦する扇久保博正。正式発表から5月の記者会見を経て、公開練習──そしてファイトウィークと試合が近づいてきても、その緊張感は高まるばかりだ。
Text by Manabu Takashima

格闘技は性善説に基づいて行われるもの。いや、あらゆるスポーツばかりか人間社会自体が性善説で成立している。そうでなければ車の運転もできないし、屋台でアメリカンドッグを買うこともできないだろう。

それが相手と争う競技、ましてや勝利を得るために目の前の人間を殴り蹴りし、倒して絞めるMMAは、自制心が欠かせない。タガが外れる瞬間、外すことができるファイターは強いが、外れっぱなしでは人間社会を生きていくことはできない。

どれだけ試合前にトラッシュトークをしようが、戦い終わってノーサイド。その姿勢こそが、プロが人前で戦う戦いだ。だからこそ、指導者と指導を受ける者として過ごした時代の因縁が、再燃しているこの戦いは危険だ。実際、扇久保は私生活を持ち出して対戦相手を嫌う様な言動をしたことなど過去になかった。「この感情が試合に影響することはない」という扇久保だが、神龍に対する呼称がインタビュー中も「彼」、「アイツ」、そして「誠」と変わり、一人称も「僕」と「俺」が交錯し続けていた。プロとして受ける取材と、感情の狭間に扇久保はあったように思われる。

そんな彼に神龍戦だけでなく超RIZIN03における立ち技格闘技出身ファイターの台頭を尋ねると、協調性と自負が感じられる──そう彼の人間性が溢れ出るような返答を聞くことができた。(※取材は5月24日の超RIZIN03の会見終了後に行われた)。
る。


早く、分からせてやりたいなって。彼の強さを認めた上で、そう思っています

──会見では神龍選手に対して、盛り上げるために一連の発言をしたのでしょうか。それとも何か身の内に想いがあって、あの言葉を発したのですか。

「榊原さんもリング上で『因縁がある』という風に言っていて、でもファンの皆はどういう因縁があるのか分からなかったんじゃないかと。その状況でも彼は、その因縁を説明をすることはなく普通に『フライ級の1番を決めます』という感じでるだろうなって予想していたんです。そうしたら、案の定そのままだったので。まぁ、盛り上げるためといえば盛り上げるためだったのかなぁ……」

──「いいか、お前」と話しかけておきながら、神龍選手が応えようとすると「黙れ。話を聞け」というのは、かなり理不尽に感じられました(笑)。

「アハハハハ」

──神龍選手の性格を考えると、トラッシュトークの枠を超越した本気モードの罵り合いになるという恐れもありました。

「そうなんですよ……」

──「指導員として、おかしい」という発言は完全にガチでしたね。

「でも、正直を言えばアイツとそれほど因縁があるとは思っていないんですよ(苦笑)。言った方は覚えていないですからね(笑)。でも、言われた方は凄く覚えているというパターンですね。それこそ会見で言ったトイレ掃除のくだりも、僕は全く覚えていなかったですからね。

第三者からアイツが根に持っていると聞いて。でも、それぐらいのこと皆にやっていますし。彼はトイレ掃除が嫌だったのでしょうね」

──そもそも神龍選手とはどれぐらいの期間、どの程度の付き合いをされていたのでしょうか。

「いつ入会したのかは覚えていないですけど、最初はキッズクラスに来ていたはずです。それから徐々に一般クラス、そしてプロ練にも出始めて。どんどん強くなってきて。何がきっかけで強くなったのかは記憶にはないのですが、凄く強かったことは確かです。

練習でも人が使わない、突拍子もない技。プロレスの技を使ったりしていましたね。もともとプロレスラーになりたかったんですよね。突拍子もないことを普通にやってのける子なんで、それが格闘技にも出てしますよね」

──ポテンシャルは認めていたと。

「ハイ。強くなると思っていました。体も柔軟で、やり辛さを感じていましたし。ただ……指導という面では付きっきりでやったり、ミットをずっと持っていたとかっていうことは、僕の記憶にはないです。

一般のテクニッククラスに誠が来ていた。そういう感じですね。あとは和田竜光選手とのタイトル戦とか、デビュー戦でセコンドに就いているんですよ。本当にイチ後輩というか、生徒という感じで見ていました」

──世代が違いますしね。松根良太&扇久保博正のような関係に扇久保博正と高橋誠もなり得たということではないですか。

「僕と誠が、松根さんと僕のような関係に? そういう風になろうとしているのかな……というのは、誠から感じることはありました」

──その気持ちに応えることができなかった?

「う~ん、これはもう詳細を話すと試合を盛り上げるためのインタビューに相応しくない内容になってしまうので……。ただ、常識が欠如したところを指摘したりはしました。そうですね、僕としては『誠な、世の中ってのはな……』なんて社会性を身に着けるために話をしたつもりではいました。

ちょっとね、浮いていたところがあったので。強くなるためにも、皆とコミュニケーションを取った方が良いというのが僕の考えだったし、そのためにはこうした方が良くないかということを伝えましたね。そうじゃないと、あれ以上強くなれないと思ったので。

でも、彼は僕が意地悪をしていると捉えたのかなかって。でも、俺ももっと変なことを言っていたかもしれないですね。まぁ、ウチのジムから離れた選手も当然いますけど、誠は特殊ですね。アイツは本当に、ウチのジムのカラーには合わない奴でした」

──リングの上に私怨があると、怖いです。

「これは僕も長い間戦ってきて、初めての感情ですね。本当に完膚なきまでやっつけたいと思っています」

──自分らのような生き方だと、それこそ人を本気で殴るという行為は若い頃に数えるほどあったに過ぎないです。だから、MMAファイターたちが試合で殴って、絞めて、勝敗もついている間柄で、一緒に練習をして会話をする。そこが凄いと素直に思うんです。自分だと、喧嘩に負けた相手は一生忘れないし、世間が許すなら今でも仕返しがしたい。ただ、そうやって会話や練習ができる人が戦うから、格闘技って成り立つんだと。

「そういう部分でいうと、今回の試合は本当にヤバいですよ」

──その感情がMMAファイターとして、扇久保選手の磁場を狂わせることはないですか。

「いや、全然ないですよ。早く戦いたい。早く、分からせてやりたいなって。彼の強さを認めた上で、そう思っています」

──その感情が勝負をするうえで、余計だと感じることは?

「あぁ、そこは大丈夫です。その感情に引きずられるようなことはないです。そこは自分に自信を持っています。自分のファイトスタイルにないことを、リングの上でやるつもりはない。誠が何もできなかったと思うような試合、そういう風な戦いにします。分からせてやります」

──あの若さと自信、そして実績もある神龍選手をそこまでにする自信があるわけですね。

「それこそ、肌を合わせたことがあるので。どこが強いのか、どこが弱いかも分かっています。彼の強いところを一つ、一つ潰します」

──弱さがあるとすれば、どういう部分でしょうか。

2018年4月28日の和田竜光戦。3Rでなく、2Rに向かう前の神龍

「気持ちでしょうね。

さっきも言いましたが、和田選手との試合でセコンドに就いて、3Rが始まる前に泣きそうになった顔を覚えていますから。『お前、試合中だぞ。気持ちを切らせるな』って怒ったんです」

──それも恨まれましたね(笑)。

「アハハハハ。ただ、その弱さが全てじゃないし。そこに捉われることもない。なんといっても、誠も成長をしているので。でもアイツには、絶対に負けないですね。そこは自信があります。

と同時にTHE BLACKBELT JAPANの若い連中は『分かるぞ、神龍』って思っているかもしれないですよ(笑)」

──アハハハ。その因縁とともに、この試合が超RIZINのなかで実施されるということで、扇久保選手には伺いたいことがあります。

「ハイ、何ですか(笑)」

キックができるからって、MMAで勝てるという風に簡単に思わないでいてほしい

──会見で、皇治×芦澤竜誠のような乱闘が起こりました。その会見を見ても分かるように、今大会はキックから転向してきた選手同士だけでなく、転向組がMMAファイターと戦う試合等が多く組まれています。この状況を俯瞰して、MMAファイターとして意地を見せるという気持ちを扇久保選手は持ち合わせているのでしょうか。

「僕は『俺はお前らと違うんだよ』という気持ちはないです。

乱闘劇の際の斎藤裕、所英男、扇久保博正の三者三様振りがおかしい

本物と偽物というのもなくて。皆、本物ですよ。それこそBreakingDownだって戦っているんだから、本物だと思っているし、偽物とは思っていない。

でもキックボクシングからの転向してきた選手とはやってきたこと、やっていることは違う。僕らが築いてきた技術と比べると、彼らがやっていることはどうしても浅い。そこは違うぞという想いはあります。ただし戦いとしては、全てが本物です」

──いうとキックボクサー×MMAファイター、キックボクサー同士のMMAの方が扇久保×神龍よりも、一般のファンには受ける可能性が高いです。

「う~ん、結局……本物が残るんで」

──……。

「あっ、本物って言っちゃいましたよね(笑)。せっかく、格好つけていたのに(爆)」

──アハハハハ。

「俺、自分で言っていることが分かっていないし、すぐに考えが変わっちゃうんですよ(笑)。だから良いところで編集をしてもらわないと。誠のことを言えないぐらい、俺も相当に変わっているんで(笑)」

──アハハハ。偽物とかではなくて、別モノという気持ちがあるということでしょうか。

「偽物とは絶対に思っていないです。僕はシュートボクシングの試合に一度出ていて、あの辛さを分かっているので。『こんなことをあの人たちはやっているんだ』と。だから、あの人達がやってきた凄さを認めています」

──とはいえMMAのルールで、日本で一番大きな大会でキックボクサーの占める割合が高くなっている(※結果的に11試合中、ベアナックルが2試合、特別ルールが1試合、MMAは8試合で、元キックボクサーが絡まない試合は3試合)。そこに危機感を感じることはないですか。

「だから……レベルの低い者同士が戦えば、面白いですよね。逆に高い者同士が戦うと、防御力が高いですからね」

──ただ元キックの選手達、強くなっていないですか。

「それは思っています。でもMMAとしての強さが一番なんで。だから斎藤(裕)君と久保(優太)選手の試合も、斎藤君が勝つと思っています。試合を見る人が、どう思うかは別で。MMA歴の短いキックボクサーの試合の方が動きが多くて、凄いように捉えられることはあるでしょうね。だから偽物でなく、別モノなんです。とはいっても、強さでいえば僕らの方が強い、確実に強いです。

同時にMMAは打撃から始まるので、打撃の圧力は重要で。そこはキックボクサーの人達は凄いです。そして、真剣にMMAに向き合っている選手もいます。これからは、そういう人達が増えてくること思いますし、もう次の超RIZINに表れています。それでも組み技は、すぐには強くなれない。練習をすれば強くなりますが、時間は掛かります。積み重ねが大切で、だからこそキックができるからって、MMAで勝てるという風に簡単に思わないでいてほしいです。

そのなかで僕の試合が、これがMMAだという試合になるかは正直分からないです。でも、自分がやってきたことを僕は信じているので。それを出していけば盛り上がる──じゃないけど、伝わるモノは絶対にあると思います。

僕はやっぱりRIZINのフライ級を、UFCを越えるフライ級にしたい。中央アジアとか強烈な連中が出てきているからこそ、僕と神龍の試合はRIZINフライ級にとっても大切な戦いになる。覚悟を持って臨みます」

■視聴方法(予定)
7月28日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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【SUPER RIZIN03】ヒロヤ戦を乗り越えて叶えたい大きな夢――所英男「最後は代々木第一で戦いたい」

【写真】悲壮感ではなく、勝ってもっと格闘技を続けたい。そんな想いが伝わるインタビューだった(C)TAKUMI NAKAMURA

28日(日)、さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで行われる超RIZIN03で、所英男がヒロヤと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

「負けたら引退します」。対戦カード発表記者会見で所は進退をかけてヒロヤとの一戦に臨むことを明言した。2001年にリングスでプロデビューし、ZST、HERO’S、DREAMで戦い、2015年からはRIZINを主戦場に戦ってきた46歳の所が、いよいよキャリアの終わりを意識するようになった。

しかし自らが己に課した“負けたら引退”という状況のなか、所の中には新たな目標が芽生えたという。引退をかけてではなく最後に叶えたい大きな夢に向かって、所はヒロヤとの一戦に臨む。


──超RIZINへの出場が決まり、記者会見では「負けたら引退」という言葉もありましたが、会見のあとの反響や反応はいかがでしたか。

「みんな腫れ物に触るじゃないですけど、気を使ってあんまりそのことに対しては触れてこなくて……自虐的な感じになっちゃいました(苦笑)」

──最近の試合では所選手も「これが最後になるかもしれない」という覚悟だったと思うので、そういった反応が多かったのかもしれないですね。

「周りからすれば『いつ辞めるんだろう?』というのは常にあったと思いますし、自分自身もこれが最後かもしれないと思ってやってきて、それをようやく口に出せたのかなという感じですね」

──自分の気持ちの中で思っていることと、言葉にして発するのは大きく違うと思いますが、あえて言葉にしたというのは心境の変化があったのですか。

「自分はRIZINという素晴らしい舞台に出させてもらっていて、最終的にはRIZINで引退したいという気持ちがありました。そのなかで神龍誠戦はいい試合だったと言ってもらえたんですけど、自分がRIZINに出られるレベルなのかと言われたら、そうじゃないかもしれないですし、そこでヒロヤ選手と試合をすることになって(引退をかけて戦うには)タイミング的にいいのかなと思いました」

──流れとしてはまず最初にこの試合のオファーがあったのですか。

「ヒロヤ戦に関しては金原(正徳)さんのプロデュースというか、鈴木千裕戦の前に金原さんと一緒にタイで練習していて、そこで金原さんからヒロヤ選手の名前が出て、色々と話していくうちに、この選手だったら進退をかけて戦う意味があると思ったんですよね。それを金原さんがRIZINに伝えてくれて、ヒロヤ選手側とも調整してもらって、正式に決まりました」

──ヒロヤ選手には対戦相手として、どんな印象を持っていますか。

「すごく気持ちのいい選手ですよね。試合中も思いきりがいいし、プロの試合をするというか、気がついたらヒロヤ選手を応援している、そんな感じの選手ですよね」

──BreakingDown出身選手ですが、あまりそういった雰囲気はないですよね。

「僕は不良っぽい選手が苦手なんですけど(苦笑)、ヒロヤ選手は雰囲気が違いますよね」

──ヒロヤ選手の体つきや試合ぶりを見ると、真剣に格闘技と向かい合っていることが伝わってきますよね。

「それは凄く思いますね。あと会見で一緒になった時に、26歳であの落ち着きぶりは凄いなと思いました。僕が(アレッシャンドリ・フランカ・)ノゲイラとやったのが27歳の時だったんで、それを考えたら落ち着いていますよね」

──ヒロヤ戦に向けて、タイでの練習も含めてどんなことを意識してやってきたのですか。

「タイで初めてクロスフィットトレーニングをやったんですよ。色々と決まっているメニューを黙々とこなして、それがむちゃくちゃキツいんですけど、前田(日明)さんのトレーニングを思い出すというか。このトレーニングをやっていると、スパーリングの動きも変わったんですよね。自分の中でこれだ!と思う部分があって、日本に戻ってきたあとも、金原さんにHALEOを紹介していただいて、HALEOでトレーニングを見てもらうようになりました」

──実戦的なものではなく、運動能力を上げるようなトレーニングなのですか。

「そうです。そのおかげでスパーリング中の反応も速くなった……気がします(笑)。いざ試合になったらガチガチかもしれないですけど、少しでも自分のパフォーマンスを上げる可能性があるならやる、ですよね。金原さんからは『僕は10年前からやってます』と言われて、もっと早く教えてくださいよと思いましたけど(笑)」

──このタイミングで気づけて良かったと前向きに捉えましょう!

「本当にそうですよ。このタイミングで気づいて『救世主なのかな、金原さんは』って思うぐらい感謝しています」

──具体的には動きの反応がよくなったり、スタミナが続くようになったり、そういった効果が大きいですか。

「言っても若い人には勝てないですけど、46歳の自分の中では変わってます。40代前半くらいには若返りました。3月からトレーニングを始めて4カ月で4~5年前に戻っているっていうことは凄いですよね」

──今までとは違う形で充実した練習ができているようですね。

「前田さんからも連絡があって『治療に行ってこい』と治療院を紹介してもらったり、色んなところで変わってきています。次の試合、若い選手とやるからなんとも言えないですけど、前回とは違う内容でやれるんじゃないかなと思っています。

──ある意味、昨年10月のヒロ・ヤマニハ戦はそれまでと同じ練習を継続して挑んだ試合で、今回は新しいことにチャレンジして挑む試合ですね。

「そうですね。だから楽しいと言えば楽しいんですよ」

──その一方で、試合前に向けて練習をしていて、これで最後になるかもしれないと、ふと思うことはないですか。

「それはめっちゃ思いますね。『試合まであと2週間か』と思ったり、『この練習もあと2回か』と思ったり。それが寂しくはありますけど、まだ格闘技をやりたいという気持ちも強くなっています。負けた時の自分を考えると、僕から格闘技をとったら本当に何もない人間なんで、自分が自分でなくなっちゃうと思っているんですよね。だから、負けられないし、辞めたくないし、勝ちたいです」

──金原選手がRIZINで連勝してタイトルに挑む姿を見て、ポジティブな刺激や影響も受けましたか。

「まあ金原さんは元々強いんで、あんまり参考にならないですけど(笑)。2月のRIZINでは今成(正和)さんも一本勝ちして、40代が頑張ってるだけで、胸を打たれますよね。そこはもう勝ち負けだけじゃないと思います。でもだからこそ僕はヒロヤ選手に勝ってまだ格闘技を続けたいです」

──さきほど「最終的にはRIZINで引退したい」という言葉もありましたが、所選手は旗揚げ戦からRIZINに参戦しているんですよね。

「RIZINの旗揚げ戦が29日と31日の2DAYS興行で、29日の大会に出させてもらったんですよ。それから少し間が空くことはありましたが、ずっとRIZINに出させてもらっています」

──RIZINは来年で旗揚げ10年なので、所選手のキャリアを振り返ると、RIZINが一番長い期間、出場している大会なんですよね。

「そうなんですか? それは意外でした」

──ざっくり所選手のキャリアを時系列で並べるとZSTが2002年~2005年、HERO’Sが2005年~2007年、DREAMが2008年~2011年、2015年以降がRIZINなんですよね。

「言われてみれば、そうか……。ZSTなんかものすごく長くいたイメージがあるんですけど、3年くらいなんですね。全然気づかなかったです。ZSTが一番長いと思っていたので」

──だから所選手はRIZINを代表する選手の一人だと思いますし、この10年で格闘技ファンになった人たちにとっては所英男=RIZINファイターなんだと思います。

「確かに。僕は本当にRIZINには感謝しかなくて。RIZINに出る前にBellatorに出て(2015年3月、L.C.デイビスに判定負け)、そのあとにRIZINからオファーをいただいたんですが、マネジメントのトラブルで、試合が出来るか分からない状況になっていたんですね。でもその試合を受けたかったので、佐藤大輔さんとうちの奥さんがRIZINに掛け合ってくれて、なんとか急遽試合ができることになって。そうやってRIZINに拾ってもらったという恩と感謝があります」

──RIZINが所選手に戦う場を作ってくれたんですね。

「自分がそれに対して何かを返せているかどうかは分からないですけど…」

――しかも堀口恭司選手やジョン・ドッドソンといった世界のトップ選手とも試合が組まれて。

「なんでそんないいカードを組んでくれたんですかね(笑)。他にもクロン・グレイシーともやりましたし、太田忍選手のデビュー戦の相手もやらせてもらって」

――UFCのタイトルマッチ経験者、グレイシー一族、オリンピックのメダリスト……そうそうたる相手ですね。

「何気に那須川天心選手とボクシングルールもやりましたし、グラップリングで桜庭和志さんと組んでヴァンダレイ・シウバ&田村潔司組ともやっているんですよ」

――しかも次の対戦相手のヒロヤ選手はBreakingDown出身で。これだけ色んなジャンルとビッグネームと対戦した選手はいないでしょうね。

「全く目立ってはないですけど(笑)。でもすごくいい扱いをしてもらっているし、本当にありがたいです」

──そういった相手と試合が組まれるのは所選手だからこそだと思いますし、このストーリーをこれからも続けていきたいですよね。

「何が何でも続けたいですよね。それしかないです、今は。とにかく辞めたくないです。続けたいです。この試合のために全部出しきるトレーニングをやってきて、そのつもりで戦うので、ここで終わっていいという覚悟はありますが、それ以上に勝って格闘技を続けたい。その気持ちが一番です。あと新しい目標も出来たんですよ」

――新しい目標……聞かせてもらってもいいですか。

「僕の格闘技人生を変えたのが2005年7月のノゲイラ戦で、あの日の会場が代々木第一(国立代々木競技場第一体育館)だったんですね。6月にRIZINが代々木第一で大会をやっていて、僕ももう一度代々木第一のリングに立ちたいと思いました。代々木第一は僕の人生を変えてくれた場所で、色んな想いが詰まった場所で、引退するまでにあの場所で試合をしたい。その目標を達成するまではやめられないですね。その時は(山本)アーセン選手と対戦したいんですよ」

――アーセン選手とも対戦したいのですか。

「先ほど話したように僕は格闘技人生で色んな相手と戦ってきましたが、KID(山本徳郁)さんとだけは試合が出来なかったんです。だから自分の思い出の場所で、KIDさんの甥っ子のアーセン選手とやりたいです。だからロード・トゥ・代々木第一、ロード・トゥ・アーセンが今の目標です」

――それは素晴らしい目標ですね。所選手が代々木第一のリングに立つ姿を見たい人はたくさんいると思いますよ。

「東京ドーム、大阪ドーム、さいたまスーパーアリーナ、日本武道館……色んな会場で戦ってきましたけど、最後は代々木第一で戦いたい。その目標が出来てから、また気持ちがすごく燃えているんです。その目標をかなえるためにもヒロヤ選手には絶対に勝ちます」

■視聴方法(予定)
7月28日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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『RIZIN CONFESSIONS』第154回動画/所英男が妻の乳がんを告白「勝って喜んでもらいたいので、頑張らないと」

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 『RIZIN CONFESSIONS』第154回動画。


 同大会で成長著しい若手ファイターのヒロヤ(26)と対戦する所は、会見で「負けたら引退」を宣言し、「結果を出して喜んでもらいたい人がいるんで」と決意を語っていた。動画では所の妻が登場し、今年3月に乳がんが発覚し「いま抗がん剤を使って治療しています」と自ら報告した。

 ジムの社長として公私ともに夫を支えてきた妻に対して、所は「自分は奥さんいないと何もできないので」と思いを伝え、「2回目と3回目の抗がん剤の治療の間に髪が抜けるってことで、丸坊主にする日があったんですけど、そこで息子と一緒に僕らも丸坊主にしました」と明かした。

 そして「勝って喜んでもらいたいので、頑張らないと」と改めて勝利と現役続行を誓った“逆境ファイター”。動画では格闘技界のレジェンドこと桜庭和志との練習の模様も公開されている。

 所英男が妻が乳がんで治療中であることを告白しています。続きを読む・・・
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【Pancrase344】1年半振りのパンクラス=上田将年「若いファイターと対戦したくないと考えるのは違う」

【写真】筋が通っているというか、軸がぶれないというか。さすがの上田将年です(C)SHOJIRO KAMEIKE

30日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるダルヘッダー昼の部=Pancrase344で、上田将年が眞藤源太と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

上田にとっては2022年12月以来、1年半振りのパンクラス参戦となる。昨年11月のBloom FC、そして今年2月のRIZIN佐賀大会と地元・九州での2試合を経て、上田は何を掴んだのか。さらに幾度もタイトルに挑み、ランキング上位の常連でもあった上田がノーランカーとの復帰戦を受けた理由に、上田らしさが溢れていた。


――2022年12月の伊藤盛一郎戦以来、1年半振りのパンクラス参戦となります。パンクラス以外で戦っていた1年半は、上田選手にとってどのような期間でしたか。

「地元で2連戦できたのは大きかったです。自分のMMAキャリアが終盤に向かいつつあるなかで、ずっと『地元で試合をしたい』という気持ちがありました。まず鶴屋怜選手、伊藤盛一郎選手と2連敗して、1回期間を空けようかと考えていたんですよ」

――上田選手の場合は、コロナ前からフライ級上位陣と戦い続けてきました。そのぶん疲れが溜まっているのでは……とも思っていました。

「体の疲れよりも、2連敗して心が疲弊していましたね。だから『1回休もう』と。ちょうどその頃に、所英男選手のセミナーが福岡で開催されたんです。僕にとっては所選手って、高校時代にテレビで見ていた憧れのファイターで。その所選手からアドバイスが欲しいと思って、自分の今の気持ちを話してみたんですよ。すると『そういう時は1回ガッツリ休んでみても良いと思う』と言われました。所選手もDREAMやRIZINに出ている中で、ガッツリと休んだ時期があったそうで……」

――伊藤盛一郎戦からBloom FCのオトコンバヤル戦まで約1年の期間がありました。その間はどう過ごしていたのでしょうか。

「いつもどおり練習して、育ってきている福岡の後輩選手たちのサポートに回ったりとか。でもサポートに回っていても、見ていると自分も試合がしたくなってきて(笑)。サポートしながら刺激をもらって、またサポートしながら刺激を――という繰り返しでした」

――Bloom FCではオトコンバヤルに判定勝ちを収めたものの、続くRIZINでは伊藤裕樹選手に敗れています。あの試合については?

「伊藤裕樹戦は、自分が守りに入りすぎてしまいました。自分は組みたい、伊藤選手は殴りたいと互いの作戦が違うなかで、僕は伊藤選手の打撃をブロッキングして組みに行きたかった。そのために伊藤選手としては、打撃の防御についてはイージーになったと思います。自分が殴って触って、次に僕が組みに来るのは分かっていたはずですから」

――伊藤裕樹戦前のインタビューでも、ご自身が守りに入ってしまう点について触れていました。一方でオトコンバヤル戦では、自分からアクションを起こすことができていた、と。しかし伊藤戦で守りに入ってしまったのは、何か理由があるのでしょうか。

「伊藤戦は当て勘が良くて、カウンターを当てるのも巧いですよね。こちらが変に打撃を出したところにカウンターを合わせられたくなかった。序盤に伊藤選手のパンチをブロックした時、このまましっかりブロックしていればKOされることもないし、ダメージを受けることはないと思ったんです。それで逆にブロッキングに頼ってしまい、相手に触られる機会をつくってしまったと考えていて。自分もジャブを打ちながら前に出て、相手に反応させてから組みに行けば――と試合後、原田惟紘さん(G-face代表)とも話をしました」

――では伊藤裕樹戦の内容と結果を受けて、ここまでに取り組んできたことはありますか。

「まず思ったのは……経験値がない時代は、良い形で組めなくてもガムシャラに攻めていたんですよね。スタミナのことも考えずに(笑)。でもその結果、動きが出来てスクランブルになって自分が上を取る。それが僕の強みだったと思います。

でも経験を重ねるなかで、『今ここで行くべきか……』と変に落ち着いて考えてしまうことも増えました。伊藤裕樹戦の映像を視返すと、『ここは練習なら行っとうよな』と思う場面は結構あって。でも試合中は『ここで行ったらスタミナがどうなるか』と考えてしまう。

最近は丁寧につくっていこうという気持ちが強くなっていたかもしれないです。だけど、ちょっと雑でも良い。ドリルとかスパーリングの中でも、自分が完全に良いところを取れていなくても動きをつくることを意識してきました。もちろん、動きをつくる分疲れます。でもその部分をクリアできないと、前回と同じことになってしまうので」

――きっとMMAはその繰り返しなのだろうと思う時はあります。上田選手ほどのベテランでなくても……たとえば若い選手でも、できることが増えたら試合中に考えてしまう場面が増えてしまったと。そこで一瞬、動きが止まったところを相手も見逃さないわけで。

「なるほど。最初のガムシャラな気持ちがあって、技術的にできることも増やし、さらに経験を積んでいった時に、それらをうまく融合させられたら動きに繋がるのでしょうね」

――パンクラスでは現在ランキングから外れています。そんななかでノーランカーの眞藤選手と対戦することになりました。

「実はこの試合の前に、ランカーとの試合のオファーが来ていたんですよ。自分もパンクラスさんには『前戦で負けているので、相手を選べる立場ではないです。パンクラスさんが選んでください』と伝えていて。でもタイミングが合わずに何度か話が流れて、今回の進藤選手との試合が決まりました」

――そうだったのですね。パンクラスに復帰するうえで、目指すはパンクラスのベルトなのでしょうか。

「そうです。伊藤裕樹戦が終わって『これからどうしようかなぁ』とは考えたんですよ。『違う団体で試合をするのも一つだな』とか。でもMMAを戦ううえで何か一つ目標は欲しい。じゃあ今は何が欲しいのか、と考えた時に思い浮かんだのは――やっぱりパンクラスのベルトでした。鶴屋戦、伊藤盛一郎戦と2連敗していても、諦めることができないです」

――他の団体に出場することも考えたのですか。

「はい。でも『次どこで試合しようか……』と考えているうちに、試合もせず1年が経ち――ベテラン勢の名前だけが残っていくことって多いじゃないですか。それだとMMA業界全体の新陳代謝には繋がりにくいですよね。僕はそれが嫌で。

若いファイターたちは上の選手を喰いたい。かつて自分もそうであったように。なのにベテランが若いファイターと対戦したくないと考えるのは違う。上の選手も勝てば良い話で、負けたら『自分もここまでか』と思って引退していく。それが格闘技だと思うんですよ。

自分自身もベテランというだけで、名前だけ残しているようなファイター人生を送りたくない。特にパンクラスで試合をしている若い選手からすれば、『1年半もパンクラスで試合をしていないのに、いきなり復帰戦が上位ランカーって……このオッサンは何だ!?』と思うでしょう(笑)」

――アハハハ。逆に若い選手には、それぐらいの意気込みを持ってほしいですね。

「そうなんですよ。それは他の団体に出ても同じだと思います。たとえば僕がDEEPや修斗に出て、いきなり上位陣と組まれるとするじゃないですか。ずっとDEEP、修斗で戦っている選手は『パンクラスでランキングに入っていたからって何だよ』と思うでしょうし。何より僕が同じ立場だったら、絶対にそう思っているはずなので」

――眞藤選手は現在23歳で、次の試合が8戦目です。まさに上田選手を喰いたくて仕方ない立場でしょう。

「そういう相手と対戦することに、少しプレッシャーは感じています。でもパンクラスらしいマッチメイクですよね。オファーが来て、すぐに受けました」

――オファーが来た時点で眞藤選手のことは知っていましたか。

「いえ、名前を見ただけでは分かりませんでした。でも映像を視ると『あぁ、この選手か! 良いファイターだよなぁ』と思って。真っ直ぐ伸びのあるパンチを打つし、寝技も自分からどんどん動いてくる選手です。映像を視ることで改めて、自分もスイッチが入りました」

――とにかく動き続けるスタイルが眞藤選手の特徴です。先ほどの「自分から動きをつくっていく」という話でいえば、上田選手の今が試される相手で正直、一番嫌なタイプの相手ではないですか。

「絶妙なマッチメイクですよね。これは坂本靖さんマジックで毎回『ここで、この相手が来るか!』と感じています(笑)。でもここで自分がオファーを断る理由もなくて。それこそ『上田、お前は前回負けているから、次はこの相手だ』と言われても当然なのが格闘技だと思っていますから」

――上田選手がパンクラスへ、そのように伝えているからではないですか。「確実に自分が勝てる相手と試合を組んでください」と言えば、実現するかもしれません。

「アハハハ! たとえそうであっても、僕は自分を貫きます」

――それこそが上田選手だと思います。

「眞藤選手は運動量が多く、身体能力が高いファイターだと思います。その中にある穴も見つけています。相手もその穴を埋める練習はしているでしょうけど、さらにその穴の奥を突いて、ベテランのズル賢さを見せたいと思います。と同時に、自分としては久々のパンクラス参戦で、上田将年としては初出場です。フレッシュな気持ちで戦い抜きます!」

■視聴方法(予定)
5月30日(日)
午後12時00分~U-NEXT

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