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【PFL2023#04】プレーオフ進出を賭けたウェード戦へ、工藤諒司─02─「相手も1Rから極めにくる」

【写真】これが工藤が見ている風景だ (C)PFL

8日(木・現地時間)にジョージア州アトランタのオーバータイムエリート・アリーナで開催されるPFL2023#04で、クリス・ウェードと対戦する工藤諒司のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

インタビュー中、工藤は何度も「KOしないと次に繋がらない」という言葉を口にした。1Rでウェードを仕留めることができれば、昨年同様プレーオフに進出することができる。PFL2023年シーズンのフェザー級ランキングは現在、以下のとおりだ。

【フェザー級ランキング】
1位 5p ブレンダン・ラウネーン
2位 3p バッバ・ジェンキンス
3位 3p モヴィッド・ハイブラエフ
4位 3p ガブリエル・ブラガ
──────────────────────────────────
5位 0p ヘスス・ピネド
6位 0p 工藤諒司
7位 0p クリス・ウェード
8位 0p マルロン・モラエス
9位 0p タイラー・ダイヤモンド
10位0p チョ・ソンビン

この状況のなか、工藤は「初戦を落としているウェードが相手だからチャンスがある」と語った。

<工藤諒司インタビューPart.01はコチラから>


――昨年のフローレス戦は、教科書のような右オーバーハンドによるKO勝ちだったと思います。工藤選手にとっても、フローレス戦のようなイメージを持っているのでしょうか。

「ありがとうございます。これまでのキャリアを考えても、あの右は一番良かったと思いますね。力まず、軽く出したパンチが入りました。そういうパンチが効くんだなって勉強にもなりましたし」

――それはPFLという場でも、テイクダウンされずに自分の右を当てたら勝てるという自信に繋がりましたか。

「そうですね。自分も倒せる打撃を持っているんだということを再確認できました。その打撃を最大の武器として戦っていきたいと考えています。PFLで勝つために、自分のやるべきことが明確になったといいますか」

――先ほど工藤選手も言われたように、今年もプレーオフへ進むためには、次の対戦相手クリス・ウェードをKOしなければなりません。しかも、できるだけ早い段階で。このPFLの仕組み自体は、どのように考えていますか。

「どの試合も勝たなければいけないので、特に考えたことはないですけど――多くの選手は初戦って、ポイントを取るための試合をしているという印象はありますね。あまりリスクは冒さず、しっかりと判定で勝つための試合展開で」

――実際、工藤選手の初戦も相手のハブライエフが、その戦法で来たわけですね。

「僕の場合は、判定ではなく決着をつける試合をしたいと思っています。もちろんハブライエフ戦も倒し切りたいという気持ちを持っていました。その試合を落としてしまい、何がなんでも次の試合は倒さないと次に進めないので、むしろ自分にとっては良い状況なのかもしれません」

――PFLも選手がクイックシックスを求める仕組みを創った。つまり初回からフィニッシュを目指すような試合をさせるためのシステムですよね。一方で工藤選手の場合は無理やりPFLのルールに合わせるのではなく、工藤選手のスタイルとPFLの求めるものが一致しているのでは……という印象があります。

「確かに、そうなんですよね。クイックシックスを狙うために自分のスタイルを崩すわけではないですから。もちろん今回も1RからKOを狙います。ここで6ポイントを獲得するしかプレーオフに繋がる方法はないので」

――率直に、クリス・ウェードはクイックシックスを狙える相手だと思いますか。

「はい、そう思っています。もともと相手も初戦を落としていて、僕としては初戦を落とした者同士の対戦って考えていなかったんですよ。勝っている選手と負けている選手の対戦——それが基本的な流れじゃないですか」

――通常ならば、そういうマッチメイクになるでしょうね。

「負けた者同士だと状況が変わります。初戦を落とした者同士だから、相手もクイックシックスを狙って1Rから極めに来るでしょう。それが打撃で来るのか寝技で来るのかは分からないけど、お互いにフィニッシュしなければいけない。だからこそ自分にもチャンスがあると思っています」

――ではファイターとしてのウェードの印象を教えてください。

「レスリングベースで、打撃とグラップリングもできる選手ですね。ファイターのレーダーチャートがあるとすれば、全ての項目の点数が高いタイプだというイメージです。怖いのは左ストレートとハイキック。そのあたりの打撃はもらわないように攻めていきたいですね。あとは試合が始まってみないと分からないところもありますけど」

――全部できるファイターだからこそ、何で来るかが読めないところがある。反対にウェードのほうは、1Rで仕留めきるタイプではないですよね。

ベスト4が2度、準優勝が1回。嫌な打撃、怖い組みを持つクリス・ウェード

「そう思います。

自分としては相手がどう出て来たら、こうするという戦略も固まっています」

――まだウェード戦を控えている段階でお聞きするべきことではないかもしれませんが、プレーオフに出場してハブライエフに借りを返したいですか。

「バッハ・ジェンキンスもそうですし、負けている選手には借りを返したいです。そのためにも、ウェード戦でキッチリと仕留めたい。判定決着になっても自分としては面白くないし、何よりプレーオフに繋がりません。もちろん勝って嬉しくない試合はないです。でも大事なのはこの試合で判定勝ちすることではなく、プレーオフに進出して優勝することなので」

■視聴方法(予定)
6月9日(金・日本時間)
午前7時30分~DAZN

■ PFL2023#04対戦カード

<フェザー級/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
ヘスス・ピネド(ペルー)

<フェザー級/5分3R>
モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)
タイラー・ダイヤモンド(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マールシン・ハムレット(ノルウェー)
サム・ケイ(豪州)

<フェザー級/5分3R>
バッバ・ジェンキンス(米国)
チョ・ソンビン(韓国)

<ライトヘビー/5分3R>
ジョシュ・シルヴェイラ(米国)
デラン・モンチ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
マルロン・モラエス(ブラジル)
ガブリエル・アウベス・ブラガ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
タイ・フローレス(米国)
ダン・スポーン(米国)

<フェザー級/5分3R>
クリス・ウェード(米国)
工藤諒司(日本)

<ライトヘビー級/5分3R>
インパ・カサンガネイ(米国)
ティム・キャロン(米国)

<女子フェザー級/5分3R>
アビゲイル・モンテス(メキシコ)
ブランディ・ヘスター(米国)

<フェザー級/5分3R>
アレクセイ・パーガンデー(米国)
アキーム・バシアー(米国)

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【PFL2023#04】2年連続トップ4へ。奇跡的に状況が揃った工藤諒司─01─「今年もやってやるぞ!!」

【写真】ファイトウィークと変わらないようでいて、言葉の出て来かた等は直前でない空気があった (C)SHOJIRO KAMEIKE

8日(木・現地時間)にジョージア州アトランタのオーバータイムエリート・アリーナで開催されるPFL2023#04で、工藤諒司がクリス・ウェードと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

工藤は2023年シーズンの初戦、モヴィッド・ハイブラエフで判定負けを喫した。現在のフェザー級ランキングでは0pで6位、対するクリス・ウェードも、バッハ・ジェンキンスとの初戦を落とし、0pでランキングは7位だ。

シーズン2戦目を前にして3p で4位だったアレハンドロ・フローレスが欠場、7位のダニエル・トーレスがドラッグテストで陽性となり失格。期せずしてランクが自動的に2つ上がったことで、ある意味──奇跡的な逆転プレーオフ出場が見えてきた。とはいっても工藤に求められるのは1Rフィニッシュ、クイックシックス=6pを獲得だ。つまりは昨シーズンと同じ状況で2戦目を迎える工藤、渡米直前に意気込みを訊いた。

【フェザー級ランキング】
1位 5p ブレンダン・ラウネーン
2位 3p バッバ・ジェンキンス
3位 3p モヴィッド・ハイブラエフ
4位 3p ガブリエル・ブラガ
──────────────────────────────────
5位 0p ヘスス・ピネド
6位 0p 工藤諒司
7位 0p クリス・ウェード
8位 0p マルロン・モラエス
9位 0p タイラー・ダイヤモンド
10位0p チョ・ソンビン



――8日(現地時間)に試合を控えている工藤選手です。このインタビューは日本時間の1日に行っておりますが、渡米はいつ頃ですか。

「日本時間の6月4日、日曜日に日本を出発します」

――現地に着いてからは、どのようなスケジュールを過ごすのでしょうか。

「写真撮影などは前回済ませているので、オフィシャルのインタビューやメディアの取材ぐらいかもしれません。だから前回よりは忙しいスケジュールにならないと思いますね」

――前回ということは、2023年シーズンの1試合目ですね。

「写真撮影と取材以外に、メディカルチェックなど結構キツキツのスケジュールでした」

――そうしたファイトウィークの対応というのは、ファイターにとってはストレスになるものですか。試合の勝敗や影響には関係ないとしても。

「自分はストレスには感じていないですね。『試合前はゆっくりしたい』と考える選手もいるとは思いますけど、僕は気にならないです。PFLもスタッフは意外と少人数で選手のケアをしているのですが、みんな本当によく動いてくれる人たちだなって思います」

――一方、現地では体を動かすことはあるのでしょうか。

「はい。PFLが取ってくれているホテルの中にマットルームや、食事を出してくれるレストランみたいなところが用意されているんですよ。そのホテルの中で全てのことを済ませられるので、現地にいる間はホテルから出ることもないです。そういう意味では楽ですね」

――現地に着いた段階で、ウェイト調整はどのような状態なのですか。

「もちろん日本を発つ前から体重は調整していますが、ホテルでは減量用のメニューを出してくれます。高タンパク低カロリーで、栄養価の高い食事ですね。プロモーターサイドが食事のことも考えてくれているのは凄いなと思いました」

――Road to UFCでは選手がSNSで、現地で主催者が用意してくれるお弁当のような減量食を紹介していました。

「PFLの場合はビュッフェ形式で、自分で好きなものを選ぶ感じですね。それこそ食べても食べても体重が増えないメニューで。むしろ食べるほど減っていくような(笑)」

――ハハハハ。それは良いですね。ところで2022年からPFLに参戦し始めて、そのような現地での過ごし方には慣れたのではないでしょうか。

「今は慣れました。それよりも現地に着く前——飛行機の不安です。絶対に何かトラブルがあるので(苦笑)」

――トラブルとは?

「荷物が届かなかったりとか。荷物は次の日に戻ってきたから良いものの……。あとは、どうしても飛行機に乗っている時間が長いので体にダメージが溜まります。今回は日本からアトランタまで、一度乗り継ぎはありますけど、それでも長いですからね」

――なるほど。さて本題ですが、まず今シーズンの初戦はモヴィッド・ハブライエフに判定負けを喫しました。その試合内容について感想を聞かせてください。

「シーズンの初戦を落とすというのは……うーん、なんとか取りたかった。もう落としてしまったことは仕方ないですが、内容的には悔しいです。3Rフルで抑え込まれてしまいました。あれだけ時間があったにも関わらず、何もできずに終わったので。ただ、昨シーズンも初戦を落としてから、2戦目でKO勝ちしてプレーオフに進みました。今年も、去年と同じ状況ですね」

――昨年のシーズンは初戦でブレンダン・ラウネーンに判定で敗れたものの、2戦目でアレハンドロ・フローレスを1RにKO。クイックシックスのポイントを獲得してプレーオフに進出しました。

「この2戦目で倒し切らないと、プレーオフには行けないという状況は去年と同じになりました。でも去年に一度経験しているので、『今年もやってやるぞ!』という気持ちしかないです」

――ではハブライエフ戦の敗因と、次に生かすべきだと感じた点について。さらにハブライエフ戦から取り組んできたことがあれば教えていただけますか。

「まず良かった部分がないですよね(苦笑)。あそこまで封じ込まれてしまうと、気持ち的にも『シュン』となってしまうといいますか……。自分が思っている以上に、相手のグラップリング、コントロールする力が凄かったです」

――そこはロシア勢や中央アジア勢の強さですね。

「はい。自分の強みは打撃なので、ハブライエフ戦のように封じ込まれると自分の強みを出せなくなります。なので、まずは倒されないこと。倒されても立ち上がるまでの部分を強化してきました。そして次の相手のことを考えた時、打撃で倒さないといけない。倒すための打撃も強化してきています」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月9日(金・日本時間)
午前7時30分~DAZN

■ PFL2023#04対戦カード

<フェザー級/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
ヘスス・ピネド(ペルー)

<フェザー級/5分3R>
モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)
タイラー・ダイヤモンド(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マールシン・ハムレット(ノルウェー)
サム・ケイ(豪州)

<フェザー級/5分3R>
バッバ・ジェンキンス(米国)
チョ・ソンビン(韓国)

<ライトヘビー/5分3R>
ジョシュ・シルヴェイラ(米国)
デラン・モンチ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
マルロン・モラエス(ブラジル)
ガブリエル・アウベス・ブラガ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
タイ・フローレス(米国)
ダン・スポーン(米国)

<フェザー級/5分3R>
クリス・ウェード(米国)
工藤諒司(日本)

<ライトヘビー級/5分3R>
インパ・カサンガネイ(米国)
ティム・キャロン(米国)

<女子フェザー級/5分3R>
アビゲイル・モンテス(メキシコ)
ブランディ・ヘスター(米国)

<フェザー級/5分3R>
アレクセイ・パーガンデー(米国)
アキーム・バシアー(米国)

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【PFL2023#04】工藤諒司、2戦目の相手はクリス・ウェード。プレーオフ進出の可能性は、まだまだある

【写真】いやぁ、良いマッチアップ。勝てる可能性はプレーオフ進出より、さらに高い(C)PFL

26日(水・現地時間)、6月8日(木・同)にジョージア州アトランタのオーバータイムエリート・アリーナで開催されるPFL2023#04の対戦カードが発表された。

フェザー級とライトヘビー級の2階級のレギュラーシーズン2戦目にして最終戦。工藤諒司はクリス・ウェードと対戦することが決まった。両者の対決に触れる前に、現状のランキングを確認しておきたい。

【フェザー級ランキング】
1位 5p ブレンダン・ラウネーン
2位 3p バッバ・ジェンキンス
3位 3p モヴィッド・ハイブラエフ
4位 3p アレハンドロ・フローレス
──────────────────────────────────
5位 3p ガブリエル・ブラガ
6位 0p ヘスス・ピネド
7位 0p ダニエル・トーレス
8位 0p 工藤諒司
9位 0p クリス・ウェード
10位 0p マルロン・モラエス


2021年シーズン準優勝&2022年ベスト4のウェードは、PFL活動初年度のライト級参戦時に川名雄生を初回にギロチンチョークで破っている確かな実力者だが、今年は初戦でバッバ・ジェンキンスに判定負けを喫している。その結果、0Pで初戦でブレンダン・ラウネーンに2RでKO負けしたマルロン・モラエスが最下位のランクで現状はブービー賞、下から2番目にランクされている。

工藤もまた、モヴィッド・ハイブラエフに敗れ0Pで8位だ。つまりは8位と9位の下位対決と見られがちだが、ここが僅か2戦のレギュラーシーズン、PFL首脳の──ウェードなのか工藤かのか、果てはそのいずれかにプレーオフ進出の期待が込められているマッチアップといえる。

今回PFLが明らかにしたマッチアップで0P同士の対戦はこの1戦のみ。首位のラウネーンは6位のピネドと。3位のハイブラエフの相手は7位のダニエル・トーレス、さらに4位のアレハンドロ・フローレスが最下位のモラエスと戦う。

さらにいえば5位のガブリエル・ブラガは、シーズン2戦目は用意されておらず、初戦直前にメディカル書類の不備で試合出場ならなかったチョ・ソンビンが大まくりを目指し、2位のバッバ・ジェンキンスと相対する。

勝手な予測だが、PFLサイドは1位から3位はこのままプレーオフ進出に順当な勝利を望んでいる。ラウネーンは最大11P獲得でき、他の2選手は勝てば6Pが約束されている。仮にこの3名がボーナスポイントを献上して敗北するなら、大穴の誕生でプレーオフをさらに興味深くなる。

他方、フローレスにはモラエスを当て、一発逆転ビッグネームのプレーオフ進出への可能性を残した。それは工藤とウェードにも当てはまる。仮に上位の大崩れがなく、順当に勝ち星を重ね、フローレスがモラエスを下すと工藤のプレーオフ進出はなくなる。

その一方でフローレスが敗れた場合、ウェードと工藤の勝者がボーナスを得られると、最後の4枠目を獲得できるというわけだ。また試合順を見れば、工藤✖ウェードはモラエス✖フローレスの一つ後。勝手ながら、非常に打たれ弱くなっているモラエスのひと踏ん張り、そして可能な限り最小得点獲得という流れがあれば、工藤にとって(もちろんウェードにとっても)最高の状況が整う。

そんな捕らぬ狸の皮算用に関係なく、工藤に必要なのは昨年度と同じクイックシックス。ウェードもそこを狙ってくることで、あのねちねちとしたフォークスタイルのコントロールではなく、大きな振りのパンチやバランスの悪い蹴りを多用してくる可能性は高くなる。となれば、工藤の左右どちらも倒せる拳の炸裂の確立も高くなる。

他力本願であるが可能性を秘めたウェード越え──に期待したいセカンド・ラウンドだ。

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【PFL2023#01】PFL2023#01 Gallery 大きくて動けるのは武器──計量Before & After

【写真】本計量でもデカいだろうと感じるジェンキンス、このリカバリーで15分間動き続けた(C)PFL

1日(土・現地時間)に開催されたPFL2023#01。フェザー級とライトヘビー級のシーズンが幕を開けたメインで昨年王者のブレンダン・ラフネーンがマルロン・モラエスの前足をカーフで破壊して勝利し、2021年王者で1年半ぶりの実戦復帰となったモヴィッド・ハイブラエフは、テイクダウン&コントロールで工藤諒司に判定勝ちを収めた。

そんなPFLシーズン開幕戦からフェザー級6選手の本計量~セレモニアル計量~ファイトのフレームの違いを比較。ダイエット&リカバリーを武器にできるかできないかは選手次第だ。そして、武器に出来る選手はケージの中でアドバンテージを得ることができる。

ここに挙げた6選手、ラフネーン、ハイブラエフ、バッバ・ジェンキンスの戻り方はやはり目を見張るものがある。一方でかつてはライト級で戦っていたクリス・ウェードはそれほどでもない。また本計量からセレモニアル計量の間に戻っている選手と、試合当日に大きくなっている選手がいる。

六者六様のフレームの変化、計量Before & Afterを見比べてみたい。


モヴィッド・ハイブラエフ

ブレンダン・ラウネーン

クリス・ウェード

工藤諒司

ダニエル・トーレス

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【PFL2023#01】工藤諒司、ハイブラエフにフルマークの判定負け──もノーダメージ。次戦に望み残す

<フェザー級/5分3R>
モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
工藤諒司(日本)

ダゲスタンの猛者ハイブラエフを相手に、工藤はジャブを伸ばす。そこに右オーバーハンドを合わせようとしたハイブラエフ。工藤は見切って、左ミドルを繰り出す。ハイブラエフは左を見せてダブルレッグ、かわした工藤がバックを狙う。スクランブルでハイブラエフが、何と引き込み十字を見せる。腕を取らせなかった工藤のパウンドに、ハイブラエフはローシングルレッグを仕掛ける。工藤はがぶって左腕を差すと、テイクダウン!!

すぐに左腕を差して立ち上がったハイブラエフが、ダブルで工藤に尻もちをつかせる。ハイブラエフが足首を取り、肩を押し込む。工藤は背中を譲らず、ウィザーで正対したまま立ち上がった。それでもボディロックでスラムするハイブラエフは、バックを取って工藤をコントロール。後方にパンチを見せる工藤、ここは何とか正対したい。尻もち状態の工藤を跨ぎ、腰をコントロールして背中をつかせたハイブラエフは、スクランブルでバックへ。工藤はシートベルトを許さず引き込む。

すぐにスクランブルに入りたかった工藤だが、バタフライフックを潰されパスから直接マウントを許す。背中を見せた工藤、上を向いて肩固め。ここも背中を譲って我慢の時間が続く。工藤は両足をフックされたが、時間まで耐えきった。

2R、パンチを当てたい工藤がワンツーからハイを繰り出す。ハイブラエフも迂闊に手を出さす、やはり狙いはテイクダウンか。工藤は右を伸ばし、テイクダウン狙いにウィザーも尻もちをつかされる。決してコンディションが良くは見えないハイブラエフだけに、工藤もここを凌いで逆に削りたい。ケージを利して、半身でバックも正対も輸さない工藤だが、アンクルピックで背中をつかされる。スクートで下がった工藤だが、背中をマットにつかされる。しかし、ハイブラエフはコントロールが中心で勢いのあるパウンドはない。

ウィザーで立ち上がりたい工藤だが、これを許さないハイブラエフ。ハイブラエフは絶妙に足をコントロールし、ハーフで抑える。コントロールされ続けた工藤だが、ダメージはないまま勝負の3Rへ。

最終回、工藤は左ロー。ハイブラエフは左リードジャブに下がって、右を見せてニータップのようにテイクダウンを決める。腰を押して立った工藤だが、ボディロックで倒されハーフ&枕で下にされる。ここでライブオッズは-4000となったハイブラエフが左のパウンドを打っていく。スクランブルに持ち込めない工藤だが、キムラへ。バックに回ったハイブラエフは、立ち上がった工藤を前に崩す。ここも背中をつけた工藤はクローズドガード、すぐに開いてケージ際に移動する。

盤石のボディロック、ハイブラエフがコントロールを続け、工藤はハイガード、ラバーも取れない。ハイブラエフは左のパウンド、スイッチ狙いの工藤の足を取って跨いで立たせない。工藤は下のまま時間に。

結果は当然、フルマークでハイブラエフに。完敗した工藤だが、0点スタートは昨年も同じ。優勝候補にボーナスポイントを与えず、打撃でダメージのない敗北を次に繋げ、ボーナスP獲得でプレーオフ進出を狙ってほしい。


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【PFL2023#01】フローレスと対戦、大穴ダニエル・トーレス「全く見るべきモノがない相手だよ」

【写真】トラッシュ口調でなく、静かにフローレスをこき下ろした(C)PFL

1日(金・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター・アット・ヴァージンホテルズで開幕するPFLフェザー級の2023年シーズンには、マルロン・モラエスを筆頭に4人のニューカマーが参戦する。

その中の1人、ダニエル・トーレスは今もKSWで戦い続ける欧州MMA界最後の大物といっても過言でないサラディーヌ・パルナスと1勝1敗、前KSWフェザー級王者だ。ブラジル生まれ、生粋のブラジル人ながらオーストリア国旗の下、アレハンドロ・フローレスと戦うトーレスにインタビューを試みた。


──ダニエルはブラジル生まれですが、PFLや以前活躍したKSEでは国籍がオーストリアになっていますね。これはどういうことなのでしょうか。

「僕はブラジル人だよ。仕事のためにオーストリアに移り住んだんだ」

──仕事ですか……。

「ファイトだよ。MMAを戦うことは、僕の仕事だから。今はMMAファイトアカデミーに所属しているけど、あの時は別のジムから誘われて、プロファイターとして戦うためにオーストリアに移り住んだんだ。そしてオーストリア人女性と結婚して、オーストラリアに住むようになった。プロモーションは僕の旗をブラジルでなくオーストリアにしたがるんだ。それで構わないよ。何も問題ない」

──前のジムの時でしょうか──流浪のMMAコーチ、アンドレ・ベンケイからダニエルに関して「若くて将来性バッチリの選手がいる」と聞いたことがあります。

「アンドレ・ベンケイ!! もう5年も前に少しの期間だけど、一緒に練習していた時期があるよ」

──長らくKSWを始め、欧州を舞台に戦ってきたダニエルが北米=PFLに戦場を移すことになった決め手は何だったのでしょうか。

「PFLからオファーがあり、条件に納得いったからだよ。PFLは大きな会社で、良い大会を開いてきた。そして年々成長している、プロフェッショナルなプロモーションだ。シーズン・フォーマットを米国だけでなく欧州でも実施しようとしているし、大したものだと思う」

──ところでここ2試合はライト級で戦ってきましたが、フェザー級に戻したのは?

「ライト級で戦ったのは、ライト級の契約書が送られてきたからだよ(笑)」

──アハハハ。

「本当にそれだけが理由なんだ(笑)。ライト級……5キロほど重い体重で戦っても問題なかった。もちろん、フェザー級でも同じように調子が良いよ」

──適正体重としては、フェザー級なのでしょうか。

「僕の適正体重は、しっかりとトレーニングをして創った体重だよ(笑)。そして、今回の試合は間違いなく僕の適正体重だ。6カ月に渡り、PFLデビューに向けてトレーニングをしてきたからね。この試合がライト級だったとしても、ちゃんと練習をして70キロの体を創っていたに違いない。ライト級だろうがフェザー級だろうが、調整に問題がなければベストシェイプであり、適正体重さ」

──なるほどぉ。ではアレハンドロ・フローレスの印象を教えてください。

「アレハンドロ・フローレス──彼の試合をチェックしたけど、何も気になるところがなくて……。全く見るべきモノがない。間違いなく、勝てる相手だ」

──そんな強気のダニエルですが、ベースは柔術かムエタイなのですか。

「空手だよ。極真を6年間やり、同時にカポエイラもやっていた。でも、空手やカポエイラでは稼ぐことはできない。生活できないから、MMAに転向したんだ。お金が欲しかったからね。グラップリングを教えてくれる人間を探して、MMAを始めたんだよ」

──極真やカポエイラの経験は、MMAに生きていますか。

「う~ん、そんなことはないかな。僕のMMAファイターとしてのアドバンテージは、トレーニングによって得ることができている。練習が、僕を強くした一番の要因だよ」

──では、自身のストロングポイントをアピールしてください。

「頭。僕は頭が良くて、ファイトIQが高い。そこが一番の長所だ」

──頭の良さを武器に、土曜日はどのような試合を見せたいと思っていますか。

「僕が11年間積み上げてきたことを見せたい。そして、この半年間の成長を実感したいと思っている。本当に今回の機会に賭けて、準備してきたから。今、自分ができることを全て出し切りたい」

──シーズン突破に向けて、2戦目に戦いたい意中の相手はいますか。

「次の試合のことは、全く考えていない。この試合に全てを賭けている。次のことを考えるのは、土曜日の試合に勝ってからだよ。でも、相手のことは気にしないな。対戦相手は関係ない。しっかりと自分の戦いができるように準備するだけだよ」

──ダニエル、今日はありがとうございました。最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「本当に真剣に、ファイトに向き合ってきた。全てを賭けてきたから、この試合に負けると人生を失う。つまり、絶対に僕はこの試合に勝つということ。真剣にファイトに賭けている姿勢を日本の皆に見てほしい」

■視聴方法(予定)
4月2日(日・日本時間)
午前7時30分~DAZN

■ PFL2023#01計量結果

<フェザー級/5分3R>
ブレンダン・ラウレーン: 146ポンド(66.22キロ)
マルロン・モラエス: 145.4ポンド(65.95キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ロブ・ウィルキンソン: 205.4ポンド(93.16キロ)
チアゴ・マヘタ・サントス: 206ポンド(93.44キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
クリシュトフ・ヨッコ: 205.4ポンド(93.16キロ)
ウィル・フルーリー: 205.6ポンド(93.25キロ)

<フェザー級/5分3R>
モヴィッド・ハイブラエフ: 145.8ポンド(66.13キロ)
工藤諒司: 146ポンド(66.22キロ)

<フェザー級/5分3R>
クリス・ウェード: 145.6ポンド(66.04キロ)
バッバ・ジェンキンス: 146ポンド(66.22キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
マールシン・ハムレット: 205.6ポンド(93.25キロ)
モハマド・ファフレディン: 205ポンド(92.99キロ)

<ライトヘビー/5分3R>
ジョシュ・シルヴェイラ: 202.8ポンド(91.98キロ)
サム・ケイ: 206ポンド(93.44キロ)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フローレス: 145.4ポンド(65.95キロ)
ダニエル・トーレス: 146ポンド(66.22キロ)

<フェザー級/5分3R>
チョ・ソンビン: 146ポンド(66.22キロ)
ヘスス・ピネド: 144.6ポンド(65.58キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
デラン・モンチ: 205.4ポンド(93.16キロ)
タイ・フローレス: 206ポンド(93.44キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
コリー・ヘンドリックス: 205ポンド(92.99キロ)
インパ・カサンガネイ: 205.4ポンド(93.16キロ)

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Gladiator MMA MMAPLANET o PFL PFL2023#01   アルジャメイン・ステーリング アレハンドロ・フローレス インパ・カサンガネイ ガブリエル・ブラガ クリシュトフ・ヨッコ クリス・ウェード ジョゼ・アルド ダニエル・トーレス チアゴ・マヘタ・サントス チョ・ソンビン バッバ・ジェンキンス ブレンダン・ラウネーン ヘスス・ピネド マルロン・モラエス マールシン・ハムレット モハマド・ファフレディン モヴィッド・ハイブラエフ ロブ・ウィルキンソン 工藤諒司

【PFL2023#01】計量終了 チョ・ソンビン、メディカルにパスせず欠場。モラエス「今もベストの1人」

【写真】映像では、もっと身長差があったように見えたラウネーンとモラエスだった(C)PFL

1日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター@ヴァージンホテルで開催されるPFL2023#01の計量が、3月31日(金・同)に終了している。

1月にGladiatorで衝撃的な強さを見せたチョ・ソンビンは、2年振りのPFL参戦に向け本計量を146ポンドでパスしたが、何とメディカルをパスせず欠場に。

セレモニアル計量開始15分前にガブリエル・ブラガの代替出場が決まった。

3月のPFLチャレンジャーシリーズで勝利しているブラガは、144.5ポンドで計量をパス。

セレモニアル計量で体重計の上で「レッツゴー」と叫び声を挙げ、終始笑顔だった。


メインで対戦する昨年のフェザー級王者ブレンダン・ラウネーンと、マルロン・モラエスは明らかな身長差があり、フェイスオフでは上と下から視線をぶつけあった。

2014年3月にハードロックホテル&カジノ内ザ・ジョイントと呼ばれた同会場でWSOF世界バンタム級王座を獲得しているモラエスは「素晴らしい雰囲気だよ。会場は最高だ。PFLは最高の大会を開き、僕はここでベルトを巻く。戦い続ける理由? コレが好きだから戦い続けているんだ。そして、この試合で勝って、僕は今も世界のベストの1人だと証明してみせる」と話した。

一方ラウネーンは「チャンピオンになって、シーズンオフは少し休んだ。家族や友人と楽しい時を過ごしてね。けど、1月からタイに渡ってトレーニングをし、この日のためにほとんどを過ごしてきた。モラエスはジョゼ・アルド、アルジャメイン・ステーリングに勝っている。明日はベストバージョンのマルロン・モラエスと戦いたい」と意気込みを語っている。

なお日本から出場の工藤諒は+500というオッズがつき、対するは2021年度の世界王者モヴィッド・ハイブラエフは実に-675と掛け率では圧倒的な差がついている。

そんな両者はフェイスオフを終え、穏やかな表情で握手を交わした。

■視聴方法(予定)
4月2日(日・日本時間)
午前7時30分~DAZN

■ PFL2023#01計量結果

<フェザー級/5分3R>
ブレンダン・ラウレーン: 146ポンド(66.22キロ)
マルロン・モラエス: 145.4ポンド(65.95キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ロブ・ウィルキンソン: 205.4ポンド(93.16キロ)
チアゴ・マヘタ・サントス: 206ポンド(93.44キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
クリシュトフ・ヨッコ: 205.4ポンド(93.16キロ)
ウィル・フルーリー: 205.6ポンド(93.25キロ)

<フェザー級/5分3R>
モヴィッド・ハイブラエフ: 145.8ポンド(66.13キロ)
工藤諒司: 146ポンド(66.22キロ)

<フェザー級/5分3R>
クリス・ウェード: 145.6ポンド(66.04キロ)
バッバ・ジェンキンス: 146ポンド(66.22キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
マールシン・ハムレット: 205.6ポンド(93.25キロ)
モハマド・ファフレディン: 205ポンド(92.99キロ)

<ライトヘビー/5分3R>
ジョシュ・シルヴェイラ: 202.8ポンド(91.98キロ)
サム・ケイ: 206ポンド(93.44キロ)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フローレス: 145.4ポンド(65.95キロ)
ダニエル・トーレス: 146ポンド(66.22キロ)

<フェザー級/5分3R>
チョ・ソンビン: 146ポンド(66.22キロ)
ヘスス・ピネド: 144.6ポンド(65.58キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
デラン・モンチ: 205.4ポンド(93.16キロ)
タイ・フローレス: 206ポンド(93.44キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
コリー・ヘンドリックス: 205ポンド(92.99キロ)
インパ・カサンガネイ: 205.4ポンド(93.16キロ)

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【PFL2023#01】過去最高のメンバー集結。ハイブラエフ戦へ、工藤諒司「自信を持って気持ちも創れている」

【写真】非常に落ち着いた様子の工藤。ラスベガスでは佐藤天のサポートを受けている(C)MMAPLANET

4月1日(金・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター・アット・ヴァージンホテルズで開催されるPFL2023年レギュラーシーズン第1戦。同大会で、工藤諒司が2021年シーズン優勝者モヴィッド・ハイブラエフと対戦する。

以下のように2023年シーズン開幕戦、史上最高といっても過言でないメンバーが集まったフェザー級戦線。「強い選手とやれることは凄く有難い」、現地とのリモート取材で工藤はそう言い切った。

【PFL2022フェザー級出場選手】

アレハンドロ・フローレス
1991年8月6日生まれ
メキシコ
MMA戦績21勝4敗
PFL2022フェザー級出場
PFL戦績2勝1敗
COMBATE戦績17勝2敗
DWCS戦績0勝1敗

工藤諒司
1993年4月3日生まれ
日本
MMA戦線11勝4敗1分
PFL2022フェザー級ベスト4
修斗世界フェザー級タイトルコンテンダー
修斗戦績5勝1敗1分
ONE Warrior Series戦績2勝0敗

クリス・ウェード
1987年9月30日生まれ
米国
MMA戦績22勝8敗
PFL2018ライト級ベスト4
PFL2019ライト級ベスト4
PFL2021フェザー級準優勝
PFL2022フェザー級ベスト4
UFC戦績5勝2敗

ダニエル・トーレス
1994年2月6日生まれ
オーストリア
(ブラジル生まれ、オーストリア人女性と結婚)
MMA戦績14勝5敗
KSWフェザー級王者
KSW戦績5勝2敗

チョ・ソンビン
1992年7月17日生まれ
韓国
MMA戦績10勝2敗
Gladiatorフェザー級王者
TOP FC暫定フェザー級王者
WORDOGフェザー級王者
A-Toys CFフェザー級王者
UFCs戦績0勝1敗

バッバ・ジェンキンス
1988年2月5日生まれ
米国
PFL2021フェザー級ベスト4
PFL2022フェザー級準優勝
BRAVE CFフェザー級王者
NCAA D1レスリング優勝&準優勝

ブレンダン・ラウレーン
1989年12月5日生まれ
英国
MMA戦績26勝4敗
PFL2022フェザー級チャンピオン
PFL2021フェザー級ベスト4
DWCS戦績1勝0敗(契約ならず)

ヘスス・ピネド
1996年6月22日生まれ
ペルー
MMA戦績20勝5敗1分
INKA FCフェザー級王者
INKA FC戦績6勝2敗
UFC戦績1勝1敗

マルロン・モラエス
1988年4月26日生まれ
ブラジル
MMA戦績23勝11敗
WSOF世界バンタム級王者
UFC世界バンタム級タイトルコンテンダー
UFC戦績5勝6敗

モヴィッド・ハイブラエフ
1990年10月16日生まれ
ロシア
MMA戦績19勝0敗1分1NC
PFL2021フェザー級チャンピオン
PFL2019フェザー級ベスト8
(準々決勝でダニエル・ピネダにKO負けも、勝者がドラッグテストで陽性となりNCに)


──工藤選手、モヴィッド・ハイブラエフ戦を今週末に控えていますが、まず前年度シーズンを振り返っていただけますか。

「初戦で結果的に優勝したブレンダン選手と戦って、圧倒的な差があるというわけではないかと思いました」

──ばかりかダウンも奪っています。

「そうですね。だから自分がPFLで戦っていくことに関して、自信を持っても良いかと去年は思えましたね。色々な選手がいて、どの選手も強い。その強いという枠のなかで、色々なタイプの選手がいて」

──これまでのキャリアと明確に違うのは8月に準決勝を終えて、4月まで試合がなかった。短期集中で試合が組まれて、オフがある。これはPFLならではかと。

「試合間隔が2カ月なくて、3試合というのは正直きつかったです。次の試合が来るのが早く感じられて、もう少しゆっくりとトレーニングを積んで、コンディションを整えてから減量に向かいたいという気持ちはありました。

反対にオフの期間は、バッバ・ジェンキンスに負けたことを受けてスキルアップするための練習環境を整えて、トレーニングができて良かったです」

──次があることが決まっているので、気持ち的にも落ち着けて取り組めたかもしれないですね。

「そうですね。課題が明確に分かっていたので、そこはしっかりと取り組んできました。出稽古もしてグラップリングの強化をして」

──出稽古先というのは?

「TRY Hスタジオです。上久保(周哉)さんが練習している場所なので、技術を教えてもらったり、ひたすらスパーリングをするということをやってきました。ジェンキンス戦は結構簡単にバックを許し、首を取らせてしまって。隙……甘い所が見えてきたので、そこを埋めたかったです」

──あの敗北を技術的な穴として捉えたわけなのですね。自分は打撃でなく、いきなり組みで圧をかけてきたことで、慌ててしまったと考えていました。

「確かに予想できなかった部分もありました。1Rからもの凄い勢いできたので。テイクダウンされ、慌てて立ちに行ったところで隙も出て。慌てたのもそうですし、ああいう場面における技術力をアップしないといけないと思いました」

──そこで上久保選手の力が必要になったと。

「ハイ。今回の対戦相手にも似ている部分があります。階級が違うので、さらに圧力が上がると想定しています」

──ハイブラエフの打撃に関しては、どのように思っていますか。

「相手の打撃に付き合いながら、テイクダウンを生かすための打撃。テイクダウンのチャンスを広げるために上手く使っていると思います」

─戦績的には19勝0敗1分とずば抜けているハイブラエフですが、2021年の準決勝戦でラウレーンとは僅差のスプリット判定勝ちでした。そのラウレーンとやり合えたことは、ハイブラエフと戦う上で自信になっていますか。

「彼ら2人の試合を見ると、そういう風に思います。けど、実際に組んでみないと分からない部分もありますし。ケガからの復帰戦、1年のブランクがあることでどれだけ進化しているのかも分からない部分もあります。でも自分の中では自信を持って、気持ちもしっかりと創れています」

──今回は過去最高のメンバーが揃っているともいえます。戦う当人は大変なのですが、出場選手についてはどのように感じていますか。

「なかなか凄いメンバーに挟まれていますね(笑)」

──ハイブラエフは2021年の優勝者で、優勝候補筆頭です。その相手から3Pを奪うことができれば、本当に大きいかと。

「去年も優勝候補のブレンダン選手が初戦の相手だったので、ハイブラエフ選手が優勝候補というのは全く気にしていないです。ただ強いことは認識していますし、何ならこれまでに戦った選手の中で一番強いんじゃないかという印象もあります。何よりも強い選手とやれることは凄く有難いです」

──今回の試合後、ポイント計算は抜きにしてレギュラーシーズンで戦ってみたい選手はいますか。

「負けた相手ですね。負けたままではいたくないので、ブレンダン選手とジェンキンス選手ともう1度戦いたいです。ただ1度戦っているので、レギュラーシーズンで当たる可能性は低いんじゃないかと」

──ポイント計算をした場合、3点取れるぞという相手もいるかと。

「いやぁ……そういうことは全く考えないです。強い相手と戦いたいので。だから、このメンバーのなかで戦うことは、MMAファイターとして充実しています。今回の相手はグラップリング中心の相手で、自分のやってきたことがそこだったので……試すということではないですが、ジェンキンス戦のようには行かないぞという自信はあります」

──これまでテキサス、ジョージア、ロンドンで戦ってきましたが、今回はMMAのメッカ、ラスベガスです。

「ラスベガスは米国のなかでも有名な都市なので、格闘技とは関係なく『ラスベガスに来たんだ。ギラギラしているな』っていう感じはしています(笑)」

──めっちゃ普通の人の感想じゃないですか(笑)。それだけリラックスできているという風に捉えさせてもらいます。

「リラックスはできています。だから普通にラスベガスを眺めることができるので」

──おお、心強い言葉です。では改めて、今回の試合への意気込みをお願いします。

「余り固くなり過ぎず、いつも通り、とことん楽しめる試合ができればと思います。好きなことをやっているので、好きなことをやるからには楽しみたいです」

■視聴方法(予定)
4月2日(日・日本時間)
午前7時30分~DAZN

■ PFL2023#01対戦カード

<フェザー級/5分3R>
ブレンダン・ラウレーン(英国)
マルロン・モラエス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ロブ・ウィルキンソン(豪州)
チアゴ・マヘタ・サントス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
クリシュトフ・ヨッコ(ポーランド)
ウィル・フルーリー(アイルランド)

<フェザー級/5分3R>
モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)
工藤諒司(日本)

<フェザー級/5分3R>
クリス・ウェード(米国)
バッバ・ジェンキンス(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マールシン・ハムレット(ノルウェー)
モハマド・ファフレディン(レバノン)

<ライトヘビー/5分3R>
ジョシュ・シルヴェイラ(米国)
サム・ケイ(豪州)

<女子ライト級準決勝/5分3R>
ラリッサ・パチェコ(ブラジル)
オレナ・コレスニク(ウクライナ)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フローレス(メキシコ)
ダニエル・トーレス(オーストリア)

<フェザー級/5分3R>
チョ・ソンビン(韓国)
ヘスス・ピネド(ペルー)

<ライトヘビー級/5分3R>
エラン・モンチ(ブラジル)
タイ・フローレス(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
コリー・ヘンドリックス(米国)
インパ・カサンガネイ(米国)

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【Shooto2023#02】3度目の対戦=SASUKEに挑戦、飯田健夫─02─「苦しくても笑い続けベルトを巻きます」

【写真】間ができた瞬間ではない。殴り合いを続けている最中でも飯田は笑っている(C)MMAPLANET

19日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるSHOOTO2023#02で、修斗世界フェザー級王者SASUKEに挑む飯田健夫のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

両者にとって3度目の対決を控え、挑戦者である飯田に過去の2試合を振り返ってもらったところ、驚くほど冷静な分析が返ってきた。そして「今回も勝つ」という自信の裏側にあるものとは――。

<飯田健夫インタビューPart.01はコチラから>


――飯田選手は2019年末に東京へ拠点を移してからも、2020年の戦績は1勝1敗1分でした。翌年から連勝が始まり今回の王座挑戦に至るわけですが、2020年はまだ苦しかった時期でしょうか。

「はい。自分自身のレベルは上がっていたと思いますが、まだ考え方を変えることができていませんでした。そういう苦しい時期があり、東京に来てから3年経って、ようやく急成長できたと感じています」

――対するSASUKE選手は負傷により2017年から戦線を離脱し、2019年の復帰から連勝して修斗のベルトを巻いています。そのSASUKE選手に対して「自分は勝っているのになぁ」と思うことはなかったですか。

「それはないです(笑)。イチ選手として、本当に尊敬しています。実際、2019年以降に自分が対戦することになるとは考えていませんでした。今では会場で会ったら話をするようになっていて。僕は一時期ライト級でやっていましたし、SASUKE選手も修斗のベルトを獲ったあとは海外で戦うと思っていました。それでアマチュア全日本の決勝、新人王トーナメントで対戦して、タイトルマッチで3度目というのは――他にはないですよね」

――ものすごくドラマチックな展開だと思います。

「僕としては、SASUKE選手がベルトを返上すると思っていて。その間に暫定王座決定戦をやらせてもらいたいと考えていました。それでSASUKE選手とのタイトルマッチが決まった時は、驚きましたね。今の僕と対戦してもメリットがないでしょう。言ったとおり、僕が勝ってSASUKE選手のチャンスを奪ってしまいますから。それでも受けてくれたSASUKE選手に感謝しています。『一度負けている僕に借りを返してから世界に行きたいのかなぁ』と思っていたり(笑)」

――ご自身がSASUKE選手の立場であれば、防衛戦のオファーを受けましたか。

「僕は受けます。ベルトを巻いて防衛戦ができる状態なのに、返上して他で戦うのは良くないことだと思うので。僕の中で、かっこいいファイター像というものがあります。その通りに生きないと嫌なんですよ。相手に『逃げた』と思われることだけは嫌ですね」

――なるほど。過去の試合の冷静に分析できるようになった今だからこそ、飯田選手にお聞きします。まず全日本アマ修斗決勝で勝てた要因は、何だったと思いますか。

「キャリア、だと思います。当時の僕は、地下格闘技で60戦ぐらい経験していました。対してSASUKE選手は、そんなに長くアマチュアをやっていなかったんじゃないですかね。対戦相手のレベルは違うかもしれません。でも僕はずっと人前で相手を倒す、極めるという試合をやっていましたから。その差が出たのかなと思っています」

――続く新人王トーナメント準決勝は、公式結果は引き分けで、優勢ポイントで飯田選手の勝ち上がりとなりました。ただ、飯田選手の負傷によりSASUKE選手が決勝へ進むこととなりましたが――初戦は勝利で、2試合目は引き分け。ここで何か差が詰まった部分はあったのでしょうか。

「あの時も、僕のほうが強かったと思っています。これは言い訳になってしまいますけど、試合中に脱臼して左手が上がらなくなってしまいました。でも右手だけで戦いきれたので、脱臼していなければ僕が勝っていたと今は思います。そう考えると、新人王の頃はそこまで差がなかったんじゃないでしょうか」

――では2戦目以降の、両者の差というのは……。

「やはりSASUKE選手のほうが伸びたな、と思います。それは正直な気持ちです。特に工藤選手との試合(※2021年7月、工藤諒司を判定で下して修斗世界王座を奪取)を観ていて、技術的な面も僕と全然違うなと感じました。完璧に僕より上に行かれたなって。だけど、そこから今に至るまでの間に、僕が追いついたというか、追い抜かしたと思う部分は多いです。次の試合でも負けることはないですね」

――どの部分がSASUKE選手を追い抜かしていると思いますか。

「全体的にですね。自分で言うのも何ですけど、打撃でもレスリングでも寝技でも強いですから。たとえばGENでの練習って、基本的にはウェルター級の選手が多いんですよ。しかもウェルター級の中でも、スピードが速い選手が揃っています。ライト級だと軽い部類で、そのなかでフェザー級といったら僕か、たまに平本蓮君が来るぐらいじゃないですか。そのなかで鎬を削っているので、僕がフェザー級で当たり負けすることもないし、テクニックで負けることもありません。スピードで劣ることもないです」

――GENでの練習には岡見勇信選手をはじめ、強豪が揃っていますね。

「練習に参加していた人が、しばらくしたら来なくなるぐらい、厳しいです。僕も『2~3カ月で来なくなるだろうなぁ』と言われていました(苦笑)。僕にとって岡見さんは憧れのファイターで、その岡見さんに認めてもらえるようになったのが嬉しいです。前回の試合(論田愛空隆戦)では、『チャンピオンになる選手の雰囲気が出ているよ』と言ってもらえました。それが一番の自信になっています」

――SASUKE選手がRoad to UFCに出場した時、ご自身も同じ舞台に立ちたいと思わなかったですか。

「それは、もちろん思いました。やはりMMAをやるからには、UFCが最終目標です。さっきも言ったとおり、純粋にSASUKE選手を応援していて……決勝でSASUKE選手と松嶋こよみ選手が対戦してほしい。それぐらい2人を応援していました。だからSASUKE選手が負けたのはショックでしたね。いきなり試合が終わったので、画面の前で『なんで? なんで!?』と僕が慌てたぐらいで(苦笑)」

――その両者が敗れたRTUに対して、もし自分が出たらどうなると思いますか。今年も開催されるようですし、今後も継続されるかもしれません。

「今後もRTUが開催されるなら出たいですね。ここでSASUKE選手と対戦するというのは、そのための流れができてきたと思っています。SASUKE選手に勝って、RTUへ――そしてUFCに出ることを目標としています」

――SASUKE戦、どのような試合を見せたいですか。

「試合を楽しみたいです。5分5Rを戦い抜く。僕のスタミナが切れるにせよ、途中で決着がつくにせよ、僕が一番試合を楽しんだっていう気持ちが強いですね。SASUKE選手よりも試合を楽しんで、勝ちきる。苦しくても笑い続ける。そんな試合をしてベルトを巻きます」

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【Shooto2023#02】SASUKEに挑戦、飯田健夫─01─「SASUKE選手のチャンスを奪ってしまう」

【写真】イメージ一新、長髪の飯田(C)SHOJIRO KAMEIKE

19日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるSHOOTO2023#02で、修斗世界フェザー級王者SASUKEに同ランキング1位の飯田健夫が挑戦する。
Text by Shojiro Kameike

2021年7月に工藤諒司を下してベルトを巻いたSASUKEは、昨年Road to UFCトーナメントに出場したものの1回戦で敗退した。その間、飯田は4連勝を収めてランキング1位に昇りつめ、今回の王座挑戦に至っている。両者は過去2戦して飯田の1勝1分という戦績だが、3度目の対戦を控えた飯田に、北海道から上京して以降の練習環境と連勝の要因を訊いた。


――修斗世界チャンピオンシップを控える飯田選手です。ずいぶんと雰囲気が変わりましたね。特に髪型など……。

「アハハハ、そうですね。髪の毛が伸びて、今はチョンマゲになっています。北海道にいる頃はスキンヘッドだったのですが、東京に来て『あまりにもガラが悪すぎる』と指摘されてしまいました(苦笑)」

――東京に拠点を移したのは、いつ頃なのでしょうか。

「ちょうど4年前です。ONE日本大会(2019年3月31日のONE90)が開催された時から東京に住み始めました。その時はまだ住む部屋も決まっていなかったんですけど……」

――えっ!? どういうことですか。

「ONE日本大会の日から東京に住もうとは決めていたものの、まだ東京で仕事が決まっておらず、部屋の審査に落ちてしまっていたんです(苦笑)。仕事のほうも住所がないから採用してもらえない、という悪循環で。まず先輩の家に1カ月ほど住まわせてもらい、そこを住所として申請して、すぐに仕事も決まりました。仕事が決まってから自分で部屋も借りて」

――住所不定の無職とは、なかなかの上京物語ですね。ずっと北海道でMMAを続けていた飯田選手が、なぜ東京に拠点を移したいと思ったのでしょうか。

「一つは、グラチャンの大澤茂樹戦(2018年5月に判定負け)です。いつも絶対に気持ちでは負けないと試合に臨んでいました。でもあの時は、初めて試合中に『この選手には勝てない』と思ってしまって。試合後は自分の中で『引退するか、練習環境を変えないといけない』と悩んでいたんですね。ちょうどその時――格闘技とは関係ない話になってしまいますが、大丈夫ですか?」

――はい、もちろん大丈夫です。

「MOROHAというラップグループがいるんですけど、その頃にMOROHAの『上京タワー』という曲に出会ったんです。『田舎から上京して、やってやる』という歌詞が、すごく身に染みて。僕も東京に出ないと先に進めない――そう考えるようになりました。さらに当時は、母親が癌でもう助からないという状況で……。その母から『あなたは悔いが残らないよう、最後まで自分の好きなことを貫きなさい』と言われたんです」

――……。

「人生は一度きりじゃないですか。だからこそ、結果として成功するにしろ失敗するにしろ、自分に言い訳ができない状況にチャレンジしたいと思いました。後になって『オレはここにいたら、もっと頑張れたんだ』なんて言い訳するのは、一番カッコ悪いことで。『自分はここまでやったんだ』と言える環境に身を置きたい。そのために1年間お金を貯めて、2019年3月に上京しました」

――なるほど。東京で練習し始めてから、何が一番変わりましたか。

「練習への取り組み方もそうですし、自分の考え方が変わりました。昔は練習するにしろ何にしろ、全力でやれば何とかなると思っていたんです。それが東京で練習し始めてからは、一つひとつの動作の意味――なぜ相手はこう動くのか、ということを考えるようになって。自分がこのパンチを出したから、あるいは目でフェイントをかけたから、相手がこう動く。だから次はこの攻撃を出そうというふうに理論的に考えられるようになりました。おかげで試合の中でも先が読めるようになったのが、一番変わったところだと思います。

あとはここ1年ぐらいのお話で、何をやっても楽しいんですよね。練習でも試合でも、全てのことが楽しい。練習は苦しくて辛いものだから、たくさんやる。ずっとそう思っていました。でも最近は、楽しいから練習するという意識に変わっています。もちろんGENに集まっている選手たちとのスパーリングや、追い込みの練習はキツいです。ただ、それ以上に楽しいという気持ちが勝っているんですよね。練習中でも楽しくて笑っていたら、スパーリング相手を怒らせてしまうこともあるんですけど(苦笑)。論田愛空隆戦(2022年9月にKO勝ち)も、楽しくて試合中も笑っていました」

――あの笑みは、そのような意味があったのですね。論田戦は打ち合いの中で、しっかりと受け返し……相手のパンチをギリギリでよけてからクロスを返す、という打撃戦を展開していました。あれも相手の動きを、しっかりと読むことができていたわけですか。

「はい。あれは皆さんが打ち合いや乱打戦と表現されているのですが、パンチは見えていました。見えていないパンチは効きますけど、見えているパンチは我慢できます。見えているので、相手のパンチに対しては肩でブロックするか、パンチと同じ方向に頭を振るので、見ている印象ほどは効いていませんでした。打撃については、田牧トレーナーの指導を受けて大きく変わったと思います」

――GEN練習でボクシングを指導されている、田牧一寿トレーナーですか。

「田牧さんはボクシング一筋のトレーナーさんです。でもMMAのことを踏まえた質問をしても、しっかり答えてくれます。蹴りに対する反応について訊いても、『これは距離感が違うよね』とか。要は距離感ですよね。その点で単なるボクシングではなく、MMAに通ずるものを教えてくれる方です。田牧さんから、自分の中では衝撃を受けるような指導を頂いて、一気に変わってきました」

――リアルタイムで試合中の因果関係を把握できるということは、過去の試合についても勝敗の要因が全て分かるようになっていませんか。

「過去の勝った試合はほとんど見ていなくて、負けた試合や失敗は原因が分かりました。『なぜここでもう一歩踏み出してないんだ!?』とか『ここはそんなに力を入れなくて良かったのに!』というふうに(笑)。あと過去のSASUKE選手との試合を見て、なんだか恥ずかしくなってしまいましたね」

――SASUKE選手とはアマチュア時代も含めて過去2戦し、飯田選手の1勝1分という戦績です。しかし現状はSASUKE選手が連勝を重ねて修斗のベルトを獲得し、Road to UFCにもエントリーするほど、立場の差は開いています。

「あぁ、そうですね。2019年に上京した頃は僕もまだ苦しんでいるなか、SASUKE選手は2019年に復帰してから連勝していて……。でも、そこに羨ましさとか妬みは一切ないです。SASUKE選手も努力したからこそ今の立場があるわけで。Road to UFCに出た時も、僕はイチ格闘技ファンとして応援していました。

でも選手として考えたら、よく今の状況で僕の挑戦を受けてくれたなって思います。SASUKE選手は、これからもRoad to UFCに出られる可能性がありますよね。でも今の自分と対戦したら、僕が勝ってSASUKE選手のチャンスを奪ってしまうことになりますから」

<この項、続く>

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