【写真】諦めない。昨年12月の悔しさを糧にして――(C)MMAPLANET
10月15日(日)、東京都江東区のTFTホール100で開催されるGRACHAN65 「15th Anniv」で、手塚基伸と対戦するTSUNEのインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike
ノンタイトル戦で現役王者の手塚を倒し、ベルトを賭けた再戦まで繋げたいTSUNE。そのTSUNEにとって手塚とは、一人の対戦相手というだけではなく、実は「先生」だった――。オファーが届いた時、格闘技を始めた頃の記憶が蘇った。そして、この対戦に運命を感じずにはいられない。10月15日、万感の思いを込めてホーンが鳴る!
<TSUNEインタビューPart.01はコチラから>
――グラチャン初参戦で現バンタム級王者の手塚選手とのノンタイトル戦に臨みます。
「……手塚さん、僕のことを覚えていますかね?」
――手塚選手はインタビューで「TSUNE選手とはドリーマージムの食事会で話をしたことがある」と仰っていました。
「えっ!? 覚えてくれていたんですか。僕がドリーマージムに入った時、手塚さんはクラスの指導を担当していて、僕はいち会員でした。だから僕のことは覚えていないと思っていたんです。今回の試合が終わった後に、『僕のことを覚えていますか? 実はドリーマージムで……』なんて聞こうと考えていたぐらいで(笑)」
――TSUNE選手は藤田大和選手のご家族が運営していたドリーマージムで格闘技を始め、当時ドリーマージムのMMAクラスは総合格闘技道場コブラ会が指導を担当していました。コブラ会から手塚選手が指導で大阪から岡山へ派遣されていたのですよね。
「はい。だから手塚さんって、僕にとってはドリーマージムで最初に格闘技を教えてもらった先生なんですよ(笑)。年齢も近いし、話しやすい人で、いろいろ教えてもらいました」
――当時の手塚選手の印象はいかがですか。
「メチャクチャ強かったです。ニーインザベリーだけで抑え込まれて『プロ選手に抑え込まれると、こんなに動けないんだ!』と思いましたから」
――TSUNE選手も東京に移ってMMAでプロデビューし、バンタム級で戦っていくなかで手塚選手との対戦を意識したことはありましたか。
「対戦を考えたことはなかったです。僕がプロデビューしてからDEEPを中心に試合をしていた時、手塚さんはいろんな大会に出ていたじゃないですか。それで僕がパンクラスに参戦になってからは、手塚さんはパンクラスに出ていなくて。だから手塚さんと交わることはないのかな、と思っていました」
――大会会場で話をすることもなかったのですか。
「会場で見かけることはありましたけど、僕のことなんて覚えていないだろうと思っていたので……。その時は手塚さんも忙しそうでしたし、改めて挨拶する時間もなかったというか。今は東京と大阪で離れていますしね。手塚さんの言う食事会のことも覚えていますよ。もともと僕はプロ選手になりたいと言っていたから、大和のお父さんが手塚さんを呼んで食事会をセッティングしてくれたんです」
――今回の試合が決まった時、藤田大和選手は何と仰っていましたか。確か藤田選手もMMAクラスに参加していたはずですが……。
「手塚先生と試合するんですね、と言っていました」
――藤田選手は手塚選手のことを、完全に「先生」呼びなのですか。
「当時、大和は中学生でしたから。その時に組み技を教わっていた人だから、今でも『手塚先生』と呼んでいますよ。だから今回の試合は、セコンドを大和にお願いしたかったんですけど」
――完全にドリーマージム繋がりの試合になりますね。
「でも大和がUAEWに出ることが決まって。さらに大会が20日から17日に変更されたので、セコンドにはつくどころか試合の日は東京にもいないんですよね」
――なるほど。それは残念です……。
「でも僕が今回勝って、次のタイトルマッチに繋げますから。ベルトを賭けて再戦する時は、大和にセコンドについてもらいます」
――ドリーマージムは今年に入って惜しまれながら閉館となりました。その年に手塚選手とTSUNE選手が対戦するのは、何か運命的なものを感じずにはいられません。
「不思議な縁ですよ。おそらくプロモーターサイドも、オファーした時点ではこの繋がりを知らなかったと思います。大和のお父さんが始めたジムから、こうして皆が繋がって。一番はこの試合を、大和のお父さんに見せたかったですね。もうお父さんは亡くなっていて……、天国から僕と手塚さんの試合を見ていてほしいです。
格闘技ファンは『ドリーマー』と聞いたら、格闘DREAMERSを思い浮かべるかもしれません。でも僕たちにとっては、あのドリーマージムであり――今回の試合は、僕たちの『格闘技DREAMERS』なんです」
――それだけの想いがこもった試合ですね。では改めて、先生としてではなくファイターとしての手塚選手の印象を教えてください。
「印象は――タフな選手ですよね。年齢は僕より2歳下だけど、いろんな大会で戦ってきて、たくさんベルトも巻いてきている選手です。手塚選手って、やることが決まっているタイプだと思うんです。でも、それで勝つことができる選手は数も少なくて。強い、とにかく強い相手です」
――対して、TSUNE選手もやることが決まっている選手だと思います。あるいは、この試合で新しいものを見せることもあるのでしょうか。
「いろいろ準備はしていますけど、まずは自分のやれることを、試合で出す。それを出せるように、今はいろいろと練習で試しているところです。全てが終わったら――いつか大和も交えて手塚選手と酒でも飲みながら、ドリーマージムの話をしたいですね。その前に、必ず勝ってベルトまで辿り着きます」
■視聴方法(予定)
10月15日(日)
午後2時00分~ GRACHAN放送局
■ Grachan65対戦カード
<バンタム級/5分2R>
手塚基伸(日本)
TSUNE(日本)
<ライト級/5分2R>
ロクク・ダリ(コンゴ)
岸本篤史(日本)
<ライト級/5分2R>
小谷直之(日本)
林RICE陽太(日本)
<ウェルター級トーナメント1回戦/5分2R+Ex1R>
渡辺良知(日本)
青木忠秀(日本)
<ウェルター級トーナメント1回戦/5分2R+Ex1R>
桜井隆多(日本)
上田拳翔(日本)
<J-MMA Rookies CUPフライ級決勝戦/5分3R>
金井一将(日本)
鈴木崇矢(日本)
<J-MMA Rookies CUPフェザー級決勝戦/5分3R>
黒井海成(日本)
人見礼王(日本)
<バンタム級/5分2R>
伊藤空也(日本)
高須将大(日本)
<フェザー級/5分2R>
大搗汰晟(日本)
中村京一郎(日本)
<ウェルター級/5分2R>
能登崇(日本)
芳賀ビラル海(日本)
<バンタム級/5分2R>
今村豊(日本)
YO-HEI(日本)
<ストロー級/5分2R>
朝日向大貴(日本)
牧ケ谷篤(日本)
<フェザー級/5分2R>
松田征也(日本)
ディオゴ・ロボ・トクナガ(ブラジル)
<バンタム級/5分2R>
萩原一貴(日本)
佐々木歩夢(日本)
<フライ級/5分2R>
宮内拓海(日本)
天野哲宏(日本)
<引退エキシビジョンマッチ/5分1R>
阪本洋平(日本)
山本琢也(日本)