カテゴリー
45 AB HEAT53 HEAT55 MMA MMAPLANET o UFC ふくやーまん アントニー・マルコニ キック チュ・ドンジョ フェルナンド フェルナンド・マツキ ペットサムイ・シムラ マ·チャンウ ロビー・ローラー ローリー・マクドナルド 倉本拓也 岩倉優輝 廣瀬裕斗 熊崎夏暉 阿部光太

【HEAT55 x AFC34】Angel’s FCフライ級王座決定戦で廣瀬裕斗と対戦、チュ・ドンジョ「自分の域にない」

【写真】淡々と自信タップリだった (C) MMAPLANET

26日(土)、名古屋市の名古屋国際会議場イベントホールで開催されるHEAT55×AFC34。日韓対抗7×7の最終マッチで廣瀬裕斗とAngel’s FCフライ級王座を賭けて戦うチュ·ドンジョ。
Text by Manabu Takashima

名門チームMADプサンに所属するチュ・ドンジョは兵役中にロビー・ローラー✖ローリー・マクドナルドという歴史に残る名勝負を目にし、MMAファイターになることを決めたという選手だった。


――チュ·ドンジョ選手、土曜日にHEATでAngel’s FCフライ級王座を賭けて廣瀬選手と対戦します(※取材は23日に行われた)。今の調子はいかがですか。

「体調は最高です。コンディション的にも絶好調で、土曜日には良い試合を見てもらうことができると期待しています」

──HEATでAngel’s FCのタイトルを争う。特殊なケースですが、そこに関して思うところはありますか。

「いえ。場所は場所で、タイトルはタイトルです。ベルトを巻くために戦うのみです」

──押忍。では、そんなチュ·ドンジョ選手がMMAと出会ったのは、いつ頃ですか。

「兵役に行っていた10年前、20歳の時ですね。MMAの試合を初めて見て、MMAファイターになろうと決めました」

──それまで格闘技の経験は?

「テコンドーを中学までやっていましたが、それは遊びのようなもので競技をやっていたというほどではなかったです。兵役に行くまでテコンドー以外にスポーツはやっていなかったです」

──スポーツ歴がなくて、兵役。体力的にも大変だったかと。

「あの頃はこれ以上辛いことはないと思っていましたが、今となっては遠い過去で。それほど厳しくなかったように思えるようになりました」

──そんな兵役中にMMAファイターを目指そうと思うまでになった試合とは、誰のファイトだったのでしょうか。

「UFCの名勝負特集的な番組で視たロビー・ローラーとローリー・マクドナルドの試合です」

──おお、序盤は非常にテクニカルな打撃の攻防が見られ。それでも倒せないということで、壮絶な殴り合いとなった激闘でした。

「兵役中に自由もない生活の中で、あの激闘は凄く胸に来るものがありました。当時の自分は技術的なことは分かっていなかったのですが、まるで殺し合いのような激しい試合をしていたにも関わらず、試合後には友人のように健闘を讃え合っていたのが本当に格好良かったです。

そして兵役を終え、チームMADで練習を始めました。チームMADを選んだのは、プロとしてやっていくなら強いチームで練習をしたいと思っていたからです。チームMADにはUFCファイターもいて、戦績の良い選手も多かったので。

ただ、まだアマチュアで試合にで始めた頃にコロナになって。ジムが閉まる時期が長かったです。政府の指示とはいえ、練習ができないのは本当に辛かったです。プロとしてやっていこうとチームMADの近くに部屋を借りて、練習に専念しようとしていたので。ただ、MMAファイターになることを諦めようという気持ちには一切ならなかったです」

──プロになってからは主にAngel’s FCで戦ってきましたが、去年の11月にはフィリピンのUnderground Battleでも戦いました。フィリピンの試合は、どのような経験になったでしょうか。

「館長からフィリピンで試合をするかと尋ねられ、二つ返事でOKをしました。UGBはフィリピンではメジャーなイベントですし、試合に集中していたのでAngel’s FCで戦っている時と大きな違いは感じられなかったです」

──では初めて戦うことになる日本のMMAについては、どのような印象を持っていますか。

「以前、日本で練習をしたことがあるのですが、どの選手も本当に組み技や寝技が強かったです。凄く勉強になった思い出があります」

──ベルトを戦う相手、廣瀬選手の印象を教えてください。

「廣瀬選手の試合映像をいくつか視ましたが、打撃を中心に戦うアグレッシブな選手です。とはいえ、こういうことを言うのは失礼ですが、打撃でも組み技でも自分の域には達していない。全局面で上回っているので、お客さんに楽しんでもらえる試合がしたいですね。同時に、それ以上に自分に悔いが残るような試合だけはにはしたくないです。そしてファンの皆さんと同じように自分も楽しめるよう戦います」

■HEAT55 x AFC34 視聴方法(予定)
10月26日(土)
午後3時00分~ Twit Casting LIVE

■ HEAT55 x AFC34対戦カード

<ISKAインターコンチネンタル・スーパーウェルター級王座決定戦/3分3R+ExR>
アブラル・ヒマラヤンチーター(ネパール)
アントニー・マルコニ(フランス)

<キック・ライト級/3分3R>
安川侑己(日本)
チュ・ギフン(韓国)

<キック63キロ契約/3分3R>
ペットサムイ・シムラ(タイ)
パク·ジョンジュン(韓国)

<バンタム級/5分3R>
熊崎夏暉(日本)
ふくやーまん(日本)

<Angel’s FCフライ級王座決定戦/5分3R+ExR>
廣瀬裕斗(日本)
チュ·ドンジョ(韓国)

<フェザー級/5分3R>
倉本拓也(日本)
キム·パンス(韓国)

<ライト級/5分3R>
岩倉優輝(日本)
シン·ジェヨン(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
阿部光太(日本)
マ·チャンウ(韓国)

<ミドル級/5分3R>
堀越拓実(日本)
ヨ·ドンジュ(韓国)

<バンタム級/5分3R>
福井達郎(日本)
パク・チウ(韓国)

<ミドル級/5分3R>
フェルナンド・マツキ(日本)
チャン·ドンミン(韓国)

The post 【HEAT55 x AFC34】Angel’s FCフライ級王座決定戦で廣瀬裕斗と対戦、チュ・ドンジョ「自分の域にない」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB DEEP Gladiator Gladiator028 HEAT53 HEAT55 K-1 MMA MMAPLANET o RIZIN   ふくやーまん アントニー・マルコニ キック チュ・ドンジョ パンクラス フェルナンド フェルナンド・マツキ ペットサムイ・シムラ マシン 今井健斗 倉本拓也 宮川日向 山上幹臣 岩倉優輝 廣瀬裕斗 松原聖也 海外 熊崎夏暉 阿部光太

【Gladiator028 / HEAT55 X AFC34】今井健斗×廣瀬裕斗、ニューエイジのターニングポイント in 中津川

【写真】今井と廣瀬——名古屋~中津川間は興味深いジムが並んでいる(C)SHOJIRO KAMEIKE

6日(水)、大阪府豊中市の176boxで行われたGladiator028で、今井健斗が宮川日向を判定で下した。そして26日(土)、名古屋市の名古屋国際会議場イベントホールで開催されるHEAT55×AFC34で、今井と同門の廣瀬裕斗が韓国のチュ・ドンジョと空位のAFCフライ級王座を賭けて戦うこととなった。
Text by Shojiro Kameike

今井と廣瀬が所属する「マーシャルアーツクラブ中津川」は、名古屋市からJR特急「しなの」で48分——岐阜県中津川市のJR中津川駅から徒歩10分という立地にある。長野県飯田市に隣接し、多くの山々に囲まれた中津川市に、新世代ファイターの2人を訪ねた。


――お二人とも中津川市出身とのことですが、中津川とはどのような場所なのでしょうか。

今井 どちらかというと観光地ですね。古い町並みがあって。そこに海外からも観光客が来ています。僕としては、観光地という自覚もないですけど(笑)。

廣瀬 この間も飲みに行ったら、隣のおじさんが奢ってくれたり(笑)。

今井 よく居酒屋で知らない人が奢ってくれるんですよ。フレンドリーな町です。

廣瀬 僕は出身が中津川で、今は下呂市に住んでいます。

今井 下呂って中津川の隣にある市ですけど、ココから車で1時間は掛かります。

――先に格闘技を始めたのは今井選手なのですか。

今井 このジムに入ったのは僕が先ですね。僕が格闘技を始めたのも、もともと裕斗が地下格闘技に出とったんですよ。悠斗は高校が同じで、バイトも一緒で仲が良かったんです。それで裕斗の試合を観に行ったら『おもしろそうやなぁ』と思って。僕が先にジムに入ったあと、別のジムで練習していた裕斗がココにも練習に来るようになりました。

廣瀬 最初は選手として試合に出るというよりは、とにかく格闘技をやってみたかったんです。まずはキックの試合とか、名古屋のストチャレ(ストライキングチャレンジ)にも出させてもらって。試合があれば出させてもらうという感じで、地下格闘技とか何かはこだわっていなかったですね。試合があれば、どんどん出ていきたい。そう思っていました。

今井 僕は格闘技を始める前、RIZINとK-1ぐらいしか見たことがなくて。最初に地下格闘技を見に行った時は、アマチュアだけど華やかな大会でした。だから最初は僕も地下格闘技に出るつもりだったんです。でも一度も地下格に出ることはなく、アマチュアパンクラスやアマチュアDEEPに出て――地下格には一度も出ていないですね。

――それも時代、あるいは地域性ですよね。格闘技をやるには地下格闘技しかなかった地域もある。同時に名古屋まで行けば、パンクラスやDEEPのアマチュア大会が行われているという。

今井 そうですね。僕の場合は、このジムに入る前から代表の一平(高瀬一平マーシャルアーツクラブ中津川代表)さんが、実家の近くで格闘技を教えていたんです。そこに体験に行ったのが始まりですね。僕が入って1カ月後ぐらいには、このジムに移転しましたけど。家から近いから入ったのに、1カ月後には遠い場所に……。といっても車で15分くらいしか違わないですけど(笑)。

もともとは家具屋だった建物を改装したというマーシャツアーツクラブ中津川。2階は広いマットスペース、1階はトレーニングマシンのフロアとなっている(C)SHOJIRO KAMEIKE

それで自分のほうから裕斗を誘ったのかなぁ。僕がもうプロの試合に出始めた頃、裕斗もココに練習に来るようになって。当時のことを覚えていないんですけど。

悠斗 「来いよ」って言われましたから。

今井 あぁ、それは自分が誘っているわ(笑)。

廣瀬 もともと下呂のジム(Hida Traiing Lab)に毎日通っていて、さらに新しい技術を知りたいと思ってコッチにも来るようになりました。そうして練習しとるうちに、高瀬さんから「試合の話が来たぞ」と言われたんですよ。それがプロデビュー戦(2022年3月、DEEP Nagoyaでオサモ・リチャードソンに判定勝ち)でした。

――なるほど。お二人とも白星~黒星というキャリアを経て、今は連勝中です。何か大きく変化するキッカケがあったのでしょうか。

廣瀬 僕の場合は岡本秀義戦(2022年7月、1RにハイキックでTKO負け)ですね。それまで練習でパンチを受けても、バコーンと効いたことはなかったんですよ。試合前にも「打撃は効かないですよ。KOされることは絶対にないです」とか言っとったら、思いっきりKOされて……。そこでディフェンスの重要性を理解しました。僕、寝技が全然できないんです。

今井 アハハハ!

廣瀬 本当に今でも全然できないんです(苦笑)。だから打撃の練習を……。

――「やらない」のと「できない」のは、また違う話かと思います。廣瀬選手はどちらなのでしょうか。

廣瀬 やらないわけじゃないし、寝技が好きじゃないわけでもないんです。でも、なかなか練習でもテイクダウンできなかったり……。そういう苦手意識はありますね。

今井 このジムには柔道やレスリング経験者が多いんですよ。裕斗は自分で思っているほど組技ができないわけじゃないんです。ただ、僕たちは子供の頃から組技をやっていますからね。まぁ数年やったぐらいでテイクダウンは取られません(笑)。

廣瀬 僕も「絶対にテイクダウンしてやろう」と思って行くけど、なかなか……。

――それだけ組技が強い練習相手ばかりであれば、廣瀬選手にとってはテイクダウンディフェンスやエスケープして立ち上がるのは上達するでしょう。

廣瀬 あぁ、そうですね。

今井 それは抜群に上手いです。メチャクチャ極めづらいんですよ。

廣瀬 周りは組技が強い人ばかりだったから、毎日毎日「どうやったらテイクダウンされないか。どうやったら極められないか」と考え続けてきて。

今井 裕斗は一緒に練習し始めた頃、本当に組技に関しては素人みたいな感じでした。「何だ、コイツ」と思うぐらいの弱さだったんですよ。でも今は体も強くなってきているし、技術も上がって、どんどん極めづらくなっています。成長しているとは思いますね。だけど成長するのは、みんな一緒なので。

廣瀬 だから今でも皆に追いつけないんですけど(苦笑)。でも昔はできなかったけど、今はできるようになったというものは増えています。

――今井選手にとっては、山上幹臣戦が大きなターニングポイントになったのではないでしょうか。

廣瀬 あの試合は凄かったですね。

今井 周囲からは「勝てるでしょ」と言われていたんですよ。さすがに山上選手も10年振りの復帰戦では無理でしょ――と。僕自身は最初に山上選手の経歴を見た時、「自分がこんな選手と対戦して良いのか」とは思いました。でも練習していくなかで「これは勝てる」という雰囲気になってきて。

――それ以降、「山上幹臣に勝った男」としてプレッシャーを感じるようにはならなかったですか。

今井 それが――プレッシャーがメチャクチャ強くて。

廣瀬 アハハハ!

今井 それまでは「ブッ倒してやる!」「絶対にフィニッシュする」という気持ちで戦っていました。だけど、ここ2戦は僕が勝つと予想されるようなマッチメイクだったと思うんですよ。自分の中で「ここは絶対に落とせない」という気持ちが強くなり、アグレッシブに行けずに判定が続いてしまいました(苦笑)。

――確かに松原聖也戦宮川日向戦は、山上戦よりも手堅い攻めではありました。それが決して悪いことだとは思いませんが……。

今井 特に宮川戦は、思っていたより相手は体が強かったことも大きいです。試合前は――相手の打撃が強いことは分かっている。だから絶対に打撃では勝負しない。組めば絶対に極められると思っていました。でも実際に対戦してみると、手足が長いし体も強いので、やりづらかったです。テイクダウンしても、すぐにガードに入れられてしまいますし。自分も動きが堅くなってしまいましたね。

――試合後、SNSでは11月のパンクラス出場を希望していました。

今井 グラジは次の大会が年明けの1月12日じゃないですか。ちょっと年末年始はゆっくりしたくて……。それなら年内にもう1試合、頑張って出たいなと思ったんです。もちろんオファーを頂けるのは嬉しいし、言われたら出るとは思いますけど。

パンクラスの本戦でランカーと試合したい気持ちもあるし、グラジであれば僕がベルトを目指してもおかしくない位置にいると思っています。最後は実力なので、とにかく強いヤツに勝って行けば、もっと大きな舞台に出ていけると考えています。

――一方、廣瀬選手はHEATとAngel’s Fcの対抗戦で、AFCフライ級王座を賭けて戦います。

廣瀬 タイトルマッチの話を頂いた時はビックリしました。

今井 羨ましいです。僕にはそういうタイトルマッチの話が来たことがないので。なんか――持っていますよね(笑)。

廣瀬 相手は結構、打撃を振ってくる選手です。それを食らわないようにテイクダウンも混ぜて、MMAでしっかり勝つ。寝技もあまり好きではないですけど、健斗先輩とか強い人たちと練習しているので、それを自信にしてベルトを獲りに行きたいです。

■HEAT55 x AFC34 視聴方法(予定)
10月26日(土)
午後3時00分~ Twit Casting LIVE

■HEAT55 x AFC34 対戦カード

<ISKAインターコンチネンタル・スーパーウェルター級王座決定戦/3分3R+ExR>
アブラル・ヒマラヤンチーター(ネパール)
アントニー・マルコニ(フランス)

<キック・ライト級/3分3R>
安川侑己(日本)
チュ・ギフン(韓国)

<キック63キロ契約/3分3R>
ペットサムイ・シムラ(タイ)
パク·ジョンジュン(韓国)

<バンタム級/5分3R>
熊崎夏暉(日本)
ふくやーまん(日本)

<Angel’s FCフライ級王座決定戦/5分3R+ExR>
廣瀬裕斗(日本)
チュ·ドンジョ(韓国)

<フェザー級/5分3R>
倉本拓也(日本)
キム·パンス(韓国)

<ライト級/5分3R>
岩倉優輝(日本)
シン·ジェヨン(韓国)

<ウェルター級/5分3R>
阿部光太(日本)
マ·チャンウ(韓国)

<ミドル級/5分3R>
堀越拓実(日本)
ヨ·ドンジュ(韓国)

<バンタム級/5分3R>
福井達郎(日本)
パク・チウ(韓国)

<ミドル級/5分3R>
フェルナンド・マツキ(日本)
チャン·ドンミン(韓国)

The post 【Gladiator028 / HEAT55 X AFC34】今井健斗×廣瀬裕斗、ニューエイジのターニングポイント in 中津川 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 DEEP DWCS DWCS S08 DWCS S08 Ep06 LFA MMA MMAPLANET o PANCRASE Pancrase345 UFC YouTube アテバ・グーティエ アリ・カラダギィ キック ダスティン・ポイエー パンクラス ブライアン・オルテガ ロッキー川村2 上田幹雄 内藤由良 岩倉優輝 海外

【DWCS S08 Ep06】満を持してコンテンダーシリーズ参戦、内藤由良「日本人は日本人としての強さもある」

【写真】 (C)TAKUMI NAKAMURA

17日(火・現地時間)米国ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるDWCS S08 Ep06で、内藤由良がアテバ・グーティエと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

6月30日のPancrase345で、ディラン・オサリバンの代役アリ・カラダギィにマウントからのエルボーでTKO勝ちを収め、Dana White’s Contender Series=DWCS出場のチャンスを掴んだ内藤。カラダギィ戦が約2年3カ月振りの実戦だったが、この試合に勝ったことで一気にUFCへのチャレンジが動き出した形だ。

日本人にとって重量級=ミドル級という階級でUFCを目指す内藤は、DWCS参戦が自身のキャリアをかけた挑戦であるとともに、自分が結果を出すことで日本の重量級そのものを盛り上げたいと語った。


改めて格闘家は試合しないと先に進まねえなって

――6月のアリ・カラダギィ戦後にDWCS出場が決まりましたが、どういった経緯で参戦が決まったのかを教えていただけますか。

「もともと自分はアメリカのマネジメント会社のアーセナル(スポーツマネジメント)と契約していて、ブライアン・オルテガやダスティン・ポイエーと同じマネージャーさんにお願いしているんですけど、去年からDWCSに入れてもらえるかもしれないという話はあったんです。それ以外にもLFAで数試合してから直接(UFCと)契約(を目指す)とか、色々と話はあったんですけど、上手く決まらないままズルズルと来ちゃっていて。それでDWCSに出るんだったら6戦やるのが基準という話があると聞いて、もう1戦やってくれということになって、今年6月にパンクラスで試合をすることになったんです。試合間隔も空いていたので、一度パンクラスで試合をやることにして、そうしたら試合後にDWCSから正式にオファーが来た、という感じですね」

――今UFCにチャレンジする日本人も増えていますが、軽量級だったらRord to UFC(RTU)という道がありますが、内藤選手の階級=ミドル級では明確な道がない状況でしたよね。

「そうなんですよ。RTUでもライトヘビー級のワンマッチが組まれたこともあったので、ミドル級でもそういうチャンスが巡ってこないかを待ってみたり、UFC FIGHT PASSで試合を配信している大会、UAE Warriorsみたいなフィーダーショーに出ることも考えたり……どうやったらUFCに出られるんだろうというのを色々と考えていました。そういうなかでマネージャーがUFCに精通してる方だったので、今回スムーズに話が決まってくれて良かったです」

――試合間隔が空いたのは、どの路線でUFCを目指すかを悩んでいたことも理由だったのですか。

「特に明確な理由があったわけじゃなくて、結果的にそうなったって感じですね。実際に何度かLFAからもオファーをもらっていて、いつでも行ける準備をしていて、内々で相手も決まっていたけど流れて…みたいなことが何度かあって。それで2年空いちゃったって感じです」

──ステップアップするための場が、海外。日本国内にミドル級の需要はほとんどないということは、関係していますか。

「分母が少ないですからね。ただ、そこが関係しているとすれば、それはこれからのためです。自分がUFCで活躍して、ミドル級でも日本人はやれるということを見せる。そしてパンクラスからUFCに行けるルートがあるということを示す。パンクラスのミドル級で実績を創れば、UFCへの道が開けるという道を創りたいと思っています」

――6月の試合は当初ディラン・オサリバンとの対戦を予定していて、直前でカラダギィに変更になるという形でしたが、あの試合に勝ったことで道が拓けたようですね。

「はい。改めて格闘家は試合しないと先に進まねえなってことを感じました」

――カラダギィ戦が終わってから、すぐに練習を再開したのですか。

「試合が終わった週の金曜日には練習に出て、スパーリングにも参加していたので、あまり休んでる感じはなかったですね。ダメージもなかったですし、減量終わりで身体の調子も良かったです。6月に試合をした流れのままいこうと思って練習はすぐに再開しました」

──アリ・カラダギィはMMA初戦のキックボクサーでした。王座を獲得したロッキー川村2選手を含め、これまで戦ってきた相手だと、内藤選手の実力が北米で通用するのか測ることが困難だというのは正直あります。そこも踏まえて、ご自身のパフォーマンスにどれだけの自信を持てていますか。

「良い意味で、怖いモノなしという気持ちでいます。接戦の経験がないし、自分がどれだけやれる分からないことが不安じゃなくて。行けるんじゃないかと思っています。GENもそうですし、ずっと高いレベルで練習をさせてもらってきて。それにハンディントンビーチで、マネージャーがミドル級の選手を集めてくれて、今はUFCファイターになったアントニオ・トロコリとかとも練習もしてきましたし。ロッキー川村戦より、強くなっていることは実感できていたので。日本で強い選手と戦っていないとかは気にしていないです」

――SNSにもアップされていたように、GENスポーツパレスで練習を始めて4年になるそうですね。

「はい、今はGENをメインで練習しています」

――GENには日本の重量級のトップ選手たちが集まっていますが、GENで練習することは自信につながる・不安はなくなりますか。

「重量級の選手が集まる場所がGENしかないという現状もあると思うのですが、三上ヘンリー(大智)君、ちょっと階級は下ですけどDEEPに出ている岩倉優輝君、上田幹雄選手も20代ですし、最近は若い選手も少しずつ増えています。あとは年齢が上の選手たちも、あの人たちが海外で経験してきたことは本当に本物だと思うので、そういう経験を教えてもらったり、海外での過ごし方や外国人選手や特徴を教えてもらったり、そういうことを知ることができる場になっているので、自分としてはすごくいい環境ですね」

――去年12月に岡見選手が復帰戦をやる前にインタビューさせてもらったんですけど、そのときに内藤選手の名前を挙げていて「若い選手たちと練習して、彼らからも刺激や力をもらう」と言っていました。内藤選手は岡見選手からどんなものを得ていますか。

「岡見さんは世界のトップで戦ってきた人なんで、一番知識も持っていますし、UFCがどんなところかというのはあの人が誰よりも分かっていると思います。技術的な面でもMMAが上手くて、特に壁レスとか、そういう面ではこの4年間であの人からたくさん学んできましたね」

──重箱の隅を突くようで申し訳ないのですが、そのGENの先輩方と内藤選手や新世代フィターが描く成長の放物線は違っている部分があるかと感じます。

「そこで感覚的なズレが出てくるということですね。それは過去よりも、これからですね。海外での練習を増やすだとか、若い選手は一同に会して練習をするとか。それで海外で戦っていくようになれば。世界を目指しているなら、岡見さんが創ってきたGENを新しくしていくのも若い選手の役割だと思います」

──そういうなかで対戦相手のアテバ・グーティエにはどんな印象を持っていますか。

「とにかく“フィジカル!”という感じですよね。そのなかでもストライキングのフィジカルという感じで、典型的なアフリカ系の選手だなという印象があります。ただ戦績が少ない分、雑なところや打撃に偏っているところがあるので、穴は結構ありますよね」

――試合映像を見る限り、それらの穴を勢いとフィジカルでごまかしている印象もあります。

「そうですね。自分は毎週DWCSは見ているんですけど、ミドル級くらいの試合になると、打撃と寝技どちらかに偏っていることもある。フィーダーショーのチャンピオンやトップクラスでもそうなんですよ。前回のパンクラスで対戦予定だったオサリバンの過去の試合でも、対戦相手があまり参考にならないレベルの試合もあったので、ミドル級ってそういう階級なのかなと思いました。自分も含めてそう思われているとは思うんですけど」

──コンテンダーシリーズに出ている選手は、ほぼほぼそういう選手ですよね。対戦相手の力量など測れないです。

「そうなんです。どういう選手が相手だったのか分からないけど、圧倒して勝っている。でも蓋を開けてみるまで分からないですよね」

――今の話を聞いていても冷静に対戦相手や周りのことも分析されているなと思うのですが、グーティエ対策はできていますか。

「そうですね。グーティエの試合映像もしっかり見て、立てた作戦を遂行するための練習をずっとキャンプで続けてきました」

UFCで活躍できる重量級の日本人がここにいるっていうことを証明していきます

――これからはそういった経験やキャリアのすべてをぶつけるチャレンジが始まると思いますが、ワクワクしていますか。

「いやあ、ホントに楽しみですね。自分がどこまで通用するのか。もちろん上に行く自信しかないし、いつかは壁に当たることもあるとは思うんですけど、世界一の団体にチャレンジして、自分がどの位置にいるのかも確認したいです」

――内藤選手には重量級の日本人として期待される部分も大きいですが、重量級でも日本人は通用するところを見せたいですか。

「そうですね、僕は重量級でもやれると思います。結局戦うのは同じ人間ですし。もちろんフィジカル差とか遺伝的な違いはあると思うんですけど、日本人は日本人としての強さもあると思うので。体の柔らかさとか忍耐力とか。

外国人はすぐに心が折れちゃったりする選手もいると思うんですけど、そういうところは日本人の方が優れていると思っていますし、フィジカルじゃないところでしっかり制していくのがMMAの面白いところだと思うので、自分がやってきたこと、どれが正解っていうものはないと思うんですけど、色々と試したいですね」

――ちなみに内藤選手はレスリング出身ですが、オリンピックは見ていましたか。

「めちゃめちゃ見ていて、すごく刺激になりましたね。あれだけメダルを取っていたのは日本人の強さというか、コツコツやることの強さというか。自分と同世代や少し下の世代で、自分の目で見てきた選手たちも多かったので、その選手たちの活躍をオリンピックで見られたことはすごく嬉しかったです」

――競技は違えど自分でもやれるんだという気持ちになりましたか。

「なりましたね。特に重い階級、74キロ級で高谷大地くんが銀メダルを取ったんですけど、あの階級でメダルを取れるんだというのもありましたし、86キロの石黒隼人も準々決勝で負けはしちゃいましたけど、世界で通用するレスリングを持っているので、不可能はないんだなと思いました」

――日本のファンに対して、どんな試合を見せたいですか。

「やっぱり重量級でもやれるよってところを見せたいですし、今後もっと日本の重量級が盛んになって欲しいので、そのきっかけになれればいいなと思います。自分が小さい頃は岡見さんがそういう姿を見せてくれていたし、僕が結果を出すことで今後MMAをやりたいと思う重量級の選手が増えると思うんですよ。それこそレスリングや柔道の重量級の選手たちが引退して終わりじゃなくて、MMAという道もあるよということを示したいなと思います」

――なるほど。他競技からMMAに転向する選手が増えれば練習仲間も増えるし、日本の重量級全体のレベルも上がりますよね。

「はい、そうやって日本の重量級がもっと盛り上がるんじゃないかなって思います」

――それでは最後にファンの皆さんにもメッセージをいただけますか。

「しっかりDWCSでフィニッシュして勝って、UFC契約を勝ち取って、そこからUFCで活躍できる重量級の日本人がここにいるっていうことを証明していきます。皆さん応援よろしくお願いします!」

The post 【DWCS S08 Ep06】満を持してコンテンダーシリーズ参戦、内藤由良「日本人は日本人としての強さもある」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB HEAT55 MMA MMAPLANET o ふくやーまん キック フェルナンド フェルナンド・マツキ ユン・テスン 倉本拓也 岩倉優輝

【HEAT55】いよいよ本拠地・名古屋、Angel’s FCと対抗戦。アビラルはISKAインターコンチ王座戦へ

【写真】7月のベトナム大会以来、3カ月ぶりの対抗戦。今週末にはベトナムで、日本人選手5名が出場するAngel’s FC33も開かれる (C)LEE GYO DOK

6日(金)にHEATより、10月26日(土)に名古屋市熱田区の名古屋国際会議場イベントホールでHEAT55「HEAT vs AFC 04」の開催と対戦カード第一弾が発表されている。
Text by Manabu Takashima

昨年3月の韓国での対抗戦はAngel’s FCが6勝2敗で勝利し、第2弾は昨年8月の東京大会でHEATがリベンジに成功し、今年7月のベトナムでHEAT勢が勝ち越しに成功している。迎えた第4弾は初めてHEATのおひざ元といえる名古屋で実施されることとなった。


対抗戦以外でISKA インターコンチネンタルスーパーウェルター級王座決定戦としてアビラル・ヒマラヤン・チーター✖ダミエン・ファブレガァの一戦。さらにキックでは安川侑己×チュ・ギフンの日韓戦。さらにMMAで熊崎夏暉×ふくやーまんというコンバットサンボ✖伝統派空手のバンタム級戦が組まれた。ベトナムではローに合わせた初弾という空手らしい一撃でKO勝ちを収めた、ふくやーまん…だけにその初弾の前後に注目したい。

また7試合が組まれる予定というHEAT×Angel’s FCの対抗戦は、倉本拓也×キム·パンスのフェザー級、ライト級の岩倉優輝×キム·ドヨン。フェルナンド・マツキ✖チャン·ドンミン、ヨコヤマクレガー×ヨ·ドンジュの4試合が明らかとなっている。

現時点で韓国勢は全てTEAM MADのネットワークから参戦となっている。その一方でバンタム級王者ユン・テスンの名が現時点でなく、この他のカードの発表が待たれる。

The post 【HEAT55】いよいよ本拠地・名古屋、Angel’s FCと対抗戦。アビラルはISKAインターコンチ王座戦へ first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 MMA MMAPLANET o TTFC10 チェ・ジョンミン ボクシング 岩倉優輝

【TTFC10】前に出続けた岩倉。チェ・ジョンミンをケージに押し込み続け、ユナニマス判定で勝利

【写真】ドライブ→押し込みからの展開させたかったが、チェ・ジョンミンの右オーバーフックも強かった(C)MMAPLANET

<ライト級/5分2R+Ex>
岩倉優輝(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.20-18.
チェ・ジョンミン(韓国)

岩倉が左ジャブを突きながら距離を詰める。ケージ中央に回ったチェ・ジョンミンがワンツーを伸ばした。左ジャブを受けながら組んだチェ・ジョンミンに対し、岩倉はダーティボクシングで右アッパーを突き上げる。岩倉の左が幾度もチェ・ジョンミンの顔面を捉える。レベルチェンジからシングルレッグで組んだ岩倉がドライブした。尻もちを着いたチェ・ジョンミンが立ち上がる。

左腕を差し上げてケージに押し込み続ける岩倉が、ボディへのパンチとヒザで削っていく。ニータップで揺さぶりながら、岩倉がチェ・ジョンミンをケージ際から逃さない。しかし展開がなくレフェリーがブレイクをかけた。ケージ中央で岩倉がローを当てると、チェ・ジョンミンも右ストレートを伸ばす。残り1分で岩倉が右ストレートを当て、組みついてきたチェ・ジョンミンをケージに押し込む。残り10秒で互いにパンチを繰り出すなか、岩倉がケージ際でチェ・ジョンミンを制した。

最終回、細かく動く岩倉がシングルレッグからドライブした。ケージ際でダブルレッグに切り替えて崩す。チェ・ジョンミンもすぐに体勢を戻した。上下に組み替えて揺さぶる岩倉だが、クリーンテイクダウンには至らない。チェ・ジョンミンが右オーバーフックで耐える。左腕を差し上げてテイクダウンを狙った岩倉に対し、チェ・ジョンミンが右オーバーフックで凌いだ。チェ・ジョンミンの左ヒザを受けて苦悶の表情を浮かべる岩倉だが、そのままケージに押し込み続けた。

フルラウンド攻め込んだ岩倉がユナニマス判定勝ちを収めた。


The post 【TTFC10】前に出続けた岩倉。チェ・ジョンミンをケージに押し込み続け、ユナニマス判定で勝利 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB BELLATOR MMA MMAPLANET o PFL TTFC10 UFC YouTube エフェヴィガ雄志 エマニュエル・サンチェス ソルト ティオール・タン 上田直毅 唐沢タツヤ 室谷勇汰 小森真誉 岩倉優輝 工藤諒司 永井奏多 渡辺謙明 狩野優 轟轟

【TTFC10】メインでエフェヴィガ雄志と対戦、闘牛エマニュエル・サンチェス「戦うこと、それが全てだ」

【写真】この暑さを歓迎できる。それだけで、タフさが伝わってくる…… (C)MMAPLANET

16日(金)に東京都練馬区のココネリ・ホールで開催されるTribe Tokyo Fight Challenge 10のメインで、エマニュエル・サンチェスがエフェヴィガ雄志と対戦する。
Text by Manabu Takashima

Bellatorフェザー級タイトルコンテンダー、フェザー級ワールドGPベスト4とサークルケージで9年間に渡り活動してきた34歳のベテランファイター=サンチェス。エルトロの異名を持つ彼にインタビューを試みると、初めての日本での試合を心底楽しみ、暑さも含めて日本で経験できることを全てエンジョイしている様子が伝わってきた。

そんなサンチェス、Bellator以降のキャリアの目標をUFCと断言した。


――飛行機の問題で来日が1日遅れ、東京に着いたのは昨日だったそうですね。疲れはないですか。

「全くないよ。米国で戦う時もトレーニングのスケジュールによっては、夜にしっかりと眠れないこともある。大したことじゃない。それでもすぐに起きて、トレーニングに向かう。時差はあるんだけど、たいして影響はないみたいだ」

――初めての日本ですか。

「そうだよ。街を歩いている人が、きちんとしているね(笑)。渋滞もあるけど、それほどじゃない。暑いね。最高だ。湿度も高いけど、それほど気にならない」

――この猛暑がお気に入りですか……。

「ホテルにいればエアコンがあるし、水をたくさん飲めば良いだけだよ(笑)。体調は凄く良い。ビタミンを摂って、ホットバスにエプソムソルトを入れて浸かれば、どんどん汗をかける。

そういえば昨日、イーブスがエプソムソルトを探しにいって言葉が通じずに困ったそうだよ(笑)。ちょっと日本語を勉強しないといけないね。ファイトで旅行でも、日本が話せると助かることもあるだろう(笑)。でも、凄く気に入っているよ。フライトは長い。でも、それだけの価値がある」

――そういえば、今回はイーブス・エドワースを伴っての来日と聞きました。エマニュエルは長年、ミルウォーキーのルーファスポートでトレーニングをしていた印象が強いですが、イーブスとはどのような関係なのでしょうか。

「1年前にテキサスのヒューストンに移ったんだ。イーブスやUFCやBellatorで戦うファイター、そして若くて活きの良い選手が揃っている。凄く良い練習ができているよ。皆で、一緒にハードなトレーニングに向き合うことができるからね。

ミルウォーキーと同じでテキサスには同胞(※メキシコ人)も多いし、何と言ってもバカ暑いのが良いよ(笑)。日本と同じぐらい暑い。寒いのは嫌いだ。バイオセラピーでコールドバスには浸かっているけど、屋外だと冬も雪も嫌なんだ。暑くて、汗ばんでいるのが好きで。水やジュースをたくさん飲んで、しっかりとハイドレーションができる。暑さはファイターにとって、都合が良いよ」

――キャリア13年、30戦以上の経験を持つエマニュエルが日本でアップカミング・ファイターのエフェヴィガ雄志選手と対戦する。今回の試合には、どのような気持ちで臨んでいるのでしょうか。

「戦うこと、それが全てだ。誕生日の5日後に戦うのも最高だしね。コールがあったとき、『レッツゴー』と即答したよ。でも、日本だと聞いて『何だって?』、『マジか』と(笑)。8月に日本で期待されている選手と戦う。もう神様からの贈り物かと思ったよ。神に感謝している。本当にハッピーだ」

――昨年6月を最後にBellatorを離れ、MMAファイターとして新たなチャプターを歩んでいるかと思いますが、今はどこに目標を置いて現役生活を続けているのですか。

「UFCだ」

――えっ……。

「UFCとは長い間、話をしてきた。Bellatorで戦っている時もね。Bellatorは全てにおいて素晴らしいプロモーションだった。でもPFLに売却した時にマネージャーやチームメイトと話して、『思ったように試合機会を得ることができないかもしれない』という結論に至った。本当に大きな変化が起こったわけだし。今後が不透明過ぎたんだ。僕は試合数を確保したかった。体が言うことを聞かなくなる前に……戦うことができている間は、少しでも多く試合をしたい」

――とはいえ34歳になったファイターがUFCと契約するのは、本当に難しくないですか。

「ハードだよ。だから戦う。1試合、1試合を正しい相手、正しいプロモーションで戦う。自分が強くなり、成長する試合を続けるんだ。もちろん、勝ち続けないといけない。マネージャーとチームからOKが出た相手と戦い、勝って正しい道を進む。前進あるのみだ」

――そこで戦うエフェヴィガ雄志選手の印象を教えてください。

「とても強いファイターだ。いや、とても強くなる可能性を持っているファイターだ。これまでもそうだけど、対戦相手のことを意識過ぎて戦ったことはない。しっかりと技術面はチェックするけどね。フィジカルが強いと言われているようだけど、俺もそっちは強いからね。

ユージはサムライ・スピリットを持つ尊敬すべきファイターだ。そんなユージが相手だから、MMAとして良い試合を皆に見てもらいたいと思っている。全ての力を駆使して戦いたい。ユージもそうあってほしい。そして、僕が勝つ。凄くワクワクしているよ。ユージとの試合を楽しみたい」

■視聴方法(予定)
8月16日(金)
午後6時25分~ツイキャスLIVE

■TTFC10対戦カード

<ライト級/5分3R>
エマニュエル・サンチェス(米国)
エフェヴィガ雄志(日本)

<64キロ契約/5分3R>
上田直毅(日本)
ティオール・タン(ミャンマー)

<フェザー級/5分2R+Ex>
大越崇宏(日本)
小森真誉(韓国)

<ライト級/5分2R+Ex>
岩倉優輝(日本)
チェ・ジョンミン(韓国)

<グラップリング78キロ契約/10分1R>
伊集龍皇(日本)
室谷勇汰(日本)

<フェザー級/5分2R+Ex>
渡辺謙明(日本)
工藤諒司(日本)

<フェザー級/5分2R+Ex>
狩野優(日本)
轟轟(日本)

<バンタム級/5分2R+Ex>
永井奏多(日本)
唐沢タツヤ(日本)

<ライト級/5分2R+Ex>
後藤亮(日本)
グラップラー脇(日本)

The post 【TTFC10】メインでエフェヴィガ雄志と対戦、闘牛エマニュエル・サンチェス「戦うこと、それが全てだ」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 AB DEEP MMA MMAPLANET o ONE PANCRASE Road to UFC TTFC10 UFC Wardog YouTube エフェヴィガ雄志 中川晧貴 中村京一郎 中田大貴 修斗 名田英平 唐沢タツヤ 岩倉優輝 河名マスト 狩野優 轟轟 長南亮 阿部光太 鹿志村仁之介

【TTFC10】6年10月振りの練馬大会で狩野優が、1年5カ月振りの再起戦。エフェ&阿部の相手は??!!

【写真】代理戦争MAXで名を挙げた中村京一郎のデビュー戦の相手を務めた狩野がケージに戻って来る (C)MMAPLANET

16(火)、TTMより8月16日(金)に東京都練馬区の練馬coconeriホールで開催されるTTF CHALLENGE10のカードの発表があった。
Text by Manabu Takashima

コロナ禍の2020年12月の大阪(プロ修斗公式戦とのダブルヘッダーで、プロ修斗公式戦も3試合組まれた)大会以来、3年8カ月振りのTTFCの活動再開。Tribe Tokyo MMAのおひざ元である練馬での大会は2017年10月以来、実に6年10カ月振りとなる。


すでにメインでエフェヴィガ雄志が戦うことが明らかとなっている同大会だが、今回の発表ではエフェ以外の5試合が明らかとなった。

バンタム級が1試合、ライト級が2試合、そしてフェザー級が2試合という内訳の5試合中4試合にTTM所属ファイターの出場となる。

なかでも注目は狩野優の1年5カ月振りの再起戦だ。狩野はコロナ禍の2020年6月に無観客&配信大会で実施されたTTFC08でプロデビューを果たし、その後はPancrase、EX FIGHT、Pound Storm、DEEPでキャリアを積み、8勝2敗の好レコードで昨年3月にONE FFにイヴァン・パルシコフのヒザ十字に下った。

このとき、Road to UFC出場の話を進んでいたが強い相手との対戦を避けてもUFCでは通じないということで、未知のロシア人との戦いに挑んだという話を伝わっている。

あの敗北後も練習は続けていたが、人生において優先させるべきことにプライオリティを置き、長期間の実戦離脱となっていた。対する轟轟(とどろき・ごう)はWardogから修斗でキャリアを積み、3勝1敗1分の戦績を残している。

鹿志村仁之介、中田大貴、中川晧貴、名田英平、河名マスト、中村京一郎という実力者としのぎを削ってきた狩野とすれば2回戦から、キャリアの仕切り直しに挑むこととなるようなマッチアップといえる。また唐沢タツヤ、小森誉、岩倉優輝、グラップラー脇など、まさに長南亮人脈といえる選手が集まっている。

ここにエフェと阿部光太が揃い踏みすることになるが、気になるエフェの相手は東南アジア在住の元ONEファイターやモンゴル系の選手を打診しているという話は伝わっていたが、まとまらなかった模様だ。いずれにせよ、TTMだけでなくJ-MMAをリードするポテンシャルの持ち主=エフェが、どのような相手と戦うことになるのか正式発表が待たれる。

The post 【TTFC10】6年10月振りの練馬大会で狩野優が、1年5カ月振りの再起戦。エフェ&阿部の相手は??!! first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 DEEP DEEP JEWELS DEEP120 MMA MMAPLANET o ONE Road to UFC UFC YouTube ジョン・リネケル パンクラス ライカ 中谷優我 原口伸 原口央 岩倉優輝 泉武志 海外 野村駿太 青木真也

【DEEP120】青木真也とタイガームエタイ─泉武志と再戦。野村駿太「自己中というか自分の試合をしたい」

【写真】青木真也との時間、タイガームエタイでの日々でどう野村が成長しているのかが確認できる試合に (C)TAKUMI NAKAMURA

14日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP120 IMPACTにて野村駿太が泉武志と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年12月のDEEP後楽園大会で岩倉優輝にKO勝利し、約7カ月ぶりの試合となる野村。この期間はONE日本大会に出場した青木真也のトレーニングパートナーを務め、タイガームエタイでの武者修行を行うなど、試合以外の面で多くの経験を積んだ。希望するRoad to UFCへの出場はかなわかったが、将来的な海外進出を見据えてDEEP王座を目指す戦いに挑む。


これがプロとしての覚悟なんだ、と

――14日のDEEP後楽園大会で泉武志選手と再戦が決まった野村選手です。今回野村選手にインタビューをお願いするにあたって、青木真也選手が1月のONE日本大会に向けて野村選手にトレーニングパートナーを依頼していたという話をお伺いしました。青木選手とはどういった経緯でつながりが出来たのですか。

「格闘代理戦争に出ていた中谷優我が元々BRAVEで練習していて、青木さんと中谷が知り合いで。青木さんと一緒に練習させてもらいたいと思い、中谷を通してロータス世田谷に行かせてもらうようになったのが最初のきっかけです」

――トレーニングパートナーを依頼されたときは驚きましたか。

「驚きと自分でいいのか?という心境でしたね。僕は組み技を強化したいと思ってロータスに行かせてもらっていて、その中でも青木さんは特に強くて、毎回壁に当たりにいくぐらいの気持ちでずっとやっていたんです。だから自分が青木さんの相手が務まるのか不安でした」

――具体的にはどういった形で青木選手と一緒に練習すしていたのですか。

「もともとロータスには週2回行っていたんですけど、それプラス、青木さんがMMAの練習をする時にマンツーマンで5分3Rの相手を務めるという形でやっていました」

――試合に向けたトップ選手のスパーリングパートナーを務めるというはなかなかできない経験だと思います。青木選手と試合までの時間を過ごして感じたこと、気づいたことはなんですか。

「青木さんの強さはもちろん、青木さんの人間らしさみたいなところも見させてもらいました。あれだけ強い青木選手でも試合に向けて葛藤があったりとか。特にあの時は試合直前に相手が代わるという事態も起きたので…」

――私も現場で取材していたのですが、入場式に青木選手が姿を見せず、大会の途中でセージ・ノースカットの欠場とジョン・リネケルの代打出場が発表されるという異例の事態でした。

「自分は青木さんのセコンドでバックステージにいたんですけど、ちょうど開会式が始まる前に青木さんがチャトリさんに呼ばれて、帰ってきたら表情がガラッと変わっていたんです。タイミングとしては一度身体を動かし終えて、最後に試合に向けて上げていこうという段階で」

――まさかそこで相手が変わると言われるとは思っていないですよね。

「はい。まさに試合に向けて気持ちをグッと上げている途中で、そこで対戦相手が変わると言われたわけだから、それは(気持ちが)どん底まで落ちますよね。でもそこから青木さんはもう一度気持ちを作り直して(試合を)やるという決断をして、プロとしての心意気みたいなものを見させてもらいました。改めて青木さんは自分とは何倍も大きなスケールで戦っているんだなということを感じました」

――バックステージは相当混乱していたと思います。

「僕たちは青木さんとチャトリさんが話しているのを控室で待っている状態でしたが、やっぱり最初はかなり揉めていたみたいです。ただそこから交渉で折り合いをつけて、青木さんも久々の日本大会で自分を見に来てくれているお客さんがいることも分かっていたと思うので、控室に戻ってきてからは覚悟を決めた感じでした」

――対戦相手はすぐリネケルで決まったのですか。

「そこも結構大変で、すぐにリネケルが捕まらなかったみたいんです。会場にはいるけど、どこにいるかが分からない、みたいな。だからONEのスタッフが総出で『リネケルはどこだ!?』みたいに探し回っていて。ONEのようなメジャー団体でこんなハプニングはありえないですよね。

青木さんはいつも『自分は競技をやっているわけじゃない』と言っていて、それを体現する場面を目の当たりにして、自分なりに感じるものがありました。これがプロとしての覚悟なんだ、と」

――その一方で試合に向けた青木選手の競技者としての取り組みに触れたことも大きかったと思います。

「めちゃくちゃ勉強になりました。僕はとりあえず練習して覚えるくらいの気持ちでやっていたんですけど、青木さんは次の相手に対して自分がどう戦うかを考えたうえで、そこに必要なことを練習されているんですね。

今回僕がパートナーに指名されたのも、僕がノースカットに似ていた部分があったりもして。青木さんが八隅(孝平)さんたちと試合でこうしていくというのを煮詰めて、自分もなるべくそこに近づけられるよう心掛けていました。試合に勝つためにはこういった練習への取り組みが大事なんだなと思いましたね」

――青木選手と過ごした期間を経て、今はどのようなことを意識して練習されているのですか。

「ロータスに行き始めて約1年、青木さんのトレーニングパートナーを務めさせてもらった期間が約半年になんですけど、青木さんと過ごした半年を終えて、練習に対する本気度が変わりました。今までも遊びでやっていたわけではないのですが、練習時間になったら練習場所に行って、決まった時間の練習をするという感覚はなくなりました。

明確に自分がやるべきこと、そして自分がこうなりたいというものを見つけられたというか。実は青木さんにスパーリングパートナーをお願いされた時くらいに、青木さんに『海外に(練習に)行った方がいいよ』とアドバイスされていて、青木さんの試合が終わってタイのタイガームエタイに行ったんですよ。あっちは泥臭い感じの選手しかいないというか、良くも悪くも自分が成功すること以外は考えていないような選手が世界中から集まってくるんですね。

そういう選手たちと練習することで、僕自身も格闘技で成功するんだという気持ちが強く芽生えたし、そのために他の選手よりもたくさん試合をするとか、他の選手がやらないようなキツイ練習をやるとか、そういう考えになりました」

――タイガームエタイは世界中からMMAファイターが集まるジムですが、どんなスパーリングをしてきましたか。

「スパーリングは5分5Rくらいしかやらないんですけど、トップにいく選手は最初から最後までやるし、試合前の選手はスパーリングでも自分だけ思いっきり殴ってくる選手もいます(苦笑)。最初は僕も相手に合わせちゃうところがあって、今日の相手はレスラーなのかな、ストライカーなのかなと思いながらやっていたんですけど、そうやって相手に合わせるのは意味がないなと。途中からはどんな相手でも自分のスタイルを押しつけるようにしようと思いました」

――いい意味でここからさらに上に行きたいという選手が練習するジムなので、みんなギラギラしているでしょうね。

「そうですね。例えばスパーリングでちょっとでも引いて『あいつはダメ。練習にならない』と思われたら、全く相手にしてもらえないんで。なかには自分よりも弱い相手ばっかり選んで練習する選手もいましたけど(苦笑)、基本的にはレベルの高い者・強い者同士でバチバチにやり合うスタイルでした。で、そういうスパーリングを続けていると『また練習やろうぜ』みたいな感じになったり、街中でも話しかけてくれるようになったり、ちょっとずつお互いを認め合う感じでした」

――ちなみに著名な選手も、練習相手にはいましたか。

「自分あんまり人の名前を覚えられないんですけど(笑)、NAIZA FCのタイトルマッチを控えている選手やウズベキスタンの選手たちと練習してきました」

タイトル挑戦に繋がる試合ということだったので

――野村選手にとっては青木選手のスパーリングパートナーからタイガームエタイでの武者修行までがワンセットとして意味があったようですね。そして昨年12月以来、約7カ月ぶりの試合が決まりました。

「自分の方向性としてRord to UFC(RTU)を目指していて、RTUに参戦したいという希望は出していました。それも見越してタイガームエタイに行って。ただ今年はライト級でトーナメントが行われないということになって、ワンマッチの話もあったんですけど、ヤン坊(雑賀達也)選手がパンクラスでタイトルを獲ったばかりということもあって、そっちに決まりそうだと。

もし自分にワンマッチのチャンスがくるとしたらトーナメントの準決勝以降になるということだったので、それだったら試合間隔が空くよりも、今年はDEEPでベルトを獲って来年に備えようと思いました」

――目の前でベルトの有無でチャンスが来るかどうかの場面に出くわしたわけですね。

「はい。今年出ている選手や過去に出ている選手たちの顔ぶれを見ると、やっぱりベルトを巻いているかどうかが大事で、今の自分にはそこが足りないと思いました」

――対戦相手の泉選手とは2022年7月に対戦していて、野村選手が判定勝利していますが、あれから5連勝してタイトル戦線に浮上してきました。

「泉戦がタイトル挑戦に繋がる試合ならやる、そうじゃないとやらないという考えがあったのですが、タイトル挑戦に繋がる試合ということだったのでやろうと思いました」

――対戦相手としては泉選手にはどんな印象を持っていますか。

「レスリングの実績がある選手で、5連勝しているというところで、最後に勝ちきる力があると思います。対レスラーという部分ではBRAVEでたくさん練習していますし、対策も立ててはいるんですけど、相手がこっちに合わさざるをえない、そういう自己中というか自分の試合をしたいです」

――この間の練習で試合に対するマインドも変わりましたか。

「強い選手は全員そうなんじゃないですかね。あとはどのポジションでも自信がついてきたから、そういう考えになってきたのかもしれないです。とにかくこの試合にしっかり勝って、江藤(公洋)さんにリベンジしてベルトを巻きたいです」

――今はDEEPのベルトを巻くことが一番だと思いますが、その先には海外の大会に出ていくことが目標ですか。

「自分は昔からそういう考えですね。日本の団体に興味がないということではなくて、自分が目指すのは強い選手がいるところに行って戦う、なので」

――BRAVEの選手は海外で戦っている選手も多いですが、そこから刺激を受けることもありますか。

「すごく刺激になりますね。それこそ僕は原口伸とパンクラスに出ている望月貴史の3人でBRAVEの寮に一緒に住んでいた時期があったし、原口央と伊藤(空也)さんもジムに住み込みみたいな感じだったんです。そういう時間を過ごした仲間が先に海外の団体で試合しているので、自分もそれに続きたいという想いがありますね」

――では、今回の泉選手との試合。改めてどのようなファイトを見せていきたいですか。

「自分はもっと上で、海外で戦いたいので、みんなが認めてくれるような、野村だったらいけるなと思われる試合をしたいです。今ライト級は日本人が外国人に勝てない、海外に出ても勝つことが難しい状況なので、自分だったらいけるという試合を見せられたらと思います。あとはUFC本戦やRTUでも、結果を出している日本人はレスリング出身の選手が多いじゃないですか。僕は空手出身・ストライカーとして、そういう選手たちも倒していきたい。今回は自分にそれができることを見せる試合にしたいと思っています」

■視聴方法(予定)
5月26日(日)
午後5時45分~U-NEXT, サムライTV, YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ

The post 【DEEP120】青木真也とタイガームエタイ─泉武志と再戦。野村駿太「自己中というか自分の試合をしたい」 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 Double G FC17 MMA MMAPLANET o パク・チャンス 岩倉優輝

【Double G FC17】岩倉はTDを防ぐもバックコントロールを許し、パク・チャンスがライト級王座を獲得

<Double G FCライト級王座決定戦/5分3R>
パク・チャンス(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27.
岩倉優輝(韓国)

岩倉が低い体勢から距離を詰める。パク・チャンスにケージを背負わせて左右のパンチを振るう。これを防いだパク・チャンスが押し返すも、組んだ岩倉が左腕を差し上げてケージに押し込んだ。しかし岩倉が離れやたところで、首相撲で捉えるパク・チャンス。岩倉はすぐに離れたが、ケージ中央に戻るとパク・チャンスのダブルレッグで背中を着かされた。起き上がる岩倉のバックを狙うパク・チャンスに対し、岩倉も正対して切り返す。

パク・チャンスのテイクダウンをかわしてパンチを当てる岩倉は、ケージに押し込まれるも正対して、またも左腕を差し上げてケージに押し込み離れる。パク・チャンスの左ハイをブロックした岩倉、パク・チャンスは岩倉の右ローに右ストレートを合わせる。蹴りを散らすパク・チャンスとの距離を詰める岩倉は、組まれると首投げの体勢になり、そのままバックに回られた。パク・チャンスのヒザを防ぎつつ立ち上がった岩倉はケージを使って正対する。パク・チャンスの右ストレートが岩倉のアゴに突き刺さるが、岩倉もパンチを振るい押し返した。

2R、岩倉が右ストレートを伸ばす。パク・チャンスのシングルレッグをスプロールした岩倉は、左フックを当て、右腕を差し上げてケージに押し込む。パク・チャンスの首相撲に対し、岩倉は左腕を差し上げて押しつつ離れる。パク・チャンスが左ハイを放った際に懐に飛び込んだ岩倉だが、ケージに押し込まれてバックコントロールに持ち込まれる。パク・チャンスがバックから左ヒザを岩倉の顔面に突き刺した。岩倉は立ち上がり、パク・チャンスの右腕をキムラで抱えながら離れた。パク・チャンスの跳びヒザに右を合わせた岩倉。パク・チャンスはニータップで組みつき、ケージ際でバックへ。岩倉が足を抱えられるもヒザを着き、クリーンテイクダウンを許さない。左腕を差し入れ、ヒジを突き刺しつつラウンド終了を待った。

最終回、岩倉が距離を詰めて右を振るう。パク・チャンスのボディロック、ニータップを潰す岩倉。首相撲に持ち込むパク・チャンスをケージに押し込む、頭をおっつけてから離れた。岩倉の左ジャブに、パク・チャンスが左ミドルを合わせた。岩倉が頭を振って組みつき、パク・チャンスをケージに押し込む。ウィザーで耐えるパク・チャンスに投げを打った岩倉。パク・チャンスは右オーバーフックで耐える。スタンドに戻るとパク・チャンスはパンチを当てたあと、再び組みついてケージ際へ。

バックに回ったパク・チャンスが左足を差し入れる。さらに左ひざをボディに突き刺し、直後にバックマウントを狙った。岩倉はスクランブルに持ち込むも、ガブられてしまう。パク・チャンスは左腕で首を抱え、ケージに押し込む形でギロチンで絞り上げる。これは凌いだ岩倉が、仰向けになってケージまで下がるもパク・チャンスが逃さない。バックを狙うパク・チャンスを前に振り落とした岩倉は、再び組まれるもケージ際で切り返し、パク・チャンスを押し込んで試合を終えた。

岩倉はパク・チャンスに決定的なチャンスを許さなかったものの、ポイントを奪う攻撃に至ることもできず。裁定はパク・チャンスがフルマークの判定勝ちで、Double G FCライト級王座を獲得。フェザー級と併せて2冠王となった。


The post 【Double G FC17】岩倉はTDを防ぐもバックコントロールを許し、パク・チャンスがライト級王座を獲得 first appeared on MMAPLANET.
カテゴリー
45 DEEP Double G FC17 MMA MMAPLANET o UFC YUKI コナー・マクレガー パク・チャンス ボクシング 上迫博仁 修斗 倉本大悟 岩倉優輝 野村駿太

【Double G FC17】フェザー級王者パク・チャンスに挑戦、岩倉優輝「リスクが少なく相手を崩せる足技を」

【写真】岩倉は寡黙な選手との情報もあったが、明るく楽しく喋ってくれるファイターだ(C)SHOJIRO KAMEIKE

6日(木)、韓国はソウル江南区のソウル繊維イベントセンターで開催されるDouble G FC17で、岩倉優輝がパク・チャンスの持つ同ライト級王座に挑戦する。
Text by Shojiro Kameike

DEEPフューチャーキングトーナメント2021でライト級を制した岩倉は、2022年9月にプロデビュー。ここまでの戦績は3勝2敗——前戦は野村駿太にKO負けを喫し、再起戦が敵地でのタイトルマッチとなった。「それでも大きなチャンスだと考えている」という岩倉に、その格闘技キャリアとタイトルマッチへの意気込みを訊いた。


――Double Gのポスターを見ると丸坊主姿で、「昔の写真を使っているのかなぁ……」と思っていたら、リモート画面が繋がって丸坊主だったので驚きました。

「今の写真です(笑)。今年に入って髪が伸びてきて、一度坊主にしてみよう思っただけで。そうしたら毎日の練習も坊主のほうが楽でした」

――なるほど(笑)。岩倉選手はもともと柔道出身とのことですが、何歳から柔道をやっていたのでしょうか。

「小学1年から大学4年まで柔道をやっていました。中高は個人、大学は団体で全国大会に出場しています」

――それだけ柔道に打ち込んでいた岩倉選手がMMAを志した理由は何だったのですか。

「高3の時に、コナー・マクレガーがグァーっと上がってきていたんですよ。もともと格闘技は好きで、SNSで格闘技の動画をよく視ていました。そこにUFCの動画が出てきて、マクレガーの影響でMMAにハマりましたね。

でもその時はまだ『柔道を辞めてMMAに!』という気持ちにはなっていませんでした。柔道の推薦で大学に行くことは決まっていたし、キッチリと大学まで柔道をやらなければいけないと思って」

――ではMMAを始めたのは大学卒業後で……。

「大学を卒業して、一度就職した後ですね。当時はコロナ禍でMMAの大会も行われなくなっていたので、『世の中が不安定になったから、とりあえず就職しておこうか……』と思ったんです。安易な気持ちかもしれませんけど」

――決して安易ではないと思います。それだけ先が見えない大変な時期でしたし、無職のままMMAを始めるのも不安でしょう。

「実は大学4年生の時、アマチュア修斗関東選手権で優勝したことがあるんです。コロナ禍で柔道の引退試合もなくなっていたので、自分のスポーツのケジメとして出場しました」

――えっ!? まだMMAを始めていない頃ですよね。

「柔道しか経験はなかったです(苦笑)。同じ大学の寮にボクシング部員がいたので、小手先のボクシング技術だけ教えてもらって出場しました。セコンドは柔道部の同期に付いてもらって。3試合を勝ち抜いて優勝したけど、その年は全日本選手権が開催されなくて、僕も就職したんですよ」

注)2020年は当初、7月5日に関東選手権、10月18日に全日本選手権の開催が予定されていた。しかしコロナ禍のため関東選手権が同年12月6日に延期。翌2021年3月14日に全日本選手権もスライドされたが、緊急事態宣言の発令により中止となっている。

「そこで就職した会社の先輩に、格闘技をやっている方がいらっしゃいまして。『休みの日にジムで体を動かしている』という、たわいもない会話から僕もNICE BAD GYMに行くようになりました。その就職先も11カ月で辞めて、脱サラ2週間後にDEEPフューチャーキングトーナメントに出場したんです」

――フューチャーキングに出場するために退職したのですか。

「こういうことを言うのも何ですけど、自信があったんですよ。フューチャーキングを制してプロになって生活していこうと思っていました」

――しかしプロデビュー戦は、フューチャーキング決勝で下していた倉本大悟選手とのリマッチで敗れました。

「メチャクチャ落ち込みましたけど、それ以上に『うまく行きすぎて調子に乗っていた自分』がいたんだと思います。そこから『もっと打撃を磨かなきゃいけない』とか――ポジティブに考えれば、勉強になったデビュー戦でした。でもキャリアを考えると、一番大事なプロデビュー戦を落としてしまっているので、先のことは心配になりましたね」

――打撃を重点的に磨いたのは、プロデビュー後なのですね。

「最初は自分も打撃ができるっていう手応えはあったんです。でもディフェンスを特に考え始めたのはデビュー戦後ですね。NICE BAD GYMで上迫博仁さんに教わったことはもちろん、出稽古でGENに行かせていただいて。GENで田牧一寿さんにボクシングを教わったことも大きかったです」

――田牧トレーナーですか! GENで練習しているファイターからは、常にそのお名前を聞きます。田牧トレーナーの指導で、どういった点がレベルアップしましたか。

「田牧さんの指導は、基本的なことを細かく教えてくれます。たとえばコンビネーションはスピード重視ではなく、まず一つひとつの動きの正確さを大切にしていて。田牧さんに教わったことで、パンチの仕組みを理解できるようになりました。

おかげでパンチを当てた時の感覚は変わってきたと思います。スタンドのパンチだけじゃなく、パウンドでも自分の拳をしっかり当てる感覚も掴めているような気がして。力いっぱい殴るのでなく、的確に当てることを意識するようになってきていますね」

――しかも柔道のベースがあるため、試合では相手をしっかり抑え込んでから殴ることで威力も増しているように感じます。

「それは最近、ようやくMMAで抑え込むという感覚が分かってきたように思います。どちらかというと柔道時代は寝技を毛嫌いしていたんですよ。MMAを始めて『人と抑え込むことって、こんなに難しいのか』と実感させられました。柔道の抑え込みとも違うし、レスリングというよりもグラップリングをちゃんと意識するようになって」

――そういえば、これまで岩倉選手の試合で柔道の大きな投げ技を見たことがないですね。

「やっぱり柔道の癖で、大きく投げようとするとバックに回られることがありました。その中で、柔道の技で一番役に立っているのは足技なんです。蹴りと足払いを混ぜたり、足払いで崩してから足を取ってテイクダウンに行ったりとか。崩してから殴るっていう戦い方もありますよね。リスクが少なく、相手を崩せるのが足技だと思います」

――プロデビュー戦こそ敗れたものの、その後は3連勝で野村駿太戦を迎えました。若手同士の一戦で、あの試合で勝ったほうが上位陣へ……というサバイバルマッチであったと思います。その野村選手の左ストレートを食らい、KO負けを喫してしまいました。

「あの時はパンチとパウンドに手応えを感じて、ちょっとずつMMAを理解し始めていた時期でもありました。そこで賢く戦おうと思ってしまったというか……。『テイクダウンできたけど、今は思いっきり攻める時ではない』とか考えてしまって」

――そう聞いて理解できました。フィニッシュシーン直前、ブレイクが掛かった後に岩倉選手の動きが止まっています。

「そうですね。ブレイク後に『この後はどうしようかな』と考えてしまっていました……。あの時は試合前にプランを考えすぎず、相手の動きに合わせて、その場で考えて動こうと思っていたんです。でも今はシチュエーションごとに、どう対処するかを考えるようになりました。やっぱり自分のベースは柔道なので、組みの部分を生かして自分のアクションを増やせるように練習してきたつもりです。打撃も伸びてきたので、打撃が強い相手でもスタンドで圧力をかけてから組んだり」

――再起戦がいきなりDouble G FCのタイトルマッチで、王者パク・チャンスに挑戦することとなりました。

「相手は何でもできるタイプで、身長も高いし遠い距離からの打撃もあります。まず相手にペースをつくらせないように、自分が先手を取って攻めていきたいと思います。前の敗戦のことを考えていても仕方ないし、MMAを始めた頃のように『ヨッシャ、やってやる!』という気持ちが強いです。

自分も緊張はしていますけど、その代わり大きなチャンスだと思っています。派手に打ち勝つ試合よりも、しっかり練習してきた自分の強みを生かす試合を――僕ができること全てを出して、ベルトを巻きたいです」

The post 【Double G FC17】フェザー級王者パク・チャンスに挑戦、岩倉優輝「リスクが少なく相手を崩せる足技を」 first appeared on MMAPLANET.