【写真】修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が受けたケイシー・ケニースモルカ戦の衝撃とは?(C)Zuffa/UFC
今回より、正式スタートする新企画=修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が斬る、UFCプレリミマッチ。
第1回は5月30日(土)のUFC ESPN09で行われたバンタム級戦=ケイシー・ケニールイス・スモルカ戦について話してもらった。
タイトル戦を控えた朝、岡田の目にケイシー・ケニーはどのように映ったのか。
<修斗チャンプ岡田遼が斬る、UFCプレリミマッチ─序章─はコチラから>
──ケイシー・ケニーのどこに興奮させられたのでしょうか。
「僕、ATTでコーチに口を酸っぱくして言われていたのが、『チェンジ・レベル』、『チェンジ・アングル』、『チェンジ・スピード』の3つだったんです。高さ、角度を変えて緩急をつける。これをずっと言われていて、日本に戻ってきてからも気を付けていたんですけど、だからって簡単にモノにできることではないです。
それがケイシー・ケニーを見て、『これだ。コイツ、全部チェンジしてるじゃん!!』って思ったんです。緩急がついていて、角度も変える。で、高さも違いをつけて戦っていました。正直、これまでケイシー・ケニーのことを知らなくて、漫然と眺めていたら、『なんだ、この選手は?』ってなったんです。
しかも流れるように、ごく自然にできている。『これ、マイク・ブラウンに言われたわ』って(笑)。答を見ることができ、凄く興奮しましたね」
──UFCでの2試合はテイクダウン中心で戦っていたのが、LFA時代に戻ったような試合でした。
「ローとミドルを散らして、どっちも重い。レスラーのスタンスじゃないですよね、あれだけ重い蹴りを使えるなんて。パンチも下がりながら当てていて、メチャクチャ上手い。ちょっと衝撃的でしたね。最後も左から右の返しを決めて、そこからスモルカが、テイクダウンに逃げて」
──一旦切ってから、ギロチンに入りました。あれでスモルカのスクランブルを止めることができるのかと。
「普通はそのままアームインで入るのが定石で。受け止めてからハイエルボーを選択するというのは、僕の常識にはなかったです。いやぁ強いし、美しいとすら思いました」
──ダメージがあったのは確かですが、普通にアームインよりも念を押すかのようにハイエルボーに入ったのかと。確実に上を取るために。
「スモルカが逃げるために背中をつけて、隅返しみたいに返そうとしたけど、それもしっかりと潰してハーフでトップを取って極め切りました。あれで極めてしまうんですよねぇ」
──アームインで頭を抜かれると、下になることもありますしね。
「自分の試合がこれからあるので、『また、ちゃんと後で視よう』って思いました。凄い試合を見てしまったというのが正直なところでしたね……『うわぁ』って。で、会場ですれ違った時にUFCのプレリミと比べるからと言われて、食いついて話してしまったんです(笑)」
──食い気味だったから、驚きました(笑)。
「でも、試合後の共同インタビューで『ケイシー・ケニーと戦ったらどう?』って聞かれて……(苦笑)。情けない話だけど、『今やったら、絶対に勝てない』と思ったんです……もうギクッとして」
──いやぁ、申し訳ない質問でした。では、続いてブランドン・ロイヴァルティム・エリオット戦をお願いします。
<この項、続く>