【写真】一発逆転のノックダウン奪取から正確なパウンドでジョーンズは勝利を手にした (C)Zuffa/UFC
修斗暫定世界バンタム級チャンピオン岡田遼が岡田遼の語りたいUFCプレリミマッチ第11回。
ここでは22日(土・現地時間)のUFC ESPN15で行われたバンタム級戦=トレヴィン・ジョーンズチムール・ワリエフ戦について話してもらった。
──岡田遼が気になる8月のUFCプレリミマッチ、岡田選手が気になったUFCプレリミ2試合目は?
「トレヴィン・ジョーンズチムール・ワリエフですね。PXCから活躍して、DEEPで大塚隆史選手に勝ったジョーンズが代役ですがUFCデビューを迎えました」
──正直、勝ち目はないと思っていました。相手はワリエフですから。
「ワリエフって、クソ強いですよね。何でいうのか、攻撃が絶えることがない。ずっと手を出していて、手数が多いだけでなく多彩です。カカト落としをMMAで使いますか? それこそチェンジ・スピード、チェンジ・レベル、チェンジ・アングル、その全てを駆使して際限なく攻撃を続けていました。こんなヤツ、いるのかってぐらいに!!」
──対してジョーンズに関しては、私はずっと手堅い攻撃をする選手というイメージでしたが、もう見事なまでに手の打ちようがない。ボロボロにされていました。
「大塚選手に一本勝ちしていて、相当に強い選手だと思います。ACBやTOP FCで戦ってきて。でも防戦一方で、何もできていなかったです。腹も顔もやられて──UFCでここまで一方的な試合は珍しいなっていうぐらいの序盤でした。
それでもジョーンズはボコボコにされながら、起死回生のテイクダウンを素晴らしいタイミングで決めています。あそこで時間を使って呼吸を整えていました。あのダブルレッグとトップにステイしたのは、痺れましたね。
あそこまでボロボロにされている選手が、ダブルレッグをしっかりとドライブして決めて。あの活きの良いワリエフを倒して、マットに背中をつけさせた。そして時間を使った。あぁ、ジョーンズもUFCで戦える力の持ち主なんだと感心させられました」
──インターバルで立て直すことができると思っていましたか。
「風向きが少しは変わって来るんじゃないかとは思っていました。ワリエフは1Rに倒しにいって、それができなかったので。アレは相当疲れているはずなんです。僕も昔、トリスタン・グリムズリーっていう弱い米国人に1Rにボディを効かせたけど倒しきれなくて……めちゃくちゃスタミナが削れてしまいRNCでやられてしまったことがあるんです」
──もちろん、存じ上げています。
「でも僕と違い、ワリエフは初回と同じような切れで戦っていました。バケモノですね(笑)」
──ひょっとするとテイクダウンされて、休んだのかもしれないですね。
「それはあるかもしれないですね。そうしていたのだとしてら、それもクレバーで怖いです」
──しかし、その2Rに大逆転KO劇が起こりました。
「格闘技の神様が降臨した瞬間でしたね。ローに右フックを合わせた形だったと思います。ただ、あれだけやられていたのに手を出した結果です。パウンドも適格でしたし。大前提として、ジョーンズも強い選手なんだと……。
あそこまで腹を効かされて、あれだけ頭部も殴られていた状態でダウンを奪えたとしても、あの正確なパウンドを打てるのかって聞かれると、今の僕には自信がないです。ジョーンズはあそこで逃げられると、もう絶対に勝ち目がない。そこで仕留めに掛り勝ち切りました」
──同じバンタム級ですね。
「ぶっちゃけジョーンズなら、それなりに良い試合はデキると思います。でもワリエフはやりたくないです(笑)」
──やりたくない宣言、いただきました。
「アハハハハ。ワリエフとやるには、出席日数と内申点が足りていないです」