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【Grachan Herios】1年のトリを飾る新イベントでTSUNE×伊藤、林RICE×ダリのW王座戦が決定

【写真】今年2月に交わされた約束が果たされる(C)SHOJIRO KAMEIKE

15日(日)に東京都江東区のTFTホール500で開催されているGrachan70の中で、12月22日(日)に「GRACHAN Presents:HERIOS」がTFTホールにて行われることが発表された。
Text by Shojiro Kameike

併せて同大会の決定カード=バンタム級とライト級のタイトルマッチも発表されている。バンタム級は王者TSUNEが伊藤空也を挑戦者に迎え、ライト級はチャンピオン林RICE陽太にロクク・ダリが挑む。


HERIOSについて、GRACHAN実行委員会から届いたプレスリリースには、次のように記されている。

「GRACHAN Presents: HELIOSは、GRACHANが長年にわたり築き上げてきた歴史と闘志を象徴する、年に一度のスペシャルイベントです。「HELIOS」はギリシャ神話に登場する太陽神を意味し、選手たちが限界を超え、輝きを放つ姿を象徴しています。
この大会には、年間を通じてGRACHANで選ばれた精鋭たちが出場し、最高峰の戦いを繰り広げます。彼らは勝利への激しい戦いを経て、この特別な舞台に立つことを許された選手たちです。HELIOSでは、勝者が栄光を手にし、新たな伝説がここで生まれることでしょう。
圧倒的なスリルと挑戦的なバトルが展開され、HELIOSという名にふさわしい、最高の格闘技イベントをお届けします。GRACHANの新たな時代の幕開けに、ぜひご注目ください。」

GRACHANの新たな時代の幕開け――その兆しは、実は既に発表されている2025年の大会スケジュールにも表れていた。来年は年2回の大阪大会、そして初進出となる福岡大会はもちろん、東京大会がいずれもTFTホール500で行われる。そんななか、年末の東京大会のみ、会場が「TFTホール1000」となっている。東京都江東区有明のTFTビルには席数が異なる3つのホールがあり、12月大会のみ通常よりも大きな「TFTホール1000」を使用するのはなぜか。その理由が今回の発表で明らかとなった。

アマチュア大会=GRACHANチャレンジからプロへ、そして通常の大会で経験を積み、結果を残した選手が年末のHERIOSへ――。もちろん、この流れの軸にあるのはベルトを巡る戦いだ。今回すでに2階級のタイトルマッチが発表されており、さらにベルトに関わる試合が決定することは間違いない。さらにHERIOSを経て、豪州Eternal MMAなど海外イベントへの進出も大いに考えられる。

今年2月の大阪大会で並んだ両者(C)SHOJIRO KAMEIKE

そんなGRACHANの新機軸を象徴するのが、TSUNE×伊藤空也のバンタム級タイトルマッチだろう。今年2月の大阪大会でTSUNEが手塚基伸を下してベルトを巻いた直後、伊藤がケージイン。新王者への挑戦をアピールした伊藤は、6月にロッド・コスタを下してEternal MMAバンタム級のベルトを獲得し、改めてTSUNEに挑むストーリーラインが繋がった。挑戦者の伊藤はGRACHAN71のケージに登場し、「本来は僕が持っていたベルトを獲り返しに行きます」と意気込みを語っている。対する王者のTSUNEも「最高の試合を会場に観に来てください」とアピールした。

また暫定ライト級王者の林RICEも、今年4月に韓国ROAD FCでパク・シウォンに敗れて以来の復帰戦となる。正規王者の原口伸がベルトを返上し、改めて林RICEがダリと防衛戦を行うことに。挑戦者のダリとは2022年12月に一度対戦しており、その時はダリが判定勝ちを収めている。林RICEにとっては王座防衛とリベンジを賭けた一戦だ。この敗北から5連勝し、王者にまで上り詰めた林RICEが韓国での戦いを経て、どのような試合を見せるか。対するダリはGRACHAN71でケージインし、「もう一回GRACHANのチャンピオンになります。試合は1Rで終わらせます」と挨拶した。

10月5日に千葉で行われるPOUNDOUTでは、中村京一郎×鍵山雄介というGRACHANフェザー級のランカー対決も組まれている。王者の小島勝志がベルトを返上したなか、この試合の勝者もまたHERIOSに関わってくるのか見逃せない。

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【Gladiator027】T準々決勝で中川晧貴と対戦、チハヤフル・ズッキーニョス「忖度なしのマッチメイク」

【写真】 過去1年で5戦し、3勝2敗。敗れた相手が河名マスト、ダギースレン。国際戦は2試合と充実の時を過ごし成長してきたズッキーニョス(C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGladiator027では、8人制の次期挑戦者決定トーナメントが開幕。準々決勝でチハヤフル・ズッキーニョスが中川晧貴と対戦する。
Texy by Shojiro Kameike

これまでハンセン怜雄、石田拓穂とリライアブル勢を相手に、2連続KO勝ちしているチハヤフル。遂にリライアブル・フェザー級を代表する中川との対戦を迎えるが、同時にこの一戦はグラジ生え抜きファイター同士の激突でもある。国内外から強豪選手が集まるトーナメントで、チハヤフルが見せたいものとは――「プロのファイターとしての本懐」だ。


リライアブルが続くのは少しやりづらさはあります

――本題の前に、お聞きしたいことがあります。Road to UFC準々決勝で河名マスト選手が戦っている時、Xで応援投稿を連投していましたね。

「あぁ、あれは……計量も試合も『何をやっているんだよ!』というのが本音だったんです(苦笑)。僕も準々決勝の相手をチラッと調べて、『問題なく勝ってくれるだろう』と思っていました。でも予想に反して苦戦していたので、『ぶっちぎりで優勝してもらわないと困る』という気持ちで投稿しました」

――それは「自分に勝ったファイターなのだから」という気持ちもありますか。

「もちろんです」

――一方で、一人のファイターとしてRTUを視た感想を教えてください。

「僕は今まで『UFCに出たい』とか、現実的に考えたことはなかったんです。でもRTUを視ていると、興味は出て来ますよね。UFCに限らず、自分ももっと上を目指したい――と」

――そんななかで今回は、対リライアブル3連戦の最終章となります。

「関西でフェザー級となれば、選手は限られてきますからね。もっと上を目指すのであれば、いつか中川選手とも対戦すると思っていました。同じ関西で負けていられない、という気持ちはあります。ここで中川選手との試合が決まったことに関しては、特に驚きもないです。ただ、リライアブルが続くのは少しやりづらさはありますね(苦笑)。中川選手が大将というか、遂に対リライアブルとしては最後になるのか……」

――同じトーナメントに石田拓穂選手と、リザーブではありますがハンセン玲雄選手も出場するので2巡目に入る可能性はあります。もう勝つまでやるかもしれませんね。ただ、――田中淳リライアブル代表は中川選手に「お前が負けたら終わりだぞ」と言い、気合いが入っている状況とのことです。

「アハハハ、リライアブルの応援団にも嫌われているでしょうね……。僕はリライアブルの選手のことは好きなのに」

――えっ、「好き」という気持ちは意外です。

「あの戦いぶりというか、僕の中では『恐れ知らずのファイターたち』というイメージで。ファイティングスピリットを持っている人たちだと思います」

――ここ最近はチハヤフル選手も打撃を鍛え上げているなかで、ファイティングスピリットを持つリライアブル勢と対戦するのはタイミング的にも噛み合ったのかもしれません。

「そうですね。ここまでの2試合は自分が押される場面もあり、試合内容としてはギリギリの勝負でした。それは正直な気持ちです。

まずハンセン戦は『今までの自分を捨てて打撃で勝つことにこだわりたい』と、僕自身が選んだ戦い方でした。一方で石田戦は、自分が全く考えていなかった勝ち方で。そういう意味では、自分のほうが完全に上回っていたとは思っていません」

――ただ、苦しい展開だったからこそ、最後に打撃で仕留めたことは自信になったのではないでしょうか。

「はい。ずっと打撃は練習していたのですが、これまで試合になると出せませんでした。出して当たったとしても、倒すことはできない。そういう試合が続いていましたが、この2試合で『当たれば倒せるんだな』ということが確認できたし、自信にもなりました。どれだけ練習しても、やはり打ち合いのマインドって実戦の中でしか培えないですよね。そのマインドを得ることができて、本当に良い経験になったと思っています」

――さらに7月大会では、対戦相手が直前に変更されるも、パク・サンヒョンを腕十字で下しました。

「パク・サンヒョン選手はストライカーでしたが、しっかり攻略できました。もともと対戦予定だったアドニス・セビジェーノ選手もグラップラーでありながら、打ち合いもやるタイプですよね。そのアドニス選手と戦うために準備していたので、打撃の対応力は上がっているという実感もあります」

――パク・サンヒョン戦は久々の寝技によるフィニッシュでした。打撃力が向上したことで、グラウンド勝負に対しても良い影響をもたらしていますか。

「意識は変わってきましたね。僕も昔は完全なグラップラーでした。それも打撃ができないから組みに行く、というタイプで。一回グラウンドに持ち込むと、絶対に離したくなかったです(笑)。でもそれは、『逃げの気持ち』なんですよ。最近は、そういう逃げの気持ちもなくなってきています。打撃も何もかも全部混ぜたなかでフィニッシュできる。そういったスタイルに変わってきていると思います」

――これまでチハヤフル選手と中川選手の対戦は、何度か耳にしていました。その意味では対リライアブル3連戦とは違う感情もあるのではないか、と思います。チハヤフル選手は中川選手との対戦は、いつ頃から意識していましたか。

「僕がグラジに戻ってきたのが去年の9月です。その少し前に中川選手がタイトルマッチに出ていました。僕が中川選手との対戦を意識し始めたのは、それよりも前です。RIZIN Triggerの試合(2022年2月、小島勝志に判定勝ち)や、富田戦(同年1月、富田翔市に判定負け)を視ていて――当時は中川選手のほうが、かなり格上でしたよね。僕もまだ、それほど試合をしていなかったので。その状況のなかで、中川選手に対しては『ああいう選手と競っていかないといけないな』と思っていました」

――ということは、当時は中川選手のほうが格上で、今は自分のほうが上だと認識しているわけですね。

「……、……、あくまで現時点の話ですよ」

――中川選手も昨年の王座決定トーナメントに出られなかったことは悔しく、チハヤフル選手のほうが先に進んでいると言っています。

「僕もこの1年でファイターとしての意識は変わりました。グラジでは毎大会、試合を組んでくれていますし……試合をした翌日には次のオファーを頂くような感じで」

――ただ、ここで再度トーナメントが開催されるとは考えていなかったでしょう。

「最初に中川選手との試合のオファーを頂いて、後でこの試合がトーナメント準々決勝になると聞きました。これは意外というか、ビックリしました。でも全然、嫌だとは思わないです。僕も途切れることなく試合をし続けたいですし、トーナメントであれば勝ち続ければ絶対に強い相手と対戦することになる。そして勝ち抜くことができれば、もう一度ベルトが見えてきますよね。つまり、間違いなく上に行けるという点は嬉しいです」

――では松嶋こよみ選手がグラジ参戦を発表し、トーナメントに出場することになったことについては、いかがですか。

「あれも発表ギリギリか、映像が流れた時に知りました。本当にサプライズでしたよね(笑)。ネームバリューは格段に上の選手です。ONEに参戦していたり、最近ではTOP BRIGHTSで負けてはいますけど、今から考えると相手がダウトベック選手で。そういう選手がグラジに出て来るというのは、驚きと同時に嬉しく思います。松嶋選手が出ることをキッカケに、グラジを視てくれる人も増えるでしょうし。それは楽しみです」

プロのファイターであれば、強い相手と対戦することが本懐であるはず

――それだけグラジに、国内外から強豪選手が集まってきています。グラジ生え抜きファイターを自認しているチハヤフル選手としては……。

「グラジ生え抜きの僕と中川選手が、初戦で潰し合うんですね(苦笑)」

―アハハハ。確かに厳しいマッチメイクです。

「強い選手が集まっていることで、以前よりも厳しい舞台になっていることは事実です。でもプロのファイターであれば、強い相手と対戦することが本懐であるはず。それでこそ戦いがいがあり、グラジのベルトを目指す価値があると考えています。グラジのレベルが上がっていくおかげで、自分のレベルも上がっていきますから。今回、生え抜き同士を潰し合わせるのも、忖度なしのマッチメイクですね」

――忖度なし、生え抜き同士の潰し合いで、どのような試合を見せたいですか。

「中川選手はレスラータイプで、積極的に極めにいこうとするわけではないけど、コントロールは上手いですよね。あと打撃も綺麗ですし、器用で何でもできるファイターだと思います。その反面、何か飛び抜けているものがあるわけではない。

彼とは環境が似ているというか、生え抜き同士で頑張っていきたい気持ちはあります。でも勝負は勝負なので、キッチリ勝たせてもらいます」

■視聴方法(予定)
7月7日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■GLADIATOR027対戦カード

<Gladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 竹本啓哉(日本)
[挑戦者] 竹中大地(日本)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準々決勝/5分3R>
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)
アドニス・セビジェーノ(フィリピン)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定T準々決勝/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
中川晧貴(日本)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定Tリザーブ戦/5分3R>
ハンセン玲雄(日本)
パク・サンヒョン(韓国)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定Tリザーブ戦/5分3R>
水野翔(日本)
田口翔太(日本)

<フライ級/5分3R>
オトゴンバートル・ボルドバートル(モンゴル)
和田教良(日本)

<バンタム級/5分2R>
藤原克也(日本)
土本暉弘(日本)

<81キロ契約/5分2R>
森井翼(日本)
織田ジュラシック(日本)

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
澤田政輝(日本)

<バンタム級/5分2R>
上田祐起(日本)
福井竜郎(日本)

<フライ級/5分2R>
しゅんすけ(日本)
カーヴィ(日本)

<フェザー級/5分2R>
野口蒼太(日本)
鶴屋健人(日本)

<バンタム級/5分2R>
ルキヤ(日本)
上野滉太(日本)

<ライト級/5分2R>
磯嶋祥蔵(日本)
友實竜也(日本)

<フライ級/5分1R>
藤原浩太(日本)
小早川大地(日本)

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【FAW2024#03】代理戦争決勝でトミー矢野と対戦、中村京一郎「彼には柔術という逃げ道がある」

【写真】計量終了直後に見せた表情、どこまでもリラックス。そして余裕が感じられる(C)MMAPLANET

明日、17日(金)に会場未公開で開催される格闘代理戦争-THE MAX-決勝大会で、中村京一郎がトミー矢野と対戦する。格闘DREAMERS出身、デビュー戦は両国国技館のPOUND STROMにおける狩野優戦だった。その敗北から、始まったといっても過言でない中村のMMAファイター人生。
Text by Takumi Nakamura

初戦と準決勝の戦い振りもそうだが、前回の試合と今回の決勝戦について話す中村の言葉の一つ一つから、この2年の間、彼がどれだけMMAと向き合った来ていたかが伝わってきた。


──試合を3日後に控え、やはりリラックスしていますね(※取材は14日に行われた)。

「緊張はしていないです。試合まで、このままです」

──4月のギレルメ・ナカガワ戦は組みを切って、殴る。殴って組ませない。その流れが完全に出来上がってきたところで仕留めに掛かると、打撃で思わぬ反撃を食らいました。

「まぁ、僕の試合が無かったら代理戦争も盛り上がっていなかったと思います。そういう点でも流れが僕に来ている。パンチを被弾したのは……僕の練習相手は綺麗な打撃で、見やすいんですよ。それが久しぶりの喧嘩ファイトというのか、見えなかったです。『うわ、そこから来るのか!!』みたいに。汚い打撃を久々に食らいましたね。でも、あれって練習ではできないことなんですよね。

やっぱりボンサイは打撃に拘っていないからこそ、打撃を当てることができるんだと思いました。クレベルにしても、サトシにしても、ギレルメにしても」

──組み技に秀でていても、喧嘩ができるというか。

「ボディも顔も打って、心が折れるグラップラーも多いのですが……。本人も打撃ができないのが分かっているのに、打撃で来る。根性ありますよね。油断をしているつもりはなかったのですが、どこかで打撃では来ないという想いがあったのだと思います」

──日本のストライカーは組まれると終わりという状態にまだあると思っています。それが北米に行くと、ムンジアル優勝者や世界のトップクラスの柔術家に組ませない。柔術家が如何に勝つかという点に注目がいくのと、真逆の状態が続いています。その点で、中村選手とギレルメの試合は北米の構図になっている試合内容でした。

「シャーウス・オリヴェイラ、ジルベウト・ドリーニョ、ディアス兄弟もそうです。あれだけ寝技ができる柔術家が、打撃がメチャクチャ強い。なんなら寝技をしなくて勝つ。自分はUFCで勝つことを目標にしているので、組まれるのは当然だと思ってやっています。組まれたら、嫌だという思考でなくて。そこで切れずに、打撃戦に戻せないならMMAのストライカーじゃないです。

同時に彼らに組ませたら危ない。その意識を持ち続けています。練習で取られないようになっても、やはり戦う相手本人ではないです。今もトミー対策で、今成(正和)さんのところで解除方法を習っていますが、それが絶対でないという意識でいます」

──関節技と打撃は練習で100ではできないですし。

「打撃に関しては、トミーがそこを分かっているのかなって思っています。本気で殴られたことがない。何発か被弾すると、凄い恐怖を感じるはずです」

──それは足関節やサブミッションにも当てはまりませんか。

「今成さんは際どく攻めてくれるので、有難いです(笑)。それでも100ではないので、ビックリタップには気を付けないといけない。ただ、トミーも本来は上を取りたいはずです。MMAなんで。それが無理なら、足関節に来る。でも、僕は殴れるので」

──真剣の斬り合いのような攻防になりそうです。Kガードからのエントリーなど、殴られる覚悟で仕掛けてくると怖そうです。

「どういう流れになるのか……でも、Kガードを仕掛ける時間があるのか。確かに殴られる覚悟で仕掛けてくると厄介かもしれないですけど、効かさると本来の極めの強さも維持できないですからね。元気な状態の下と、効かされた状態は違うと思っています。トミーに関しては、もう倒すイメージはできています。僕も組みが強い人と練習していますから。

でも、そういう選手と戦えると思っていなかったので、格闘代理戦争に出て本当に良かったです。きっと、普通にMMAの団体で戦っていたらギレルメもトミーも試合ができなかった。いうと初戦のミスター・ホンデも含めて、全て国際戦を経験できているので」

──なるほど。本当にその通りですね。

「今後、世界に出ると道程にあってMMAはそれほどでも、柔術はしっかりとデキる選手と戦うことができた。戦績だけ見ると僕が一番上のようですが、彼らの格闘技歴は僕なんかより、ずっとあって。それだけ戦うことに慣れている。そういう選手と戦うことができて良かったです。3カ月連続で試合をすることもなかったと思いますし」

──なんだか、もう優勝したあとの言葉に感じられますが(笑)。

「そうですね。ここはしっかりと勝たせてもらいます。僕は本気でBMFのベルトが欲しいんです。そのために絶対にUFCに行く……。そのために生きています。でも、トミーってそこまでじゃないだろうって。

インタビューを読んだけど、スターになりたいとか言っている。スターになりたいなら、別にMMAじゃなくて良いだろうと思います。柔術をずってやってきて、ちょっとMMAにヌルッと入り過ぎたんじゃないかと。

MMAでスターになりたいけど、なれなくても柔術が残るんだろうし。僕はMMAしかない。彼には柔術という逃げ道がある。僕には、逃げ道はない。MMAだけで、人生を生きていくんです。お世話になった人に、MMAで恩返しをする。そういう俺と戦って、『お前、大丈夫か?』という気持ちはありますよ。気持ちの問題ですよ、そことは別に技術は存在しているので。ただ俺とは、覚悟が違うだろうって。

接戦になった時、その差は出ます。そういう覚悟がPOUND STORMで狩野(優)選手に負けた時に無かったから、僕には凄く分かるんです。今のように腹が括れていなかったから、ラスト30秒でタップした……」

──POUND STORMにおけるDREAMERS勢で、その覚悟があったのは中村倫也選手だけだったと思います。

「記者会見で……高島さんが狩野選手と岩﨑(大河)選手に『リスクしかない、やる意味のない試合をなぜ、受けたのですか』みたいな質問をしたんですよ」

──中村選手と、ヘンリー(三上大智)選手にとっては失礼極まりない質問ですね(笑)。

「ホント、あの時は『あんた、俺と話したこともないだろう?』ってムカついていたんです」

──スミマセン(苦笑)。

「でも今なら、ああいう風に思われていてもしょうがないと分かります。あの時の僕はヌルッとMMAをやっていた。倫也さんを筆頭に、格闘技で実績がある選手や(鈴木)崇矢みたいにやる気に満ちている連中が周囲にいて。それで自分が強くなっている気でいたんです。同じ電車に乗っているだけで、自分の荷物は違うのに、同じ風景を倫也さんと見ていると勘違いしていました」

──……。

「だから狩野選手に言っていたことは、もうその通りで。そりゃあ、そうだし。あの時の自分は、それだけ分かっていなかったんです。腹の括りようも甘くて、本当にヌルッとしていました」

──……。

「トミーは柔術が本当に強い。尊敬しています。さっきも言ったように試合で競い合って来た歴史も凄く長いし。でも、KIDさんやアーセンがいたからMMAをやっている気分になっている。あの時の自分と同じじゃないかなって。この試合で腹の括り方の違いが出ます。あの時の僕の経験を、今回の試合でトミーにしてもらいます。

逆にこの試合で負ければ柔術も辞める─ぐらいの覚悟だと、怖いですよね。でも、そんなこと思っていないから。そこは今の僕とは違いがあります」

──押忍。では今後に関してですが、どのようなプランを考えていますか。なんといっても、まだ2024年は7カ月も残っています。

「まずトミーと戦うことでKRAZY BEEに行くことができていなかったので、また練習環境を整えたいです。この間、本当にそれは感じました。まだ知らないので、米国で練習もしてみたいですし。

米国に行ったからって、強くなれるとは思ってはいないです。だいたい、言葉も通じない。食べるモノ、水も変わる。よほどの適応能力がないと、食べるって強さの根源ですよ。それが変わって、簡単に強くなれるなんて僕は思っていなくて」

──それは鈴木崇矢選手と、意見がぶつかりますね(笑)。

「アハハハ。だからこそ、行ってみたいんです。僕は行っていないから、分かっていないので。格闘代理戦争の間、試合間隔が短いからスパーリングでバカバカやることを減らして、調整もできました。凄く良い期間になっていて、自分の日本での練習環境は最高です。だから、経験として米国に行く必要があると思います。

実際、崇矢も強くなって帰ってきましたらね。何かあるのだろうし、それは経験したいです。強くなることに正解はないので、何でもトライしたいと思っています」

──では試合に関しては?

「優勝したら超RIZINという話が途中で出てきて……。まぁ、対戦相手にもよるんだけど……。ただ、スーパーアリーナのでっかいバージョンなんですよね。そこは倫也さんから、『そういう大観衆の前で試合をすることは、絶対に今後に生きる。RIZINに関しては好き嫌いはあっても、そこはあるよ。京ちゃんはUFCの雰囲気を知ったけど、試合をするのとセコンドは絶対に違うから』と言われて……。

あれだけMMAに掛けている倫也さんの言葉は、やはり重みが違って。それに、どアウェイ。そこを乗り切る練習になるかなと思っています」

──超RIZIN後も、まだ半年残っています。

「ハイ。来年のRoad to UFCに出るなら、国内のタイトルも必要で。Grachanでフェザー級タイトルを狙うというのもありますけど、チャンピオンの小島勝志さんは僕が山梨でMMAを始めた時のジムの会長なんです……。あとGLADIATORのチャンピオンは(河名)マストさんで練習仲間で。パンクラスは(新居)すぐるさんで、先輩だし(笑)。そうなると、戦う場所もしぼられてくるかなと思っています。

とにかく、僕はMMAファイターとしてまだまだです。だからRoad to UFC云々でなく、UFCで勝つためにBMFのベルトを取るためにグラップリングもレスリングも、打撃だってもっともっと強くなる必要があります。だから、まずは本当に自分がどう強くなれるのかを考えていきたいです」

──いやぁ、代理戦争のキャラ潰しになるかもしれないですが、全然傍若無人の若者でなく、口の聞き方も礼儀作法も心得ていますよね。ケージの中でカメラマンを手で払うとは、思えないです(笑)。

「いや、あれは……レフェリーも、カメラマさんに外に出てって言っているのに、ずっといるから(笑)。レフェリーの声が聞こえていたから、早く外に出てくださいって伝えたんですよ。でも代理戦争はカメラさんが下りてからも長い。そこは何とかしてほしいです(爆)」

──アハハハハ。

■視聴方法(予定)
5月17日(金)
午後7時~ABEMA格闘チャンネル

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45 Gladiator Grachan Grachan61 Grachan69 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN17 ROAD FC Road to UFC UFC パク・シウ パク・シウォン ロッキー・バクトル 原口伸 小島勝志 岸本篤史 林RICE陽太 藤村健悟 長谷川賢 高橋孝徳

【Grachan69】フェザー級王者の小島勝志が国際戦でバクトルを迎え撃つ。芳賀ビラル海は藤村健悟と対戦

【写真】小島の真価と進化が問われるバクトルとの国際戦(C)MMAPLANET

1日(月)、GRACHAN実行委員会より5月26日(日)東京都大田区の産業プラザPIOで開催されるGrachan69の対戦カードが発表された。同大会ではフェザー級王者の小島勝志が、フィリピンのロッキー・バクトルを迎え撃つ。
Text by Shojiro Kameike


小島は昨年5月のGrachan61で、フェザー級王座決定トーナメント決勝を高橋孝徳と争い判定勝ちを収めてベルトを巻いた。その小島が1年ぶりの試合で、ONE参戦経験を持つバクトルとノンタイトル戦で激突することとなった。

高橋戦では、ムエタイ技術を高めたグラップラーを相手に左ジャブと左ボディが冴え渡った。高橋のテイクダウンに苦しむ場面はあったものの、終盤には小島がバックを奪い、さらに左だけでなく右クロスと右テンカオを混ぜて3-0の判定勝ちで新王者に。

対するバクトルはMMA戦績が5勝3敗。昨年5月にはONE FN17でモンゴルのエンフオルギル・バートフルーと対戦している。実はMMAPLANETでは、昨年11月のフィリピン取材でバクトルの姿をキャッチしている。この時、GLADIATORタレントリレーションを務める長谷川賢氏はバクトルの馬力に対して評価をしていたという。ONEのエンフオルギル戦ではパワフルなテイクダウンと打撃に屈したものの、持ち味である馬力に打撃と組みの連動という部分でONE時代よりも成長が見られると、一筋縄ではいかないファイターとなるに違いない。

小島の持ち味は、どの距離からでも相手を削ることができるパンチを持っていること。左ジャブに対してバクトルが馬力を武器に距離を詰めてきても、左ボディと右アッパーで削り続けて仕留めたいところだ。

今大会には、3月のGrachan68×Brave Fight31でライト級2位の岸本篤史を下した芳賀ビラル海も連続参戦を果たし、藤村健悟と対戦する。藤村は昨年12月に中国WLF(武林風)でワン・ジンピンを下している。藤村のグラップリングに対して、ビラルも岸本戦ではダウンを奪ったうえバックコントロールなどキープ力の成長を伺わせた。

現在グラチャンのライト級は、Road to UFC以降の動向が注目される原口伸が正規王座に付いている。原口のRTU参戦を受けて設置された暫定のベルトは、林RICE陽太が巻いているものの、その林も4月13日に韓国ROAD FCでパク・シウォンと対戦する。もし原口がフェザー級に転向し、林RICEが正規王者となれば、ビラル×藤村の勝者の挑戦を受ける可能性もあるだけに注目だ。

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【Grachan61】冴える左ジャブ、左ボディ。高橋を判定で下して王座獲得の小島がRIZINへのリベンジ宣言

【写真】試合後、新王者の小島はRIZIN再出場をアピールした(C)MMAPLANET

<フェザー級王座トーナメント決勝戦/5分3R>
小島勝志(日本)
Def.3-0
高橋孝徳(日本)

グローブタッチから小島が距離を詰めた。右ローで迎え撃つ高橋に、小島が左ジャブを伸ばす。高橋もジャブ&ローで前に出るも、小島に押され、左ボディーブローの直撃を受ける。高橋が左ミドルから距離を詰めるも、小島が左ジャブで止める。小島の左ボディ、高橋の右ローが交錯したあと、小島は距離を取ってジャブ&ローでけん制する。左インローから左ボディに繋げる小島が、さらに左ボディを突き刺す。

小島の左ジャブをもらって動きが止まる高橋。高橋は小島の左ジャブをキャッチするも、組みの展開に持ち込むことはできない。しかし小島の左ジャブに合わせてシングルレッグで組みついた高橋が、ハイクロッチで小島をケージに押し込む。ボディロックに切り替えた高橋は、足を刈って小島に背中を着かせた。クローズドガードで守る小島が足を上げていくも、高橋は相手の背中の裏でリストコントロールへ。腕を抜いた小島に、高橋がパウンドを連打していった。

1Rはジャッジ3者とも小島を優勢としている。

2R、小島が左ジャブを突き、さらに右アッパーを突き上げる。組みつく高橋を引き離した小島は、左ジャブからパンチの連打で高橋をケージまで追い詰める。さらに右ローで高橋の動きを止める小島は、左インローを打って離れた。右ローからサウスポーにスイッチする小島、オーソドックスに戻してた高橋のシングルレッグをスプロールした。

高橋もパンチからローと打撃戦を選択するが、小島の左右ボディアッパーが突き刺さる。小島がフェイントを見せると下がる高橋、シングルレッグを狙うも組みつくことができない。ローと左ジャブ、左ボディでペースを握る小島に、高橋がシングルレッグで組みつく。ケージまで押し込み、ボディロックから小島に尻もちを着かせた。小島の左足を抑えた高橋が、頭をおっつけて小島の動きを抑え、上下へのパンチで削っていった。

ここで1Rのオープンスコアが修正される。ジャッジ2名が小島、残り1名が高橋を優勢としているが、試合展開にも影響するこの誤りは選手にとって許容できるものではない……。

2Rはジャッジ3者とも小島の優勢とした。

最終回、ガードを固める高橋に小島が左アッパーを突き上げる。お互いにローを繰り出すが、小島の左ローに合わせて高橋が飛び込んだ。シングルレッグで組んだ高橋が小島をケージに押し込む。小島は左のオーバーフックで耐える。ここで高橋がボディロックからテイクダウンを狙ったが、それを潰した小島がサイドからバックへ。高橋もすぐに立ち上がる。

スタンドでは小島の左ボディがヒット。高橋も左縦ヒジを狙うも届かない。ここでバッティングが発生し、試合が中断される。すぐに再開後、小島が左ジャブと左ローを当てた。高橋の右の打ち終わりに左ジャブを突いた小島。高橋もローからシングルレッグで組みついたが、これは切られた。しかし高橋のローで小島の足も流れ始めている。

小島は左ジャブ、高橋も右スピニングバックフィストとシングルレッグを狙うも形勢逆転には至らない。高橋の左ジャブからの左ミドルをブロックした小島は、左でコントロールしながら右フックを当てる。ここで高橋の左耳から出血が見られ、ドクターチェックが入る。

残り1分10秒で試合が再開され、高橋が小島の左ジャブに右を合わせる。小島も右クロス、右テンカオをヒット。高橋の左耳からは再び大量の流血が……。左ボディ、左アッパーを織り交ぜた小島のコンビネーションが高橋を捕える。最後は小島が左ボディを突き刺してから、高橋をケージに追い詰めていった。

裁定はジャッジ3者とも小島の勝利を支持。第4代GRACHANフェザー級王座に就いた小島は、RIZINへのリベンジを宣言した。


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【Grachan61】小島勝志とフェザー王座決定T決勝戦=高橋孝徳─02─「ツマラナイ試合というのはその通り」

【写真】前回の試合で勝ち名乗りを受ける時の表情。この時に想ったことが、どう生かされているのか。または焼き直されて、その感情は関係ないぐらい強い意思を持って臨むのか。明日が楽しみ (C)MMAPLANET

14日(日)、東京都の大田区産業プラザPIOで開催されるGrachan61にて、小島勝志とのフェザー王座決定トーナメント決勝に臨む高橋孝徳のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

前編に続き『試合が面白くなかった』という意見に反論するかと思えば、話は思わぬ方向に……。打ち合うのか、極め合うのか。あるいは潰し合うのか――この高橋×小島のトーナメント決勝は、『MMAとは何か?』と考えられるキッカケになるかもしれない。

<高橋孝徳インタビューPart.01はコチラから>


――MMAで打ち合うことが必要な場合もあるでしょう。ただ、それは勝つために打ち合いへ持ち込む場合であり、高橋選手の仰るとおり勝つと負けるでは違ってきます。

「スタンドの打ち合いだけじゃなくて、組み技についても同じだと思うんですよ。じゃあ極まらないサブミッションを掛け合うほうが面白いのかって。ポジションを整えるより、そちらのほうがアクションと見なされてしまうじゃないですか。テイクダウンに来た相手の首に腕を回していても、ギロチンを狙っているフリだけかもしれない。ちゃんと組み技の攻防が分かる、分かるから自分の試合がツマラナイっていう意見は、受け入れないといけないと思います。打ち合いを楽しみにしている人や、極め合うだけのグラップリングを求めている人が、そういうことを分かってくれる時代が来るのか……」

――大切なのは、やり続けること。そして勝利を目指し続けることではないですか。

「先日からMe,Weの仲間になった福島啓太君が、すごく嬉しいことを言ってくれて。僕が試合後『クソみたいな試合してしまった……』と言ったら、福島君は『でもみんな、1年後には勝ったか負けたかの結果しか覚えていないですから』と。確かにそうなんです。だからファイターって、まずは勝ってナンボだなって思いました」

――では高橋選手ご自身が、タイルの軸は同じであったとしても、小島選手に勝つために今の自分にとって必要なものはありますか。

「作戦に関わるので詳しくは言えないですけど……、何かを大きく変えないといけないとは思っていません。まだ出していない引き出しが、たくさんあるので。そこに相手をハメていけば勝てるんじゃないかと。『これをやりきれば自分が勝てる』という道筋は見えていて。あとは、相手がそれをやらせてくれるかどうか、というのがポイントですね」

――相手がやらせてくれるかどうかとは、相手次第の部分が大きいということですか。

「はい。小島選手の強さが想定を上回っていたら、通じないところもあると思います。そこは実際に試合をしてみないと分からない部分、ということですよね。ただ、特に小島選手はストライカーだし、自分が待つような展開になると、ポイントは相手についてしまう。まずは自分から能動的に動いて、その展開に持っていかないといけないです」

――一方、小島選手はケージに押し込まれてから逃れて打撃を当てる展開も巧いです。

「どうなんでしょうね。そこはまだ測りかねているところです。ここ数戦で間違いなく、テイクダウンディフェンスは強くなっています。簡単には倒せないとは思いますけど、絶対に倒せないかといえば……そこは楽しみにしていてください」

――なるほど。どんな展開になろうとも、小島選手を組み伏せることができる自信があるわけですね。

「組みの部分だけでいえば、僕のほうが強いです。ずっと腰が重く、体重も重い選手たちと練習しているので。そこは自信を持っています。打撃についても――相手の打撃から逃げていると、逆に組みつきにくい。僕にとって良くない展開になりますから」

――山﨑さんも『村田戦のほうが相手に打撃のプレッシャーをかけることができていた』と評していましたね。高橋選手はアップライトに構え、どちらかというと打撃の重心で。

「もう終わった試合なので今さら言ってもアレなんですけど……。実は村田戦も崎山戦も、最初は打撃で行くプランだったんです(苦笑)」

――えっ!? 今までの話が少し変わってきませんか(笑)。

「アハハハ、完全に打撃でやるつもりでした。でも試合の流れで組んだ時、これは組んだほうが勝てるなと感じたんです。それで勝つための戦略に切り替えました」

――とはいえ『これは組んで勝てる』と思って組んで勝つスタイルは、実際に組み力の差がないと実現できないようにも思います。

とはいえ、押し込んでから先の倒すという攻防が見たいのも見る側の心理にある

「よく言えば、結果的に打撃を出さなくても組むだけで勝てるという状態なんです。

特に崎山戦は、意外と容易にケージへ押し込むことができて、押し込んでからテイクダウンを奪うつもりでした。ただ、テイクダウンとなると崎山選手も強くて。この攻防を続けていると、自分も疲労とかリスクがある。

反対に押し込み続けることはできる、削り続けていけば勝てると判断しました。その結果、ああいう信じられないぐらいツマラナイ試合になってしまったんですよ。だからツマラナイ試合っていうのは、そのとおりで。本当にスミマセン(笑)」

――アハハハ。

「村田選手の場合は、相手のほうから組んでくると思っていました。もともと組みが中心の選手でしたから。僕としてはドロドロの展開に持ち込まれる展開が嫌で。それが思いのほか打撃で来たので――蹴り足をキャッチしたら倒せたし、『これは組みで負けない』と感じたんですよ。2Rは打撃でやろうと思いましたが、結果的には組みで圧倒することになって。

僕にとっても想定と違うし、物足りない試合内容になってしまいました。1回戦も準決勝も、試合後に僕の表情は冴えていなかったと思うんです。もっと苦しい展開になると思っていたし、とりあえず一安心っていう感じでした。でも周りからは『手の内を見せずに勝てたね』と言われて。まぁ打撃を出さなかったのか、出せなかったのかは、見た人の主観ですよ(笑)」

――そのどちらだったかは、次の試合で分かるということですね。

「自分で言うのも何ですけど、テイクダウンディフェンスからの打撃という小島選手のスタイルとは好対照じゃないですか。結構面白くなってきたと思いますよ。MMAだから、いろんなスタイルを見てほしい。そんなMMAの面白さを伝えるような試合をして、ベルトを巻きたいです」

■視聴方法(予定)
5月14日(日)
午後1時~Grachan放送局

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【Grachan61】フェザー級王座に王手、小島勝志─02─「どちらかというと、自分にはやりやすいタイプ」

【写真】力みがなく、非常に柔らかい印象の小島。特に打撃でジワッと圧を掛けることがデキ、相手にとっては嫌だろう (C)MMAPLANET

14日(日)、東京都の大田区産業プラザPIOで開催されるGrachan61にて、高橋孝徳とフェザー級王座決定トーナメント決勝を争う小島勝志のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

小島といえば、テイクダウンディフェンスからカーフキック、そして右ストレートを主体としたパンチで倒すというスタイルで、トーナメント決勝まで進んできた。そのスタイルはいかにして構築されてきたのか尋ねた。

<小島勝志インタビューPart.01はコチラから>


――なかなか勝てない時期……。2017年から2018年までパンクラスを主戦場としていましたが、戦績は2勝3敗でした。その期間は何を目標としてMMAを戦っていたのですか。

「目標ですか……。正直、当時はMMAをやっていて将来が見えることはなかったです。山梨には自分以外プロのMMA選手がいなかったと思いますし、僕は僕で昼間の仕事もしていて。そんななかでパンクラスから試合のオファーを頂いたのですが、地下格闘技から始まった僕がパンクラスに出るというのは想像していない世界でした。その変化に対して自分の気持ちが追いついていなかったかもしれません」

――2019年からグラチャンに参戦して以降も、2020年までは2勝1敗1分という戦績でした。それが2021年以降は現在まで5勝1敗、唯一の敗北がRIZIN TRIGGERの中川皓貴戦。この間に小島選手の中で技術面などの変化があったのでしょうか。

「初期は相手の寝技に付き合ったりすることが多かったけど、そういうことは一切やめました。今の戦い方になって、試合で倒せるようになってきたのかなって思います。特にテイクダウンディフェンスの練習をするようになったことは大きいです。それまでは昔の名残り――というわけではないけど、『下になっても極めれば良い』なんて中途半端な形で打撃を出していて。そのために、際の甘さが出ていたと思いますね」

――なるほど。最近の試合ではカーフキックも多用しています。あのカーフキックがあるからこそ、より打撃も当たりやすくなったのではないでしょうか。

「カーフを蹴ることでパンチも当たりやすくなるし、相手も組みづらくなってきますよね。いつも試合では、そういうプランでカーフを蹴っています。でも最初はカーフを蹴るつもりではなかったんです。最初は足払いのような形で蹴り始めて。その後にカーフキックの存在を知って、『これは自分も得意かもしれない』と練習し始めました」

――その足払いローキックもカーフキックも、誰かに教わったわけではないのですか。

「教わってはいないです。自分たちの練習の中で試しながら、『ココはもうちょっと変えたほうが良いなぁ』とかチームで話をして。誰か指導者がいるという環境でもなかったので。昔から一緒に練習してきた仲間たちや、新しく育ってきた子たちと練習しています」

――そのような環境の中で3連勝の後、2022年2月にRIZIN TRIGGERで中川選手に判定負けを喫しています。あの試合内容と結果については、いかがですか。

「うーん……正直言うと、僕としてはグラチャン王者になってからRIZINに出たいという気持ちがありました。でも岩﨑さんからお話を頂いて、地元に近い静岡大会でもあったので出ることにしました。モチベーションも高かったし、良い練習はできていたと思いますけど、うまくいかなかったですね」

――そのRIZINの後に、遂にグラチャン王者になるためのトーナメントが始まりました。

「トーナメントに出ることになってからは、1回戦からKO勝ちか一本勝ちすることを自分の中のテーマにしていました。気持ちとして焦っているわけじゃないけど、ここでしっかり倒して勝てないと、チャンピオンになって以降もどうなんだろう――と思っていて。今しっかり倒して勝てていることは自信というか、安心できます」

――そして迎えるトーナメント決勝戦。目指していたベルトが目の前に来ていますが、現在の心境を教えてください。

「実は、そういう感覚がないんです。よく『タイトルマッチでも普段と何も変わらない』って言う選手がいるじゃないですか。今の僕も同じで。感情が揺さぶられていることもないし、これまでの試合と同じ感覚でいます」

――対戦相手である高橋選手の印象はいかがですか。和田戦、鍵山戦に続き、組みが強い選手との3連戦です。

「そういう試合が続くだろうなとは、出場選手が発表された時に思いました。『組みが強いタイプの選手がトーナメントで勝ち上がってくるだろうな』って。僕もグラップリングに付き合いたくないわけじゃないし、寝技なら寝技で仕留めてやろうという気持ちはあります。ただ、最初から試合の組み立てとして考えていないといいますか……。

でも組みのタイプも、それぞれ違いますよね。高橋選手は四つが強くて、首相撲とか四つからの崩しが多い選手で。どちらかというと、自分にはやりやすいタイプだと思います」

――小島選手の場合は、ケージに押し込まれたほうが得意ですか。

「はい。RIZINに出る前から、ケージに押し込まれてからの展開は練習していました。今はパラエストラ八王子のプロ練に行かせてもらっていて、練習でも四つからテイクダウンされることは少ないです」

――パラエストラ八王子には小島選手と同じタイプの選手が多いですね。そのパラエストラ八王子まで山梨から通っているのですか。

「でも高速を使って、車で1時間ぐらいですよ。多い時は週2回ぐらい行かせてもらっています。亀井晨佑選手とはパンクラスのネオブラで対戦していて(2018年5月に亀井が判定勝ち)、その試合があったから塩田GOZO代表も僕のことを知っていてくれたと思います。だから行きやすくて、亀井選手とも『おぉ、久しぶり~』みたいな感じでした(笑)。亀井晨佑選手、高木凌選手、梶本保希選手と同じ階級の良い選手が多くて。鈴木千裕選手も来ていますし、良い練習ができています」

――それは試合が楽しみです。では最後に、次の試合への意気込みをお願いします。

「いつも応援ありがとうございます。KOか一本勝ちでトーナメントを締めくくり、チャンピオンになります。そして、さらに皆さんが喜んでくれるような舞台へ連れていきたいと思います。まずは今回のトーナメント決勝戦、応援よろしくお願いします!」

■視聴方法(予定)
5月14日(日)
午後1時~Grachan放送局

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【Grachan61】高橋孝徳とフェザー級王座決定T決勝、小島勝志─01─「いわゆるギャングをやっていました」

【写真】ギャングをやっていました──と、サラっといえるのが何となく凄い (C)SHOJIRO KAMEIKE

14日(日)、東京都の大田区産業プラザPIOで開催されるGrachan61にて、小島勝志×高橋孝徳によるフェザー級王座決定トーナメント決勝戦が行われる。
Text by Shojiro Kameike

山本琢也が返上したフェザー級王座を賭けて、昨年8月よりスタートしたトーナメント。小島は1回戦で和田健太郎を、準決勝で鍵山雄介をそれぞれKOで下して決勝に進んだ。地下格闘技からプロMAファイターへ――山梨県在住のプロファイターとしてのキャリアについて訊くと、スタートは和術慧舟會のバックテイク& RNCだった。


――今回が初インタビューとなります。まずキャリアについてお聞きしたいのですが、MMAだけでなく格闘技を始めたのは、いつ頃なのでしょうか。

「23歳ですね」

――他の競技を経験したのちに23歳ごろからMMAを始める選手もいるかとは思いますが、かなり遅いスタートではないですか。

「アハハハ。特に昔から格闘技が好きだったわけでもなくて。成り行きというか、日常がつまらないと思って、23歳の時に初めて山梨にある和術慧舟會フォーランバス(現在は和術慧舟會ではない)というジムに入会したんです」

――23歳まで他のスポーツ経験はあったのでしょうか。

「小学校からサッカーを始めて、中学時代はクラブチームに入っていました」

――クラブチームということは、Jリーグを目指すようなサッカー選手だったわけですね。

「はい……。でもサッカーは中学まででした」

――そのまま高校に進学して、サッカーを続けようとは思わなかったのですか。

「それが――ちょっとグレてしまったんです(苦笑)。サッカーも中3ぐらいから、やる気を失っていました。高校も定時制には入ったけど、それもすぐに辞めて。16~18歳まで、いわゆるギャングをやっていたんですよね。でも20歳になった頃、もうケンカとかは辞めて仕事をし始めたのですが、日常には不満があって……。その頃に地下格闘技というものがあると知ってジムに入ろうと決めた、という経緯です」

――23歳から地下格闘技へ!

「定時制の高校を辞めてから建設業をやっていたんですよ。それで23歳の時に独立しまして。それで『一つ目標が達成した』という気持ちがありました。本当は、独立してからもっと頑張らないといけないですけどね(笑)。それで次の目標を見つけたい――という時に格闘技と出会いました」

――ただ、K-1やPRIDEを中心とした格闘技ブーム全盛期は知らなかったのですね。

「当時流行っていたとは思いますけど、全く知らなかったです。それよりはアウトサイダーや地下格闘技のほうを知って。でも、元々ファンだったわけではなかったです」

――そこで小島選手をMMAに向かわせた要因は何だったのでしょうか。

「ネットで検索して和術慧舟會フォーランバスに入門した初日に、寝技オタクみたいな人たちにやられて。絶対負けたくない、その気持ちが原動力になりました(笑)。そこから、どっぷりと格闘技に浸かっています」

――そこから地下格闘技は何試合、経験しているのですか。

「細かくは覚えていないですけど、50~60戦ぐらいはやったはずです。 2週連続で試合したり、1カ月に4回出場したこともありましたよ。戦績は……地下格闘技で負けたのは10回ぐらいで、ほとんど負けていなかったと思います」

――地下格闘技時代の試合映像も拝見すると、当時から今のスタイルに繋がる、しっかりと右のナックルを急所に当てる技術を持っていました。てっきり空手や他の打撃競技をやっていたのかと思っていたのですが……。

「ありがとうございます。もともとは打撃をやりたくて。近所にキックボクシングのジムがあったんですけど、なぜか入ることができませんでした。次に近いのが、車で45分ほど行ったところにある和術慧舟會フォーランバスで。そこに入ったものの、打撃はやらせてもらえませんでした(笑)」

――そこで和術慧舟會に入ったおかげか、地下格闘技時代からバックテイクは慧舟會スタイルでしたね。首に腕を回すと同時にスッとバックに回るという。

「そうなんです! 今までのキャリアの中でも、寝技のフィニッシュはRNCが一番多くて。あのやり方をジムの代表に教わっていました」

――なるほど、合点がいきました。一方、打撃面はどのように練習していたのですか。

「特に誰かに教わったというのはないです。友達とミットを持ち合っていたぐらいで、動画を見て研究するタイプでもなかったですし。なんとなく――ですね」

――その後、地下格闘技団体の王者になってから次の道は、どう考えていたのでしょうか。

「次はプロでやりたいと思って、池袋のブルードッグジムへ行かせてもらうようになり、プロを目指して練習していました。東京ではスカイライブRにも行かせてもらって」

――スカイライブRとは、魔裟斗さんのトレーナーを務めていた土居進さんのパーソナルトレーニングジムですよね。

「はい。スカイライブRにはコロナ禍になるまで、週1で山梨から通っていました。僕は集団のクラストレーニングに参加していて、とにかくキツかったです。おかげでスタミナ面では、5分2Rフルで戦える自信はつきました。それまで山梨では経験したことのなかったトレーニングで、衝撃を受けましたよね。K-1に出場されている選手もたくさん来ていて、『これぐらいトレーニングしないとプロでは勝てないのか』と実感しました。そういうところは、すごく大きな影響を受けています」

――その経験から東京に拠点を移そうとは考えなかったのですか。

「実は一時期、東京に住んでいました。でも当時、格闘技へのモチベーションが落ちてしまったんですよ。GRACHANで咲田ケイジ選手に負けた試合(2015年9月、ギロチンで一本負け)と、地下格闘技を含めて4連敗して山梨に戻りました。いま考えると、『もう格闘技は辞めてもいいかな』という気持ちだったと思います」

――そこまでモチベーションが落ちたにも関わらず、再びケージの中に戻ってきた要因は何だったのでしょうか。

「地元では昔からの練習仲間が、変わらず車で片道45分かけて練習していました。そんな彼らのために、近くに良い練習環境をつくりたくて、自分のジム(スタイルプラスジム)を立ち上げたんです。そして彼らと一緒に練習しているうちに、自分も続けようと思いました。

ただ、その後はパンクラスに出ていて、なかなか勝てませんでした。自分としてはジムを軌道に乗せないといけないし、建設業もやっていたので徐々に仕事のほう重きを置くようになって……。そんな時に、グラチャンの岩﨑(ヒロユキ代表)さんから、『最近試合していないけど、どうしたの?』と連絡を頂いたんです。

そして『グラチャンに出るならチャンピオンを目指して、しっかりやっていこう』と言われました。おかげで僕も気持ちを切り替えて、グラチャン王者を目指すことにしたんですよ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
5月14日(日)
午後1時~Grachan放送局

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【Grachan61】5・14@大田区産業プラザPIO 阿部路人が決定、伊藤空也「打撃にも深みが出た感じがします」

【写真】あまりスポットが当たらない状況が続いているが、もっともっと目立って良いファイターだ (C)MMAPLANET

3日(月)に開催とカード第1弾が発表されているグラチャン5月14日(日)大会=Grachan61。

大田区産業プラザPIOで開催される同大会ではフェザー級王座決定トーナメント=小島勝志✖高橋徳の一戦やフライ級王座決定T準決勝、そしてJ-MMAルーキーカップ2階級の準決勝戦とともに伊藤空也が阿部路人とバンタム級2回戦で戦うことも明らかとなっている。


昨年12月のイ・ハンヒョン戦以来の実戦となる伊藤に、今回の試合に向けての意気込みをBRAVE GYM 三郷で訊いた。

──約半年ぶりの試合が決まりました。今の気持ちは?

「とにかくしっかりやるだけです。去年から、なかなか試合が決まらなくて。RIZINからも声はかけてもらったのですが、それも流れて……そういうなかで決まった試合だったので、とてもありがたいです。まぁ試合ができることに感謝したい。そういう気持ちですね」

──RIZINでの試合を所望しているなかで、グラチャンで戦うことが決まったという形でしょうか。

「いえ、RIZIN待ちということではないです。戦うことができるならプロモーション、大会は問わないです。どこでも戦います。試合ができるなら、どこでもやります」

──それだけ戦いに飢えているなかで決まった今回の阿部選手との試合が決まった。気合が入りますね。

「以前から知っている選手です。DEEPの常連で、それなりに強い選手とも戦ってきた。僕よりも全然キャリアも上の選手なので、胸を借りるつもりではないですけど、ここをしっかりと勝って次へ次へとステップアップしていきたいです。絶対に勝たなきゃなって思っています」

──ステップアップを目指す選手に関しては、この競技は常にリザルトだけでなくパフォーマンスも求められる部分があります。

「しっかりと仕留めること。圧倒的に勝つ。ねちっこいなかで打撃のデキる選手なので阿部選手のペースに巻き込まれないように、しっかりと自分のやるべきことをやる──って言う感じですかね」

──伊藤選手は打撃一辺倒の頃から、BRAVEにやって来てテイクダウン、組みの部分が強化されて久しいです。ウェルラウダ―になったことで、以前のように打撃で制するという部分は薄れたということでしょうか。

「総合的に戦えるようになると、打撃だけを見れば威力は落ちることはあるかもしれないです。僕は以前は言われたように打撃一辺倒でした。最近は組みとミックスすることで、打撃にも深みが出た感じがします。

ムエタイの練習も欠かしてはいないですが、そこに拘らないよう注意もしています。どうしてもキックボクサーになろうとしてしまうので。僕はMMAで勝つことができるので、ミックスされた上でしっかりと打撃を見せていきたいです」

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【Grachan58】イ戦前の伊藤空也─02─も注目トーナメント「無差別級は桜井選手、フェザー級は小島選手」

【写真】伊藤空也がファン目線で当日行われる両トーナメントの見所を話してくれた (C)MMAPLANET

4日(日)、千葉市美浜区の幕張メッセ国際展示10ホールで開催されるGRACHAN58で、韓国のイ・ハンヒョンと対戦する伊藤空也のインタビュー後編。

昨年、手塚基伸に敗れバンタム級のベルトを手放した伊藤が、この1年の取り組みを語る。さらに現在行われている無差別級&フェザー級についても、GRACHANファン目線で紹介してくれた。

<伊藤空也インタビューPart.01はコチラから>


――以前は柔術の練習を、そこまで取り入れてはいなかったのですか。

「4年ぐらい前まで長野県にいて、当時は毎週やっていました。でも関東に来てからは、そんなに柔術に触れる機会もなくて。どちらかといえばレスリングとグラップリングが中心になっていたんですよね。BRAVEジムでトライフォース柔術アカデミーと連携した柔術クラスが始まったので、去年から参加するようにしました。そこで改めて柔術の奥深さ、寝技の基礎の大切さをイチから学んでいます。そうして迎えたのが魚井戦だったので、自分のやるべきことはやれたんじゃないかと思っています」

――柔術クラスで学んでいるのは、MMAの中の柔術ですか。それともベーシックなブラジリアン柔術をイチから学んでいるのでしょうか。

「純粋なブラジリアン柔術を教わっています。柔術をやることによって、組んでも落ち着いて対処できるようになりますよね。しっかりと際の展開で、一つひとつ組み立てていくことができる。相手が仕掛けてくることを、一つひとつ潰していける。そういう動きが身体に染みついてきました。あとはムエタイのウィラサクレックジムさんへ行って、首相撲の動きも取り入れています」

――柔術だけでなく、ムエタイも! すると、この1年で動きは大きく変わったのではないですか。

「そうですね。動きも変わったし、打撃に関しては去年の倍は研ぎ澄まされていると思います。得意なところは伸ばし、苦手なものは一つひとつ潰して――ということをやってきたので。技に深みが出て来たような感じがあります」

――なるほど。プロモーターサイドやファンからすれば、獅庵戦と金太郎戦を経て、これからも伊藤選手には同じような……むしろ、それ以上の激闘が求められるかもしれません。しかし現在、伊藤選手が取り組んでいることは、そうした激闘とは方向性が異なる部分もあります。そこに葛藤はないですか。

「MMAなので、その激闘とは違う見せ方がありますからね。ただ、僕自身も練習ではスマートな動きができるのですが、試合だと激しい展開になっちゃうんですよ(苦笑)。自分で意識しているわけではなく、試合中のテンションでそうなってしまいます。やっている動きは、練習してきたものなんです。だからテンションの問題か……。

でも魚井戦は、激闘にならなかったけど、相手の動きを潰して完封できました。試合のない期間は、ずっとスマートな動きを試合で出せるように練習してきたので、あとはしっかりと試合で見せるだけですね。自分でも未知数な部分はありますが、自信はあります」

――魚井戦はリングで行われました。リングで出せたことをケージで出せるか、あるいは同じことをやっていいのかどうかは一つの課題ではあります。

「はい。でも今はずっとケージを想定して練習しているので、次のイ・ハンヒョン戦では新しい自分を見せることができると思います。相手がキックボクサーになったのも、これまでムエタイをやってきた成果を見せるチャンスなのかな、って。結果的に良かったんじゃないですか。今はONEのオープンフィンガー・ムエタイを結構見ていて、それに近いものが見せられるんじゃないかと思います」

――それは次の試合がとても楽しみです。次に伊藤選手の試合以外のお話を伺いたいのですが、グラチャンで他の試合はチェックされていますか。

「はい。グラチャン放送局でチェックしています」

――グラチャンでは無差別級とフェザー級のトーナメントが開催されており、今回は同じ大会で準決勝戦が行われます。いちGRACHANファンとして、各トーナメントに対する印象をお願いします。

「無差別級は怪物みたいな選手が揃いましたよね。やっぱり僕たちは無差別級の試合に魅力を感じて、格闘技を始めた時代じゃないですか。だから今でも無差別級に求められているのは、そういう怪物性だと思うんです。そんな試合をグラチャンで実現してくれるのは、観ていてワクワクというか、ゾクゾクします。ファン目線で見ても楽しみですね」

――組み合わせは前日の計量時に決まるとのことですが、準決勝に勝ち上がった4選手の中で誰が勝ち上がると思いますか。

「僕が注目しているのは、桜井隆多選手です。もともとウェルター級で戦っていた選手が無差別級に出場していて。前回の試合も体格差があるのにパンチで仕留めて――まるでドラマを見ているようでした。僕自身も昔から見ていた選手なので、思い入れもあります。桜井選手ってカッコイイんですよね。

変わらない強さの中に、進化しているところもあって。そこでヘビー級に挑戦する生き様がカッコイイ、僕もすごく憧れている選手です。MMAの経験はダントツじゃないですか。トーナメントに出場している他の選手と比べても、一番ケージでの戦い方が分かっている試合内容だと思うんですよね。だから僕の考えではありますけど、桜井選手が優勝に一番近いんじゃないかと思っています」

――フェザー級トーナメントはいかがでしょうか。

「フェザー級は小島勝志選手に注目しています。僕は和田健太郎が決勝に行くのかな、と考えていたんですよ。でも小島選手が和田選手を相手に、あれだけパンチとボディブローで試合をつくっていって、最後はTKOで仕留めた。対レスラーの試合としては、理想的な勝ち方だったと思います。その和田戦を見ても、今までの試合と比べてさらに強くなっていましたから。これまでも打撃の強さは見せていましたが、さらにレスリング技術もプラスされて、際の部分でも綺麗に戦っていて。全局面で強さを感じました。

あと、小島選手は山梨県在住で、僕は長野県出身じゃないですか。同じ地方出身者として、ファン目線で応援してしまいます。しかも地元で自分のジムも出していて、自分の練習もしながらトーナメントで勝ち上がっていく。そこで優勝するストーリーに期待してしまいますね」

――最近では首都圏以外の選手が勝ち上がるケースが、どんどん増えています。

「桜井隆多選手もそうですよね。そういう意味では、僕は関東にいる立場ですけど、地方をナメんなよって気持ちがあります。で、それこそグラチャンがやってきたことじゃないですか。地方の選手が首都圏でチケットを売れるわけじゃない。でも大阪もそうだし、北海道でも大会を開催し、地方でも活躍した選手を首都圏の試合に呼んでいて。僕もファイトマネーをもらう限りは、そのぶん皆さんが見に来てくれるように頑張ります」

■視聴方法(予定)
12月4日(日)
午後4時30分~ GRACHAN放送局

■ Grachan58対戦カード

<ウェルター級/5分2R>
川中孝浩(日本)
渡辺良知(日本)

<バンタム級/5分2R>
伊藤空也(日本)
イ・ハンヒョン(韓国)

<ライト級/5分2R>
ルクク・ダリ(コンゴ)
林RICE陽太(日本)

<Grachan無差別級準決勝/5分2R>
桜井隆多(日本)
瓜田幸造(日本)
荒東 怪獣キラー 英貴(日本)
ハシモト・ブランドン(ペルー)

<Grachanフェザー級T準決勝/5分2R>
小島勝志(日本)
高橋孝徳(日本)
崎山勲(日本)
鍵山雄介(日本)

<ライト級/5分2R>
岸本篤史(日本)
渡辺和幸(日本)

<無差別級/5分2R>
上田幹雄(日本)
ソン・ムジェ(韓国)

<柔術/5分1R>
村田良蔵(日本)
田中義篤(日本)

<フェザー級/5分2R>
萩原一貴(日本)
黒井海成(日本)

<無差別級/5分2R>
石川廉(日本)
田馬場貴裕(日本)

<バンタム級/5分2R>
YO-HEI(日本)
ロバ・モー(日本)

<バンタム級/5分2R>
松本尚大日本)
佐々木歩夢(日本)

<バンタム級/5分2R>
松本大輔(日本)
安部路人(日本)

<フライ級/5分2R>
水谷健人(日本)
金井一将(日本)

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