【写真】ココを取れば──そんな一戦が巡ってきた(C)MMAPLANET
明日12日(日)に東京都港区のニューピアホールでPancrase338&339が開催される。そしてダブルヘッダー第一部のコメインで、名田英平が韓国MMA界の猛者キム・サンウォンと対戦する。
Text by Manabu Takashima
いわゆる関西の地味強ファイター、取りこぼしがなければベルトを巻く位置にいてもおかしくない実力者は、アンダードッグ的な今回の国際戦を逆に大いになるチャンスと捉えていた。MMAPLANET初登場の名田にMMAを始めたきっかけなどを尋ね、そのコツコツMMAファイター人生のステッピングボードとなるファイトについて話してもらった。
――キム・サンウォン戦を約1カ月後に控えた名田選手です(※取材は10月9日に行われた)。名田選手とのマッチアップは彼をタイトル戦線に送り込むための一拍を置くファイトのような印象があります。
「あぁ、勿論です。そういう試合だと分かっています。それでも海外の選手をバンバン連れてきてくれた方が活気づきますし、日本人同士よりも海外の選手とやる方がファイターとして燃えます。オファーが来た瞬間、初めての国際戦だったのでテンションが上がりました」
──逆にチャンスだと。
「ハイ。Road to UFCで修斗のチャンピオンのSASUKE選手をしっかりと倒していますしね。しかも初回はSASUKE選手がゲームメイクしているなかで、2Rにワンツーで仕留める。凄く能力の高い選手ですね。当て勘も良くて、バックステップとかも見ても凄く良い選手で。きっと殺しに来てくれると思うので、どうなるか分からないですけど、やれる試合にはなるやろなと思います。踏み台にされるかもしれない試合ですけど、前回の試合に負けているのに僕を選んでくれて有難いです」
──フェザー級王座はISAO選手が返上、続いて透暉鷹選手もバンタム級に転向で返上。挑戦者決定トーナメントに関わっていた選手として、新居すぐる選手のフェザー級王座戴冠については、どのような想いでいますか。
「なんかこう面白いですよね。あの人、ずっと負け続けていたのに連勝して、RIZINでも結果を残して。練習環境を変えたのか、打撃も凄く良くなっていて。シンプルに強いです。前は極めの一発はあっても、打撃とかない選手やったのに亀井選手との試合を見て、フェザー級の選手は皆がビックリしたんじゃないですか」
──混沌としているフェザー級戦線で、名田選手ご自身では自分の位置をどのように捉えていますか。
「結果的にRYO選手に負けているし……あと2回ぐらい勝たないと挑戦は難しいと思っています」
──だからこそキム・サンウォン戦は印象として、勝てば大きいですね。
「韓国のトップ選手とやれるのは、僕のキャリアのなかで一番大きい肩書を持っている相手になります」
──では、先ほどから良い選手だと言われていたキム・サンウォンですが、改めて印象を教えてください。
「打たれ強いし、スタミナがあります。やられても圧を掛け続けることができる。粘り強いし、打たれ強い。パウンドも凄い強力で。そこも気を付けたいです」
──そのような相手に対して、どのような戦いを挑みたいでしょうか。
「今やっているレスリングもそうですし、打撃も良くなってきているので、そういうところを見せたいですね」
──今日はパラエストラ東大阪のプロ練習、竹中大地選手と瀧口脩生選手、健斗デリカット選手という実力がありながら、少し停滞気味のファイターたちとの力のこもったスパーリングが見られました。
「基本、このメンバーでやっていて。あとは林RISE選手、それと起一(ストラッサー)さんと月・金でやらせてもらっています」
──他の曜日の練習はどのようになっているのですか。
「火・木がカルペディウム芦屋で岩﨑(正寛)さんのところに行かせてもらって。ほんで水曜日は岸本(泰昭)のSISUでやらせてもらっています。あとは所属するコブラ会の夜のグラップリングクラスで、やってくる選手と練習して」
──つまり軸となるのは昼のプロ練習ということですね。
「そうですね。基本、昼に動かしてもらって。夜はコブラ会もそうだし、ボクシングジムとかで腕を磨くような練習をしています」
──そんな名田選手ですが、なぜMMAを始めコブラ会で練習するようになったのですか。
「MMAを始めたのは16歳ぐらいで、西成にあったチーム・クラッチという地下格、パワーゲートに出ているジムだったんです。友達が中三ぐらいの時からやっていて、僕は柔道をやっていたのですがMMAに凄く興味があったので、通うようになりました。その時からもうコブラ会でも練習していて。でも、じつはどっちのジムにも二カ所で練習していることは言い辛くて黙っていたんです」
──ハイ。
「でも試合に出る時にチーム・クラッチから出ることになって、まだ昔の慣わしがあった頃で二つの所属って無理だったんですよね。その試合で勝って──17歳の時だったんですけど、もっと強くなりたいと思ったのでコブラ会一本で練習するようになりました。もう12年とか前の話です」
──当時と比較すると、パンクラスのMMAもプロ練習もあり、交流もあって凄く変わりましたね。
「ハイ。組み技が凄く強くなりました。打撃は昔から強いジムはあったのですが、特に組み技……レスリングも身近になりました。岩崎さんが来てくれてから、凄く良い環境になっていますね」
──キャリア的にはDEEPからパンクラスで戦ってきましたが、久しく大阪大会が途絶えたパンクラスに拘っているのは?
「単に強いヤツが多いからです。高木凌選手とか、こないだはRIZINで負けてしまったけど、あの選手のストレートとか凄くヤバいです。イケメンやし、そういう選手に勝ちたいんです」
──そういうイケメンの選手を倒して(笑)、ベルトを目指すと。
「ベルトもそうやし、やっぱり今回のように海外の選手とやっていきたいですね。ここに勝っての話ですけど、海外勢にとってパンクラスの門番のようになって──いずれは海外でも試合がしたいです。ONEとか、アジア圏で」
──そこに向けて、絶好のアピールになるのが今回のキム・サンウォン戦かと思います。
「そうですね。しっかりと戦って、倒す──相手よりしんどいことをやって、しっかりと勝ちたいです」
■Pancrase339視聴方法(予定)
2023年11月12日(日)
午後5時~ PANCRASE YouTube チャンネル、U-NEXT、TIGET/PPV(英語のみ)
■Pancrase339対戦カード
<ライト級/5分3R>
松本光史(日本)
西尾真輔(日本)
<バンタム級/5分3R>
井村塁(日本)
矢澤諒(日本)
<ライト級/5分3R>
平信一(日本)
丸山数馬(日本)
<ミドル級/5分3R>
佐藤龍汰朗(日本)
荒井勇二(日本)
<フェザー級/5分3R>
糸川義人(日本)
岡田拓真(日本)
<フライ級/5分3R>
濱田巧(日本)
大塚智貴(日本)
<バンタム級/5分3R>
平岡将英(日本)
谷内晴柾(日本)
<ストロー級/5分3R>
米山唯人(日本)
織部修也(日本)
■Pancrase338視聴方法(予定)
2023年11月12日(日)
午前11時45分~ PANCRASE YouTube チャンネル、U-NEXT、TIGET/PPV(英語のみ)
■Pancrase338対戦カード
<フェザー級/5分3R>
三宅輝砂(日本)
櫻井裕康(日本)
<フェザー級/5分3R>
名田英平(日本)
キム・サンウォン(韓国)
<女子フライ級/5分3R>
ライカ(日本)
重田ホノカ(日本)
<ストロー級/5分3R>
リトル(日本)
寺岡拓永(日本)
<バンタム級/5分3R>
高城光弘(日本)
平田丈二(日本)
<フライ級/5分3R>
萩原幸太郎(日本)
前田浩平(日本)
<ライト級/5分3R>
鈴木悠斗(日本)
上田智大(日本)
<フライ級/5分3R>
饒平名知靖(日本)
金澤臣人(日本)
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