【写真】左から久保、スンチョル、NavE、藤沢、オトコンバヤル、オトコンバートル (C)ONE, MGL-1FC & MMAPLANET
2日(金)、GLADIATORより3月3日(日)に豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR025でフライ級王座決定トーナメント準々決勝3試合が組まれることが発表された。
Text by Manabu Takashima
16日(金)に行われるGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana II」で和田教良とチェ・ドンフンの間で戦いの幕が切って落とされる同トーナメント。新たにNavE 藤沢彰博、イ・スンチョルツェルマー・オトコンバヤル、久保健太オトコンバートル・ボルドバートルという3試合が決まった。
昨年3月にニャムジャルガル・トゥメンデムベレルに衝撃の7秒KO負けを喫し、ベルトを失った元フライ級王者NavE。9月大会ではProgressフォークスタイルグラップリングで前田吉朗を下し、再起の一歩を示した。そんなNavEにとって、約11カ月振りのMMAマッチがトーナメント準々決勝となる。
対戦相手の藤沢はタイ・バンコク在住でフルメタル・ドージョーからONE Warrior Seriesのトライアウトに合格し、同シリーズからスクランブル発進でONE本戦と契約した異色のファイターだ。2017年のプロデビュー以来、日本で戦うのは今回が初めてとなる藤沢、ONEでの通算成績は4勝4敗──アジア最大のプロモーションで戦ってきた藤沢と、関西が基盤のNavEのクロスオーバーは意地のぶつかり合いとなろう。
チェ・ドンフンと共にK-MMAフライ級新鋭コンビとして、昨年12月大会に初来日し、イ・スンチョルは澤田政輝を右ストレート一発でKOし大きなインパクトを残した。聞くところによるとONE FFのオファーを固辞し、GLADIATORを選択したという。その結果、モンゴル人オトコンバヤルとGLADIATOR内ONE FFといえる──アジア勢対決が決定した。
オトコンバヤルは前GLADIATORバンタム級王者テムーレン・アルギルマーの従弟で、テムレーンをMMAも誘かった張本人だ。MMA戦績は7勝5敗ながらアマチュアのモンゴル選手権でムエタイは3位、シュートボクシング準優勝、散打でも準優勝という実績を残す。
昨年11月のBLOOM FC旗揚げ戦で上田将年に判定負けを喫しているオトコンバヤルだが、その上田戦では序盤に三角絞めにつかまり意地で耐え抜くも、相当に体力を削られた状態で打撃は大振りとなっていた。あの大振りではイ・スンチョルの当て勘の餌食になりそうだ。
他方、オトコンバヤルのフィジカルを前にイ・スンチョルがこれまで通りの圧を掛けることができるのか。イ・スンチョルとしても、真価が問われるファイトとなる。
オトコンバヤルと同様に、モンゴルから参戦となるオトコンバートル・ボルドバートルは2022年のIMMAFアジア大会ジュニアの部フライ級で銀メダルを獲得しており、草原のムハマド・モカエフの異名を持つ。そのオトコンバートルは2023年にはGAMMAアジアMMA選手権優勝、ベースとなるレスリングではモンゴルのジュニア選手権優勝3度、アジア・ジュニアで3位に輝いている。
プロとしては1月にMGL-1FCでデビューしたばかりだが、師匠のジャダンバ・ナラントンガラグの「既にモンゴルでは相手がいない」という太鼓判を押しているモンゴルの超新星だ。
前王者ニャムジャガルが練習パートナーであるオトコンバートルは、モンゴルに3本目のベルトをプロキャリア4戦目で持ちかえり世界へ羽ばたこうとしている。オトコンバートルと戦う久保は、昨年12月大会でチェ・ドンフンを相手に壮絶なKO負けを喫しているが、3Rに見せた反撃はまるでベテランファイターの生き様を見せるような意地が感じられた。
韓国の新鋭に敗れた久保が、モンゴルとの新鋭を相手に勝利という結果が伴う意地を見せることができるか。16日の和田チェ・ドンフンに通じる──ファイトだ・
ここからはリリースに寄せられた各選手のコメントを紹介したい。
NavE
「今回フライ級王者を決めるトーナメントへの参戦ですが、王座を陥落した自分が言うこの発言が良いか悪いかも分かりませんが、今の自分の気持ちとして『チャンピオンになりたい』という思いより、自分が好きになったMMAの試合で『ただ試合がしたい!』、『ただ勝ちたい!』という思いがが、一番強くあります。昔の自分のように一つ一つ目の前の試合…目の前の相手に全力で勝つ事だけに集中して挑んでいく! その結果で自然とベルトが巻けるの」
藤沢彰博
「この度は試合を組んで頂きありがとうございます。強い選手と組んでもらえてとても楽しみです。しっかり倒して勝って海外在住ファイターの存在感をアピールしたいと思います。よろしくお願いします」
イ・スンチョル
「GLADIATORのトーナメントに参加させて頂き、光栄です。今回のトーナメントの全試合、全てフィニッシュ出来るようにしっかり準備して、必ず優勝するようにします。モンゴルの選手達は、力が強いと思います。対してスピードとスタミナで押し切るつもりで、3ラウンドをフルに活用して相手をイジメます。応援よろしくお願いします」
ツェルマー・オトコンバヤル
「今回、素晴らしいオファーを受けたことをとても嬉しく思っているとともに、GLADIATORの関係者の皆様に感謝を申し上げます。試合に関しては100パーセント勝つ自信があります。対戦相手のイ・スンチョル選手にとって、過去のどの試合よりも激しい試合になるので、しっかり練習してきて欲しいです。3月3日は大会ベストバウトを狙っています。試合が待ち遠しく仕方がありません」
久保健太
「まずGLADIATORフライ級王座決定トーナメントの出場権を頂けた事を心から嬉しく思います。前回の024大会で不甲斐なくもチェ・ドンフン選手に負けてしまい、トーナメントの道は閉ざされてしまったと思いました。ドンフン選手との試合では、戦う前から体調を崩してしまい、試合前日はもちろん当日も熱を抱えての試合となり、とても苦しい中での戦いとなりました。そんな状況の中でも試合をやり切った自分に胸を張りたい所ではありますが、それ以上に万全の身体で戦い、勝ち取りたい試合でした。言い訳のように聞こえてしまいますが、前回の試合では不調な中で自分のできる事は気持ちの面も含め出し切っていたと思います。ただ、万全だったらもっと最高の試合が絶対にできました。そのなかで戦う姿勢を評価され、フライ級トーナメント出場権を与えて下さったのだと自分は思っています。今回のトーナメントは僕にとって最大のチャンスです。トーナメントを出場させて頂くにあたり、次の対戦相手がモンゴル国の強豪選手であることを知りました。レスリングベースでかなりの強い選手だと思います。レスリングだけでなくアマMMAの各大会でも優勝、準優勝を飾る程の実績あるサラブレッドを感じさせるような強い選手だと思います。まずは対戦するオトゴンバートル選手に勝利し、勝ち上がることだけを考えて2回戦を目指します。その為にまずは自分自身のコンディション、万全な身体でリングに上がる事が勝利と最高の試合をすることだと思っています。最後にこれだけ言わせて下さい。自身が万全でリングに上がる時は、前回の試合とは比べられない程の強さと最高の試合、GLADIATORを盛り上げられる自分、そこに自分の実力の立ち位置と結果がついてくると思います。試合当日、万全な姿で僕が試合をできることを楽しみにしていて下さい」
オトコンバートル・ボルドバートル
「今回、GLADIATORフライ級トーナメントに出場できることになり、とても嬉しいです。これまでアマチュアの舞台で試合をしてきましたが、プロに転向して間もないにも関わらず、GLADIATORという大きな舞台で試合が出来ることに感激しています。相手の久保選手は経験豊富なベテランですが、お互いに持っているものを出し合って良い試合をしましょう」
■視聴方法(予定)
3月3日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル
■GLADIATOR025対戦決定カード
<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
NavE(日本)
藤沢彰博(日本)
<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
イ・スンチョル(韓国)
ツェルマー・オトコンバヤル(モンゴル)
<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
久保健太(日本)
オトコンバートル・ボルドバートル(モンゴル)