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【Gladiator027】和田教良と対戦、オトゴンバートル「今年のRoad to UFCのメンバーなら優勝できる」

【写真】その可能性はいかほどのモノなのか、必見のオトコンバートル (C)MMAPLANET

7日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGladiator027で草原のモカエフことオトゴンバートル・ボルドバートルが、和田教良と対戦する。
Text by Manabu Takashima

5月、そして今大会と連続でNavEとのフライ級王座決定戦が流れた。3戦目でタイトル戦と、北米フィーダーショーやK-MMA界のフィーダーショーばかりの早々の出世試合が失したモンゴルMMA界の将来を担うオトコンバートル。とにかく試合ができたことに安堵しつつ──その先にGladiatorフライ級のベルトばかりか、来年のRoad to UFC出場を彼は見据えている。


プロとして戦いを見せたかった

──7月7日に組まれていたNavE選手とのフライ級王座決定戦が5月に続き流れてしまいましたが、和田選手と戦います。今の心境を教えてください。

「NavEとのタイトル戦が延期され、ずっとその試合に向けて練習をしていたので……。彼の負傷が治らないということで『また試合がないのか』と落ち込んでいたんだ。でも、ワダが戦ってくれるので、気持ちを創り直して練習をしてきた状態で」

──キャリア2戦のオトゴンバートル選手だけに延期や対戦相手が変更という状況はメンタル面で影響がありましたか。

「5月の試合が延期になった時は、それほどでもなかったけど……7月もNavEが無理だと伝えられた時はさすがに厳しかった。代わりの選手を見つけるということだったけど、それはどうなるかも分からないし。あの時は不安だったよ。

凄く良い練習ができていたので、もうタイトル戦でなくても、誰が相手でも試合がしかった。でも試合ができることになったので、今はもう何も問題はないよ」

──3月のオトコンバートル選手の試合を見て、とんでもないファイターが来たなという評判でした。ただ試合前に「どういう選手?」と尋ねられると、「中村倫也選手とのレスリングスパーを見る限り、レスリングは強い」と返答をしていました。それが久保選手との試合では打撃だけで試合を進め、ハイキックでダウンを奪ってのギロチンで一本勝ちという内容で、驚かされました。

「作戦としては組みで勝負することも考えていた。でも1Rと2Rは可能なだけ打撃で戦ってみようと思ったんだ。そうしたら、凄く戦いやすくて。なら、このまま打撃でいこうと。その結果だよ。

実はナラントンガラグ先生からは打撃から組むように指示を貰っていたけど、打撃でイケそうだと自分の判断で打撃勝負に出たんだ(笑)」

──作戦よりも、直感。それもありかもしれないですね。

「ナラントンガラグ先生は試合中もずっと『組め』、『組め』と叫んでいて(笑)。でも打撃を見せたいという気持ちが強くて、ああいう試合になってしまった」

──ストライカーとレスラー、定石通りに戦えば組んでテイクダウンだったかと。

「事前に相手選手の組み、特に防御はそれほど上手くないことは分かっていた。だから組んで倒せば、もっと試合を早く終わらせることもできたかと思う。ただプロとして戦いを見せたかったんだ」

──フィニッシュの前、右ミドル、右ロー。そして右の蹴りを見せるように動き、スイッチして左ハイという素晴らしい蹴りが決まりました。

「スパーリングで試したことはあったけど、特に磨いていてきた蹴りではなかった。試合をしていて、『やってみようかな』というぐらいで蹴ったんだ」

──その後、シングルを仕掛けてきた久保選手をギロチンに捕えました。あの首を取る動きは、レスラーとして体に沁みついているものなのでしょうか。

「相手の組み方は、防ぎながら首が取れる状態だった。その時にナラントンガラグ先生から『金網に押し付けろ』という指示があって、その声に従ったんだ。そうすると、凄くギロチンを極めやすい形になった」

──そこはトンガーの言うことに従うと(笑)。

「ハハハハハハ。まぁ、そういうことかな(笑)」

──まだ2戦目、打撃にも自信がつきましたか。

「やっぱり僕の課題は打撃の強化なので、凄く自信になったよ。あの試合があって、今はより強くなっているしね」

彼の覚悟とか、別に何も想うところはない

──次の対戦相手の和田選手ですが、1度は対戦を固辞した。しかし一晩経って「強い相手と戦わないなら、何のためにMMAをやっているのか。ここで戦わないと後悔する」と覚悟を決めてオトゴンバートル選手との試合を受けたそうです。

「まぁ彼の覚悟とか、別に何も想うところはないよ。彼が断わって試合がなくなるかもしれないという状況で、翌日に戦うということを聞かされたから、とにかく試合がなくならなくて良かったと。本当にそこにつきる」

──なるほどです(苦笑)。では和田選手の印象を教えてください。

「良い選手だよ。クリンチになると強さを発揮する。なので、次は僕の組みを見せたいと思う(笑)」

──和田選手と戦うことで、同じグラップラーのNavE選手対策なるという考えはありますか。

「試合経験を積むのだから、役には立つよ(笑)。実は前の試合で組まなかったことで『本当は組みが強くないんじゃないか』とか言われたから、今回の試合はとにかく組み勝ちたい。それはNavEとの試合でも同じ、グラップリングが強いなら、それより強いことを組んで照明したいと思う」

──では和田選手と2月に対戦して、勝利したチェ・ドンフンがRoad to UFCにステップアップ。初戦で前回の準優勝者に勝ちました。その事実を意識することはありますか。

「彼がチェ・ドンフンと戦ったことは、意識している。僕の方がチェ・ドンフンより上だと見せつけたい。そして、次のRoad to UFCには出たい。今年のRoad to UFCもフライ級の試合には注目してチェックしている。ただ、あのメンバーなら僕は優勝できると素直に思った。

GLADIATORからRoad to UFCにステップアップしている選手もいるし。そこを意識して、次の試合もインパクトのあるファイトをして、10月にNavEとのタイトル戦に繋げたい」

──Road to UFCを見据えてインパクトを残すなら、また打撃ではないですか。

「あぁ、なら相手に合わせるよ。組んで来たら組む、打撃で来たら打撃で勝負しようと思う(笑)」

■視聴方法(予定)
7月7日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■GLADIATOR027対戦カード

<Gladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 竹本啓哉(日本)
[挑戦者] 竹中大地(日本)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準々決勝/5分3R>
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)
アドニス・セビジェーノ(フィリピン)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定T準々決勝/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
中川晧貴(日本)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定Tリザーブ戦/5分3R>
ハンセン玲雄(日本)
パク・サンヒョン(韓国)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定Tリザーブ戦/5分3R>
水野翔(日本)
田口翔太(日本)

<フライ級/5分3R>
オトゴンバートル・ボルドバートル(モンゴル)
和田教良(日本)

<バンタム級/5分2R>
藤原克也(日本)
土本暉弘(日本)

<81キロ契約/5分2R>
森井翼(日本)
織田ジュラシック(日本)

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
澤田政輝(日本)

<バンタム級/5分2R>
上田祐起(日本)
福井竜郎(日本)

<フライ級/5分2R>
しゅんすけ(日本)
カーヴィ(日本)

<フェザー級/5分2R>
野口蒼太(日本)
鶴屋健人(日本)

<バンタム級/5分2R>
ルキヤ(日本)
上野滉太(日本)

<ライト級/5分2R>
磯嶋祥蔵(日本)
友實竜也(日本)

<フライ級/5分1R>
藤原浩太(日本)
小早川大地(日本)

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【Gladiator027】T準々決勝で中川晧貴と対戦、チハヤフル・ズッキーニョス「忖度なしのマッチメイク」

【写真】 過去1年で5戦し、3勝2敗。敗れた相手が河名マスト、ダギースレン。国際戦は2試合と充実の時を過ごし成長してきたズッキーニョス(C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGladiator027では、8人制の次期挑戦者決定トーナメントが開幕。準々決勝でチハヤフル・ズッキーニョスが中川晧貴と対戦する。
Texy by Shojiro Kameike

これまでハンセン怜雄、石田拓穂とリライアブル勢を相手に、2連続KO勝ちしているチハヤフル。遂にリライアブル・フェザー級を代表する中川との対戦を迎えるが、同時にこの一戦はグラジ生え抜きファイター同士の激突でもある。国内外から強豪選手が集まるトーナメントで、チハヤフルが見せたいものとは――「プロのファイターとしての本懐」だ。


リライアブルが続くのは少しやりづらさはあります

――本題の前に、お聞きしたいことがあります。Road to UFC準々決勝で河名マスト選手が戦っている時、Xで応援投稿を連投していましたね。

「あぁ、あれは……計量も試合も『何をやっているんだよ!』というのが本音だったんです(苦笑)。僕も準々決勝の相手をチラッと調べて、『問題なく勝ってくれるだろう』と思っていました。でも予想に反して苦戦していたので、『ぶっちぎりで優勝してもらわないと困る』という気持ちで投稿しました」

――それは「自分に勝ったファイターなのだから」という気持ちもありますか。

「もちろんです」

――一方で、一人のファイターとしてRTUを視た感想を教えてください。

「僕は今まで『UFCに出たい』とか、現実的に考えたことはなかったんです。でもRTUを視ていると、興味は出て来ますよね。UFCに限らず、自分ももっと上を目指したい――と」

――そんななかで今回は、対リライアブル3連戦の最終章となります。

「関西でフェザー級となれば、選手は限られてきますからね。もっと上を目指すのであれば、いつか中川選手とも対戦すると思っていました。同じ関西で負けていられない、という気持ちはあります。ここで中川選手との試合が決まったことに関しては、特に驚きもないです。ただ、リライアブルが続くのは少しやりづらさはありますね(苦笑)。中川選手が大将というか、遂に対リライアブルとしては最後になるのか……」

――同じトーナメントに石田拓穂選手と、リザーブではありますがハンセン玲雄選手も出場するので2巡目に入る可能性はあります。もう勝つまでやるかもしれませんね。ただ、――田中淳リライアブル代表は中川選手に「お前が負けたら終わりだぞ」と言い、気合いが入っている状況とのことです。

「アハハハ、リライアブルの応援団にも嫌われているでしょうね……。僕はリライアブルの選手のことは好きなのに」

――えっ、「好き」という気持ちは意外です。

「あの戦いぶりというか、僕の中では『恐れ知らずのファイターたち』というイメージで。ファイティングスピリットを持っている人たちだと思います」

――ここ最近はチハヤフル選手も打撃を鍛え上げているなかで、ファイティングスピリットを持つリライアブル勢と対戦するのはタイミング的にも噛み合ったのかもしれません。

「そうですね。ここまでの2試合は自分が押される場面もあり、試合内容としてはギリギリの勝負でした。それは正直な気持ちです。

まずハンセン戦は『今までの自分を捨てて打撃で勝つことにこだわりたい』と、僕自身が選んだ戦い方でした。一方で石田戦は、自分が全く考えていなかった勝ち方で。そういう意味では、自分のほうが完全に上回っていたとは思っていません」

――ただ、苦しい展開だったからこそ、最後に打撃で仕留めたことは自信になったのではないでしょうか。

「はい。ずっと打撃は練習していたのですが、これまで試合になると出せませんでした。出して当たったとしても、倒すことはできない。そういう試合が続いていましたが、この2試合で『当たれば倒せるんだな』ということが確認できたし、自信にもなりました。どれだけ練習しても、やはり打ち合いのマインドって実戦の中でしか培えないですよね。そのマインドを得ることができて、本当に良い経験になったと思っています」

――さらに7月大会では、対戦相手が直前に変更されるも、パク・サンヒョンを腕十字で下しました。

「パク・サンヒョン選手はストライカーでしたが、しっかり攻略できました。もともと対戦予定だったアドニス・セビジェーノ選手もグラップラーでありながら、打ち合いもやるタイプですよね。そのアドニス選手と戦うために準備していたので、打撃の対応力は上がっているという実感もあります」

――パク・サンヒョン戦は久々の寝技によるフィニッシュでした。打撃力が向上したことで、グラウンド勝負に対しても良い影響をもたらしていますか。

「意識は変わってきましたね。僕も昔は完全なグラップラーでした。それも打撃ができないから組みに行く、というタイプで。一回グラウンドに持ち込むと、絶対に離したくなかったです(笑)。でもそれは、『逃げの気持ち』なんですよ。最近は、そういう逃げの気持ちもなくなってきています。打撃も何もかも全部混ぜたなかでフィニッシュできる。そういったスタイルに変わってきていると思います」

――これまでチハヤフル選手と中川選手の対戦は、何度か耳にしていました。その意味では対リライアブル3連戦とは違う感情もあるのではないか、と思います。チハヤフル選手は中川選手との対戦は、いつ頃から意識していましたか。

「僕がグラジに戻ってきたのが去年の9月です。その少し前に中川選手がタイトルマッチに出ていました。僕が中川選手との対戦を意識し始めたのは、それよりも前です。RIZIN Triggerの試合(2022年2月、小島勝志に判定勝ち)や、富田戦(同年1月、富田翔市に判定負け)を視ていて――当時は中川選手のほうが、かなり格上でしたよね。僕もまだ、それほど試合をしていなかったので。その状況のなかで、中川選手に対しては『ああいう選手と競っていかないといけないな』と思っていました」

――ということは、当時は中川選手のほうが格上で、今は自分のほうが上だと認識しているわけですね。

「……、……、あくまで現時点の話ですよ」

――中川選手も昨年の王座決定トーナメントに出られなかったことは悔しく、チハヤフル選手のほうが先に進んでいると言っています。

「僕もこの1年でファイターとしての意識は変わりました。グラジでは毎大会、試合を組んでくれていますし……試合をした翌日には次のオファーを頂くような感じで」

――ただ、ここで再度トーナメントが開催されるとは考えていなかったでしょう。

「最初に中川選手との試合のオファーを頂いて、後でこの試合がトーナメント準々決勝になると聞きました。これは意外というか、ビックリしました。でも全然、嫌だとは思わないです。僕も途切れることなく試合をし続けたいですし、トーナメントであれば勝ち続ければ絶対に強い相手と対戦することになる。そして勝ち抜くことができれば、もう一度ベルトが見えてきますよね。つまり、間違いなく上に行けるという点は嬉しいです」

――では松嶋こよみ選手がグラジ参戦を発表し、トーナメントに出場することになったことについては、いかがですか。

「あれも発表ギリギリか、映像が流れた時に知りました。本当にサプライズでしたよね(笑)。ネームバリューは格段に上の選手です。ONEに参戦していたり、最近ではTOP BRIGHTSで負けてはいますけど、今から考えると相手がダウトベック選手で。そういう選手がグラジに出て来るというのは、驚きと同時に嬉しく思います。松嶋選手が出ることをキッカケに、グラジを視てくれる人も増えるでしょうし。それは楽しみです」

プロのファイターであれば、強い相手と対戦することが本懐であるはず

――それだけグラジに、国内外から強豪選手が集まってきています。グラジ生え抜きファイターを自認しているチハヤフル選手としては……。

「グラジ生え抜きの僕と中川選手が、初戦で潰し合うんですね(苦笑)」

―アハハハ。確かに厳しいマッチメイクです。

「強い選手が集まっていることで、以前よりも厳しい舞台になっていることは事実です。でもプロのファイターであれば、強い相手と対戦することが本懐であるはず。それでこそ戦いがいがあり、グラジのベルトを目指す価値があると考えています。グラジのレベルが上がっていくおかげで、自分のレベルも上がっていきますから。今回、生え抜き同士を潰し合わせるのも、忖度なしのマッチメイクですね」

――忖度なし、生え抜き同士の潰し合いで、どのような試合を見せたいですか。

「中川選手はレスラータイプで、積極的に極めにいこうとするわけではないけど、コントロールは上手いですよね。あと打撃も綺麗ですし、器用で何でもできるファイターだと思います。その反面、何か飛び抜けているものがあるわけではない。

彼とは環境が似ているというか、生え抜き同士で頑張っていきたい気持ちはあります。でも勝負は勝負なので、キッチリ勝たせてもらいます」

■視聴方法(予定)
7月7日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■GLADIATOR027対戦カード

<Gladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 竹本啓哉(日本)
[挑戦者] 竹中大地(日本)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準々決勝/5分3R>
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)
アドニス・セビジェーノ(フィリピン)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定T準々決勝/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
中川晧貴(日本)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定Tリザーブ戦/5分3R>
ハンセン玲雄(日本)
パク・サンヒョン(韓国)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定Tリザーブ戦/5分3R>
水野翔(日本)
田口翔太(日本)

<フライ級/5分3R>
オトゴンバートル・ボルドバートル(モンゴル)
和田教良(日本)

<バンタム級/5分2R>
藤原克也(日本)
土本暉弘(日本)

<81キロ契約/5分2R>
森井翼(日本)
織田ジュラシック(日本)

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
澤田政輝(日本)

<バンタム級/5分2R>
上田祐起(日本)
福井竜郎(日本)

<フライ級/5分2R>
しゅんすけ(日本)
カーヴィ(日本)

<フェザー級/5分2R>
野口蒼太(日本)
鶴屋健人(日本)

<バンタム級/5分2R>
ルキヤ(日本)
上野滉太(日本)

<ライト級/5分2R>
磯嶋祥蔵(日本)
友實竜也(日本)

<フライ級/5分1R>
藤原浩太(日本)
小早川大地(日本)

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【Gladiator027】ズッキーニョス×reliable最終決戦。中川晧貴「自分より2段階、3段階前を行っている」

【写真】王座を賭けた戦いには先んじていた中川だが、今はズッキーニョスが上にいるという認識がある (C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGladiator027では、8人制の次期挑戦者決定トーナメントが開幕。その初戦——準々決勝で中川晧貴とチハヤフル・ズッキーニョスが対戦する。
Text by Shojiro Kameike

海外から多くのファイターが参戦する今回のトーナメントで、なぜ日本人対決が行われるのか。日本×海外のマッチメイクでないのは、日本人選手を勝ち残らせたい――というわけではない。チハヤフルは中川と同じリライアブルに所属するハンセン玲雄と石田拓穂をKOしており、中川にとってはチームとしてリベンジを果たす大きなチャンスなのだ。リライアブル×チハヤフルの決着戦について、中川が語る!


――リライアブル×チハヤフル、遂に大将の登場です。

「アハハハ。いやぁ、僕はまだまだ大将というわけでは……」

――とはいえハンセン玲雄選手、石田拓穂選手とチームメイトがチハヤフル選手にKO負けを喫していることは気になりますよね。

「もちろん、それは気になりますよ。ここで自分が負けて、3連敗になったらヤバいと思っています。ジムの代表(田中淳リライアブル代表)からも『お前が負けたら終わりやと思えよ』って、ボソッと言われました」

――ボソッと、というのが怖いです。

「アハハハ! 怒りというよりも、そう激を飛ばしてくれます」

――中川選手としてはチームメイトがチハヤフル選手に連敗を喫し、怒りや焦りのようなものはないですか。

「僕自身は何も焦ってはいないですね。試合の勝ち負けに関しては『しゃあないな』という感じで。確かに会場で観ている時は、チームメイトが負けて『ウワッ!』とは思いました。でも全て狙われた打撃ではなくて、ラッキーパンチもあったじゃないですか。自分は今でも、先輩たちのほうが強いと思っています」

――ハンセン選手と石田選手は、中川選手にとって「先輩」になるのですか。

「MMAに関しては僕のほうが先に始めているんですけど、柔道ではハンセンさんや石田君のほうが先輩になるんですよ」

――なるほど。一方で中川選手は連敗を経て、5月大会で水野選手に勝利しました。

「勝ったことは勝ったけど、ギリギリ勝ったという感じですよね。自分の中では『勝っとんかなぁ……』というモヤモヤした気持ちもあって。だけど、あの勝利でチハヤフル選手と対戦できる機会を設けてもらえたことは嬉しいです」

――昨年1月のチョ・ソンビン戦以降、何か新しく取り組み始めたことや、修正してきた部分などはありますか。

「何せ僕は打撃が得意ではないんですよ。その克服と、自分から攻めていくこと。そして自分が得意なポジションに持って行くことですね。僕は自分の型にハメることができたら強いと思っているので」

――自分の型にハメるために必要なのが打撃の向上だった、ということですか。

「やっぱり打撃ができなければ、相手の打撃にビビッてしまって……テイクダウンに行くにしても、遠い間合いから入ってしまうようことがないよう、もっと打撃を覚えたいと思いました。そのためにジムでミットの時間を増やしたり、あとはボクシングをやっている人に来てもらったりとか。

水野戦は自分から圧をかけることはできたけど、そこからのアクションがなかったです。どうしても打ったら止まってしまう。そこは自分でも甘いよなって思いました。打った後に見てしまうのは、自分の一番アカンところです」

――「自分の型」という面でいえば、組みについては圧倒的な自信があるわけですよね。だからこそ待ってしまうのかな、と。

「あぁ、そうですね。自信があるから、どんな展開になっても組めばいいと思ってしまう。結果、自分からのアクションが少なくなっているかもしれないですね。アクションが少ない、自分から攻めていかないというのは、代表からも一番怒られる展開で(苦笑)」

――水野戦の内容についても代表から怒られましたか。

「勝ちは勝ちやからエェけど、直さなアカンところはいっぱいある――そう言われました。今回だけは許したる、みたいな(笑)」

――アハハハ。水野戦で勝ったらチハヤフル選手との対戦をアピールすることは、試合前から決めていたのでしょうか。

「そうですね。前から櫻井(雄一郎グラジエイター代表)さんに挨拶しに行く時は『チハヤフル選手と試合させてほしい』とお願いしていました」

――中川選手とチハヤフル選手は、いわばグラジ生え抜きのファイターです。一方、河名マスト選手や松嶋こよみ選手たちが、新たにグラジのフェザー級に参戦してくる展開に対しては、どのように考えていましたか。

「どんどん強い相手が出てきたなぁと思う反面、2連敗した自分は追い抜かれているなって思います。新しく出てきた選手だけじゃなく、チハヤフル選手は前回のトーナメントに出場していて。自分よりも2段階、3段階前を行っていると感じていますね。

やっぱり前回の王座決定トーナメントは、見ていて悔しかったです。怪我や仕事のこともあって……だけど、自分もやりたかったという気持ちはありました」

――ようやくチハヤフル選手との対戦を迎えます。中川選手の中では「追いついた」と考えていますか。

「いや、まだ追いついてはいないですね。でも挑むことができるようになって嬉しいです」

――中川選手としては、組みに行きたいですか。

「組みに行きたいです。それが僕の強みなので」

――チハヤフル選手も最近はKO勝ちも増えていますが、もともとは組みが強い選手です。その寝技については、どのようなイメージを持っていますか。

「イメージ、う~ん……パッとしないというか。動きはあるけど『重さ』がない。何か軽い、という感じはあります。だから自分が漬け込むことができるとは思っています」

――チームメイトがKO負けしているので、次は自分が殴ってKOしてやろうとは思わないですか。

「それは思いました(笑)。ケージの真ん中で殴り合ってやろうか――そうボソッと言ったら、代表から『アホか』って言われました。アハハハ。やっぱり自分らしい戦いをするのがベストやと思います」

――今回のトーナメントは8人制で行われます。他のトーナメント出場者については?

「石田君が同じトーナメントに出るとは思っていなかったです(苦笑)。というより、トーナメント開催が発表されて、自分の名前も並んでいたじゃないですか。まずそこに自分が入るとも思っていなかったんですよ。松嶋こよみ選手とか凄いメンバーがいっぱいいて。でもその中に石田君も入っているのは心強いです」

――心強い、という意見は意外でした。「やりづらい」と言うのかと……。

「石田君と対戦したいかどうかと訊かれたら、やりたくないですよ。でも石田君が強い選手を倒してくれると思うので(笑)」

――アハハハ!

「とにかく先のことを考えても仕方ないので、自分は一戦一戦を大事にしていきたいです。そうやって勝ちを掴んでいきたいですね。まずはチハヤフル選手——待っとけよ!」

■視聴方法(予定)
7月7日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■GLADIATOR027対戦カード

<Gladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 竹本啓哉(日本)
[挑戦者] 竹中大地(日本)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準々決勝/5分3R>
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)
アドニス・セビジェーノ(フィリピン)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定T準々決勝/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
中川晧貴(日本)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定Tリザーブ戦/5分3R>
ハンセン玲雄(日本)
パク・サンヒョン(韓国)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定Tリザーブ戦/5分3R>
水野翔(日本)
田口翔太(日本)

<フライ級/5分3R>
オトゴンバートル・ボルドバートル(モンゴル)
和田教良(日本)

<バンタム級/5分2R>
藤原克也(日本)
土本暉弘(日本)

<81キロ契約/5分2R>
森井翼(日本)
織田ジュラシック(日本)

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
澤田政輝(日本)

<バンタム級/5分2R>
上田祐起(日本)
福井竜郎(日本)

<フライ級/5分2R>
しゅんすけ(日本)
カーヴィ(日本)

<フェザー級/5分2R>
野口蒼太(日本)
鶴屋健人(日本)

<バンタム級/5分2R>
ルキヤ(日本)
上野滉太(日本)

<ライト級/5分2R>
磯嶋祥蔵(日本)
友實竜也(日本)

<フライ級/5分1R>
藤原浩太(日本)
小早川大地(日本)

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【Gladiator027】目標はRIZIN──も、竹中大地「今は竹本選手に勝つことだけに意識を集中させています」

【写真】理路整然としている。そこが竹中のMMAにも通じている (C)SHOJIRO KAMEIKE

7日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGladiator027で、竹中大地が同バンタム級王者の竹本啓哉に挑む。
Text by Shojiro Kameike

ONEとの契約を終え、2023年に国内復帰を果たした竹中。7月に古巣の修斗で藤井伸樹を下すと、続いて12月にはグラジエイターでテムーレン・アギルマーに勝利した。その後RIZIN出場の噂もあった竹中が、ここで再びグラジのケージに足を踏み入れる理由とは?


――昨年12月にテムーレンを下して以来、7カ月振りの試合を迎えます。もともとRIZIN出場を掲げていましたが、この期間はRIZINと交渉していたのでしょうか。

「まず3月のRIZIN神戸大会の出場を目指して、オファーを待っている状態でした。実際、間に人を介して、RIZINに対してアクションを起こしていました。2人ぐらい対戦相手も上がったのですが、結局は決まらなかったです」

――現在、竹中選手が最も希望するのはRIZIN出場なのですね。

「今の自分が一番見ている先はRIZINです。それは決して思いつきではなく――今、国内のバンタム級はRIZINに選手が集まっていますし、自分がパフォーマンスを出せる間にRIZINで勝負させてほしいと思っています」

――そこで今回、どのような経緯でグラジに出場することになったのですか。

「まずRIZINも3月の神戸大会は試合が決まりませんでした。そのあと6月と7月も難しく、もし組まれるとしても秋ごろじゃないか、と……。自分としては、そこまで試合間隔を空けたくないので、7月には試合をしたいと思っていたんです。ちょうどその時にグラジエイターから『7月大会に出てほしい』というオファーがあり、こちらもお願いしました。

正直言って、本当にRIZINで試合が組まれるのであれば、それまで待ってもいいという気持ちでした。でも『秋ごろじゃないか』というのも、確実な話ではなくて。待った結果、もし秋にも試合が組まれなかったら、どんどん試合間隔が空いてしまいますからね。やっぱり僕もファイターなので、とにかく試合をしないと。いろいろ考えた結果、『7月に試合せななぁ』と思ったんです。それでグラジから『出てほしい』と言われたのは嬉しかったですね」

――昨年9月、グラジのケージに入り参戦発表を行いました。あの時点でグラジに継続参戦することは考えていましたか。

「半々、ですね。12月にグラジで戦い、RIZINに出られたら――と。2024年の動きは、12月の試合次第やと思っていました」

――今回対戦する竹本選手は竹中選手の参戦が決まり、続いて上久保周哉選手もグラジに出る話を耳にした時、仕事を辞めたことをご存じですか。

「えっ!? どういうことですか」

――「この2人がグラジに来るなら、もっと格闘技に集中しないといけない」と思ったそうです。

「僕のテムーレン戦を観て、そう思ったということですか?」

――いえ、参戦発表で竹中選手が入場してきた瞬間に、そう思ったとインタビューで話していました。

「すみません、そのインタビューを読んでいなくて……。でもそれは本当に嬉しいです。竹本選手が僕のことを、そんなに評価してくれているなんて」

――「2024年の動きは、12月の試合次第やと思っていた」ということですが、では12月のテムーレン戦の内容については、どう考えていますか。

「結果はフィニッシュでしたけど、テムーレンのポテンシャルをケージの中で感じた試合でした。テムーレンは攻撃の一つひとつに力があると感じましたね。僕としては内容的にもっと圧倒したかったです。見ている人も一瞬『竹中、大丈夫か?』と思ったでしょうし。自分としては、本当はもっと圧倒できたなと思います」

――昨年7月の藤井戦も、予想以上に竹中選手が苦戦しているような場面もありました。藤井戦とテムーレン戦は、何かまだギアが上がっていないような……。

「あぁ、それはあります。特に藤井戦は試合自体が、だいぶ久々で。しかも藤井選手が相手というのも急に決まったので、仕上がりという面では不安定な部分もありました。この2戦を経て、今はだいぶ良い感じになってきていますね。試合感覚はバッチリ取り戻せています」

――藤井戦とテムーレン戦を経て、何か新しく取り組んでいることはありますか。

「新しいことというか、竹本戦が決まってからはチアゴ・ハタダさんとマンツーマンで柔術の練習をさせてもらっています。チアゴさんは堺市でアルティメット柔術というジムを開いている方で、メチャクチャ強いんですよ」

――それはギの練習をしているということですか。

「グラップリングですね。チアゴさんもMMAをやりたいということで、MMAグローブを着けたスパーリングもやっています」

――改めて柔術家とグラップリングの練習をして気づいたことはありますか。

「気づいたこと……、難しいですね。でもMMAでしっかりやってきたおかげで、寝技専門の人と寝技の練習をしていても対応できる部分がある。もちろん自分がやられることもあるけど、自信になることも多くて。

細かいことは言えないけど、練習の中ではできることも増えています。それと精度が高まっていますね。足の位置、クラッチの位置とか自分の中で技術が整理されていて、今が一番良い状態なんですよ。ずっとMMAグラップリングの練習をしてきて、竹本選手との試合が決まってから寝技の部分を改めて確認しているような感じです」

――それだけ竹本選手の印象=グラップリングということになりますか。

「グラップリングも強いけど、打撃の距離のコントロールも巧いですよね。それとテムーレン戦を見ると、ガッツある試合ができる選手で。あの試合は僕も会場で観ていて『あの展開で最後まで諦めず、攻め切った!』と思いました」

――竹本選手はテムーレンとギリギリの勝負を展開して判定勝ち。対して竹中選手はテムーレンをフィニッシュしているという点は、次の試合に向けて自信になりますか。

「どうですかね? 僕と竹本選手ではタイプも違うので――MMAを長くやっていたら、そこは関係ないって分かると思いますよ」

――やはりそうなのですね。竹本選手も今回の試合に向けたインタビューで、「格闘技で三段論法は通用しない」と言っていました。

「まさに、僕もそう思います」

――今回は竹本選手が持つベルトに竹中選手が挑む形となります。グラジのベルトを巻くことに対する意識はいかがですか。

「グラジに限らず、今は特にベルトは意識していないです。最初に今回のオファーを頂いた時も、ベルトが賭かっているかどうかも気にしていなくて。タイトルマッチであろうと、そうでなかろうと、竹本選手とは戦う。強い選手に勝てば、ベルトは後から付いてくるものだと考えています。

今は自分の中に『ベルトのために試合をする』という気持ちはないです。やっぱりファイターであるかぎり、強い相手や条件のほうが重要で。RIZINを目指す中で、グラジを軸に戦いたいと思っています。テムーレン戦も良い条件のオファーを貰いましたし、これからはRIZINとグラジで良いキャリアを積んでいけるんちゃうかな、と思っています」

――竹中選手としてはここで竹本選手に勝ち、年内にはRIZINに出場するのがベストなスケジュールでしょうか。

「いえ、竹本選手との試合が決まってからは、今後のことは考えていないようにしています。自分の中で『今後のことは喋りたくない』と言い聞かせているんですよ。今はただ7月7日、竹本選手に勝つことだけに意識を集中させています」

■視聴方法(予定)
7月7日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■GLADIATOR027対戦カード

<Gladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 竹本啓哉(日本)
[挑戦者] 竹中大地(日本)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定T準々決勝/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
中川晧貴(日本)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準々決勝/5分3R>
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)
アドニス・セビジェーノ(フィリピン)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定Tリザーブ戦/5分3R>
ハンセン玲雄(日本)
パク・サンヒョン(韓国)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定Tリザーブ戦/5分3R>
水野翔(日本)
田口翔太(日本)

<フライ級/5分3R>
オトゴンバートル・ボルドバートル(モンゴル)
和田教良(日本)

<バンタム級/5分2R>
藤原克也(日本)
土本暉弘(日本)

<81キロ契約/5分2R>
森井翼(日本)
織田ジュラシック(日本)

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
澤田政輝(日本)

<バンタム級/5分2R>
上田祐起(日本)
福井竜郎(日本)

<フライ級/5分2R>
しゅんすけ(日本)
カーヴィ(日本)

<フェザー級/5分2R>
野口蒼太(日本)
鶴屋健人(日本)

<バンタム級/5分2R>
ルキヤ(日本)
上野滉太(日本)

<ライト級/5分2R>
磯嶋祥蔵(日本)
友實竜也(日本)

<フライ級/5分1R>
藤原浩太(日本)
小早川大地(日本)

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【Gladiator027】竹竹決戦of MMA。竹本啓哉に竹中大地が挑戦。漢気=和田教良は、オトゴンバートルと

【写真】これは──燃えているのは、竹本だろう(C)MMAPLANET

11日(火)、GLADIATORより7月7日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGladiator027で、竹中大地が竹本啓哉の持つGladiatorバンタム級王座に挑戦する選手権試合とオトゴンバートル・ボルドバートル×和田教良のフライ級戦が組まれることを発表した。

竹中大地は2018年に修斗からONEに戦いの舞台を移し、アジアを舞台に戦ってきたが、昨年よりRIZINを目指し日本で戦うようになっていた。7月に修斗で藤井伸樹に勝利し、12月にグラジに初参戦し前バンタム級王者テムーレン・アルギルマーと対戦すると、左ミドルを効かせてから組みついて──1R4分27秒にRNCで一本勝ちしている。


試合後にケージのなかで宣言していたようにRIZINとの交渉を続けていたが、3月のLandmark=神戸大会で正式発表こそなかったが、ジャパン・メジャーでの試合が決まっていたものの対戦相手の負傷で幻のRIZIN参戦となっていた。その後、RIZINが東京でビッグショーが続き、試合機会は巡ってこないという判断をした竹中陣営はグラジ再出場を決め、バンタム級王座に挑むこととなった。

チャンピオン竹本は昨年9月にテムーレンとの接戦を制し、自らの減量失敗で手放したベルトを2年振りに奪回。今年の2月にはGladiator Challenger Series01で竹内稔との竹竹対決でProgressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦を戦うもアナコンダチョークで一本負けを喫していた。

前回の5月大会でタイのデッチプールを横三角絞めで仕留めた竹本は、「RIZINや海外大会へのステップアップ」を宣言していた。この言葉こそ、竹本が強い選手との対戦を求めている表れとリリースに記されていたが、関係者に確認を取るとまさに二つ返事で、MMAのベルトを賭けた竹竹決戦を了承したという。

10年以上前のデビューから間もないころにパンクラス出場があったが、その後はGrandslam~HEAT~TTF Challenge~GLADIATOR~NEXUS~GRACHANで戦ってきた竹本にとって、修斗・パンクラス・DEEPでベルトを巻いた選手との対戦こそ、自らの存在を証明するために求めてきた一戦に違いない。また竹中としても、ポスト超RIZINというべき秋からのRIZIN参戦に向け、ベルトを巻く以上に勝ち方でインパクトを残す必要性がある──勝負論と強者論が掛ったタイトル戦となる。

また5月大会から今大会に延期されていたGLADIATORフライ級王座決定トーナメント決勝=フライ級王座決定戦はNavEのヒザの負傷の経過が予定通りでなく、さらに延期されることが決まった。

グラジではオトコンバートルが2大会連続で試合機会を失うことを阻止すべき、ノンタイル戦での対戦相手を探し各方面に打診をしていたところ、和田が参戦を決めたという。和田はオトコンバートルやNavEと共に同トーナメントにエントリーしていたが、2月にチェ・ドンフンに三日月蹴りからパウンドアウトされ初戦敗退していた。その後チェ・ドンフンはRoad to UFCと契約し、1回戦で前回大会の準優勝であるチーニョーシーユエに勝利。オトゴンバートルは3月の準々決勝で久保健太を破った一戦で、そのチェ・ドンフンと共に同トーナメントで本命視されるようになっていた。

和田はチェ・ドンフンに続き、アジアを代表する若き実力者との対戦に向け、一度は「気持ちを創れない」と対戦を断ったという話も実は伝わっている。しかし、翌日には「断ったことを後悔しています。オトコンバートル選手の相手が確定していないようでしたら、対戦させて頂きたいです」と申し入れしたという。

和田の気持ちが揺らぐのは十分に理解できる。そんな自分を恥じるかのような決意こそ、下馬評を覆す要因になるだけでなく、その結果に如何なく彼の人生を構築していく決断となるだろう。そんな「負ける覚悟を持って勝ちに行く」和田の覚悟の言葉を含め、上記2試合に出場する選手がプレスリリースの寄せた言葉は、以下の通りだ。

竹本啓哉
「いつも応援・協力してくださる皆様、試合を組んでくださるGLADIATOR関係者の皆様、そして、竹中選手ありがとうございます。誇張抜きで今までで最高の対戦相手です。自分史上最高の状態で臨めるよう備えていきます」

竹中大地
「今凄く格闘技が楽しくてしょうがないです。心も体も調子が良いので、試合当日は最高のパフォーマンスができると思います。7月7日楽しみにしていてください」

オトゴンバートル・ボルドバートル
「3月大会が終わった直後から次の試合に向けて練習を重ねてきていますが、決勝戦が10月大会まで延期されたことは残念に思っています。しかし、GLADIATORが7月大会でワンマッチを組んでくれたのでとても感謝しています。また和田選手も試合を受けてくれてありがとうございます。7月7日は良い試合になるよう頑張ります」

和田教良
「かなり強い相手。下馬評を覆せるよう負ける覚悟を持って勝ちに行きます!! 応援よろしくお願いします!」

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【Road to UFC2024Ep03】前回準優勝者と対戦、チェ・ドンフン「ゲンを担いで鶴屋怜選手と同じ髪型に」

【写真】おちょくっているのかという表現の言葉ですが、チェ・ドンフンは本気でゲンも担ごうとしていた。ただし、鶴屋怜の髪型にはなっていないような……(C)MMAPLANET

18日(土・現地時間)&19日(日・同)に中国は上海のUFC PIで開催されるRoad to UFC2024。2日間で4エピソードが実施されるアジア発、世界最高峰への道──その2日目、エピソード03で韓国のチェ・ドンフンが前回の準優勝のチーニョーシーユエと戦う。
Text by Manabu Takashima

昨年12月にGLADIATORに初来日したDouble FGFフライ級王者は久保健太、そして2月にはフライ級王座決定Tに出場した和田教良と2試合連続KO勝ちし、同トーナメント本命と目されていた。

そんな日本でもジワリと実力者ぶりが浸透し始めていたチェ・ドンフンは、トーナメント離脱からRoad to UFCを経てUFCファイターになることを日本のファンに誓う。


──Road to UFCに向け1カ月を切りました。どのような気持ちで日々を過ごしていますか(※取材は4月27日に行われた)。

「相手も決まっていますが、そこは気にしないようにして自分のやるべきことを続けています」

――2月にGLADIATORフライ級王座決定トーナメント準々決勝で勝利し、その後Road to UFCから声がかかりました。その時はどのような気持ちでしたか。

「Road to UFCからオファーがあった時は、自分が出て良いのかと……。GLADIATORのフライ級トーナメント中だったので、申し訳ないという気持ちがありました。実際、3月3日の他の準決勝もチェックしていましたし。

あの時点では、そのままトーナメントに出続けてGLADIATORのチャンピオンになれる自信がありました。準決勝はNavE選手と戦うことになっていましたが、ベルトを取り逃したなという想いもあります」

――本命チェ・ドンフンという見方から、3月3日にはオトゴンバートル・ボルドバートルが一気に対抗馬に浮上していました。

「強い選手ですね。残った選手のなかで、一番強いと思いました。ただMMAというスポーツは相性というモノがあります。そういう部分で、自分は彼には分があるなと思っていました。本気でベルトを狙っていた分、GLADIATORの皆さんに申し訳ない気持ちでした。

ただRoad to UFCからオファーがあったことに対し、自分を日本で戦わせてくれた長谷川(賢)さんが引き留めることは一切なく『おめでとう。絶対に優勝して』と言ってくれて。もう感謝しかないです。それから、ずっと平常心を保つようにしています。

何よりGLADIATORの2試合は対戦相手のレベルがどうこうでなく、海外で試合をして勝つことができたことが大きかったです。Road to UFCの前に海外で戦えたことは大きな経験になっています。加えて2試合ともフィニッシュできたことで、自分の殻を破ることができたと思います。フィニッシュ能力がある――自分のなかにある野生を呼び起こすことができました」

――そんなドンフン選手のRoad to UFCの戦いが始まります。ドンフン選手はチームMADポハンに所属していますが、より選手層の厚いチームMAD本部――プサンに練習に行くことはないのでしょうか。

「普段はポハンだけで練習していますが、今週末にプサンに練習に行きます。自分が重要視しているのは対策練習で、それ以外のフィジカル等は自分でプログラミングをしてやっています。なのでポハンでの練習で十分なのですが、1カ月も切っているのでハードなスパーリングではなくて、色々なタイプの選手と手合わせをしたくて本部に顔を出すことにしました」

――なるほどです。今回は韓国、日本、インド、インド系英国人、そして中国人とフィリピン人が2人の参加です。バランス的にみて、なぜ日本や韓国人選手は2人でないのか。中国人を勝たせたいという空気を感じるのですが……。そのなかでドンフン選手はチーニョーシーユエという前回の準優勝者と戦います。

「自分もなんとなくUFCは韓国人に勝たせたくないのかなという想いはしています(笑)。そのなかで前回の準優勝者と戦うことに不安もありました。ただ試合映像を視て、研究をすると『勝てるな』と思えるようになっています。

あの選手はサウスポーの戦い方に頼りすぎています。自分の方が引き出しも多いですし、必ず勝てます。まぁ、カモですよ(笑)」

――押忍。力強い言葉です。チーニョーシーユエは鶴屋怜選手が完勝した相手でもあるので、比較をされるかと思います。

「実は鶴屋怜選手が完勝したので、ゲンを担いで今は彼と同じ髪型にしたんです(笑)。そういうところまで含めて、精一杯戦います。自分は絶対にUFCファイターになります。中国人になるのか、インド人になるのか――どんな強い選手がいるかも分からないですが、日ごろの練習の成果を発揮して一掃します。期待してください」

――では改めてRoad to UFCへの意気込みを日本のファンに向けてお願いします。

「いつも暖かく応援してくれる日本のファンの皆さんには、感謝しかないです。自分はRoad to UFCで優勝します。絶対に皆さんを失望させない試合をします」

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【Gladiator026】スンチョル負傷&ドンフンは……。フライ級王座決定T決勝でNavE×オトゴンバートル

【写真】それぞれの理由で韓国勢が離脱し、モンゴル×日本の決勝となったフライ級王座決定戦 (C)MMAPLANET

26日(火)、GLADIATORより5月5日(日)に大阪府豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR026でフライ級王座決定トーナメント決勝=フライ級王座決定戦が、NavEとオトゴンバートル・ボルドバートルの間で組まれることが発表された。
Text by Manabu Takashima

2月のGLADIATOR CHALLENGER SERIES01でチェ・ドンフンが和田教良を三日月蹴りからパウンドアウト。今月3日のGLADIATOR025でイ・スンチョルがツェルマー・オトゴンバヤルを、オトゴンバートルが久保健太を、NavEが藤沢彰博を下していた。


当初、準決勝2試合はイ・スンチョル×オトゴンバートル、チェ・ドンフン×NavEを組む方向であったがGLADIATORの発表によると、まずイ・スンチョルが大会終了直後に肩を負傷し5月大会出場は無理だという話があったそうだ。

ここで準々決勝出場選手から、もしくは新たにオトゴンバートルと準決勝で戦う選手を選ぶことにしたところで、チェ・ドンフンから「他のプロモーションからオファーがあり、そこで戦ってきたいという申し出があり、快く送り出すことになった」ことがリリースで記されている。

同リリースではチェ・ドンフンが戦うことになるプロモーションに関しては、他団体で正式発表がないことから、イベント名等の明言は避けられている。とはいえ、ここはRoad to UFCであることは間違いないだろう。GLADIATOR025前にイ・スンチョルはRoad to UFCからオファーを受けていたが、自らのフィジカル面を鑑みて――絶対に優勝するために――今年の参戦を見送っていたという話も聞かれていた。

この時点でチェ・ドンフンにリストに入っていないことも関係者の話から明らかだったが、イ・スンチョルとチェ・ドンフンはともにイリディウムのマネージメントを受けているファイターだ。イ・スンチョルの辞退を受け、彼らがチェ・ドンフンにその枠を与えたことは想像に難くない。

いずれにせよ、チェ・ドンフンはGLADIATORから離脱し、イ・スンチョルは負傷が癒えると戻ってくることになる。王座決定トーナメントで旋風を巻き起こしていたといっても過言でく本命=チェ・ドンフン、対抗=イ・スンチョルと見られていただけに両者の欠場は残念だ。

しかし、両者が抜けることで決勝をNavEと戦うこととなったオトゴンバートルは3日の久保戦のパフォーマンスで、一気にチェ・ドンフンの対抗馬と見られるようになっていたファイターだ。

準々決勝ではレスリング出身ながら、ほぼ打撃一辺の試合で久保を下したオトゴンバートル。右ミドル、右ローを蹴っておいて――その右を見せての左ハイの二段蹴りでダウンを奪ったシーンは、彼の非凡さを象徴していたシーンだ。師ジャダンバ・ナラントンガラグの「モンゴルに相手がいない」と言葉も頷けるキャリア2戦の新鋭といえるだろう。

対してNavEは、オトゴンバートルの練習仲間であるニャムジャルガル・トゥメンデムベレルに7秒で敗れ、同王座から陥落した過去があるだけに、このモンゴルの新鋭を相手に落とし前をつけたいことは絶対だろう。そのNavEと戦うことで、オトゴンバートルの未知数の部分か可視化できるという楽しみな王座決定トーナメントとなる。

以下、同リリースに寄せられた王座決定戦出場2選手と、トーナメント離脱となった2選手のコメントだ。

NavE
「次戦は、間接的にモンゴル人へのリベンジマッチと聞き心が燃えました! この燃えている熱い気持ちをグッと抑えて、今回もGLADIATORのケージ、そして強豪モンゴル人とのファイトを全力で楽しみたいと思います! 勝敗はどうでもいいです! 楽しんだ先に素晴らしい景色が待っていると思います! 自分のキャリアも終盤が見えてきていると思うので、この試合が決まった瞬間のワクワク感…計量日までの減量や試合へ向けたトレーニング…そして試合当日の熱いファイト! 試合直前におこるアクシデント…(笑)。今回もこれら全て全力で楽しむ事に注力します! ただの田舎のサラリーマンだった自分の人生を変えてくれた「格闘技」に感謝!  格闘技ライフ最高です! 押忍!!」

オトゴンバートル・ボルドバートル
「今回、GLADIATORフライ級王座決定トーナメントの準決勝が無くなってしまい、いきなり決勝戦で戦うことになりましたが、素直にとても嬉しいです。相手のNavE選手は元フライ級チャンピオンで、経験豊富な、組みの強い選手という印象を持っています。NavE選手、お互いに頑張りましょう。5月5日、ケージでお会いしましょう」

チェ・ドンフン
「チームMAD浦項所属、チェ・ドンフンです。今回、GLADIATORフライ級王座決定トーナメントの途中ですが、私の試合を見た他の団体から良いオファーがあり、受ける事を決意致しました。よって、非常に申し訳ございませんが、フライ級のトーナメントには出場が出来なくなりました。素晴らしい機会を下さったGLADIATORの関係者の皆さまとファンの方々には申し訳ないと当時に感謝の気持ちを伝えたいと思います。他の団体に行ってもGLADIATORでの貴重な経験を活かして、頑張る自分をお見せ致しますのでますので応援宜しくお願い致します。向こうでも暴れてきます。本当にありがとうございました! 」

イ・スンチョル
「こんにちは、DKジム所属イ・スンチョルです。3月3日のGLADIATORの試合で肩を負傷してしまいました。現在、肩の回旋筋腱板を少し損傷した状態です。この負傷で5月に予定されていたフライ級トーナメント準決勝に向けて練習ができない状況になってしまいました。5月には戦うことが難しいです。今回、自分の試合に期待して下さった方々も多く、GLADIATORから素晴らしいチャンスを頂いたにも関わらず、怪我で試合ができない状態になってしまい本当に申し訳無い限りです。しっかりと回復して、次の試合はもっと華のあるファイトをしますので、その時まで少し時間を頂けると幸いです。もっと良い試合ができるよう頑張ります」


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【Gladiator025】フライ級王座決定T出場、イ・スンチョル「和田選手を一番警戒していた……」

【写真】試合中の方が、明らかに堂々としているイ・スンチョルです (C)MMAPLANET

3月3日(日)、大阪府豊中市の176boxで開催されるGLADIATOR025。同大会ではフライ級王座決定トーナメント準々決勝が3試合組まれている。
Text by Takashima Manabu

既に16日(金)のGLADIATOR CHALLENGER SERIES01でチェ・ドンフンが、和田教良を三日月蹴りからパウンドアウトに準決勝進出を決めている。そのチェ・ドンフンと同じ韓国からベルトを狙って参戦するのが、イ・スンチョルだ。

モンゴルのツェルマー・オトゴンバヤルとの一戦を前に、イ・スンチョルに自信のほどを尋ねると「自分が一番弱いという気持ちで戦う」という言葉とは裏腹に、決勝戦について言及する一幕が見られた。


──3月3日、GLADIATORフライ級王座決定トーナメント準決勝でツェルマー・オトゴンバヤルと戦います。このオファーを受けた時、どのように思いましたか。

「タイトルが掛かったトーナメントなので、少しナーバスになりました。でも、ここで勝てばタイトルに近づけるトーナメントを戦うことができ誇りに思います。同時にコンディション的に自分は減量を余りしないので問題はないのですが、モンゴルの選手は生まれながらパワフルで体力があるので、そこに不安を感じないことはないのです。でも、しっかりと対策をしています」

──昨年12月にGLADIATOR初戦で澤田政輝選手をKO、日本での戦いは如何でしたか。

「初めて海外の試合だったので、緊張していました。でもホテルも綺麗で、朝食が凄く美味しくて良い思い出になっています(笑)。試合当日の流れは韓国と変わらなく、運よく、ケガをすることもなく楽勝できたので良かったです。とにかく選手への待遇が良かったので、有名選手になったような気持ちになりました。

次の試合は2度目のGLADIATORでの試合になりますし、本当に良くしてもらったので日本で戦うことへの不安は一切ないです。ただ先ほども言いましたが、相手の選手は大きいのでそこはしっかりと準備しないといけないです」

──その大きなオトゴンバヤル選手の印象を改めて、お願いします。

「フィジカルの強さを利用して、テイクダウンからコントロールするタイプですね。打撃は力づくで粗いです。そこに隙はあるかと思います」

──オトゴンバヤル選手は「イ・スンチョル選手は打撃でガンガン来る選手なので、戦いやすい」と言っていました。

「自分も打撃には自信があります。作戦も、打撃中心で戦うというものです。打撃戦を戦いやすいというなら、こっちのモノです。負けないです。これまで6試合全てフィニッシュしているので、次の試合もそうですが、このトーナメントの3試合全てでフィニッシュ勝利します」

──今回のトーナメント、既にチェ・ドンフンが初戦を突破していますが、一番の強敵は誰になると考えていますか。

「一番気にしていたのは、和田選手でした。彼のようなファイトスタイルは、自分には合わないので警戒をしていました。その和田選手をチェ・ドンフン選手が倒してくれて、助かりました。ただもう一人のモンゴル人選手(オトゴンバートル・ボルドバートル)はレスリングのモンゴル代表としても活躍していたようですし、気を付けないといけないですね。他に経験値の高い日本人選手もいるし、このトーナメントでは自分が一番弱いという気持ちで臨みます。

それとチェ・ドンフン選手はあまりフィニッシュができる選手だと思っていなかったので、すが、今回の試合を見て積極的になり倒し切っていたので彼に対する印象は変わりました。ステップも良いし、攻撃的な一面も見せるようになっています。戦うことがあれば、しっかりと対策を練らないと厳しい試合になるという気持ちに変わりました」

──なるほど。チェ・ドンフン選手は決勝に上がってくるのはイ・スンチョル選手。決勝で戦って韓国の強さを見せたいと話していました。

「お世辞でなく、監督とも決勝はチェ・ドンフン選手になると話していました。彼が言っているように、良い勝負を決勝でしたいです」

──ではその前にオトゴンバヤル戦に向けて、意気込みをお願いします。

「モンゴルの選手はフィジカルが強いという印象でした。それでも打撃戦を望んでいるということを聞いて、嬉しいです。血まみれの打撃戦で、ファンに盛り上がって欲しいです」

■視聴方法(予定)
3月3日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

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【Gladiator CS01】ドンフン、三日月蹴り→パウンドで2RTKO勝利。フライ級王座決定T準決勝へ

【写真】ドンフンの打撃の思いきりの良さが目立った (C)MMAPLANET

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
チェ・ドンフン(韓国)
Def.2R0分5秒 by KO
和田教良(日本)

サウスポーのドンフンに対し、和田が右ストレート。ドンフンは左ミドル、和田も右ミドルを蹴る。ドンフンが左ストレートから組みに行く。ここは距離を取られるドンフンだったが、続く左ストレートでダウンを奪ってハーフガードでトップキープする。和田もフルガードに戻し、足関節を狙いつつ、下からかかと落としを蹴る。

ドンフンは再びハーフガードで上になってトップキープし、和田が足を戻して立ち上がると、ドンフンは立ち際に右ハイキック。グラウンドか微妙なタイミングだったが試合は続行となり、そのままドンフンがハーフガードでトップキープする。ドンフンはこつこつボディにパンチを入れ、顔面に鉄槌も落とす。残り20秒で和田がフルガードに戻し、ドンフンが立ち上がったところでブレイクとなる。再開後、ドンフンが三日月蹴り気味の左ミドルを蹴った。

2R開始直後、ドンフンの左の三日月蹴りが和田のボディを捉える。シングルレッグに入る和田だったが、そのまま亀になってしまい、ドンフンがパンチを連打。レフェリーが試合を止めた。試合後、ドンフンは「自分の技術をアップデートして、次の試合に向けて備えたいと思います」と謙虚に語り、練習仲間やスポンサーに感謝の言葉を述べた。


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【Gladiator CS01】河名マストの挑戦を受けるパン・ジェヒョク「仮面を被っています。もっと危ないヤツ」

【写真】嫌われているのか──と思うほど、無口なパン・ジェヒョク。まさにKorean Quiet Warrior (C)MMAPLANET

本日16日(金)、GLADIATORの新しい試みGLADIATOR CHALLENGER SERIES01「Bang vs Kawana Ⅱ」が開催される。無観客&配信に特化した大会のメインでGLADIATORフライ級王者パン・ジェヒョクが、河名マストの挑戦を受ける。
Text by Manabu Takashima

昨年6月に一度は倒した相手の挑戦を受けるチャンピオンが、自身がどこで、どのような環境で戦うのかをしっかりと見極めていた。そこがパン・ジェヒョクというファイターのクレバーさ。直径7メートルから6.15メートルになる今回の戦いは、アウトストライカー&ディフェンシブレスラーの彼をどのように変えるのか。その言葉から探ってみたい。


──2月16日、河名選手の挑戦を受けて初防戦を行うことが決まりました。このオファーが届いた時は、どのような気持ちでしたか(※取材は1月18日に行われた)。

「9月にチャンピオンになった後、2カ月後から試合をしたいと思っていましたが、この時期に試合ができることはちょうど良いと思いました。個人的には同じ相手と戦うことは好きではないですが、GLADIATORは河名選手をプッシュしているんだなと思いました」

──つまり河名選手のための選手権試合だと?

「そこまでは思わないですけど、河名選手はGLADIATORでたくさん戦っていますし団体が彼を認めているんだなと」

──河名選手もそうですが、この時期にベルトが欲しいと思っている日本人選手の多くがRoad to UFCを狙っています。ベルトを巻いているパン・ジェヒョク選手は今後のキャリアをどのように考えているのでしょうか。

「RIZINで戦いたいと思っていますが、実現していません。当然Road to UFCやUFCという話があれば良いですし、GLADIATORのタイトルホルダーとして他の団体に挑戦したい気持ちです」

──そのためにも大切な初防衛戦となりますが、改めて河名選手の印象を教えていただけますか。

「前に戦った選手はワンディメンションなレスラーでしたが、それからどんどん打撃が上手くなってウェルラウンダーになっていると思います」

──河名選手はパン・ジェヒョク選手に対して、前回の試合後に腰が柔らかくてテイクダウン防御力が高い。苦手なタイプの選手だと言っていました。

「しっかりと自分のことを評価してもらって、感謝します。パンクラスでもワンディメンションな透暉鷹選手と戦った時も、自分をテイクダウンするのに苦労していました。あの時も圧を掛けて、彼を苦しめることができました。自分自身でも、レスリングはそこそこできると思っています」

──ところで河名選手の12月の試合もチェックされたと思いますが、どのような感想を持ちましたか。

「9月のユン・ダウォン戦を見ても、パンチにパワーを乗せることができるようになってきたと思います。12月のチハヤフル・ズッキーニョス戦は打撃を自信を持っているように感じました。ただ彼が打撃を怖がらなくなっているのであれば、打撃戦にも応じてくるでしょう。そうなると、カウンターを決める場面も増えますね」

──やはりパン・ジェヒョク戦の打撃は、カウンターが一番の武器だと。

「自分の打撃は2つの武器があります。カウンターと、プレッシャーをかけて攻め続けること。この2つの攻撃パターンで攻めようと思います」

──パン・ジェヒョク選手の打撃の圧。河名選手のレスリングの圧。そこが鍵を握りそうなファイトです。

「河名選手が打撃戦が構わなくなっているように、自分もレスリングになっても大丈夫だと思えるだけ練習をしています。次の試合では防御だけでなく、攻めるレスリングを見せることができると思います。それだけ練習してきましたし、だからこそ打撃、レスリングだけでなく柔術も含め全局面で戦えるので河名選手もしっかりと気を付けて戦うことをおススメします」

──今回、無観客での試合になりますが、そのような環境をどのように思っていますか。

「またパンクラスの時の話になってしまいますが、背が高い選手と戦った時(亀井晨介戦)に自分のヒットには会場は静かなままで、相手の拳が届いただけで大きな声援が挙がっていました。あの環境は審判の判断を誤らせると思います。だから無観客は自分にとって有利に働くと思います。

それにジムで練習している時のような楽な気持ちで戦えるんじゃないかと思って、楽しみにしています。ケージが少し小さくなることもポジティブに考えています。本来は広さを使ったファイトを得意としていますが、ケージが小さくなるなら、それだけ圧力がかけやすくなるのでインファイトもしやすくなりますね」

──ところで、自分が韓国人選手をインタビューした時には『男として──』という様な威勢の良い言葉が聞かれることが多いのですが、パン・ジェヒョク選手はいつも本当に落ち着いた返答ですね。

「まだ仮面を被っています(笑)。本当はもっと危ないヤツだと思いますが、試合前は冷静でいたいです。それに日本のファンの人達も、そういうキャラは望んでいないと思います。ファンの皆さんの志向に合わせています(微笑)」

■視聴方法(予定)
2月16日(金)
午後6時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■ Gladiator CS01計量結果

<Gladiatorフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者]パン・ジェヒョク:65.75キロ
[挑戦者]河名マスト:65.65キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング・フェザー級王座決定戦/5分3R>
竹本啓哉:65.8キロ
竹内稔:65.4キロ

<ミドル級/5分3R>
三上ヘンリー大智:84.2キロ
アン・ジェヨン:84.1キロ

<Progressフォークスタイルグラップリング88キロ契約/5分2R>
グラント・ボクダノフ:84.0キロ
大嶋聡承:86.0キロ

<Gladiatorフライ級王座決定T準々決勝/5分3R>
和田教良:57.0キロ
チェ・ドンフン:56.6キロ

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