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【UAEW34】砂漠のMMA=UAE Warriors参戦、吉野光「この試合は僕にとってコンテンダーシリーズ」

【写真】宿泊するホテルの前で。本当に充実している様子だ(C)SEIGO YAMAMOTO

20日(木・現地時間)にUAEはアルジャジーラ・スポーツクラブで開催されるUAE Warriors34でジャマル・ラステムと対戦する吉野光。10日前のオファー、対戦相手の負傷から試合前で1週間を切っての正式決定からの離日と、アブダビ入り。

吉野に怒涛の日々を振り返ってもらい、この試合に挑む意気込みと意義を尋ねた。


──吉野選手、まず今の気持ちを教えてください。

「もう、体重を落として戦うだけです。ワクワクしています。こういう厳しい環境で戦うことで、自分の意志が試されるので」

──10日前に正式オファーが最初にあったということですが、それ以前にUAEWで戦うという話はあったのでしょうか。

「あるかもしれないということは聞いていて、でもそこから連絡がなかったのでもう8割いや9割……う~ん、10日になった時点でもう受ける相手もいないだろうし、試合は無いという気持ちでいました。でも、ちょっと不摂生して太り気味だったのが、そのあるかもしれないということで体重を落としていたので、そのまま摂生し続けようと。僕自身は相手が決まれば、やるつもりでした。UAEWで戦うチャンスなんて滅多になくて、このチャンスを逃すと次はいつこういう機会に恵まれるのか分からないし。試合がなくて困っていたので」

──2月にRIZIN TRIGGERで勝利して以降、国内でオファーはなかったのでしょうか。

「なかったです。勝ったから次があるかなと思ったけど……残念でした。あっ、1度グラジエイターにという話はいただいたのですが、ちょうどその時に(山本)聖悟とRoad FCに出られるかもっていう話があったので、お断りさせてもらって。でも、結局Road FCの話もまとまらなかったです。

もともと海外で試合をしたいという気持ちあったのですが、その機会は巡ってこないですし。僕は海外で戦うことに憧れがあったので、ここはどんな状況でも試合があれば戦おうと思っていました」

──そして10日前のオファーを受けたけど、戦う予定だったサヴォイル・イマノフが負傷した(※それなのに何と、今大会に出場してカザフスタンのウラン・タマガバエフと戦う)という話が入った時は?

「もう絶対に試合はないと思いました。結局上手くいかんなぁ、神様が試合をするなって言っているんじゃないかという気持ちになりましたね。あの時点で、少し食べました(笑)。でも何があるか分からないと思って、試合があるかもという気持ちだけは持ち続けていました」

──結果、金曜日にジャマル・ラステムと戦うことが決まりました。

「航空券は送られてきていたのですが、もう完全に諦めているタイミングで連絡があったんです」

──試合まで1週間を切って、まだ決まらない時点で「もう無くて良い。あってもやりたくない」とは思わなかったですか。

「やっぱり、もしかしたらあるかもしれないという気持ちはありました。オファーがあったら『ノー』とは言わないという心を創って、練習も元立ちで練習を続けていました。そこで対戦相手が決まったと連絡がきたので、試合映像とか見る前に『やる』と答えました。

やっぱりUAEW、中東で戦うことは自分の希望でもあったので。UFCって簡単に行けるものじゃないし、ならそれ以外の大会……中東系で試合がしたかったです。UFCファイトウィークだし、UFCの関係者の目に留まるかもしれない。この試合は僕にとってコンテンダーシリーズだと思っています」

──おお、素晴らしい意気込みですね。では試合映像を視て、対戦相手の印象は?

「10日前に決まっていた相手はデカくて、実はやばいなって思っていました。だからあの相手と比べると、落ちるかなって。実際に強いか弱いかは戦ってみないと分からないのですが、少し気は楽になりました。バックドロップみたいな投げをたくさん使っていましたけど」

──グレコローマンレスラーでした。

「でも、そこは僕も得意な部分なので内股、払い腰で投げてやりたいです。テイクダウン勝負で、負ける気はしないです」

──気をつけないといけない点は?

「サイドバックで殴られること、それとマウントですね」

──確かにマウントを取るけど、バックコントロールまででバックグラブがなかったです。

「マウントで殴り続ける試合もありましたけど、相手が上久保(周哉)さん級でないとあそこで固められるということはないです。絶対にブリッジで返せると思います。バックキープが上手くないので、思い切り背中を見せて返せる自信はあるので。そこは安心しています」

──サウスポーで右は強かったですが。

「謎の強さですよね。そこだけ気を付けます。基本的には組みの展開になると思っています。どれぐらいの組み力か試したいですし」

──ハンドファイトで崩してヒザ蹴りという攻撃は嫌なだと思いました。

「さっきも言いましたが、組んでも負けないと思うし。そこで危ないと感じたら、打撃にシフトチェンジします」

──この試合で勝てば、どのような未来を描いていますか。

「また出たいです。UAEWだけでなく、強い選手が出ている海外の大会に出て結果を残す。そこでベルトを巻いて、UFCに行きたいです。でもUFCは現実味がないので、UAEWを含め海外の大会でベルトを巻いて、強いと思われる証が欲しいです」

──そのための一歩でもある今回の試合、どのように戦いたいですか。

「テイクダウンを取ってパウンドか極めて勝ちます。相手を削って、削って心を折って最後はフィニッシュする。そうイメージしています」

■視聴方法(予定)
10月20日(木・日本時間)
午後11時00分~UFC FIGHT PASS

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【UAEW34】吉野光がスクランブル発進、トルコの投神=6戦無敗のジャマル・ラステムと砂漠決戦!!

【写真】このチャレンジ、ぜひとも実を結んで欲しい(C)MMAPLANET

20日(木・現地時間)にUAEはアルジャジーラ・ファイトクラブで開催されるUAE Warriors34に吉野光の出場が決まり、トルコのジャマル・ラステムと対戦することが明らかとなっている。
Special Thanks to Mr.Grant Bogdanove

アブダビ・ファイトウィーク、UAEW34からUFC280「Oliveira vs Makhachev」、そしてRoad to UFCと日本人の中東での挑戦に吉野がスクランブル発進で加わった。

フィリッピ・ペレイラ×アザマット・カレフォフ戦という注目カードが組まれた同大会へのオファーは、吉野のマネージメントするガルナ・グループ経由で、10日前にフェザー級マッチとしてウスベキスタン人ファイターのサヴォイル・イマノフとの対戦で届いた。


2月のRIZIN TRIGGERの遠藤大翼戦に勝利後、国内外ともに試合出場に恵まれずファイトに飢えていた吉野は、イエスと即答してアブダビ行を待つことに。しかし、その日にうちにイマノフが負傷したという連絡を受け、試合まで1週間を切っても代役の連絡が入らなかった。事態が動いたのは金曜日、65キロ契約でジャマル・ラステムとのマッチアップが纏まり、吉野は本日16日に東京を発ち、12時間のフライトを経てアブダビに入る。

ラステムの戦績は6勝0敗、バンタム級からライト級の3階級で試合を行っているが、直近の試合はフェザー級で戦っている。そのラステム、吉野が所属するALMA FIGHT GYM LIFEの代表で言葉の面でサポートするグラント・ボクダノフによると、なぜか64キロに拘っていたそうだが、トルコからUAEと日本からUAEでは移動距離も時間も違うことで吉野陣営は65キロを譲らなかった。

ラステムは過去の試合映像を視る限り、サウスポーでグレコ的なレスリングが強く、ボディロックからのテイクダウンや後方への投げを得意としているファイターだ。

寝技ではマウントは取るが、バックグラブにはいかずバックコントロールから殴ることが多く、もう3年前のデビュー戦では倉本一真張りに何度も対戦相手のオルズ・ミルオエフをバックスープレックスで投げて戦意喪失に追い込んでいる。

他の試合ではダブルレッグでテイクダウンを奪われるシーンもあり、レスリングが上半身に特化しているか。打撃に関してはグレコの組みとヒザ蹴りの融合や、右でダウンを奪うなど相当にパワフルな選手だ。

もちろん吉野には天下御免の小内刈り、下になってもロシア人やブラジル人を彷彿させるブリッジ返し=吉野返しがテッポウ返しがある。腕っぷしも強いラステムを相手に、吉野の不安要素はパワフルさ故のスタミナ不足だ。

しかし、この点についてボクダノフは「前回の試合後から吉野は打撃も組み技も成長しており、水泳を始めたことで持久力もついている」と課題を克服したと太鼓判を押す。

月曜日に日付が変わる頃に現地入り、水曜日が計量で未知のトルコ人ファイターと木曜日に戦う。リスクを避けていては、世界では戦えない。Road to ONEもDEEPも、そしてRIZIN TRIGGERの勝利も次に繋がらなかった吉野がアブダビで大勝負に出る。

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【RTU ASIA2022】福岡から世界へ。野瀬翔平─02─「僕が優勝すると言う人は身内以外にいない」

【写真】師・弘中連佳と。「良い経験になる」という言葉は否定的に捉えられるかもしれない──が、なら国内で日本人同士で戦い続ければ良いのかということになる(C)MMAPLANET

いよいよ今週の9日(木・現地時間)と10日(金・同)に開催が迫ってきたRoad to UFC ASIA 2022。9日のEpisode04で元UFCファイター=ウリジブレンと戦う野瀬翔平インタビュー後編。

首都圏下、無料放送での試合から1年遠ざかってきた野瀬は、この間いかに成長しRoad to UFCに向かうのか。ダークホースと本人が断言するなかで、野瀬の心境を尋ねた。

<野瀬翔平インタビューPart.01はコチラから>


──相手に合わせないということですね。

「ハイ。いつも通りの自分を出せれば勝てると思います」

──外国人選手との戦いということを考えると、フィジカル負けをした吉野光選手との試合を思い出さないわけにはいかないです。

「あの試合があって、フィジカルを強化したということは特にないです。ただ3Rを動き続けることができるようにというトレーニングを増やしました。2R終盤から3Rにかけて僕がもう少し動くことができていればとにかくフィニッシュできたかもしれないし、もっとこっちのペースで動けたかもしれないので。僕がちょっと疲れてしまったのがあって。なので3R、15分を動き続けられるようにサーキットとかを増やしたというのはあります」

──ウリジブレンと吉野選手を比較すると……組んでみるまで分からないのですが、映像だと吉野選手の方が組み力というか切れは上ではないかと。

「あんな返され方は、練習で大きな選手とやっていてもされたことがないので(苦笑)。あのブリッジ返しは……。ただ、あの吉野選手のパワーが対戦相手が持っていないという想定はしないです。それ以上にあると考えて準備しています」

──それはそうですね。下らないことをいってすみませんでした。ところでトーナメント表が出ると、1回戦以降のことを考えざるを得ないかと。これが勝ってもう一度抽選で準決勝の組み合わせが決まるなら、ここだけに100パーセント集中できると思いますが。

「正直、僕は全く次のことは考えてないです。目の前の相手に勝たないと、次はないので。だからトーナメント表が発表されたことは全く関係ないです」

──なるほど。とはいえ準決勝にキム・ミンウが出てくると想定し、そこを乗り越えてなお、希望として日本人対決の決勝戦が残っています。この8人のメンツを見て野瀬選手自身、自分の力をどのように見極めていますか。

「正直、僕が優勝すると言ってくれる人は身内、本当に応援してくれる人以外いないと思います。ダークホースもダークホースで。本命ではないです。なのでひっくり返して、ビックリさせたいです」

──去年の7月の齋藤翼選手との試合以来、東京で戦っていないです。そしてHEATと闘裸男はツイキャス等の有料放送なので、それ以前の試合ほどファンが野瀬選手の試合を視聴できていないかと思います。この間、野瀬選手はどこが最も成長したと感じていますか。

「階級上の大きな選手を相手に、懐に潜りこめるように打撃の試合にも挑戦して(3月20日にRise West Zeroに出場し、1R1分59秒で勝利)、組みでの極め力もついてきていると思います。一番の成長は、試合前のメンタルですね。気持ちの持っていきかたが少しずつ分かってきて、その結果か連続でフィニッシュできています。心の持っていき方が分かってきたことが一番変わった点かと」

──インタビューでも以前より受け答ができるようになっています(笑)。

「ちょっと変わったかもしれないです(笑)。何がっていうのは、具体的は言えないですけど。試合に関しては、以前は気持ちが前に行き過ぎているのがあって……その辺りの自分を俯瞰して見えるようになりました。自分を抑えることができる自分がいて、ここはこんなモノでとバランスが取れるようになってきました」

──師匠として、弘中さんはこの間の成長をどのように捉えていますか。

弘中 ウチに入った時から精神的に脆いところがあったので。でも、今の若者は頭ごなしに言って育てることはできないです。実力がつくほどに気持ちの方も成長していけばと思ってきました。正直、自分も我慢しながら指導をしてきたというはあります(笑)。精神的な部分はまだまだ不完全ですけど、思っていたように成長しています。試合だけでなく、練習に臨む態度もどんどん変わってきました。

僕が持ちうる範囲の経験と知識のなかでやってきて、少しずつ結果として出てきていると感じています。そこは翔平とともに互いに納得しながらやってくることができていると思いますね。

──ポテンシャルは絶対的なモノがある野瀬選手でした。それが徐々に出てきたということですね。

弘中 動きに関しても教えたことがすぐにできるだけでなく、練習でも試合中でも発想力があります。その感覚は普通の選手とは全然違うモノで。修斗のデビュー戦の頃とか空回りしていましたけど、だんだんと試合でも極めるタイミングや閃きが出てきています。そこが正直、『おっ』と思わされるぐらいのレベルになっています。あとはUFCレベルになると、極め切れないときにどうやって戦うのか……ですね。

自分もUFC初戦のジョン・フィッチ戦(※2006年10月14日)で、三角絞めが極まらないのに仕掛け続けて疲れ果ててやられた苦い経験があります。

あの試合はずっと後悔していて、あの経験を踏まえて翔平には指導してきました。ただ、そういうのも自分で実際に体験しないと分からないところもあります。翔平はまだ若いですし、今回が海外で初めての試合です。自分としては勝てばそれで嬉しいですが、負けてもまだまだ強くなる。だから気負わず戦えという感じで考えています。

──国内で成長につながる国際戦が積めなくなって久しいです。

弘中 その通りです。ホントは修斗でチャンピオンになってからUFCを狙わせようと思っていました。でも、このタイミングでRoad to UFCに参戦できてシンガポールで戦う。凄く大きな財産になると考えています。とても良いタイミングです。

──という師匠の言葉を受けて、最後に意気込みの方を改めてお願いします。

「九州、福岡からでも世界と戦えることを証明するために優勝します。皆さんをビックリさせたいと思います」

■視聴方法(予定)
6月9日(木・日本時間)
午後3時30分~ABEMA格闘Ch

Episode01
午後3時30分~UFC FIGHT PASS
Episode02
午後6時30分~UFC FIGHT PASS

6月10日(金・日本時間)
午後3時30分~ABEMA格闘Ch

Episode03
午後3時30分~UFC FIGHT PASS
Episode01
午後6時30分~UFC FIGHT PASS

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode01対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
SASUKE(日本)
イー・チャア(中国)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
パラチン(中国)
キ・ウォンビン(韓国)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
風間敏臣(日本)
クルムアリ・マイマイティトゥハティ(中国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チェ・スングク(韓国)
ラマ・スパンディ(インドネシア)

<ライトヘビー級/5分3R>
チャン・ミンヤン(中国)
トゥコ・タクコス(ウクライナ)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode02対戦カード

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
シャオ・ロン(中国)
キム・ミンウ(韓国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
松嶋こよみ(日本)
ホン・ジュンヨン(韓国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
チウ・ルェン(中国)
ウォーレン・デルロサリオ(フィリピン)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
アイリヤ・ムラトベク(中国)
パワン・マーン・シン(インド)

<フライ級/5分3R>
ショーン・エチェル(豪州)
内田タケル(日本)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode03対戦カード

<Road to UFCフェザー級T準々決勝/5分3R>
シェ・ビン(中国)
イ・ジョンヨン(韓国)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
堀内佑馬(日本)
トップノイ・キウラム(タイ)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
アンシュル・ジュビリ(インド)
宇佐美正パトリック(日本)

<Road to UFCバンタム級準々決勝/5分3R>
中村倫也(日本)
ググン・グスマン(インドネシア)

<女子ストロー級/5分3R>
ソ・イェダム(韓国)
ジョセフィン・クヌトゥソン(スウェーデン)

■ROAD TO UFC AISA2022 Episode04対戦カード

<Road to UFCバンタム級T準々決勝/5分3R>
野瀬翔平(日本)
ウリジブレン(中国)

<Road to UFCライト級準々決勝/5分3R>
キム・ギョンピョ(韓国)
アスクルバイ(中国)

<Road to UFCフェザー級準々決勝/5分3R>
ルー・カイ(中国)
アンガ・ハンス(インドネシア)

<Road to UFCフライ級準々決勝/5分3R>
パク・ヒョンソン(韓国)
ジェレミア・シレガー(インドネシア)

<ウェルター級/5分3R>
ジョン・アダハー(フィリピン)
キム・ハンソル(韓国)

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EXFIGHT04 MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN TRIGGER02 Special ジェレミー・ケネディ 佐々木憂流迦 倉本一真 加藤ケンジ 吉野光 柏木信吾

【Special】月刊、柏木信吾のこの一番:2月:倉本一真✖加藤ケンジ―02―「ケージか、リングか」再び

【写真】RIZINにケージキングという新しい概念が生まれるのか (C)RIZIN FF

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、柏木信吾氏が選んだ2022年2月の一番。23日に行われたRIZIN TRIGGER02より、倉本一真✖加藤ケンジ戦からリングorケージ論に話は発展――。

果たして結論は出るのか……。

<月刊、大沢ケンジのこの一番:2月:倉本✖加藤Part.01はコチラから>


――吉野選手はパワフル大内刈りがまたも冴えていました。そういうケージ向きの選手、ケージの方が強い選手もRIZINならリングでも試合をします。そこが自分は引っかかるところなんです。クレーが得意だけど、グラスも出る以上に違いがあると思っているので。で、負けたときの敗因にリング使用がどうしても挙がってくる。

「う~ん、そういう風には言ってもらいたくはないですけど……ね。そうなると究極はやっぱりリング王者、ケージ王者になるので。そんな風に自分の考えがブレブレになっているのも、鬼のように強い倉本選手をケージで見たからなんですよね。

リングに出て行って、この戦い方がフルに出せないんだったらケージの絶対チャンピオンで良いんじゃないかなって」

――それ言ってしまって良いのですか。立場的に!!

「いや、言ってはダメなんですよ。でも、そう言わせてしまうくらいインパクトが残ったということなんです」

――倉本選手がRIZINルールin ケージでブラジル人やロシア人に勝てるかもという夢を見ることができます。

「そうです……そうですね。いずれにせよ、ケージを始めたことで自分のなかでも見方が増えましたし、間違いなく良い方向に物事は進んでいるんじゃないかと。ケージが良くて、リングが悪いというわけではなくて。

なんか色々なアイデアが浮かんできて、創る楽しみが増えたと思います」

――つまりTRIGGERはRIZINにとってパンドラの箱だった。

「開けちゃったじゃないですか(笑)」

――ケージを望む選手に、どのようなリングで戦う環境や利点を提供できるのか。そこが重要になってくるのかと。

「リングはリングで魅力があることは、僕は否定しないです。ケージの良さがあって、選手が求める声もあります。でもリングの良さを無視できるものではないです。

だから、ケージが良いと言っているけどリングでもやってみろよ――という問いかけを胸を張ってする――そういうリングMMAの大会を引き続き開いていきますし、究極の形はそこに『ケージのチャンピオン、上がってみろよ』ということですよね。そういうことだと思います。

ケージならではの攻防って絶対にありますし。メインでも佐々木憂流迦選手が、クレベルのギロチンを防いだ。アレはケージならでは攻防でした。リングだったら、そのまま背中をつけられているでしょうし」

――金網は第2のマットにできます。

「体に軸ができますからね」

――ただし、マットに背中をつけた攻防をジェネラルファンの望まないなら、壁の攻防なんて受け入れらえるわけがない。

「事実RIZINとしては動きのある試合を選手にしてほしい――という面で考えると、ケージで膠着が生まれているのは否めないと思います。ケージレスリングでのポジションの入れ替えなどを含めて。第2のマットとして使う選手はたくさんいますし。

そこにはリングにはない技術があり、その攻防が見どころなんですが、膠着してしまうのは事実だと思います」

――EXFIGHT04の川名マスト×狩野優戦ですが、1Rのケージ際の攻防で、まさにブレイクが入るかというところで、細かなヒザがあってことで和田レフェリーがブレイクを掛けなかった。

「ハイ、あそこでブレイクが掛かっていたら、あの後の攻防はなかったでしょうね」

――そこがあったことで2Rも3Rもすぐに壁レスでブレイクが掛かることがなかった。ならケージを使うなら、リングと同じタイミングでブレイクをするのは違うんじゃないかと思ってしまうんです。さきほど、柏木さんが言われた通り、そこに攻防があるのにスポイルすることになるわけですから。

「う~む……ちゃんとやっていますからね。そこにミリ単位の攻防があるわけで。ただし、その攻防は分かりづらいというのも事実です」

――ならケージでなくても構わないのではないでしょうか。一生懸命やった結果、押し込んだ。でも、見た目は動いていないからブレイクになるようだと、押し込まれた方も動いて離れるとかせずに、ブレイク待ちになります。

「いや、そこでジェレミー・ケネディのようなケージの攻防が見られるかということですよね」

――ハイ。とはいえ打撃もマクレガーの打撃が見られるわけではないです。それは技術力の差ではなく、打撃と組み技の特性の違い。だからケージ特有の攻防を除外したケージなら、それは見た目の違い、セットの違いだけになってしまいます。

「そこが難しいところなんですよね、ケージの。あの攻防を理解してもらえるかどうか」

――ケージは面白くない。そういう攻防で勝ってもお客さんは喜ばない。だからリングなんだというのは、自分も理解できます。お客さんが受け入れないなら成立しないですし、成立しても興行として利益がないなら、ケージに出る選手は絶対王者でもファイトマネーは安くなって然りで。経済の理論でいけば……だから……。

「もう分かりますよ、何か言いたいか(苦笑)。やっぱりリングとケージは別物ってことですよね」

――ハイ(笑)。

「やっぱり別物になる。テニスとは違うな(苦笑)。もう自分のなかでがブレブレで行ったり来たりです……。そういうブレブレ、モヤモヤさせる試合が多かったです――という締めですかね(笑)。良い意味で、ですよ。良い意味で。

僕はリングを否定しないし、ケージのRIZINルールは良い。踏みつけはともかく、グラウンドのヒザは絶対に必要で見ていて本当に面白かったので」

――もうAとB、どっちのオネーチャンが好きなのって話ですからね(笑)。

「もうっ、どっちも好きなんです!! 僕」

――アハハハハ。

「あっ、やっぱり別物ですよ。リングとケージは別物です!!!! その下品な例えで分かりました(笑)。

こっちはオッパイが大きくて、あっちはお尻が大きい。僕はどっちのオネーサンも好きですから。そうリングとケージは別物で、僕は格闘技が好きで、MMAが好きだから、リングもケージも好きなんです!!!

ブレブレのインタビューですけど、結論はオッパイとお尻で出ました!!(笑)」

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【Special】月刊、柏木信吾のこの一番:2月:倉本一真✖加藤ケンジ─01─「ケージ・キング」

【写真】この両者の一戦、倉本の勝利が今度のRIZINの方向性に影響を及ぼす (C)RIZIN

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、柏木信吾氏が選んだ2022年2月の一番。23日に行われたRIZIN TRIGGER02より、倉本一真✖加藤ケンジ戦について語らおう。


──柏木さんが選ぶ2022年2月の一番をお願いします。

「RIZIN TRIGGER 02の倉本一真選手と加藤ケンジ選手の試合です。これ、言い過ぎてしまうことになるかもしれないですけど……ケージでRIZINルールなら倉本一真・最強説が出てくるかもしれないです。いやぁ、凄く強かったです。なぜGPでアラン・ヒロ・ヤマニハに負けたんだと疑ってしまうほど、強かったです。

ケージに適したファイトスタイルで、凄く生き生きしていました。レスラーという部分もそうだし、がぶってからのヒザも彼に合っている。もってこいのルールですね、倉本選手の強味が引き出される。1+1が2でなくて、10になるような状況でした」

──加藤選手がストライカーだということを差し引いても、あの強さは特筆すべきものがあったと。

「加藤選手がスクランブルの選手だったら展開は変わっていたかもしれないですけど、あそこで止まってしまうと倉本選手はとても危険だということが分かった試合だったと思います」

──動きたくても止まらされたという見方もできますし。

「その通りですね。あの態勢にされてしまうと、もう打つ手がないです。RIZINでリングを経験し、逆に今まで以上にケージがフィットしていることに気付き、目覚めたのか。とにかくMMA以前から、格闘する競技に費やしてきた時間が違うのでしょうね。そういう強さをレスリングのトップクラスの選手は皆が有しているように感じます。

ちょっと他と違う。学生レスリングを経験していると、練習量が半端ないのかと。そこがMMAで開花すると、こうなるのか──と恐ろしいモノを見た想いがしました」

──そこでやはりケージOrリング論になってしまうのですが……。ここまでケージで強いなら、強味が発揮できるところで戦って、外国人選手とも相対して欲しいと。リングでベラトール・バンタム級ファイターより、ケージで戦ってほしいと勝手ながら思ってしまいます。

「ハイ……分かります。それこそ、ケージの絶対チャンピオンになり『俺はリングには出ません』ってなってしまうかもしれないです」

──いうと収益がTVであり、チケット収入でないのならTVカメラで伝えることができるのでケージで良いじゃないかと。もちろん、F1のように一瞬で目の前を通り過ぎても、ライブが一番。ライブに優る観戦方法はMMAでもない。だから、ケージだから見に行かないという人はいないかと。

「ハイ……。そこは……倉本選手のようにメチャクチャ強い選手がいるというのが噂になるということでも良いかとも思うんです。まだTRIGGERは2回しかやっていないので、方向性が決まるということはなくても、両方あっても良いのかと。

リングかケージか──僕は別競技だと言ってきました。でも考えてみると、テニスみたいなものなのかもですね。テニスって芝が表面のグラスコート、土のクレーコート、アスファルトのハードコートがあるじゃないですか。でも、やっていることは同じなんです。足下が違うだけで。

それぞれのコートに得意な選手がいるわけで芝では勝てないけどクレーでは勝てるとか、ハードではメチャクチャ強いけどクレーは弱いですよ──とか。そんな感じなのかって捉えるようになったんです。ケージとリングは別モノではなく、同じMMAだと」

──う~ん、そうなるとナンバーシリーズでもケージが欲しくなります。テニスだと全仏はクレー、ウィンブルドンは芝、全豪と全米はハードじゃないですか?  グランドスラムでハードが2つあっても、ハード以外が2つある。RIZINもTRIGGERで活躍した選手が本戦にステップアップするなら、ケージで強い選手がリングだけだと、その強さがスポイルされることもある。戦う場のステータスがケージよりリングが上だと、テニスとは話が違ってきませんか。

「あぁ……そうですね、全英と全仏はコートが違っていてもトーナメントの規模、格式は変わらないと。つまりは、さいたまスーパーアリーナでもTRIGGER大会をやりましょうよ、と?」

──もしくはRIZIN、LANDMARK、TRIGGERの全てでリング大会とケージ大会を行うのか。倉本選手のようにケージ・キングのような選手が他にもいるかもしれないので。

「まぁ、まぁ、まぁ、そうですよね。今はナンバーシリーズの方が格が高い大会になっていますからね」

──別競技なら、もう専門家がいても良い。だから本戦とTRIGGERで違う主旨のイベント開催でも構わない。ただし柏木さんが言われた同じ競技で足下が違うというのであれば……。

「規模も同様にしてほしいと」

──ハイッ。そういうことです(笑)。ケージは面白くないと視聴率が下がったり、PPV購入数が減り、チケットが売れなくなると自然淘汰です。無くなるのも致し方ない。

「まぁ、まだ2回目なので……これから数を重ねて、色々な選手が出場して、色々な試合が見られていく中で、そういうことが協議されるようになるかとは思います。それを倉本選手が示したことになります」

──吉野光選手、中川晧貴選手にも当てはまるかもしれないです。

「いやぁ、仰る通りです。まさに吉野選手と中川選手に関しては試合を組んだ時点でケージがあることで有利だと思っていました。特に吉野選手なんて、そうですよね」

<この項、続く>

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【RIZIN TRIGGER02】試合結果 クレベル劇勝、倉本圧勝。中川皓貴と上野光は快勝!!

【写真】会見で挑発しあったアキラと鈴木は、前者が凱歌が挙がっている(C)MMAPLANET

23日(水・祝)、静岡県袋井市のエコパアリーナでRIZIN TRIGGER02が行われ、メインでは初回をピンチを乗り越えたクレベル・コイケが佐々木憂流迦をRNCで仕留めた。

セミでは倉持一真が加藤ケンジに圧勝、GP後のバンタム級戦線参入に虎視眈々の新顔では、吉野光と内山拓真が勝利を収め、グラチャン×グラジエイターと煽られた小島勝志と中川皓貴のフェザー級戦はグラジ=中川がグライディングファイトで快勝している。

RIZIN TRIGGER02
<フェザー級/5分3R>
○クレベル・コイケ(ブラジル)2R3分21秒
RNC
詳細はコチラ
×佐々木憂流迦(日本)
<バンタム級/5分3R>
○倉本一真(日本)1R4分15秒
TKO
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×加藤ケンジ(日本)
<ライト級/5分3R>
○アキラ(日本)3R
判定
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×鈴木琢仁(日本)
<フェザー級/5分3R>
○山本空良(日本)1R0分35秒
KO
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×新居すぐる(日本)
<73キロ契約/5分3R>
○渡慶次幸平(日本)2R2分31秒
TKO
×ハリー・スタローン(ブラジル)
<キック100キロ契約/3分3R>
○マウンテンRYUGO(日本)1R2分38秒
KO
×笹田勝俊(日本)
<62キロ契約/5分3R■>
○吉野光(日本)3R
判定
詳細はコチラ
×遠藤大翼(日本)
<フェザー級/5分3R>
○中川皓貴(日本)3R
判定
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×小島勝志(日本)
<バンタム級/5分3R>
○内山拓真(日本)3R
判定
詳細はコチラ
×原虎徹(日本)
<キック65キロ/3分3R>
○竹内皇貴(日本)3R
判定
×北川裕紀(日本)
<キック58キロ/3分3R>
○松井大樹(日本)3R
判定
×MASANARI(日本)
<キック59キロ/3分3R>
○大樹(日本)3R
判定
×仲川広汰(日本)
<キック66キロ>
○桃翔(日本)2R0分13秒
TKO
×伊藤勇大(日本)


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【RIZIN TRIGGER02】吉野返しの必要なし!! 吉野光が鉄壁のトップゲームで遠藤大翼下す

<62キロ契約/5分3R>
吉野光(日本)
Def.3-0
遠藤大翼(日本)

右ジャブから左フックを振り組んでいった吉野が、左腕を差してテイクダウンを奪う。サイドを取り腕を極めに掛かる吉野が、アメリカーナへ。腕を解き、クルスフィックスに捉えた吉野がエルボーを連打する。ケージキックも抑え、殴り続ける吉野がもう1度アメリカーナへ。ここも逃れた遠藤は、ついにはスクランブルに持ち込む。

背中を取った吉野はボディロックで崩し、スクランブルも正面に回って小外刈りから、ダブルレッグに切り替える。尻もちをつかされ立ち上がった遠藤は、小外のタイミングで離れるも殴って組みつかれると──大内刈り&アンクルピックの複合技でテイクダウンを取られる。最後に立ち上がり、サッカーボールキックや飛び上がってサッカーボールキックと吉野が遠藤を圧倒した。

2R、打撃の間合いを取らせずダブルレッグでテイクダウンを決めた吉野が、左のパウンドを打っていく。フックスイープを潰した吉野が、立ち上がると遠藤が蹴り上げからスタンドに戻る。スピニングバックフィストから左ミドル、さらに後ろ回し蹴りを見せた吉野は、左フックで詰めてダブルレッグ、リフトアップしてスラムを決める。

パスでサイドを取った吉野はヒザを骨盤に入れ、枕で圧力をかける。腹ばいになり、レッスルアップの遠藤がリバーサルを決めるが、吉野は立ち上がりダブルレッグにエルボーを入れて時間に。

最終回、遠藤のローに左を振るった吉野は、続いて右を当ててダウンを奪うとサッカーボールキックへ。足をきかせる遠藤を殴り、ハーフ&枕でパスを狙う。足を戻し、バタフライの遠藤がスイープを狙う。トップをキープした吉野が左のパンチを連打し、立たせない。残り2分、立ち上がって殴り鉄槌を連打した吉野は、スクランブルの遠藤のバックへ。さらに吉野は正面に回って大内刈りでテイクダウンを決め、殴ってハーフを取る。パス、顔面にヒザを打ちつけた吉野が腕十字へ。ケージがあり、窮屈な姿勢で極め切れなかった吉野だったが、下になってもケージを蹴り、足をすくおうとしたところでタイムアップを迎えた。

圧倒的に動き続けた吉野が、3-0の判定勝ちを手にした。


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DEEP MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN TRIGGER02   アキラ キック クレベル・コイケ ボクシング 中川皓貴 佐々木憂流迦 修斗 倉本一真 内山拓真 加藤ケンジ 原虎徹 吉野光 小島勝志 山本空良 平本蓮 渡慶次幸平 遠藤大翼 遠藤来生 鈴木琢仁

【RIZIN TRIGGER02】計量終了 上位4カードのマイク。小島×中川のグラチャン×グラジ対決に注目

【写真】ここからどういう展開が見られるようになるのか(C)RIZIN

22日(火)明日23日(水・祝)に静岡県袋井市のエコパアリーナで開催されるRIZIN TRIGGER02の計量が行われた。

上位4カードに出場する選手はフェイスオフ後に意気込みを以下のように話している。

山本空良
「前回は全然良い試合ができなかったんで、今回はアグレッシブに攻めて1R一本、KOを狙っていくので宜しくお願いします」
新居すぐる
「同じ同郷の道産子対決なので楽しみです。道産子同士頑張りましょう。僕の必殺ハイキックをお見舞いさせてもらいます。押忍」

鈴木琢仁
「アキラ選手、明日試合が終わったらボコボコになって病院に運ばれると思いますけど、お見舞いでバナナいっぱい持っていくんで。安心してボコボコにされてください」
アキラ
「失神させます」

倉本一真
「明日は皆さんの度肝を抜いたKOをします」
加藤ケンジ
「前回のTRIGGERに続きオファーを頂きありがとうございます。明日の試合も前回と同様に自分の得意なところを出してKO勝ち、まぁ寝技的にも練習してきたのでソレを見てもらえればと思います」

佐々木憂流迦
「明日は2月23日、RIZIN開幕一発目ということでホントこの大会に出る全選手が凄い途轍もない気持ちを持って挑むと思うんで、凄い大会になると思います。会場に来られない方もPPVを買って応援してくれると嬉しいです。そしてメインイベント、僕がしっかり勝ってぶち上げようと思うので、ぜひ明日はお楽しみにしていてください」
クレベル・コイケ
「明日、皆できれば応援して。お願いします。私ここの静岡で試合に出るので、私の静岡もりあげたいです。皆、できればPPV勝ってお願いします。私の憂流迦で、明日絶対に良い試合です。ポペガー(※極める)」

マイクがなかったMMAで注目したいのが小島勝志と中川皓貴の一戦と内山拓真×原虎徹、この2試合だ。


小島と中川、前者はグラチャンを主戦場にキャリアを積み上げているファイターで現在3連勝中だ。対して後者はグラジエイターで期待されてきたが、パンクラスの遠藤来生戦とグラジでの冨田翔市戦と競り負けてきた。連敗でTRIGGERという舞台に挑む中川も、4連勝としたい小島も団体は背負っていないだろう。

ただし、ファンの目はグラチャンかグラジかという視点で見て然り。試合に勝敗はつきもの、TRIGGERというケージの中が各プロモーションの接点となり、ホームにお土産を持って帰るのかどちらになるのか。何より、今後彼らのようなファイターがホームとTRIGGERの行き来でなく、横の繋がりに発展してほしいという願望も踏まえ、試合後の両者の歩みまでもが興味深い一戦だ。

内山と原のファイトは、DEEP浜松大会で育った内山が首都圏のDEEPで戦う原との対戦機会を、これからのDEEPバンタム級戦線で存在感を増すために、いかに有効活用するか。

ボクシングの上手さに定評がある原だが、実際には幼少期より極真空手、柔術、修斗、レスリングと数多くの格闘技経験がある若き武芸百般だ。そのキッズの頃から知り合いの那須川天心、平本蓮らが主演としてスポットを浴びる場に駆け上がるために、ここで躓くことはあってはならない。奇しくもプロ3戦目で初黒星をつけられた吉野光も、同じ大会に出場する。

原として内山の夢を打ち砕き、DEEPに戻って来る必要がある試合といえよう。

■視聴方法(予定)
2月23日(水・祝)
午後2時~Exciting RIZIN
午後2時~RIZIN LIVE
午後2時~RIZIN VR
午後2時~LINE LIVE-VIEWING
午後2時~Fnstream/StreamPass
午後2時~スカパー!

■ RIZIN TRIGGER02計量結果
※赤字の選手名をクリックするとインタビューに飛びます

<フェザー級/5分3R>
クレベル・コイケ:65.75キロ
佐々木憂流迦:65.85キロ

<バンタム級/5分3R>
加藤ケンジ:60.8キロ
倉本一真:60.95キロ

<ライト級/5分3R>
アキラ:70.7キロ
鈴木琢仁:70.75キロ

<フェザー級/5分3R>
新居すぐる:65.8キロ
山本空良:65.9キロ

<73キロ契約/5分3R>
渡慶次幸平:72.85キロ
ハリー・スタローン:72.6キロ

<キック100キロ契約/3分3R>
笹田勝俊:92.65キロ
マウンテンRYUGO:95.7キロ

<バンタム級/5分3R>
遠藤大翼:61.5キロ
吉野光:61.8キロ

<フェザー級/5分3R>
小島勝志:65.65キロ
中川皓貴:65.95キロ

<バンタム級/5分3R>
内山拓真:61.0キロ
原虎徹:60.6キロ

<キック65キロ/3分3R>
北川裕紀:64.8キロ
竹内皇貴:60.6キロ

<キック58キロ/3分3R>
MASANARI:57.85キロ
松井大樹:58.0キロ

<キック59キロ/3分3R>
大樹:58.9キロ
仲川広汰:58.8キロ

<キック66キロ/3分3R>
伊藤勇大:59.65キロ
桃翔:60.0キロ

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【RIZIN TRIGGER02】アキラと対戦、鈴木琢仁─01─「自分を信じろ? ボコボコにするのはあなたです」

【写真】取材中 “あなた”の話も多く、絆が感じられる鈴木だった(C)SHOJIRO KAMEIKE

23日(水・祝)、静岡県袋井市のエコパアリーナで開催されるRIZIN TRIGER02で、鈴木琢仁がアキラと対戦する。
Text by Shojro Kameike

参戦発表の記者会見では、「今をときめくボンサイ柔術所属で、地元開催だから出られる」という旨の言葉を発した鈴木。しかし昨年10月、北岡悟にKO勝ちした戦績は、今大会の出場者の中でもひと際大きく見える。

あれから4カ月――TRIGGER出場を控えた鈴木が、ボンサイ柔術と自身のステップアップについて語った。


――今回はRIZIN TRIGGERに初参戦し、アキラ選手と戦います。その前に、4カ月前の話にはなりますが、前回の北岡悟戦について聞かせてください。

「はい、大丈夫です」

――まず北岡選手に勝利したという試合結果については、どのように感じていますか。

「そうですね……一つ壁を超えることができたのかなって思います。自分の殻を破って、選手としてワンランク上がることができたというか」

――試合は、ダブルレッグにカウンターで右ヒザを合わせてKO勝ちしました。あの右ヒザは狙っていたものなのでしょうか。

「これでKOしようとか狙っていたわけではなくて、体が勝手に動きました。本当に流れの中で出たヒザ蹴りです」

――では、試合の中で自分にとって不利だった点はありますか。

「結果はKO勝ちで良かったんですけど、1Rと2Rは取られているかもしれない、と思っていました。あのヒザ蹴りがなければ、自分が判定で負けていたかもしれないですよね。あの試合を振り返ると、もっと自分から攻めていったほうが良かったと考えています」

――1Rから攻めていくことができなかった理由は何だったのでしょうか。

「北岡選手の寝技や組みに臆していたというか、自分の寝技や組みを信じ切れていなかったんです。試合も自分から組みにいくことは考えていなくて」

――とにかく組みの展開を避けて、スタンドで勝負しようと。

「でも終わってみれば、もっと寝技でも組みでも行けたのかなと思いました。北岡選手がどうということではなく、僕の組みの実力が自分で思っているより上なんじゃないかと。‥…ボンサイで練習していると、分からなくなるんですよね。自分の実力が」

――どういうことでしょうか。

「サトシ先生、クレベル、関根(シュレック秀樹)さん――あのメンバーと一緒に練習しているから、技術的にも強くなることができます。でも練習でボコボコにされて、たまに不安になるんですよ。あれ? この調子で自分は次の試合に勝てるのかな、って」

――練習相手が強すぎて、今の自分の実力が分からなくなるということですか。

「はい。試合前とか、クレベルには『もっと自分を信じろ』と言われるんです。でも自分をボコボコにしているのはクレベルですから。あなたのせいで自分を信じられなくなっているんだよ、と思っています(笑)」

――アハハハ。サトシ選手やクレベル選手だけでなく、関根選手ともスパーをするのですか。

「はい、普通にスパーしています。階級差があるので、さすがに関根さんも考えてはくれているし、たまに自分のほうが動きが良い時もありますけど……やられていますね(苦笑)」

――同じ大会に出場する吉野光選手はインタビューで、柔道時代に練習で100キロの選手に抑え込まれ続けた結果、返し技を考えてきたと言っていました。

「それは分かります。おかげでディフェンスは上手くなるかもしれないですね。でも攻めることができないから、自分の攻めを信じることができなくなるんです。相手を仕留める攻撃の練習ができないので」

――ボンサイでの練習はスパーが中心なのでしょうか。たとえば鈴木選手が攻める展開のシチュエーションスパーなどは……。

「もちろん、そういう練習もあります。でもスパーでやられてしまいますからね(苦笑)」

――そんななかで、自分の攻め方を身につけてきたのですか。

「はい。いろいろ試行錯誤してやってきたなかで、自分が一番得意な部分はボンサイの中でも通じるものが出てきました。トータルで見たら、自分のほうが劣っているかもしれない。でもこの展開だったら通用する、一矢報いることができるというものがあって」

――鈴木選手といえば、いろいろな競技や武道の技術を身につけ、ミックスさせてきましたよね。たとえば、どのような展開なのでしょうか。

「それは言えません(笑)。でも、やっぱりいろんな技術をミックスした展開ではあります。そうやって自分の得意なものを出せるようになってきたのは、最近の話なんです。ここ1、2年ぐらいですね」

――それまでは苦しい時代が続いていたのですか。

「ちょっと前までは、練習で何をやっても通用しなかったんです。これ練習になっているのかな? ずっとそう思っていました。何をやっても敵わないので。強い人と練習して強くなる、ってよく言うじゃないですか。でもレベルが違いすぎると、自分にとって良い練習にはならないと思うんですよ」

――確かに。その状態を解消できたのは、何かキッカケがあったのでしょうか。

「キッカケというか、積み重ねですね。あの強すぎるメンバーに通用するようになったのは……あっ、通用するといっても、互角にやれているという意味ではないですよ」

――はい、それは分かりますが……急に言い直しましたね。

「それはもう、互角とか思われると……」

――クレベル選手たちにイジられますか。

「僕たちは互角なの? とか言われてしまいますから(笑)」

<この項、続く>

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【RIZIN TRIGGER02】遠藤大翼戦へ、吉野光─02─「人知れずロシアや中央アジアの強豪と戦って勝ちたい」

【写真】鋼ボディを披露してくれた吉野 (C)HIKARU YOSHINO

23日(水・祝)、静岡県袋井市のエコパアリーナで開催されるRIZIN TRIGGER02で遠藤大翼と対戦する吉野光インタビュー後編。

テイクダウンの強さだけでなく、切り返しの巧さ――吉野返しについて語った前編に続き、後編ではRIZIN TRIGGERと遠藤戦について語ってもらった。その先に吉野が見つめる夢とは!?

<吉野光インタビューPart.01はコチラから>


――MMAで相手のほうが体格が大きくても、吉野返しで立ち上がることができるのは、大きな武器だと思います。

「はい。東京に来てからもグラント君のような大きな選手と組み合ったりして、さらに精度は高くなっていると思います。上久保さんも強くて……組んだら何もできなくなります。あの人は本当に強いですね」

――あの吉野返しがあるから、下になることも恐れることなく、思い切りテイクダウンに行けるのでしょうか。

「そういう部分もあるとは思うんですけど、なるべく下になりたくないという考え方は以前から変わらないですね。僕は柔道でもトップ選手じゃなかったのに、なぜかMMAでテイクダウンを奪えるんですよ。自分でも不思議なんですけど……」

――自分自身でも不思議なのですね(笑)。

「アハハハ、自分はバカだから――かもしれないです(笑)。僕がやることは決まっているので、後先考えずに思い切り行こうという気持ちを、ずっと持っています。もちろん吉野返しのことは考えながら」

――テイクダウンに関しては、左腕を差し上げながら払い腰のような形で投げることが多いですよね。あれは得意なパターンなのでしょうか。

「別のバリエーションもありますけど、あのパターンが結構取れますね。あの投げも自分の中では、MMAだったらこうなるってイメージしながら使っています」

――そんなテイクダウンの強さを武器に勝利を重ねてきた吉野選手ですが、TRIGGER参戦発表の記者会見では「RIZINファンはRIZINバンタム級トーナメントに出ていた選手が一番強いと思っているかもしれないけど、他にも強い選手がいるというのを見せたい」と発言していました。そのRIZINバンタム級トーナメントは、どのように見ていたのですか。

「当時はONEで活躍したいという気持ちが強くて、自分がRIZINのトーナメントに出たかったなぁとは思わなかったです。どちらかというと、ファン目線に近かったですね。誰が優勝するのかなって。それでも、自分が戦ったらどうなるんだろう……そう思いながら見てはいました。出ている選手のレベルは高いけど、その中に自分がいたら、どこまで行けるのかなって」

――あの時点でRIZINバンタム級トーナメントに出ていたら、どのような結果になっていたと思いますか。

「うーん、難しいな……戦う相手にもよりますけど、今の自分では優勝できなかったですね。でも、自分が勝てる相手も出ていたとは思います」

――GP優勝の扇久保博正選手は、どういう相手にも自分の強さを発揮できるMMAファイターだと思います。

「扇久保選手と対戦したら、組みの面白い展開になると思います。ただ、僕が漬けられる展開は思い浮かばないですね。テイクダウンを仕掛けられても、逃げて立ち上がる。もちろん扇久保選手に倒されるかもしれないけど、僕がテイクダウンを取ることもできると思うんですよ。その自信はあります」

――なるほど。まずはTRIGGERで、そのテイクダウン力を楽しみにしたいです。今回の対戦相手、遠藤大翼選手にはどのような印象を持っていますか。

「キャリア的にはもうベテラン選手だと思うんですけど、今3連勝中で、あの年齢(39歳)でフルラウンド攻め続けることができるのは凄いですよね。年齢は関係なくて、衰えずに強い。だから若くて勢いのある選手だと思って戦います」

――その遠藤選手を相手に、どのような試合を見せたいですか。

「自分のスタイルを貫くだけです。僕、もともと対策は立てないタイプなんですよ。ヌルマゴメドフもそうじゃないですか。相手に対策を立てられていても、自分のスタイルを貫けば勝ちが見えてくるのかなって」

――RIZIN TRIGGERに出場するにあたって、現在の吉野選手の目標を教えてください。

「良い勝ち方をして、自分が戦う場所を作ることです。今までは、なかなか自分の戦う場所が定まっていなかったんですよね。RIZINでチャンスを頂いたので、そこから勝ち進んでいって、いずれは海外で戦いたいです。石井慧選手みたいな感じで」

――……石井慧選手ですか!?

「そうです。石井慧選手って、世界中の大会に出ていますよね。それが自分の理想なんです。ロシアや中央アジアとかにいる未知の強豪と戦って勝ちたくて、アウェイで人知れず……」

――人知れず(笑)。

「アハハハ! 別に人知れずでなくてもいいんですけど、そういう強い選手と対戦したいですよね。昔、タイガームエタイで練習した時に、知らない国の選手にボコボコにされたんです。世界には、知られていなくてもこんなに強いヤツがいるのか……と思いました。日本には、そっちの大会で戦っている選手はいないじゃないですか」

――ロシアのACA、中東発のBLAVE CFといった大会に出場している日本人選手はいませんね。3月、4月とどう外国人選手の入国状況が変わって来るのかにもよりますが、コロナ禍で海外から選手を呼ぶことも難しいですし……。

「そういうところへ行って、本当に強い選手と戦いたいんですよ。あるいはコロナ禍が終わって、RIZINで海外から強い選手を呼んでもらえたら嬉しいです。今は頑張って自分のレコードを積み重ねる時期だと思っています。一戦一戦、目の前の試合に勝ちながら――その先に、未知の強い選手と戦える未来があると信じて」

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