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【UAEW44】砂漠のUFCへの道。藤田大和 in アブダビ―01―「ギリギリのタイミングで試合が決まりました」

【写真】アブダビは人工的な緑と水の豊か街だが、砂漠の熱風だけでなくペルシア湾の湿った空気もあり本当に暑さを感じる街だ(C)TAKESHI YAMAZAKI

26日(土・現地時間)にUAEはアブダビのエディハド・アリーナで開催されるUAEW44で、藤田大和がウズベキスタンのフィルカドベク・ヤクボフと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

メインで予定されていたUAEWライト級王座決定戦=アムル・マゴメドフ×アレックス・ダ・シウバの一戦が、前者の欠場で163ポンド契約マッチ=シウバ×バジシュ・サルママトフに変更された今大会、藤田は日本人として2人目のUAEW出場となる。

その藤田は昨年7月にRIZIN沖縄大会で曹竜也を下したあと、翌8月からスタートしたDEEPフライ級GPは欠場に。以降は海外での試合を希望しているという話が伝わってきていた。そして曹戦から1年の時を経て、UAEW出場が決定。MMAでは初となる海外での試合に向け、アブダビ入りした藤田をキャッチした。


――この取材は8月21日に行っています。アブダビは今、朝10時ですよね。昨夜現地に入ったそうですが、暑さはいかがですか。

「外に出たのは昨夜、空港に着いた時だけで、今日はまだホテルから出ていないんですよ。でも昨夜の時点で蒸し暑さを感じました」

――天気予報によると、今日のアブダビは最高気温が40度で、湿度が46パーセントとのことです。日本のほうが湿度は高いですが、日本とは異なる暑さを感じませんか。

「すごく湿度が高く感じますよね。日本とは違うなって思います」

――そのアブダビに、すでに体を絞った状態で入っているのですね。顔つきも細く見えます。

「はい。水抜き前までの状態まで落として日本を出発しました。こちらで体を動かして体重を落とすようなことはないですね」

――アマチュアボクシング時代も含めて、海外での試合経験はありますか。

「実はボクシングで初めての海外遠征先がイランだったんですよ。だから中東は初めてじゃないんです」

――えっ、そうだったのですか。

「高校時代のユース・アジア選手権ですね(2010年3月)。その翌月にはアゼルバイジャンでも試合をしています。もう15年も前の話なので、あまり当時のことは覚えていませんが(苦笑)。ただ、またイスラム圏で試合をすることになるとは不思議な気持ちです」

――藤田選手は昨年7月の曹竜也戦以来、1年1カ月ぶりの試合を迎えます。この間、海外で戦うことを目標にしているという話を聞いていました。

「そうですね。いろんな方に出られる大会を探していただいてUAEWに出られることになり、ホッとしています。」

――様々な団体と交渉しているなか、このUAEWは最初から視野に入っていたのですか。

「いえ。全く――というわけではないですけど、あまり大会について知らなかったです(苦笑)。日本から吉野光選手が出場していたので、UAEWという大会があることは知っていました。でも自分がアブダビで戦うとは想像していなかったですね」

――他にはどの大会と交渉していましたか。

「Road to UFC、ONE、あとは神龍誠君がベルトを獲ったCFFCといったところも考えていました。あとは豪州の団体も」

――結果、1年を経てUAEW出場が決定しました。この1年間は海外の試合が決まらなければ国内で試合をするという選択肢はなかったのでしょうか。

「ギリギリのところでしたね。UAEWの試合が決まったのが、ちょうど前の試合から1年経ったところで。これ以上、試合間隔が空くようなら国内の試合も考えようと山﨑(剛Me,We代表)さんと話をしていました」

――その間、主戦場としていたDEEPではフライ級GPが開催されていました。ご自身のいないDEEPフライ級GPはどのように見ていましたか。

「フライ級GP、すごく面白かったです。僕が対戦したことのある選手も出場していましたし、ずっと見ていました。そのなかで福田選手が優勝して――自分も福田選手と対戦したいっていう気持ちになりました。前から福田選手の存在は気になっていたんですよ。GPの試合を視て、以前よりも戦いたい気持ちが強くなっています」

――一方で福田選手としては、1年間も試合がないことに対して焦りはなかったですか。

「焦りがないというわけではなかったです。1年間は長かったですよ。でも練習へのモチベーションが下がることはなかったですね。試合がないから、試合が決まらなそうだから――というのは関係なくて。逆に日本国内でフライ級が盛り上がることで、すごく良い刺激をもらいました。さらにギリギリのタイミングでUAEWの試合が決まりました」

――では練習をしながら試合決定を待っていた1年で新しく取り組んだり、伸ばしてきた部分はありますか。

「いろんな面を伸ばしてきました。たとえば倉本一真先輩が米国のファイトレディで教わったことを、僕が日本でドリル練習に取り入れたりしました。グラップリング面でも岩本健汰君が週1回、Me,Weに来て技術を教えてくれていたんですよ。グラップリングの立ちから寝から――いろいろと。この1年、試合はしていなくても全体的に成長してきたなって感じます」

――1年前の自分と比べて、今は何パーセント増しになっていると思いますか。

「そうですね……。20パーセントから30パーセント、と言っておきます(笑)」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
8月26日(土・日本時間)
午後11時00分~ UFC Fight Pass

■ UAEW44対戦カード

<163ポンド契約/5分3R>
アレックス・ダ・シウバ(ブラジル)
バジシュ・サルママトフ(キルギスタン)

<バンタム級/5分3R>
サビア・アラウイ(カナダ)
チィルイイースー・バールカン(中国)

<フライ級/5分3R>
サンスハル・アジロフ(カザフスタン)
キリンベク・アルティミシュ・ウルル(キルギス)

<ウェルター級/5分3R>
サマンダル・ムラドフ(タジキスタン)
ルーカス・サンパイオ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
ラシッド・ヴァガボフ(ロシア)
チュウ・ルン(中国)

<ミドル級/5分3R>
イスラム・アブドゥル・バシット(エジプト)
ロビン・ルース(スウェーデン)

<フライ級/5分3R>
フィルカドベク・ヤクボフ(ウズベキスタン)
藤田大和(日本)

<ウェルター級/5分3R>
シェフバン・アルハソフ(ロシア)
サラマット・オロザクノフ(キルギス)

<フライ級/5分3R>
ジョーヴィンセント・ソー(フィリピン)
アーロン・アビー(英国)

<176ポンド契約/5分3R>
エルキン・ダルメノフ(カザフスタン)
マルク・ハルム(南アフリカ)

<160ポンド契約/5分3R>
ルスタン・セルビエフ(ベルギー)
アナル・フシイノフ(アゼルバイジャン)

<150ポンド契約/5分3R>
イスラム・レダ(エジプト)
アーニー・ブラカ(フィリピン)

<女子フライ級/5分3R>
マリア・エウヘニア・ズブルン(アルゼンチン)
バクチブグル・クルマンベコワ(キルギス)

<ウェルター級/5分3R>
コホタム・ボイナザロフ(ウズベキスタン)
ミキャイル・バイハム(フランス)

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Bu et Sports de combat MMA MMAPLANET o ONE UAEW UFC   キック ボクシング ヴィニシウス・ジ・オリヴェイラ 剛毅會 吉野光 岩﨑達也 平本蓮 武術空手

【Bu et Sports de combat】武術的な観点で見るMMA。オリヴェイラ✖吉野光「組と打の回転力」

【写真】組んで攻勢に出られない時、打撃は必要。打撃があれば組みのアドバンテージが増える。これが組み技ベースのMMAではあるのだが、レスラーがジャブだけ勝つのもMMA (C)UAEW

MMAと武術は同列ではない。ただし、武術の4大要素である『観えている』状態、『先を取れている』状態、『間を制している』状態、『入れた状態』はMMAで往々にして見られる。

武術の原理原則、再現性がそれを可能にするが、武術の修練を積む選手が試合に出て武術を意識して勝てるものではないというのが、武術空手・剛毅會の岩﨑達也宗師の考えだ。距離とタイミングを一対とする武術。対してMMAは距離とタイミングを別モノとして捉えるスポーツだ。ここでは質量といった武術の観点でMMAマッチを岩﨑師範とともに見てみたい。

武術的観点に立って見たヴィニシウス・ジ・オリヴェイラ✖吉野光戦とは。


──質量や間という武術的要素でMMAを見た場合、打撃だけでなく組みの展開にもあると思います。吉野選手は胸を合わせた状態からの小外、大内、そして払い腰という投げに絶対的な自信を持っている選手で。

「では、なぜ組みを続けることができなかったのか。もう、その一点に尽きるかと思います」

──思うに最初にテイクダウンをした後に立たれた。そして組んで倒せない展開があった。そこから組み疲れを考えたのではないかと。そうなると組みの選手の質量も落ちるのでしょうか。

「まず組みの回転数と打撃の回転数は別モノです。打撃の人間が組みの練習をすると打撃が劣化する。取返しがつかないほど劣化してしまう。ただし、MMAには組み技は当然のように存在しており、その対処も必要です。試合で組み技を使わない選手でも、組み技、寝技の練習は欠かせない。と同時に打撃を劣化させない必要性を最近は感じるようになってきました。打撃を劣化させない方法論は、あります。分かっています。だから最近指導している立ち技からMMAに転向してきた選手にはボクシング、キックボクシングのつもりでMMAを戦えと言っています。もちろん組みを対処できるうえで。

対して吉野選手は、組みの選手なのでしょうが打撃にセンスの良さを感じました。よく見えているし、動きも良い。だから、その目や動きがあるのだから得意の組みに行けば良かったのにと思いました。センスがあっても、打撃ができているわけではないので。相手の打撃に対して、打撃でなく組みで戦えば彼の回転数は上がる。そうなると、質量も大きくなります。回転数が質量を生むので。

その回転ですが、組み技はトルクで馬力を生む。対して、打撃は重力に逆らわずにそこを生かす戦い方が必要になります。

ボクシングとキック、レスリングと柔道の回転数は違っているので、ミックスする方法論はほぼ存在していないです。この2つの回転を両立させるのは、本当に難しいです。だから型が大切なんですよ。型には両方が養える」

──そして、吉野選手は組みで戦うべきだったと。

「吉野選手は序盤で、打撃のセンスがあるとすぐに分かりました。それはセンスという部分で。見えているし、動きも良い。でも、だからといって相手を倒せる決め手を持っているわけではないです。それに相手のオリヴェイラの打撃は、バーリトゥードの時のような打撃ですよね。粗い。だからこそ、世界で戦うという意志を持っているのであれば、あの精度の選手とは打撃で張り合えないと。

以前からMMAは寝技ができないと、『倒されてお終い』という風に言われてきました。今、レスリングやスクランブルができないと、『MMAでは勝てない』と言われます。それはそうでしょう。ただし、打撃ができない人はいくらでも戦っていますよね。なぜ、打撃で戦えるようにはしないのですか。

組み技と寝技で戦えるようにならないといけないのに。無暗に打ち合えってことじゃないですよ。打撃で攻防ができて、引かないで戦う。それはレスリングやグラップリングと同じことじゃないでしょうか。打撃で引いたら、世界では勝てないですよ。組みで引くと『ダメだ。引いちゃいけない』という正論が飛び交うのに、打撃は引いても良いのかと。

スクランブルで引くとバックを許し、あるいは下になって不利になりますよね。それは打撃も同じで。顔を殴られて、引いていちゃ勝てないって。平本蓮とスパーリングをして、ボコられている子がいました。そうしたら練習仲間が、『あの子は打撃ができないから、もっとやさしくしてください』って。

バカやろう、打撃ができないで何でMMAをやっているんだよって」

──ほとんどビートたけしの突っ込みじゃないですか(笑)。

「いや、だってホイス・グレイシーの時代だと打撃ができなくても勝てたかもしれないですよ。でも、今、打撃ができないでUFCで勝てますか? ONEで勝てますかって。でも、そのやさしくしてやってと言われた選手、試合を見ると良い左を持っていましたよ。良いモノを持っていても、練習しないと。優しくしていて、レスリングや柔術は強くなれるんですか」

──打撃はケガやダメージに直結する。だから、練習はより安全に行わないといけない。ただし、打撃ができないと上の舞台では勝てないのも確かです。

「致命的に打撃ができないのに、打撃をやらない」

──組みで勝つということかと。

「じゃあ、どこまでそれで勝てるのってことになっちゃいますよ。だって打撃の人間が、打撃だけやっていたらダメ出し食らうじゃないですか。もちろん、そうじゃない道場やジムの指導者もいると思います。打撃ができないと、勝てないよっていう。それでも、打撃を疎かにしていないかなって感じることは、試合を見ていても多々あります。

シャドーの段階から、自分より打撃が強くて、殺しに来ているという意識を持って練習している選手がどれだけいるのか。そういうことなんですよ。寝技の打ち込みも、動く相手を想定しているのと、ただ機械的に動くのとでは違うと思うんですよ。

そういう部分では、吉野選手はまた違っていて。彼はセンスが良いから、打撃ができていないという認識はそれほどないのかもしれないですね。これまでは、それで勝ててきたから。で、得意分野の組みで思い通りにならなかったから打撃戦をやってしまった。

日本人が国内に留まらず。アラブに行って戦う。UAEWで戦うという姿勢は素晴らしいです。だからこそ、自分の特性を生かして戦ってほしいですね。そして、とっかかりの部分でしっかりと打撃を学んでほしいと感じました」

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【ONE FF11】アリ・モタメドと対戦、安藤達也─02─「俺はここから上がっていく」

【写真】盟友・川原波輝と。勝てば道は開かれる(C)TATSUYA ANDO

本日、31日(金・現地時間)にタイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE Friday Fight11でアリ・モタメドと対戦する──安藤達也インタビュー後編。

Road to UFC出場を逃した安藤が、ONEというステージをターゲットにし、キャリアの再構築を図る。バンコクでの合宿から、今の練習環境、そして今後に向けて安藤に話を訊いた。

<安藤達也インタビューPart.01はコチラから>


──えぇ、モタメドが苦手なタイプというのは?

「ローキックで崩してくるところなんか。実際にやってみないんと未知数なところはあるんで。自分がこのタイに来て、どれだけパフォーマンスを発揮できるのか。自分自身が、これまでに如何に自分に打ち克ってきたのかということが、試合で表れるかと思います」

──ただ吉野光選手との試合が印象に残っていて。安藤選手とはタイプが違いますが、あれだけテイクダウンされて何で勝ちなのかと。

「あれは酷かったですね(笑)。あれは謎でした。でもONEでやっていくには、決着をつけることが重要になってくるんだなって」

──先ほど言われた自分に打ち克ってきた点に関してですが、ここまでどのように積んできたのでしょうか。

「今回は準備する期間が長くて、波輝君とタイで合宿をして。凄く練習に打ち込めました。その成果が出るのか、試される試合です」

──タイで練習というのは、どこのジムで?

「アルファメールの元打撃コーチが、バンコクの中心部から少しだけ離れたところ(スワンルワン区)でジムをやっていて」

──マスター・トンですか?

「そうです、そうです!!(笑)。マスター・トンはフィットネスジムみたいなのを開いていて、そこでパーソナルでミットを持ったりしてくれるんです。自分には自分のスタイルがあるんですが、一回それを忘れて基礎からやってきました。

マスター・トンの打撃は、ムエタイっぽくなくて。キック、ボクシング、ムエタイのテクニックが混ざってMMAにフィットさせるみたいな感じで、教えてくれました。TJ・ディラショーに近いテクニックのように感じました。ムエタイではなくて、MMAの打撃ですね。キックやボクシングをMMAに落とし込んでいるような。ミットもメチャクチャ凄かったです。何よりもハートですね、マスター・トンのハートが良かった」

──ハート。それだけ厳しい練習ということですか。

「練習は厳しいです。だから楽しんでやろうって、途中で笑いを混ぜてくるんです。すっごい面白い人で(笑)。でも、相当に追い込まれました。だからといって3週間で、自分が劇的に変わることはないし、そんな甘いモノじゃない。でも最初は10日間のつもりが、2週間延長して練習させてもらいました。フリーになってからスパーリング中心の環境でやってきたので、マンツーマンでしっかりと教わることができました。

試合でこういうことができるとはハッキリ言えないですけど、基礎の底上げができたので、随所で学んだことが関係してくると思います」

──「安藤達也はちゃんと練習すれば、こんなものじゃない」という言葉がずっと聞かれてきました。ただ若松佑弥選手が「安藤選手は練習しています」と言っていたのですよね。それが印象的で。

「土曜日のCUTEの練習に祐弥が来てくれるんですよ。多分、そこで『実はやっている』と……まぁ『皆が思っているよりはやっている』ということかもしれないですけどね(笑)」

──アハハハ。CUTEでの練習は、どのようなメンバーが集まっているのでしょうか。

「CUTEは……もともとイエローマンズ時代に臼井(知史)さんが、安永(有希)さんや長倉(立尚)さん、吉田(善行)さんたちの練習を見ていて。それに臼井さんは僕がTRIBEにいる時、デビューする前からミットを持ってくれていて。で、ジムを離れた時に頼ったんです。『なら来たらええねん』って言って貰えて、イエローマンズ時代から通わせてもらって。

今も臼井さん練習が土曜日にあって、そこに祐弥や上田(将勝)さん、それに(中村)倫也も来てくれるようになって。凄く良い練習になっています」

──だからこそ、ちゃんとやったら強いというところを見せてほしいです。

川原 アハハハハハ。

「そうッスね(笑)。実はこそこそやっているので」

──ところでONE本戦出場という目標がある限り、もうルンピニーでは求められていることは明白です。

「やっぱフィニッシュしないといけないなって思っています。シンプルに。倒しに行く試合を見せたいです。『コイツが試合に出たらワクワクするな』っていう試合をしたいですね。ここから、でっかいステージに行きたいので。なんか、ぶち上げたいですね。『おっ、来たな』って。下から上がって、ぶち上げていきたいです」

──修斗世界王者でもルンピニーからかと。山北渓人選手は本戦だったじゃないか──そんな想いは?

「全くないです。俺はここから上がっていく方が、良いよなって思っています」

■放送予定
3月31日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■ONE FF11 MMA対戦カード

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
安藤達也(日本)
アリ・モタメド(イラン)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
アリソン・バルボーザ(ブラジル)
アリ・カブドゥラ(カザフスタン)

<女子ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アレクサンドラ・サビチェバ(ロシア)
アネリヤ・トクトゴノバ(キルギス)

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【Shooto2023#02】飯田健夫の挑戦を受ける、RTU後のSASUKE。「残酷でも行動で示していくしかない」

【写真】この日から繋がり、次に繋がる一戦がいよいよ明日に迫ってきた(C)MMAPLANET

明日19日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるSHOOTO2023#02。同大会のメインで修斗世界フェザー級王者SASUKEが、ランク1位の飯田健夫の挑戦を受ける。

昨年6月にRoad to UFC1回戦で敗北を喫し、トーナメント後のUFCとの契約という路が断たれた。それでも10月の準決勝大会でワンマッチで出場し、再起戦で勝利を手にした。今もUFCへの想いは変わらない。そのためにSASUKEはどのようなキャリアの積み方を考え、そして修斗の防衛戦に臨むのか。崖っぷちが続く、SASUKEに話を訊いた。


――試合まで1週間を切りました(※取材は14日に行われた)。今、どのような調子でしょうか。

「いつもと変わらず、試合前という感じです。全然悪くなくて、むしろ良いぐらいです」

──Road to UFCに挑戦した時点で、修斗の防衛戦はない方が良かった。ここに向けて、色々と乗り越えないといけないことがあったかと思います。

「Road to UFCで負けちゃっていますからね。10月にワンマッチのチャンスを貰えたけど、それがどう次につながるか分からない。あの時に進路を考えて、試合間隔が空くことが一番嫌でした。一昨年、試合がしたくてもできない状態が続いてモヤモヤしていたので。もうあんな風になはなりたくなかったです。なので防衛戦はベルトが掛かった大切な試合ですけど、僕の心境としては試合ができるならどこででも戦うというモノでした。そこで修斗からオファーがあり、すぐに戦うと返事しました」

──Road to UFCフェザー級の決勝に日本人がいなかった。我々にとっても信じられない展開でした。あそこで勝ち上がることができなった時、SASUKE選手的には今後のキャリアについてどのように考えていましたか。

「完膚なきまでにやられたので、そりゃあ凹みました。でも、全部失って再スタートするしかない。UFCはメチャクチャ遠のいた。あの負け方では……正直、無理だと思ったこともありました。それから何の巡りあわせか、10月にアブダビで試合ができた。内容は良くなかったけど、勝利という結果は一つのクレジットになって。首の皮一枚残すことができたのかと考えています」

──UFCと交渉した前田桂さんが勝利者インタビューの通訳をしながら号泣していました。

「桂さんは本当に僕と野瀬(翔平)君のために、色々とやってくれました。ご家族があるのに正直、僕らのために仕事を犠牲にしてアブダビにまで来てくれて。感謝の気持ちしかないです。桂さんには『全部賭けています。今まで以上に賭けています』っていう話を現地でさせてもらって……負けると本当に終わるという僕の気持ちが伝わっていたのだと思います。だから、ああいう感じになったんでしょうね」

──にしても、通訳があれだけ泣きだすと周囲はもうビックリでしかないですよ」

「アハハハハハハ」

──あの1勝でUFCをまだ目指せる。MMAを続けることができるという気持ちになれましたか。

「そうですね、まぁ……MMAを続けることはできるんですよ。日本でやれば、できる。ただUFCを目指すなら、あそこで負けていたら本当に終わりだったと思います。なので、まだギリギリ、崖っぷちの状態です」

──では10月以降、UFCを目指すキャリアの積み方はどのように考えていましたか。

「今年もRoad to UFCがあるので、それを狙うのか。それか、どこでも良いから試合を重ねて連勝記録を創ってUFCにアプローチするということを考えていました。その中で修斗はタイトル戦で、どっちにも当てはまる。連勝記録の1つにできるし、日本のチャンピオンという肩書を持ち続けることができる」

──では試合を多く戦い、連勝記録を創る場に関してどういう風にSASUKE陣営では考えていたのでしょうか。

「そこ、難しいですよね。修斗もどんどん新しい選手が育ったり、入ってくれば試合を継続して戦うことができるけど、一昨年がそういう状況じゃなかった。正直、修斗だけで戦っていたら、自分が納得できるペースで試合ができる保障はない。だから、やりたいという想いはあってもどうしようもないですよね」

──国内では人知れずでも、実はUFCが近いプロモーションも海外にはあります。と同時RIZINはフェザー級が盛り上がっています、そこで実力誇示をする。そういう選択があったかと思います。

「ハイ。特に海外はありました。吉野光選手のUAEWの試合も前回、視ていましたし。あと豪州のEternal MMAとか、勝てばUFCと契約があるところは──むしろ、そっちで戦いたいという気でいました。自分のなかでは海外でやりたいという想いは強いです」

──そういうなかで修斗の防衛戦になったということですね。

「さっきも言ったようにこの先が不透明なのか一番嫌で、オファーがあったらすぐ戦う気持ちでした。試合を受けるメリットを考えているわけでなく、一つの試合。勝てば白星が増える。連勝記録の1つになる。防衛戦って負けたらベルトを失うから、基本リスキーなモノです。

だから、ここで勝って次に繋がるとかをモチベーションにするわけでもないですし。試合ができない期間が辛かった。オファーがあれば有難いからやる。そういうことです」

──では5月の終わりのRoad to UFCは頭にありますか。

「あります。でも、先のことを考え過ぎていると足下をすくわれてしまうので。目の前のことをクリアして、次を考えます」

──飯田選手とはアマ、新人王Tと2試合戦っています。そこに何か特別な想いは?

「特にないですね。ストーリー創りには因縁が必要だというのも分かりますが、彼との間に因縁はない。因縁があるとすれば、昔の弱い自分に対してです。これに打ち克つための一つの試練だと思います」

──飯田選手が修斗で勝ち続けていることは、注視していましたか。

「いえ、正直余り見ていなかったです。別に飯田選手を軽視していたのではなくて、自分のことに必死になっていたので。だから直近の試合も全然見ていなかったです」

──では、試合が決まってからチェックするという感じだったのですか。

「それが最近の試合はなくて(苦笑)。論田愛空隆戦、山本健斗デリカット戦……3連勝しているんですよね(※実際は4連勝)。でも全然試合はチェックできていないです。まぁ自分は相手の映像を見過ぎると、対策に寄ってしまうので。自分から仕掛けて勝つ。映像はトレーナーとかセコンドをチェックして、そこで指示された練習を徹底してやってきました」

──Road to UFCを経験したことで、MMAファイターとして成長した部分はあると思いますか。

「気持ちですね。絶対に負けないという。アブダビの試合がそうでした。恰好悪くても、自分からいく。気持ちは絶対に折れないぞと。格闘技は最後は気持ちです。ただ今回は日本での試合なので、応援をしてくれる人たちの存在はポジティブになります。格好悪い姿を目の前で見せられないので。折れないで5分✖5R戦い続けようと思います」

──練習仲間が同じように努力し、どれだけ志を持っていても結果がついてこない場面も見てきたと思います。その姿を見てなお、UFCへの想いは揺るぎないですか。

「練習仲間の敗北を見るのは心が苦しいし、辛くて。MMAって残酷だなって改めて思います。でも、行きたいと願わない人間にはチャンスは訪れない。どれだけ残酷でも前を向いて、自分の行動で示していくしかない。一喜一憂していると、やっていけないです」

──押忍。では、最後にこの試合に向けての意気込みをお願いします。

「思っている以上にタフファイトになるかもしれないです。でも、自分はスタミナでも気落ちでも負けないので。飯田選手はここをゴールにやっているのかもしれないけど、僕はこの先を見て行こうと思っています。なので、絶対に負けないと言っておきます」 


■視聴方法(予定)
3月19日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル
             
■Shooto2023#02対戦カード

<修斗世界フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] SASUKE(日本)
[挑戦者] 飯田健夫(日本)

<フライ級/5分3R>
関口祐冬(日本)
新井丈(日本)

<ストロー級/5分3R>
安芸柊斗(日本)
澤田龍人(日本)

<ライト級/5分3R>
マックス・ザ・ボディ(日本)
菅原和政(日本)

<インフィニティリーグ2023フェザー級/5分2R>
竹原魁晟(日本)
上原平(日本)

<インフィニティリーグ2023フェザー級/5分2R>
浜松ヤマト(日本)
CHAN-龍(日本)

<バンタム級/5分2R>
野瀬翔平(日本)
新井拓巳(日本)

<バンタム級/5分2R>
榎本明(日本)
スソン(日本)

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【UAEW39】砂漠でベルトを目指す吉野光「日本の泥沼のようなシステムにハマらなくて良かった」

【写真】砂漠を選んだ吉野光。誰もやらないことができる人生は楽しいだろう(C)GRANT BOGDANOVE

18日(土・現地時間)、UAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されるUAE Warriors39に吉野光が出場し、全UAEWバンタム級王者ヴィニシウス・ジ・オリヴェイラと対戦する。

Road to UFCからUFCを目指す吉野は、決まった道筋のない世界最高峰へのトレイルロードを駆け上がるには「自分から動きださないといけない」と言い切った。



――昨年10月以来のUAEWですが、前回は超スクランブル発進でキャッチウェイト戦でした。今回は試合が決まったのはいつ頃だったのでしょうか。

「オファーがあったのは1カ月弱ぐらい前ですけど、発表があったのは1週間ほど前ですね(※取材は14日に行われた)」

──前回、ジャマル・ラステムに勝利していますが、複数契約だったのでしょうか。

「いえ、1回だけです。今回もこの試合だけですね」

──なぜ、単発か複数かが気になったのかというと、やはりRoad to UFCの存在があるからです。

「Road to UFCには出たくて、応募もしています。ただ、この試合に勝てばタイトル挑戦という話もしてもらっていて。Road to UFCに出られるなら、やっぱりRoad to UFCには出たいですけど、なければUAEWのチャンピオンを狙います」

──ところで2度目のアブダビでの試合。ファイトウィークの過ごし方も、前回よりは慣れましたか。

「ハイ。ホテルにいて全部できるんで、凄く楽です。マットスペースも凄く広くて。ホテルに泊まっていると、試合っていう気持ちになって……海外にいることだけで楽しいです」

──その表情からも、エンジョイしているのが伝わってきます。

「試合は緊張しないです。ケージに入って、気持ちを創れば良いだけで。試合前は楽しいです」

──そんななか、元チャンピオンとの対戦です。

「めちゃくちゃ嬉しいです。2試合目で元チャンピオンと戦えるなんて。戦績も17勝4敗で実績もあって、強い選手。オイシイ試合です」

──映像で見る限り、相当に粗くてパワフルな打撃戦をする選手のように見えました。

「そうですね。トリッキーで、身体能力が高くて動きが読めないです。そこはちょっと怖いです。寝技も下になっている場面がなく、上から殴ることが多かった。ただし四つ組みに付き合ってくれそうな感じで、そこで倒したいですね。前回がKO負けなので、そこも僕に有利かなと思います」

──その前に、粗くて怖い打撃をどう見切るのか。

「最初は当たらない位置に立って、近づいたら組むイメージでいます。振りが大きいので、組みやすいかと思います。ただテイクダウンをした場合、どういう下の動きがあるのか。そこは未知です」

──さきほど出たいと言っていたRoad to UFCですが、昨年は日本から3人が出場して1人は過去に勝利している野瀬翔平選手でした。そして優勝した中村倫也選手に準決で敗れた。さらにいえば中村選手は決勝も風間敏臣選手に勝利し、風間選手もUFCと契約を果たしました。

「中村倫也選手は強いです。ただ組み合わせ次第ですけど、僕も出ていれば決勝には行けたと思います。日本人選手が勝った3人の外国人選手には、僕も勝てます」

──今年のRoad to UFCバンタム級では上久保周哉選手も申し込みをしているとのことですが、練習仲間ですよね。

「こんなことは言いたくないですけど、上久保選手に勝てる可能性は限りなく少ないです。初めてスパーリングをした時とか、認めたくなくて頑張っていたのですが(笑)。練習をすればするほど凄さが分かって、今では尊敬しています。技も教えてもらっていますし、戦いたいとは思わないです」

──なるほどです。ところでUFC、Road to UFCを目指すにしても砂漠経由という選手は、日本では吉野選手だけです。他の選手はLFAに出る選手はいても、大概は日本に留まっています。

「行動を起こさないとダメです。ディスるつもりはないですけど、日本で修斗、DEEP、パンクラスでベルトを獲ったところでUFCに行くアピールにはならないと思います。現状、平良(達郎)選手だけだし。だから僕はUFCに近い海外の大会に出たいとずっと思っていました。しかも中東の大会に出たいと思って狙っていたので、たまたまですけどオファーがもらえて凄く嬉しかったです。とりあえず、自分から動きださないと何も起きないと思います」

──それは吉野選手が、日本で一つのプロモーションで定期的に試合が組まれたことがなかったからこそ、備わった思考ではないでしょうか。

「結構、試合がない時期とかもありました。ただ、頑張って交渉すれば継続参戦はできたと思っています。でも、ずっとそこで使われるような形になってしまう。それと僕が所属しているALMA FIGHT GYM LIFEではグラント(ボクダノフ)君が、僕のマネージメントとの通訳を助けくれて。他のジムのように代表が話を持って来るという……日本の泥沼のようなシステムにハマらなくて良かったと思っています。

僕しかやっていないから、中東で試合をすることに味をしめています。凄く楽しいです。ただし、試合に関しては負けるイメージが浮かんで怖くなることもあります。だから、相手のことを考えないで、自分が普段やっている練習通りの試合をする。練習での力を出すことができれば、勝てると思っています。自分の形に入れば勝てるという自信を持っています。

殴られて意識さえ飛ばされなければ、大丈夫です。殴られるのを覚悟のうえで、殴らせないで試合を制する。そういうイメージで戦います」

──押忍。UFCファイトパスで、吉野選手の試合を追ってくれるファンに一言お願いします。

「僕がやっていること、中東で戦うことは僕にしかできないことです。そういう場で、レベルの高い選手に勝てる日本人がいるところを是非見届けてください」

■放送予定
3月18日(土・日本時間)
午後9時00分~ UFC Fight Pass

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UFC286:オッズ/予想と展望

レオン・エドワーズ 3.05
カマル・ウスマン 1.41
ジャスティン・ゲイジー 2.95
ラファエル・フィジエフ 1.43
グンナー・ネルソン 1.29
ブライアン・バーバリー3.90
ジェニファー・マイア 2.45
ケイシー・オニール 1.59
マービン・ヴェットーリ 1.38
ロマン・ドリーゼ 3.25
ジャック・ショア 1.20
マクワン・アミルカーニ 5.00
クリス・ダンカン 1.87
オマール・モラレス 1.95
サム・パターソン 1.36
ヤナル・アシュモズ 3.30
ムハンマドモカエフ 1.13
ジャフェル・フィーリョ 6.75
リローン・マーフィー 1.56
ガブリエル・サント2.55
クリスチャン・リロイ・ダンカン 1.48
ドゥスコ・トドロビッチ 2.80
ジェイク・ハドリー 1.26
マルコム・ゴードン 4.10
ジョアン・ウッド 1.57
ルアナ・カロリーナ 2.50
ジャイ・ハーバート 2.65
ルドビト・クライン 1.51
ジュリアナ・ミラー 1.23
ヴェロニカ・マセド 4.50

メインはウェルター級タイトル戦。昨年8月に対戦した際には、1R終盤にウスマンがUFCで初めてテイクダウンを奪われ、そのままバックマウントを取られてラウンドを落としたものの、2R以降は打撃でプレスし、ケージを背負わせた所にタックルに入り、テイクダウンまたは押し込む展開となり、そのまま49-46でウスマンが王座防衛するかと思われた最終盤にエドワーズのハイキックがヒットして王座奪取。今度はエドワーズの地元イギリスでのダイレクトリマッチとなる。

わずか5ヶ月ぶりなら技術的に大きく変わることはない。両者の対戦はすでに3度目、8R戦ってきているので、お互いの手の内も十分にわかっているはず。心理的な面での影響について言えば、ホーム・アウェイや王者・挑戦者が入れ替わっての対戦であることについては両者ともにそこまで意識はしていないかもしれない。それより、前回KO負けしたウスマンが、その一発を警戒することによってスタンドの圧が弱まることがあれば、形勢は大きく変わってくる。

オッズは前回ウスマン1.26倍・エドワーズ4.10の大差があったが、今回は差が縮まったとは言え、未だにウスマンがフェイバリット。

ウスマン判定勝ちと予想。

プレリムにはプロ・アマ通算38連勝の22歳・モカエフがUFC4戦目を行う。平良と同じ2000年生まれで無敗ということで比較されることも多いモカエフだが、今回の相手はコンテンダーシリーズ上がりでUFCデビュー戦のフィーリョ。UFCフライ級は3連勝でもうランカーに届いてもおかしくないが、平良の前戦もコンテンダーシリーズ上がりでUFCデビュー戦だったように、UFCは慎重に育てていくつもりなのかもしれない。なお、フィーリョは修斗ブラジルのフライ級王者だったこともある。

第1試合開始は19日朝2時(18日深夜26時)。前日には21時から吉野光が出場するUAEWもファイトパスで中継される。速報します。

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【UAEW39】砂漠で戦う男、吉野光。元王者と対戦。マカエフ&ストリーグル出場のフェザー級戦線も注目

【写真】今は裏街道かもしれないが、この道はメインストリームに通じる(C)

18日(土・現地時間)、UAEはアブダビのエティハド・アリーナで開催されるUAE Warriors39に日本から吉野光が出場し、ヴィニシウス・ジ・オリヴェイラと対戦する。

吉野のUAEW参戦は昨年10月のジャマル・ラステム戦以来、5カ月振り2度目となる。


砂漠で戦う男、吉野光。Road to UFC出場を狙うとも伝わってくる吉野は、2度目のUAEW出場で前バンタム級王者と対戦することとなった。オリヴェイラは2021年3月にサビエ・アラウイを破り、昨年7月にその後PFLに進出したアリ・タレブに敗れるまでベルトを巻いていたファイターで、1度防衛にも成功していた。

つまり、吉野は砂漠のフィーダーショーでタイトル戦線に位置しているメッチメイクとなる。必殺の大内刈りと、下になってもテッポウがある吉野に対し、オリヴェイラはハイや右ストレートにKOパワーを持つ。反面、ガードが疎かになるのでそこに打撃という欲よりも、粗さをついて組み伏せる──そんな戦いでUFCスカウトの目に留まるファイトがしたい。

(C)BRAVE CF

なお今大会のメインは砂漠の独立王国BRAVE CFで活躍してきたチェチェン系オーストリア人ファイターのモチャメド・マカエフが、同じく同プロモーション初出場となるバグドス・オルシャバイと対戦する注目カードが組まれている。

ボクシング&レスリングのラッシュ力でド迫力のファイトを展開するマカエフだが、オルシャバイもカザフのアラッシュ・プライドのトップファイター。中央アジアでコーカサス系やスラブ系の強力なレスリングベースを持つファイターと、スクランブルが融合した喧嘩ファイトを勝ち抜いてきた。

マカエフ✖オルシャバイはコンテンダーシリーズで組まれてもおかしくない──そんなフェザー級マッチだ。そのUAEWフェザー級戦線制覇に元UFCファイター、世田谷育ちのピーノファイター=マーク・ストリーグが乗り出す。

今回は150ポンド契約マッチだが、イタリアの元Bellatorファイター=ヴァルテル・コリアンドロとの内容如何によっては、即タイトル戦も見えてくる。

UAEWのヨルダン人フェザー級王者アリ・アルカイシは翌日のUAEW40:UAEW Arab10でONEベテランのエジプト人ファイター=のアフメッド・ファレスの挑戦を受ける。

欧州、中近東、ブラジル、中央アジア、アフリカを対象に人材発掘&再生=厳しいサバイバルウォーが繰り広げられているUAEWに、東と東南アジアから吉野&ストリーグルが挑む。彼らに続く選手が現れるのかも気になるUAEWだ。

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【ONE FF09&ONE FF11】3月17日に和田竜光、31日に安藤達也がMust Winのルンピニー出場へ

【写真】しっかりと勝ちたい、いや勝たないといけない試合だ (C)ONE & MATSUNAO KOKUBO

22日(水・現地時間)、ONE Championshipより3月17日(金・同)にタイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE Friday Fights 09に和田竜光が、同31日(金・同)のONE FF11に安藤達也が出場することが発表されている。

和田の出場はONEと契約中の日本人MMAファイターとして初のルンピニー大会への参戦となる。また、Road to UFCから修斗世界バンタム級王者として国内で活躍中の安藤は、その修斗のベルトを奪取してから1年振りの試合が念願となる初の海外進出だ。


昨年6月のカイラット・アクメトフ戦で判定負けを喫し、タイトル戦線から一歩後退の和田はPXCやURCCで活躍してきたアーネスト・モンティーリャと対戦。

PXCではバンタム級王座決定戦を経験しているが、アルヴィン・カクダックに敗れている。これが3年11カ月ぶりの実戦復帰ということを考えても、和田は負けられない。

安藤の相手アリ・モタメドは、かつて吉野光にスプリット判定勝ちを収めているものの──吉野勝利が妥当という声が多かった試合だった。

なんせモタメドは吉野に15分間で9度のテイクダウンを許している。言い換えると、それだけ倒されながらフィニッシュを許さなかった試合ではあったが、安藤としてテイクダウン後だけでなくて、その前後でしっかりとパンチを当てて倒したい。

和田としては本戦カムバック、安藤は一気に本戦進出するために圧勝を望みたいルンピニーでの戦いだ。

なおリリースに寄せられたONE初出場の安藤のコメントは以下の通りだ。

安藤達也
「ずっと海外で試合をしたいと思っていたので、ONEからチャンスを貰えて嬉しかったです。今回の相手は、経験値の高いストライカーです。自分のひらめきを武器に、いつも通り決着をつけに行きます。そして、ONEのチャンピオンと戦えるチャンスを掴みに行きます。ファイターとしての目標はたくさんありますが、まずは自分に勝つこと。格闘技を通して挑戦する姿を見せて、勇気を与えたいです。格闘技はLIVEだと思うんですよね。やってみないと分からない!ぶちあげます。お楽しみに!」

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ONE Friday Fights11:修斗バンタム級王者安藤達也が3月31日のONE Friday Fights11に参戦。

修斗バンタム級王者の安藤達也が3月31日のONE Friday Fights11に出場。

安藤は昨年3月に岡田遼のタイトルに挑戦し2RKO勝ちで王座獲得。昨年のRoad To UFCに出場の噂も流れたが、出場はなかった。

相手のアリ・モタメドはONEウォーリアーシリーズで3勝2敗。RIZIN TRRIGERにも出場した吉野光に勝利している。2020年12月にONEデビューしたが、中国のチェン・ルイに1RKO負けしている。今回はそれ以来2年3ヶ月ぶりの試合となる。

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MMA MMAPLANET o UAEW UAEW34 ジャマル・ラステム 吉野光

【UAEW34】グレコのラステムに対し、吉野は柔道=大外刈り、大内刈り、払い腰、左ハイで判定勝ち

<65 キロ契約/5分3R>
吉野光(日本)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ジャマル・ラステム(トルコ)

オーソに構えてきたラステムは、吉野の左ストレートに組み付きクリンチの攻防になる。吉野はすぐに払い腰を狙うが、これはラステムが軽く封じる。ケージに押し込まれた吉野、大内刈りにもラステムは崩れない。ここで早目のブレイクが掛かり、吉野は左を当てて組みつくと大外刈りでテイクダウンし、クルスフィックスでパンチを連打する。しかし、ラステムは両足で挟まれた左腕で吉野の持ち上げ、肩ブリッジをするようにテッポウで返す。

まさかのリバーサルを許した吉野は、すぐにスクランブルに持ち込みシングルに出るが、ラステムがバックに回る。向き合おうとする吉野に対し、ラステムは右腕を首に巻き付けるようにして、背中を取ろうとする。吉野は許さず胸を合わせて大内刈りでテイクダウンを思いきや、その勢いを利用してブリッジしたラステムは後方に押し上げ、そのまま両者が立ち上がる。左腕を差した吉野にラステムはヒザ蹴り。直後に吉野は左腕を利して払い腰で投げきる。

そのままサイドを取った吉野は、右腕を差してきたラステムをがぶる。立ち上がって離れた両者、吉野は左ローを蹴る。オーソのままラステムに左ミドルを狙った吉野。打撃では怖さはないか。それでも左に右を合わせてきたラステムが、バランスを崩した吉野に組みつく。吉野は左腕を差してヒザ蹴りをボディに突き上げる。離れたラステムが右前蹴りを見せたところで時間に。豪快な投げとクルスフィックスからのパンチで吉野が初回をリードした。

2R、吉野は左ミドルから左ストレート、ラステムが組み初回から続くタイアップ状態に。左エルボーを振るって離れた吉野は、まっすぐ左で前に出る。ここもラステムが組んで、右差しから左エルボーを打つ。吉野の払い腰を、腹ばいで耐えたラステムはがぶられても右腕を差し続ける。

離れ際、ラステムが背中を見せるように距離をとった刹那、吉野は左ハイを決める。下がったラステムを追いかけるように跳び蹴りを見せた吉野。これは空振りとなったが、シングルに出たラステムをがぶってボディにヒザを入れる。ラステムは押し返せなくなり、リリースした吉野がその立ち上がり際にヒザを顔面に突き上げる。吉野は逃げの組みになっているラステムを大内刈りで倒し、ハーフで抑えこの回も明らかに取った。

最終回、ハグをして健闘を称えあう両者。吉野は飛び込んで左ストレート、ラステムは組んで、この試合で初めてダブルアンダーフックで組むと、櫓投げのように持ち上げる。耐えて着地した吉野が、右を差し返す。完全にグレコ&ヒザ蹴りの状態に、レフェリーが両者を分ける。左フックに組まれた吉野は、ケージに押し込まれる。ラステムも相当疲れており、吉野は体を入れ替えてヒザ蹴りを繰り出す。またも両ワキを差したラステム。吉野はケージにもたれて投げを許さない。ここでもレフェリーがブレイクを命じ、試合は残り70秒に。

大外は防がれた吉野だが、最後の30秒で離れたラステムに左を振るう。ついにサウスポーになったラステムが右腕を差し、吉野は大内刈りも決まらず時間に。

最終回は思うように攻め切ることはできなかった吉野だが、2つのラウンドを取っていることは確実だ。結果、ジャッジ3者とも29‐28をつけ吉野がUAEW初勝利を挙げ、ヨアナ・イェジェチックから勝利者トロフィーを手渡されると満面の笑みを浮かべた。


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