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2024#02 45 DEEP DEEP Osaka Impact2024#02 MMA MMAPLANET o ブログ ペレイラ・ユウジ・ラファエル 前薗渓

【DEEP Osaka Impact2024#02】ペレイラの柔術に苦戦も、前薗が切り返しの多彩さを見せて判定勝利

<フェザー級/5分2R>
前薗渓(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.19-19(マスト前薗)
ペレイラ・ユウジ・ラファエル(ブラジル)

サウスポーの前薗が距離を詰めると、ペレイラが右ストレートで前薗の顔面を跳ね上げる。右に回るペレイラは前薗の右カーフキックを受けてバランスを崩した。前薗が左ミドルハイから右スピニングバックキックに繋げると、ペレイラの右スピニングバックと交錯する珍しい展開に。ペレイラにケージを背負わせた前薗が左ミドルを繰り出すと、ペレイラが蹴り足をキャッチしてグラウンドに持ち込んだ。背中を着いた前薗にパウンドを連打するペレイラ。前薗は下からペレイラの右腕を取り、スイープに成功する。袈裟固めで抑え込みにかかる前薗に対し、ペレイラはスクランブルに持ち込む。ガブった前薗は立ち上がったペレイラの四つからのテイクダウンを、左オーバーフックで切り返す。そのまま前転してペレイラの右腕に腕十字を仕掛けるも、これは極めきることができず。

ペレイラの鉄槌を受けた前薗は立ち上がり、ケージに押し込まれる。しかし四つで組んだ前薗がヒザ蹴りから体勢を入れ替え、またもペレイラの投げを切り返してトップへ。ペレイラもハーフガードからスイープする。スタンドに戻ると、ケージ中央でペレイラが投げからアナコンダの形に入る。耐えた前薗が立ち上がる。互いのハイキックがぶつかったあと、前薗がペレイラをケージ際に追い込み、左ミドルから右フックを打ち込み、シングルレッグで組む。ハイクロッチから足をすくい上げてテイクダウンした前薗。ペレイラはパスを許さず、足を取りに行くが立たれてしまう。スタンドの差し合いで初回を終えた。ラウンド終了のゴングが鳴ると、ペレイラに疲労が見られる。

最終回、疲労のためかペレイラが下がりながら前蹴りで距離を取る。しかし前薗の右フックがクリーンヒットする。回るペレイラを捉えた前薗がボディロックから、ペレイラに背中を着かせた。ハーフガードのペレイラに左ヒジをこすりつける前薗。立ち上がり、ペレイラが背中を着けたままの状態が続くとレフェリーがブレイクをかけた。再開後、前薗の右フックがペレイラのアゴに突き刺さる。組んだ前薗が肩固めの形で組み、グラウンドに引きずりこんだ。ペレイラは前薗の左腕を抱えてディフェンスし、さらにケージキックへ。スイープを狙うペレイラのバックに回った前薗は鉄槌を連打。またもスイープを潰されたペレイラが、アンクルピックから立ち上がる。ケージ際の攻防から離れた両者、ラストは前薗がパンチで下がるペレイラを追いかけ、ペレイラのテイクダウンを切り返してマウントを奪って試合を終えた。

試合後、マットに倒れ込む両者。


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【DEEP Osaka Impact2024#02】レスリングの先輩後輩、前薗渓&濱口奏流「泉州の格闘技を盛り上げたい」

2日(日)、大阪市住吉区の錦秀会 住吉区民センター大ホールで開催されるDEEP Osaka Impact2024#02で、濱口奏流が安谷屋智弘と、前薗渓がペレイラ・ユウジ・ラファエルと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

前薗と濱口は大阪体育大学レスリング部の先輩・後輩という関係だ。現在、所属ジムは違うものの、同じ泉州地域(大阪府西南部)に住む2人は対策練習などを一緒に行うことがあるという。今大会では濱口がメインに、前薗がコメインに出場することとなった。そこで2人の対策練習と、部活の先輩・後輩を超えた両者の関係について訊いた。


柔道の先生から「MMAのためにはレスリング」と(濱口)

――今日は濱口選手が指導員を務める極真会館中村道場泉大津道場で、前薗選手と2人で行っている練習を拝見しました。2人だけの対策練習はいつ頃から、どれくらいのペースで行っているのでしょうか。

練習はシャドーのあとにスパーリングへ。ラウンドごとに強度を高めていった(C)SHOJIRO KAMEIKE

濱口 去年、同じ大会(昨年7月のDEEP大阪大会)に出ることになってからですかね。

前薗 同じ大会で試合をすることになったので、2人で対策練習や打ち込みをしようと、1週間に一度のペースで集まるようになりました。

濱口 自分が怪我をしていたので間が空いていましたけど、最近復活したんですよ。

――濱口選手は昨年11月に決まっていた試合を負傷により欠場しています。公式リリースには「負傷」と書かれていたのですが、具体的にはどのような状態だったのですか。

濱口 最初はレスリングの練習で投げられた時、マットに手を着いて脱臼してしまったんです。それで11月の試合は流れて。そのあと3月は大阪大会に出る予定やったんですけど、練習中にアゴが折れてしまい……。でも早く復帰したかったし、幸い回復も早かったので、今回の大阪大会で復帰することを決めました。

――なるほど。前薗選手と濱口選手はレスリング時代の先輩、後輩ということですが、お互いにレスリングの前に別競技を経験しているのですね。

濱口 僕は4歳から空手をやっています。MMAをやりたかったので高校から空手と並行してレスリングを始め、大学のレスリング部で渓さんと一緒だったんです。

前薗 僕が大学4回生(※関東の大学は「×年生」、関西では「×回生」と呼ぶことが多い)の時に奏琉が1回生で入ってきて。当時から奏琉がMMAをやりたいというのは、うっすらと聞いていました。もともと奏琉が中学時代に柔道をやっていた時から知っていたんですよ。高校でレスリングを始めてからも、大学に出稽古で来ていましたし。

濱口 空手をやっていくうちにK-1を見て、キックボクシングをやりたいという時期もありました。でも高校の進学先を選ぶ時に、コナー・マクレガーがUFCで凄い試合をしていて。マクレガーを見てMMAをやりたくなったので、柔道の先生に相談したんです。すると先生から「MMAのためにはレスリングをやっておいたほうが良いよ」と教わって、高校からレスリングを始めることにしました。

――柔道の先生がMMAのためにレスリングを薦めるとは、なかなか自由な環境だったのですね。

前薗 自由かもしれないですね(笑)。もし僕たちが柔道の強豪校に入っていたら、ずっと柔道をやるように教わっていたかもしれないですけど。

濱口 MMAを始めるのは僕のほうが少しだけ先だったかもしれないですけど、プロデビューは同じ時期でした(※濱口は2022年7月、前薗は同年8月にデビューしている)。渓さんがMMAでプロデビューした時は驚きましたよ。

前薗 大学時代は「MMAをやる」とか、そういう話はしたことなかったもんな。

濱口 最初はボンヤリとMMAやると聞いていたぐらいで。お互いにプロデビューしたあと、2人でMMAの話をするようになって一緒に練習し始めましたよね。

前薗 これも部活の延長線上みたいなもんやったな(笑)。

スパーに続きミット打ち~サーキット~パウンド打ちの連続でお互いに追い込んでいく(C)SHOJIRO KAMEIKE

濱口 もともと僕が高校1年の時に渓さんが大学の1回生、その頃から一緒にレスリングの練習をしていました。高校当時の自分からすれば、大学生のお兄ちゃんみたいな感じで。

――濱口選手にとって、前薗選手は面倒見の良い先輩だったのですか。

濱口 はい。

前薗 嘘つけ(笑)。

濱口 アハハハ。

前薗 高校生には高校生の空気ってあるじゃないですか。大学生の僕が、奏琉たち高校生の空気を壊さないようにとは考えていました。だから当時は僕たちも、今のような距離感ではなかったです。でも奏琉もグレコで強かったので、よく一緒に練習していましたね。

――濱口選手高校時代、レスリングと並行して空手の試合にも出ていたそうですね。

濱口 高校の時は空手の大会に出ながらレスリングもやっていて、今はMMAをやりながらレスリングの試合にも出ています。

――えっ!? 今もレスリングの試合に出ているのですか。

濱口 はい。僕は大学の4回生で、レスリング部にも所属しています。ホンマは関東に行って、しっかりとレスリングをやってMMAデビューするつもりやったんですよ。でも大阪体育大学やと地元に残って、レスリングもやりながらMMAもできるということで。今は並行してやっていますね。

前薗 奏琉がこんなに早くMMAでプロになるとは、誰も考えていなかったんですよ。

濱口 僕も驚いています(笑)。MMAを始めて、DEEPのフューチャーキングトーナメントにエントリーしてみたものの、まさか自分でも優勝できるとは思っていなくて。

前薗 自分が4回生でレスリングを引退したあと、奏琉がレスリング部にいながらMMAでプロデビューしていたので、ビックリしましたよ(笑)。

グラップラーを相手に自分の打撃を試す(前薗)

――空手道場とレスリングの大会で、濱口選手のドレッドヘアが許されているのも驚きです。その前はアフロヘアでしたし。

濱口 地方やからこそ、いろいろ自由にやらせてもらっている面もあるとは思うんですよ。

前薗 そんなことないって(苦笑)。自分が3回生の冬休みに金髪にしたら、「すぐに戻せ」って怒られたから。

――アハハハ。レスリングからMMAに至る前で、お互いの良いところなど印象を教えてください。

濱口 僕にとって渓さんは、常に自分より上を行っている存在です。レスリングでも勝たれへんし、MMAをやっても勝たれへん。戦績も渓さんのほうが上で、そこは先輩やなって感じですね。

――その前薗選手は前回のインタビューで、濱口選手のほうがメイン扱いされることに文句を言っていましたよ。

前薗 そんな言い方はしていないじゃないですか(笑)。試合順は別に……ポスターの写真はもっと大きくしてほしいとは思いますけど。

濱口 アハハハ!

前薗のパウンド連打で濱口は腰の位置を修正しながら追い込んでいく。先輩・後輩という以上にお互いを補い合うことができる関係だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

前薗 レスリングの時は勝つことができていたけど、MMAでは自分のほうが劣っている部分が見えてきました。僕は柔道からレスリングを始めた時も、別に年齢は関係なく誰彼構わず聞けることは聞くようにしていて。奏琉に対しても、レスリングの時は自分のほうが上やったけど、MMAをやっていると自分のほうが劣っている部分も見えてきました。今ではMMAについて気軽に、いろんなことを聞ける存在になっていますね。試合の

――反対に、「これはやめてほしい」と思うことはありますか。

濱口 え、何やろう……。

前薗 すぐ怪我をしてしまうところと、酔ったら調子に乗るところですかね。酔うとテキーラを何杯も飲むんです。

濱口 試合が終わると二人で祝勝会をやったりするんですよ。どちらかが試合終わりで、片方がまだ減量時期からだいぶ前やったりすると、もう……。次の試合の話をしながら、次の日に何も覚えていないぐらい飲んでいますね(苦笑)。

前薗 格闘技の話をしながら熱くなってしまい……「泉州を盛り上げるぞ! マスター、テキーラ!!」って。

濱口 それで次の日は何も覚えていないんです(笑)。飲みに行くお店のマスターも、泉州色が強い人だから、頼んだら「ヨシッ!」って。

――泉州色、というのは?

濱口 だんじり祭りは有名ですよね。

前薗 今ならレゲエとか。

濱口 そんな地元が好きやから、僕たち2人とも「泉州を格闘技界で盛り上げたい」という気持ちが強いです。今回の試合も2人でバチッと勝ちたい。大阪でも北のほうは有名な選手も多いと思うんですよ。泉州ではパラエストライズムの先輩の竹中大地さんがONEに出場されていたけど、僕たちのような若手が全然なんで。もっと頑張っていきたい、という話をしながら飲んでいて――記憶がなくなるという(苦笑)。

――試合のない時期でも、お酒はほどほどに……。では次の試合について、対戦相手の印象を教えてください。

前薗 ペレイラ選手については「あまり打撃はやっていないなぁ」という感じですね。でも柔術をやっている人に聞いたら「柔術は強いよ」と言っていて。そんなグラップラーを相手に自分の打撃を試すことができるかな、という感じです。

濱口 僕はもう自信満々です。相手はベテランで、しっかり組みができる相手やと思います。相手に得意なことはさせず、自分の得意なところで攻めたいですね。何で攻めるかは言わないですけど(笑)。かつ「魅せる」ことができたら良いな、って。過去5戦は魅せることができていないけど、今はそういう余裕もできてきました。

前薗 今日見ていただいた練習だけじゃなく、それぞれの道場でもいろんな人と話をしながら、できるかぎりの対策をやってきました。最近いろんなものが身についてきている実感はあるので、次の試合が楽しみです。

■DEEP Osaka Impact2024#04視聴方法(予定)
6月2日(日)
12時30分~YouTube DEEP/DEEP JEWELSメンバーシップ、ツイキャスPPV

■対戦カード
<バンタム級/5分2R>
カーレッジユウキ(日本)
亀井修真(日本)

<バンタム級/5分2R>
大空斗(日本)
木下竜馬(日本)

<フェザー級/5分2R>
田中壱季(日本)
三井俊希(日本)

<フェザー級/5分2R>
延命そら(日本)
今村豊(日本)

<フライ級/5分2R>
宮川日向(日本)
久保田洸平(日本)

<フライ級/5分2R>
飴山聖也(日本)
前田太輝(日本)

<ライト級/5分2R>
紀州(日本)
真野亜三瑠(日本)

<バンタム級/5分2R>
山﨑鼓大(日本)
堂園悠(日本)

<60キロ契約/5分3R>
安谷屋智弘(日本)
濱口奏琉(日本)

<フェザー級/5分2R>
前薗渓(日本)
ペレイラ・ユウジ・ラファエル(ブラジル)

<バンタム級/5分2R>
谷岡祐樹(日本)
切嶋龍輝(日本)

<ウェルター級/5分2R>
BORZ(ウズベキスタン)
姜信一(日本)

<フェザー級/5分2R>
古根川充(日本)
森俊樹(日本)

<女子50キロ契約/5分2R>
青野ひかる(日本)
SAAYA(日本)

<女子フライ級/5分2R>
MANA(日本)
山口恵(日本)

<フライ級/5分2R>
八尋大輝(日本)
藤田健吾(日本)

<フェザー級/5分2R>
桑本征希(日本)
秋山怜冬(日本)

<メガトン級/5分2R>
土井淳(日本)
竹内龍吾(日本)

<アマチュアSルール フライ級/3分2R>
砂田華杜(日本)
朝井啓太(日本)

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45 DEEP DEEP Osaka Impact2024#02 MMA MMAPLANET o アシルベック ブログ 前薗渓 安谷屋智弘 濱口奏琉

【DEEP Osaka Impact2024#02】前薗渓&濱口奏流、大阪レスリングコンビが地元で上位進出を賭けた試合へ

【写真】粗削りだが、いまだDEEPフェザー級で無敗の前薗渓(C)SHOJIRO KAMEIKE

18日(木)、6月2日(日)に大阪市住吉区の錦秀会 住吉区民センター大ホールで「DEEP OSAKA IMPACT 2024 2nd ROUND」が開催されることが発表された。
Text by Shojiro Kameike

同大会では安谷屋智弘×濱口奏流の3Rマッチが行われるほか、谷岡祐樹と前薗渓といったDEEP大阪を中心に戦う期待の若手ファイターが出場する。


前薗は柔道、レスリングをベースにプロMMAデビューから6戦無敗。DEEP大阪大会で5連勝後、今年3月には初めて念願だった東京で戦い、ウズベキスタンのアシルベックをRNCで下している。アシルベックの右をもらって動きが止まる場面はあったものの、豪快なバックスローでテイクダウンし、キッチリとフィニッシュした。スタンドレスリングと投げの強さは、さすがグレコローマン出身というべきところか。

写真は昨年11月の桑本征希戦。今度のペレイラはボトムからの技術も持つ柔術家だが、果たして――(C)SHOJIRO KAMEIKE

その前薗が「大阪大会凱旋」という形で、ボンサイ柔術のペレイラ・ユウジ・ラファエルと対戦する。ペレイラは大阪ACFで2勝1敗というMMAレコードを持つ。長いリーチを生かしたジャブとミドルからテイクダウンに至る流れが速いのが特徴だ。まだキャリアが浅いだけに、前薗を相手にどこまで組みで仕掛けることができるか。迎え撃つ前薗にとっても、ここまでグラウンド勝負が中心のファイターとの対戦経験はない。DEEPフェザー級戦線でトップグループに絡むためにも、ここはグラウンド力を示しておきたいところだ。

新鋭×ベテランの一戦(C)SHOJIRO KAMEIKE/MMAPLANET

唯一の3R戦では、60キロ契約でベテランの安谷屋が濱口と対戦することに。濱口は2022年にDEEPフューチャーキングトーナメントで優勝。前薗はレスリング時代の先輩にあたり、今でも練習を共にしている。昨年7月にマルザヘンペーソクをRNCで下したあと、同年11月に風我との対戦が決定していたが、この時は濱口の練習中の怪我で試合が中止となっていた。濱口にとっては、安谷屋に勝利すればトップ戦線に食い込むことになるだろう。安谷屋としても福田龍彌の階級アップで新しい展開となっているDEEPフライ級で生き残りを賭けた一戦となる。

一発か、削るかのパンチ対決(C)SHOJIRO KAMEIKE/NOB YASUMURA

また、大阪の剛腕ファイター谷岡祐樹は、7日に愛知大会で吉田陸にKO勝ちしている切嶋龍輝と激突する。元DEEP KICK王者の谷岡は相手をなぎ倒すパンチャーだ。対する切嶋は吉田陸戦で正確なジャブとストレートで相手を削った末に、ダウンを奪ってストップを呼び込んでいる。タイプが異なるパンチャー同士の一戦は、切嶋が谷岡のガードの間を突き続けるか。あるいは谷岡がカウンターかクロスで倒すかが興味深い。

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45 DEEP DEEP Tokyo Impact Deep Tokyo Impact2023#01 MMA MMAPLANET o アシルベック 前薗渓

【DEEP Tokyo Impact2023#01】アシルベックのバックを制した前薗渓が、RNCでキャリア6連勝に

【写真】力強いファイトだった(C)MATSUNAO KOKUBO

<フェザー級/5分2R>
前薗渓(日本)
Def.1R2分47秒by RNC
アシルベック(ウズベキスタン)

サウスポーの前薗に右ストレートを伸ばすアシルベックが、ダブルレッグを切る。蹴りからパンチのアシルベックに組んだ前薗だが、自ら離れる。完全にポイント空手の構えから右の突きを入れたアシルベックだが、右振って組んだ前園がバックに回ってグラウンドへ。すぐにスクランブルから立ち上がったアシルベックだが、前薗がワキを潜ってバックに回りバックスローでテイクダウン――両足をフックする。

やや乗りすぎの状態から足を入れ背中を伸ばしにかかる前薗がRNCをセットし、アシルベックがタップを奪いキャリア6連勝とした。


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45 AB DEEP DEEP JEWELS DREAM KOMA MMA MMAPLANET o RIZIN キック ハルク大城 パンクラス ボクシング 三村亘 佐伯繁 前薗渓 劉獅 山口コウタ 山本有人 平本丈 杉山廣平 松田亜莉紗 栗山葵 漆間將生 瀧口脩生 瀧澤謙太 鈴木琢仁 風我 飴山聖也

【DEEP Tokyo & Osaka Impact2024#01】大阪インパクトと東京インパクトのカードが続々と決定

【写真】松田は西で。前薗は東で(C)MATSUNAO KOMATSU & SHOJIRO KAMEIKE

1月29日(月)、DEEPより3月17日(日)に大阪市住吉区の錦秀会住吉区民センター大ホールで開催されるDEEP OSAKA IMPACT2024#01の対戦カードが発表されている。
Text by Manabu Takashima

そしてDEEP JEWELSストロー級チャンピオン松田亜莉紗が、チャンピオンとして初めての試合をノンタイトルの3回戦&初の国際戦として臨むことが決まった。


対戦相手はマドンナ・ザ・ロケット。アムを筆頭にタイのザ・ロケット集団はゲオチャイ、アンドレ、ダイヤモンドローズ、ノーパン、プリンセスらがDEEPで戦っているが、そのアム以外は白星がない。前例からいえばマドンナも、苦戦は必至というところか。半面、チャンピオンとはいえキャリアは2年の松田は試合毎に穴が見つかる肯定にあるため、思わぬ落とし穴があるかもしれない。

とはいえ組んでからのパンチ=ダーティーボクシングとパウンドの強烈さは、松田がグラップリングの基礎をしっかりと叩きこまれているからこその強味だ。マドンナ・ザ・ロケット──佐伯繁代表によると「ロケット軍で一番の美女」──がそこに対応できるようだと、今後のDEEP JEWLESタイ勢の核となるルーキーが現れたことになる。

この他、女子では2回戦で栗山葵がMANAと対戦する59キロ契約マッチやアマを含め7試合が決まっている。一方、男子のカードは3回戦で三村亘✖劉獅のフェザー級、2回戦では鈴木琢仁✖角野晃平のウェルター級など11試合、計18試合のラインナップとなっている。

アマ時代に平本丈にKO勝ちを収めている飴山聖也が、井上暉也を相手に3度目の正直でプロ初勝利となるか。西の実力者=瀧口脩生が、ロケット軍団に負けじと増殖中のグラップリングシュートボクサーズジム軍団からRIZIN帰りの銀グラップリングシュートボクサーズジムを迎え撃つ一戦も注目だ。

また3月24日のDEEP TOKYO IMPANCT2024#01の対戦カードも──杉山廣平✖風我のトップ返り咲きを目指すフライ級永遠に続くサバイバル3回戦を筆頭に、10試合が1月27日(土)に明らかとなっている。

気になるのは元パンクラシストで、KROSS X OVERでMMAとキックの二冠王となったハルク大城の初出場だ。2018年3月に瀧澤謙太に敗れ、MMAから距離を置いていた大城はキック、ムエタイ、シュートボクシングと立ち技に専念していたが、昨年6月にMMAに戻ってくると11月にKROSS X OVERのバンタム級のベルトを巻いている。山本有人戦の勝敗もちろん、パフォーマンス次第でトップ戦線返り咲きが見えてくる──そんなハルクのDEEP初陣となる。

初参戦でいえばバンタム級で山口コウタと対戦する、漆間將生も気になる存在といえよう。格闘DREAMERS出演から、パンクラスでは3勝4敗と思うような結果を残すことができなかった漆間が、DEEPで同じような状況にある山口とのマッチアップ。戦場を変える、外敵を迎え撃つ──という状況は、キャリアのアクセントとなる戦いだけに、現状を打破するために両者とも落とせない一戦となろう。

また大阪大会で5連勝中の前薗渓が、待望の東京での初試合を迎える。柔道とグレコローマンレスリングで培った組みの強さが、関東初お目見えとなる。が、対戦相手のアシルベックは今話題の中央アジア=ウズベキスタン人ファイターだけに、前薗の最大の長所が潰される可能性もあるタフなマッチメイクといえるだろう。

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DEEP Osaka Impact2023#03 J-CAGE Report ブログ 前薗渓 桑本征希

【DEEP Osaka Impact2023#03】前薗がテイクダウンを奪い続けるも桑本のディフェンスに阻まれ判定勝ち

【写真】前薗の一方的な展開のようで、攻め切ることもできなかった(C)SHOJIRO KAMEIKE

<フェザー級/5分2R>
前薗渓(日本)
Def.3-0:20-18.20-18.20-18.
桑本征希(日本)

互いにサウスポースタンスから右インローを放つ。前薗が左カーフキックから飛び込んで右フックを振るった。左ストレートから右フックに繋げる前薗だが、桑本にバックステップでかわされてしまう。桑本のワンツーが前薗の顔をかすめた。ここで前薗が組みに行くも、ケージ際で桑本がボディロックでバックを狙う。しかし前薗が首を抱えて潰し、マウントから桑本にパウンドを落としていく。

桑本は下から二重絡みで前薗のバランスを崩しにかかった。すると前薗は桑本の両足を畳み、頭をケージに押し付けながら再びマウントへ。半身になった桑本はパウンドの連打を浴びながら体を起こし、背中をケージに着ける。ポジションを整えようとした前薗に、桑本が下から右ヒジを浴びせた。前薗は立ち上がった状態からパンチを落として初回を終えた。

最終回、桑本が距離を詰めて右ジャブを伸ばす。左ストレートから右フックを振るい、前薗にケージを背負わせた。前薗が前に出て来るとサークリングする桑本。前薗はシングルレッグで入るも足を抜かれてしまう。ケージ中央に戻り、前薗が二度目のシングルレッグで桑本に尻もちを着かせた。足を畳んでマウントに移行していく前薗だが、桑本のディフェンスも強い。

前薗がボディロックで背中を着かせた。亀になり立ち上がった桑本のバックに回る前薗。右足を差し入れてきた桑本を潰してトップを奪う前薗だが、ダメージを与えるパウンドを放つことができない。終了間際にマウントへ移行し、右ヒジを落としに行くも、桑本が下から抱える。ならばとサイドに回った前薗だが桑本に右手を抑えられ、最後はマウントからパンチを落としていった。

判定は文句なくフルマークで前薗の判定勝ち。試合前のインタビューで「まだ自分は本当のMMAを知らない」と語っていた前薗は、ストライカーである桑本のグラウンド防御に対して何を感じたか。互いの持ち味と課題が見えた一戦だった。

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DEEP DEEP Osaka Impact2023#03 MG眞介 MMA MMAPLANET o RIZIN UFC キシシ コナー・マクレガー マイケル・チャンドラー ライカ 三村亘 上荷大夢 八尋大輝 前薗渓 古林礼名 古根川充 山﨑鼓大 桑本征希 海外 濱口奏琉 瀧口脩生 牧野滉風 風我 飴山聖也

【DEEP Osaka Impact2023#03】5連勝を賭けた桑本征希戦へ、前薗渓─02─「まだ本当のMMAを知らん」

【写真】自信を実績に変えることができるか。前薗のキャリアに注目だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(日)、大阪市住吉区の錦秀会住吉区民センター大ホールで開催される「DEEP Osaka Impact2023#03」で、桑本征希と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

MMAを始めてアマチュアも含めて全勝中の前薗は、現在24歳。そのテイクダウンとグラウンドコントロールを武器に、前回のDEEP大阪大会では4連勝中の瀧口脩生を肩固めで下した。DEEP大阪大会でも目立つ存在となった前薗に、次の試合と今後の目標について訊くと——時おり自信のある笑顔を浮かべていた。

<前薗渓インタビューPart.1はコチラ


――たとえばDEEP東京大会で「序盤」「中盤」「終盤」「メイン」と選手の層を分けた場合、今はどの層まで勝てると思いますか。

「う~ん、今の自分のレベルなら『中盤』かなって思います」

――前薗選手は今までMMAの打撃という面では証明できていない面もあるかもしれません。ただ、組み技が柔道でもレスリングでもなくMMAの組み技として成立しているように感じます。

「そこは意識しています。まず高校から大学に進学して、柔道からレスリングへと競技を変える時に、メチャクチャ試行錯誤しました。それは今も同じで、やっぱり柔道やレスリングからMMAに変わる時から、ずっと考え続けています。

でも、今はまだ感覚でやっているところも多いですね。試合の中で自分がどう組んでいるかというのも、記憶がないところもあって。それこそ東京でも大阪でも打撃が強い上位の選手を相手にどう組むのか、って考えると危ない部分もあるとは思います」

——特にMMAにおいて、ケージを使う攻防を意識してはいませんか。

「はい。僕はレスリングでグレコやったんで、フリースタイルのような綺麗に相手の足を刈るようなテイクダウンは苦手なんです(苦手)。まず相手の懐に飛び込んだら、ドドドッってケージまで持って行く。ケージに押し込めば、そこからはグレコの良さを生かせると思うので。そうしたケージの使い方というのは考えています」

――国内でも海外でも構いませんが、憧れのMMAファイターはいますか。

「MMAを始めるキッカケになったのは、エンターテイナーという部分でコナー・マクレガーです。格闘家として——アスリートとして憧れるのはマイケル・チャンドラーですね」

――もしマクレガーとチャンドラーが対戦していたら……。

「そうなるとヤバかったですね。『どっちを応援したほうが良いんだろう?』って(笑)」

――アハハハ。

「チャンドラーについては、体がガッチリしているじゃないですか。僕は体を鍛えるのも好きで。ライト級でそれほど身長は高くないけど、本来はレスリングをやっていてテイクダウンも強い。チャンドラーのファイトスタイルを参考にすることはあります」

——ではMMAをやるうえでの目標は、どこに置いているのでしょうか。

「ずっとRIZINに出るのを目標にしています。またRIZIN大阪大会があれば、ぜひ呼んでほしいという気持ちはありますね」

——今までRIZIN大阪大会の出場メンバーを見て、自分のほうが強いと思うことはありましたか。

「はい。もちろん全員ではないけど……。『自分のほうが——』と思うことは、たまにあります。それよりも早く今の自分のポジションから飛び出したい、という気持ちが強いですね。まずDEEPの東京大会を荒しに行きたいです」

——マクレガーやチャンドラーが戦っているUFCへ、と考えたことはないですか。

「そこまでは考えたことがないですね。何か現実味がなくて……。僕、まだMMAの試合で良いパンチをもらったことがないんですよ。だから正直言って、自分でも『まだ本当のMMAを知らん』と思っています。一回良いのを食らったら、『まぁこんなものか』となるかもしれないけど(苦笑)、とにかくホンマのMMAを知らんような気はしています」

——要は、マトモに打撃をもらうまえに倒しているということですね。

「まぁ、そういうことです(笑)」

——次に対戦する桑本征希選手は、関西でもストライカーに属します。その桑本選手の打撃で本当のMMAが……。いや、やめておきます。

「え、何ですか?」

——次の相手には打撃をもらわない、という顔をしていますよ。

「アハハハ、そうですか。まぁ、いつもどおり戦えば問題ないと思います。僕の中では前回、瀧口脩生選手に勝てた(7月、肩絞めで勝利)ことが凄く自信になっています」

——ちなみに東京在住の選手のほうが、東京大会に出やすいかもしれません。そのために泉佐野を離れ、関東でMMAをやろうとは思わなかったですか。

「そう考えたことはあります。でも今のところ、どこにも引っ越すつもりはないですね。やっぱり泉佐野が好きなので」

——泉佐野のどんなところが好きですか。

「住んでいる人たちの人柄——でしょうか(笑)。良い感じに発展していて、だけど都心ほど疲れる環境でもなく。別に買い物にも困らない場所なんですよ」

——泉佐野のご紹介、ありがとうございます。今、練習場所はこの吉田道場のみですか。

「基本はこのジムで、土曜日はたまに母校の大阪体育大学レスリング部で練習させてもらっています。おかげで組みについては、MMAでも問題なくやってこられていると思います。そういえば今回の大阪大会で、もともとメインで風我選手と対戦する予定やった濱口奏琉がおるじゃないですか。濱口は大学の後輩で、今もよく練習するんですよ」

——……という話を持ち出したことは、『コイツはメインに出るけど、実力は自分のほうが上なんだよなぁ』と思っているわけですね。

「いやいや、そんなことは——カワイイ後輩ですから(笑)」

——今、明らかにそういう顔をしていました(笑)。では最後に、次の試合への意気込みをお願いします。

「次の試合も、いつもどおりやって、戦績も5連勝にします。DEEP東京大会やRIZIN大阪大会に出られるよう、煌びやかなアピールできる試合をします!」

■DEEP Osaka Impact2023#03視聴方法(予定)
11月26日(日)
午後1時~ツイキャスPPV

<フェザー級/5分2R>
秋田良隆(日本)
藤田宇宙(日本)

<フェザー級/5分2R>
木村総一郎(日本)
森田敢流(日本)

<バンタム級/5分2R>
関本龍翔(日本)
田中壱季(日本)

<バンタム級/5分2R>
キシシ(日本)
キャプテン禎(日本)

<フライ級/5分2R>
マルザヘンペーソク(日本)
飴山聖也(日本)

<フライ級/5分2R>
松原聖也(日本)
上谷章(日本)

<バンタム級/5分2R>
井上暉也(日本)
千種純平(日本)

<フェザー級/5分3R>
三村亘(日本)
古根川充(日本)

<バンタム級/5分2R>
MG眞介(日本)
山﨑鼓大(日本)

<フェザー級/5分2R>
瀧口脩生(日本)
牧野滉風(日本)

<フェザー級/5分2R>
前薗渓(日本)
桑本征希(日本)

<ミクロ級/5分2R>
古林礼名(日本)
永易加代(日本)

<バンタム級/5分2R>
上荷大夢(日本)
八尋大輝(日本)

<ウェルター級/5分2R>
小林裕(日本)
角野晃平(日本)

<ライト級/5分2R>
泉彰洋(日本)
大野“虎眼”賢良(日本)

<アマチュアルール 49キロ/3分2R>
セアリ(日本)
SAAYA(日本)

<マチュアルール 58キロ/3分2R>
サナエ(日本)
山口恵(日本)

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【DEEP Osaka Impact2023#03】無敗の大阪在住ファイター、前薗渓─01─「このまま終わるのは嫌やった」

【写真】まだ24歳。テイクダウンとコントロールはDEEP大阪大会出場メンバーの中でトップクラスの前薗だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

26日(日)、大阪市住吉区の錦秀会住吉区民センター大ホールで開催される「DEEP Osaka Impact2023#03」で、前薗渓が桑本征希と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

前薗が所属する「格闘技 吉田道場」があるのは大阪府の南部にある街、泉佐野市だ。泉佐野市は和歌山市とも隣接しており、沖合には関西国際空港もあるため交通の要所ともいえる。
道場名から東京で吉田秀彦氏が立ち上げた吉田道場と混同されることもあるが関連性はなく、創立から22年以上が経つなど、その歴史は古い。吉田元貴代表がパンクラスでレフェリーを務めており、主宰する吉田道場も「パンクラス認可ジム」としても活動している。その吉田道場でMMAキャリアをスタートさせ、プロデビュー以降4連勝中の前薗に初インタビューを行った。


――今回は泉佐野市にある道場にお伺いしました。前薗選手は、生まれも育ちもこの泉佐野市なのですか。

「そうですね。ずっと泉佐野です」

――まずは、どのような経緯で格闘技を始めたのか教えてください。

「小学校5年の時に柔道の町道場に通うようになって。高校まで柔道で行かせてもらい、大学からレスリングを始めました」

――柔道の前は何かスポーツをやっていたのでしょうか。
「いえ、何もやっていなかったです」

――何もスポーツをやっていなかった状態から、なぜ小学5年生から柔道を始めたのでしょうか。

「ちょうど小5ぐらいから太り始めたんです(笑)。ダイエット目的で何か運動をしたくて、友達がやっていた柔道を選びました」

――中学に入り、町道場から部活動へ? 中高の実績を教えていただけますか。

「はい。中学は個人なら地区大会(泉南地区)からで優勝していて、団体も大阪府で3位になる学校でした。高校時代は大阪府でベスト8になっています」

――それだけの実績を誇りながら、なぜ大学からレスリングに転向したのでしょうか。

「自分の中では—―本当やったら全国大会に出ているイメージで、そこまでのレベルであれば大学でも柔道を続けていたと思います。でも想像していたような結果と違ったし、自分自身に対して納得できない負け方もあって」

――その後、大阪体育大学に進み、レスリング部に入っていますよね。大阪体育大学も柔道で進学したわけではなかったのですか。

「かといってレスリングで進学したわけでもなく(苦笑)。高校まで浪商学園(大阪体育大学浪商高校)やったんで、内部進学でした。あと当時の担任が浪商学園のレスリング部の顧問だったり、柔道を教わっていた先生も以前レスリングをやっていたりと、いろいろとレスリングの繋がりがあったんです。そういった先生たちにレスリング部を薦めてくれて。大学進学が決まってからレスリング部を選んだ、という感じです」

――内部進学とはいえ、体育大学に進むということはスポーツ関連の仕事や体育教師になりたいといった気持ちはあったのですか。

「いえいえ、そんな……ただの甘えです。『そのまま進学できるから良いかっ』みたいな感じで(苦笑)。ただ、教員免許を取ろうとは考えていました」

――なるほど。大学レスリングでは2020年の西日本学生選手権で、グレコローマン67キロ級を制しています。小5から高3まで8年ほど柔道をやっていて、大学から全く別競技であるレスリングを始めることに対して気持ちの整理はついていたのですか。

「正直、最初は複雑でした。柔道で実績を残せなかったからレスリングを始めた——『柔道から逃げた』と思われるんちゃうかな、って。実際にそういうことを言われたわけではないけど、僕の気持ちとしては『逃げた』と思われるのが嫌で。レスリングを始めるなら、ホンマにレスリングで結果を残さなアカンと思っていました」

――ただ、大学からレスリングを始めて西日本学生選手権で優勝するというのは、スピードとしては速いのではないですか。

「たまに大学から始めて西日本学生で優勝する選手はいるみたいですけど、僕は3回生の時に優勝したので若干早いほうだと思います」

――レスリングを始めた当初からグレコをやっていたのでしょうか。

「いえ、最初の試合はフリースタイルで——瞬殺されました(苦笑)。その大会でグレコも見ていて、グレコのダイナミックな投げ技を知って『先生、グレコをやってみたいです』と伝えました。先生からも『そうやな。グレコには柔道出身で強い選手がたくさんおる』と言われて」

――前薗選手は現在24歳ですよね。この吉田道場でMMAを始めたのは、いつ頃なのですか。

吉田道場内に掲げられているパンクラスのロゴ(C)SHOJIRO KAMEIKE

「大学4回生の時なので、22歳の時です。吉田道場に入ってから1年ぐらい経った頃にアマチュアの試合に出て、2022年にプロデビューしました。大学時代に就職活動をしていて、『せっかくの人生なのに、このまま終わっていくのは何か嫌やな……』と思ったんですよ。でも安定志向もあるから、何か仕事をしつつ格闘技で夢を掴みたいなって。今は正社員として働きながらMMAをやっています」

――教員免許は取得しなかったのですね。

「教育実習に行った時、『あんまり教えるのは向いていないな』と思いました(苦笑)」

――ちなみにアマチュアMMA時代の戦績というのは……。

「7戦して全て勝っています」

――そこからプロで4連勝し、フューチャーキングトーナメントでも優勝しているということは、MMAを始めて負けたことがないのですね。しかしプロの試合は大阪大会のみで、東京の大会に呼ばれていないのが不思議ではあります。

「そうですね。だから……なぜ東京の大会に呼ばれないのかな、という気持ちはあります。同じフューチャーキングで優勝した中務太陽選手は、次の東京大会(12月10日、DEEP Tokyo Impact2023#07)のポスターでド真ん中にいるじゃないですか。僕は今の時点でも、そんじょそこらの選手には負けない自信があります」

<この項、続く>

■DEEP Osaka Impact2023#03視聴方法(予定)
11月26日(日)
午後1時~ツイキャスPPV

<フェザー級/5分2R>
秋田良隆(日本)
藤田宇宙(日本)

<フェザー級/5分2R>
木村総一郎(日本)
森田敢流(日本)

<バンタム級/5分2R>
関本龍翔(日本)
田中壱季(日本)

<バンタム級/5分2R>
キシシ(日本)
キャプテン禎(日本)

<フライ級/5分2R>
マルザヘンペーソク(日本)
飴山聖也(日本)

<フライ級/5分2R>
松原聖也(日本)
上谷章(日本)

<バンタム級/5分2R>
井上暉也(日本)
千種純平(日本)

<フェザー級/5分3R>
三村亘(日本)
古根川充(日本)

<バンタム級/5分2R>
MG眞介(日本)
山﨑鼓大(日本)

<フェザー級/5分2R>
瀧口脩生(日本)
牧野滉風(日本)

<フェザー級/5分2R>
前薗渓(日本)
桑本征希(日本)

<ミクロ級/5分2R>
古林礼名(日本)
永易加代(日本)

<バンタム級/5分2R>
上荷大夢(日本)
八尋大輝(日本)

<ウェルター級/5分2R>
小林裕(日本)
角野晃平(日本)

<ライト級/5分2R>
泉彰洋(日本)
大野“虎眼”賢良(日本)

<アマチュアルール 49キロ/3分2R>
セアリ(日本)
SAAYA(日本)

<マチュアルール 58キロ/3分2R>
サナエ(日本)
山口恵(日本)

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