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ABEMA ARAMI MMA SARAMI SASUKE Shooto Shooto2021#07 VTJ VTJ2021   アルフレド・ムアイアド チャンネル 中村倫也 中村未来 佐藤将光 修斗 原口伸 原口央 坂本一弘 堀口恭司 宇佐美正パトリック 宇野薫 山内渉 岡澤弘太 岩本健汰 平良達郎 椿飛鳥 河村泰博 海外 清水洸志 猿丸ジュンジ 結城大樹 菅原和政 西川大和 野村駿太 黒澤亮平 黒部三奈

【VTJ2021&Shooto2021#07】坂本一弘代表に訊く、Shootoのヒエラルキー─03─「勝ちゃあ、良い」

【写真】岩本健汰はプロアマ通して、1度もMMAを経験することなくプロ修斗公式戦を戦った(C)MMAPLANET

いよいよ 6日(土)に迫ったVTJ2021とShooto2021#07。東京都江東区のUSENスタジオコーストで両大会を主催するSustainの坂本一弘氏インタビュー最終回。

VTJが復活した今、修斗公式戦では中村倫也及び宇佐美正パトリックというEXFIGHT勢がアマ修斗を経ず、公式戦でKO勝ちデビュー。岩本健汰がアマでもMMAを経験せずにプロ修斗に参戦し、RNCで一本勝ちした。彼らのデビュー関して、修斗のヒエラルキーが崩れるという声がはからずとも起こった。

アマからプロという一貫した競技性を気付いてきた修斗における変化を坂本氏はいかに捉えているのか。そこにはVTJと再び行う意志に通じる、強さへを追求する姿勢が見られた。

<坂本一弘インタビューPart.02はコチラから>


──VTJと修斗と同日興行、その先には海外というモノが存在しています。再び、富国強兵の時がやってきたのかと。

「まぁ修斗とVTJに関連づけると、現状において海外で成功している日本人は堀口恭司──ただ1人ですよね。ならばその成功例を真似るというのは一つの正解だと思います。SASUKE選手とかにもそういう話をしました。同じテンションではできなくても1カ月とか2カ月の間、米国で練習をして、その経験を日本に持ち返る。次の戦いに備えて自分のできることをやっていく。

堀内恭司にはなれなくても、自分のやり方は見つかるはず。だから焦ったり、短絡的な選択をしない。そのためのステップという意味はありますよね──今回のVTJというのは。だから厳しい試合を外から持って来る。今はコロナ禍で制限もありますが、そこを崩しに掛かっているので、90年代にVTJでやってきたことをやる。今回だけでなく、2022年の公式戦に関しても、その方向性で見ています。

日本は最弱ではないです。でも、どこもかしこも強くなっているから置かれている状況は厳しい。厳しいからこそ、厳しいことを強いて殻を破らないといけないです。1996年の『日本最弱』、あれは日本の総合格闘技がピンチを迎えた時ではあったと思います。強さという威厳を保つうえで。で、そのピンチの後には、何があったか……。

VTJが7月7日に浦安のNKホールであり、7月28日にクラブチッタ川崎で第3回全日本アマチュア修斗があったんです」

──ウェルター級(※69キロ)の決勝が……。

「桜井速人✖宇野薫でした。この時は川崎フリーファイトとしてプロの試合も組んで、郷野聡寛が須田匡昇と戦っているんですよね」

──郷野選手はその後のVTJに出場はなく、年が明けて1月の後楽園ホール大会で戦う。そういう印象が強いです。須田選手は98年のVTJでマーク・コールマン門下のブランドン・リー・ヒンクルに足関節を仕掛けてカカトで顔面に蹴られまくった。

「ホント、修斗が世界に逆襲、打倒ブラジルを掲げて99年に成就した。でも、それって今から思うと綺麗なストーリーですけど、当時はひたすらに必死になってやっていただけですからね。とにかく負けるかって言うことで」

──坂本さんは今もある意味、必死のパッチじゃないですか(笑)。

「ホンマにそうですよ(笑)」

──VTJと修斗はレコードのA面とB面という話でしたが、A面の方ではアマ修斗を経ず公式戦デビューをした中村倫也、宇佐美正パトリックの両選手ばかりか、プロアマ問わずMMAを経験していない岩本健汰選手が、プロ修斗でプロMMA初陣を戦う。そしてアマ修斗を経てプロになった選手を圧倒しました。これはA面のヒエラルキーとして、危機感を持つことはないですか。アマ修斗を経ない選手たちの出現に、修斗が修斗でなくなるという声も聞かれますし。

「まぁ、そういう声があるということに関して正直にいうと、『だから、どうなんだ?』ということですよね。修斗のヒエラルキーを守ろうとする人たちに関しては、そういう風に思ってくれて有難いです。修斗をそうやって大切に思ってくれている。そういう人たちがいてくれて、修斗は成り立っているのも確かです。

でも、強い選手にプロ修斗公式戦を戦ってもらうことを否定して良いモノでしょうか。なら外国人選手を招聘することも、厳密にいえばヒエラルキーから外れてきてしまうじゃないですか」

──確かにそうですね。

「20年以上前にマット・ヒューズとデイブ・メネーを招聘した時、『なんで、ククラスBじゃないんだ。修斗で実績がないだろう』という意見も出ました。強い選手はどこにでもいるんですよ。岩本健汰の出場に反対する。それがアマ修斗の存在を脅かすというのであれば、椿飛鳥が岩本に勝たなアカンかったんですよ。アマ修斗の存在感を頑強にするのであれば。

これは椿の敗北に関して、注文をつけているわけじゃないです。青木のあんな要求を受けて、試合を受けた。大したもんです。試合なんです。椿は勝つためにオファーを受けた。勝つチャンスは均等に与えられているんです。

それをモノにするかどうか。これは修斗に関わっている人間に対しての僕の考えです。ファンの人たちに対しての言葉ではないです。ファンの人たちは好き勝手、自分の想う修斗を応援してください。

その一方で、修斗関係者に対しては、自分たちが修斗の在り方を守りたいために、力のある選手が修斗公式戦に出ようという状況を阻害するのはおかしいと思っています。それを守って、強さを追求するというのは違う。それは修斗の理念ではないんじゃないかという気がします。

僕はプロモーターです。だから『お前の解釈だと、岩本が出ることは都合が良いんだろう』って言われたとしても、『強いから、しょうがないやないか』と。別に最初から世界王座に挑戦しているわけでもないですからね。試合になる椿との試合を組んだ。正しいのは勝った岩本です。それだけです。勝ちゃあ、良い。

それだけアマ修斗が大切なら、アマ修斗の全日本王者が無敗でずっと勝ち続けられるよう選手を強化していけば良いじゃないですか。それができていなくて、アマ修斗から勝ち上がってきた選手が、MMA初戦の選手に負けたら、その試合の存在を否定するのではなくて、より強さを目指すアマ修斗であれば良いんじゃいかと」

──はい。

「強くなるという目標に向かっていくと、手段は一つではないです。山の頂上を目指すためには、ルートが複数あるように色々な登り方がある。強さを追求するのも同じことだと思いますよ。それに椿が岩本に負けたからってアマ修斗は否定されるモノではないです。アマ修斗が必要な選手は全国にいくらでもいますから。アマ修斗の経験をプロ修斗で生かす人がいれば、グラップリングや柔術の経験をプロ修斗で生かすことができる選手もいて然りです。活かし方は個人の判断です。それは自分で決めないと。

まぁ、でもそうやって疑問を投げかけてくれる人がいるというのは、本当に有難いことだと思っています。修斗らしさ、アマからプロという筋道を大切にしてほしいと言われるのが修斗なんだと僕は捉えています」

──坂本さんはそういう意見も、我々マスコミが書くことも苦虫を嚙み潰したような表情になるでしょうが、許容してくださっていますしね。だから、修斗だけは書きやすいというのは私のなかではありますね。

「ホンマ、勘弁してほしいですけどね(笑)。皆、それぞれに『俺たちの修斗』がある。これは幸せなことやと思います。昔話をして、振り返って。そこで答え合わせをするのもありです。でも、これからのことを考えるうえで、将来の答え合わせを今することはできない。挑戦するから、答が出てくるわけで。挑戦しないと、分からんままです。

だから岩本とか中村倫也、パトリックの出場もそうだし、VTJの再開もそう。挑戦するから、何かが分かる。岩本に勝ちたい、中村に負けるか。パトリックなんぼのもんじゃ──っていう風な選手が出てくること。VTJから世界目指すんやっていう選手が現れることを期待していますし、それにはこっちが動かないとあかん。そういうもんやと考えています」

■VTJ2021視聴方法(予定)
11月6日(土)
午後4時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■VTJ2021対戦カード

<58.5キロ契約/5分3R>
平良達郎(日本)
アルフレド・ムアイアド(チリ)

<ライト級/5分3R>
西川大和(日本)
菅原和政(日本)

<63キロ契約/5分3R>
佐藤将光(日本)
河村泰博(日本)

<フェザー級/5分3R>
宇野薫(日本)
原口央(日本)

<ライト級/5分3R>
宇佐美正パトリック(日本)
野村駿太(日本)

<ライト級/5分3R>
原口伸(日本)
岡澤弘太(日本)

■Shooto2021#07視聴方法(予定)
11月6日(土)
午後1時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■Shooto2021#07対戦カード
             
<修斗世界女子スーパーアトム級選手権試合/5分5R>
[王者] 黒部三奈(日本)
[挑戦者] SARAMI(日本)

<修斗暫定世界ストロー級王座決定戦/5分5R>
猿丸ジュンジ(日本)
黒澤亮平(日本)

<ミドル級/5分2R>
岩崎大河(日本)
清水洸志(日本)

<フェザー級/5分2R>
結城大樹(日本)
岩本健汰(日本)

<フライ級/5分2R>
高橋SUBMISSION雄己(日本)
山内渉(日本)

<インフィニティリーグ2022女子アトム級/5分2R>
中村未来(日本)
澤田千優(日本)

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【VTJ2021】国際戦が消えた──西川大和は、菅原和政と対戦。2022年の修斗の主役は西川か平良か

【写真】疑問符がつこうが、西川の試合への関心度は高まるばかりだ(C)MMAPLANET

3日(水・祝)、Sustainより6日(土)に東京都江東区のUSENスタジオコーストで開催されるVTJ2021で西川大和が菅原和政と対戦することが発表された。

1日(月)にSustainの公式Twitterで『西川大和の対戦相手として海外選手招聘が決定していましたが、カード発表直前にPCR検査で陽性が出たと急報があり、招聘を断念することになりました。西川選手の対戦相手は現在交渉中です。発表をお待ちください!』という発表があり、『某雑誌でもお伝えした『vs元●●●王者/北米のガチ強豪』は幻に…期待してくださったファンの皆様、関係者の皆様、何より西川選手、申し訳ありません。海外強豪の招聘&西川選手との激突は今後実現させるべく動いて参ります!』という投稿も見れた。


招聘予定選手のコロナ陽性の報はVTJ2021に関わる、あらゆる方面の関係者が忸怩たる思いで耳にしたに違いない。某雑誌=現在発売中のFight&Lifeの平良達郎インタビュー・ページに「vs元●●●王者/北米のガチ強豪」という囲み記事が掲載されているが、この来日が幻に終わった選手こそVTJらしさが集約された北米の強豪選手だったからだ。

雑誌に飛ばし記事として掲載されているこの強豪、敢えてここでは名前を伏せるが、米国MMA界イーストコーストの登竜門、さらにフィーダーショー王手のフェザー級王座に就き、元&現UFCファイターを幾人も破っており、西川にとっては世界への扉を開く、いや世界の強さを肌で感じる絶好の機会であった。

9月の後楽園ホール大会で修斗史上最年少18歳10カ月で、世界のベルトを巻いた西川も、このマッチアップにはどれだけ期待し、心が躍ったかと想像すればするほど、代役出場となる菅原戦が危険に感じられる。

試合まで1週間を切り、北米の強豪との対戦がなくなった彼が、どれだけ気持ちを切り替えることができるか。そして菅原にとっては、10月17日にHEATライト級挑戦者決定戦で岡野裕城に敗れたばかりで、まさに棚ぼたで再浮上のチャンスを掴んだことになる。

西川といえば、そのガードからの打撃攻撃で脚光を浴びるなか、世界を見据えてあの斬新なスタイルが通用するのかが常に論じられている。上を取る必要がなく、下で勝てるのだから良しとする説と、上を取れないで下になるようであれば世界には通じないという説、賛否両論がある。

菅原を相手に上を取り、上攻めで強さを見せることができるのか。あるいは意地の下攻めを貫くのか。とはいえ西川本人はスタンドの打撃戦を制し、そこで戦いたくない相手との組みの攻防は、上下を意識せずに勝負しているという意識でしかないかもしれない。

と同時に菅原の勝機は、スタンドの打撃戦を嫌がらずに戦えるかという点に掛かって来る。そして、菅原は上になった時、クローズドから足を一本抜くことができるか。足を抜かれた場合、先の川名雄生戦のようにすぐさま西川は戻すことができるのか。それとも、スクランブルを狙うという選択も出てくるのか。

賛否両論が起こるのも、プロとして存在感が強くなっている表れだ。2022年の主役の座を平良達郎と争うという意味でも西川の一挙手一投足から目が離せない一戦となる。

■視聴方法(予定)
11月6日(土)
午後4時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■VTJ2021対戦カード

<58.5キロ契約/5分3R>
平良達郎(日本)
アルフレド・ムアイアド(チリ)

<ライト級/5分3R>
西川大和(日本)
菅原和政(日本)

<63キロ契約/5分3R>
佐藤将光(日本)
河村泰博(日本)

<フェザー級/5分3R>
宇野薫(日本)
原口央(日本)

<ライト級/5分3R>
宇佐美正パトリック(日本)
野村駿太(日本)

<ライト級/5分3R>
原口伸(日本)
岡澤弘太(日本)

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ABEMA MMA ONE VTJ VTJ2021 ボクシング 佐藤将光 修斗 河村泰博 端貴代

【VTJ2021】佐藤将光の出場決定。対戦相手はNEXUSバンタム級チャンプ河村泰博に

【写真】調整試合でも、凱旋試合でもない──戦いに臨む佐藤(C)MMAPLANET

27日(水)、Sustainより11月6日(土)に東京都江東区のUSENスタジオコーストで開催されるVTJ2021に佐藤将光✖河村泰博のバンタム級戦が組まれることが発表された。

元プロ修斗世界バンタム級チャンピオンで、ONEと契約下にある佐藤と、端貴代のパンクラス暫定王座奪取に勢いづく慧舟會AKZAからNEXUSバンタム級チャンピオン河村の対戦が決まった。


佐藤はONEで3試合連続フィニッシュ勝利を収め、世界戦への期待が高まる中、今年の1月(中継は2月)にファブリシオ・アンドラジとのマッチアップが決まり判定負け、世界挑戦から遠のいてしまっていた。

それでもカニハサミからヒール、首相撲やダーティボクシングという隙間を埋めるMMAで、敗れたとはいえ好勝負を繰り広げていた佐藤に、ONEからのオファーは届かない。そんなか佐藤は2年4カ月振りにONE以外での試合、そして5年2カ月振りのVTJ参戦を決めた。

対する河村は、パンクラス~ZSTを経て参戦したネクサスで今年7月にベルトを巻いている。ONEという世界を知る佐藤が、ネクサスの王者に胸を貸すという様相の一戦ではあるが、組み技主体、下にもなる河村のスタイルは佐藤がまさかの敗北を喫した──ギロチン斉藤曜を思い起こさせないこともない。

とはいえ、モチベーションの欠如が感じられたノンタイトル戦とは違い、今の佐藤はパフォーマンスに見合った評価をサークルケイジで受けていると言い難いが、常に寸分の隙もない戦い研ぎ澄まされたファイトを見せてきた。

佐藤のキラーインティンクトに対し、河村はどのような仕掛けを見せることができるか。ファイトスタイルに似通った点はない両者だが、創意工夫と思い切りの良さという共通点は存在するだけに──決して挑戦マッチではない、緊張感漂うファイトとなりそうだ。

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Interview Special  グラチアン・サジンスキ ファブリシオ・アンドラジ ブログ 佐藤将光 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:2月─その壱─アンドラジ✖佐藤将光「ダーティボクシングと首相撲」

【写真】 離れてダイナミックなパンチや蹴り。そして、ゼロ距離でのエルボーヒジとアンドラジが佐藤を相手に強さを見せた(C)ONE

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。

青木が選んだ2021年2 月の一番、第一弾は1月22日に行われ、2月5日に中継されたONE116 Unbreakable03 からファブリシオ・アンドラジ✖佐藤将光戦について語らおう。


──青木真也が選ぶ2021年2月の一番、最初の試合をお願いします。

「アンドラジと佐藤将光の試合は1月に行われたのですが、大丈夫でしょうか」

──ハイ、初見が2月になってしまうのでどうしようもないですしね。ただし、アンオフィシャルでも私どもは試合結果は中継日でなく、実際に試合が行われた日時で整理したいとは思っています。それはともかく、アンドラジと佐藤選手の試合は青木選手がジェイムス・ナカシマに勝ったのと同じ日に同じ会場で行われ、同じファイトウィークをシンガポールで過ごしていたことになります。

「ハイ。帰国する便は同じだったんですけど、1週間シンガポールに滞在していて佐藤選手の顔を見たのはPCR検査と計量の時だけでしたね。試合当日は会うこともないし、結果も知らないという感じで。

だから今のONEのイベントは誰が試合をしているのか、全体を選手は知る由がないので。スタンプが自分と同じ日に試合をしていたとか、知らなかったです」

──コロナ禍とはいえ、歪さは感じます。録画中継でもやはり〇月〇日に行われた試合というのを知らせるのが、我々の慣例だったので。

「まぁ、でも戦う当人としてソコは気にならないですよ。あまり感じないです。通常の大会でも形式上、誰がいて、誰と戦って、結果がどうなったのかということが目や耳に入ってくるから知っているだけで。それを知らなくても、困らないですしね」

──なるほど。選手としてはそういうモノかもしれないですね。そういうなか、なぜアンドラジ✖佐藤将光が今月の一番に選ばれたのでしょうか。

「佐藤選手は──実はONEで鎬を削った試合ってハファエル・シウバ戦だけだった。だから、ビビアーノに挑戦できなかったとか話題になっても、相手はマーク・アベラルドとクォン・ウォンイルなんだから、そりゃあ勝つだろうっていう相手です。この3勝でチャンピオンシップってそんなに甘いのって、正直思っていたんです」

──とはいえ与えられた相手に3連続フィニッシュ、1つはハファエル・シウバです。そしてビビアーノ✖ベリンゴン時代が続いたバンタム級戦線で、次期チャレンジャーに目されるのは普通のことではないでしょうか。

「そこで世界挑戦っていうテンションなのかって、周囲も含めて。リネケル、ベリンゴンに勝ったわけじゃない。そこに勝つと説得力が違ってきますよね」

──ONEはランキング1位が世界挑戦という風ではなく、タイミングで組んでいく風ではあるかと思います。

「だからチャンスがあれば──というのはあるとは思います。ビビアーノがやるなら、世界戦だったでしょうし。そこでアンドラジが相手になった。結果論として、どうせ負けるならリネケルとかの方が良いですよね。

でも試合前は佐藤選手のイージーファイトになると思っていました。アンドラジは中国で負けているし、レコードもそれほど良くない。ONEで勝った相手もアベラルドですからね。そういう風な気持ちは正直ありました」

──未知の部分が多く、不気味な相手。ただしMMAだから佐藤選手が勝つという想いでした。

「それがワンサイドでしたね、実質は。良いところを消された感じで。3Rを佐藤選手が盛り返せたのも、アンドラジがセーフティリードを築いて戦ったからだというのもありますし」

──アンドラジの良さはどこでしたか。

「間が良かったです。反応も良かった。クリンチのエルボーも上手だし、ONEのルールに適していましたね。クリンチで打撃を入れることができて、アクションが大きい打撃も持っていました。ジャブにしても、攻撃している感のある攻撃です。踏み込みとかアクションが大きくて、あの戦い方はONE向きです」

──クリンチの攻防なのですが、佐藤選手は組みと打撃の融合という部分で本当に考えて、練習でも実践してきた。ただし、タイ・クリンチに勝てなかった。

「だってダーティーボクシングとタイ・クリンチじゃ歴史というか、積み重ねてきた年月が違いますよね。いくらダーティーボクシングって言っても、ここ何年かの話じゃないですか。でもムエタイの首相撲は歴史が有効性を証明している。だから、僕はダーティーボクシングっていうモノは、どこまで有効かという風には感じちゃっています」

──ただ高度な首相撲は、未だに足に組んで良いMMAでそれほど見られるモノではないです。

「う~ん、僕は凄く基本的な技術として、MMAにおいて首相撲は大切になってくると思ってきました。ジャブやダブルレッグのように。ただし、首相撲もグラウンドも──いってみれば即効性が少ないから、それほど日本では流行らないと思います。パンチ&ローとテイクダウンディフェンスというスタイルが主流のままで。

そういうなかでMMAでは名前が知られていなかったアンドラジは、首相撲をしっかりとやってきていた選手だった。引き出しを持っていましたね。とはいってもリネケルとやるとリネケルだし。それはラカイからやってくるスティーブン・ローマンにしても、良い選手かもしれないけどBRAVE CFで誰と戦ってきたのかっていうことになりますよね」

──……。4月29日に組まれるローマンのONE初陣ですが、荷が重いと?

「そもそもリネケルの実績と比較すると、失礼だろうと思います。2枚……いや3枚は落ちます。それはアンドラジも対しても、同じことが言えて。格が違うと思います。リネケルに対して、アンドラジやローマンでは。スミマセン、盛り上げるようなことがいえなくて──本当の気持ちを話してしまって……」

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ONE ONE Unbreakable III ONE116 03 Report ファブリシオ・アンドラジ ブログ 佐藤将光

【ONE Unbreakable03】高度な真っ向勝負──MMA。佐藤将光が、ファブリシオ・アンドラジに惜敗

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)
Def.3-0
佐藤将光(日本)

サウスポーからグローブタッチでオーソに構えたアンドラジが、右ローを蹴る。佐藤も右ローを蹴り返し、左ボディからローのコンビを見せる。右を伸ばしたアンドラジは、ワンツー。下がりたくない佐藤は、外を取りシングルレッグへ。切ったアンドラジがエルボー、ケージに押し込まれても即入れ替えて左エルボーを打っていく。

ここで佐藤はカニバサミから足関節を狙ったが、アンドラジはすぐに足を抜き、巴十字にも反応してスタンドへ戻る。序盤の仕掛けを防いだアンドラジは、ローに左を合わせていく。さらにテイクダウン狙いをすかしてエルボーと高度な動きを見せるアンドラジに、佐藤のテイクダウン狙いは通じない。

それでも前に出る佐藤はテンカオを受け、ケージに詰められる。ここでパンチをかわして右を打ち込んだ佐藤、アンドラジはMMAグローブでのパンチの交換に応じて、互いに間合を図る。佐藤は左からロー、ここで組むがアンドラジは左エルボー、右ヒザを繰り出す。佐藤も右を返して、真っ向勝負の打ち合いで引かず初回が終わった。

2R、前に出た佐藤を受け止めて細かい左エルボーを連打するアンドラジが、左フックを振るう。さらに右から左と、鋭いパンチを伸ばすアンドラジは組んではヒザ、そしてエルボーで、佐藤のダーティーボクシングを上回る。カカトを腿に入れる佐藤に対し、アンドラジは左エルボーを続け、佐藤の飛びつき系の動きは察知して離れる。

アンドラジは蹴りを交えてプレッシャーを掛け、スイッチして左ミドルを入れる。佐藤がワンツー&ローも、アンドラジのローで体が回る。佐藤が右アッパーを打ち込むと、アンドラジが下がる。しかし、これも誘いでカウンター狙いのアンドラジは、自ら前に出てクリンチへ。

離れた佐藤はロー、左右に動き前に出ると頭がアンドラジに直撃する。同時にヒザを急所にもらった佐藤は、インターバルが必要に。アゴをカットしたアンドラジとともに試合再開に応じた佐藤はダブルレッグへ。ケージに詰めるも、テイクダウンを奪えずアンドラジが受けの強さを見せ、ボディにヒザを突き刺す。急所の後のこの一発は厳しいように見えたが、佐藤はスピニングバックエルボーを入れて距離を取り直し、非常に見ごたえのある5分が終了──試合は最終回へ。

3R、サウスポーのアンドラジが左ミドル、続いて右を伸ばす。佐藤も右フックを返し、左ミドルには右ローと真っ向勝負が続く。しかし、佐藤の前進に下がりながらパンチを合わせ、ワンツーで踏み込むなどアンドラジが試合をリードする。佐藤も首相撲に右フックを当てて離れ、左ストレートを決める。左構えが続くアンドラジに一瞬のボディロックテイクダウンを決めた佐藤は、スクランブルでバックに飛び乗るが前方に振り落とされる。

確かな防御力を見せるは、ゼロ距離で細かいエルボーを繰り出し、佐藤はカーフを連続で入れる。エルボーで左目尻をカットした佐藤が、テイクダウンを決めるとアンドラジはヒールへ。体を捻り、殴りながらバックを制した佐藤に対し、ここもアンドラジが巧みに前方に落とす。

残り30秒、試合がスタンドに戻ると佐藤の回転ヒジをブロックしたアンドラジがワンツーからスリー、前に出た佐藤に左フックを打ち込む。佐藤も左を返し、タイムアップに。

高度なMMAを繰り広げた両者、ジャッジは3人ともアンドラジを支持した。佐藤は拍手をして、アンドラジとハグ。際の打撃で佐藤のダーティーボクシングをムエタイで上回ったアンドラジは「佐藤は本当にタフだった。タフなことは分かっていたけど、それ以上だった。誰がマッチメイカーか知らないけど、ランク2位の選手と試合を組んでくれて感謝している。次はタイトルだよ。皆が僕の力を疑っていたと思うけど、自分を信じて力を見せることができた。準備はできている」と話した。


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Interview ONE ONE Unbreakable III ONE116 03  ソン・ソンウォン ファブリシオ・アンドラジ ブログ 佐藤将光

【ONE Unbreakable03】佐藤将光戦へ。超・未知強アンドラジ─02─「格闘技を諦めることだけはなかった」

【写真】話を訊けば、訊くほどに昨年7月のマーク・アベラルド戦は決してフロックでないことが分かってきた──ファブリシオ・アンドラジ(C)ONE

本日5日(金・現地時間)に中継されるONE116 03「Unbreakable 03」。同放送で佐藤将光と戦うファブリシオ・アンドラジ・インタビュー後編。

昨年7月のマーク・アベラルド戦では見事な一本勝ちを収めているが、アンドレジはまだまだ未知な部分は多い。とはいえ、ブラジルのフォルタレーザから中国は四川省の成都、さらに香港からタイのプーケット島と流浪のファイター人生を送ってきた彼の格闘技に対する想いは、並外れていることは確かだ。

「格闘技を続けることだけは諦めることがなかった」と振り返ることができる23歳──実力は未知数ながら、相当な手練れ感は十分に伝わってくる。

<ファブリシオ・アンドラジ・インタビューPart.01はコチラから>


──タイガームエタイを所属先に選んだのは? プーケットには他にも選択肢があったかと思います。

「タイガーで練習している知り合いが何人かいて、彼らも僕にコンタクトしてきてくれた。そして、トレーニング費用が掛からず練習できるということだったんだ」

──ブラジルの同朋であるブルーノ・ミランダもタイガームエタイ所属ですね。

「その通りだ。タイでブラジル人のチームメイトがいるっていうのは最高だよ」

──その時はMMAではなくて、キックやムエタイにフォーカスしていたのでしょうか。

「WLFでは毎月のように試合が用意されていたから、MMAを戦う時間がなかったんだ。試合をして、勝って、ずっとその繰り返しだったよ」

──WLFはK-1ルールに近いキックボクシング大会ですよね。ただし、ファブリシオは首相撲もMMAで使いこなしていました。

「ムエタイのトレーニングはずっと続けていたから。WLFでキックを戦ったのは、僕はルールを選ばないから。キックで試合の機会があれば、キックを戦うよ」

──WLFで日本人と対戦したことはありましたか。

「なかったよ。ただ1度、RIZINで試合をする可能性があったんだ。レン……なんとかっていう選手と戦わないかっていう話があったんだ」

──平本蓮選手ですか?

「そうそう。そうだよ。僕は戦うつもりでいたけど、実現しなかったんだよ」

──そんな話があったのですね。RIZINで平本選手と話があったとすれば一昨年の年末でしょうし、それから7カ月後にONEで戦うようになりました。COVID19のパンデミックがもたらした契約ともいえます。

「実のところ最初のオファーは僕にではなくて、チームメイトのエミリオ・ウルティアに来ていたんだ。でも彼がケガをして、僕に出番が回ってきた。本当に素晴らしい機会を手にできたよ。

もっと僕の試合を色々な人に見てほしいと思っていたんだ。中国で戦っていても、世界の人々は僕のことを知らないままだったからね。中国は他の国のSNSをブロックして、独自のSNSが普及しているだけで、僕がどれだけ試合をしても、世界の人は誰も知らないままだった。だからONEのようなイベントで戦いたいと思っていたんだ。

ONEで試合をするチャンスを得たということは、僕の試合を世界の人に見てもらうチャンスも得ることができたんだよ」

──そして7月の1試合で、多くの人がファブリシオのことを知ることになりました。

「正直言えばオファーをもらった時、ピンと来ていなかったんだ。試合が始まるまで、いや始まってからも集中していたとは言えないね。ただ、自分がやってきたことを繰り返しただけで」

──それでいてムエタイで圧倒するだけでなく、最後はRNCで一本勝ちでした。

「立ち技でも倒せたし、組み技への対処もしっかりとできた。スタンドだろうが、グラウンドだろうが僕はフィニッシュを狙っている。どちらの局面だろうが、自信は持っているよ」

──あの試合で世界と戦う扉を開けることになりました。

「そうだね。凄く嬉しかったよ。本当に嬉しかった」

──あれから5カ月、佐藤将光選手と明後日に戦います。佐藤選手は修斗の世界チャンピオンでONEでも3連勝中で3つのフィニッシュ勝利を挙げています。

「本音を言えばね、サトーと戦うことになって凄く驚いた。サトーはタイトルに挑戦するに相応しいファイターだからね。

でもONEが僕と彼の試合を求めた。そして、サトーはこの試合を受けた。それができるサトーを尊敬しているよ。アベラルドとの試合が決まった時、研究するためにサトーとの試合を何度も繰り返し見ていたんだ。

サトーはコンプリートファイターだ。立っても寝ても戦うことができる。エクセレントだし、トリッキーでもある。そしてタフだ。僕は傲慢な人間じゃない。でも、自分が彼より強いことを知っている。これまで……本当に色々なことがあった。でも格闘技を続けることだけは、諦めることがなかったんだ。

ずっとハードな練習だけは続けてきた。僕がどこで何をしていたのか、誰も知らない。でも、僕は知っている。自分に自信を持っている。打撃はサトーより上だ。グラップリングに関しても、普通のレベルでできるよ」

──グラップリングでも佐藤選手とやり合える自信はありますか。

「僕が言えるのは、彼とグラップリングをすることが楽しみだってことだよ(笑)」

──現状、プーケットでは普通に練習をすることは可能だったのですか。

「今、タイガームエタイは以前のように多くの国のファイターがいるわけじゃない。練習する人数も通常よりも少ない。でも、既にタイに生活拠点を移している選手も少なくないし、十分な準備ができるだけのファイターは残っている。

クリスマスもニューイヤーシーズンも、誰かが必ず僕をサポートし、サトーと戦うための練習に付き合ってくれた。最高のキャンプだったよ。

去年の7月の試合だけじゃ、多くの人が僕の実力に関して懐疑的なのは分かっている。でも、サトーとの試合で僕が次の挑戦者になれるだけの力があることを証明するよ。

ONEバンタム級戦線はチャンピオンがビビアーノ・フェルナンデス、次期挑戦者がジョン・リネケル、そしてその次のチャレンジャーが僕になる。3人のブラジル人ファイターが上位を占めるなんて、素晴らしいことだよ。僕としては、次の試合はリネケルと戦いたいと思っていたんで。でもビビアーノでも良いよ。佐藤戦が終われば、本当にワクワクすることが起こりそうだよ」

■視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable 03対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

<ムエタイ(キック)・バンタム級/3分3R>
ハン・ズーハオ(中国)
アダム・ノイ(アルジェリア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>※
ロビン・カタラン(フィリピン)
澤田龍人(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>※
ラウル・ラジュ(インド)
アフメド・ウジタバ(パキスタン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ティオル・タン(米国)
ポール・ルミヒ(インドネシア)

※2020年12月18日に収録

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Interview ONE ONE Unbreakable III ONE116 03 ファブリシオ・アンドラジ ブログ 佐藤将光

【ONE Unbreakable03】アンドラジ戦へ、佐藤将光─02─「やっぱり喧嘩ができないと格闘技はできない」

【写真】プランB、そのさらに先まで話してくれた佐藤。明日の中継前に、ぜひとも熟読してほしい (C)MMAPLAET

5日(金・現地時間)にONE116 03「Unbreakable 03」が中継され、同放送でファブリシオ・アンドラジと戦う佐藤将光インタビュー後編。

ABEMA TVのTHE WONDERがシンガポールへ行く直前の佐藤の練習を追い、MMAPLANETでは練習を見たうえでアンドラジ戦について話を訊いた。

<佐藤将光インタビューPart.01はコチラから>


──その嫌な強さというのは、どこになりますか。

「ムエタイなのでクリンチができる。和田(竜光)さんがヨッカイカー(フェアテックス)と試合をした時に、倒すのに結構苦労していたじゃないですか。ただ押し込むだけじゃ、なかなか倒れない。組んでも倒せないと、打撃で殴られる機会が増える。

そういう嫌なイメージを持ってしまいます。あとバックステップが上手いので、詰め切れるのか。半端なテイクダウンを狙うと切られて殴られる。行くなら思い切りドンっといかないと危ないでしょうね」

──思い切り行った時に下がって打ってくる点、そして首相撲でクリンチを切り返すことで佐藤選手の合間を埋める攻撃を遮断する。この2点が現実になれば、本当に嫌な相手です。そのような相手にどう戦っていこうと考えていますか。

「まずは倒しに行こうと思っています。ただし慌てていかないこと。慌ててしまうと、向うが淡々とできるようになりますからね。打撃の交換をしながら探って、フェイクを見せてテイクダウンが決まれば、トップから攻めてフィニッシュを狙おうとは思っています。

それとシングルやダブルのフェイントからの打撃ですね。相手を浮かして……重心を浮かせたいです。そうするとパンチが入りやすくなりますし、向うのパンチは効かなくなるので。

あとはミドルをキャッチして、テイクダウンというのはあります。キャッチできなくても、そのままカウンターでテイクダウンを狙いたいですね」

──練習を見させてもらって、ボディロックや相四つでも自ら下になるシーンがありました。カニバサミから足関節、あるいはガードをとってすぐにリバーサル、それと背中をつけて三角絞めなど、ケージレスリング&スクランブルMMAの主流ではない流れも。

「三角は最近、得意なんでよく狙っています。あとカニバサミはテイクを取れない時のBプランです。下になっても良いということで、押し込んで相手がワキを差してきたらカニバサミからサドルに入ってヒールとか。

そういう技は多分、対応できないだろうなって思っています。あとはギロチン(齊藤曜)との試合で僕がやられたことですが、テイクダウンを狙って切られると一度背中をつけて、直ぐに起き上りながらもう一度入るとか。そういうことも考えています」

──アンドラジはやはりテイクダウンを切ることを徹底してきそうですし、そこを考えての戦法ですか。

「そこは狙えるなと思っています。スクランブルになれば行けるだろうと。テイクダウンを潰させて、バックに回ってこさせてからでも行けると思っています。

バックを取らせながら……基本は左側に回ってくるので、左手をいれて取らせないようにして、足を入れてくる前に寝転がってスクランブルに持ち込めば、こっちが上を取れるかと」

──練習中に見せていた流れですね。

「ハイ。あの動きは得意なので、そこはいけるかなとは思っています」

──もちろん一つの試合ですが、負けらないと気持ちのなかに世界戦を組まなかったONEを見返してやろうという気持ちは含まれていますか。

「う~ん、世間ですね。見返すのは。日本の格闘技が世界に通用しないという風潮があることを感じているし、実際にそうなってきてしまっています。そこをひっくり返したいとは思っています」

──それだけアンドラジを強敵だと捉えているということでしょうか。

「この相手ということではなくて1試合、1試合の積み重ねで、今年1年を掛けて見せて行かなければならない。そういうところですかね。この試合もその1部です」

──リネケルにはUFCファイターという肩書もあり、ベリンゴンにも圧勝しました。そんなリネケルと挑戦権を争うなか、今回の試合で何を見せないといけないでしょうか。

「単純にフィニッシュですね。でも、もう僕が試合をする頃にはリネケルとビビアーノは決っている。それぐらいで思っています」

──きっと私が記者として、最近、日本人が軽視されているなという想いをONEに対していだいているので、余計に見返してほしいと思ってしまうのかもしれないですね。

「まぁ最近のマッチメイクは結構潰しに来ているし、美味しくないのは多いですよね。日本大会がコロナでなくなったのもありますけど、日本に対して力の入れようは最初と比べて落ちてきているなと感じます」

──これだけ日本人選手が多いとマーケットの開拓具合も考慮し、切るために潰しに掛かるマッチメイクがあるのも理解できます。そうなれば強い人間が残る。だからこそ、日本人選手もこの逆風を跳ね返す必要があります。

「勝たなきゃリリースされちゃうし、勝たないと続けられないというのはあります。そういう世界だから、勝たないといけないです。結果が全てです」

──そういう時こそ……いつもそうだといけないのですが、最後に真っ向勝負ができるという佐藤選手への期待が高まります。韓国でギリギリの根性勝負をは殴り合いで見せていた佐藤選手だからこそ、そういう強味があるのではないかと。

「あぁROAD FCの時ですね(笑)。そうですね……あると思います。やっぱり喧嘩ができないと格闘技はできないので。どこか気持ちの弱さが出てきてしまいますからね。1発貰って小さくなってしまったら、もうそこで差が出てきてしまいます。1発殴られても『この野郎』って打ち返せないと。

それは別に打ち合わなくても構わないんです。でも、やり合う。どこかでやり返すという気持ちがないと……弱気が出た瞬間に負けちゃうので。そういう気持ちは大切だと思います」

──あのドロドロの殴り合いを演じていた若者が、MMAファイターとして成長を遂げた。そのうえで、なお気持ちの勝負も重視していると。

「試合っていうか、練習からですよね。練習でやりあっているから、試合でもやりあえると思っています」

──そういう意味では、アンドラジはまだまだ未知数でどこまでできるか分からないです。そして綺麗にムエタイが戦える選手は、MMAも綺麗にやってくるのかという気もします。ならドロドロの喧嘩で佐藤将光が引けねぇだろうと。

「やってみないと分からないですが、簡単に行くかもしれないというのはあります。スクランブルを創ると、直ぐに折れるかもって。でも、そこを期待していて違っていると、こっちがガックリきてしまうので、ある程度できるというイメージで創っています。

コロッと行くことがあっても、逆にメチャクチャ乗ってくることもあるだろうし。ただし、やり合う気持ちで……リネケルと戦った時のベリンゴンのようにはならない。最悪の事態も想定して、どこかでやり返すつもりでいます。

やはり打撃で1発も食らうこともあるだろうし、予想以上にデキるかもしれない。色々とイメージしておくことで、本番では驚かないで済むので──やりあう覚悟は持っています」

──どれぐらい自信を持って戦えますか。

「どれくらいというのは難しいですけど(苦笑)。準備の段階では自信を持つことはないです、いつも。試合の時にやってきたことを出し切れれば良いという気持ちです。これだけ出しても勝てなかったらしょうがない。自分の方が弱かったと諦めるしかないです。

なので、試合ではやってきたことを出し尽くすつもりでただやるだけです。そうですね、あまり試合前に自信があるということはないです。自信はない……いや、自信はないということではなくて、負けるかもしれないということはどこかで思っています」

──自信を持たないようにしているということは?

「あぁ、自信を持たないようにしているかもしれないですね。だから試合の時だけ、ケージの中だけは躊躇しないように自信を持って戦う──というのはあります」

■視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable 03対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

<ムエタイ(キック)・バンタム級/3分3R>
ハン・ズーハオ(中国)
アダム・ノイ(アルジェリア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>※
ロビン・カタラン(フィリピン)
澤田龍人(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>※
ラウル・ラジュ(インド)
アフメド・ウジタバ(パキスタン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ティオル・タン(米国)
ポール・ルミヒ(インドネシア)

※2020年12月18日に収録

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Interview ONE ONE Unbreakable III ONE116 03  ソン・ソンウォン ファブリシオ・アンドラジ ブログ 佐藤将光

【ONE Unbreakable03】佐藤将光と対戦。誰も知らない、ファブリシオ・アンドラジの事実─01─

【写真】1997年10月10日、ブラジルのフォルタレーザ出身。2018年からアジアに拠点を移している (C)ONE

5日(金・現地時間)にONE116 03「Unbreakable 03」が中継され、同放送でファブリシオ・アンドラジが佐藤将光と戦う。

7月のONE バンコク大会で、コロナ禍契約といっても良い状況でONE出場を決めたアンドラジは、ムエタイと柔術が融合したスタイルでアベラルドを圧倒し、最後はRNCで一本勝ちを収めた。

強烈な印象を残したアンドラジが、ONE2戦目にして佐藤と戦うこととなった。試合の2日前(※1月20日)に、Zoomインタビューでファブシリオ・アンドラジとは何者か──に迫った。

そして──波乱万丈な人生を振り返ってもらう過程で、彼のグラップリングが決して付け焼刃ではないことが分かった。


──世界中のMMAファンが、去年の7月のONEタイ大会でのマーク・アベラルド戦で驚かされたと思います。ただし、日本のMMAファンはまだファブリシオのことをほとんど知りません。最初の格闘技経験は何だったのかを教えてもらえますか。

「13歳の時にムエタイを始めたんだ。子供の頃は当然のようにサッカー選手になりたかった。でも、そんなに上手くなくて。何かスポーツは続けたくて水泳をしたりしていた時、友人の1人がムエタイをやっていて一緒にやらないかと誘ってくれたんだ。練習を見学して凄く面白そうだったから、すぐにジムに通うようになった。

そして1カ月後には試合に出ていたんだ。自分にはこれが向いていると思ったよ」

──ブラジルは柔術やMMAは盛んで、それほど立ち技の人気が高いという印象はなかったです。

「以前はそうだったかもしれないけど、今はなかなか人気があるよ。それに僕が生まれ育ったフォルタレーザでは以前から定期的にムエタイの大会は行われていた。ただし、柔術と比較すると競技人口が少ないのは確かだったよ。柔術には長い歴史があるからね。

そして柔術をやっている者がムエタイを学び、ムエタイを練習している人間が柔術のトレーニングを始めることも少なくなかった。MMAを戦うためにね」

──ムエタイ時代は誰か憧れの選手はいましたか。

「ムエタイを始めた頃、ラモン・デッカーのファンだった。彼のスタイルは最高だったよ」

──どれぐらいムエタイの試合に出ていたのでしょうか。

「28勝1敗、それが僕のムエタイ・レコードさ。13歳でブラジル王者になり、14歳で南米王者になったよ。ユースのアマ・ムエタイでね。体重は50キロから52キロだったかな。16歳でプロになって、それからのレコードが28勝1敗でほとんどは中国で戦ったものだよ。

中国に行く前にブラジルで1度、MMAを戦っているよ。ブラジルにいた頃からムエタイ、柔術、MMAと全ての練習をしていた。

フォルタレーザではONEのようにMMAとキックボクシングの合同大会が開かれていたからね。どっちでも戦えるように準備していたんだ。ただ、本当のところはMMAに専念したかった」

──MMAでもヒーローはいましたか。

「そうだね、アンデウソン・シウバやヴィトー・ベウフォートかな。ジョゼ・アルドも好きだった。でも、フォルタレーザに住んでいては、MMAだけでは生活できない。キックでも十分に戦えるから、キックの試合に出ていたんだ」

──中国へ移ったのは?

「お金を稼ぐためだよ。中国では毎月のように試合に出ることができる。そこでファイトマネーを得ることができるからって誘われたね。そしてジムで寝起きをすれば、家賃も掛からないって。19歳の時だよ、四川(スーチュワン)省の成都(チェンドゥ)へ向かった。

成都の都江堰(ドゥージャンイェン)のジムに住んで練習をして、試合の声が掛かるのを待っていた。でも、そこのマネージャーと折り合いがつかず、もう成都にいるのが嫌になった。お金もなかったけど、とにかくあの街とジムにいるのは耐えきれなかった。

香港在住のブラジリアン、カポラルは2016年のアジアチコで優勝。MMAでもREALに来日するなど、15勝8敗の戦績を残している(MMAPLANET)

中国について半年後、香港でエスパーダ(剣)・ジムをやっているホドリゴ・カポラルが救いの手を差し伸べてくれた。

僕は香港へ向かい、2カ月間ジムにマットを敷いて生活をして、ホドリゴは食事も用意してくれた。

僕は彼に柔術とMMAを習い、ムエタイを指導した。1年間の香港でのトレーニングのおかげで、僕のグラップリングは凄く成長したよ。本当にホドリゴには感謝している。食べて、寝て、練習する。そんな時間を香港では過ごしていたんだ。ただし問題が一つあって……」

──それは何だったのでしょうか。

「香港にいると、試合の機会が全く巡って来なかった。結果、お金を稼ぐことのもハードだった。だからファイターとしてキャリアを積んでいくには、ずっと香港にいるわけにはいかなった。

キックだろうが、ムエタイだろうが、MMAでも誰とでも戦うつもりでいたけど、試合はできなかった。そうこうしている間に中国人のエージェントが、WLF(武林風)でキックの試合ができるようにしてくれたんだ。

WLFで2試合戦ってからプーケットに移った。カポラルのところは柔術アカデミーだったから、キックの練習相手がいなかった。それにタイは生活費が香港よりずっと安く済む。もっと立ち技を磨きたかったから、タイに拠点を置くことに決めたんだ」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable 03対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

<ムエタイ(キック)・バンタム級/3分3R>
ハン・ズーハオ(中国)
アダム・ノイ(アルジェリア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>※
ロビン・カタラン(フィリピン)
澤田龍人(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>※
ラウル・ラジュ(インド)
アフメド・ウジタバ(パキスタン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ティオル・タン(米国)
ポール・ルミヒ(インドネシア)

※2020年12月18日に収録

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Interview ONE ONE Unbreakable III ONE116 03 ファブリシオ・アンドラジ ブログ 佐藤将光

【ONE Unbreakable03】アンドラジ戦へ、佐藤将光「ランキングに入っていなくて、あの強さ。嫌な強さ」

【写真】MMA将光メソッド、非常に興味深いモノだった (C)MMAPLAET

5日(金・現地時間)にONE116 03「Unbreakable 03」が中継され、同放送でファブリシオ・アンドラジと戦う佐藤将光。彼がシンガポールに渡る週の練習をABEMA TVのTHE WONDERが追っていた。

MMAPLANETではABEMAのカメラが捉えた佐藤独特の細かい打撃が織り交ぜられたスパーリング、そして今回の試合について尋ねた。そこで聞かれた──独特な戦いの感性、同時に一歩も引かない打撃ができる佐藤のMMA観に触れると、MMAとは創意工夫と実践だと改めて気づかされた。


──太腿へのヒザを始め、組みのなかのちょっとした打撃をこれほど多用するスパーリングは見たことがなかったです。スパー相手の太腿にカカトが入り、悶絶して動けなくなるシーンもありました。

「よくやるんですけど、僕は四つがあまり強くないから差し合いだと勝てないんです。

だからわざと押し込ませて、凌ぎながら削るということを心掛けています。カカトで太腿や脹脛を狙って。で、打てる時にアッパーやヒジを入れる感じで。これでテイクダウンできないと、相手の方が疲れてくれるので」

──かなりゴツゴツ入れているように見えました。

「カカトは皆が凄く嫌がるので、最近は少し抜くようになっています。ただ僕のなかでローとボディはOKなので、打ち抜いてきたのが……それもダメージが溜まるので『止めて』という声が多発したので、やはり抜くことが増えています(笑)。この練習をしていると、打撲とかは絶えずあるとは思います」

──このゴツゴツとしたスパーリングは、ずっと行ってきたことなのでしょうか

「ここ3年ぐらいですね。でも基本的に坂口道場が狛江にあった時、土曜日のスパーリングはガチでした。互いが熱くなってくると、結構ダウンしていることとかありましたし」

──ガチスパーは行っていることろはあるかと思いますが、このガツガツと細かい打撃を出すスパーは出稽古に行った時は、できないですよね。

「気持ち控えますけど、やっているので驚かれます」

──怒ってくる選手はいないですか(笑)。

「それはないです。ただ嫌そうにはしていますけど」

──この練習があるからこそ、佐藤選手のMMAは組みと打の融合が進んだのだと思えました。

「やっていないと、やっぱり試合で使えないですからね。試合でも相手は嫌そうにしていますし。それが僕の武器なので。思い切り力があるとか、寝技がめちゃくちゃ強い選手ではないので、ああいうところで戦っていかないと勝てない。小技はたくさん使っています(笑)」

──小技というか、発想力が豊かだと。

「これイケるんじゃないかなって思ったことは、全部練習で試しています。それでハマったモノを使うようにして。普通は下から殴るって合理的じゃないですけど、それをすることでイライラしてくる選手がいます。

そうこうこともあるので、やっぱり練習で試す必要がありますね。モモカンとか、クォン・ウォンイルも嫌がっていて。意識がそっちに行った時が、次の攻め時になる。効いてくると、対応が雑になるので」

──ホントに興味深いスパーリングが見ることが出来ました。ところで、秋ごろに小耳にはさんだことなのですが、11月にONEの試合が一度決まった。そうでなかったら、修斗で岡田遼選手と修斗で統一戦を戦っていたかもしれないと。

「う~ん、そこまでは明確な話は進んでいなかったです。9月ぐらいに、11月にビビアーノとの話が進んでいるということがあって、それがないなら修斗に出ると伝えていました。

結局、そこからずっとONEから返答はなくて。ギリギリまで修斗の後楽園ホール大会まで引っ張って、最後は去年の間にビビアーノ戦がないなら、キックでも良いから試合をしたいとお願いしました。

そういうことがあったので、11月の修斗でグラップリングマッチが決まりかかっていたんです。相手の名前もちゃんとあって。そういうギリギリの状況だったので、修斗で統一戦をできるような状態ではなかったですね」

──結局、グラップリング戦も組まれなかったですね。

「大会の1週間前ぐらいにONEから12月に組むから、ここで試合をするのは控えてくれという連絡がきたんです」

──その時、自分たちもビビアーノに挑戦できると思っていました。結果的にビビアーノではなくて、ファブリシオ・アンドラジになり、時期も12月ではなく1月までずれ込みました。

「まだですか、まだですかって聞いていて。試合まで40日を切ってからアンドラジで来ました。でも試合が1月か2月になりそうだと聞かされた時点で、相手は誰でも良いから組んでくださいとお願いしていたんです。

だからビビアーノでなくても、試合が組まれて良かったというのが一番でした。1年も試合をしていなくて、ビビアーノを持っていたらいつになるか分からない。僕が先に引退することになってしまいます(笑)」

──その過程においてジョン・リネケルとケビン・ベリンゴンの試合が決まった時、どのように感じましたか。

「実は……ならビビアーノが来るんじゃないかと期待したんです。でも、リネケルが勝って暫らく試合がないとなると、これはビビアーノとリネケルを組むなって」

─ベリンゴンの敗北は、どのように捉えましたか。

「トータルでできる選手ではないので、打撃で負けると引き出しがないですよね。だから、そんなにショックを受けたというのはなかったです。でも、もう少しできると思っていたのでやっぱりリネケルは強いんだなって。ベリンゴンは最後、気持ちが逃げていましたよね。ああなっちゃうと、リネケルのような選手は強いですね」

──ONEで世界王者になったベリンゴンのあの負けは、悔しくはなかったですか。

「ちょっとレベルの差を見せつけられましたね。仮にも元チャンピオンで、ずっとビビアーノとやってきた選手なので。まぁリネケルは強いとは思っていたのですが……強いですね。あの距離感とか、どうやって戦えば良いのかって考えましたね」

─そして、先ほど話していただいたようにアンドラジ戦が決まりました。彼の名を聞いた時は、どのように感じましたか。

「ぼんやりと……アイツかなって。マーク・アベラルドとやっていた、アイツかと」

──タイのドメスティック大会で、MMAを成立させるためにブラジル人ムエタイ選手を担ぎ出したと思っていたら、いやコイツは怖いぞと、正直なところ驚かされました。そしてこのタイミングで佐藤選手に当ててくるのかと。

「そうっすね。ランキングに入っているなら良いですけど、ランキングに入っていないであの選手なのは、嫌な強さがありますよね」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable 03対戦カード

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

<ムエタイ(キック)・バンタム級/3分3R>
ハン・ズーハオ(中国)
アダム・ノイ(アルジェリア)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>※
ロビン・カタラン(フィリピン)
澤田龍人(日本)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>※
ラウル・ラジュ(インド)
アフメド・ウジタバ(パキスタン)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
ティオル・タン(米国)
ポール・ルミヒ(インドネシア)

※2020年12月18日に収録

The post 【ONE Unbreakable03】アンドラジ戦へ、佐藤将光「ランキングに入っていなくて、あの強さ。嫌な強さ」 first appeared on MMAPLANET.

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【ONE Unbreakable II & III】2月5日中継ファイトで、佐藤将光が超難敵ファブリシオ・アンドラジと対戦

【写真】ここにきて、この相手かという……厳しい一戦を迎える佐藤(C)MMAPLANET

12日(火・現地時間)、ONE Championshipより22日(金・同)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE116「Unbreakable」の中継枠=Dark Seriesのカードが発表された。

1月29日(金・同)の中継分ではヘビー級の2試合、マウロ・チリリ✖アブドゥルバシール・ヴァガボフ、そしてアラン・ンガラニ✖ウマウ・ケニ戦の2試合が明らかとなり、前者がメインになるとのこと。

また2月5日(金・同)の放送分では佐藤将光が登場しファブリシオ・アンドラジと相対するバンタム級戦と、スタンプ・フェアテックスが半年振りにMMAを戦うアリョーナ・ラソヒーナ戦が明らかとなった。


タイトル挑戦が見えてきたはずの佐藤にとって、厄介な相手が用意された。アンドラジは昨年の7月に行われたONE No Surrender=タイ・ドメスティックショーで、マーク・アベラルドを相手に圧倒的なムエタイの強さを見せ、最後はテイクダウンを切ってバックを制するとRNCで一本勝ちという衝撃のONEデビューを果たしている。

ムエタイで頂点を目指しブラジルのフォルタレーザからタイはプーケットのタイガームエタイの所属となったアンドラジ。立ち技の戦績は29戦28勝で11KO勝ち、MMAは4勝2敗ながらアベラルドを破った試合を見る限り、相当な猛者であることは間違いない。

オーソ基調のスイッチヒッター、怖いのは下がってパンチを打つことができる点だ。またテンカオだけでなく、首相撲からヒザ蹴りにも長けている。つまりアンドラジは佐藤の前進力、そしてゼロ距離でのMMAらしい打撃と組み技の融合という最大の長所を封じ込める力を持っている可能性がある。

5日放送分のヘッドライナーはスタンプとONE初陣のラソヒーナ戦で、佐藤はコ・メインでの出場となる。

ジョン・リネケルがケビン・ベリンゴンをKOし、ONEでは2戦目の手強いアンドラジを当てられるなど、ビビアーノ・フェルナンデスの持つONE世界バンタム級王座挑戦に関して相当な向かい風が吹くようになった佐藤だが、ここはスキージャンプのようにアゲインストの風を浮力とするしかない。

この正念場を前に佐藤は昨日11日(月)に行われたZOOM公開練習の際の囲み取材で「いくらムエタイが強くて、テイクダウンを切ってRNCには入れても、総合格闘技はそんな簡単なモノじゃない」と力強い言葉を言い放っている。

■ONE Unbreakable視聴方法(予定)
1月22日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable対戦カード

<キックボクシング世界バンタム級選手権試合/3分5R>
[王者] アラヴェル・ラマザノフ(ロシア)
[挑戦者] カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)

<キックボクシング世界ライト級選手権試合/3分5R>
[王者]レギン・アーセル(オランダ)
[挑戦者] ムスタファ・ハイダ(イタリア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
青木真也(日本)
ジェイムス・ナカシマ(米国)

<ウェルター級(※83.9キロ)/5分3R>
ゼバスチャン・カデスタム(スウェーデン)
ザキムラッド・アブデュラエフ (ロシア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
モン・ボー(中国)
サマラ・サントス(ブラジル)

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
チェン・ルイ(中国)
クォン・ウォンイル(韓国)

■ONE Unbreakable II視聴方法(予定)
1月29日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable II対戦カード

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
マウロ・チリリ(イタリア)
アブドゥルバシール・ヴァガボフ(ロシア)

<ヘビー級(※120.2キロ) 5分3R>
アラン・ンガラニ(香港)
ウマウ・ケニ(セネガル)

■ONE Unbreakable III視聴方法(予定)
2月5日(金・日本時間)
午後9時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後9時30分~ONE Super App

■ONE Unbreakable III対戦カード

<バンタム級(※65.8キロ)/5分3R>
佐藤将光(日本)
ファブリシオ・アンドラジ(ブラジル)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

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