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【Shooto2021#05】計量終了 世界戦からトライアウトまで出場全選手、問題なくクリアー

【写真】第2試合から第5試合に出場選手たち──エドモンド金子、岡澤弘太、仲山貴志、結城大樹、齋藤翼、野瀬翔平、山内渉、植木“令和”新も問題なくクリアーした(C)MMAPLANET

明日25日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#05の計量が、港区KCOLオフィスで行われた。

メインの修斗世界フェザー級王座決定戦=SASUKE ✖工藤諒司、セミの女子スーパーアトム級次期挑戦者決定戦=SARAMI✖中村未来を始め、トライアウトを含め全8試合に出場する全16人の選手が滞りなく計量を終えている。


全選手の計量結果は、以下の通りだ。

■視聴方法(予定)
7月25日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■Shooto2021#05

※赤字の選手をクリックすると、インタビューに飛びます

             
<修斗世界フェザー級王座決定戦/5分5R>
SASUKE:65.6キロ
工藤諒司:65.8キロ

<修斗世界スーパーアトム級次期挑戦者決定戦/5分3R>
SARAMI:49.4キロ
中村未来:49.4キロ

<バンタム級/5分2R>
論田愛空隆:61.2キロ
中村倫也:61.1キロ

<ライト級/5分2R>
エドモンド金子:70.1キロ
岡澤弘太:70.1キロ

<フェザー級/5分2R>
仲山貴志:65.6キロ
結城大樹:65.6キロ

<バンタム級/5分2R>
齋藤翼:61.1キロ
野瀬翔平:61.0キロ

<フライ級/5分2R>
山内渉:56.4キロ
植木“令和”新:56.5キロ

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【Shooto2021#05】修斗世界フェザー級王座決定戦へ、SASUKE─02─「当たり前に勝たないと」

【写真】マイクまでが、SASUKEの試合。1月の内藤太尊戦後は3分間、マイクを握っていた(C)MMAPLANET

25日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#5のメインイベントで、空位の修斗世界フェザー級王座を賭けて工藤諒司と戦うSASUKEインタビュー後編。

キャリア8勝1敗1分、常に過去の対戦相手の質を問われる。それはSASUKEにとって、如何ともしがたい。彼にはどうしようもできない、できることは与えられた試合で勝つことだけだった。

だからこそ、今後を考えて──そんな疑問の声を払拭し、期待が募る存在にならなければならない。そのためにSASUKEは工藤との試合を「当たり前に勝たないといけない」と断言した。

<SASUKEインタビューPart.01はコチラから>


──セコンドに就いてもらう選手に、しっかりと練習を見てもらうと。

「そうですね。5Rのスパーリングの時は猿飛流さんに来てもらいました。セコンドワークの確認も兼ねて。九州にいる弘中(邦佳)さんも、その辺りの意志の疎通はできています」

──工藤選手はキャリア最強の相手といっても過言でないと思われます。だからこそ、躓くことは許されないかと。

「躓いていられない……そのままですね。今後のことを考えると、当たり前に勝たないといけない相手です。外国人選手と戦っていくとなると、もっと強い相手ばかりになってくると思うので。

しんどい勝負でも、勝ちを拾わないといけないです」

──これはもうSASUKE選手からすると「そんなこと言われても、しょうがない」ということになるのですが、過去の対戦相手とこれから戦っていかないといけない相手ということを考えると、あのパフォーマンスをどこまで見せ続けることができるのか。その手の疑問を払拭できるのか。

「特に業界関係者、同業者の勝敗予想なんかの話を聞くと、そういう風に見られているなと思います。知り合いから、『こんな予想が出ていたけど、ひっくり返してね』とかって連絡が来て……」

──そういう連絡ありますよね。『こんな風に記事への批判書かれていましたよ』とか送って来てくれる人がいて(苦笑)。自分は気が弱いからエゴサーチなんてしたくもないのに。

「アハハハハ。僕はあんまり気にしていないです。予想なんて覆してナンボなんで。業界関係者がそういう風にみたところで、何も気にしていない。いつも通りのメンタルでやれば、いつも通り結果がでると思っています。

正直、試合なんてどっちが勝つか分からないですから。強いヤツが、一発で負けることもある。何が起こるか分からないのが試合なんで。その人にとっての番狂わせじゃないですけど、そういうことが毎回あるようなモノだから。

過去の相手云々と言われても、勝っているのは僕だし。そういうことを言われても、僕としてはケガで長く穴を空けてきたので、とにかく勝ちを拾うことが絶対条件で戦っています」

──拾うという表現なのですね。

「やっぱり負けたら、次に繋がらない。どんな状況になっても、KO寸前とか苦しい展開になっても何とか勝ちをもぎ取る。最近の試合はそういう展開になっていないですけど、どの試合に臨む時も最悪のシチュエーション、一番起こって欲しくない状況に陥り、そこから盛り返すイメージを持ってやってきました。

拾うという言い方は正しいか分からないですけど、要は諦めないよってことです。とにかく勝たないと何も残らないですからね。これまでキャリア10戦だけですけど、勝ちたいと
思って戦ったのは1回だけなんです」

──それは……。

「2度目の山本健斗デリカット戦だけです。1度やられているから、しっかりと勝とうという気持ちでした。でも他の試合はもう勝てれば、相手が足首を捻ってドクターストップでも構わないぐらいでいます(笑)。とにかく必要なのは、勝つことなので」

──先ほども、これから外国人選手と戦うという言葉が聞かれましたが、毎回尋ねて申し訳ないですけど、修斗世界チャンピオンになってから、次の目標というのは変わりないですか。

「そうですね、やっぱり海外……北米です。僕は北米です。UFCとポンと契約できるほど簡単ではないので、それができれば一番ですけど。そうでないならUFCに繋がるところですね。PFLを経由するのか、堀内(佑馬)選手が出たLFAとか。そういう選択肢も必要かと思っています」

──では、そこを含めて試合後のマイクを思案中ということですか(笑)。

「アハハハ。ワードチョイスは色々としないといけないですからね」

──逆に余裕じゃないですか(笑)。

「いや、これも仕事の一部ですから。どういうワードを使うと、皆が感情移入してくれるのか。背中を押してくれるのかっていうのはちょっと考えていますね。マイクに関しては、岡田(遼)選手がライバルです(笑)」

■視聴方法(予定)
7月25日(日)
午後6時00分~ ABEMA格闘チャンネル

■対戦カード
             
<修斗世界フェザー級王座決定戦/5分5R>
SASUKE(日本)
工藤諒司(日本)

<修斗世界スーパーアトム級次期挑戦者決定戦/5分3R>
SARAMI(日本)
中村未来(日本)

<バンタム級/5分2R>
論田愛空隆(日本)
中村倫也(日本)

<ライト級/5分2R>
エドモンド金子(日本)
岡澤弘太(日本)

<フェザー級/5分2R>
仲山貴志(日本)
結城大樹(日本)

<バンタム級/5分2R>
齋藤翼(日本)
野瀬翔平(日本)

<フライ級/5分2R>
山内渉(日本)
植木“令和”新(日本)

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MMA NEXUS23 UFC YouTube   ジェイク・ウィルキンス 中村倫也 修斗 寿希也 河名マスト 滝田J太郎

【NEXUS23】ビッグマウスか、モノホンか?! MMA2戦目、寿希也「ポテンシャルが違うんで」

【写真】1996年7月8日生まれ、兵庫県竜野市出身。寿希也は東洋大姫路高校から金沢学院大学に進学し、自衛隊体育学校まで柔道を続けた(C)NEXUS

25日(日)、東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるNEXUS23で寿希也が、プロ2戦目で滝田J太郎と戦う。

MMAの練習を始めたのは、昨年の9月から。今年の4月のプロデビュー戦で一本勝ち──NEXUS山田俊平代表の一押しにインタビューを試みると、ビッグマウスと捉えられても仕方ない自信家がそこにいた。

これだけの言葉を口にするのであるから、相当の覚悟もできているだろう。寿希也がほら吹きとなるのか、有言実行の日本を代表するMMAファイターになっていくのか──要、注目だ。


――初めまして。MMAインタビューでは初インタビューとなります。今回、プロ2戦目になる寿希也選手を山田俊平ネクサス代表から要注目のファイターだということを伺いました。ただし私自身が寿希也選手について、ほとんど知識がありません。もともと柔道をされていたと伺っています。

「ハイ、柔道は小学校1年生の時から、24歳になるまでずっとしていました。中学、高校と目立った成績を残していないですけど、大学の時に学生選手権で5位になりました。あとは国際大会でも2番になっています」

──その頃にMMAへの興味は?

「小学校の頃からPRIDEとかTVで視ていました。柔道を終えたら、MMAをやろうかという気持ちはありましたけど、趣味程度の気持ちでした。やはり柔道で五輪に出たいと思っていたので。

それで自衛隊体育学校で、実業団柔道を続けながら五輪を目指していました。でも肩をケガして1年ほどブランクができて……去年、五輪メンバーに選ばれなかった時に柔道は諦めました。もう次を目指すとなると、30歳近くになるわけですし、そんなに柔道を続けて良いモノなのかと考えて。

でも五輪っていう夢をずっと持っていたし、スポーツをずっとやってきたので、MMAで世界に通用するようになりたいって思ったんです。それなら中途半端にやるんじゃなくて、本腰入れて一からMMAをやろうと思い、去年の7月31日に退職し、格闘技の世界に飛び込むことにしました」

──特別職の国家公務員を辞して、MMAの世界に。周囲の反応はいかがでしたか。

「特に反対意見はなかったです。『寿希也がやりたいようにやれば良い』、『寿希也なら成功するだろう』みたいな感じでした」

──なるほどぉ。BLUE DOG GYMで練習するようになったのは?

「知り合いがBLUE DOG GYMで練習していて、見学をしにいって決めました」

──他のジムを見て回るとかはなくて?

「なかったですね。僕のなかでは、どこにいても強くなれるっていう自信があったんで。実際に練習してみると、打撃とか凄く難しかったです。でもBLUE DOG GYMの先輩方は、凄く優しくてしっかりと教えてくれます」

──そこに柔道で培った組技、フィジカルが加われば問題ないと?

「う~ん、でも柔道とMMAは全く別物だと思っています。そんな甘い世界じゃないと思っているので、それ相応の努力はしてきました」

──ではMMAに専念すると決めた時、目標はどこに掲げていたのでしょうか。

「UFCファイターです!! 世界で一番強い男になりたいので。単純に」

──そして4月のプロデビュー戦では、アメリカーナで一本勝ちでした。実際に戦ってみて、何か感じることはありましたか。

「特に……デビュー戦やし、こんなもんやなって。回りは『凄いな』、『デビュー戦であんなに緊張もせず戦える人間はなかなかいないよ』と言うてくれましたけど」

──初めての打撃有りで緊張しなかったですか。

「全くないですね。僕のなかで通過点なだけですから、怖さも全くなかったです。練習中でも打撃に関して、怖さを感じることはほとんどないです。僕、痛いのは当たり前やろうって思ってやっていますから。自分で打撃を使う方も問題ないし、むしろ打撃が好きですね」

──UFCを目指すうえで。キャリアの積み方に関しては、どのように考えていますか。

「会長に全て任せています。どこに出るかも、僕が出たい場所とかも特にないので、会長に言われたところで戦い、試合をするだけです」

──ではUFCにステップアップするために、戦っておきたい同階級の選手はいますか。

「今は目の前の相手、次の相手に集中しています。別に先のことは結果がついてくれば、自ずと決まって来るので。そんなに先にことを考えることはないです」

──では、日曜日の相手はベテランの滝田J太郎選手です。どのような印象を持っていますか。

「シンプルにベテランやなって思うぐらいですね。ベテランなだけやな……ぐらいですね」

──怖いと思うところは?

「怖さなんて全くないです。むしろ、相手の方が怖いんじゃないですか」

──根性で組みついて、ベテランの意地を見せようという意気込みでいるかと思いますが……。

「いやぁ、もうポテンシャルが違うんで。ベテランはベテランなりの戦い方があるやろうし。でも、若手は若手の戦い方があるので。そこが嚙み合えばね、全然勝てるなって思いますけど」

──どのような試合がしたいと思っていますか。

「自分の戦い方ができれば良いですね」

──寿希也選手にとって、自分の戦い方とは?

「前に出てプレッシャーを掛けて、相手のミスを誘って決めることができれば良いかなって。この前はテイクダウンから寝技やったので、今回は立ち技で勝ちたいですね」

──この大会はU23のグレコで世界チャンピオンだった河名マスト選手、そして同じ日に開催される修斗では同じくU23のフリーで世界王者になった中村倫也選手がデビューを果たします。他競技で実績を残した同世代の選手もUFCを目指しています。ライバル心を持つことはありますか。

「全くないです。眼中にないです。知名度があるから人気なんやろうって感じです」

──UFCにステップアップするためにも、知名度を上げる必要もあるかと思います。

「う~ん、僕のなかでは名前があるから注目されるんかといったら、そうじゃないと思っています。強いヤツ強いは、絶対に注目されるんで。マネージメントがどうであろうが。

強さでなくて、マネージメントで上がっている選手がいるじゃないですか。ただ金儲けのためにやって、本当に強いわけじゃない。でも本当に強い選手は、堀次恭司選手のように回りが放っておかない選手になります。そういう選手になりたいです」

──自信が言葉に表れていますが、その自信はどこからやってくるものなのでしょうか。

「練習量です、圧倒的に。毎日、課題を持って考えながらコツコツやっています」

──では最後に寿希也とはどのようなファイターなのか、MMAPLANETの読者にアピールお願いします。

「見ていて絶対に飽きない選手です。見ていて面白い選手です。圧倒的に強いんで、今後楽しみにしてもらえればと思います」

■視聴方法(予定)
7月25日(日)
午後4時00分~YouTube Fighting Nexus Official Channel

■ NEXUS23対戦カード

<NEXUSバンタム級王座決定戦/5分2R+ExR>
福島啓太(日本)
河村泰博(日本)

<NEXUSフライ級王者決定戦/5分2R+ExR>
橋本薫汰(日本)
タイガー石井(日本)

<バンタム級/5分2R+ExR>
亀松寛都(日本)
田口滉人(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
大越崇弘(日本)
須藤拓真(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
滝田J太郎(日本)
寿希也(日本)

<フェザー級/5分2R+ExR>
唐沢タツヤ(日本)
森山壱政(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
石田陸也(日本)
健吾(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
ゴリる(日本)
隅田一樹(日本)

<ライト級/5分2R+ExR>
河名マスト(日本)
ジェイク・ウィルキンス(米国)

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MMA Shooto2021#05 UFC   アーロン・ピコ コリー・サンドハーゲン チャンネル 中村倫也 修斗 論田愛空隆

【Shooto2021#05】伝説の始まり、中村倫也─02─「やっと夢を与えることができる。その番が回ってきた」

【写真】語られるエピソードが、26歳とは到底思えない。どれだけ中村がMMAに囲まれて生きてきたか。彼こそMMAの申し子だ (C)MMAPLANET

25日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#5で論田愛空隆とMMAデビュー戦を戦う中村倫也インタビュー後編。

ワールドクラスのフリースタイルレスラーは、出自も育ちもMMA=ピュアブレッド大宮──全ては、あの場所から始まった中村のMMAファイター人生が、ようやく第1章を迎える。

レスラーがMMAに挑戦するのではない、MMA人間がレスリングでも活躍してきた、それが中村倫也だ。伝説が始まる、その前日譚──中村のルーツをここで知って欲しい。

<中村倫也インタビューPart.01はコチラから>


──今回のデビュー戦、2回戦なのですね。てっきり3回戦だと思っていました。その方がスペシャル感もあって、盛り上がるのに……。

「クラスAですか? 僕も3R制だと思っていました。それぐらいあっても良いなぁって(笑)。でも3Rに行かないですし、2Rでも判定にならない。10分以内に終らせることができれば同じだなって」

──「それぐらいあっても良い」というのも自己顕示でなく、倫也選手の表情を見る限り、MMAデビューを背景まで含めて楽しみたい風に見えます。

「やっと……です。やっと、ですから。実は先週、ピュアブレッドに行ってきたんです」

──元プロシューター、ピュアブレッド大宮所属でピュアブレッドの名を継いだ池田久雄さんの下へ?

「ハイ。プロデビューを迎えたので、挨拶に言ってきました」

──そのために上尾まで足を運ばれたのですか!!

「ハイ。池田先生にデビューの報告を、と思いまして。そうしたらピュアブレッドのキッズレスリングの子たちがいて。いえば僕の後輩になるんですよね、あの子たちは。その子供たちが僕にベタベタとくっついてくるんです──。『俺が子供の頃、石川真さんや朝日(昇)さん、野中(公人)さん達にしていたとの同じだ』って思いました。

あの頃の僕にとっての選手たちが、彼らにとって『俺になっている』と感じることができて、やっと夢を与えることができる。ようやくその番が僕に回ってきたと思ったんです。何か──凄く嬉しくて」

──いやぁ、思わず鳥肌が立ってしまいました。エリート・レスラーのMMA挑戦と見られがちですが、倫也選手の口から出てくるのが剛術・石川くん、朝日昇に野中くん……根っからのMMA畑の人間じゃないかって。

「僕の憧れでしたから。上野九平さん……ルタ☆ユージさんも」

──ルタ選手はお父さんの運転手をされていましたよね。確かにカナダでピュアブレッドを創るという話もあったかと思います。

「カナダといえば先月ですかね、カーロスから『頑張って。パンデミックが終息したら、日本にいくから練習しよう』っていうDMが来たんです」

──カーロス……カーロス・ニュートンですか?

「ハイ。カーロスも暫らく大宮にいたことがあって、今はカナダの柔術ジムで指導しているみたいです」

──うわぁ、懐かしい名前です(笑)。きっとジョエル・ギャルソンのジムですよね。いやぁ、倫也選手と話していると、26歳とは思えない懐かしい選手の名前が飛び出してきますね。

「僕にとってピュアブレッド大宮が庭でした。毎日、あそこにいて。如何にエンセンと修斗君に会わないのかが、僕のなかのテーマでした(笑)」

──アハハハハ。エンセンはともかく、修斗君は怖すぎます。

「子供心に、エンセンも怖すぎました(笑)」

──最大の理解者の息子さんに、そういう風に接することができるエンセンがまた面白すぎます。

「あと桑原(卓也)さんも怖かったです(笑)」

──マッスル!! 空気が読めなさそうです(笑)。そういう幼少期があり、ピュアブレッドの池田さんにデビュー前の挨拶をするということなのですね。

「凄くエネルギーを貰うことができました。原点に返った気がします。あの子たちを見ていると、もう格好良いところを見せるしかないです」

──気合が入り過ぎることはないですか。

「その辺りはレスリング時代に経験していたことが生きると思います。レスリングの時もワクワクが大き過ぎたので」

──実は今週コリー・サンドハーゲンとエイドリアン・ヤネスというUFCバンタム級ファイターのインタビューをすることになっているのですが、倫也選手のようなバックグラウンドを持つ選手が、あの場で戦えるようになることを切実に願ってしまいます。

「サンドハーゲン、マジですかっ!! そうッスね……現地でUFCを見てみたいです。まだ画面越しでしか見ていないので、直接生で見てUFCファイターのエネルギー感とか、もっと出てくると思うので。そこがまだピンとは来ていなくて、ボヤっとしているところなんです」

──その世界最高峰を最先端で目指す。周囲の期待値もひたすら高く、求められるモノも他のデビュー戦を迎えるファイターとは違ってきます。

「デビュー戦に関しては、正直もっと僕の方がチャレンジする立場の試合が組まれると思っていました。でも、今回の試合はチャレンジするというよりも、受けて立つぐらいの気持ちでいることに気付きました。結果、思っていたより気楽ではないです(苦笑)」

島影直弥(LDH martial arts取締役) 倫也の人生はそういうモノなんだよ。回りの選手とは違う。覚悟を決めないと。

──では覚悟を持って、デビュー戦はどのような試合をしたいと思っていますか。

「伝説が始まる──そんな予感がするような試合をしたいと思います」

──おぉ、伝説の始まりですか。

「皆にここから何か始まるぞ──そう思ってもらえる試合をしないといけないです。ひたすら攻めます。ずっと主導権を握って、相手に能動的な動きをさせない。僕の動きに、反応した攻撃しか出させないようにして、選択肢を狭めていきます。そして、しょうがなしに動いたところで仕留めます」

──頭のなかに戦い方は出来上がっているようですね。一つだけ、その勢いに水を差すようなことを言っても良いですか。

「アハハハ、どんなことですか?」

──これだけ期待されて、舞台も整っている。そこで脳裏をよぎるのが、アーロン・ピコなんです。

「あぁあぁあぁ……。それ、分かります!! マジで分かります。アーロン・ピコに関してはデビュー戦だけでなく、他の試合でもMMAの怖さを目の当りにしました。

もちろん、僕だってアーロン・ピコのようにならないとは限らないです。あり得ることです。ただし、良いのを一発貰った時のことも想定しています。経験していないことなので、何とも言えないですけど……」

──嫌なことをいって申し訳ないです(笑)。

「アハハハ。ピコ……そうッスよね。ただピコってレスリングの時も、大量失点をするんです。でも、それより多くの点を取って勝つ」

──えぇ? 倫也選手はアーロン・ピコのレスリング時代もご存じなのですね!! 深すぎます。

「もう7年も前ですけど、ブルガリアの大会にピコはコーチと2人で来ていて。『相手がいないから、練習してくれ』って言われたんです」

──凄まじい逸話じゃないですかっ!!

「ピコは僕の2歳下で、彼と同い年の藤波(勇飛=2017年世界選手権フリースタイル70キロ銅メダリスト)は、世界ジュニアでアーロン・ピコと決勝で戦っていますし。

そうですね、ブルガリアで練習したときは、スクランブルが凄くて強かったです。試合もあの時に初めて見たのですが、凄く得点能力が高いけど、失点もメチャクチャします。大味といえば大味なレスリングで。

だからMMAもそのままなんですよ。凄く良い攻撃をするけど、被弾もする。僕の場合はあそこまで行き切るような試合はしません。ああなると事故が多くなってしまうので。もらうことが増えると、攻めに影響が出てしまうでしょうし。そこは自分の感覚を信じて、失点ゼロで戦います」

■視聴方法(予定)
7月25日(日)
午後5時~ ABEMA格闘チャンネル

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【Shooto2021#05】論田愛空隆戦で、プロMMA初陣。中村倫也─01─「丁寧に創ることを心掛けてきた」

【写真】五輪スポーツに生きてきたアスリートの第二の人生ではなく、MMAファイター人生のためにレスリングが存在したことが強く感じられる中村だ (C)MMAPLANET

25日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#5で中村倫也が論田愛空隆と──改めてMMAデビュー戦を行う。

ピュアブレッド大宮を庭に、MMAファイターになるという天命を受けて成長した中村は、その過程においてレスリングでU23世界王者など輝かしい実績を残してきた。

MMA転向後LDH martial arts所属となり、完璧を求められた『格闘DREAMERS』をミッション・コンプリートし、UFCへの最短距離を往くためにキャリアの一歩を踏み出す。論田戦を6日後に控えた中村をインタビューすると、すでに場慣れした一流アスリート然とした受け答え以上に、いかにMMAに造詣が深く、MMA LOVERであることがヒシヒシと伝わってきた。


──ひとつ前の取材で一緒していた松嶋こよみ選手に、倫也選手にインタビューすると伝えると「宜しく終え伝え下さい。メチャクチャ強いです。たまにではなく、極められます」と言っていました。

「いえいえ。こよみさんこそ……こよみさんのことはレスリング時代から知っていて、団体戦では敵チームだったこともありましたし。レスリング時代から身体能力が凄かったです。

そのレスリング時代に(大宮司)岳さんにムーブメントを教わっていて。岳さんの減量セミナーを受けさせていただきときに、MMAにも生きそうだと思って指導を受けるようになったんです。そのつながりで、今、こよみさんと打撃とムーブメントを一緒にさせてもらっています。

こよみさんって、他の選手の動きを観察する力も凄いんですよ。僕のパンチも踏み込みと、方向がズレているとか指摘してもらっています」

──そんな関係だったのですね。まぁ大宮司トレーナーのことは個人的には触れたくないのですが(笑)、自分のなかで体のトレーナーの方であれだけMMAをチェックし、選手の名前もスラスラ出てくる人はあまり知らないです。ムーブメントのためのムーブメントでなく、MMAを凄く研究したうえでのムーブメントで、素晴らしいですね。

「MMAのことが好きですよね。でも、『触れたくない』というところはしっかりと書いてください(笑)」

──アハハハハ。それにしても、プロデビュー戦まで1週間を切ったというのに、凄くリラックスされていますね。

「わくわくが緊張を上回っている感じです。もちろん、不安がないといえば嘘になりますけど、僕だけのデビュー戦でなくLDH martial artsのデビュー戦だと思っているので。ちょっと大暴れしたいなって気持ちです」

──4月の『格闘DREAMERS』のオーディション最終選考も、アママッチとはいえルールはほぼ同じで、相手もプロシューターでした。あの時は成し遂げないといけないハードルがある状況でのファイトでしたが、そこと比較すると何かメンタル面で違いはありますか。

「あの時と同じかなと思います。ただ、確実に打撃をもらわないという自信はなく、そこに対する不安はあります。でも、試合が始まるとその部分は捨てて戦うだけです。なので練習では丁寧に丁寧に創っていて、試合では大胆に行こうと思っています」

──では最初にデビュー戦の相手、論田愛空隆選手の名前を聞いた時、どのような気持ちになりましたか。

「えぇと……『誰だっけ? ん?』みたいな感じでした。映像をチェックしてからは、やりたいことが明確なので、試合としては組み立てやすいと思いました。ただ実際に組んでみて、力がどの程度あるのか──ですね。そこは触ってみないと分からないので、実際に試合になるとプランが変わることもあるかと思います」

──気を付けるべき点は?

「奥手なので、そこですね。奥手を当てたい戦い方です。4月の試合で僕自身、様子を見てボクシングでいけるならやろうと思い、そこがハマりました。今回も同じです。スピード感、反応を見て……そこに差があると感じたら、パンチでも戦います」

──なるほど。倫也選手の打撃をボクシングとして切り取ると、課題はたくさんあるかと思います。ただ根本的なアスリートとしての土台の部分で、違いを感じればボクシング勝負ができたということなのですね。

「そうですね。色々な仕掛けは見えたのですが、長さがなかったです。なら踏み込めば当たると思いました」

──レスリングで培った瞬発力と爆発力があれば、打撃戦も可能になると。

「相手次第ですけどね。レスリングでやってきた動き、散らし方なんかもMMAで打撃をやるうえで生きています。ただし、やはりMMAなので──最初はスタミナとフィジカルで誤魔化していた部分がありました。レスリングって、正面のスクエアを崩さないことが基本中の基本じゃないですか?」

──相手の方に胸を開いているのは、明かに打撃有りの競技とは違ってきます。

「そうなんです。だからパンチを打つときに、面で打つことが多くて。前足を踏み込んで廻旋する動きが全然できなかったです。身体操作は色々とできるつもりでいたんですけど、これは違うと痛感しました。

そこは(太田)忍さん(※リオ五輪グレコ59級銀メダリスト。RIZINでMMAデビュー)とかも感じているかと思います」

──グレコのみだとMMAは、フリーを知っているレスラーと比較するとアジャストが難しい面もあるかと。そういえば倫也選手と同日にNEXUSで河名マスト選手がMMAデビュー戦を迎えます。河名選手もグレコでした。

「奇遇ですよね(笑)。大学の同期が、団体は違うけど同じ日にデビューって。マストとは今も連絡を取り合っています。マストは物静かな人間なんですけど、練習中にこういうことを指摘されたとか色々と考えてMMAに向き合っているようです」

──ところでLDH martial arts所属の倫也選手ですが、同門の宇佐美パトリック正選手、そしてEXFIGHTで練習している元DREAMERSとは現状での実力差は大きいです。試合に向けて、どのような練習をしてきたのでしょうか。

「EXFIGHTで指導している石田(光洋)さんや門脇(英基)さんは凄くグラップリングが強くて、2人に仕掛けられたことを考えて対処するようにしています。同じ仕掛けを喰わないように考えて、丁寧に創ることを心掛けてきました。石田選手は同じレスリング出身でMMAをやってきた方なので、参考になることも多いですし。

門脇さんはグラップリングでの知識が半端なくて、もう仙人のようです(笑)。そうやって創っていったモノを出稽古先の練習で試して、またフィードバックを得て持ちかえるということを続けてきました」

──出稽古はどちらで?

「メインはパンクラスイズム横浜で打撃のムーブメント、打撃とMMAのスパーリングをやってきました。あとはロータス世田谷も週一でグラップリングですね」

──手応えの方はいかがですか。

「やはり打ち込みを丁寧にやっていることで、精度が上がってきているという感覚はあります。レスリングのスクランブルだけでやってきていたことが、打ち込みをやってきたことで、相手の仕掛けとかも察知できるようになりつつあります」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
7月25日(日)
午後5時~ ABEMA格闘チャンネル

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MMA News NEXUS23 ジェイク・ウィルキンス 中村倫也 修斗 河名マスト

【NEXUS23】25日、MMA初陣世界級レスラーは not only 中村倫也 but also 河名マスト!! 初インタビュー!!!

【写真】マスト(真寿斗)という名はヨット好きのお父さんがつけたという話も…… (C)MASUTO NAKAMURA

25日(日)、東京都新宿区のGENスポーツパレスで開催されるNEXUS23で、2017年U-23世界選手権グレコローマン59キロ級優勝の河名マストが、プロデビュー戦を迎える。

河名マストは幼少期からレスリングを始め、大学ではABEMA『格闘DREAMERS』を経て、同じく25日に修斗でプロデビューする中村倫也と同期だった。中村同様にジュニア五輪、世界ジュニア、専修大学時代に全日本学生選手権、全日本大学グレコローマン選手権を制し、2017年に前述したように中村がフリー61キロを制したU23世界大会を制するなど華々しい実績を誇る。

今回ネクサスで、2019年の全日本アマチュア修斗ライト級優勝のジェイク・ウィルキンスを相手に、いきなりプロデビュー戦を行う河名マストとは、どのようなファイターなのか。インタビュー前編では、そのレスリング時代について訊いた。


――ネクサスでジェイク・ウィリアムス選手とのプロデビュー戦を控える河名マスト選手です。河名選手は、もともとレスリングをされていたのですよね。

「レスリングは――インターネットでは『4歳の時に始めた』とあるのですが――正確には6~7歳ですね。小学校に入る時に、地元のキッズレスリングのクラブに入りました」

――キッズレスリングを始めるキッカケは何だったのでしょうか。

「父親が、子供が生まれたらレスリングをやらせたかったそうなんです」

――お父さんもレスリングをされていたのですか。

「いえ、両親ともに野球とソフトボール経験者でした(笑)。子供の頃に基礎体力やバランス、体の柔軟性をつけさせるために……とレスリングを選んだようです」

――では、当時からレスリングで世界を目指すといったような考えではなかった、と。

「はい。別にレスリングで大成してほしいとか、そういう考えはなかったみたいです」

――河名選手はご兄弟もレスリングをやっているのですよね。

「僕は4人兄弟の2番目で、兄も僕と同じ頃に、レスリングクラブに入っています。あとは弟も妹も全員レスリングをやっていました」

――完全にレスリング一家ではないですか。

「小学校の時、全国大会で優勝したことがあるのですが、子供が勝てるようになってくると、親も気合いが入るんでしょうね(笑)」

――確かに、親御さんの気持ちも分かります。しかし、中学では陸上部に入られたとのことですが……。

「中学校にレスリング部がなかったからです。レスリングって中体連(全国中学生体育連盟)に加盟していないから部活がなくて、みんな小学生の頃と同じレスリングクラブで続けることが多いんですよ」

――河名選手は、その時レスリングから離れたのですか。

「いえ、僕はクラブでレスリングを続けながら、中学校ではまず野球部に入りました」

――最初は野球部だったのですね。

「ただ、中学校に入った頃は体が小さかったから、そんなに野球も上手くならなかったんです。先に兄が陸上部に入っていたので、僕も中学1年生で野球をやめて、陸上部に入りました」

――陸上部ではどの種目をやっていたのでしょうか。

「長距離です。部活の先生が長距離の指導者で、短距離はやっていないぐらい、長距離に特化した陸上部でした」

――陸上部時代の実績を教えてください。

「3000メートルで県大会の決勝に進みました。あと、いつも練習している会場で年に1回、競歩の大会が行われていたので、1回だけ出たことがあります」

――さらに競歩ですか。その大会の結果は?

「その時に出した記録が、当時の全国ベスト8でした」

――すごいですね! レスリング、長距離、競歩と何でもこなせてしまうとは……。

「いえいえ、そんなことはないです(苦笑)」

――それで野球は上手くならなかったということは、体格もあって階級制の競技が向いていたのかもしれないですね。

「親もそう言っていました。もともと体が小さいけど、サイズが同じならケガもしにくいのでレスリングを始めさせたんだ、と。それで高校に入ってから身長も伸びました」

――高校ではレスリング部に入っていますよね。そのまま陸上を続けようとは思わなかったのですか。

「兄が陸上の強豪校に進学していて、僕も陸上を続けるか、レスリング部のある高校に行くか迷いました。ちょうどそんな折、高校1年の時のインターハイが、沖縄の石垣島で開催されることになっていたんです」

――えっ、まさか……。

「陸上の個人戦でインターハイに出るのは難しい。でもレスリングは、強い高校なら団体戦でインターハイに出られる可能性があるじゃないですか」

――……はい。

「石垣島に行ってみたくて、レスリングを選びました(笑)」

――ハハハ! 石垣島ありきだったのですね(笑)。

「おかげで、その年はレスリング部が全国大会に出場し、石垣島に行きました。大会は1回戦で負けましたが、そのぶん石垣島を堪能することができています(笑)」

――アハハハハ。動機はどうであれ、それでレスリングを続けることになったのも、何かの縁かもしれません。

「そう思います。そこから大学でもレスリングをやりたいと考えるようになったので。レスリングで専修大学に進み、そこでは中村倫也と同期でした」

――ABEMA『格闘DREAMES』を経て修斗でプロデビューする、LDH所属の中村倫也選手ですか。

「はい。中村倫也とはキッズレスリングでも試合をしたことがあります(本人の記憶では2戦2敗とのこと)」

――大学では、中村選手はフリースタイルに。そして河名選手はグレコローマンを選び、全日本大学グレコローマン選手権で優勝しています。

「実は最初のレスリングの先生がグレコ出身で、小学校の頃からグレコの技術も教えてもらっていました」

――日本だと、そういったケースは珍しいのではないでしょうか。

「ヨーロッパではグレコのほうが盛んですけど、日本ではインターハイがフリースタイルだけで、国体のグレコで勝ったら大学でもグレコをやるか……という選手が多いんです。僕も本格的にグレコをやるようになったのは高2からでしたが、昔からグレコの技術を学んでいたことは大きかったです」

――実績としては、オリンピック出場も視野には入ってくるかと思います。

「高校の時に世界ジュニアで3位になり、大学生の時にリオ予選で倉本一真選手に勝ってから、オリンピックに出たいと思うようになりました」

――現在、MMAをやっている倉本一真選手ですか。

「はい、2015年の全日本選手権で倉本選手に勝って3位になりました」

――それまでオリンピック出場は視野になかった?

「そうなんです。大学3年生までは、ただ漠然と『強くなりたい』と思ってレスリングをやっていました(苦笑)」

――大学3年からオリンピックを目指すというのは、レスリング界では遅いほうなのでしょうか。

「もちろん、もっと若い時から目指していったほうが良いとは思います。若いうちに経験を積んでいれば、その勢いでオリンピックに行ける可能性も高まりますし」

――結果、大学卒業も社会人としてレスリングを続け、2017年にはU23世界選手権のグレコローマン59キロ級で優勝しています。オリンピック出場も近づいてきますよね。

「当時のグレコ59キロ級は、国内で勝てば世界でも勝てる、という階級でした。その中で僕は、文田健一郎選手(東京五輪代表)と太田忍選手(リオ五輪銀メダリスト)に続いて3番手につけて‥‥…2020年、東京オリンピックを目指していました」

<この項、続く>

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ARAMI MMA ONE RIZIN Shooto2021#05 キック ボクシング 中村倫也 仲山貴志 修斗 吉野光 結城大樹 論田愛空隆 野瀬翔平 齋藤翼

【Shooto2021#05】3回戦級の2回戦で千葉(仲山&齋藤)✖福岡(結城&野瀬)。DREAMERS vs SHUTTLEも

【写真】結城は組み力で、元環太平洋王者の仲山に挑む (C)KEISUKE TAKAZAWA & MMAPLANET

12日(月)、Sustainより25日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#05の追加カード3試合が発表されている。

修斗世界フェザー級王座決定戦SASUKE✖工藤涼司、女子スーパーアトム級SARAMI✖中村未来に以外、2回戦ながら注目の中村倫也のデビュー戦=✖論田愛空隆戦、同じ2回戦の岡澤弘太✖エドモンド金子が決まっていた同大会。

今回、加わった3試合は揃って2回戦となっているが、3回戦でもおかしくない試合も含まれており、背景に4度目の緊急事態宣言下の影響が感じられる。


そんな2回戦の追加カード──まず前環太平洋フェザー級王者の仲山貴志が、昨年9月に同王座をメインで世界戦を戦う。仲山は今大会のメインで世界王座に挑むSASUKEに敗れて以来の再起戦で、結城大樹と戦うこととなった。結城はそのSASUKEの師匠筋でもある弘中邦佳の指導を東京~福岡で受けてきた愛弟子で、本来は6月13日の闘裸男・博多大会で岩本龍弥戦が決まっていた。

博多大会が緊急事態宣言の発出を受け延期となり、今回の仲山戦が決まった。裕樹はTNS系大会で3連勝、それ以前にはGladiatorで今やRIZINファイターとなったGrachanバンタム級チャンピオンの伊藤空也にも一本勝ちをしており、引き分けを挟んで4連勝中、好調を維持して前環太平洋王者との一戦で下克上を目指す。

また結城と同じくマスタージャパン福岡から、野瀬翔平も出場し齋藤翼と戦うことが決まった。野瀬も闘裸男の延期により、奇天烈戦がなくなり今大会への出場となった。将来を有望視された高校柔道時代に首の骨を骨折するという瀕死の重傷を負いながら、奇跡の回復を見せた野瀬は、柔道でなくMMAを選択して弘中門下に加わった。

デビュー後は2引き分けからの4連勝も、昨年9月に今回のメイン登場の工藤にキャリア初黒星を喫し、2月のRoad to ONEでは吉野光の恐怖のパワーに屈しており、連敗中だ。3月にはRISE WEST ZEROでキックボクシングを経験した野瀬と対する齋藤は、仲山と同様に津田沼道場所属だったが髙谷裕之のFight Farm創設と同時に籍を移した選手だ。

とはいっても津田沼とFight Farmは兄弟仁義──ならぬ、兄弟ジムとして強い絆で結ばれており、いってみればこの2試合は千葉✖福岡の対抗戦、いや格上・千葉勢が福岡勢の挑戦を受ける形となる。

最近の齋藤の試合を見れば本来の打撃の強さに加え、ケージ際の攻防に磨きをかけてきたことは明らかだ。組みの強さは吉野に屈したとはいえ、クラスAに十分に匹敵する強さを持つ野瀬との対戦で、齋藤はその成果を発揮し結果を残したい。

同様に野瀬としては極度の緊張性かつ朴訥なほど真っすぐなファイトでは、齋藤の打撃を凌ぐことはできない。次なる段階に進むために、朴訥さを返上し狡猾さが求められるファイトだ。

また千葉軍団からは格闘DREAMERSに出演、ウェルラウンダーぶりを見せた山内渉がプロデビュー戦を迎える。DREAMERSでは仮契約を取りつけた山内だが、Fight Farmで強くなることを選んだ山内の対戦相手は、植木❝令和❞新だ。

既にキャリア17戦目となる北岡シャトルこと植木は、GRACHANでキャリアを重ね、パンクラスとGladiatorにも出場経験がある。

彼にとって修斗は初陣、ある意味──髙谷裕之&津田勝憲の教え子っぽくない空気感を持つ山内を相手に、キャリアの差を見せつけることができるか。別角度で注目の植木のプロ修斗出場だ。

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MMA RIZIN 中村倫也 修斗

【修斗】LDHと契約した大物ルーキー中村倫也 プロデビュー!

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7月25日に後楽園ホールで開催されるPROFESSIONAL SHOOTO 2021 Vol.5に格闘家オーディション「FIGHTER BATTLE AUDITION」出身でEXILEが所属する事務所LDHとプロ契約を結んだ中村倫也(EX FIGHT)がプロデビューする事が発表されました。

ABEMAで配信されていた格闘技オーディション番組。すみません、、、見てませんでした。それだけにEXILE、LDHに乗っかったイロモノ企画かと高を括っていましたが中村の経歴を見て一変。いやはやこのポテンシャルの高さはただ者ではなさそうです。

2016年全日本選手権フリースタイル57キロ級優勝、2017年全日本選手権フリースタイル61キロ級優勝、2019年全日本選手権フリースタイル65キロ級準優勝。レスリングでの実績はズバ抜けていると言っていいでしょう。しかも実父である故・中村晃三氏は修斗の親会社だった龍車グループの社長という生い立ちも見逃せません。

レスリングの確固たるバックボーンを持ち、修斗との浅からぬ因縁もある中村。しかもトライアウトの最終審査では修斗にも出場している新井拓巳をパンチでKO。現時点でも実力は修斗レベルに達しています。

今回の対戦相手は論田愛空隆(心技館)。修斗ではなかなか勝ち切れない試合が目立ちしますが、昨年11月の後楽園ホール大会では石橋佳大(ZEEKジム)と対戦。激闘王と言われる石橋を相手に負けはしたものの、互角以上にやり返して地力の強さを見せてくれました。

もし中村が論田にも勝利するようだと、RIZINでもブレイクしているバンタム級戦線に割って入るのは間違いありません。中村がデビュー戦から突き抜けるか。論田が食い止めるか。楽しみな試合が用意されました。
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J-CAGE News Shooto2021#05 ブログ 中村倫也 論田愛空隆

【Shooto2021#05】7月25日、中村倫也が修斗で論田愛空隆を相手にプロMMAデビューへ

【写真】肉体も精神も、アスリートとしては完成している中村のプロ初戦が決まった(C)MMAPLANET

5日(月)、SustainとABEMAが同時に25日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2021#05に中村倫也が出場、論田愛空隆と対戦することが発表した。

LDH martial arts所属、格闘DREAMERSベテラン──実父が1990年代中盤から佐山サトル及び修斗をサポートした龍車グループのオーナーだった故中村晃三氏という中村は、当時の日本MMA界の虎の穴=スーパータイガーセンタージム~ピュアブレッド大宮を庭に育った。

MMAファイターを自然と目指すなかで、遊びで始めたレスリングで実績を残すと花咲徳栄高校を経て、専修大学へ進学。この間、JOCカデットで優勝、世界カデットでは3位、JOC杯や全日本学生選手権&全日本大学選手権のフリー57キロ級優勝など華々しい活躍を見せていた。


さらにU-23世界選手権の61キロ級優勝及び世界選手権で5位に入賞するなどワールドクラスの活躍をしてきた中村は、東京五輪に出場ならなかったことでMMA転向を決める。

今ではTOKYO2020という舞台に進めなかったことに対し、「五輪で出ていたら、あるかないか分からない状況を過ごしMMA転向も遅れていた今となっては、五輪に出られなくて良かったと思っている」と身も心もMMAファイターになっている。

中村はLDH所属という立場で、格闘DREAMERS=オーディション番組に参加し、実戦はおろか練習でも弱みを全く見せることが許されない状況を戦い抜くと、4月26日の最終選考ではプロシューターの新井拓己をわずか42秒でTKO、既にアマチュアの域を超えていることを証明した。

今回、プロとして初めてケージに足を踏み入れることになるが、中村を指導する髙谷裕之は「UFCに最短距離で進ませる」ことを明言し、同じく岡見勇信も「人としても成熟しており、強い相手とどんどん当てていって良い」と育成方針について語っている。

そんな中村のデビュー戦の相手となったのが、ONE Warrior Seriesのトライアウトに合格し、すでに海外での国際戦も経験しているハードパンチャーの論田だ。

一発のある論田を相手に、MMAファイターとして中村がどのような戦い方を見せるのか。打撃に応じるのも良し、論田の強打に対しテイクダウンで勝負をかけるのも良し。

将来性だとか、可能性という言葉が必要ないファイトが、中村には求められている。とはいえMMAはMMA。中村がアーロン・ピコにならないとは限らない。論田は「ぶん殴る」圧力をかけることが、勝利へ不可欠だ。論田の意地が、この勝負を面白くさせることは間違いない。

なお同大会では既報のように──斎藤裕の返上した修斗世界フェザー級王座を賭けて環太平洋王者のSASUKEと工藤涼司が対戦。SASUEKEにとってはホームリングに残された最後のピースとベルトだけでなく、フェザー級での存在意義とこれからを賭けて戦う王座決定戦となる。

また女子スーパーアトム級でSARAMI✖中村未来という──爽やかさの欠片も必要ない──世代闘争、さらに2回戦では佐山道場の岡澤弘太✖エドモンド金子など組まれている。

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Interview J-CAGE LDH FBA S01 ONE ブログ 中村倫也 八木敬志 宇佐美正パトリック 岡見勇信 漆間將生 髙谷裕之

【LDH FBA S01】格闘DREAMERSを終えて、岡見勇信─02─「良い意味で僕は追い詰められています」

【写真】大役を担った髙谷裕之と共に良い笑顔を見せる岡見。次は現役として、ONEミドル級での存在感を示して欲しい (C)MMAPLANET

15日(土)に最終話が中継されたABEMAで格闘オーディション番組「格闘DREAMERS」。LDH martial artsとの契約を賭けた最終オーディション参加者を厳しくリードして、温かく導いて岡見勇信インタビュー後編。

4月26日(月)、都内某所で開かれた最終選考大会を終えた直後に安堵の表情を浮かべ、充実さと疲労感を同時に漂わせていた岡見にオーディションを終え、これからの現役生活に与える心理的影響を尋ねた。

<岡見勇信インタビューPart.01はコチラから>


──シーズン2の発表もありましたが、契約内容を公開してこれだけの環境で練習できるとアピールしないと、この厳しい練習や試合をみて参加者が集まりますかね(笑)。

「アハハハハ。ねぇ、これめっちゃキツイですよ。僕らも最初だから、どこまでゴーサインを出して良いのか、ストップの見極めとか難しかったところがあります。初めての経験だったので。

でも、選手と常に接していることで行ける、ダメだというのは分かってきました。ただし、求めているモノは高いので……生半可の気持ちの人間には、それは厳しくなるでしょうね……シーズン1を視てしまうとね。

今日の試合だって運任せじゃないですけど、どう着地できるのかなって……。僕らとしても彼らの練習、コンディション、格闘技に向き合う気持ちを創るために最善を尽くしたつもりですが、試合はやってみないと分からないものなので。本当にどうなっちゃうんだろうなって不安でした。

漆間も厳しい試合でしたけど、30-27が2人もいるのかって……。

1人は29-28で漆間だったじゃないですか、でも30-27がつくんだって驚きました。そういう気持ちになることが、冷静じゃなかったんだなって。

吉村選手はアマ・パンクラスとDEEPのフューチャーキングTで7試合連続KO勝ちしている選手だけあった、本当に強かった。もう少しテイクダウンを取って背中をつけさせる時間が欲しかったですね」

──これから期待できる選手、情が移った選手も契約するか否ということを考えると不合格にせざるを得なかった。

「……。そうですね……」

──そして2人のLDH martial artsファイターが誕生としました。中村倫也選手に関しては既に所属していたのですが、抜群の資質があり志も高い。宇佐美正パトリック選手、あのボクシングを見てもポテンシャルの高さは間違いないです。

「倫也はもうある程度の力があります。

もちろん、UFCで戦うという彼の目標を考えると、色々とやらないことはありますが。

パトは左手をケガしているから使うなといっていても、『僕は左の選手なので、打ちます』って言い切って。

でも、次からはケガをしていると使わせません」

──次世代を育て、日本のMMAのマイルストーンになるやもしれないオーディションが終わりました。ここからは指導者でなく、業界のリーダーでもなく、がけっぷちの現役選手としての活動再開です。

「アハハハハ。いやいや、もちろん最後までやり切ります。彼らの姿を見てもそうですけど、僕自身を着地させないといけないですからね。それはもう忘れていないです。彼らを指導しながらも、自分が強くなるといことを考えてコンディションも創ってきています」

(取材の横で関係者と立ち話をしていた)髙谷裕之 岡見はそんなこと言っているけど、番組の打ち合わせとか全部に僕に任せて、自分の練習ばっかりやってきたので、そこは問題ないですよ(笑)。俺に任せすぎだろうって。

「いやいやいや、髙谷さん!! そこはホラ、役割というものがあるじゃないですか(苦笑)」

──『格闘DREAMERSでアレだけ言ってんだから、お前、もっと出ろよ』という意見が試合を見て出てくるからもしれないですね(笑)。

「いやいやいや、本当にソレ辞めてください(苦笑)。それはもう、偉そうに言うのが僕の役割ですから……。でも、そういうこと言われるんだろうなぁ……それが現役兼指導者の辛いところですよ(笑)。

とはいっても、背中を見せないといけないというのはあります。僕自身、コレを経験したことで強くなっていないと」

──ということで次戦の予定というのは?

「(小声になって)まだ決まらないんですよ」

──なぜ小声に(笑)。

「アハハハ。本当ですね。まぁ、この間にちょっとしたケガも直せたというのは良かったのですが、体調も良いので試合をしたいですね」

──現役として強い岡見勇信を期待するという点は、なんら変わりないのでお願いします。

「もちろんです。さっきも言いましたけど、コレを経験して自分も情けない、弱い姿を見せることはできないです。彼らとこうやって接してきたわけだし。

彼らに指導し、偉そうなことを言ってきたのだから、あの頑張りを見ていると自分だってやらないといけないという気持ちになります。試合で情けない姿は見せられない。引けないです。

八木君とかに偉そうに、酷いこと言ってきましたからね(苦笑)。

でも彼はこっちが言ったことをしっかりとやりきった。それだけ覚悟があって戦っていたということですよね。

格闘DREAMERSを経験して、良い意味で僕は追い詰められています」

■格闘DREAMERS最終オーディション試合結果

<バンタム級/5分3R>
中村倫也(日本)
Def.1R0分42秒 by TKO
新井拓己(日本)

<72 キロ契約/5分3R>
宇佐美正パトリック(日本)
Def.2R2分06秒by TKO
日高健太郎(日本)

<バンタム級/5分3R>
田嶋涼(日本)
Def.2R3分46秒by 腕十字
斎藤奨司(日本)

<フェザー級/5分3R>
吉村海渡(日本)
Def.2-1
漆間將生(日本)

<ライト級/5分3R>
八木敬志(日本)
Def.1R0分18秒by TKO
高木オーディン祥多(日本)

<フェザー級/5分3R>
柳田龍彌(日本)
Def.1R0分29秒by TKO
岡田達磨(日本)

<バンタム級/5分3R>
山内渉(日本)
Def.3-0
安永吏成(日本)

<63キロ契約/5分3R>
鈴木崇矢(日本)
Def.2R5分00秒by TKO
平本丈(日本)

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