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【UFC】中村倫也のMMAファイター科学─01─「右手を見つめ直していると、左手のことが分かりました」

【写真】医学、人体構造学、精神論、武術論──どのような話になっても、MMAに帰結する。それが中村倫也との会話だ (C)MMAPLANET

2月17日のUFC298でカルロス・ヴェラに勝利も、右の拳を骨折し長期欠場となった中村倫也。金属をいれずに自然治癒を選択し、今ではパンチを打てるようにまで回復した。そして来月にはATTに8週間の予定で練習をするという。
Text by Manabu Takashima

改めて自然治癒を選んだ理由を中村に尋ねた。そして右の拳を負傷したことで、体の構造を理解し、握りを変えることで左のパンチの威力が増したと笑顔を見せる。

ファイターは体を動かさないでいると、周囲からおいて行かれるという想いに支配されがちだ。この現状をポジティブに捉え、中村は前進を続けてきた。実際にコースを走らなくても、データ解析をすることでレーシングマシンは速くなる。ガレージで速くなるレーシングマシンと同じように、中村倫也はギブスで拳を固定した間も強くなっていた。


やっぱり、人間の体ってあんまり切って、開けない方が良い

──まず、拳の自然治癒に関して。2月に右の拳を骨折し、MMAファイターはプレートを入れる手術を行うのが普通ですが、倫也選手はそうしなかった。周囲の練習仲間も驚く選択をしたのですが、その後の経過はいかがですか。

「まず拳の骨折に関して、他の体は全部動く。だから練習に関して、支障はないぐらいに思っていました。ただ、試合中に骨折をすると使い続けているから、回りの組織も破壊してしまっているんです。骨が皮膚の下でプカプカと浮いていて、血の海を泳いでいるというイメージですね。だから歩いていて躓いただけでズレてしまう。

ギブスで固めて、本当に動かさないようにして。あの時のストレスは相当でしたけど、そこを耐えたおかげでくっつきました」

──ギブスを外したのは、いつ頃ですか。

「4月になってからですね」

──もうシ〇シ〇もできると。

「それは左手なんでって、前のインタビュー(河名)マストが突っ込んでいたじゃないですか(笑)」

──アハハハ。

「でもギブスは取れても、格闘代理戦争で戦っていた京ちゃん(中村京一郎)のパンチを受けることとかできなかったです。思った以上に時間が掛りましたね。今もパンチの強度を上げて、MAXに近づけている途中ですね。腰を入れて思い切り打つには、まだ耐久性が戻っていないです」

──拳の骨折は繰り返すことも多いですが、自然治癒にすると回避できるようなものなのですか。

「そうなると思います。骨が折れた面に血がたまって、それが固くなり接着剤の役割になって骨融合をします。プレートを入れると、この接着剤役の血を洗い流す必要があって。プレートを入れるために血が肉となり、骨となるという過程を手術で洗い流してしまうんです。鉄を入れるので、血算は要らないですよ、と。それだと本来、人間が持つ治癒能力が最大限までいかないらしくて」

──その判断は倫也選手自身がされたのですか。

「これまでも肩とか、複数回の手術をしてきて……。やっぱり、人間の体ってあんまり切って、開けない方が良い。中を酸化させない方が良いという考えがありました。その判断を自分でしたのですが、それには川越にそういう医療をしてくださる名医の方がいたからです」

──治療箇所は違いますが、歯を抜かない。被せモノはしても根っこは少しで残し、神経を取らないという歯科医の先生もいますね。

「やっぱり必要だからあるんですよ。大切さは、その時は分かっていなくても、後から分かることだってある。そういう風に感じてします。普段は意識をしない箇所もそうですし、自然のままで治したいと思いました」

──さきほどパンチの話はありましたが、組みの方は如何ですか。

「クラッチは100パーセントで組めています。そこに関して拳のケガがあるまで、握り方やどんな風に捩じっているのか等、気にしていなかったことを凄く考えるようになりました。手がどう体に繋がっているのかを、メチャクチャ意識するようになりましたね。

クラッチの形も、場合によっては変えるようにもして。ここに気付くことができて、凄く良いことがたくさんあったという風に思えています」

──そこですね、中村倫也というファイターの特徴は。何かあると、領域が広がっていく。

「自分の体のことでいうと、ガルシア戦に向けて追い込みをしている時に左手の薬指を突き指して、今も節が膨らんだままなんです。たかが突き指だと、そのまま放置していて。でも右を折って、組み方を見つめ直すと、薬指がまるで役割を果たしていないことが分かったんです。

その時、UFCデビュー戦も2戦目も左のパンチで倒せる気がしないって感じていたことと結びついたんです。

原因が分かっていなくて、ずっと違和感があったので。右手を見つめ直していると、左手のことが分かりました。じゃぁ、左のことも考えて握り方を直さないといけないって。右だけじゃなかったんですよ。左も修正をしたんで、左のパンチがメチャクチャ良くなっていて(笑)」

──これぞ、満面の笑みという笑顔になっていますね(笑)。

「また、倒せる。これで、左のパンチで倒せますからね」

──ではケガのブランクなどなかったようなものかと。

「そこに関しては、来年で30歳なので。ブランクということは、ちょいちょい過っています。『お前には時間はないからな。時間を大事にしろよ』と毎日、内なる声が聞こえてきます。その声が聞こえてきた時に現状を苦しく感じるのか、励みにして『やろう』って思えるのか。この違いは大きいと思います。僕の場合は後者を選択することをすぐにできた。だから『今が大事』と取り組んで、積み重ねることがでできました。

なので焦りというのはなかったです。京ちゃんの試合が3度あったり、常に試合がある選手とピリピリした空気で触れさせてもらって、本当に一緒の気持ちでケージに上がっていたので。そうすることがサポートをしている選手のためになるだけでなく、メチャクチャ自分のためにもなりました。

京ちゃんの場合でいうと勝って当然というなかから、一芸に秀でた強い選手が出てきた。やりたいことは分かっている相手に、それをやらせないということを必死で考える。試合まで1カ月のスパンが2度続き、ずっと考えていました。そこも自分にとって、凄く良い経験になったんです」

ATTは強い選手は集まっていますが、強度が高いとは思わなかった

──そのなかで8月からATTに行くと決めたのは。

「前回の試合前に、勝ったらすぐにATTに行って夏ぐらいには試合をしようと思っていました。それが延びたということですね」

──ATTの練習は世界から強豪が集まって、強度が高い練習ができるということなのでしょうか。

「ATTは強い選手は集まっていますが、強度が高いとは思わなかったです。むしろ頑張らないで、必死になることなく如何に相手を制するのか。いつも通りの呼吸で相手を制するのか。そこを皆が追及している感じです。

瞬発的な動きをすると、『それは力だ』って指摘されて。そうじゃない動き方を教えてくれるんです。剛と柔なら、ATTは柔の動きを追求するようになっていますね」

──トップレベルだからこそ、達人系になってくるのですね。

「そういうことを意識して、やりあっていますね」

──ところで倫也選手は思考しまくるタイプではないですか。

「ハイ」

──それだけのレベルにある選手がいて、導いてくれるコーチがいるなかでも、やはり考え抜いているのでしょうか。

「あぁ……やっぱり考えてやりますね。最初は相手の情報をインプットするので精いっぱいでした。そこから一段階進むと、スパーリングのノートとつけていて。練習に行く前も、それを把握して何を試すのかを決めています」

──しっかりと考えるには、精神が安定しないといけないと思います。ケガをしても、落ち込まずに前向きになるように。同時に、高揚感があってもまた思考に影響はあるかと。例えば平良選手が6連勝し、鶴屋怜選手もデビュー戦で勝利した。朝倉未来選手がUFCにやってくることで、UFCが日本で盛り上がるなどと考えると、精神的な部分で影響が出るのでしょうか。

「一緒くたにはならないです。UFCが注目されると嬉しいですし、朝倉海選手の件はヤバいです。今はバンタム級ですし、『海選手が来てくれて、もしかすると戦うことがあるかもしれない』という風に発信すると、皆がメチャクチャ喜んでくれます。これまでとは反応が違いますね。やっぱり届いている層が違います。とはいっても、それはそれで。自分に何が必要なのかという日々の過ごし方が、影響を受けることはないです」

──その気にしてくれる層が広がると、怜選手のようにUFCデビュー戦で勝利しても、色々と批判される。倫也選手も「2つとも判定勝ちだろ」って言われるかもしれないです(笑)。

「アハハハハ。でも怜君に対しては……長い氷河期があってのコレなのに。ここで見始めて、怜君に何かを注文を付けるというのは……」

──氷河期の日本のMMAも良かったですよ。昆布とカツオだけでお出汁を創っているような感じで。合成添加物が混ざることがなくて。

「あぁ、なるほど。そうですよね。そういう見方ができるんだ。でも、もう怜君へのネガティブな反応は期待値の高さと捉えるしかないですよね。僕のデビュー戦ではネガティブなことを言われることはなかったけど、あの時は俺が俺に怒っていましたからね(笑)」

──アハハハハ。色々なリアクションはありますが、海選手効果があって批判も出てくるということですね。

「僕も2つの判定勝ちですからね。覚悟しておきます(笑)。とにかくUFCに興味を持ってくれる人が増えることは、嬉しいことです」

<この項、続く>

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【UFC】師弟対談─03─平良達郎&松根良太が語る朝倉海 。「戦うんだったらベルトを賭けて」(平良)

【写真】個人に夢を追う立場から、日本のリーダーになりつつある平良達郎(C)THE BLACBELT JAPAN

UFC on ESPN58でアレックス・ペレスを倒し、フライ級で5位にランクされることとなった平良達郎と師・松根良太対談、最終回。
Text by Manabu Takashima

ファイターとして世界の頂点に立ちたいと思っていた平良は、同じ想いで戦う日本人ファイターをもっと応援してほしく、UFCの国内での知名度をもっと上げたいと思うようになってきた。UFCで戦うことで、世界を知ったといっても過言でない師弟は、その壁の高さを誰よりも知っている。そんなUFCの日本人ロースターに朝倉海というスーパースターが加わる。

平良、そして松根は朝倉の参戦をどのように捉えているのか。またUFCに愛弟子を送り込んだ松根に「単に打・投・極を総合的に闘えばいいというものでもない。自然の流れにのった技術がとぎれなく連係し、なめらかに回転すること」という修斗の理念をどのように考えているのか──を尋ねた。

<平良達郎&松根良太対談Part.02はコチラから>


「勝てる時に勝つ。とにかく、勝つ。負けない、勝つ。そこを大前提に達郎を育ててきたつもりです」(松根)

──モカエフがケイプに勝ったとして24歳同士、16勝0敗の平良選手と、12連勝のモカエフが事実上の次期挑戦者決定戦として戦えば最高のストーリーになりますね。モカエフになるのか、他になるのか。27日のモカエフ×ケイプも見逃せないです。いずれにせよ、次の試合はいつ頃に戦いたいと思っていますか。

平良 誰と戦おうが、希望としては10月以降に戦いたいと思っています。10月以降で、年内にもう1試合したい。それまで武器を増やして、もっと強くなってオクタゴンに入ります。

──この間に増やしたい武器とは?

平良 打撃が強くなりたいから打撃の練習をするというのは、MMAファイターとして……僕はそういう風に練習はできないと思っています。

──と、言いますと?

平良 アレックス・ペレスと初回に打撃戦で競り合いになりました。5R制になると、あの競った展開が続くのは厳しくなると思います。それにフライ級の上位陣は、柔術が強い選手が多いです。そのなかでは頭一つ抜けた極め力と、相手を削るパウンドということを意識してやって来て、手応えを感じています。サブミッションももっと強化しないといけないですし、打撃ももっと伸ばしたい。その結果として打撃、テイクダウン、極めを上手く融合させた自分のスタイルを創りたいと思っています。

──ストロングベースを持ち、それ以外の部分を補足している選手と戦う時に、日本人選手は総合力で戦うということを口にします。平良選手が育った修斗の選手は、本当にそういう風に言います。ただしUFCで、そういうファイターに総合力で勝つということは、際の攻防や回転させて勝つという次元ではなくて、打撃もレスリングも柔術も全て高いレベルで戦えないといけないと思っています。技術力が足らないと、回転などできない。全てが強ければ、回転させなくても勝てる。その辺り、修斗ジャンキーこと松根さんはどのように考えていますか。

松根 達郎に関してはレスリングが強い選手と戦っても、柔術で上が取れると思っています。僕の指導方針とは、そういうことなんです。レスリングが強い人、柔道が強い人にはレスリングや柔道では負けるけど、柔術を駆使したトップの取り方があって、上が取れればそれで勝てる。そういう風に沖縄の選手には指導をしています。

同様に打撃からテイクダウンのフェイントでつかって、打撃を使いうという立ち技も同じです。レスリングに対しては、倒されても柔術を駆使して上になれる。総合力という一つの言葉では収まらない。強い人は全てができます。

達郎は成績が表しているように、全てができるようになっています。当然、現時点でも完成はしていません。まだまだ伸びるので、本人もそういうところを伸ばしたいと思っているはずです。

──松根さんだからこそ、伺いたいです。回転をさせたいのか、勝ちたいのかと。

松根 そうですね、相手の穴をついて勝てるところで戦えば、回転させなくても勝てます。回転させずとも勝つときには打撃でKOしますし、テイクダウンができればバックチョークで仕留めます。勝てる時に勝つ。とにかく、勝つ。負けない、勝つ。そこを大前提に達郎を育ててきたつもりです。

──とにかく勝つ。2003年8月の松根良太×大石真丈戦を思い出します。

松根 僕が指導する上でやっぱり鶴屋(浩)さん、鶴屋イズムが根底にあります。負けない。判定でも、とにかく勝つ。そこがベースにあって、成長するためにも取れる人は一本を取る、倒せる人はKOする。勝てる時に勝つためにKOする。勝てる時に勝つために、一本を取る。それも負けない鶴屋イズムです。

「世界と勝負している日本人選手のことをもっと知って欲しい」(平良)

──そんななか朝倉海選手が、UFCで戦うことを公言しました。朝倉選手は大きなパイで、UFCにファンを連れてきてくれる選手です。朝倉選手のことは、これまで意識していましたか。

平良 交わることはない人だと思っていました。それが……フライ級で戦うのであれば、交わることがあるかもしれないと思うようになりましたね。何よりも朝倉選手は影響力が大きいので、UFCの知名度を上げてくれると思います。

と同時にフライ級で戦っていくならライバルになりますけど、僕は僕でベルトを目指して戦っていこうと思います。朝倉選手と戦うんだったら、ベルトを賭けてやりたいです。

松根 日本人同士の世界戦というのはボクシングでもありますが、言っても世界の広さは圧倒的なので。中村倫也選手もそうですし、木下憂朔選手も風間敏臣選手もそう。もちろん鶴屋怜、平良達郎、そして朝倉海選手も加わりますが、純粋に世界に挑む彼らが、どう海外の選手に勝つのかを応援してほしいですね。そういった意味では朝倉選手は仲間というわけではないですが、同じ志を持った同志です。

「戦えば、どっちが強いんだ」という風になりやすいですが、やっぱり世界は圧倒的ですよ。もう、見てきたじゃないですか。UFCは強い選手が集まっていて、凄く良い選手でも負けてリリースされてしまう。ここ数年、達郎の後押しをするために海外に出ていくようになって、圧倒的に強い人が多すぎます。日本には島国の良さがありますが、選手もファンも世界をもっと見て、そこで戦う選手を応援して欲しいです。

平良 僕もUFCと契約した頃は、ただひたすらUFCでチャンピオンになりたいということだけを想っていました。それが今ではUFCをもっと日本の人達に知って欲しいという気持ちが、凄く強くなっています。多くの国ではMMA=UFCと思われている世界の最高峰プロモーションと、そこで世界と勝負している日本人選手のことをもっと知って欲しいです。

そういう面で僕はまだまだで……もっともっと影響力を増して、試合を見てくれる人を増やしたい。UFCに朝倉選手が来てくれたら、RIZINだけを見てきたファンの人もUFCに興味を持ってくれるだろうし、朝倉選手がUFCに来ることでUFCが日本でも盛り上がる。それが嬉しいです。

松根 朝倉選手がUFCで戦うことで、達郎が言ったようにRIZINしか見ていない日本のファンの人達がUFCを見るようになる。そんな良いことはない。そして、皆さんに本物を見て欲しいなと思います。本当にそこを日本のMMAファンにも見て欲しいですね。世界には本当に強いファイターがいて、そこに日本人選手達が挑戦しているところを純粋に見て、楽しんで、応援してほしいです。

──そんな世界と戦う日本勢を、平良選手がこれからもリードする存在になることを願っています。

平良 ありがとうございます。頑張りますっ!! 自分が好きでやっているMMAという競技で試合の度に、もっといえば毎日の練習の度に強くなるという気持ちで過ごしています。相手が誰でも準備をしっかりとして挑むので、次の試合も期待して見て欲しいです。

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【UFC303】「ATTで揉まれてきたい」(鶴屋怜)。UFC初勝利、鶴屋怜&鶴屋浩、親子対談─02─

【写真】勝利後の鶴屋怜陣営。プロレスラーの中邑真輔さんは、和術慧舟會在籍時代に鶴屋浩氏が主催したアマ修斗・松戸フリーファイトに出場経験があるそうだ(C)Zuffa/UFC

6月29日(土・現地時間)、米国ネヴァダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催されたUFC303で、UFC初勝利を挙げた鶴屋怜と父・鶴屋浩の対談後編。
Text by Manabu Takashima

3-0の判定勝ち、打撃の攻防がなかったことで一部のファンから厳しい声が挙がったデビュー戦だが、UFCで勝って当然というデビュー戦を迎えた日本人ファイターが、一体どれだけいただろうか。一本勝ちできなかったことで、15分を戦いミスを洗い出すこともできた。ボーナスを貰えず、インパクトを残すには至らなかったかもしれない。それでも、いやそれ故に最高の経験ができたことになる。

反省すべき点をみつけ、これからに向けて鶴屋親子は何を想うのか。

<鶴屋怜&鶴屋浩対談Part.01はコチラから>


「打撃を当てられたら、それはダメなことになります」(怜)

──一本勝ちのプランが崩れた。その時に判定勝ちなら30-27も29-28も同じだという判断もされましたか。

 それは……結果論として、なってしまった。そういう風に捉えています。本当は攻め続けたかったけど、そうなってしまったからには勝つのが大前提なので。負けないためには最終回を落としても、リスクを避けた形です。

向うの一発逆転があるとすれば打撃。一本を取られることはない。なら、離れないでいようと。自分ではあのままで勝てるという自信があったので。俺がまるでダメだったようにいう人もいますけど、パンチで危ない場面もなくて、危険なサブミッションもなかった。抑えたときに下からエルボーが一発入ったけど、それだけで。効いたパンチは一発もなかったです。

投げと無双で失敗はしました。でも、何ももらっていない。それでも試合内容が良くないと言われるのであれば、勝つことに拘ってしまった……ということになります。

──UFC初戦、勝ちに拘り勝つことができた。ぶっちゃけていうとネガティブなことを指摘される筋合いは全くないかと思います。

 同時に今回の相手だから、ミスをしても勝てました。2Rを取っていても1度のミスで逆転される相手がUFCには、当然います。5分間で2つのミスをおかしたのだから、今後は同じミスをしないことが大切になってきます。

まぁ、僕は彼の父親でもあるので今回の勝利に「良かったよ。最高だったよ」とは言えないです。そして他の選手と同じように良かった点と悪かった点をあぶりだします。それが初回の足関節と最終回のスープレックス、そして無双ですね。

あの失敗をパントージャ相手にしてしまうと、やられます。そのミスがあって、今後の課題も見えた。その上で勝ったから、今回の試合は「良し」と捉えています。

──昨日、平良選手と松根さんの対談もMMAPLANETでさせていただいたのですが、松根さんは「鶴屋さんは父親だから怜に厳しいだけで、本当に良く戦っていました。怜は強くて、しっかりと戦っていた」と言われていました。

 有難いです。

──ところで平良選手と鶴屋選手、この世に生を受けた順番がありますよね?

 ハイ……。

 フフフフフ。

 順番なんですけど、俺は日本人で最初のUFCチャンピオンになりたくて、ここまで生きてきたので。

──最初のUFCチャンピオンに拘ると焦りが生じないでしょうか。最初でなくても、UFCのチャンピオンになるという目標設定でないと。そのために一本勝ちして、インパクトを残す必要があるという考え方だと、焦って落とし穴が見えないことがありそうで。

 焦る……。焦るというか……。

 一本を取るのは、ここまで続けてきたスタイルですし(苦笑)。自分から攻めるハイスパートを続けるのが、彼のスタイルなので。見ている人が楽しめる試合になって良いかとは考えています。

──もちろん、そうです。と同時にツイスターに拘り、バックからRNCに移行しなかったことがあった。一本への拘りとインパクトを残す拘りが合致しない局面が出てくると──ということなのです。

 それはそうですね……。それは、そうだ。

 俺が攻められていたり、拮抗した勝負だったらRNCを選択していたと思います。でも一方的に攻めていたし、取れそうだったから拘ったわけで。ただ、その考えこそが相手を舐めていた証拠です。ツイスターで取れないのなら、バックでチョークに切り替えるべきでした。そこは反省しています。

──ヘルナンデスが、最後の最後の局面に対処ができる選手だったというのも大きいです。同時にUFCで戦うには打撃が必要だという指摘もあります。個人的には勝つために必要で。UFCだから、打撃が必要というのはまた違うなぁという風に感じてはいるのですが……。

 ハイ。打撃を使って、負けでもしょうがないですからね。最適だと思う攻撃をする。彼は打撃の練習をしていないわけでもなくて、常にジムで打撃の練習を続けています。

 絶対に打撃戦が必要になる試合があることは分かっています。今回の試合ではテイクダウンをするために打撃を使いました。打撃を打ち合わないとダメなんですかね? 何を指摘して、ダメなのかは分からないです……。俺が打撃を当てられたら、それはダメなことになりますけど。

 相手の打撃を受けずに、組んでいく。勝つための技の選択ですからね。

──ハイ。テイクダウン狙いを切られ、打撃勝負に持ち込まれることはなかったわけですし。それこそが、現状の怜選手にとってされたくない試合になると思います。

 そうですね。そういう選手が、フライ級でいるのか……。レスリング・ボクサーと対戦になった時、例えばモカエフはまぁまぁレスリングを使いますね。

 モカエフは打撃も思い切りがあります。レスリングでやられることはないけど、打撃の方は警戒が必要だと思います。

 だから怜よりも、レスリングが強い選手が出てきた場合ですよね。彼が打撃を出す時というのは。

──MMAでは打撃はレスリングや柔術よりも、実力差を跳ね返すことができるという風にも感じます。

 でも、MMAだからレスリング力を跳ね返すことができると思います。俺は(中村)倫也さん、(太田)忍さんとレスリングをやると、天と地ほどの差があります。でもMMAレスリングだとそこまでじゃない。

──スミマセン、言葉が足りませんでした。MMAにおけるレスリングの攻防、柔術での攻防の方がMMAでの打撃戦よりも、そこの部分で力のある方が確実に勝てるということでした。

鶴屋 つまり怜がテイクダウン防御力が高くて、打撃を入れることができる選手と戦ったらということですよね。現状、フライ級ではそういうタイプは見当たらないですが、これから出てくる可能性はいくらでもありますしね。

──そういう風に、チームで意識ができれば良いことで。別にSNSで何か言われて、軸を乱す必要はない。

 とりあえず勝てた。それが一番で。判定勝ちだったけど、今回の経験を生かして次はしっかりと一本勝ちをしたいです。こんなもんじゃないという気持ちではいます(笑)。

──APEXでなくTモバイル・アリーナで戦ったファイトウィークは、どのような経験になりました。

 デカい会場で戦うことは、一つの夢でした。やっとUFCで戦えたこともあるし、過去一で興奮して。そして嬉しかったです。

そうですね、楽しかったといえば楽しかったです!! 計量とか、凄い人で。アレを経験できて良かったと思います。

デミアン・マイアと。実は今回の取材をしたファミリーレストランは、父・浩氏とジャカレ・ソウザ、マリオ・ヘイス、マイアが食事をしたことがある思い出の場所でもあった

 ただラスベガスの大会のファンって、PPVまで会場に来ない人が多いですよ。あれは驚きました。

それでも、これまでにない雰囲気で試合をしていました。怜はお客さんが多くて盛り上がっていると、より乗って来るタイプだと思います(笑)。今回の試合でも、入場の時から凄くリラックスしていて。

「北の湖のように「負けろっ!!」って思われるぐらい強くなれば良い」(浩)

──コールの時の表情など、自信が漲っていました。アンチからすると生意気に見えるでしょう(笑)。UFCで生意気に見える日本人も頼もしい限りですが。

 アハハハハハ。「負けろっ」って思っているんでしょうね(笑)。まぁ、アンチも増えていますね。

──本当に平良選手と対照的です。

 北の湖のように「負けろっ!!」って思われるぐらい強くなれば良いんだよ。

──親父さん……例えが、古くないですか(笑)。

 アハハハハ。まぁ、Xとかで色々なことを書かれていますけど、セフードが良く言ってくれていたので。それで十分です(笑)。

──平良選手の活躍で、怜選手のUFCのデビュー戦を視るようになったライト層までその認知度が広まったということではないでしょうか。

 中学生か高校生が、何でも自分の意見を発信するという文化になりましたしね。まぁ、UFCで勝つことを当たり前に捉えてもらっているなら、それも期待値の高さだと受け止めて……そういう声も含めて、本来の予定よりも早くUFCデビュー戦を受けて、僕は良かったと思えています。5分3Rを戦って、何が良くないのかも怜自身が理解して、このままではいけないという気持ちになっている。すぐにATTに行きたいと言ってきました。

──そこで国内ではなくて、ATTにいう選択になるのは?

 もちろん日本でも良い練習はできます。ただATTでは世界のトップが揃っていて、練習に向かう時にも自分が緊張しているのが分かるんです。それは日本ではない、寝起きでそのままジムにいっても練習できるぐらいの感覚になってしまっていました。

それがATTだと1時間前に起きて、心の準備をする必要があった。スパーリングが5Rあると、全て世界のトップが来るんです。あの空気に慣れてしまえば、どこにいっても自分の力を出すことができる。全然、怖くないはずです。だからATTで、また練習をしたいんです。

堀口選手とやって、次がパントージャ。アドリアーノ・モライシュ、ハニ・ヤヒーラ、ダニー・サバテロが順々に前の目にいる。一回休もうと思うと、コーチから「レイ、休むな」って戻されて(笑)。で、アマチュアの選手にやろうって言われてスパーリングの相手をしたら、「ダメだ。こっちに来い」ってトップの方に連れていかれる(笑)。

──最高じゃないですか。そこにハニの名前が聞かれるのも嬉しいです。

 ハニ・ヤヒーラには寝技でボコられました。最初はヤヒーラと分からなくて、「このおじさん、誰だ?」って思っていたんです。

──ハハハハハ。渋くなり過ぎましたしね(笑)。

 でも、もう組んだらボコられて。やっぱり、良い経験になりましたよ。

 こういう話を聞くと、強くなれるなと思いますよね。僕らも負けない環境を創ろうと努力をしていますが、今ある最高の環境で練習をすることは大切です。ATTに行って、怜も一回り、二回りと大きくなったと感じています。

──パントージャが目標と公言していても、ATTやパントージャ自身は受け入れてくれるのですか。

 パントージャはPIで会った時も凄くフレンドリーでしたし、水抜き中もずっと話しかけられました(笑)。コーチたちも来てくれて『痩せたから分からなかったよ』って言う感じで。

──中村倫也選手も7月中にATTに行くという話も聞きましたが、怜選手の方は?

 気持ち的には8月中には行きたいですけど、次の試合がいつになるのかも考えて、1カ月から2カ月ほどATTに行こうと思います。とりあえず、揉まれて来たいです。

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【Gladiator027】和田教良と対戦、オトゴンバートル「今年のRoad to UFCのメンバーなら優勝できる」

【写真】その可能性はいかほどのモノなのか、必見のオトコンバートル (C)MMAPLANET

7日(日)、大阪府豊中市の176BOXで開催されるGladiator027で草原のモカエフことオトゴンバートル・ボルドバートルが、和田教良と対戦する。
Text by Manabu Takashima

5月、そして今大会と連続でNavEとのフライ級王座決定戦が流れた。3戦目でタイトル戦と、北米フィーダーショーやK-MMA界のフィーダーショーばかりの早々の出世試合が失したモンゴルMMA界の将来を担うオトコンバートル。とにかく試合ができたことに安堵しつつ──その先にGladiatorフライ級のベルトばかりか、来年のRoad to UFC出場を彼は見据えている。


プロとして戦いを見せたかった

──7月7日に組まれていたNavE選手とのフライ級王座決定戦が5月に続き流れてしまいましたが、和田選手と戦います。今の心境を教えてください。

「NavEとのタイトル戦が延期され、ずっとその試合に向けて練習をしていたので……。彼の負傷が治らないということで『また試合がないのか』と落ち込んでいたんだ。でも、ワダが戦ってくれるので、気持ちを創り直して練習をしてきた状態で」

──キャリア2戦のオトゴンバートル選手だけに延期や対戦相手が変更という状況はメンタル面で影響がありましたか。

「5月の試合が延期になった時は、それほどでもなかったけど……7月もNavEが無理だと伝えられた時はさすがに厳しかった。代わりの選手を見つけるということだったけど、それはどうなるかも分からないし。あの時は不安だったよ。

凄く良い練習ができていたので、もうタイトル戦でなくても、誰が相手でも試合がしかった。でも試合ができることになったので、今はもう何も問題はないよ」

──3月のオトコンバートル選手の試合を見て、とんでもないファイターが来たなという評判でした。ただ試合前に「どういう選手?」と尋ねられると、「中村倫也選手とのレスリングスパーを見る限り、レスリングは強い」と返答をしていました。それが久保選手との試合では打撃だけで試合を進め、ハイキックでダウンを奪ってのギロチンで一本勝ちという内容で、驚かされました。

「作戦としては組みで勝負することも考えていた。でも1Rと2Rは可能なだけ打撃で戦ってみようと思ったんだ。そうしたら、凄く戦いやすくて。なら、このまま打撃でいこうと。その結果だよ。

実はナラントンガラグ先生からは打撃から組むように指示を貰っていたけど、打撃でイケそうだと自分の判断で打撃勝負に出たんだ(笑)」

──作戦よりも、直感。それもありかもしれないですね。

「ナラントンガラグ先生は試合中もずっと『組め』、『組め』と叫んでいて(笑)。でも打撃を見せたいという気持ちが強くて、ああいう試合になってしまった」

──ストライカーとレスラー、定石通りに戦えば組んでテイクダウンだったかと。

「事前に相手選手の組み、特に防御はそれほど上手くないことは分かっていた。だから組んで倒せば、もっと試合を早く終わらせることもできたかと思う。ただプロとして戦いを見せたかったんだ」

──フィニッシュの前、右ミドル、右ロー。そして右の蹴りを見せるように動き、スイッチして左ハイという素晴らしい蹴りが決まりました。

「スパーリングで試したことはあったけど、特に磨いていてきた蹴りではなかった。試合をしていて、『やってみようかな』というぐらいで蹴ったんだ」

──その後、シングルを仕掛けてきた久保選手をギロチンに捕えました。あの首を取る動きは、レスラーとして体に沁みついているものなのでしょうか。

「相手の組み方は、防ぎながら首が取れる状態だった。その時にナラントンガラグ先生から『金網に押し付けろ』という指示があって、その声に従ったんだ。そうすると、凄くギロチンを極めやすい形になった」

──そこはトンガーの言うことに従うと(笑)。

「ハハハハハハ。まぁ、そういうことかな(笑)」

──まだ2戦目、打撃にも自信がつきましたか。

「やっぱり僕の課題は打撃の強化なので、凄く自信になったよ。あの試合があって、今はより強くなっているしね」

彼の覚悟とか、別に何も想うところはない

──次の対戦相手の和田選手ですが、1度は対戦を固辞した。しかし一晩経って「強い相手と戦わないなら、何のためにMMAをやっているのか。ここで戦わないと後悔する」と覚悟を決めてオトゴンバートル選手との試合を受けたそうです。

「まぁ彼の覚悟とか、別に何も想うところはないよ。彼が断わって試合がなくなるかもしれないという状況で、翌日に戦うということを聞かされたから、とにかく試合がなくならなくて良かったと。本当にそこにつきる」

──なるほどです(苦笑)。では和田選手の印象を教えてください。

「良い選手だよ。クリンチになると強さを発揮する。なので、次は僕の組みを見せたいと思う(笑)」

──和田選手と戦うことで、同じグラップラーのNavE選手対策なるという考えはありますか。

「試合経験を積むのだから、役には立つよ(笑)。実は前の試合で組まなかったことで『本当は組みが強くないんじゃないか』とか言われたから、今回の試合はとにかく組み勝ちたい。それはNavEとの試合でも同じ、グラップリングが強いなら、それより強いことを組んで照明したいと思う」

──では和田選手と2月に対戦して、勝利したチェ・ドンフンがRoad to UFCにステップアップ。初戦で前回の準優勝者に勝ちました。その事実を意識することはありますか。

「彼がチェ・ドンフンと戦ったことは、意識している。僕の方がチェ・ドンフンより上だと見せつけたい。そして、次のRoad to UFCには出たい。今年のRoad to UFCもフライ級の試合には注目してチェックしている。ただ、あのメンバーなら僕は優勝できると素直に思った。

GLADIATORからRoad to UFCにステップアップしている選手もいるし。そこを意識して、次の試合もインパクトのあるファイトをして、10月にNavEとのタイトル戦に繋げたい」

──Road to UFCを見据えてインパクトを残すなら、また打撃ではないですか。

「あぁ、なら相手に合わせるよ。組んで来たら組む、打撃で来たら打撃で勝負しようと思う(笑)」

■視聴方法(予定)
7月7日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■GLADIATOR027対戦カード

<Gladiatorバンタム級選手権試合/5分3R>
[王者] 竹本啓哉(日本)
[挑戦者] 竹中大地(日本)

<Gladiatorフェザー級王座決定T準々決勝/5分3R>
ダギースレン・チャグナードルジ(モンゴル)
アドニス・セビジェーノ(フィリピン)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定T準々決勝/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス(日本)
中川晧貴(日本)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定Tリザーブ戦/5分3R>
ハンセン玲雄(日本)
パク・サンヒョン(韓国)

<Gladiatorフェザー級挑戦者決定Tリザーブ戦/5分3R>
水野翔(日本)
田口翔太(日本)

<フライ級/5分3R>
オトゴンバートル・ボルドバートル(モンゴル)
和田教良(日本)

<バンタム級/5分2R>
藤原克也(日本)
土本暉弘(日本)

<81キロ契約/5分2R>
森井翼(日本)
織田ジュラシック(日本)

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠(日本)
澤田政輝(日本)

<バンタム級/5分2R>
上田祐起(日本)
福井竜郎(日本)

<フライ級/5分2R>
しゅんすけ(日本)
カーヴィ(日本)

<フェザー級/5分2R>
野口蒼太(日本)
鶴屋健人(日本)

<バンタム級/5分2R>
ルキヤ(日本)
上野滉太(日本)

<ライト級/5分2R>
磯嶋祥蔵(日本)
友實竜也(日本)

<フライ級/5分1R>
藤原浩太(日本)
小早川大地(日本)

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45 AB MMA MMAPLANET o UFC UFC303 YouTube   アレックス・ポアタン アンソニー・スミス アンドレイ・オルロフスキー アンドレ・フィーリ イアン・ギャリー イリー・プロハースカ カブ・スワンソン カーロス・ヘルナンデス ギャリー コナー・マクレガー シャルル・ジョーダン ジアン・シウバ ジリアン・ロバートソン ディエゴ・ロピス ネイト・ディアズ ブライアン・オルテガ ペイトン・タルボット ボクシング マイケル・ペイジ マイラ・ブエノ・シウバ マックス・ホロウェイ マフクアンドレ・バリユー マルティン・ブダイ ミッシェレ・ウォーターソン メイシー・シェエソン ヤニス・ゲムリ リッキー・シモン ロマン・デリツ ヴィニシウス・オリヴェイラ 中村倫也 鶴屋怜

【UFC303】バンタム級の新鋭ペイトン・タルボット「安全なポイントゲームなんて、やりたくない」

【写真】スクショを撮る際に、5秒以上も目を剝いて待ってくれていたタルボット。実はいいヤツ (C)MMAPLANET

29日(土・現地時間)、米国ネヴァダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催されるUFC303「Pereira vs Prochazka 2」で、ペイトン・タルボットがヤニス・ゲムリと戦う。
Text by Manabu Takashima

2023年のコンテンダーシリーズでUFCと契約し、2試合連続でKO勝ちのタルボット。キャリアは8戦8勝、負け無しの新鋭は自らの一番の武器はペースだと言い切った。


MMAに求められるのは、アクションだから

――今週末にヤニス・ゲムリ戦を控えたペイトンです。調子はいかがですか(※取材は26日に行われた)。

「最高だよ。ヤニス・ゲムリとは良い顔合わせだと思う。殴り合って、エキサイティングなファイトをするよ」

──UFCで2度戦って2つのKO勝ち、判定勝ちだったコンテンダーシリーズのファイトも素晴らしいパフォーマンスでした。そんなペイトンのことを我々は、まだまだ分かっていないのですが、なぜMMAを始めたのですか。

「2017年、18歳の時にコナー・マクレガーの影響を受けて、試しにジムに行くようになった。すぐにマーシャルアーツに夢中になったよ。トレーニングをしていると、試合に出るようになって。そうなると、日に日にMMAへの想いが強くなっていった」

──MMAを始める前に格闘技の経験はあったのでしょうか。

「凄く小さな時にボクシングをやったことがあったけど、全然ダメで2カ月ほどで辞めてしまった。経験という経験があったのはレスリングだけで。レスリングはハイスクールを中心に4年ほどやっていた。けど、コレといって目立った戦績は残していない」

──それでもレスリングというベースがあったのですね。ファイトスタイルから、打撃系格闘技の経験の持ち主だと勝手に思っていました。

「う~ん、打撃が自分の一番の武器だとは思っていないよ」

──そうなのですか。

「僕の武器は体力だ。ハイペースで15分間、戦い続けることができる。結果、対戦相手は疲れて僕の打撃の餌食になるんだ」

──まさに現代MMAの申し子ですね。

「だって皆、それが見たいだろう? テイクダウンをされて、ガードの中に相手を入れて止まるなんて試合は誰も見たくないはずだ。MMAに求められるのは、アクションだから。それにケージのなかでは動きが多い方が、勝つ確率も高くなる。だから、常に動いてペースの速い試合を心掛けている」

──そして、フィニッシュを狙うのがコンテンダーシリーズ世代ですね。

「もちろん、フィニッシュを狙うのは当然だ。もともと、組んで倒してコントロールする試合なんか、好きじゃなかったし。そうやって勝つファイターがいることは分かっている。それはそれで構わないけど、そんなことがしたくてMMAを戦っているわけじゃないから。

結果的に僕は自分がやりたいことをするためにオクタゴンに上がっている。それこそが、コレをやって金を稼ぐのに相応しいファイトだと思っている。安全なポイントゲームなんて、やりたくない」

日本のアニメから受けた影響も絶大だよ

──それこそ、コナー・マクレガーに感化されてMMAを始めたペイトンらしいファイト・フィロソフィーですね。

「実際にMMAのトレーニングを始めてからも、コナーから受けた影響は大きい。あとはマックス・ホロウェイ、そしてネイト・ディアズ……でも、子供の頃に日本のアニメから受けた影響も絶大だよ(笑)。ドラゴンボールZに、幽遊白書からファイティング・スプリットとは何かを学んだんだ」

──なるほどぉ。では日本のMMAに興味を持ったことは?

「それは……余りないかなぁ。なんか、凄いステージがあって、ダンスをしたりしているのは受けたけど(笑)。ファイターでは、UFCとサインをしたばかりの……。そう、カイ・アサクラだ。彼のハイライトは見たよ。良い選手だよね」

──では同じバンタム級でUFCデビューを果たし、連勝中の中村倫也選手の印象を教えてください。

「う~ん、ちょっと分からないなぁ……。あのレスラーかい?」

──そうです、レスリングがベースです。

「まぁ、視界に入ってくれば気にかけるようにするよ」

──……押忍。では、土曜日に戦うゲムリの印象は?

「きっと、たくさん蹴ってくるだろうね。そしてカウンターの一発を狙って、我慢強く戦ってくるはずだ。ちょっとフラストレーションがたまる試合になるかもね。あの動きを僕のグルーブに誘い込むのは、ちょっと面倒くさいと思う。

ちょっと変な打撃だろう? なんか蹴りとパンチのコンビネーションがおかしいんだよ」

──確かに。構えも特徴的で。ただ、時折り力強いクリンチゲームも展開します。

「あんまり寝技の展開は見たことがないけど、上半身を固める組みを使うのは確かだ。でも、あんな風に固めてくるとスタミナを無駄にするだけだ。そこから先は、彼のやりたい試合にはならない。まぁ、何分間も相手をケージに押し込むようなヤツだよ。

だからこそ、動きまくって肉弾戦を皆に見てもらいたい。まだ僕のことを認識していないファンがいれば、きっと考え方が変わる試合になる。もう意識しないわけにはいかなくなるよ。しっかりと皆が喜ぶ試合をし続けるよ」

──その先に狙うは、タイトル挑戦と。

「そうだね、上手くいけば1年半後ぐらいにはトップに立っているだろう」

──ペイトン、今日はインタビューに時間を割いてくれてありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「ハイ。アリガトゴザイマス。オヤスミ」

■視聴方法(予定)
6月30日(日・日本時間)
午前7時分~UFC FIGHT PASS
午後11時~PPV
午前6時30分~U-NEXT

■ UFC303対戦カード

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者]アレックス・ポアタン・フェレイラ(ブラジル)
[挑戦者] イリー・プロハースカ(チェコ)

<ライト級/5分3R>
ブライアン・オルテガ(米国)
ディエゴ・ロピス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
アンソニー・スミス(米国)
ロマン・デリツ(ジョージア)

<女子バンタム級/5分3R>
マイラ・ブエノ・シウバ(ブラジル)
メイシー・シェエソン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
イアン・ギャリー(アイルランド)
マイケル・ペイジ(英国)

<ミドル級/5分3R>
ジョー・パイファー(米国)
マフクアンドレ・バリユー(カナダ)

<フェザー級/5分3R
カブ・スワンソン(米国)
アンドレ・フィーリ(米国)

<フェザー級/5分3R>
シャルル・ジョーダン(カナダ)
ジアン・シウバ(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ペイトン・タルボット(米国)
ヤニス・ゲムリ(フランス)

<女子ストロー級/5分3R>
ミッシェレ・ウォーターソン・ゴメス(米国)
ジリアン・ロバートソン(カナダ)

<ヘビー級/5分3R>
アンドレイ・オルロフスキー(ベラルーシ)
マルティン・ブダイ(スロバキア)

<フライ級/5分3R>
カーロス・ヘルナンデス(米国)
鶴屋怜(日本)

<バンタム級/5分3R>
リッキー・シモン(米国)
ヴィニシウス・オリヴェイラ(ブラジル)

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【Special】Fight&Life#103より。UFCと契約、朝倉海が話した──平良達郎、鶴屋怜、中村倫也

【写真】迷いがない、ハキハキとした言葉が続いた朝倉海 (C)AP.inc

今月24日(月)に発売されるFight & Life#103で朝倉海の巻頭インタビューが掲載される予定だ。朝倉といえば9日(日)に東京都渋谷区の国立代々木競技場第一体育館で開催されたRIZIN47の第5試合終了後時にリングに上がり、UFCと契約したことをファンに報告している。
Text by Manabu Takashima

「僕は必ずUFCでチャンピオンになってきます。そして世界中のファンを連れて必ずここに戻ってくる」とファンに誓ってから2日後、Fight & Lifeでは港区のJAPAN TOP TEAMを訪れ朝倉をインタビューし、UFCへの想い、RIZINへの恩、UFCで戦っていけると自信を得られた時期と理由等々を尋ねた。

話せること、話せないことがあるなかで、オクタゴンでの階級に関してもしっかりと返答をしてくれた朝倉海インタビューから、UFCファイター3選手とUFC復帰を考えている堀口恭司について言及した部分を抜粋してお届けしたい。


──Fight Nightとはいえベガスの大会でメインを戦う平良達郎選手のことは、どのように思っているのでしょうか。

「いやぁ、平良君は素晴らしいです。無敗っていうことが、まず凄いです。負けない強さって……。MMAは立ち技があって、寝技もある。その分、リスクが高いです。そういうMMAで無敗っていうのは、ボクシングやキックボクシングで無敗より遥かに凄いことですよ。

実際に強い選手とも戦って勝っていますし。海外に乗り込んで勝つというメンタルの強さを持っている。実力もそうだし、そういう精神面も本当に凄いです」

──さらに若い鶴屋怜選手について、どのような印象を持っていますか。

「鶴屋怜選手はレスリング力に、圧倒的な自信を持っていますよね。若さと勢いが凄い。負けん気の強さが、試合からも感じられます。結構、日本人ってその部分が弱い人が多いですよね。気負ったり、気弱になったり。メンタル的に下がったりして。

そういうのが彼にはない。圧倒的に自分に自信を持っている。実力ももちろんありますし、そういうマインドを持っている。若いのに素晴らしいです」

──では年齢的には近い、中村倫也選手に関しては?

「中村倫也選手は、余り試合を見たことがないです。でも、彼も無敗ですよね。確かMMA歴も短いですよね。でも元々レスリングがベースにあることは、凄い強みです。それ以上に凄く頭の良い選手で、もの凄く考えています。格闘技って考えることができないと、強くなれないです。

そういう部分で、中村倫也選手は色々なことを自分のなかに落とし込むことができている。そういう思考があって、感覚を持っている。そう思います」

──いやぁ、海選手が彼らのことをそこまで見ているのが意外でした。

「日本人選手は仲間ですからね。海外で戦っている日本人選手には、仲間みたいな意識があります。絶対に負けて欲しくないし、一緒に頑張っていきたいので……試合を視るようになりました」

──ではオリコンニュースの五十嵐さんのような質問になりますが、UFCで戦いたいと公言している堀口恭司選手の進路がなかなかハッキリしない。この現状について、海選手はどのような見解を持っているのでしょうか。

「これは米国と日本の違い、熱の差だと思います。米国は数字じゃないですか。堀口選手が戦っていた時期はフライ級の人気が全然なかった頃で。デメトリウス・ジョンソンに挑戦した大会(2015年4月25日、UFC186)のPPVの売り上げも良くなかった。(※12万5000件。前後の大会は31万件と38万件。2020年ごろまでワースト10位の売り上げだった)。そういう数字が出てしまっているので、UFCも気にするのかしれないですね。それだと名前がなくても、若くて可能性のある選手と契約しようってなるんだと思います」

──実力的には、どのように思っていますか。

「力という点では、メチャクチャ強いです。UFCの世界チャンピオンと戦っても、勝ちそうなぐらい強いと思います」

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AB o UFC バットゲレル・ダナー ファーニー・ガルシア ブラッド・カトーナ 中村倫也

UFC on ESPN58:第8試合・ブレイディ・ヒースタンド vs. ギャレット・アームフィールド

バンタム級

今年2月の中村倫也のUFC2戦目で対戦予定だった(が欠場した)ヒースタンドと、中村にRoad To UFCで敗れた風間のUFCデビュー戦で対戦してKOしたアームフィールドの対戦。

ヒースタンドは2022年のTUF29準優勝。決勝ではリッキー・トゥルシオスにスプリット判定負け。TUF後の初戦は、ヒースタンドに代わって中村倫也と対戦したファーニー・ガルシアで、しつこくテイクダウンを奪っての判定勝ち。昨年4月の前戦はモンゴリアンストライカーのバットゲレル・ダナーと対戦し、終盤失速したダナーから3Rにテイクダウンを奪い、パウンドラッシュでKO勝ち。1年2ヶ月ぶりの試合となる。25歳。

アームフィールドは2022年7月、計量2日前という直前オファーでUFCと契約。階級上のフェザーでダヴィッド・オナマと対戦して2R一本負け。本来のバンタムに戻してからは、風間、昨年のTUF31ウィナーのブラッド・カトーナに連勝中。いずれもパンチを打ち込んで攻めて勝利している。27歳。

お互いオーソ。組みに行くヒースタンド。引き剥がすアームフィールドだが、ヒースタンドまたタックルへ。また切った。ヒースタンドシングルレッグ。アームフィールドは後ろ三角から腕十字へ。うつ伏せの裏十字で腕が伸びた。ヒースタンド体をまたいで耐えた。がぶってダースチョークからアームインギロチン。けっこうタイトに入っている。ずらして外した。すぐに上を取るアームフィールドだが、体を起こしたヒースタンドがシングルレッグで上に。すぐ立ったアームフィールドだが、スタンドバックのヒースタンドがなおもテイクダウンを狙っていく。クラッチを切って正対したアームフィールド。パンチで出たヒースタンド。アームフィールドのパンチをかいくぐってタックル。テイクダウンすると背中に乗ってチョーク!喉元に入っているが引き剥がしたアームフィールド。もう一度湿気てフェイスロックになったがこれも外れた。ホーン。

1Rともにフィニッシュに近いサブミッションの仕掛けがあったが、よりフィニッシュに近かったのはアームフィールド。ただヒースタンドのギロチンやチョークが上に見られる可能性もあるかもしれない。

2R。アームフィールド膝。右がヒットし効いた!さらにジャブを入れるとヒースタンドダウン!インサイドからパウンド。ヒースタンド下から腕十字を狙う。三角クラッチに。しかしはずっる。またパウンドを落としていくアームフィールド。アームフィールドはハーフからマウントに。パウンド。ケージを蹴って反転して脱出したヒースタンド。すぐにアームフィールドのバックについてテイクダウン。四の字バック。チョーク。反転しようとするアームフィールドにチョークを狙うが、アームフィールド立って外した。残り1分。疲れが見えるアームフィールド。ヒースタンドが手を出していく。テンカオ。タックルへ。アームフィールド受け止めるとアッパーを入れた。両者動きが落ちているが手を出していく。ホーン。

2Rはダウンを奪ったアームフィールド。

3R。ヒースタンドがジャブからハイ。頭を下げたヒースタンドにアームフィールドのアッパーがヒット。四つに組んだヒースタンド。ケージに押し込む。アンクルピックで倒した。背中を向けたアームフィールド。立った。しかしスタンドバック。また投げる。立ち際に背中に乗ってチョーク。マタレオン。喉元に腕が入ってタップアウト!

ヒースタンド、何度もピンチに陥ったところから蘇ってきて最後はチョークで一本勝ち。TUF決勝で敗れてから3連勝。

アームフィールドも1R腕十字、2Rはパンチでダウンを奪ってともにフィニッシュ目前まで追い込んだが、仕留めきれなかった。

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45 AB BELLATOR LFA LFA185 MMA MMAPLANET o PFL UFC キーガン・ゲンリック ナターシャ・クジウチナ フランキー・エドガー ブルーナ・エレン リッチー・ルイス 中村倫也 河名マスト

【LFA185】中村倫也&河名マストと同期?! U23世界王者ルイスがTitanに続き、LFAでライト級王座獲りへ

【写真】相当にレスリング寄りのファイトから、如何に幅が広がっているか(C)LFA

7日(金・現地時間)、インディアナ州ハモンドのホースシュー・ハモンド・カジノでLFA185「Gennrich vs Lewis」が開催される。
Text by Manabu Takashima

同大会ではメインでLFAライト級戦選手権試合=王者キーガン・ゲンリック×リッチー・ルイスが組まれている。ここでの注目はチャンピオンでなく、チャレンジャーだ。


ライト級王者に挑戦するリッチー・ルイスは、キルクリフFC所属のレスラーで戦績は5勝0敗、29歳になっているが5戦目でTitan FCライト級チャンピオンになっており、2つめのフィーダーショーのベルト獲得を目指し、2度目のLFA出場となる。

ルイスは元UFC世界ライト級王者フランキー・エドガーが現役時代から指導をしていたニュージャージー州立ラトガー大学出身レスラーで、中村倫也&河名マストが世界王者に輝いた2017年のU-23レスリング世界選手権のフリースタイル70キロ以下級を制している。

当然のようにテイクダウン能力は高く、いやほぼテイクダウン&コントロールだけで、前回のLFA出場時に柔術家のジョーダン・イソリアに判定勝ちを収めている。サウスポーの構えから左ミドルを蹴ってからダブル→シングル、殴られた直後にレベルチェンジからダブルレッグ、ヒザ蹴りを受けながらもダブルレッグでテイクダウンを奪うなど、3つのテイクダウンでスクランブルを許さず完全ドミネイトという試合を見せていた。

このテイクダウンとコントロールに如何に王者ゲンリックが対抗できるか――ライト級タイトル戦の見どころはこの一点に集約されるといっても過言でないだろう。

またコメインでブルーノ・エレンの挑戦を受ける予定だったLFA暫定女子ストロー級王者ナターシャ・クジウチナが計量にパスをしたもの体調不良でタイトル戦は中止となった。

現地入り後、38.5度の熱を出していたクジウチナは計量こそ114.6ポンドでパスしていたが、さらに体調が悪化して欠場に。

2016年のリオデジャネイロ五輪女子柔道52キロ級の銅メダリストで、2019年に東京で開かれた世界選手権では銀メダルを獲得しているクジウチナ。欧州選手権を制すること4度のロシア代表オリンピアン柔道家と、PFL傘下のBellatorに残ることができなかったブルーナ・エレンとの対戦は、別大会で実現することをLFAはアナウンスしている。

■視聴方法(予定)
6月8日(土・日本時間)
午前10時~UFC Fight Pass

■ メイン対戦カード

<LFAライト級戦選手権試合/5分3R>
[王者] キーガン・ゲンリック(米国)
[挑戦者]リッチー・ルイス(米国)

<フェザー級/5分3R>
ホセ・フェレイラ(チリ)
カッシオ・ジュニオール(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
タイラー・スコット(米国)
ジョーイ・ハート(米国)

<ウェルター級/5分3R>
サノン・セデク(ブルキナファソ)
ポール・キンブル(米国)

<バンタム級/5分3R>
バック・バッチ(米国)
ジョン・ベカット(米国)

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【FAW2024#03】代理戦争決勝でトミー矢野と対戦、中村京一郎「彼には柔術という逃げ道がある」

【写真】計量終了直後に見せた表情、どこまでもリラックス。そして余裕が感じられる(C)MMAPLANET

明日、17日(金)に会場未公開で開催される格闘代理戦争-THE MAX-決勝大会で、中村京一郎がトミー矢野と対戦する。格闘DREAMERS出身、デビュー戦は両国国技館のPOUND STROMにおける狩野優戦だった。その敗北から、始まったといっても過言でない中村のMMAファイター人生。
Text by Takumi Nakamura

初戦と準決勝の戦い振りもそうだが、前回の試合と今回の決勝戦について話す中村の言葉の一つ一つから、この2年の間、彼がどれだけMMAと向き合った来ていたかが伝わってきた。


──試合を3日後に控え、やはりリラックスしていますね(※取材は14日に行われた)。

「緊張はしていないです。試合まで、このままです」

──4月のギレルメ・ナカガワ戦は組みを切って、殴る。殴って組ませない。その流れが完全に出来上がってきたところで仕留めに掛かると、打撃で思わぬ反撃を食らいました。

「まぁ、僕の試合が無かったら代理戦争も盛り上がっていなかったと思います。そういう点でも流れが僕に来ている。パンチを被弾したのは……僕の練習相手は綺麗な打撃で、見やすいんですよ。それが久しぶりの喧嘩ファイトというのか、見えなかったです。『うわ、そこから来るのか!!』みたいに。汚い打撃を久々に食らいましたね。でも、あれって練習ではできないことなんですよね。

やっぱりボンサイは打撃に拘っていないからこそ、打撃を当てることができるんだと思いました。クレベルにしても、サトシにしても、ギレルメにしても」

──組み技に秀でていても、喧嘩ができるというか。

「ボディも顔も打って、心が折れるグラップラーも多いのですが……。本人も打撃ができないのが分かっているのに、打撃で来る。根性ありますよね。油断をしているつもりはなかったのですが、どこかで打撃では来ないという想いがあったのだと思います」

──日本のストライカーは組まれると終わりという状態にまだあると思っています。それが北米に行くと、ムンジアル優勝者や世界のトップクラスの柔術家に組ませない。柔術家が如何に勝つかという点に注目がいくのと、真逆の状態が続いています。その点で、中村選手とギレルメの試合は北米の構図になっている試合内容でした。

「シャーウス・オリヴェイラ、ジルベウト・ドリーニョ、ディアス兄弟もそうです。あれだけ寝技ができる柔術家が、打撃がメチャクチャ強い。なんなら寝技をしなくて勝つ。自分はUFCで勝つことを目標にしているので、組まれるのは当然だと思ってやっています。組まれたら、嫌だという思考でなくて。そこで切れずに、打撃戦に戻せないならMMAのストライカーじゃないです。

同時に彼らに組ませたら危ない。その意識を持ち続けています。練習で取られないようになっても、やはり戦う相手本人ではないです。今もトミー対策で、今成(正和)さんのところで解除方法を習っていますが、それが絶対でないという意識でいます」

──関節技と打撃は練習で100ではできないですし。

「打撃に関しては、トミーがそこを分かっているのかなって思っています。本気で殴られたことがない。何発か被弾すると、凄い恐怖を感じるはずです」

──それは足関節やサブミッションにも当てはまりませんか。

「今成さんは際どく攻めてくれるので、有難いです(笑)。それでも100ではないので、ビックリタップには気を付けないといけない。ただ、トミーも本来は上を取りたいはずです。MMAなんで。それが無理なら、足関節に来る。でも、僕は殴れるので」

──真剣の斬り合いのような攻防になりそうです。Kガードからのエントリーなど、殴られる覚悟で仕掛けてくると怖そうです。

「どういう流れになるのか……でも、Kガードを仕掛ける時間があるのか。確かに殴られる覚悟で仕掛けてくると厄介かもしれないですけど、効かさると本来の極めの強さも維持できないですからね。元気な状態の下と、効かされた状態は違うと思っています。トミーに関しては、もう倒すイメージはできています。僕も組みが強い人と練習していますから。

でも、そういう選手と戦えると思っていなかったので、格闘代理戦争に出て本当に良かったです。きっと、普通にMMAの団体で戦っていたらギレルメもトミーも試合ができなかった。いうと初戦のミスター・ホンデも含めて、全て国際戦を経験できているので」

──なるほど。本当にその通りですね。

「今後、世界に出ると道程にあってMMAはそれほどでも、柔術はしっかりとデキる選手と戦うことができた。戦績だけ見ると僕が一番上のようですが、彼らの格闘技歴は僕なんかより、ずっとあって。それだけ戦うことに慣れている。そういう選手と戦うことができて良かったです。3カ月連続で試合をすることもなかったと思いますし」

──なんだか、もう優勝したあとの言葉に感じられますが(笑)。

「そうですね。ここはしっかりと勝たせてもらいます。僕は本気でBMFのベルトが欲しいんです。そのために絶対にUFCに行く……。そのために生きています。でも、トミーってそこまでじゃないだろうって。

インタビューを読んだけど、スターになりたいとか言っている。スターになりたいなら、別にMMAじゃなくて良いだろうと思います。柔術をずってやってきて、ちょっとMMAにヌルッと入り過ぎたんじゃないかと。

MMAでスターになりたいけど、なれなくても柔術が残るんだろうし。僕はMMAしかない。彼には柔術という逃げ道がある。僕には、逃げ道はない。MMAだけで、人生を生きていくんです。お世話になった人に、MMAで恩返しをする。そういう俺と戦って、『お前、大丈夫か?』という気持ちはありますよ。気持ちの問題ですよ、そことは別に技術は存在しているので。ただ俺とは、覚悟が違うだろうって。

接戦になった時、その差は出ます。そういう覚悟がPOUND STORMで狩野(優)選手に負けた時に無かったから、僕には凄く分かるんです。今のように腹が括れていなかったから、ラスト30秒でタップした……」

──POUND STORMにおけるDREAMERS勢で、その覚悟があったのは中村倫也選手だけだったと思います。

「記者会見で……高島さんが狩野選手と岩﨑(大河)選手に『リスクしかない、やる意味のない試合をなぜ、受けたのですか』みたいな質問をしたんですよ」

──中村選手と、ヘンリー(三上大智)選手にとっては失礼極まりない質問ですね(笑)。

「ホント、あの時は『あんた、俺と話したこともないだろう?』ってムカついていたんです」

──スミマセン(苦笑)。

「でも今なら、ああいう風に思われていてもしょうがないと分かります。あの時の僕はヌルッとMMAをやっていた。倫也さんを筆頭に、格闘技で実績がある選手や(鈴木)崇矢みたいにやる気に満ちている連中が周囲にいて。それで自分が強くなっている気でいたんです。同じ電車に乗っているだけで、自分の荷物は違うのに、同じ風景を倫也さんと見ていると勘違いしていました」

──……。

「だから狩野選手に言っていたことは、もうその通りで。そりゃあ、そうだし。あの時の自分は、それだけ分かっていなかったんです。腹の括りようも甘くて、本当にヌルッとしていました」

──……。

「トミーは柔術が本当に強い。尊敬しています。さっきも言ったように試合で競い合って来た歴史も凄く長いし。でも、KIDさんやアーセンがいたからMMAをやっている気分になっている。あの時の自分と同じじゃないかなって。この試合で腹の括り方の違いが出ます。あの時の僕の経験を、今回の試合でトミーにしてもらいます。

逆にこの試合で負ければ柔術も辞める─ぐらいの覚悟だと、怖いですよね。でも、そんなこと思っていないから。そこは今の僕とは違いがあります」

──押忍。では今後に関してですが、どのようなプランを考えていますか。なんといっても、まだ2024年は7カ月も残っています。

「まずトミーと戦うことでKRAZY BEEに行くことができていなかったので、また練習環境を整えたいです。この間、本当にそれは感じました。まだ知らないので、米国で練習もしてみたいですし。

米国に行ったからって、強くなれるとは思ってはいないです。だいたい、言葉も通じない。食べるモノ、水も変わる。よほどの適応能力がないと、食べるって強さの根源ですよ。それが変わって、簡単に強くなれるなんて僕は思っていなくて」

──それは鈴木崇矢選手と、意見がぶつかりますね(笑)。

「アハハハ。だからこそ、行ってみたいんです。僕は行っていないから、分かっていないので。格闘代理戦争の間、試合間隔が短いからスパーリングでバカバカやることを減らして、調整もできました。凄く良い期間になっていて、自分の日本での練習環境は最高です。だから、経験として米国に行く必要があると思います。

実際、崇矢も強くなって帰ってきましたらね。何かあるのだろうし、それは経験したいです。強くなることに正解はないので、何でもトライしたいと思っています」

──では試合に関しては?

「優勝したら超RIZINという話が途中で出てきて……。まぁ、対戦相手にもよるんだけど……。ただ、スーパーアリーナのでっかいバージョンなんですよね。そこは倫也さんから、『そういう大観衆の前で試合をすることは、絶対に今後に生きる。RIZINに関しては好き嫌いはあっても、そこはあるよ。京ちゃんはUFCの雰囲気を知ったけど、試合をするのとセコンドは絶対に違うから』と言われて……。

あれだけMMAに掛けている倫也さんの言葉は、やはり重みが違って。それに、どアウェイ。そこを乗り切る練習になるかなと思っています」

──超RIZIN後も、まだ半年残っています。

「ハイ。来年のRoad to UFCに出るなら、国内のタイトルも必要で。Grachanでフェザー級タイトルを狙うというのもありますけど、チャンピオンの小島勝志さんは僕が山梨でMMAを始めた時のジムの会長なんです……。あとGLADIATORのチャンピオンは(河名)マストさんで練習仲間で。パンクラスは(新居)すぐるさんで、先輩だし(笑)。そうなると、戦う場所もしぼられてくるかなと思っています。

とにかく、僕はMMAファイターとしてまだまだです。だからRoad to UFC云々でなく、UFCで勝つためにBMFのベルトを取るためにグラップリングもレスリングも、打撃だってもっともっと強くなる必要があります。だから、まずは本当に自分がどう強くなれるのかを考えていきたいです」

──いやぁ、代理戦争のキャラ潰しになるかもしれないですが、全然傍若無人の若者でなく、口の聞き方も礼儀作法も心得ていますよね。ケージの中でカメラマンを手で払うとは、思えないです(笑)。

「いや、あれは……レフェリーも、カメラマさんに外に出てって言っているのに、ずっといるから(笑)。レフェリーの声が聞こえていたから、早く外に出てくださいって伝えたんですよ。でも代理戦争はカメラさんが下りてからも長い。そこは何とかしてほしいです(爆)」

──アハハハハ。

■視聴方法(予定)
5月17日(金)
午後7時~ABEMA格闘チャンネル

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【Gladiator026】MMA三戦目、木村柊也「対策をして試合でパフォーマンスを見せることが本当は得意」

【写真】取材時より9キロほど絞り、リカバリーは7キロほどを予定していると言う木村だった(C)MMAPLANET

本日5日(日)、豊中市の176BOXで開催されるGLADIATOR026。同大会で木村柊也が塩津良介と対戦する。
Text by Manabu Takashima

昨年12月のGladiator024での田口翔太戦でMMAデビュー、3月のGerachan68XBrave Figth31で2戦目=長男崇志戦と2試合連続初回KO勝ちを木村を修めている。合計試合タイムは驚異の1分58秒と、秒殺KO勝ちを飾っている。そんな木村は学生で全日本拳法総合選手権大会を2連覇した唯一の存在で、日拳史上最強の異名を持つ。

MMA三戦目に向け、まだ対戦相手が決まっていない状況でのインタビューで木村は調整&対策の大切さと、日拳のMMAでの生かし方、そして組み技の習得状況を話してくれた。既に一つの競技の頂点を極めた故の完成した格闘技観、木村柊也は半端なく只者でない感を醸し出している。


――プロ3戦目が5月5日のグラジエイターに出場する木村選手ですが、まだ対戦相手が決まっていないそうですね(※取材は4月4日に行われた)。

「相手が決まっていないので減量を始めることもできないですし、5月5日に戦うことは自分でも分かっているのですが、緊張感がないというのはあります。プロなので、もう少し早く相手が決まって欲しいです。プロだからこそ、2カ月や1カ月半をかけて相手の対策をして、その間の練習の成果をケージで出したいので。そういう部分で気持ちを入れるのが、大変だというのはあります」

――デビュー戦の時の準備期間は?

「ちょうど1カ月です。12月9日の試合で、11月9日にオファーがあり対戦相手も決まっていました。だから、すぐに減量を始めることもできました」

――対して3月のGrachanはライト級でしたが、それは対戦相手が決まらないということが影響していたのでしょうか。

「デビュー戦が終わって2日か3日後に、3月に試合ができることは決まっていました。それから他の試合が発表されても、自分は相手の候補すら名前は聞かされていなかったです。結局、試合の2週間前ぐらいに決まったのですが、ライト級というのが条件でした。

そこを自分が嫌うと、本当に対戦相手が見つからなくて試合ができないと思って受けました。今回も3月の試合後の1週間、10日後ぐらいに対戦相手込みでオファーはありました。自分も凄く嬉しくて『やります』と即答したのですが、その相手の選手がケガをしたみたいで……今、新しい対戦相手を探してもらっています」

――木村選手の評判の高さが、対戦相手が見つからないことに通じているのであれば、格闘競技の本質とは何かと考えてしまいます。

「自分は……そういう気持ちになったことがないので、分からないです。けど……それぞれがケージの中で自分の戦いを見せたいはずです。だから組みの選手は殴り合いをしたくなくて、自分とは戦いたくないとかあるのかと……」

――ならMMAでなく、グラップリングをしましょうよと言いたくなりませんか。

「いや、それはそういう風に思っているのかは分からないでので(笑)……う~ん、どういう気持ちでオファーを断るんですかね(苦笑)」

――と同時に日本拳法史上最強という肩書の持ち主です。いわば中村倫也級のルーキーだろうと。そうすると町道場でMMAを始めて2戦目や3戦目の選手に、木村選手と試合はさせられないと指導者が判断するのも致し方ないことかと。

「僕自身、プロ10戦ぐらいの人がどれぐらい強いのか見ていても分からないので、実際にケージの中に入って体感したいという気持ちはあります」

――押忍。ところで過去2試合では凄まじい勝ち方だけでなく、ヒヤッとする場面もありました。その辺り、どのように捉えていますか。

「自分としては、ヒヤッとすることはなかったです。決して殴られても殴り勝てば良いという考えではないですが、試合になると、視界が狭くなってしまって……デビュー戦の時はそうでしたね。

でも2戦目は慎重に行こうとして、インローから様子見をして『行けるな』と感じて仕留めに行きました」

――それが感覚で分かるものなのですか。

「そうですね。ある程度、分かりますね。20年やってきた日拳時代は向かい合った時に相手の距離、強さとか……苦手にしているところまで分かりました」

――危機察知能力もあるわけですね。木村選手がそのようになる試合をMMAでも早く見てみたい気もします(笑)。

「そういう強い人と戦う時こそ1カ月半、2カ月前のオファーが欲しいです。自分、相手の対策をして試合に出る……相手のことを知った上で、実戦でパフォーマンスを見せるのが本当は得意なんです。だから準備期間が欲しいというのはありますね」

――それが本当の木村柊也だと。

「そうですね、2週間前だと減量に集中しないといけないので。もっと準備期間があれば、もっと良いパフォーマンスを見せることができると思っています」

――「何が日拳最強だ。これはMMAだ」という感じの対戦相手が現れてほしいものです。

「それは僕も思っています。そして、そういう人を倒す自信もあります」

――おお!! ポイント制の日拳は、いえばずっと組みが続くことはなかったかと思います。そのなかでタイ人コーチとのミットや、首相撲……組みの打撃という練習をしていたことも気になります。

「ストライカーとしては、凄く良い練習になっています。テイクダウンを完全に切れなかった時、そこがヒジの距離だったりして。そこを知っているのと、知らないのでは全然違います。組みづらくなる技を教えてもらっています。そういう意味でも、凄く良い練習ができています」

――いわゆるゼロ距離。相手の組みへの対処で、日拳も一瞬の担ぎ技、崩し技はあったかと思います。その辺りの日拳の組みがMMAに生きることはありますか。

「あります。やりあっているなかで、一瞬力を抜くとか。そうやって相手を崩して、足を掛けるだとか。最後に決めるのは瞬発力。そういう部分で、凄く生きています」

――その日拳の瞬発力、持久力が大切なエレメントとなるMMAでいかに落とし込めるのか。楽しみです。

「戦っている時に100の状態を続けることは絶対に無理です。なので抜くところは抜く、その切り替えをしっかりとすることで5分間でも問題なく戦えます。パンチの当たらない距離で力をそんなに入れることもないですし、自分の距離に入った時だけ100パーセントの力で打ちます」

――そこがもう体に染みついているわけですね。

「そうですね。考えるのではなくて、その距離になった時に『当たる』という感覚で動いています」

――それはもう本能のようで、タイムラグがなくなりそうです。

「だからこそ自分の踏み込んで効かせる打撃を使い、相手が倒れなかった時は近い距離にいるのでムエタイの練習で身に着けた……あの距離でのミドル、ヒザ、ヒジを使えると思います」

――体の使い方は違うかと。

「ハイ。でも、戸惑うことは今のところはないです。基本は違うけど、やっていることは同じ。自分の持っているスタイルに、指導を受けたことを組み合わせるために調整をする。そのアジャストも自分の感覚です。

自分のスタイルがなくて、色々と教わったことを採り入れると試合で何をやれば良いのか分からなくなるはずです。まずは自分のスタイルを理解したうえで、色々と教えてもらう。だから自分の打撃に組み合わせる。そうでないと、教えてくれた人のスタイルになるだけです。自分のスタイルに、他に人のスタイルを嚙み砕いて採り入れる。それをずっとやっています」

――組み、寝技に関してはいかがですか。

「まずは基本です。打撃も足の位置、重心の位置という基本がなっていないと良いパンチは打てないです。現時点で組み技は基本通りにやっています。ここから自分のやりやすい動きが出てくるはずなので。そのために打ち込みをやって、スパーリングで確認しています。」

シングルやダブルに入られたときに、どう対応するか。何をやるかが決まっているので、それ以外の動きはしない。そうしていると自分でもなぜか分からないのですが、バランスが良くなっているように感じます」

――今日も原口伸選手のバックを正対していました。

「アレはたまたまです(笑)」

――ハハハハ。一つのスタイルを究めた強さが、本当に木村選手からは感じられます。では大阪でどのような試合をしたいのか、教えていただけますか。

「KOしか狙っていないです。判定は最初から考えていないので、試合が始まったら――相手の動きを研究して、一瞬にして落とす。それだけです。面白い試合をしていればチャンスが広がってくると思いますし、勝ち負けよりもまずは会場を沸かせる試合をしていきたいと思います」

■視聴方法(予定)
5月5日(日)
午後12時30分~ THE 1 TV YouTubeチャンネル

■GLADIATOR026対戦カード

<バンタム級/5分3R>
竹本啓哉:61.7キロ→61.65キロ
デッチプール:60.6キロ

<フライ級/5分3R>
山上幹臣:56.65キロ
今井健斗:57.1キロ

<フェザー級/5分3R>
中川晧貴:65.85キロ
水野翔:66.1キロ

<68キロ契約/5分3R>
チハヤフル・ズッキーニョス:68.35キロ
パク・サンヒョン:68.25キロ

<PROGRESフォークスタイルグラップリング64.4キロ契約/5分2R>
上田祐起:64.4キロ
江木伸成:61.75キロ

<フェザー級/5分2R>
木村柊也:66.15キロ
塩津良介:64.95キロ

<バンタム級/5分2R>
南友之輔:61.4キロ
秋田良隆:61.25キロ

<フライ級/5分2R>
古賀珠楠:57.15キロ
田中義基:56.85キロ

<ライト級/5分2R>
磯嶋祥蔵:70.4キロ
都市弦介:70.25キロ

<フライ級/5分2R>
大月宣樹:60.65キロ
カーヴィ:60.55キロ

<バンタム級/5分2R>
ルキヤ:60.0キロ
小見山瞬:61.35キロ

<フライ級/5分1R>
伊藤琥大郎:56.4キロ
塩谷尚也:56.0キロ

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