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【UFC ABC07】激しい打撃戦からTD&スクランブル。マッケンジーがゴディネスに競り勝つ

<女子ストロー級/5分3R
マッケンジー・ダーン(ブラジル)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)

すぐにジャブを打ち合った両者。ともに前に出て、積極的に手を出す。リードフックのゴディネスに対し、ジャブのマッケンジーは蹴りも織り交ぜて戦う。そのローをすくってテイクダウンを奪ったゴディネスは、寝技が続かないようすぐに離れる。ゴディネスはダブルレッグを切って、がぶりからヒザ&パンチをヒットさせる。さらにワンツーを被弾したマッケンジーはワンツーに左を合わされる。

パンチの応酬のなかで組んだマッケンジーが、払い腰で投げてマウントを取る。ブリッジを潰してマウントをキープするマッケンジーは、ゴディネスのブリッジに合わせて腕十字をセットする。下になり十字を仕掛けながら鉄槌を連打も、十字を諦めてクローズドガードに戻る。上から殴ろうとすとゴディネス──ここで時間となった。

2R、いきなりの打ち合いのなかでアッパーを狙ったマッケンジーは、クリンチからジャンピングガ―ドへ。すぐに着地したところでゴディネスが離れる。ゴディネスはガードで顔を固めて左フック。ジャブの差し合いから、マッケンジーが右を当てる。ステップインにカウンターを入れたゴディネスは、ハイをガードして左を打ち込む。そのゴディネスは左ミドルをキャッチされるが、足を引き抜いてテイクダウンを許さない。

続いて蹴りにカウンターを当て、マッケンジーに尻もちをつかせたゴディネスは、寝技を避けてスタンドで待つ。立ち上がったマッケンジーは右をヒットさせるが、被弾する数も多い。それでもマッケンジーはワンツーを決め、さらにゴディネスの前進に右を決める。と、残り40秒でゴディネスがダブルレッグでテイクダウン。スクランブルもスタンドで肩固めを仕掛け、ヒザを入れたゴディネスがラウンドを取り返した。

最終回、ワンツーのマッケンジーに対し、左フックをゴディネスが当てる。さらに蹴りに左を合わせてボディストレート。マッケンジーはバックステップする時に体が伸び、そこにパンチを狙われている。ジャブの差し合いでもリードするゴディネスだが、マッケンジーはアッパーを入れ、ダブルジャブからダブルレッグ。リフトして落とすと、サイドで抑える。尻を抜いてスクランブルの狙いのゴディネスを潰したマッケンジーは、足関節を防ぐ。

このタイミングでゴディネスは立ち上がり、試合はスタンドへ戻る。左フックの連打で前に出るゴディネス。マッケンジーはワンツーからスリーを打っていく。ゴディネスの左リードフック、ジャブがマッケンジーの顔面を捕える。カーフを蹴ったマッケンジーは組まれると体を入れ替えてケージにゴディネスを押し込む。ヒザを蹴り合い、離れた両者。残り10秒でゴディネスがダブルレッグからクリンチへ、マッケンジーはパンチを2発入れて突き放そうとしたところでタイムアップを迎えた。

結果、ジャッジ3者とも29-28でマッケンジーを支持──「ルピタはタフで、毎回強くなっている。テイクダウンして柔術をしたかったけど、パンチが多くなってしまった。彼女がグラウンド、スクランブルが強いことも知っていたしプッシュし続けた」とマイクで話した。


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【UFC ABC07】トニー・ファーガソンが対戦、マイケル・キエーザ「僕は日本で戦わなければならない」

【写真】さすがはカラーコメンテーター。非常に整理整頓された言葉が続いた(C)MMAPLANET

3日(土・現地時間)、UAEはアブダビのエティハド・アリーナでUFC ABC07「Sandhagen vs Nurmagomedov」が開催され、マイケル・キエーアがトニー・ファーガソンと対戦する。
Text by Manabu Takashima

今やファイターだけでなく、UFC中継の解説者としても活躍中のキエーサに解説業とファイター人生を尋ねた。「自由になれれば強くなれる」という彼の言葉はオクタゴンの内外で当てはまる。非常に穏やかでキエーザだが、日本のファンへの一言という紋切り型の締めに対し、それまで以上に声が籠るという一面が見られた。


――トニー・ファーガソン戦が今週末に行われます(※取材は7月30日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

(C)Zuffa/UFC

「凄く良いよ。

2016年にトニー・ファーガソンと試合が組まれたけど実現しなかった。僕はウェルター級に階級を上げたし、もう戦うことはないかと思っていたんだ。たけど、トニーがウェルター級に転向して僕を指名した。あの時は凄く興奮したよ。トニーは素晴しいファイターで、将来は殿堂入りするだろう。そんな彼と彼と戦うことができて本当に嬉しい」

──マイケルは3連敗、トニーは7連敗中です。この状況は勝利を目指すためにモチベーションになるのか、それともプレッシャーになるのでしょうか。

「3連敗もしていたら、本来はプレッシャーを感じるものだろうね。でも、今の僕は人生で一番大切なモノは何かが分かったから、プレッシャーを感じていないんだ。家族、友人たちとの関係は勝ち負けに左右されるものじゃない。勝とうが負けようが、彼らは僕を愛してくれている。

以前は試合に負けてファンがSNSに書き込む悪口や無神経な言葉に影響を受けることがあった。でも年を重ねて、人として成熟するとSNSの声なんて、何も重要でないと思えるようになった。僕には愛する人達、僕を愛してくれる人たちが近くにいてくれる。そんな愛すべき人々の存在が、僕からプレッシャーを取り除いてくれた。

何も縛られることなく戦うよ。そのために練習でベストを尽くしてきた。トニーが今、どのような心境で戦うのかは知る由もないけど、今の僕はそんな感じなんだ」

──自分の大切な人が理解してくれていると、顔も名前もしらない人間の書き込みなんてどうでもよくなりますよね。

「正直、今朝も色々と言われているよ。トニーは、多くのサポーターがいるからね。トニーを崇拝している分、僕に口撃をしてくるんだ(笑)。でも、僕がやるべきことはオクタゴンに上がって、勝利を得るために戦うだけだから。

家族を信じて生きるって、実は生き方を楽にしてくれるんだ。だって、それ以上に大切なモノは存在しないんだから。26歳の頃は、勝敗を生死のように捉えていた。でも、そんな風に考えることがなくなって、ファイターとしても成長していると感じている。自由でいることは競技者を強くする。今、僕は3連敗中だけど、人生においてその差は収入の差でしかない。勝てば、もっと収入が増えていたんだけどね(笑)」

──ハハハハ。そんなマイケルですが、もう6年ほど現役ファイターでありながら、UFC中継で解説者としても活躍しています。解説という仕事をすることが、MMAファイターとして役に立つことはありますか。

「もちろん、あるよ。絶対的にね。中継で解説をすることで、ファイトをするだけの自分とは違うビジョンが見えてくるようになった。ファイターの多くは自分の試合と対戦相手の試合しか、真剣にチェックしないものだ。

でも、少しでも良い解説者になろうとすればあらゆる選手のことを知らないといけない。そのためにチェックする試合の数が劇的に変わった。その結果、MMAについて理解が深まったよ。MMAは99パーセントの精神力と1パーセントの体力で戦うスポーツだ。解説の仕事をして、精神的に良い影響が出るようになった。ほとんどのファイターが、僕のような環境下で過ごしていないからね」

──TV解説は一般層にMMAを理解してもらうのに、とても大切な役割を担っていると思います。ただ殴り合いが見たいという視聴者に、MMAが何たるかを伝えることができる。そんな解説という仕事で、マイケルはどのようにMMAをジェネラル層に届かせ、より理解を深めてもらえるよう話していますか。

「まずファイトのストーリー性を伝え、興味を持たれるように心掛けている。DJは話しが面白いけど、知性を持ち合わせた解説をしている。ドミニク(クルーズ)は、技術の説明が秀でている。カラー・コメンテーターにも、それぞれ特徴がある。UFCの解説者に同じような人間はいない。ローラ(サンコ)は凄くエネルギッシュだけよね。マイケル・ビスピンはリズムよく、視ているファンの気持ちを上げている。そして、分かりやすい話し方だ。

そんななかで系統としては、僕はドミニクのような解説者になりたいと思っている。ドミニクって言葉をただ発するだけでなく、理に適う知識を持って言葉にできるんだ。試合を視ながら、そこで必要な知識をさりげなく話している。結果、ファンのMMAへの理解力が深まっている。そんなドミニク・クルーズの良さを受け継ぐような解説者になりたい」

──解説者は視聴者のことを100パーセント考える仕事で、ファイターは自分が勝つために我儘を通さないといけない。まるで別モノですね。

「どちらもスイッチを入れることが大切だよ。自由になれると、戦いやすくなる。そこが土曜日の試合でも大切になってくるだろう。自分にプレッシャーを与えることなく、戦いたい。そうやって戦うと、新しい自分になっている。きっと土曜日の試合で、ファンの皆が見たことがない戦いができるだろう。その機会を得られたのだから、存分に楽しみたいと思っている」

──マイケル、今日はありがとうございました。最後に日本のファンに一言お願いします。

「このスポーツから足を洗う前に、僕は日本で戦わなければならない。以前、UFC日本大会を訪れた時に、『こんなファンの前で戦いたい』と心底思った。僕はPRIDEを見て育ったし、今でもRIZINをチェックしている。日本のファンこそ、世界でベストのファンだ。日本の人達はマーシャルアーツへの造詣が深い。『いつかの日か、さいたまスーパーアリーナで戦いたい』と神に祈っているよ」

──嬉しい限りの言葉です。

「それに日本でUFCが行われる日は、近づいている。タツロー・タイラはフライ級のトップランカーに成長し、カイ・アサクラがUFCにやってくる。僕はウェルター級だから、手の合う日本のスーパースターはいないかもしれないけど、対戦相手は見つかるはずだ。UFCが日本に戻った時、絶対にその場に一緒にいたい」

■視聴方法(予定)
8月4日(日・日本時間)
午前1時00分~UFC FIGHT PASS
午前0時45分~U-NEXT

■ UFC ABC07対戦カード

<バンタム級/5分5R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
ウマル・ヌルマゴメドフ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
シャラブジン・マゴメドフ(ロシア)
ミハウ・オレキシェイジュク(ポーランド)

<バンタム級/5分3R>
マルロン・ヴェラ(エクアドル)
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
トニー・ファーガソン(米国)
マイケル・キエーザ(米国)

<女子ストロー級/5分3R
マッケンジー・ダーン(ブラジル)
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)

<ライト級/5分3R>
ヨエル・アルバレス(スペイン)
エルビス・ブレネウ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
アロンゾ・メニフィールド(米国)
アザマット・ムルザハノフ(ロシア)

<ライト級/5分3R>
モハメド・ヤヒア(UAE)
カウエ・フェルナンジス(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
シャミル・ガジエフ(バーレーン)
ドンテイル・メイス(米国)

<ライト級/5分3R>
グラム・クタテラデス(ジョージア)
ジョーダン・ブシニック(英国)

<女子ストロー級/5分3R>
ヴィクトリア・ダダコワ(ロシア)
サム・ヒューズ(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイ・ハーバート(英国)
ロランド・ベドヤ(ペルー)

<ミドル級/5分3R>
セドリクス・デュマ(米国)
デニス・チュルリン(ロシア)

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45 AB CJI Interview UFC UFC ABC07 ブログ マッケンジー・ダーン ルピタ・ゴディネス

【UFC ABC07】ゴディネス戦へ、マッケンジー・ダーン「自分と戦っていると1✖2になって勝てなくなる」

【写真】相変わらずフレンドリー、そして早口だったマッケンジー(C)MMAPLANET

3日(土・現地時間)、UAEはアブダビのエティハド・アリーナでUFC ABC07「Sandhagen vs Nurmagomedov」が開催され、マッケンジー・ダーンがルピタ・ゴディネスと対戦する。
Text by Manabu Takashima

マッケンジーはジェシカ・アンドラーデ、アマンダ・レモスに連敗中だ。ムンジアルを2度、ADCCも制しているマッケンジーは、世界最高峰のUFCにあっても寝技の強さは絶対なばかりか、アグレッシブかつ荒い打撃で激闘を繰り返している。

ゴディネスという強い打撃の圧を持つゴディネス戦、その2週間後のCraig Jones Invitationalで女子グラップリング界のP4Pといっても過言でないフィオン・デイヴィスとのスーパーファントも決まっているマッケンジーをインタビュー。脱・激闘マザー宣言、そしてCJIによって組み技界の変化について彼女の話を訊いた。


負けても良いから、エキサイティングな試合を見せようと思って戦ったことはない

――ルピタ・ゴディネス戦が週末に控えています。今の心境を教えていただけますか。

「今、連敗中だけど相手は元世界チャンピオンとタイトルチャレンジャーで、本当に強かった。今回の相手のルピータはアマンダ・レモスと同じように危険な打撃の持ちで、テイクダウンディフェンスにも長けているわ。でもアマンダほどのパワーはないし、私自身レスリングを徹底的にトレーニングしてきたの。ルピタ戦の2週間後に、柔術の試合に出ることも決まっていて。そのためのレスリングでもあるんだけど、MMAにも凄く役立っているわ」

──2週間後の柔術とは、Craig Jones Invitationalにおけるフィオン・デイヴィス戦のことですね。

「そう、レスリングに力を入れてきたから寝技での攻めも変わるはず。アマンダとの試合ではグラウンドに持ち込むことはできたけど、それほどダメージを与えることができなかった。それほどサブミッションを仕掛けることがなかったから。でも、今は寝技でも拳を使ってダメージを与え、サブミッションも仕掛けることができるわ。

それにルピタは前の試合でヴィルナ・ジャンジローバに負けているけど、グラウンドゲームでいくつかのミスを犯している。私もヴィルナとの試合では、ミスをしたんだけどね……。とにかくルピタは運動能力も高いし、エキサイティングに戦いになることは間違いないわ。前に出て戦うから、私のようなグラップラーとは相性は良いファイターね。

実はルピタとは何度か同じ大会に出たことがあって、控室が同じで凄く良い感じだし、親近感すら持っている。試合に関しては同じ大会だからライブでチェックする機会はなかったけど、彼女はしっかりとステップアップをしてきた。だから、ここで戦うことになったと理解しているわ」

──マッケンジーはムンジアルとADCCを制した最高の柔術家ですが、MMAでは思い切り打撃戦を繰り広げています。正直、「やり過ぎだよ」と思うこともあるほど。だからファンの支持を集めることができるのですが、やはりダメージが蓄積していないかが心配です。

「やり過ぎ……まさに、その通りで(笑)。2つの黒星もそこが関係していることは自覚しているわ。殴られると、もっと殴り返さないといけないってエキサイトしてしまって。結果的に連敗はトゥーマッチから卒業するきっかけになったの。視野を広く持てば、私はテイクダウンでも柔術でも勝負ができるわけだから。その方が対戦相手も苦しい試合展開になることは間違いないし。

柔術やグラップリングでも、常にアグレッシブに攻撃的な試合をしてきてきたわ。ただ、やっぱりMMAでやり過ぎるとダメージを受ける。でも、もう大丈夫。ダメージを避け、どう戦うのかがクリアになったから。正しいタイミングでテイクダウンを奪い、正しいタイミングでパンチが打てる。一歩下がって、自分の試合を俯瞰して見えるようになったわ。

リラックスし、フェイクも織り交ぜて戦うわ。殴られる覚悟はできている。でも、もうエキサイトし過ぎずに落ち着いて戦う。感情をコントロールできるようになって、『前に出ないといけない』なんてプレッシャーを感じずに戦えるよう準備はできているわ」

──ルピタの過去2試合の相手も強豪グラップラーでした。タバタ・ヒッチは打撃戦に付き合い、寝技に持ち込めず判定負けに。さきほど名前が出たジャンジローバはシングルレッグからケージレスリング、テイクダウンを狙い、時には引き込んでディープハーフガードからスイープを仕掛けるほど徹底して組んでいきました。結果、ポジションを取って判定勝ちを収めています。マッケンジーとしては、タバタかジャンジローバがどちらの攻めを選択しますか。

「自分から下になるとかではなくて、柔術を駆使して一本勝ちするのがこの試合のゴールね。ルピタは過去に一本負けがなないけど、私は彼女をサブミットできる。その前に寝技に持ち込むためのテイクダウンがしやすくなるように、打撃も使って戦おうと思っているわ。

さっきも言ったけど、ルピタはテイクダウンディフェンスが上手くて、良い形で組まれないように常に前に出てプレッシャーをかけてくるファイターで。でも、彼女を驚かせるつもりよ。今回の試合のためにフィジカル・ストレングスも徹底してトレーニングしてきた。打撃、ケージ、寝技を融合させて戦うけど、最後に一本勝ちするためよ。

そうね、カビブのようにパンチを見せながら、いつでもテイクダウンを仕掛けるよう戦う。テイクダウン防御に専念されると、なかなかテイクダウンは奪えないから。打撃に反応させて、テイクダウンを決めやすくなる。スパーリングを繰り返し、そのタイミングは掴めるようになった。もちろんコーナーの指示に従うし、私はレスリングだけでなく柔道のテイクダウンもあるから」

──ところで、これだけエキサイティングな試合を続けているマッケンジーですが、勝ち負けではなく良い試合をするという思考も持っているのでしょうか。

「ノー。絶対にない。勝負は勝たないと。負けたいなんて思って戦うファイターはいないはず。それに私の試合は自然とアグレッシブでエキサイティングになる。そういう意識がなくても、なっている。それもあってファンのために良い試合を見せようというプレッシャーを感じることはなくて。

私のキャリアのなかで過去に2度あったけど、退屈な試合も存在するのがMMAで。でも私は負けても良いから、エキサイティングな試合を見せようと思って戦ったことはないわ。勝つことに集中している。今回の試合は娘もアブダビまで来ているし、あの子の期待に応えるためにも絶対に勝利は譲らないつもりよ。

これまで試合中も自分と戦ってきた感じが強くて。でも、気付いたの。相手がいるんだから、自分と戦う必要はない。自分と戦っていると1✖2になって勝てなくなる。だから、対戦相手に集中するわ。『もっと上手く攻めないといけない』、『もっと強くならないといけない』なんて考えることは止めて。昨日の自分より強くなれなくても、今日の相手より強ければ構わない。だって私はルピタに勝つことが大切だから。15分間、ルピタを上回ることに集中するわ。アブダビのオクタゴンは私の場所。ルピタの場所には決してさせない」

私の柔術は今でもフィオンに通じると思っている

──そのルピタとの一戦も本当に楽しみですが、さきほど触れられたCJIのデイヴィス戦はもう鳥肌ものです(笑)。デイヴィスは女子グラップリング界のP4Pだと思います。もともとADCC世界大会に出場が決まっていたマッケンジーですが、なぜこのタイミングでグラップリングだったのでしょうか。

「正直、ADCCから離れたことは心が痛くて。2年に1度の世界タイトルが掛ったトーナメントに元世界王者として出場することがとても楽しみだった。でも、クレイグ・ジョーンズのオファーはより魅力的で。フィオンがADCCに出て、私もADCCで戦っていたら、戦う可能性は十分にあった。でも絶対じゃないでしょ?」

──ハイ。トーナメント戦ですし。

「CJIだと凄く良いファイトマネーを手にして、絶対にナンバーワン・グラップラーと戦えるわけで。私とフィオンが抜けると、ADCC世界大会に出場できる選手が2人増える。それも悪くないって、思えて。

CJIは5分3Rで、ポイント制でなくて10Pのラウンドマスント・システムで争われる。このフォーマットだと7年間、ポイント制の柔術を戦っていない私がフィオンに勝つ可能性はグンと上がるはず。

私は柔術家として、もうベストの時を過ごしてしまった。対して、フィオンは今の柔術界のトップ。過去のナンバーワンが今のナンバーワンに挑めることって、最高の機会だと思っているわ。

それに私はUFCのMMAファイターで、もう柔術のトップ10でもない。プレッシャーを感じることなく、世界一に挑むことができる。逆にフィオンの方がプレッシャーを感じているでしょうね。私は、もう攻めるだけ。何よりグラウンドになれば、私の柔術は今でもフィオンに通じると思っている。

パンチ、エルボー、ニーに注意を払わないといけない戦いからチョーク、アームバー、レッグロックに気をつけないといけないフィールドに戻る。それは凄く楽しみだし、エキサイティングだわ」

──CJIという高額の賞金が掛ったトーナメントがグラップリング界に出現したことを柔術家として、どのように思っていますか。

「とにかく1度だけで終わらず、継続してほしいと思っている。ADCCは私にとって、特別だった。6歳の時に初めてADCCワールドを見て、『絶対にここで戦いたい』という気持ちが芽生えた。それ以来、より練習に励むようになったわ。私のようなキッズ柔術家は他にもいたはず。

でも、30年も活動していて優勝賞金が増えないのは問題で。大きな会場に人がたくさん集まったのだから、優勝賞金が増えて然り。そうなるとグラップラーたちのモチベーションも上がるだろうし、熱い試合も増えるはずだから」

──マッケンジー、試合に負けない激熱トークもありがとうございました。では日本のファンに一言メッセージをお願いします。

「アリガト!! 日本のMMA、そして柔術のサポーターに感謝している。また、すぐにでも日本に行きたい。8月は私にとって大切な1カ月になるけど、UFCアブダビもCJIも皆が見てくれると信じているから。本当にいつも応援ありがとう」

■視聴方法(予定)
8月4日(日・日本時間)
午前1時00分~UFC FIGHT PASS
午前0時45分~U-NEXT

■UFC ABC07対戦カード

<バンタム級/5分5R>
コリー・サンドハーゲン(米国)
ウマル・ヌルマゴメドフ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
シャラブジン・マゴメドフ(ロシア)
ミハウ・オレキシェイジュク(ポーランド)

<バンタム級/5分3R>
マルロン・ヴェラ(エクアドル)
デイヴィソン・フィゲイレド(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
トニー・ファーガソン(米国)
マイケル・キエーザ(米国)

<女子ストロー級/5分3R
マッケンジー・ダーン(ブラジル)
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)

<ライト級/5分3R>
ヨエル・アルバレス(スペイン)
エルビス・ブレネウ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
アロンゾ・メニフィールド(米国)
アザマット・ムルザハノフ(ロシア)

<ライト級/5分3R>
モハメド・ヤヒア(UAE)
カウエ・フェルナンジス(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
シャミル・ガジエフ(バーレーン)
ドンテイル・メイス(米国)

<ライト級/5分3R>
グラム・クタテラデス(ジョージア)
ジョーダン・ブシニック(英国)

<女子ストロー級/5分3R>
ヴィクトリア・ダダコワ(ロシア)
サム・ヒューズ(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイ・ハーバート(英国)
ロランド・ベドヤ(ペルー)

<ミドル級/5分3R>
セドリクス・デュマ(米国)
デニス・チュルリン(ロシア)

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【CJI】フィオン・デイヴィスの相手は、何とマッケンジー・ダーンに。ランガカー&ジョーンズレアリーも

【写真】2月のUFC298のアマンダ・レモス戦の激闘で敗れはしたが、3度目となるファイト・オブ・ザ・ナイトを獲得しているマッケンジー(C)Zuffa/UFC

18日(火・現地時間)、8月16日(金・同)と17日(土・同)の両日、ネヴァダ州ラスベガスのトーマス&マック・センターで開催されるCraig Jones Invitationalに元ADCC世界チャンピオンで、現UFCファイターの出場が発表されている。
Text by Manabu Takashima

80キロ以下&以上の2階級16人制トーナメント──優勝賞金100万ドル、出場すれば1万1ドルのファイトマネーが確約されるCJI、この発表に先立ち13日(木)には-80キロ級にトミー・ランガカーとリーヴァイ・ジョーンズレアリーの出場が明らかになっていた。


つまり欧州予選77キロから一次予選を制したジョセフ・チェンに続き、二次予選優勝のランガカーと2人の地区トップが世界大会に進まなかったことになる。対してアジア&オセアニア予選からは二次だけに出場し頂点に立ったジョーンズレアリーがCJIに鞍替え、一次優勝の岩本健汰はADCC世界大会にトライする。

この他、いわゆる中堅どころのCJI出場の発表が続く中、18日(火・同)に既に出場を明言していた女子グラップリング界のP4P=フィオン・デイヴィスのスーパーファイトの相手が、マッケンジー・ダーンになることがSNSで発表された。

2015年のADCC世界選手権では女子60キロ級を制しているマッケンジーは、UFC女子ファイターのなかでも特にタフな試合を繰り返しており、現在は連敗中だ8月3日にルピタ・ゴディネスと対戦することが決まっている。

加えて、UFC出場2週間前に2017年のADCC以来となるグラップリング戦を、そのADCCに新設された55キロ以下級で行うことが公表されていた。それが一転してCJI出場。CJIは女子トーナメントが実施されないため、女子グラップラーの転出は少ないと見られていたがデイヴィスに続き、65キロ超級で招待選手枠の1人だったギャビ・ガルシア(何とCJIでクレイグ・ジョーンズと男女マッチに興ずる)、さらにマッケンジーと3つのピナクルを失うこととなった。

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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN54 ルピタ・ゴディネス ヴィルナ・ジャンジローバ

【UFC ESPN54】ゴディネスが右で追い込めず。TD&バックマウント奪取のジャンジローバが判定勝ち

<女子ストロー級/5分3R>
ヴィルナ・ジャンジローバ(ブラジル)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28.
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)

ジャンジローバがプレスをかけて、ゴディネスにケージを背負わせる。ジャンジローバはワンツー、右ボディストレートを伸ばした。ゴディネスはインサイドから右を打ち込む。ジャンジローバがシングルレッグからドライブし、ボディロックから小外刈りでグラウンドに持ち込む。しかしゴディネスがすぐに立ち上がった。左腕を差し上げてゴディネスをケージに押し込むジャンジローバは、引き込みから潜ろうとするも、ここはゴディネスがトップを奪い立ち上がってパンチを浴びせて、離れた。

ゴディネスが左ジャブを突いて距離を詰める。ジャンジローバはスイッチして左ストレートをボディに伸ばしていく。オーソドックスに戻したジャンジローバの顔面を、ゴディネスの右がかすめる。ジャンジローバのワンツーにゴディネスが右を合わせた。残り1分でジャンジローバがシングルレッグからドライブしたが、ゴディネスがウィザーで耐える。ダブルレッグ、ボディロックと切り替えたジャンジローバに対し、ゴディネスはオーバーフックで耐えたがグラウンドへ。すぐさまジャンジローバがバックマウントを奪取し、RNCを狙ったところでラウンド終了のホーンが鳴った。

2R、ゴディネスが左ジャブの連打で前に出ていく。下がったジャンジローバに右ストレートを浴びせた。さらに背中を見せて下がるジャンジローバに右ローを打ち込む。しかしジャンジローバもワンツーを主体にパンチを返す。ケージ中央で右ストレートを打ち合う両者。ジャンジローバがシングルレッグから引き込み、ディープハーフで潜りに行くもゴディネスが右オーバーフックでトップへ。ジャンジローバの足が絡んだ状態でゴディネスも尻もちを着いてディフェンスするが、ジャンジローバがトップに回った。するとゴディネスがジャンジローバの両足を抱えてクローバーリーフを狙う。ジャンジローバは自身の足を引っかけて防ぐと、ゴディネスが足をほどいて左足へのストレートフットロックに切り替える。そのままトップに回ったゴディネスだが、スクランブルからスタンドに戻され、残り10秒でパンチを出し合った。

最終回、ゴディネスがワンツーでジャンジローバにケージを背負わせたが、シングルレッグで組まれてしまう。ウィザーから右ヒザを打ち込み体勢を入れ替えた。ジャンジローバが抱き着き、スタンドの状態で肩固めのように固めていくも、ゴディネスが離れた。互いにストレートを伸ばすなか、ジャンジローバが組みつくも倒せず。ゴディネスが右を入れて離れた。ジャンジローバはダブルレッグで飛び込むも届かない。ゴディネスの左右フックが当たり、ジャンジローバがバランスを崩す。しかしジャンジローバがシングルレッグからボディロックで尻もちを着かせた。

ケージ際でバックに回るジャンジローバ。両足を差し入れるとゴディネスが立ち上がるも、ジャンジローバはそのまま右腕をゴディネスの首に回す。ゴディネスが前に振り落とそうとしたが、耐えたジャンジローバがバックマウントをキープしRNCを狙い続ける。振り落とせないゴディネス、バックマウントからパンチを打ち込むジャンジローバの展開で試合が終了した。

判定はユナニマスでジャンジローバへ。オクタゴン4連勝中だったゴディネスを下したジャンジローバも、これで3連勝となった。


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45 AB BELLATOR MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN54 アントン・トゥルキャリ アンドレ・ペトロスキー イボ・アスラン エリン・ブランクフィールド エルベウチ・バーンズ カイル・ネルソン クリス・ワイドマン コナー・マシューズ ジェイコブ・マルクーン ジュリオ・アルセ ジョアキン・バックリー セドリクス・デュマ チディ・ンジョグアニ デニス・ブズーキア ヌルスルタン・ルジボエフ ネイト・ランドヴェール ビル・アレジオ ブルーノ・シウバ マノン・フィオホ メリッサ・ガト ルピタ・ゴディネス ヴィクトリア・ダダコワ ヴィセンチ・ルケ ヴィルナ・ジャンジローバ 食事

【UFC ESPN54】ウスベキスタンMMAのパイオニア=ヌルスルタン・ルジボエフ「何かを残す」

【写真】セレモニアル計量には、ウズベキスタン国旗とともに臨んだ(C)MMAPLANET

30日(土・現地時間)、ニュージャージー州アトランティックシティのボードウォーク・ホールで開催されるUFC on ESPN54「Blanchfield vs Firot」。同大会にカザフスタン、キルギスに続き、中央アジアから台頭しつつあるウズベキスタン人ファイターのヌルスルタン・ルジボエフが出場し、メインカードでセドリクス・デュマと対戦する。
Text by Manabu Takashima

大会開催地であるアトランティックシティ近隣の大都市は、実は州を跨いだフィラデルフィア。ウズベキスタンMMA界のルジボエフは、現在フィラデルフィア在住でご当地ファイターということになる。フィラデルフィアに存在するウズベキスタン・コミュニティに支えられ、ルジボエフを65カ月振りにインタビューした。


――ヌルスルタン、2018年11月にキルギスで取材をさせてもらって以来、5年5カ月振りにインタビューできて凄く嬉しいです。

「あぁ、WEFでマルコス・ソウザと戦った次の日にインタビューをしてもらったね。覚えているよ(笑)」

──あの時、ヌルスルタンはUFCかBellatorファイターになってウズベキスタンのMMAを盛り上げたいと言っていました。そして今、UFCファイターになっています。

「サンキュー。あれから、僕も随分と場数を踏んできた。それと同じように、ウズベキスタンのMMAも成長してきた。あの頃、ウズベキスタンではMMAの大会も行われてもいなかったけど、今ではいくつかの団体があってイベントも定期的に開かれている。良い感じで成長しているよ」

──当時は国内に良い練習環境がなく、チェチェンで練習をしていると言っていました。その後、練習環境はどのようになっているのでしょうか。

「あれからウズベキスタンでもMMAの練習ができるようになっていたけど、3年前から米国にやってきてフィラデルフィアのマルコスMMAで、ジョアォン・マルコスの指導を受けているんだ」

──言葉、食事、習慣、随分とウズベキスタンと米国と違うと思いますが、困難なことはなかったですか。

「ペンシルヴァニアにはウズベキスタン料理のレストランもあるし、ウズベキスタンのコミュニティが、しっかりと存在しているので何も問題はない。今の練習環境を与えてくれたスポンサーにはとても感謝している」

──日本ではないですが、韓国のスウォンに中央アジアやコーカサスのファイターが集まって練習しているジムもありました。

「あぁアジスベク・ノロフのところだろう?」

──ハイ、そうです!!

「アジスベクはとても仲が良いんだ、普段から頻繁に連絡を取り合っている。彼もウズベキスタンを離れて頑張っている。ウズベキスタンでも練習環境は整いつつあるけど、僕と毎日練習したいと思う相手がいなかった。だから、米国で練習しようと思ったんだ(笑)。米国では1日に3部練をすることも可能だ。休んで、食べて、練習──その繰り返しの日々を送ることができる」

──そのような練習環境を経て、UFC2戦目を迎えます。今の気持ちは?

「全て順調に調整できている。3カ月かけて、しっかりと準備してきた。その全てを土曜日の夜に披露したいと思っている」

──では対戦相手の印象を教えてください。

「若いのに3度も、UFCで戦っている。良い選手だと思う」

──どのような試合をファンに見せたいと思っていますか。

「それは秘密だ。試合を見てほしい」

──どのような作戦かということでなく、どのような試合を見せたいのかを教えてもらっても良いですか。

「ケージのなかでは何が起こるか分からない。でも、何かを残したい。そして、ウズベキスタンに持っているフィットネスジムの皆に、この間の練習の成果を見せたい」

■視聴方法(予定)
3月31日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午前7時30分~U-NEXT

■UFC ESPN54対戦カード

<女子フライ級/5分5R>
エリン・ブランクフィールド(米国)
マノン・フィオホ(フランス)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)
ジョアキン・バックリー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ブルーノ・シウバ(ブラジル)
クリス・ワイドマン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ヌルスルタン・ルジボエフ(ウズベキスタン)
セドリクス・デュマ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ビル・アレジオ(米国)
カイル・ネルソン(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
チディ・ンジョグアニ(米国)
リース・マッキー(アイルランド)

<フェザー級/5分3R>
ネイト・ランドヴェール(米国)
ジャマル・エマース(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ヴィルナ・ジャンジローバ(ブラジル)
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)

<フェザー級/5分3R>
ジュリオ・アルセ(米国)
エルベウチ・バーンズ(米国)

<フェザー級/5分3R>
コナー・マシューズ(米国)
デニス・ブズーキア(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イボ・アスラン(トルコ)
アントン・トゥルキャリ(スウェーデン)

<女子フライ級/5分3R>
メリッサ・ガト(ブラジル)
ヴィクトリア・ダダコワ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
アンドレ・ペトロスキー(米国)
ジェイコブ・マルクーン(豪州)

<バンタム級/5分3R>
エンジェル・パチェコ(米国)
キャオラン・ローラン(アイルランド)

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45 Brave CF MMA MMAPLANET o TOMA UFC UFC ESPN54   アントン・トゥルキャリ アンドレ・ペトロスキー イボ・アスラン エリン・ブランクフィールド カイル・ネルソン キック クリス・ワイドマン コナー・マシューズ ジョアキン・バックリー チディ・ンジョグアニ デニス・ブズーキア ヌルスルタン・ルジボエフ ネイト・ランドヴェール ビル・アレジオ ブルーノ・シウバ ボクシング マノン・フィオホ メリッサ・ガト ルピタ・ゴディネス ヴィクトリア・ダダコワ ヴィセンチ・ルケ ヴィルナ・ジャンジローバ 宇野薫 本田良介

【UFC ESPN54】ウィーン在住・熱血トルコ人ファイター、イボ・アスラン「俺はホンダが大好きだ」

【写真】ニックネームのTHE LAST OTTOMANは最後のオスマン帝国トルコ人という意味 (C)MMAPLANET

30日(土・現地時間)、ニュージャージー州アトランティックシティのボードウォーク・ホールで開催されるUFC on ESPN54「Blanchfield vs Firot」。女子フライ級のエリン・ブランクフィールド×マノン・フィオホがメインの同大会で、興味深いUFCデビュー戦を迎えるファイターがいる。
Text by Shojiro Kameike

今から21年と1カ月前に宇野薫がBJ・ペンとライト級王座決定戦で引き分けたボードウォーク・ホールでオクタゴン初陣を迎えるイボ・アスランにとって、この一戦は2020年8月──コロナ禍の欧州でKSWに次ぎ、イベントを再開させたBRAVE CFのストックホルム大会でキャリア唯一の敗北を喫したアントン・トゥルキャリへのリベンジ戦となる。

世界最高峰での第一歩を示すファイトは、ただ敗北を喫しただけでなく個人的に想うところがありまくるトゥルキャリを相手の因縁マッチに。心からトルコを愛し、本田良介の人柄にベタ惚れのイボ・アスランの激熱・初インタビューをお届けしたい。


――イボ、まずバックグラウンドを教えてもらえますか。コンテンダーシリーズ出場時にグラフィックではトルコ国旗が見られましたが、BRAVE CFに出場していた時にオーストリア在住という説明もありました。

「僕はトルコのニーデで生まれた。イスタンブールから800キロメートル離れている小さな村だよ。7歳の時にオーストリアのウィーンに移り住んだ。両親がより良い職を求め、より良い生活をするためにトルコを離れたんだ。パスポートはオーストリアだけど、いつだってトルコを代表して戦っている。オーストリアは住んでいる場所に過ぎない。それに今ではイスタンブールとウィーンに拠点があって、頻繁に行き来しているよ」

──格闘技を始めたのは、オーストリアだったのですか。

「そうだよ。サッカーをずっとやっていて、年齢的にもまだアマチュアリーグに在籍していたけどプロを目指していた。自分でいうのもなんだけど、凄く上手かったよ(笑)。ただし、チームの他のメンバーは僕のように真剣にやっていなかった。僕はサッカーでも絶対に負けることが嫌で、常に勝ち続けたいと思っていたのに。対してチームメイトはパーティーを楽しんだり、必死にサッカーに取り組んでいなかったんだ。

そしてオーストリアでも有名なフットボール・アカデミーから勧誘されたのに、そのチームは僕の保有権を持っていると主張して移籍を許してくれなかった。『あと1年、ここにいろ』ってね。その時『クソ野郎ども。俺はもうこんなチームを辞めて、ただ自分のためだけに汗をかく』って宣言をして、ボクシングを始めたんだ」

──なんと(笑)……状況が状況であったとしても、そういう発言をするということはチーム・スポーツには向いていない性格だったのでしょうね(笑)。

「皆が僕のように規律正しく、しっかりとやるべきことに向き合っているのであればチーム・スポーツも好きだよ。でも100パーセント全力で取り組まない連中と、一緒にやっていくことが嫌だったんだ。同じゴールを見ていないと。何かをやるなら、100パーセント力を注ぐ。そういう性格なんだ。ボクシングは合っていたよ。自分が頑張れば、結果は出る。凄く楽しかった」

──なるほど。ただし人気ナンバーワン・スポーツで才能があったのに、勿体ないとも感じてしまいます。

「まぁ、ファミリーに流れる血のなせる業だろうね。父親は空手の黒帯だった。叔父や兄もファイターだ。父から今も言われているんだけど、僕は子供の頃に絶対にエレベーターに乗らず、階段を走って昇っていたそうなんだ(笑)。いつも体を動かして、エネルギーは発散していたようだ。そのエネルギーを燃やす場がサッカーからボクシング、そしてMMAに移り変わっていった。でも、その全てに100パーセントの力を注いできたことは絶対だよ」

──ボクシングからMMAに転向したのは?

「ボクシングをやりながら、レスリングも始めた。そこでグラップリングを知って、この3つの練習をしているのだから、MMAこそ自分が究める戦いだと思ったんだ」

──オーストリアに関しても、トルコに関してもMMAの普及具合が分からないのですが、試合前はどちらで練習をしているのでしょうか。

「イスタンブールではレスリングとグラップリングの練習をしている。場所も一カ所でなく、いくつかのジムを回ってね。ウィーンでは、HERO GYMにボクシングとキックボクシングのトレーナーがいて、彼らと練習をしている。試合が決まればMMAのトレーニングをするためにラスベガスのエクストリーム・クートゥアーでキャンプを張るんだ。最高のMMAコーチ、トレーニングパートナーが揃っている。試合前のキャンプは、ベガスで仕上げをしている」

──今回も試合前はベガスで調整したということですね。

「ベガスに入る前に、プーケットのタイガームエタイで最初のキャンプを行った。タイガームエタイで5週間、ベガスは4週間のキャンプだったよ。タイガームエタイでは多くの日本人選手を見かけたよ。1人、本当にナイスガイで凄く親切にしてくれる日本人もいたよ。ホンダだ。アイツは最高のヤツだよ、いつもニコニコ笑っていて。さっきも言ったように僕は何でも全力を尽くす。どのクラスだって力の限り練習をしている。ホンダもそうなんだ。しかも、アイツはそれが幸せでたまらないようで笑顔を絶やさない」

──本田良介選手ですね。私も昨年11月にタイガームエタイで会ったのですが、MMAファイター生活を心の底からエンジョイしていました。

「そのうえ、本気で僕を助けてくれた。あんな気持ちの良いヤツに出会ったのは始めてだよ。ホンダに会えて、本当に良かった。朝6時のランニングですら、嬉しそうにしているんだよ。全く理解不能だ(笑)。どうやって朝の6時から楽しそうに走ることができるんだ!! 彼の精神性に触れることができて、本当にハッピーだ。

僕は常に、誰よりも練習をしている。でもジムに行くと、絶対にホンダもいる。『お前、俺より練習しているわけないよな』って伝えても、『僕は君より練習しているよ』って笑っているんだ。タイガームエタイは広いし、ストレッチとかフィジカルはMMAトレーニング場とは違う場所を使うこともある。凄くクラスも多いし。でも、アイツは先にいて、僕が体を動かしている際中に違う場所に移動して、違う練習を始めている……。俺はホンダが大好きだ。

そうだこのインタビューを通して、彼に伝えてくれ。『ホンダ、マイ・フレンド!! すぐに会いたいよ』って」

──承知しました(笑)。ところでにこやかに本田選手について話してくれたイボですが、今週末にUFC初陣というとても重要な試合が控えています。改めて今の気持ちを教えてください。

「15年間のハードワークを経て、今ここにいることを神に感謝している。自分の能力を世界で一番の大会で、皆に見てもらいたい。凄くハッピーだ。家族、コーチ、練習仲間、そしてトルコの皆のために戦う。唯一のUFCトルコ人ファイターとして、9000万人の期待を背中に受け、我が国を代表してアントン・トゥルキャリを倒す」

──2020年8月にBRAVE CFで戦い、キャリア唯一の黒星を喫した相手へのリベンジマッチでもあります。

「2020年8月はコロナ禍でオーストリアではジムも閉められ、何もかも止まっている状態だった。外出も許されていなかったよ。練習環境は全く整っていなくて、簡単な状況ではなかった。どの大会もコロナでなくなり、バーのセキュリティで生計を立てていたけど、当然のようにバーやクラブも営業停止になっていた。

金がなかった。だから5日前のオファーを受けた。当時のマネージャーから連絡があり、僕が気になったのはファイトマネーの額と対戦相手だった。それを確認し、映像をチェックして戦うことを了承した。彼はアマチュアでも豊富な経験があることも調べた上で、動きを確認して戦うことにしたんだ。僕のレベルにないことは分かったから。

でも、そこからはドタバタ続きだった。オファーは100キロ契約で、僕は107キロ。5日間で100キロまでなら落とせるという判断をしたんだ。そうしたら向うから93キロにしてほしいという連絡があった」

──えっ……それは駆け引きですね。

「そうプレイが始まった。100キロと93キロは全く違う。でも、ファイトが必要だったから『99キロまでなら落とす』と返答すると、今度は『94キロだ』って言うんだよ(苦笑)。マネージャーを介して試合の直前まで、そんなやりとりが続いたんだ」

──確か98キロ契約で実施されたかと。

「発表は98キロだったけど、実際は97キロ契約だった。つまり5日間で10キロ落とした。あの試合はコンテンダーシリーズや米国で戦うためのオファーを待っていて、1年半振りの試合だった」

──よく、そこから3キロアンダーになって試合を受けましたね。

「金が必要だった。そんな状況でも序盤は、力強く動けたんだ。でもアゴ、鼻をケガし、カットもあった。結果、2Rに背中を見せてフィニッシュされた。『おめでとう。アントン』だよ。でも今回は全てが違う。本当の俺を見せてやる」

──言ってみると、最高の場所で自己証明できる機会を得たということですね。

「UFCがアントンと戦わせてくれて、本当に感謝している。4年間、アントンは俺から逃げ続けた。4年間だよ。『もう一度、戦おう』とポッドキャストや色々な手段を使ってアピールしたけど逃げ続けた。でも、もう彼は僕の前から逃げることはできない。土曜日の夜、ケージに入ると誰も彼を助けることはできない。誰も、ね。

ホーホホホホホ。土曜日は会場入りしてから、試合まで全てを楽しむつもりだ。UFCで戦うことは世界中のファイターにとって夢だ。UFCから配られたコスチュームに袖を通し、トルコ国旗を掲げてケージに向かう。アントンなんか気にしない。その瞬間を楽しみたい。最高のデビュー戦になるだろう。アイツのことなんて、どうでも良い。僕のトルコ人パワーの凄まじさを皆に見てもらう。皆が、目撃者になるんだ」

──イボ、本当に興味深い話をありがとうございました。最後に日本のMMAファンに一言お願いします。

「日本の皆の行動力が本当に好きなんだ。トルコを多くのジャパニーズガールズが訪れている。ただ、椅子に座って時間が過ぎるのは待っているんじゃなくて活動的だ。トルコにもオーストリアにも、日本人の友達がいる。その皆が本当に博学なんだ。MMAのことも知っているし、サッカープレイヤーのことも知っている。ゴルフにも詳しい。そして日本のファンは、凄く選手想いだと聞いている。そんなことは、オーストリアはありえない。日本のファンがUFCだけでなく、他の団体も含め全てのMMAをサポートしてくれていることに感謝している。いつか、日本を訪れて日本の皆と練習したい。ホンダ、一緒に行くぞ!!」

──(笑)。

「そうだ、僕の一番の夢が何か尋ねてくれなかったよね」

──ハ、ハイ。イボの一番の夢は何でしょうか。

「UFCイスタンブール大会を実現させることだ。もしUFCがイスタンブールで大会を開けば、スィナン・エルデヌ・スポル・サロフに2万人以上のファンが集まるはずだ。それが僕の一番大きな夢なんだ。1年半、時間が欲しい。僕がKO勝ちを続けることで、その時がやってくるだろう。インシャーアッラー」

■視聴方法(予定)
3月31日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午前7時30分~U-NEXT

■UFC ESPN54対戦カード

<女子フライ級/5分5R>
エリン・ブランクフィールド(米国)
マノン・フィオホ(フランス)

<ウェルター級/5分3R>
ヴィセンチ・ルケ(ブラジル)
ジョアキン・バックリー(米国)

<ミドル級/5分3R>
ブルーノ・シウバ(ブラジル)
クリス・ワイドマン(米国)

<ミドル級/5分3R>
ヌルスルタン・ルジボエフ(ウズベキスタン)
セドリクス・デュマ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ビル・アレジオ(米国)
カイル・ネルソン(カナダ)

<ウェルター級/5分3R>
チディ・ンジョグアニ(米国)
リース・マッキー(アイルランド)

<フェザー級/5分3R>
ネイト・ランドヴェール(米国)
ジャマル・エマース(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ヴィルナ・ジャンジローバ(ブラジル)
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)

<フェザー級/5分3R>
ジュリオ・アルセ(米国)
エルベウチ・バーンズ(米国)

<フェザー級/5分3R>
コナー・マシューズ(米国)
デニス・ブズーキア(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イボ・アスラン(トルコ)
アントン・トゥルキャリ(スウェーデン)

<女子フライ級/5分3R>
メリッサ・ガト(ブラジル)
ヴィクトリア・ダダコワ(ロシア)

<ミドル級/5分3R>
アンドレ・ペトロスキー(米国)
ジェイコブ・マルクーン(豪州)

<バンタム級/5分3R>
エンジェル・パチェコ(米国)
キャオラン・ローラン(アイルランド)

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MMA MMAPLANET o UFC UFC295 キック タバタ・ヒッチ ボクシング ルピタ・ゴディネス

【UFC295】ゴディネスがヒッチに判定勝利。 UFC初の1年間で4勝した女子ファイターに。

<女子ストロー級/5分3R>
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)
Def.2-1:29-28.29-28.27-30
タバタ・ヒッチ(ブラジル)

ゴディネスはガードを高く上げ、ジャブとワンツーを見せる。ヒッチは細かくステップしてジャブと右ストレートを返す。ゴディネスはヒッチの動きに合わせて右ストレートを当てるが、ヒッチはその右ストレートに合わせて組みつく。ゴディネスはケージに身体を預けて正対し、試合をスタンドに戻す。

左フックから右ストレートで前に出るゴディネス。この右で尻餅をついたヒッチだが、すぐに組みついてゴディネスをケージに押し込む。ゴディネスはテイクダウンを許さない。

細かく手を出すヒッチだが、ゴディネスは左フックを狙いつつ、ヒッチの組みを切ってヒザ蹴り。このままゴディネスのペースで試合が終わるかに思われたが、終了直前にヒッチが右ストレートを当て、これでゴディネスが腰から崩れる。

2Rもゴディネスがガードを上げて前に出る。左ジャブ・左フックを上手く使い、距離が詰まるとヒザ蹴りを突き刺す。リッチは細かく身体を動かして右ストレートを狙うが、ゴディネスはジャブから打撃を組み立てる。

リッチはパンチだけでなく右のカーフキックも蹴り、構えをスイッチしてサウスポーから左ストレート。ゴディネスも右ストレート・左フックを当ててプレッシャーをかける。

リッチはダブルレッグを見せつつ、サウスポーからの左ハイ。ゴディネスはコンパクトにパンチを打ち、リッチはサウスポーから左ストレートと右フック。ラウンド終了間際、ゴディネスがパンチで飛び込むと、バッティングがあり、バランスを崩したゴディネスがガードポジションを取る。

3R、ゴディネスがジャブ、ワンツー、左フック。リッチが右ストレートを当てて両差しで組みつき、テイクダウンを狙いつつヒジを打つ。距離が離れると、ゴディネスはやはりジャブを当て、リッチがシングルレッグでテイクダウンを狙うが倒せない。

テイクダウンディフェンスでイニシアチブを取ったゴディネスはパンチで前進。リッチの右に右ストレートを合わせると、ワンツー、アッパー気味の左フックを当てる。

リッチはサウスポーに構えてサークリングして左ミドル、ゴディネスはシングルレッグを見せる。ビッグヒットを狙うリッチに対し、ゴディネスはジャブを的確に当てる。ガードを高く上げてジャブから試合を組み立てる、ボクシングMMAとも言えるスタイルのゴディネスが判定勝利を収めた。

試合後、ゴディネスは「タフファイト、接戦だった。彼女はタフだった。(UFC初の女子ファイターで1年間に4勝を果たし)スーパーハッピー、これだけの数を勝てるなんて素晴らしいチームのおかげ。トレーニングをハードにして、試合のたびに成長し続ける」と語った。


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AB MMA MMAPLANET o UFC UFC284 UFC295 アレックス・ポアタン アレックス・ポアタン・ペレイラ アレッサンドロ・コスタ イリー・プロハースカ カン・ギョンホ ケヴィン・ボルハス ジェシカ・アンドラーデ ジエゴ・ロピス ジャレッド・ゴードン スティーブ・アーセグ タバタ・ヒッチ ダナ・ホワイト ダヴィッド・ドヴォルザーク デニス・ブズーキア トム・アスピナル ナジム・サディコフ マッケンジー・ダーン マット・シュネル マーク・マドセン ルピタ・ゴディネス ルーズベルト・ロバーツ 平井総一朗 平井総一郎 平良達郎 海外

【UFC295】UFC2戦目でMSG、スティーブ・アーセグ「平井が試合を受けてくれたらUFCとサインできた」

【写真】豪州勢らしく125ポンドでもパワフルなウェルラウンダーのアーセグ(C)MMAPLANET

11日(土・現地時間)、秋のUFCビッグショー in NYC──UFC295「Prochazka vs Pereira」がニューヨーク州ニューヨークシティのマジソン・スクエア・ガーデンで開催される。
Text by Manabu Takashima

イベント名にあるようにイリー・プロハースカ✖アレックス・ポアタン・ペレイラによるUFC世界ライトヘビー級王座決定戦を筆頭に、UFC暫定世界ヘビー級王座決定戦=セルゲイ・パブロヴィッチ✖トム・アスピナルなど選りすぐりのマッチアップが並ぶ同大会で、豪州フライ級のエース=スティーブ・アーセグが、オクタゴン2戦目でアレッサンドロ・コスタと対戦する。

今年の2月にパースで開かれたUFC284の前夜、ある意味ダナ・ホワイト・ルッキン・フォー・ファイト的なPPVショーウィークのローカル大会=Eternal MMAで平井総一朗を破り最高峰に辿り着いたアーセグを初インタビューした。


――今週末、MSGでアレッサンドロ・コスタとオクタゴン2戦目を戦います(※取材は8日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「感謝の気持ちでいっぱいだよ。なんせMSGだからね。1年前のことを想うと、ここにいることが信じられない。Eternal MMAで戦っていてUFCとサインし、MSGで戦う。これ以上のことはないだろう。コスタは強敵だし、凄くチャレンジングな試合になる。最高だよ、真っ向勝負をしたいと思っている」

──スティーブは今年の2月に、UFC284ファイトウィークに行われたEternal MMAで日本の平井総一郎選手を破ったことでUFC入りを果たしました。その過去があって、日本のファンにとっても気になる選手です。

「UFCの前日の試合だったけど、実は対戦相手がなかなか決まらなかった。豪州国内では僕と戦いたがる選手が誰もいなくて。そして英国や海外の選手に当たることになった。結果、ヒライが試合に応じてくれて本当に嬉しかったよ。彼とは試合後、そして日本に戻ってからも何度か連絡を取り合った。

あの大会後、バックステージでUFCとの契約が決まった。僕はあの試合でUFCに良い印象を与えて勝つ必要があったけど、ヒライが試合を受けてくれたからUFCとサインできたんだ。試合がなければそれは不可能だったからね」

──6月のダヴィッド・ドヴォルザーク戦はショートノーティス、ランカーとのUFC初戦となりました。

「いつだって試合ができるように準備していたから、あのチャンスに跳びついた。10日前だろうが、2日前だろうが構わない。オファーがあった時、僕はコーチに『皆が大丈夫なら、俺は戦うよ』って伝えたんだ」

──コーチからの確認でなく、コーチの方を確認したと(笑)。

「そうなんだ(笑)。それにさ、普通にオファーを待っていたらいきなりトップ10ファイターと戦うことはできなかっただろうしね」

──とはいえ、そのランカーを破ったのにスティーブはランク入りしていません。

「どういう仕組みでランキングが決定されているのか、僕には分からないんだけど……そこは気にしていないよ。いずれにせよ、デビュー戦でトップ10の選手に勝てたことで2戦目からもトップランカーと戦えるポジションを手にすることができたんだ。この状況はチャンピオンを狙ううえで、好ましいことは変わりないから」

──当初の予定ではランク9位のマット・シュネルと対戦予定でした。

「ランク9位の選手との試合がなくなって……やはり勝てば返ってくるモノも大きかったし、最初は引っ掛かるものがあったよ。けど、NYのビッグイベントで戦えるし気持ちはすぐに切り替わった。実際コスタはシュネルより、手強いと思う。グラウンドが強くて、テイクダウンディフェンスにも長けている」

──では、そのコスタ戦ではどのようなファイトを見せたいですか。

「僕がどの局面でも、しっかりと戦えることを証明したい。打撃、寝技、レスリング、全ての場面で僕の爆発力がアドバンテージを握るだろう。彼は距離を保つタイプだから、開始直後から詰めて圧力をかける。そして打撃に優位に立つ。彼が持っている僕のイメージとは違う武器を使って戦う。彼のカウンター狙いに対して、あくまでも僕のファイトを貫く。僕が世界のベストだと証明できるファイトを心掛けたい」

──ところで私はUFCフライ級ファイターのインタビュー機会を得ると、常に平良達郎選手のことを尋ねるようにしています。スティーブにとって、平良達郎選手のパフォーマンスはどのように映っていますか。

「UFCで戦っている日本人だよね。あのサブミッションが得意な。いや、彼のサブミッションは良いよ。いつか戦う日がやってくると思うけど、その時は思い切りファイトしたい。凄く良いファイターだ。日本のファンも、その前に僕の試合を見て楽しんで欲しい」

■視聴方法(予定)
11月12日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午後12時~PPV
午前7時30分~U-NEXT

<UFC世界ライトヘビー級王座決定戦/5分5R>
イリー・プロハースカ(チェコ)
アレックス・ポアタン・ペレイラ(ブラジル)

<UFC暫定世界ヘビー級王座決定戦/5分3R>
セルゲイ・パブロヴィッチ(ロシア)
トム・アスピナル(英国)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・アンドラーデ(ブラジル)
マッケンジー・ダーン(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
マットフレヴォラ(米国)
ベノワ・サンドニ(フランス)

<フェザー級/5分3R>
パット・サバティーニ(米国)
ジエゴ・ロピス(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
スティーブ・アーセグ(豪州)
アレッサンドロ・コスタ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
タバタ・ヒッチ(ブラジル)
ルピタ・ゴディネス(メキシコ)

<158ポンド契約/5分3R>
マテウス・レンベツキ(ポーランド)
ルーズベルト・ロバーツ(米国)

<ライト級/5分3R>
ナジム・サディコフ(アゼルバイジャン)
スラヴァ・ボルシェフ(ロシア)

<ライト級/5分3R>
ジャレッド・ゴードン(米国)
マーク・マドセン(デンマーク)

<138ポンド契約/5分3R>
カン・ギョンホ(韓国)
ジョン・カスタネダ(米国)

<フライ級/5分3R>
ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)
ケヴィン・ボルハス(ペルー)

<147ポンド契約/5分3R>
デニス・ブズーキア(米国)
ジャマール・エマース(米国)

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o ONE UFC UFC Fight Night   アレクサ・グラッソ チャーリー・キャンベル ラウル・ロサスJr ルピタ・ゴディネス ロマン・コピロフ

『UFC Fight Night 227: Grasso vs. Shevchenko 2』パフォーマンスボーナス

世界のベストセラー41冊から僕が導き出した「日本人」が「仕事」で最高のパフォーマンスを発揮する方法


 UFCが『UFC Fight Night 227: Grasso vs. Shevchenko 2』のパフォーマンスボーナスを発表。

▼ファイト・オブ・ザ・ナイト
・該当試合なし

▼パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト
・ラウル・ロサスJr.、ダニエル・ゼルフーバー、ロマン・コピロフ、ルピタ・ゴディネス、チャーリー・キャンベル


 5選手には各5万ドルのボーナス。


 なお、メキシコ独立記念日に開催された同大会では特別なベルトが巻かれました。続きを読む・・・