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【DEEP115】北岡悟が振り返るDEEP X BC対抗戦─02─「負けた人が考えていない感が出ちゃいました」

【写真】ユ・スヨン。この選手と交わることができることを北岡は、良いことだと言い切った(C)DEEP

9月18日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されたDEEP vs BLACK COMBATの対抗戦を北岡悟が振り返るインタビュー第2弾。
Text by Manabu Takashima

大島沙織の意外な敗北に続く、石司晃一と大原樹理のベルト流出劇に関して、北岡はどのような気持ちでいたのか。

<北岡悟のDEEP vs BLACK COMBAT対抗戦振り返り、Part.01はコチラから>


――それでも最後は足関節をパク・シユンに切り返されました。

「それは相手も組み技の技量を上げてきたということだと思います。大会が終わって青木真也さんから『韓国は柔術が盛んで、柔術のレベルは上がっている』という連絡があったんです。ちゃんと組み技も修練していて、その部分は次の試合にも表れていましたね」

――その次、ユ・スヨンが石司晃一選手に圧勝した試合になります。

「石司選手と戦ったユ・スヨンは、パンクラスに来ていましたよね。大橋悠一選手という期待されていた選手、組みができるけど殴り勝てる選手と戦ってパンチを纏めて秒殺した。しかも、結構バリバリの柔術家で。あの選手は強いですね」

――BLACK COMBATの試合を見て、ユ・スヨンは強いという認識はあったのですが。石司選手にあのような形で勝つとは思っていなかったです。

「日本でトップ10に入る実力の持ち主、石司選手はトップ5を狙うことができるトップ10の選手です。身体能力も高く、体も強い。その彼が下になってニーシールドとプッシュだけで返そうとしていたけど、普通に纏められましたね」

――ユ・スヨンの寝技のコントロール……技術力で完全に上回っていたように見えました。

「柔術でいえば青・紫帯と、黒帯の差のような上と下の攻防になりました。悪くない青帯、紫帯の動きを良い黒帯が抑えた――ような。そもそも上を取ったテイクダウンも、ハイクロッチから入って。石司選手から、あんなイージーにナイス・テイクダウン……当たり前のMMAテイクダウンを取った。凄いですよね、良い選手です」

――一部でキム・スーチョルより強いのではないかという声も挙がっています。

「それはやってみないと分からないけど、普通にRIZINのレベルであることは確かです。RIZINレベルというか、RIZINで上の方と――ベスト5と戦っても良いじゃないかという選手ですよね」

――Road to UFCに出ている韓国人選手より強いようにも見える。そういう選手を抱えることができるのは、ファイトマネーが良いから。Road to UFCに行こうとせず、BLACK COMBATで知名度を上げて、UFCを狙っているファイターがユ・スヨンだと思います。

「それは成功しているということですよね。BLACK COMBATはMMAで、Breaking Downのやっていることをしている。そういう良い選手が、DEEPと絡んでくれる。これは日本のMMAにとっても良いことです。

DEEPのチャンピオンになったのだから、防衛戦をすることになると聞いていますし。でも、めっちゃ強いですよ。ユ・スヨンは色々な日本人選手との試合が見てみたいですね」

――続く大原選手は、イ・ソンハにスロエフストレッチで一本負け。この試合はどのように捉えられていますか。北岡選手は大原選手と戦った当人ですが。

「これが一番悔しいと言っちゃあ、悔しい気がしますけど……。まぁ、しょうがないですよね。しょうがないです」

――大原選手はストライカーですが、組み技&寝技対策をしっかりとやっている選手だと思います。

「絶対にやっていますね。絶対に」

――その大原選手が仕留められた。

「まぁ、ちょっと動き方にはクエスチョンが残るディフェンスはしていました。ただし、体格的なところでまかり通っていた部分はあると思うんです。ぶっちゃけて僕の時も、テイクダウンとサブミッション・アタックはできているので……いや、自分の話はいいや(苦笑)」

――小金翔選手の対戦ではバックグラブを許し、ブレイクでスタンドに戻ったことがありました。

「上迫戦も微妙な節はありました。解説でも話したのですが、あの相手選手は、バックに回ると包めますもんね。容易に包めることができる。打撃でそこまで押しきれなかったことも、あの結果にもちろん通じているでしょうし。そこは総合力だから。結果的に大原選手には相性が良くなかったのかと。う~ん、まぁまぁまぁ――しょうがないです」

――では最終戦のヘビー級、酒井リョウ選手が腕十字でヤン・へジュンに下りました

「酒井選手は最近の試合で、良い勝ち方をしてきました。でも、総合格闘技だからね――と。解説では『ヘビー級なんで、複雑なことを考えずに』とか言っていて。そうしたら酒井選手がグワァっていくと、ヤン・ヘジュンが『ナイス・テイクダウン!!』と(笑)。で、ここからヤン・ヘジュンの抑え込みがメッチャ上手くて。ちょっと上の方で抑えているけど、ヘビー級なんで酒井選手も潜るとかできないじゃないですか。

酒井選手は後ろを向こうとしたけどできなくて。ヤン・ヘジュンは柔術的にも茶・黒の力がある。最低でも紫帯でしょう。マウント、S字マウント、腕十字と流れるような動きで仕留めました」

――試合タイムは1分32秒。防がれると下になって殴られるリスクのある腕十字をこの時間帯で狙うというのは……力の差を感じたのか。

「とにかく綺麗でしたね。しっかりと動けていますよ。まぁ、もともとミドル級の選手だったというのもあるけれど――総合格闘技ですからね」

――結果、DEEP側は最初の2試合の勝利後はチャンピオンが5連敗で完敗を喫しました。試合内容的に大島選手と戦ったパク・シユンは、大島選手の投げを許さなかった。ユ・スヨンとイ・ソンハ、そしてヤン・ヘジュンらは逆に一発で自分の形で持ち込んでいました。結果論として、対戦相手のことをしっかりと研究して、今回の試合に臨んでいたように感じました。

「いや、それは……本当はそこをやるものですからね。とにかく最初のアプローチで、やるべき形に持ち込むと差があるように感じられますしね」

――スクランブルに持ち込ませないで、コントロールして仕留めた。彼らが自分の間で戦ったのに対し、逆にパク・シユンは大島選手の間にさせなかった。

「まぁ1Rがあんな風なら、2Rからは変えないといけない。もちろん、僕らには分からない何かがあったというのは考えられますけど、普通は流れを変える戦いをしないといけないですよね。逆にいえば自分たちがラウンドを取っていると判断しているのか――ぐらいに思いました」

――韓国勢の取り組み方と、日本勢の取り組み方に差を感じた次第です。

「今回は特に、負けた人が考えていない感が出ちゃいましたね(苦笑)。負けた人たちの負け方はそうです。大島選手の敗北に関しては、韓国勢は個の力でなくて、チームの工夫で勝った。それが見えるから、パク・シユンを応援している人達からすると、熱いモノがこみあげてくる勝利ですよね。工夫や努力を感じられました」

<この項、続く>

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【DEEP115】ヤン・ヘジュン戦へ、酒井リョウ「佐伯さんも酒井、槙吾、石司、大原の4人が危ないと」

【写真】生来の明るさに加え、連勝で乗っている感が伝わってくる酒井(C)MMAPLANET

18日(月・祝)、東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP115 Impact「DEEP vs BLACK COMBAT」。DEEPと韓国BLACK COMBATの対抗戦で、DEEPメガトン級暫定王者の酒井リョウがBLACK COMBATヘビー級王者のヤン・へジュンと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

今年7月に水野竜也をKOし、4連勝とともにDEEPメガトン級暫定王座を手にした酒井。豪快な勝ちっぷりの裏には「弱点と穴をつぶさなければMMAでは勝てない」という考えのもと、練習方法・環境の充実があった。


――DEEP×Black Combatの対抗戦でヤン・へジュン選手と対戦する酒井選手です。普段とは違う形式の試合ですが、今の心境を教えてください。

「実は水野戦に勝ったら対抗戦があるかもという話は聞いていたので、オファーがあった時は正式に決まったなって感じでした」

――対戦相手のへジュン選手にはどんな印象を持っていますか。

「なんでもできる選手で、ベテランのMMAファイターという印象です。打撃もできて、レスリングもできて、寝技もできてという。いい意味で特徴がない、そんな感じですね」

――そういったウェルラウンダー相手にどんな試合をイメージしていますか。

「佐伯さんからはいつも『お前は先に行かないと負けるぞ』って言われるんですけど(笑)、対策という部分では×日本人選手の方が立てやすいですよね。試合の映像もあるし、色々と耳に入ってくる情報もあるので。でも今回は相手の情報が少ないので、ちょっとそこはやりにくい部分ではあります。実際、へジュンは3年くらいブランクがあるから、最新の試合映像が少ないんですよ」

――直近の試合が昨年10月のBlack Combatで、その前の試合は2019年のROAD FCまで遡ることになります。

「しかも韓国では評価が高い選手らしく、韓国では『へジュンの相手がその選手で大丈夫か?』みたいに思われているそうです(苦笑)」

――同じ日に対抗戦に出場する石司晃一選手にインタビューしたのですが、石司選手も撮影のために来日していたBlack Combatの関係者から「韓国のファンの間では今回の対抗戦の中で確実にバンタム級は韓国側が勝つと言われている」と聞かされたそうです。

「石司はもっとムチャクチャ言われていましたよ、『お前だけは勝てない』くらい。佐伯さんも佐伯さんで『酒井、(鈴木)槙吾、石司、大原(樹理)の4人が危ない』と言っていました(苦笑)」

――かなりプレッシャーをかけられているようですね。ただへジュンはもともとミドル級のファイターでブランクもあり、連勝中の酒井選手としてはしっかり勝っておきたい相手だと思います。

「僕的にヘジュンは水野さんに近いイメージなんですよ。ミドル級から階級を上げた選手で、組み技がベースだけど打撃もできる、みたいな。しかも赤沢、水野、へジュンと3連続で同じタイプが続いているので、試合のイメージはしやすいですね」

――話せる範囲で構いませんが、どう戦おうと思っていますか。

「僕は石井慧さんたちとも練習していて、打撃で倒している印象が強いと思うんですけど、試合前はしっかり5分3Rやるつもりで練習していて、たまたま試合で秒殺しているだけなんです。今回もテイクダウンされたり、劣勢になることやきつい展開になることを想定して練習しています」

――重量級で倒せる武器を持っていると、そういったフルラウンド戦う練習や劣勢から挽回する練習などを端折ってしまいがちになると思うのですが、酒井選手はそうではないんですね。

「全然そうじゃないです…というか考えが変わった感じです。もともと僕はPRIDEが好きでMMAを始めて、いかに寝ないで打撃でぶっ倒すか。そればっかり考えて練習をしていたんです。実際に組み技や寝技は覚えるのが難しいし、スキルを上げるのに時間がかかるんで。でもそこを無視していたら勝っていけないじゃないですか。だからそういう練習は絶対に必要だし、組み技や寝技の細かい技術、ケージを使ったテクニックなど覚えなきゃいけないことはたくさんありますが、その分練習が楽しいです」

――連勝している裏にはそういった考えがあったのですね。

「自分は指導者がいないことも多かったので、自分で考えたり、後輩からアドバイスしてもらったり…そうやって練習してきました。最近では一緒に練習しているアライアンスの高阪さんや槙吾さんに色んな事を聞いています。こんなことを言うと恥ずかしいですけど、シングルレッグのやり方から教わっていますよ」

――MMAで勝つためには苦手分野をいかに潰すかが重要ですからね。

「海外の選手を見てもみんなオールラウンダーだし、一つの武器で勝っていけるのは昔の話だと思うんですよ。いかに弱点や穴を潰していくか。そこがMMAにおける強さだと思います。そこから逃げていたら勝てないです」

――先ほど名前が挙がった石井慧選手と練習することで、MMAに対する考えや練習について影響を受けた部分はありますか。

「石井さんと僕は考え方が真逆で、僕は観客が沸けば勝ち負けはどうでもいいやと思っていたんです。でも石井さんのセコンドについたとき、石井さんはインターバル中にもセコンドに『勝ちたい。勝ちたい。勝ちたい……』と言うんです。この間のPFLの試合に激励のメッセージを送ったら『相手の髪の毛を引っ張ってでも勝ちます』と返事があって。石井さんはアマチュアの最高峰のオリンピックで金メダルを獲った人で、勝つことに対する執念が尋常じゃないんです。そういう石井さんの姿を間近に見て、僕も勝ち負けに対する考えが変わって、それが最近の勝利にもつながっていると思います」

――石井選手の勝ちへの執着や強さへの追及に触れたわけですね。

「僕と違う部分もありつつ、似ている部分もいくつかあって。例えば試合前のルーティンを大事にするとか、僕は石井さんと知り合う前から自分のジムにスパーリングパートナーを呼んで練習することが多かったんです。石井さんも自分がジムを回るというよりも、練習場所にトレーナーやパートナーを呼んで練習するんですよ。そういうところは石井さんと似ているなと思いました」

――試合の結果も含めて、今MMAファイターとして充実しているのではないですか。

「長年格闘技をやっていて色んな人間関係が出来て、強くなるための練習環境を作り上げることは出来たかなと思います」

――重量級は日本人選手の選手数が限られている階級です。これからどこを目標に戦っていきたいと思っていますか。

「僕ももう36歳で、これからUFCを目指すというのは現実的ではないと思います。そうなった時にDEEPでやり残したで言えばメガトン級正規王者のロッキー・マルチネスに勝つ、あとはRIZIN、さいたまスーパーアリーナで試合をしたいです」

――過去にRIZIN参戦経験がある酒井選手ですが、その時は静岡でキックルールだったんですね。

「そうなんですよ。だから本職のMMAファイターとしてRIZINに出たいです。僕の中で戦いたい相手が2パターンあって、スダリオとか上田幹雄とか小さい頃から格闘技をやっている日本人選手、もしくは重量級なんで強い外国人選手。そのどちらかとやりたいです」

――日本人の重量級となると自ずと対戦相手も限られてきますよね。

「ぶっちゃけスダリオとか上田も練習相手がいないから『一緒に練習しませんか?』みたいな連絡が来るんですよ。でも僕はそれを断っていて。ただでさえ選手が少ないんだから、そこで仲良しこよしでやっていたら試合できないじゃないですか。

僕は基本的に対戦する可能性がある相手とは交流しないし、もしどこかで練習場所が一緒になるにしても、それ止まりにしています」

――なるほど。選手が少ない重量級だから一緒に練習するのではなく、自分で強くなる方法を考える。それが酒井選手の場合はいい方向に出ているようですね。

「自分はレンジャージム赤坂の店長もやっているので、どうしても自分の練習時間が限られるんですよ。そのなかでどうやって強くなれるかを考えて、その結果が今の練習環境や内容を作ったと思います。もちろん結果がすべての世界なので、おかげさまで結果を出せているからこそ、このやり方で間違っていないと思えていますね」

――今後のチャンスにつなげるためにも、なおさら今回の試合は落とせない試合です。どのような試合を見せたいですか。

「韓国つながりでいうと、僕は5年前に韓国のTOP FCに出て、チョン・ダウンに負けてるんですよ。だから僕にとってはその時のリベンジという意味もある試合です。お客さんに対しては少しでも『明日から頑張ろう!』と思ってもらえるような熱い試合をするので楽しみにしていてください!」

■視聴方法(予定)
9月18日(日)
午後5時40分~DEEP チャンネル-YouTube、U-NEXT、サムライTV

■ DEEP115対戦カード

<ヘビー級/5分3R>
酒井リョウ(日本)
ヤン・へジュン(韓国)

<DEEP & Black Combatライト級選手権試合/5分3R>
大原樹理(日本)
イ・ソンハ(韓国)

<DEEP & Black Combatバンタム級選手権試合/5分3R>
石司晃一(日本)
ユ・スヨン(韓国)

<DEEP JEWELS & Black Combat女子級アトム級選手権試合/5分3R>
大島沙緒里(日本)
パク・シユン(韓国)

<ミドル級/5分3R>
鈴木槙吾(日本)
チェ・ジュンソ(韓国)

<フェザー級/5分3R>
青井人(日本)
シン・スンミン(韓国)

<フライ級/5分3R>
駒杵嵩大(日本)
キム・ソンウン(韓国)

<バンタム級/5分2R>
力也(日本)
木下尚祐(日本)

<フライ級/5分2R>
杉山廣平(日本)
KENTA(日本)

<ライト級/5分2R>
涌井忍(日本)
倉本大悟(日本)

<フライ級/5分2R>
マサト・ナカムラ(日本)
亀田一鶴(日本)

<アマ68キロ契約/3分2R>
安井飛馬(日本)
菅涼星(日本)

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