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【Shooto2024#07】環太平洋王座決定Tで再起、野瀬翔平「今まで以上に組みを強化しています」

【写真】3度目のRTU敗戦から4カ月、プロデビューした修斗で出直す野瀬(C)SHOJIRO KAMEIKE

22日(日)、東京都文京区の後楽園ホールでShooto2024#07が開催される。今大会では空位となっている環太平洋バンタム級王座を争う4人制トーナメントが開幕し、野瀬翔平が人見礼王と決勝進出を書けて戦う。
Text by Shojiro Kameike

今年5月に三度目のRoad to UFCに挑んだ野瀬だが、初戦で韓国のユ・スヨンに判定負けを喫した。その野瀬が国内復帰に選んだ場所は修斗、しかも環太平洋王座決定トーナメントだ。RIZIN出場経験もあり、一方でUFCを目指し続けるのであれば海外のフィーダーショーという選択肢もあるなか、野瀬が修斗のベルトを目指すことになった理由とは。RTUのユ・スヨン戦を振り返るとともに、ベルト獲得に向けた現在の練習についても訊いた。


――今回、修斗の環太平洋王座決定トーナメントに出場します。5月に3度目のRTUで敗れたあと、国内のベルトを目指すというのは少し意外でした。

「弘中先生(弘中邦佳マスタージャパン代表)と話をして――RTUへのアタックが3回ダメだったので、もう一度国内で実績を積もうという結論になったんです。『国内のベルトを目指して、そこで負けていてはUFCに行くこともできない。だから国内で立て直そう』と。

じゃあ国内で、どこで試合をしてベルトを目指すのか。僕はアマチュア修斗からプロまでずっと修斗でやってきました。今回、その修斗のベルトを目指すトーナメントを組んでもらえて良かったです」

――「意外」と感じた一つの理由は、これまで野瀬選手が一度もベルトに挑んだことがなかった点です。さらに言えば、ランキングも上位ではなく。

「そうなんですよね(笑)。修斗で戦ってきて『上位ランカーと試合させてほしい』と言っている時に、ちょうどRTUの話が来たんですよ。そこでRTUを選ぶというのが2年続いて。ようやく神田(T800周一)選手に勝ってランキング入りした直後に、また3回目のRTUが決まり……それが修斗でランキングが上がらなかった理由です。

RIZIN、RTUで試合をしてきて、いきなり修斗のベルトというのも虫が良すぎるかもしれないですね(苦笑)。結局、僕は今までMMAをやっていて形になったモノが何もないんです。それもあって、まずは国内で修斗の環太平洋王座、さらに上のベルトを獲りに行こうという話になりました。今回は2回勝てば環太平洋のベルトを巻ける。だからモチベーションは高いです。さらに上のベルトも、その先も見据えた戦いになります」

――ある意味異例ともいえる3回連続RTU出場で、今年は初戦でユ・スヨンに敗れました。あの試合について振り返っていただけますか。

「もう3回目の挑戦だし、絶対に優勝してUFCと契約する。それだけ気持ちが入りすぎて、練習でも早く仕上がりすぎてしまいました。体も早く出来上がって、自分でギアも上げまくり、アドレナリンが出まくって練習でも動きまくってしまい……逆に良くなかったですね。そのために怪我もしてしまいましたし。

早い段階でピークが来るほど、気合いが入りすぎてしまいました。試合当日のパフォーマンスは悪くなかったと思います。もちろんユ・スヨンは凄く強い選手でした。ただ、今思えば自分も気持ちが入りすぎていました」

――確かにユ・スヨン戦もスタートダッシュは悪くないというか、むしろ良かったですよね。

「はい、最初にバックを取りかけたところまでは良かったです。でもそこから落とされて、逆にバックを奪われ、削られてから相手のペースになってしまいました。最初に良い形でバックを取ることができて、こちらが面喰った部分もありましたね。『おぉ、バックを取れちゃったよ!』みたいな(苦笑)」

――野瀬選手に苦手な部分があるとして、そこを突かれて負けたのであれば、また考えることは違ったかもしれません。しかしユ・スヨン戦は、野瀬選手の得意な部分で負けてしまった。試合直後、その点が一番気になりました。

「自分が組み負けてしまいましたからね。最後のラウンドは打撃で行っていれば、もしかしたら――という考えもあったかもしれないです。でも、それは『たら・れば』であって。

自分は組みを練習してきたので、最終ラウンドも組みに行ったことに後悔はないです。だから……帰国してから今まで、打撃を強化しようとは考えませんでした。もちろん普段から打撃は練習していますけど、それ以上に『ユ・スヨンに組み勝てるぐらいになりたい』と思って、今まで以上に組みにフォーカスして強化しています」

――それがファイターとしてのプライドですよね。では組み技の面で新しいことを取り入れるのか、あるいは今まで培ってきたものの精度を上げていくのか。

「一つ一つの技術の精度を上げることですよね。ユ・スヨン戦でも僕がバックを奪った時、前に落とされずに自分がポジションをキープして削っていたら、2Rめでも僕のほうが良いポジションを取れたかもしれません。今までの対戦相手なら、そこで極めることができた。でもユ・スヨンのような体格も技術もある選手なら、ここで攻めるより一度キープしたほうが良い。今はそういうことも意識しながら練習しています」

――いまやUFC本戦だけでなくRTUやDWCSでも、自分がやるべきことは分かっていても、それを判断しなければいけないスピードがどんどん速くなっている。とにかくMMAとしての進化が加速し続けています。

「そうなんです。ユ・スヨン戦も一瞬の判断ミスで、そのまま最後まで持っていかれて……まず練習から、もっともっと集中しないといけないと思っています」

――そのユ・スヨンも準決勝で得意の展開に持ち込み切れず、苦戦の末に決勝へ進みました。UFCを目指す戦いの厳しさを物語っています。

「あの準決勝を見て、『RTUの参加者は全員強いんだな』って思いました。でもあの展開で競り勝てるユ・スヨンは強いですね。戦った人間として、このまま優勝してUFCと契約してほしいです」

――なるほど。そして今回、修斗の試合が決まりSNSでは「役者が違う」と投稿していました。

「アハハハ。正直ここで苦戦しているようでは、今後について考えなきゃいけないと思っています。この2試合では圧倒的な差を見せつけて、ベルトを獲らないといけないですね。『これは野瀬がベルトを巻いて当然だ』と思われるような試合にしたいです。

これも正直に言うと、お互いのキャリアを考えたらベルトが賭けられたトーナメントでなければ、試合を受けていないぐらいの相手です。舐めているわけじゃないんですけど……」

――キャリアの差を考えたら、そう感じるのも仕方ないと思います。とはいえ、伝統派空手をベースとした鋭い打撃を持っているファイターです。

「未知な部分はありますけど、やはり打撃の踏み込みが速いですね。相手は一発効かせたい、僕は組んで極めたいという分かりやすい構図かなと思います。瀧澤戦と同じで、空手×柔術で先にどちらが自分の良さを出せるか。

国内のベルトを足掛かりにして、一番高いところに行きたいです。油断することなく、しっかりと格の違いを見せます」

■Shooto2024#07 対戦カード

<環太平洋バンタム級王座決定T準決勝/5分3R>
野瀬翔平(日本)
人見礼王(日本)

<環太平洋バンタム級王座決定T準決勝/5分3R>
川北晏生(日本)
ダイキ・ライトイヤー(日本)

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
西條英成(日本)

<ライト級/5分3R>
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)
西尾真輔(日本)

<ストロー級/5分3R>
黒部和沙(日本)
山上幹臣(日本)

<ストロー級/5分2R>
内藤頌貴(日本)
大城正也(日本)

<女子アトム級インフィニティリーグ/5分2R>
パク・ソヨン(韓国)
NOEL(日本)

<女子アトム級インフィニティリーグ/5分2R>
平田彩音(日本)
檜山美樹子(日本)

<フライ級インフィニティリーグ/5分2R>
大竹陽(日本)
ヤックル真吾(日本)

<バンタム級/5分2R>
平川智也(日本)
新井拓巳(日本)

<2024新人王決定T フライ級1回戦/5分2R>
手島響(日本)
直島弘昌(日本)

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【Shooto2024#07】国内3冠制覇へ、住村竜市朗が西條秀成と対戦。環太平洋王座決定Tに野瀬がエントリー

【写真】脱・塩漬けを果たした住村が国内3冠を目指して修斗のタイトルを狙う(C)MMAPLANET

9月22日(日)東京都文京区の後楽園ホールで開催されるShooto2024#07の第一弾カードが決定。現ウェルター級キング・オブ・パンクラシストの住村竜市朗×西條秀成、環太平洋バンタム級王座決定トーナメントを含む9試合が発表された。


2017年7月にDEEP(2022年5月に返上)、2023年12月にパンクラスでベルトを巻いている住村だが、2009年11月のプロデビューから4戦目までは修斗で試合を続けていた。今回は2010年12月の新人王決定トーナメント決勝戦=井上雄策戦以来、約13年9カ月ぶりの修斗凱旋となる。もちろん住村の目指すものはDEEP・パンクラスに続く修斗での王座戴冠で、今回は国内MMA3冠制覇に向けた第一歩となる試合だ。

対戦相手の西條はTHE BLACKBELT JAPAN(旧・Theパラエストラ沖縄那覇)所属で、プロ戦績は4戦4勝と無敗。昨年のウェルター級新人王で、現在は世界ランキング5位に名を連ねている。戦績こそ浅い西條だが今年5月には中国のMMA団体=YFU武林笼中对のジャン・シイジェンからTKO勝利を収め、6月には「UFC on ESPN58」に出場した平良達郎に帯同してエクストリーム・クートゥアでトレーニングするなど、幅広く経験を積んでいる。

直近2試合はいずれもパウンドによるTKO勝利で塩漬け上等から脱却した住村が、力強いテイクダウン&トップキープを武器とする西條に対して、どんな戦略を選んで戦うかが見どころの一戦だ。

また藤井伸樹が返上した環太平洋バンタム級の新王者を決定する4選手参加のトーナメント開催が決定した。出場選手のなかで最も注目されるのは野瀬翔平だろう。

今年2月のRIZIN佐賀大会では瀧澤謙太をグラウンドで圧倒してヒジ打ちによるTKO勝利を収め、3年連続出場となったRoad to UFCでは1回戦でユ・スヨンと対戦。一時はDEEP・Black Combat・NAIZA FCのアジア・バンタム級三冠王だったスヨンに敗れたものの、組み技・スクラングルで真っ向勝負し、ハイレベルな攻防を繰り広げている。

その野瀬はMMA戦績3勝1敗、2連続KO勝利中の人見礼王と対戦。逆ブロックでは4連勝中の川北晏生と直近では修斗&RIZINでキャリアを積むダイキ・ライトイヤーが対戦する。

■ Shooto2024#07対戦カード

<ウェルター級/5分3R>
住村竜市朗(日本)
西條秀成(日本)

<ライト級/5分3R>
マックス・ザ・ボディ(カメルーン)
田村ヒビキ(日本)

<環太平洋バンタム級王座決定トーナメント/5分3R>
川北晏生(日本)
ダイキ・ライトイヤー(日本)

<環太平洋バンタム級王座決定トーナメント/5分3R>
野瀬翔平(日本)
人見礼王(日本)

<バンタム級/5分2R>
平川智也(日本)
新井拓巳(日本)

<インフィニティリーグ2024フライ級/5分2R>
大竹陽(日本)
ヤックル真吾(日本)

<インフィニティリーグ2024女子アトム級/5分2R>
平田彩音(日本)
檜山美樹子(日本)

<インフィニティリーグ2024女子アトム級/5分2R>
パク・ソヨン(韓国)
NOEL(日本)

<2024年度新人王決定トーナメント一回戦ライト級/5分2R>
手島 響(日本)
直島弘昌(日本)

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45 MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2024#06 ヤックル真吾 亮我

【Shooto2024#06】亮我がヤックルをドミネイトして勝ち点2=合計5点に。11.30後楽園で須藤と対決

<インフィニティリーグ2024 フライ級/5分2R>
亮我(日本)
Def.3-0:20-17.20-17.20-18.
ヤックル真吾(日本)

開始早々、亮我が左右フックを振ってヤックルをケージに追い込む。ボディロックで組んだ亮我が小外刈りでテイクダウンした。左腕を差し入れて背中を着かせた亮我。ケージを使って立ちたいヤックルに対し、亮我がパウンドを連打しながらバックに回る。シングルバックの状態で亮我がヤックルの左腕を抑えた。

対するヤックルも亮我の右腕を掴んでいる。しかし右腕を抜いた亮我がパンチで削っていく。体重をかけてヤックルの体を伸ばす亮我は、ヤックルの側頭部にパンチ&鉄槌を連打する。バックマウントを整えた亮我がパンチの連打を浴びせると、ヤックルも暴れて逃れようとする。亮我が左腕を首に回すが、右腕は掴まれている。そのため亮我はワンハンドで絞め上げるも、ここでラウンド終了に。

最終回、ヤックルが一気に距離を詰めた。亮我のシングルレッグはスプロールされる。ヤックルの左アッパーから右ストレートがヒットすると、下がった亮我も打ち返す。様子をうかがうヤックルをダブルレッグで倒す亮我。両腕を差し込んだ亮我は、左右のヒジで削る。ヤックルが足を上げるも、亮我が腰を上げてヤックルの足を潰した。下から亮我の首を抱えるヤックル。そのまま亮我がトップキープから終了間際にパウンドを浴びせた。

ジャッジ2名がビッグラウンドを与える裁定で、亮我がユナニマス判定勝ち。これで亮我は勝ち点2(合計5点)を得て、次は11月30日の後楽園ホールで須藤晃大(勝ち点9)と対戦する。亮我は「絶対に俺が勝つので」と意気込みを語った。


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【Shooto2024#06】ヤックル戦へ、亮我「先生と一緒に修斗のベルトを巻いて、海外やRIZINへ」

【写真】アマ時代は修斗だけでなく、パンクラス、DEEPのFKTでも戦っていた亮我。プロデビュー戦は前田吉朗引退大会だった(C)SHOJIRO KAMEIKE

28日(日)、大阪市の阿倍野区民センター大ホールにて、Shooto2024#06が昼夜2部制で行われる。第2部(夜の部)では、インフィニティリーグ公式戦として亮我がヤックル真吾と対戦する。
Text by Manabu Takashima

2022年4月にDEEPでプロデビューした亮我は、修斗を主戦場とし、ここまで7戦無敗。新人王トーナメント決勝は相手の体調不良で不戦勝に。続くインフィニティリーグ初戦は、対戦相手が前戦で計量オーバーしたことにより出場停止処分を受けたため実現せず。8カ月ぶりの試合となる亮我が、自身の組み力、所属するゴンズジムと目標を語った。
Text by Shojiro Kameike


――昨年6月の谷中たいち戦ではバックマウントからハンマーロックを極め、11月の11月の神里昭吾戦ではバックマウントからパウンドアウトしました。このフィニッシュは、よほど組み技に差がなければできないと思います。

「組み力には自信があります。もともと打撃が好きで、ずっと打撃ばかりやっていたんですよ。組まれたら嫌やから離れる、という練習をやっていて。でも自分は組みが強いと気づいて――組みで勝負したほうが、実力差が出るし確実に勝てると思いました」

――キャリアのどの段階で、自分は組みが強いと気づいたのですか。

「2022年のDEEPフューチャーキングトーナメントに出た時は、まだ打撃しかできませんでした。気づいたのは、そのあとですね。UFCに組みが強い選手がどんどん出てきていたので、『組みが強い選手のほうがMMAでは強いんやな』という印象がありました。

名前を挙げればイスラム・マカチェフ、カムザット・チマエフのようなスタイルが好きで。打撃もできるし、組んだらメッチャ強い。今は中央アジア勢のスタイルが一番好きです」

――現在MMAではどんどんコントロールに対する評価が低くなっています。修斗でいえば先日の齋藤奨司×藤井伸樹戦は最たるもので。そのような採点基準に対して、組みの選手としてはどう感じていますか。

「う~ん……。トップを取る選手からすると、下から効かない打撃を出している選手に10-9がつくのは厳しいです。でも僕は組むとすぐに殴って、削ってから極めるというスタイルなんです。判定を考えると、テイクダウンしてから確実にパンチを当てていったほうが、ジャッジにもお客さんにも分かりやすい――という傾向はありますよね」

――亮我選手はテイクダウンしたあと、トップコントロールではなくバックテイクを優先し、バッググラブから殴る。試合では常にバックテイクを狙っているのですか。

「バックテイクというより、打撃を入れやすいポジションを優先しています。たとえばサイドポジションだと、ヒジを入れやすいじゃないですか。これまでもケージ際でテイクダウンして、ヒジで削りながら、相手が動いたところでバックマウントを奪うことが多いです」

――なるほど。ただ、ケージ際でテイクダウンし、立ち上がる相手に対してバックコントロールに入る。それはMMAにおいて定番の展開となっています。ただ、亮我選手の場合は相手が立ち上がる前に、バックマウントを整えている。バッククラブまでの展開が速い。

「やっぱり『殴りたい』という気持ちが強いんですよ。まずは相手の隙を探す。隙があったらポジションを奪って、殴る。そのおかげでバックマウントを奪うまでが速くなっているのかもしれないです」

――いわゆる「今の採点基準」でいうと、一番強いスタイルではないでしょうか。

「そうかもしれないですね。分かりやすく殴っていれば採点でも優位になるし、もちろん最後はフィニッシュしたいです」

――自身の組みの強さに気づいてからも、スタンドの打撃戦をやりたくはならなかったですか。やはり組みよりもスタンドの打撃戦のほうが華やかなイメージはありますし。

「それはメッチャ思いました。でも打撃戦ってリスクがあるじゃないですか。打撃スキルの差が小さいと、相手の攻撃も食らっちゃいますよね。それと比べて組みは実力差が出る。確かにスタンドの打撃戦は華やかやけど、やっぱり確実に勝つほうが良いと思うので。

一番は『組んだほうが強い、でも殴りたい。それやったら、組んで相手を動けへん状態で殴ればエェやん』という気持ちから、『組んで殴る』という融合になりました(笑)。相手を抑えこんでボコボコにしているほうが、圧倒しているようにも見えるし。それだけ圧倒している感じが好きなんですよ」

――なるほど。ゴンズジムには同期デビューの宇藤彰貴選手がいます。宇藤選手は稀有な打撃センスを持っていますよね。

「自分とは真逆なスタイルです(笑)。宇藤は1R数秒でKOしたりとか、本当に凄いですよ。宇藤のファイトスタイルは華やかで、観客を惹きつけるものだと思います。だけどMMAのスタイルは本当に人それぞれで、自分の中でスタイルチェンジに迷いはなかったです」

――同じジムで、ここまでファイトスタイルが異なることも不思議です。

「確かに、みんなスタイルが違いますね。今年プロデビューした中島陸(同じゴンズジム所属ファイター、ムテカツを父に持つ高校生ファイター)も全然スタイルは違いますし。

まず先生が『自分に合ったスタイルで戦うほうが良い』という考えなんですよ。陸の場合は手足が長いので、先生がUFCで似た体型の選手の試合を見せて『こういう戦い方もエェんちゃう?』と言ってくれていました。そうやって先生が選手一人ひとりのことを考えてくれているから、みんなファイトスタイルが違うんじゃないかと思います」

――亮我選手の場合、スタイルチェンジをしながら、どこかでハマッた感覚はありましたか。

「突然じゃなく徐々に、ですね。最初はグラップリングが嫌いやったんですよ。僕はもともと中学生の時にゴンズジムへ入り、一度辞めているんです。またジムに戻ってきた理由は、先生が厳しかったからで」

――先生が厳しかったから戻ってきた、というのは? 厳しかったら離れることのほうが多いと思いますが……。

「僕はあまり人の言うことが聞けない人間やったんです。そんな自分には『怖い存在が必要や』と思って」

――そこで怖い人=ゴンズイ代表であった、と(笑)。

「アハハハ、そうなんですよ。『グラップリングは嫌いやけど、先生の言うことは絶対やから』と自分に思い込ませて練習していたら、いつの間にかグラップリングが楽しくなって。おかげで以前よりは全然マシになりました」

――自分のことを理解し、より厳しい環境に身を置く。それは素晴らしいことだと思います。ちなみにプロキャリアもアマ修斗、新人王トーナメントからインフィニティリーグという、修斗としての王道を歩んでいます。新人王を獲得後、いきなり上位ランカーと試合がしたいとは考えませんでしたか。

「それは無かったです。誰でもいいから試合がしたい。とにかく試合数をこなして上に行きたい、というのが自分の考えです。特にインフィニティだと年間4試合は確定になる。いつ試合があるか分からない状態よりは、そっちのほうが良いと思いました」

――では次に対戦するヤックル真吾選手の印象を教えてください。

「インフィニティリーグの参加メンバーが発表された時は、ランキングは一番上でしたよね。打撃も寝技も巧い、穴が少ない選手というイメージを持っていました。でも以前から『ここは突かれるやろうな』と思っていた穴を、須藤選手に疲れていて(今年5月、須藤が1R19秒でKO勝ち)。須藤選手との試合を視て、脅威に感じることはなくなりました」

――それは同時に、普段の練習から自身のスキルアップを感じることができているからなのでしょうか。

「いえ、練習ではなく試合ですね。強い相手と戦って勝つことで、自分のレベルアップを感じます。どれだけ練習で強くても、それが実戦で出せるかどうかは別ですし」

――インフィニティリーグで他に注視している選手はいますか。

「須藤選手が一番ヤバイんやろうなと思います。打撃は凄いし、組みも確実さが増していて。そう考えると僕と似たところがあるんかな、と。でも負ける気はしないです」

――なるほど。インフィニティリーグを制すると、タイトルマッチも目前となってきます。その先については、どう考えていますか。

「海外で試合をしたいし、RIZINにも出たいです。ただ、一番の目標は『戦い続けること』なんですよ。何よりずっと戦い続けていきたいです。そんななかで僕は先生と一緒に修斗のベルトを巻いて、海外やRIZINからオファーが来るような選手になる。どんどん強い選手と戦って、自分の実力を証明していきたいですね」

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o PANCRASE UFC キック ヤックル真吾 修斗 内藤頌貴 堀内佑馬 平良達郎 新井丈 旭那拳 田上こゆる 藤井伸樹

修斗240519:第1部第5試合・関口祐冬 vs. 石井逸人

フライ級。

関口は現フライ級1位。2019年に現UFCファイターの平良達郎に判定負けしてから5連勝でトップをキープし続けたものの、2023年3月にストロー級との2階級同時制覇を目指していた新井丈のフライ級2戦目で対戦。タックルを切られて打撃を効かされる展開で、テイクダウンを奪えても新井に立たれ判定負け。同年7月の内藤頌貴戦、今年1月のヤックル真吾と、下位ランカー相手のサバイバルマッチを判定で凌ぎ切り、再びランキング1位の座を奪還している。

元環太平洋バンタム級王者の石井は2022年11月に藤井伸樹相手の防衛戦で、激闘となったが僅差のスプリット判定負けでタイトルから陥落。昨年4月には3年半ぶりにPANCRASEに参戦し、ランキング1位の井村 塁と対戦。1Rは石井がテイクダウンを奪い、スタンドでもバックを取る展開で攻勢だったものの、2R・3Rにはバックテイクを許し、決まらなかったもののリアネイキドチョークで攻められる場面を作られ判定負けで連敗。それを機に5年ぶりにフライ級へのカムバックを決意。8月には対戦相手の堀内佑馬の計量失格で試合中止となったが、12月の『プロ修斗公式戦 MOBSTYLES presents FIGHT&MOSH』では当時6位の内藤頌貴を2R三角絞めで絞め落として一本勝ち。試合後にはストロー級・フライ級の二階級同時制覇王者・新井丈への挑戦をアピールしている。

サウスポーの関口に石井はオーソドックス。左ストレートを振って牽制した関口。関口がオーソドックスにスイッチしたところでパンチで出る石井。ケージに押し込んだが、関口に脇を差されて離れる。再びサウスポーに構えた関口が左ハイ。キャッチしてテイクダウンした石井。すぐにバックに回り四の字ロックに。バックからパンチを打ち込んでいく石井。足の四の字ロックを解除した石井がハーフバックに。バックについたままヒジを入れると、関口の左腕に腕十字を仕掛ける。関口にディフェンスされると、再び四の字ロックに移行しバックをキープ。足を使ってロックを解除しようとする関口だが、1R残りわずかとなり、石井がバックから鉄槌を打ち込む。1R終了。

2R。再びサウスポーで構える関口がバックスピンキックで牽制。距離を詰めてきた。ガードを下げて誘う関口。石井のジャブはスウェーでかわす。オーソにスイッチして右オーバーハンドを入れた関口。スイッチを繰り返す。石井が詰めるとステップしてかわした。関口がニータップで飛び込んだが切った石井。オーソの関口がカーフキック。アッパーを出した関口に石井がタックル。そのままダブルレッグでケージに押し込むが、ケージでこらえた関口が石井のテンプルにヒジの連打!石井が前のめりに崩れるとパウンドを打ち込む。レフェリーストップ!

2R3分10秒、関口KO勝ち。

関口「新井くんみたいに連続KOしていたわけじゃないんですけど、タイトル戦の前に1位でちゃんとKOできたんで、いい喧嘩を売れるんじゃないかなって。次の試合(ストロー級の旭那拳 vs. 田上こゆる)でも喧嘩売られると思うんですけど、俺からも喧嘩売らせてください」と、王者の新井に対戦要求。

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【Shooto2024#04】杉本恵とストロー級王座決定戦、藤野恵実「諦めたくないです、色んなことを」

【写真】1980年11月17日生まれ、キャリア30勝まであと一つ(C)TAKUMI NAKAMURA

19日(日)、東京都港区のニューピアホールで昼夜興行として開催されるShooto2024#04では、第1部(昼興行)のメインで藤野恵実が杉本恵と修斗世界女子ストロー級王座を賭けて戦う。
Text by Takumi Nakamura

昨年のインフィニティリーグで優勝を果たし、王座決定戦に駒を進めた藤野。ベルトを争う相手=準優勝者はリーグ戦で唯一引き分けた杉本となった。リーグ戦を戦う中で練習環境がJAPAN TOP TEAMとして整備され、コンスタントに試合をこなすことでMMAファイターとして成長を遂げた。自身2本目のベルトへの想い、そしてMMAファイターとしての夢=UFCへの想いも語ってくれた。


――インフィニティリーグ2023を経て、今大会では杉本恵選手と王座決定戦が決まりました。リーグ最終戦(吉成はるかにKO勝ち)から今回の試合に向けて、どんなことを意識して練習してきましたか。

「基本は変えてないんですけど、JAPAN TOP TEAM(JTT)で体制が徐々に出来上がってきたので、いい練習ができていると思いますね」

――練習環境がJTTになって一番変化したところはどこですか。

「以前はチーム自体、それぞれみんな練習をやっている感じで、私も結構外部に出ることの方が多かったんです。特に女子は選手も少ないので、引き続き外部練習は続けているのですが、チームとして一体感が出てきたと思います」

――専門のトレーナーが増えたイメージですが、その辺りが変わったところですか。

「ヘッドコーチがしっかりいることが大きいです。今までヘッドコーチ不在で外部トレーナーだけだったのですが、エリー(・ケーリッシュ)がヘッドコーチとして来てくれて、きちんと(練習を)締めてくれるという形が出来上がりました。エリーは全体に目を配って、選手ひとりひとりのこともすごく見てくれていて、そういうヘッドコーチのもとで練習できているなっていうのはありますね」

――選手それぞれがやっていることをエリー・コーチがまとめるイメージですか。

「練習そのものというよりも、例えばエリーはスパーリングを全部見ていて、これができていたから次はここが課題だとか、試合が決まったら対戦相手を見て、こうしてこうとか、そういうことを提案してくれますね」

――スパーを見てアドバイスするコーチがいると練習の意識もかなり変わるのではないですか。

「今までは自分でやりながら津田(勝憲)に見てもらう形で、トレーナーが常駐しているわけではなかったので、そういうトレーナーがいることは大きいですね」

――言える範囲で気づいたこと・指摘されたことが何か教えてもらえますか。

「結局言っていることは津田と一緒と言えば一緒なんです。でも同じことを違う人から指摘されるということは、自分の課題が明確で分かりやすい。分かりやすいからこそ、その課題をもっと意識して直していかなきゃいけないんだろうなと思いますね」

――新しいことを取り入れるよりも、引き続き継続して直すべきところに着手している形ですか。

「はい。時期的に新しいことをやるというより、課題を直す形です」

――そういった意味では、リーグ戦に出場して、何が経験・プラスになりましたか。

「リーグ戦が始まった頃はまだJTTの体制が整っていなくて、津田のもとでずっと練習していた形だったんですね。リーグ戦出場を決めた理由が、試合数が多いというところで。今まで強い選手と試合したいと言い続けてきたんですけど、コロナなどの理由で試合間隔がものすごく空いちゃって。キャリア的にも、いつまで試合できるかも分からないなか、できるだけたくさん試合をしたいと思っていました。ちょうどそのときに修斗さんがリーグ戦の話をくれて、2カ月に1試合ペースで試合ができると。なかなかそういう経験はできないので、コンディショニングを含めて自分をどう作っていくか。そう思って参戦させていただきました」

――2023年4月~2024年1月までの約9カ月間で5試合を戦い、過去最多と言ってもいいくらい試合をしていますよね。

「MMAとキックを並行してやっていたときは両方合わせて年間5試合くらいやっていたんですけど、ある程度キャリアを重ねてからは一番やっていますね。周りからも体調的に体が持つのか、最初はちょっと心配もされたんですけど、意外と調子よく上げていけたんで、結果よかったなと」

――スパンが空くよりも試合が続く方が体は作りやすいですか。

「そうですね。基本的に練習をずっと続けているので、だらけずにすぐに気持ちを切り替えやすくて。なんか良かったですね」

――練習環境が変わり、試合をコンスタントにこなすなかで自分の中の変化は何か感じましたか。

「リーグ戦は2R制だったんですけど、最近は2R制の試合をやっていなくて。私は最初のラウンドをなかなか行けなくて様子を見ちゃうことも多くて、2R制だから最初から出し切ることは意識してやるようにしていました。スロースターターだった部分は少しずつ改善できたかなと思います」

――2R制の試合をやったことで戦い方の幅は広がりましたか。

「あとはインフィニティリーグだからというわけじゃないんですけど、より早いフィニッシュをしないと勝っても点数が伸びない・優勝できないかもしれないというのがあったので、そこは意識して早いフィニッシュをしたい、しようと心がけていました」

――藤野選手はMMAで40戦以上キャリアを重ねていますがまだまだ自分が変わるきっかけやポイントはありますか。

「まだできないこととかやるべきことが多いですし、現状維持で良いレベルではないので、どんどんやっていきたいなとは思っています」

――今大会ではリーグ戦で引き分けている杉本選手と5Rのタイトルマッチで対戦します。杉本選手にはどんな印象を持っていますか。

「戦績的に負けが少ない選手なので、手堅い印象がすごくありますね」

――試合をした時も手堅い印象でしたか。

「あのときはドローになっちゃったのですが、自分が1Rを取れたなと思っちゃったのが本当にダメで。それで(2Rは)多分いけたなと思って試合を終わらせてしまって、結果ドローになってしまったんです。そういう慢心じゃないけど、確実にちゃんと仕留めるとか明確なものを作らなければいけないと思いました」

――ジャッジペーパーを見直すと、1Rはジャッジ3名とも10-9で藤野選手を支持。2Rは2名が10-9で杉本選手、1名が10-9で藤野選手と票が割れる形でドローに終わりました。試合直後はどんな心境でしたか。

「私は『えっ!?』となったのですが、津田は2R取られたかもって言っていたんですよ。1Rは明確に取っているけど、2Rはどちらにつくか分からない、と」

――セコンドの判断はそうだったのですね。

「だから津田は2Rの最後に『行け!』と言って怒っていたんです。逆に私はもう大丈夫だと思って、明確な差をつけずに終わらせてしまったことがダメでした」

――次は5Rの王座決定戦で、微妙なラウンドでどちらにポイントが入るかで勝敗が分かれると思います。そのうえで明確にポイントを取る・優勢に見せるところもテーマになってきますか

「パンクラスでやっていた頃はオープンジャッジだったんで、正直やりやすかったんですよね。でもオープンジャッジじゃないと、どちらにポイントが付いたかは本当に判断が難しい。もちろんフィニッシュはしなければいけないんですけど、誰が見ても自分がしっかり取ったと思わせる試合をしないと、前回みたいなことが起こりうる。そう思ってやります」

――今回は修斗のベルトがかかった試合です。タイトルマッチという部分での想いはいかがでしょうか。

「まさかこんなに色々ベルトに挑戦させていただけるとは思ってなかったし、パンクラスでタイトルに絡んだあと、もうベルトに絡むことはないかなと思っていたので。ラッキーと言ったらあれですけど、ありがたい話だなと思いますね」

――今の藤野選手の年齢・キャリアで修斗のベルトを巻くことには、どのような意味があると思いますか。

「何回もタイトルマッチを経験しましたけど、ベルトが取れたのは1回だけなんです。今年でプロデビューして20年経って、私は元々何か格闘技のベースもあるわけでもないし、何かが上手いということもない。最近は若い選手もすごく勢いがあります。でも一生懸命、格闘技を続けていたら、形になるということを自分で証明したいと思います」

――20224年最初の試合ですが、2024年はどのような1年にしたいと思っていますか。

「UFCにいきたい! Road to UFCはなんで年齢制限あるんだよってずっと文句もあるんで(苦笑)。格闘技始めた時からの夢がベルトを取ること、あとはUFCに行くことなんです。それをずっと言い続けているけど、そこには行けないまま来てしまって。だからこれからも現役を続けられる限りは諦めたくないです、色んなことを」

■視聴方法(予定)
5月19日(日)
午後12時30分~ ABEMA格闘チャンネル

■対戦カード

<修斗女子ストロー級王座決定戦/5分5R>
藤野恵実(日本)
杉本恵(日本)

<ストロー級/5分3R>
旭那拳(日本)
田上こゆる(日本)

<フライ級/5分3R>
関口祐冬(日本)
石井逸人(日本)

<インフィニティリーグ2024フライ級/5分2R>
ヤックル真吾(日本)
須藤晃大(日本)

<2024年度新人王Tフライ級1回戦/5分2R>
前田壮吉(日本)
シモン・スズキ(日本)

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45 MMA MMAPLANET o Shooto Shooto2024#01 キック ヤックル真吾 関口祐冬

【Shooto2024#01】テイクダウンを有効に使った関口がヤックルにフルマークの判定勝ちを収める

【写真】(C)MATSUNAO KOKUBO

<フライ級/5分3R>
関口祐冬(日本)
Def.3-0:30-27.30-27.30-26.
ヤックル真吾(日本)

サウスポーのヤックルが距離を詰める、左インローを受けた関口が右を見せてスイッチした。左ストレートを見せた関口が左ロー、さらに左ストレートを伸ばす。ヤックルがオーソドックスにスイッチした。左を突きながら右を伸ばすヤックスが右ミドルへ。関口は左ハイ、左スイングを繰り出す。ダッキングから右ボディストレートを突き刺した関口は、両手を前に出してスイッチしながら、左を当てる。

さらに右ストレートがヤックルの顔面を捉えた。サークリングから左ハイ、左ローを蹴りと散らす関口は、ケージを背負いつつ左ストレートを伸ばす。ヤックルの右も関口の顔面をかすめている。右ミドルから右ストレートに繋げたヤックルは、さらに関口の左ローを左手でキャッチしながら右を当てた。ラウンド終了間際、関口がニータップでヤックルに背中を着かせた。

2R、互いにサウスポーで向かい合う。関口が左ストレートを繰り出すも、ヤックルのカウンターでバランスを崩した。右スピニングバックキックからサークリングする関口。ヤックルは左カーフキックを連打する。関口は右スピニングバックフィストから、スピニングバックキックへ。ヤックルの右ジャブも関口の顔面をかすめる。オーソドックスにスイッチした関口の右がヒットした。

スイッチ&サークリングから右スピニングバックフィストを見せる関口だが、打ち終わりにヤックルのパンチを受ける。関口が左を見せつつニータップでテイクダウンを奪った。下になったヤックルが関口の右手首を抑える。関口がヤックルの左手首を抑え返すが、ヤックルが左足を上げていく。関口が小さくスラムでヤックルを叩きつける。手首のクラッチを外した関口が左右のパウンド、さらに掌底を落としていった。

最終回、ヤックルがプレスをかけて左カーフキックを当てる。関口はサウスポーからヤックルの左カーフに左ストレートを合わせた。関口はサークリングから飛び込み、グラウンドに持ち込む。ケージ際でヤックルは足で距離を取り、立ち上がる。関口は右ジャブを当てるも、ヤックルのパンチも受ける。関口がニータップでテイクダウンし、ヤックルを抱えてケージ際まで運んだ。

パウンドを落としつつ、起き上がろうとしたヤックルの首に腕を回す。ヤックルがマットに背中を着けた。ヤックルは関口の手首を抑えるも、クラッチを切った関口がパンチを落としていく。スクランブルからバックに回ったヤックルは、関口の右足を抑え、さらにバックマウントを狙う。右足を入れることはできたが、関口がトップを奪ってガードの中に入った。ヤックルの頭をケージに押し込み、上がってくるヤックルの足を振り払い、掌底と鉄槌を落として試合を終えた。

裁定は関口がフルマークの判定勝利を収めた。しかし関口は内容に不満だったか、悔しそうな声を挙げながらケージを後にした。


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45 AB ABEMA DEEP JAM MMA MMAPLANET o RIZIN Road to UFC Shooto Shooto2024#01 TOMA UFC   チャンネル ヤックル真吾 ライカ 亮我 人見礼王 修斗 吉成はるか 大田ノヒロ 宝珠山桃花 宮城友一 新井丈 朝倉未来 杉本恵 松浦真実也 根井博登 永井奏多 藤井伸樹 藤野恵実 西川大和 鈴木崇矢 関口祐冬 須藤拓真 鶴屋怜 麻生Leg Lock祐弘 齋藤翼

【Shooto2024#01】17歳、根井博登─02─「高校生のうちにベルトを獲る。修斗の最年少記録を更新したい」

【写真】プロデビュー戦は沖縄大会。「新井丈とやりたい」という勝利後の発言は、鶴屋先生に言わされたそうです(C)SHOJIRO KAMEIKE

28日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるShooto2024#01-1で、ストロー級新人王決定トーナメント決勝で麻生Leg Lock祐弘と対戦する根井博登のインタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

数々のアマチュアMMAタイトルを制し、プロデビュー後は2勝1分で新人王決勝に進んだ根井。アマ時代からの実績から考えれば、決して満足のいく結果ではない。しかし、自身に足りないものを理解できている17歳は、すでに新人王の先を見据えている。


――パウンド無しのアマチュア修斗への出場と並行して、プロの試合に向けてパウンドの練習もしていたのですか。

「練習でパウンドを当てることはなかったですが、ポジションを取ってパウンドを打つ形の練習はしていました。しっかりとパウンドを当てたのは試合が初めてです」

――2023年のDEEPフューチャーキングトーナメント決勝も、根井選手のスタイルをよく表しているかと思います。対戦相手の氏原魁星選手が声を挙げながら脱出しようとしているのに対し、根井選手が無表情で削り続けるという。

「いやぁ、どうなんでしょう……(苦笑)。表情を変えないようにしていますが、実は試合中に焦ることもあります。アマ修斗全日本の1回戦目でトップを奪われたり、準決勝ではバックに回られて焦りました」

――その焦りが表情に全く表れませんね。これまで最も焦った瞬間は、どのシーンでしたか。

「プロデビュー戦です。開始早々に相手の右ストレートを避けたつもりが、鼻に直撃してメチャクチャ痛かったです(苦笑)。あの試合はずっと焦ったまま試合をしていました。なかなか自分に有利な体勢にも持っていけなくて」

――とはいえ、グラウンドに持ちこむとすぐにRNCを極めて勝利しました。これまでプロで3戦を経験し、2勝1分という戦績です。ご自身としては試合内容について、納得いっていますか。

「プロデビュー戦以外は、なかなか自分が有利な体勢に持ち込めていないです。2戦目は倒してもすぐ立ち上がられました。3戦目なんて自分がテイクダウンされ、下になったままだったので最悪の展開です」

――これだけアマ時代に実績がありながら、プロでは苦戦することもある。アマとプロで何か違いは感じましたか。

「う~ん、それが自分では分からなくて難しいです。ただ、プロの試合だけでいうと、2戦目は相手がストライカーでした。自分としては絶対に極めようと思っていたけど、極められずに……。自分はテイクダウンはできても、抑え込むのが下手だったと思います。

3戦目はグラップラーを相手に、打撃で攻めて判定勝ちしようと考えていたら、うまく行きませんでした。相手がテイクダウンに来ることは分かっているのに、自分は高く構えて、そのまま倒されたり。やっぱりアマチュアの時と比べたら、プロの試合では相手も立ち上がるのが巧いし、力も違いました」

――根井選手は16歳で仕方ないところかもしれませんが、まだ線が細いところはあるものの、体型がガッシリしていますよね。

「はい、筋肉は付きやすいほうだと思います。あと、父は高校2年生から5~6センチ伸びたらしくて、自分ももっと伸びたら良いなぁと考えています。これは変な考えかもしれないのですが、将来的にストロー級ではなくもっと重い階級で戦っていきたいです」

――別に変な考えではないでしょう(笑)。重い階級とは、どのあたりまで考えていますか。

「フライ級……できればバンタム級まで上げたいです」

――中学時代は鶴屋怜選手からレスリングを教わっていたそうですね。ご自身が指導を受け、フライ級でRoad to UFC決勝に進んでいる鶴屋選手の存在は大きいですか。

「存在は大きいです。でも強すぎて……自分は片腕でやられてしまうぐらい、レベルが違いすぎます。『今回も勝ったんだなぁ』と嬉しい気持ちになありますが、今のところ『自分もUFCに出たい』と考えられるようなレベルではないです」

――では現時点で、MMAを戦ううえでの目標を教えてください。

「RIZINに出て――お金が欲しいです」

――正直で良いと思います! ちなみに同年代の中で、RIZINをはじめMMAの認知度は高いのでしょうか。

「朝倉未来選手の人気が高く、その影響でRIZINを知っている人は多いです」

――周囲の同級生は、根井選手がMMAをやっていることは知っているのでしょうか。

「何人かは知っています。ただ、僕は人とコミュニケーションが取れなくて……友達がいなません(苦笑)。それでも『次の試合はいつ?』とか声を掛けてくれる人はいます」

――コミュニケーションの点も今後に期待しましょう! 次の対戦相手、麻生選手について印象を聞かせてください。

「印象——足関節ですね。最近は一つの技だけを突き詰めようとしている選手は少ないと思うんです。そういうタイプの選手と対戦できるのは貴重な経験なので、試合を楽しみにしています。面白いことをやってくる選手ですし、自分も対抗できるような面白い技を準備しています」

――新人王トーナメントで優勝した次のことは考えていますか。

「プロデビューしてから、西川大和選手が最年少でベルトを巻いたと知りました(※西川は18歳9カ月で修斗世界ライト級王座を獲得している)。僕の目標は高校生のうちにベルトを獲ることで、修斗の最年少記録を更新したいです」

■視聴方法(予定)
1月28日(日)
第1部 午後12時30分~ ABEMA格闘チャンネル
第2部 午後17時30分~ ABEMA格闘チャンネル             

■第2部対戦カード

<修斗環太平洋バンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]藤井伸樹(日本)
[挑戦者]須藤拓真(日本)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
藤野恵実(日本)
吉成はるか(日本)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
宝珠山桃花(日本)
杉本恵(日本)

<バンタム級/5分2R>
人見礼王(日本)
榎本明(日本)

<バンタム級/5分2R>
伊集龍皇(日本)
藤田ムネノリ(日本)

<ストロー級/5分3R>
黒部和沙(日本)
大田ノヒロ(日本)

<フェザー級/5分2R>
岡田逹磨(日本)
椿馨(日本)

<フェザー級/5分2R>
加藤裕彦(日本)
歩生(日本)

■第1部対戦カード

<フェザー級/5分3R>
TOMA(日本)
齋藤翼(日本)

<フライ級/5分3R>
関口祐冬(日本)
ヤックル真吾(日本)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
鈴木崇矢(日本)

<バンタム級/5分2R>
永井奏多(日本)
HAMMER KATU(日本)

<2023年度新人王Tストロー級決勝/5分2R>
根井博登(日本)
麻生Leg Lock祐弘(日本)

<2023年度新人王Tフライ級決勝/5分2R>
亮我(日本)
永留惇平(日本)

<2023年度新人王Tバンタム級決勝/5分2R>
JAM(日本)
磯城嶋一真(日本)

<2023年度新人王Tフェザー級決勝/5分2R>
松浦真実也(日本)
ネイン・ディネッシュ(日本)

<2023年度新人王Tライト級決勝/5分2R>
グ・ジユン(日本)
嵯峨“ゴーレム”健史(日本)

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【Shooto2024#01】須藤拓真相手に王座防衛戦。藤井伸樹「ONEがあっても修斗を見てくれる人たちが」

【写真】攻められるのではなく、凌げば気迫を追い込む展開に持ち込める。そんな15分になるのか(C)MMAPLANET

28日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるShooto2024#01-2で、環太平洋バンタム級王者の藤井伸樹が初防衛戦で須藤拓真と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

環太平洋王者として2023年を迎えた藤井だったが怪我などもあり、竹中大地とのノンタイトル戦=1試合のみ。その竹中戦も判定負けという結果に終わった。須藤との防衛戦は捲土重来をかけた、そして自分の殻を破るための一戦になる。


――大会まで一週間を切りましたが、対人練習はどのくらいまでやる予定ですか(※取材は25日に行われた)。

「金曜日までは軽く対人練習をやって、計量に臨もうと思います。身体の状態はいいので、試合のための練習はしっかりできたと思います」

――前回の試合は昨年7月の竹中大地戦(判定0-3で負け)でした。あの試合を振り返ってもらえますか。

「自分のやりたいことよりも相手にやりたいことをやらせてしまった試合だったなと。自分のペースに持っていけなかったです」

――試合中のどこでそれを感じましたか。

「1・2Rに組まれて倒されたあとに後ろにつかれて、抑え込まれた時間が長くて。その前の対処もできていなかったし、そうなった時の対応も良くなかったです。あの展開になる前に自分から攻めていくというか展開を作ることが出来ていなかったように思います」

――試合を見ていて藤井選手が後手に回らされている印象がありました。

「もっと攻めなきゃと思って自分からいこうとすると、その前に相手に先に先に持っていかれて。向こうの方が1Rから最後までペースを握っている展開の試合だったと思います」

――3Rは藤井選手がポイントを取る形でしたが、1・2Rを竹中選手が取っていたので、ある意味、竹中選手はフィニッシュされなければいいという余裕もあったかもしれません。

「それもあったと思います。僕的にも1・2Rは確実に取られていて、倒さない限りは勝てない状態だったので、相手はその前提で戦うことが出来たと思います」

――そういったゲームメイクという部分でやられたという意識はありましたか。

「竹中選手と話したわけではないですが、竹中選手は事前の作戦通りに戦っていたような気がします。そのなかでも僕は勝つためにやるべきことをやらなきゃいけなくて、3Rにやっと自分の展開に持っていくことができたのですが、それを1・2Rにできなかったんだと思います」

――そこを改善するための練習を続けてきましたか。

「いつも先に自分から攻めるというか、前に出ていくというか。そこをもっと強く意識しないといけない。焦っちゃいけないんだけど、しっかり集中して自分の戦いを最初から最後までやることを強く意識しないと…と感じました」

――対戦相手の須藤選手に対して、その印象を聞かせてください。組みの攻防になったら躊躇なく引き込んでサブミッションを狙ってくる。今のMMAには少ないタイプの選手です。

「全体的にレベルアップするための練習をしてきましたが、どちらかというと組みの部分を多くやってきました」

――強みと弱みがどちらもはっきりしているスタイルですが、試合展開はイメージできていますか。

「お互い相手の展開に持ち込ませないように戦う試合になると思います」

――今回は2024年最初の試合であると同時に環太平洋王座の防衛戦です。今年はどのような1年にしていきたいですか。

「まずしっかりこの試合に勝って防衛したいです。去年は1試合しかできなかったので、今年はコンスタントに試合をやっていけたらと思っています」

――試合数も含めて今年は逆襲の1年にしたいですか。

「はい。そのためにも今は目の前の試合に集中してしっかり勝ちたいです。僕もキャリアを重ねて一戦一戦がより大事になると思っているので」

――2019年以降の藤井選手は2連勝して3戦目で敗れるという繰り返しでした。。もう一歩突き抜けきれていない状況ですが、やはりそこを突破したいですか。

「それはもちろんあります。ここ数年は上手く結果が出ていない形になっているので、そこを自分の中で超える1年にしたいです」

――例えばそこを突き抜けられていないのは何が原因なのか。竹中さんの反省点にもつながる部分はあるのでしょうか。

「そうかなと感じることもありますし、技術的に足りないこともあると思います。ざっくりしたことになってしまうのですが、全体的にスキルアップしないと…ということですね。今は何が何でも勝ちたいです」

――同日にONEの日本大会が開催されます。そのうえで藤井選手がファンに見せたい試合とは?

「ONEがあっても修斗を見てくれる人たちがいて、また修斗を見に行きたい、藤井伸樹の試合を見たいと思われる試合をしたいですし、そのなかでしっかり勝って大会を盛り上げたいと思います」

■視聴方法(予定)
1月28日(日)
第1部 午後12時30分~ ABEMA格闘チャンネル
第2部 午後17時30分~ ABEMA格闘チャンネル             

■第2部対戦カード

<修斗環太平洋バンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]藤井伸樹(日本)
[挑戦者]須藤拓真(日本)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
藤野恵実(日本)
吉成はるか(日本)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
宝珠山桃花(日本)
杉本恵(日本)

<バンタム級/5分2R>
人見礼王(日本)
榎本明(日本)

<バンタム級/5分2R>
伊集龍皇(日本)
藤田ムネノリ(日本)

<ストロー級/5分2R>
黒部和沙(日本)
大田ノヒロ(日本)

<フェザー級/5分2R>
岡田逹磨(日本)
椿馨(日本)

<フェザー級/5分2R>
加藤裕彦(日本)
歩生(日本)

■第1部対戦カード

<フェザー級/5分3R>
TOMA(日本)
齋藤翼(日本)

<フライ級/5分3R>
関口祐冬(日本)
ヤックル真吾(日本)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
鈴木崇矢(日本)

<バンタム級/5分2R>
永井奏多(日本)
HAMMER KATU(日本)

<2023年度新人王Tストロー級決勝/5分2R>
根井博登(日本)
麻生Leg Lock祐弘(日本)

<2023年度新人王Tフライ級決勝/5分2R>
亮我(日本)
永留惇平(日本)

<2023年度新人王Tバンタム級決勝/5分2R>
JAM(日本)
磯城嶋一真(日本)

<2023年度新人王Tフェザー級決勝/5分2R>
松浦真実也(日本)
ネイン・ディネッシュ(日本)

<2023年度新人王Tライト級決勝/5分2R>
グ・ジユン(日本)
嵯峨“ゴーレム”健史(日本)

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【Shooto2024#01】ストロー級新人王トーナメント決勝へ。根井博登=2006年6月生まれ、17歳─01─

【写真】2006年6月25日生まれ。甲子園を目指す球児のよう──というのも、当然の高校生だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

28日(日)、東京都港区のニューピアホールで開催されるShooto2024#01-1で、根井博登がストロー級新人王の座をかけて麻生Leg Lock祐弘と対戦する。
Text by Shojiro Kameike

J-MMA史上、これだけのアマチュア戦績からプロデビューした選手がいただろうか。まずは根井がプロデビュー前年に築き上げた実績から見てほしい。

■根井博登 2022年主なアマチュアMMA戦績

3月20日 全日本キッズ&ジュニア選手権
ジュニア修斗 52キロ以下級優勝

5月15日 アマチュア修斗関西選手権
ストロー級優勝

5月29日 アマチュア修斗北信越選手権
ストロー級優勝

8月7日 アマチュア修斗中国選手権
ストロー級優勝

9月11日 アマチュア修斗関東選手権
ストロー級優勝

10月10日 アマチュアMMA全日本選手権Sクラスルールトーナメント
ストロー級メイントーナメント優勝

10月30日 全日本アマチュア修斗選手権
ストロー級優勝

さらに2023年2月にはDEEPフューチャーキングトーナメントも制し、その2カ月後には修斗沖縄大会でプロデビューを果たした。現在17歳——朴訥としながら幼さが残る喋り方の根井に、まずは幼少期から培われた格闘技キャリアを振り返ってもらった。


――根井選手は現在17歳で、格闘技を始めたのは何歳の時ですか。

「3歳の時です。当時は広島市に住んでいて、レスリングと一緒に柔術とキックボクシングも習っていました。柔術は藤田柔術で、キックボクシングはストライカージムというところに通っていました」

――レスリングだけでなく柔術とキックも! それは3歳ぐらいからMMAを戦うことを意識していたのでしょうか。

「いえ、そういうわけではなく――ずっとMMAというものは知らなかったです。もともと父が格闘技を好きで、いろんな習い事をさせてもらっていたらMMAに辿り着きました。小学生の時にはキッズ修斗に出ていたのですが、今みんながMMAと呼んでいるものを当時は修斗だと思っていたぐらいです」

――一般的に子供の習い事といえばスポーツ、音楽、学習塾など様々なものを掛け持ったりしますよね。それが根井選手の場合、格闘技に集中していたのですか。

「格闘技以外にも水泳、そろばんをやっていました。その中で一番成績を残せていたものが格闘技だったんです」

――それだけ習い事が多いと、1日にダブルヘッダーもありえますよね。

「はい。柔術をやったあとにレスリングの練習に行くとか、というのはありました」

――格闘技の習い事だけに絞ると、どの競技が最も割合は高かったのでしょうか。

「一番はレスリングで、次が柔術です。レスリングと柔術は試合にも出ていました。でもレスリングの割合は高いけど、試合では結果を残せていなくて……。柔術は――自分で言うのも何ですけど、まあまあ得意でした。JBJJFの全日本キッズでも優勝しています」

――キックボクシングの実績はいかがですか。

「キックはそれほど本格的にやっていなくて、あまり上手くなかったです(苦笑)」

――なるほど。広島市から引っ越してパラエストラ千葉ネットワーク(CNW)に入会したのは、いつ頃なのでしょうか。

「小学5年生の時です。東京に引っ越して、父が道場を探してくれました。レスリングも柔術もできる道場を探して、一番近い場所にあったのがパラエストラCNWでした」

――パラエストラCNWに入会した後も、メインはレスリングだったのですか。

「そうですね。キッズクラスだとレスリングと柔術だけで、MMAのクラスはなかったです。当時は僕も本気でレスリングをやっていきたいと考えていました」

――レスリングでオリンピックを目指す、と。

「小さい頃は、そう考えていました。でも小学校の高学年になると、なかなか勝てなくなっていたので、オリンピックまで行くのは諦めていました。それでMMAの試合に出るキッカケになったのは、高校受験です。

あの時、自衛隊の高校(陸上自衛隊高等工科学校)に受かったらレスリングを続ける――公立高校へ行くことになれば、アマチュア修斗に出ると決めて。結果は今も通っている公立高校へ進学することになったので、アマ修斗に出ることになったんです。そこから1年ぐらいかけてプロになりたいと考えていました」

――根井選手は2022年にアマ修斗の地区選手権4大会(関東、関西、北信越、中国)を制し、全日本でも優勝してプロ昇格しています。それだけの実績となれば、アマ修斗に出始めた頃から対戦相手とのレベル差を感じませんでしたか。

「もともとアマチュアで圧倒的に勝たないと、プロに行っても通用しないと思っていました。ただ、アマチュアの最後のほうは『この調子ならプロでも余裕で勝てるんじゃないかな』と思ってしまっていましたけど(苦笑)」

――アハハハ。アマチュア修斗の試合映像を視ると、当時から試合中の落ち着き振りが目立ちました。16歳とは思えないほど落ち着いていて。

「それはよく言われます」

――それは、もともと落ち着いているのか。あるいは試合だから落ち着こうとしているのか、どちらですか。

「自分でも大人しい性格だとは思うのですが、全日本までに試合経験を積むことができていたので安心して戦うことができていました」

――修斗では全日本で優勝すればプロ昇格は認められるでしょう。もしかしたら地区選手権を4大会制している時点で、プロになれたかもしれません。そのなかでアマチュアMMA全日本、DEEPフューチャーキングトーナメントにも出場した理由は何だったのですか。

「アマ修斗にはパウンドが無いからです。プロで試合をする前に、防具無しでパウンド有りの試合を経験したいと思いました」

<この項、続く>


■視聴方法(予定)
1月28日(日)
第1部 午後12時30分~ ABEMA格闘チャンネル
第2部 午後17時30分~ ABEMA格闘チャンネル             

■第2部対戦カード

<修斗環太平洋バンタム級選手権試合/5分3R>
[王者]藤井伸樹(日本)
[挑戦者]須藤拓真(日本)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
藤野恵実(日本)
吉成はるか(日本)

<インフィニティリーグ2023女子ストロー級/5分2R>
宝珠山桃花(日本)
杉本恵(日本)

<バンタム級/5分2R>
人見礼王(日本)
榎本明(日本)

<バンタム級/5分2R>
伊集龍皇(日本)
藤田ムネノリ(日本)

<ストロー級/5分3R>
黒部和沙(日本)
大田ノヒロ(日本)

<フェザー級/5分2R>
岡田逹磨(日本)
椿馨(日本)

<フェザー級/5分2R>
加藤裕彦(日本)
歩生(日本)

■第1部対戦カード

<フェザー級/5分3R>
TOMA(日本)
齋藤翼(日本)

<フライ級/5分3R>
関口祐冬(日本)
ヤックル真吾(日本)

<フライ級/5分3R>
宮城友一(日本)
鈴木崇矢(日本)

<バンタム級/5分2R>
永井奏多(日本)
HAMMER KATU(日本)

<2023年度新人王Tストロー級決勝/5分2R>
根井博登(日本)
麻生Leg Lock祐弘(日本)

<2023年度新人王Tフライ級決勝/5分2R>
亮我(日本)
永留惇平(日本)

<2023年度新人王Tバンタム級決勝/5分2R>
JAM(日本)
磯城嶋一真(日本)

<2023年度新人王Tフェザー級決勝/5分2R>
松浦真実也(日本)
ネイン・ディネッシュ(日本)

<2023年度新人王Tライト級決勝/5分2R>
グ・ジユン(日本)
嵯峨“ゴーレム”健史(日本)

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