【写真】本当に僅差、そしてムサが納得しているのは相当に疲弊して高揚感も無かったからか……(C)PFL
<ライト級T準々決勝/5分3R>
ヤクブ・ギャズバ(ポーランド)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ケイン・ムサ(英国)
昨年のEuro王者、11勝0敗のギャズバが連覇を掛けて、その一歩となるムサと対戦。左ハイを見せたギャズバが、飛び込んで左を振るう。距離を取ったムサの左フックに対し、ギャズバがシングルでドライブ。ハイクロッチで尻もちをつかせ、バックを伺う。左を差して耐えたムサが押し込み返し離れる。
左リードフックのギャズバは、ムサのテイクダウン狙いを切ってアッパーを入れる。さらにダブルレッグからダックアンダー、バックへ。バックコントロールで殴るギャズバは、左ヒザで顔面を狙う。ムサは正対して体を入れ替えて、ギャズバをケージに押し込む。パリのファンは大きなブーイングを送るなか、ギャズバは離れ際にアッパーを2発入れた。さらにダブルレッグでテイクダウンを奪い、背中を向けたムサは向きなおして左腕を指して立ち上がる。ムサはここでも体を入れ替えたが、効果的な攻撃はなかった。
2R、初回と同様に左ハイから入ったギャズバが、ムサの右にテイクダウンを狙う。これを切ったムサはサウスポーのスイッチし、左に頭を傾けた構えを見せる。オーソに戻したムサ、ギャズバがクリンチでヒザとアッパーを繰り出す。ギャズバは肩口に左ミドルハイを当て、距離が詰まるとクリンチへ。離れたギャズバが左ボディを決める。
さらにムサの左ハイに右を打ち込むが、続く右オーバーハンドにムサが組んでドライブ。ボディロックにも倒れなかったギャズバだが、間合いを取り直そうとしたところでアッパーとボディブローを被弾。動きが落ちたギャズバは、眉間もカットしている。ここでムサの左にダブルレッグを合わせたギャズバが、悪い流れを断ち切る試合巧者ぶりを見せる。立ち上がったムサは、離れて打撃戦に持ち込む機会を逸した。
最終回、ジャブで距離を詰め、左ミドルを蹴ったギャズバ。サウスポーのムサが左の前蹴りを連続で繰り出す。左アッパー、左フックで前に出るムサだが、ギャズバがパンチから組んでシングルレッグで押し込む。倒せず胸を合わせたギャズバは、押されている空気感のなかで頭がぶつかる接近戦から、組んでバックに回る。ムサは前方に崩され、シングルに移行されるが切ってショートのパンチを振るう。
ケージに押し込みながら左右のパンチを振るったムサに対し、ギャズバがダブルレッグからバックに回る。ムサは尻もちをつき背中を譲る。シングルからレッスルアップ狙いのムサはサイドバックから胸を合わせて立ち上がる。残り25秒、右を当てたムサがコンビの左を空振りし姿勢を乱す。ギャズバはクリンチも、体を入れ替えられ試合を終えた。
接戦、初回はギャズバ。2Rはムサ、最終ラウンドは打撃のヒットでなく圧でムサ、組んで姿勢を乱させたのはギャズバだが──果たして。結果はジャッジ3者とも29-28でギャズバを支持した。