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45 AB CJI MMA MMAPLANET o ONE strikeforce UFC YouTube アンドリュー・タケット クレイグ・ジョーンズ ニッキー・ライアン ニック・ロドリゲス フィオン・デイヴィス メイソン・ファウラー ルーク・ロックホールド ロベルト・ヒメネス 岩本健汰

【CJI】ジョゼフ・チェン、ニッキー・ロッド、ヒメネス、ファウラーが転出。元UFC世界王者も!!

【写真】ジョゼフが着用しているラッシュガード、AL LEONEはジョゼフやクレイグ・ジョーンズのスポンサーで、AIGAやアジアのADCCもサポートしている。ここもCJIに関わって来るのか(C)MMAPLANET

8月16日(金・現地時間)と17日(土・同)の両日、ネヴァダ州ラスベガスのトーマス&マック・センターで開催されるCraig Jones Invitational。80キロ以下&以上の2階級16人制トーナメント──優勝賞金100万ドル、出場すれば1万1ドルのファイトマネーが確約されるトーナメントへ、ADCC世界大会からの流出するファイターが現れつつある。
Text by Manabu Takashima

アンドリュー&ウィリアムのタケット兄弟、女子グラップリング界P4Pのフィオン・デイヴィスに続き、CJIがオフィシャルとして出場を明らかとしたのはルーク・ロックホールド、ニッキー・ライアン、ニック・ロドリゲス、ジョゼフ・チェン、メイソン・ファウラー、そしてロベルト・ヒメネスの6名だ。


うちジョゼフ・チェン、ニッキー・ロッド、ニッキー・ライアンの3選手はクレイグと同じB-Teamの所属。そしてジョセフは欧州トライアルの優勝者で、ニッキー・ロッド、ニッキー・ライアンは招待選手としてADCC世界大会出場がアナウンスされていた。

ファウラー& ヒメネスにしても共に99キロ級の招待選手だったが、CJIに鞍替えをしたことになる。ジョゼフはアンドリュー・タケットと並び77キロ級の未来といえる存在で、ヒメンスは昨年のIBJJFノーギワールズの無差別級優勝者、ニッキー・ロッドはADCC世界2大会連続のシルバーメダリストで3月のUFC FPIではヒメネスを下している。

ロックホールドは説明するまでなくUFCとStrikeforceの世界ミドル級チャンピオンで、実は紫帯と青帯時代にノーギワールズを制している。

イベント開催から1週間を待たずして、B-Team所属の有無に限らず実力者たちの出場決定が始まったCJI。ジョゼフとアンドリューとはライバル関係にあると言っても良い岩本健汰もB-teamで出稽古を続けており、その一派といっても過言でない。果たして岩本の決断は?

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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC FPI06 キック ゴードン・ライアン ニッキー・ロドリゲス ペドロ・マリーニョ メイソン・ファウラー

【UFC FPI06】本戦でマリーニョを動かせ、延長でポイント奪取から肩固め。ファウラー快勝

<215ポンド契約/8分1R>
メイソン・ファウラー(米国)
Def.ExR3分14秒by 肩固め
ペドロ・マリーニョ(ブラジル)

頭の取り合いから、軽くダブルレッグを狙ったマリーニョ。続いてアームドラッグを狙い、足払いを仕掛ける。場外際から中央に戻された両者、直後にマリーニョが小外刈りでテイクダウンを奪い、下になったファウラーのニーシールド・レッグロックを潰す。パス狙いのマリーニョに対し、ファウラーはラバーガードをセットしつつ足を跨がれるとオモプラッタへ。マリーニョはここ即反応して腕を抜き、ファウラーもニーシールドを取り直す。

重厚な一戦は、ファウラーが尻を引いてスタンドに戻り仕切り直しに。残り5分30秒から立ちレスの展開が続き、マリーニョは再び小外刈りでファウラーを転がす。ここはグラウンドにいかず、立ち上がったファウラーの押し込みをいなすマリーニョに「アクション」の声が掛かる。頭をとりにいく動きがスラッピングに、足払いはローキックに近くなり両両者が熱くなっている。マリーニョは飛びつき十字、跳びつきギロチンを仕掛ける。

とレフェリーが「スラッピング、キックはするな」と両者に注意が入る。マリーニョが三度、小外刈りを決めるも立ち技が続く。両者にアクションが入り、マリーニョがジャンピンガードからハーフも場外際となりマット中央&スタンドで再開される。再び引き込み、背中をつけたマリーニョ。今度はマリーニョが下のままで、センターでリスタートに。しかし残り45秒──クローズドガードのマリーニョに対し、フォウラーが足関節を仕掛ける。逆にマリーニョも足関節を狙うと、ファウラーがロールしながらヒザを抜いて時間となった。

延長戦、すぐにシングルレッグでテイクダウンしたマリーニョだが、3秒間グラウンドでコントロールできずポイントはない。逆にシングルでテイクダウンのファウラーは、ギロチンを防いでテイクダウンの2Pを獲得。サイドで抑えたファウラーは、しっかりと抑ええるとダースを仕掛けつつ上四方へ。背中をつけたままに腕を通さないマリーニョは、足を戻す。ここからファウラーはパス&マウント奪取で6-0とリードを広げる。

肩固めでフィニッシュ狙いのファウラーが、2度目のセット&スライドも極め切れない。ここで場外際から中央で再開となり、ファウラーは十分の形となりタップを奪う。FPIで5連勝のファウラーは「ずっとゴードン・ライアンを戦いたいと思っていたけど、今はニッキー・ロドリゲスと試合がしたい」と話した。


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45 AB BELLATOR LFA MMA MMAPLANET o ONE UFC UFC FPI06 YouTube クレイグ・ジョーンズ コディ・スティール ジェイ・ロドリゲス ジジ・カヌート ニコラス・メレガリ ニッキー・ロドリゲス ベン・エディ ペドロ・マリーニョ ホナウド・ジュニオール マテウス・ジニス メイソン・ファウラー ラケル・カヌート ラファエル・ロバトJr ロベルト・ヒメネス

【UFC FPI06】まもなくクレイグ×ロバトJr、ニッキー・ロッド✖ヒメネス。ジジにベン・エディらが競演

【写真】UFC昇格とはならず、FIGHT PASS Invitationalで実力発揮といきたいジジ・カヌート(C)LFA

3日(日・現地時間)、これから1時間半後にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC Fight Pass Invitational06が開催される。いわばMMAの最高峰が開催するプロ・グラップリング大会には毎大会強豪グラップラー、MMAファイターらが出場している。
Text by Manabu Takashima

10分間のADCC、15分間のWNO、10分間のIBJJFノーギ、12分のONEとも違い8分1R(※上位カードは10分1R)のUFC FPIは前回大会より延長になるとEBIのタイブレーク方式から、4分ないし5分のオーバータイム制が採用されるようになった。


いわば視覚的にもよりスピーディーさが求められるような空気があるなかで、今回は上位3カードが無差別の戦いでクレイグ・ジョーンズ✖ラファエル・ロバトJr、ニッキー・ロドリゲス✖ロベルト・ヒメネスなど、一言で組み技といっても戦いのフィロソフィーに明確な違いがあるマッチアップが揃った。

新足関節時代からレッスルアップ、トップゲームとウェルラウダーのなかで急激な技術の変遷があり、そこを地で行き、今や特別なステージでしか試合を見ることができなくなったといっても過言でないジョーンズ。対してロバトJrはMMAに通じるオールドスクール柔術で、Bellatorの頂点に立ち様変わりした組み技シーンに戻ってきた。

フォークスタイルレスリング&柔術の融合、現状の最先端──というべきかADCCで一番勝てる戦いができるニッキー・ロッドに対して、ロベルト・ヒメネスも23歳という年齢には不釣り合いなオールドスクール、こちらは下から創りあげる道着のない柔術を実践するグラップラーだ。

昨年6月のFPI04で対戦した時にはEBIタイブレークのファーステスト・エスケープでニッキー・ロッドに軍配が上がっているが、今回はどうなるか。

中盤と下位カードでもメイソン・ファウラー✖ペドロ・マリーニョというSUBを思わせるカード。LFAで暫定女子ストロー級王座獲得に失敗し、UFCではなく日本上陸を目論むアブダビ・プロ優勝のジジことジオヴァナ・カヌート、元祖ヒンドゥーガード&10thPlanetの鬼才ベン・エディと非常に多彩なメンツが揃ったUFC FPI06、90分後に開演となる。

■視聴方法(予定)
3月4日(日・日本時間)
午前11時00分~UFC FIGHT PASS

■対戦カード

<アブソリュート級/10分1R>
クレイグ・ジョーンズ(豪州)
ラファエル・ロバトJr(米国)

<アブソリュート級/10分1R>
ニッキー・ロドリゲス(米国)
ロベルト・ヒメネス(米国)

<アブソリュート級/8分1R>
ニコラス・メレガリ(ブラジル)
マテウス・ジニス(ブラジル)

<215ポンド契約/8分1R>
メイソン・ファウラー(米国)
ペドロ・マリーニョ(ブラジル)

<175ポンド契約/8分1R>
ホナウド・ジュニオール(ブラジル)
コディ・スティール(米国)

<ミドル級/8分1R>
ジェイ・ロドリゲス(米国)
マテオ・カルドナ(米国)

<女子フライ級/8分1R>
ジジ・カヌート(ブラジル)
デニージ・ゴミス(ブラジル)

<165ポンド契約/8分1R>
ベン・エディ(米国)
シェーン・シャピロ(米国)

<女子フェザー級/8分1R>
ラケル・カヌート(米国)
カロル・ホザ(ブラジル)

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MMA MMAPLANET o UFC メイソン・ファウラー ルーク・グリフィス

【UFC FPI03】メイソン・ファウラー、決勝ではオーバータイムで絶対的強さ見せ──グリフィス下し優勝

<アブソリュート級T決勝/8分1R>
メイソン・ファウラー(米国)
Def.OT by 21秒Fastest escape time
ルーク・グリフィス(米国)

引き込んだグリフィスがZハーフを取る。手首を取りつつ、一気にパスを決めたファウラーが上四方で抑える。両足を振り、暴れてスクランブルに持ち込もうとしたグリフィスをサイドで抑えたファウラー。左足でグリフィスの頭を跨ぎつつ、フレーム&グリップを切りに掛かる。後転してエスケープを図ったグリフィスだが、ギロチンを合わされ背中をつけ直す。

ここでも足を戻させない上手さを見せるファウラーは、マット中央に移動すると上四方で削る時間が続く。懸命フレームを取り続けたグリフィスだが、頭を抱えられグリップが切れると即ファウラーにマウントを取られる、奪取する。腰を押したグリフィス、ファウラーは下になるとラバーカード、チリドッグから四角、デットオーチャーには移行できず時間に。ファイナルはOTにもつれ込んだ。

先攻グリフィスがシートベルトも、ファウラーは13秒でエスケープする。後攻ファウラーもシートベルトを選択するとフェイスロックへ。半身になり防いだグリフィスは33秒で逃れた。

OT2R、シートベルトのグリフィスが四の字フックで固めるも、ファウラーは20秒で胸を合わせた。1R分エスケープタイムでリードしているファウラーは、今度は16秒で逃げられた。

OT3R、ここもシートベルトを選んだグリフィンだが、ファウラーは僅か6秒で逃れた。コントロールタイムで既に9秒リードしていたファウラーの優勝が決まったかと思われたが、OTは続行され12 秒コントロールしたファウラーが、結果21秒のリードでSUG王者らしくOTにおける絶対的な強さを見せてトーナメントを制した。「マットとの初戦が一番プレッシャーがあった。ここで負けると10年言われ続ける」と勝者は語った。


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MMA MMAPLANET o UFC メイソン・ファウラー

【UFC FPI03】今度は10thPlanet柔術。ファウラーがラバーから三角極めてガウジオ破る

<アブソリュート級T準決勝/8分1R>
メイソン・ファウラー(米国)
Def.2分32秒by 三角絞め
パトリック・ガウジオ(ブラジル)

スタンドで頭を抱えられたガウジオが、引き込む。ハーフのガウジオが腰を切り、ファウラーが立ち上がって反応する。ファウラーはハーフガードにもパスを決め、スクランブルでバックを狙うが前方に落とされる。下になったファウラーはラバーガードを狙いつつ、挟まれていた左足を引き寄せると、即トライアングルへ。足を抱えられ、下にされたガウジオは敢え無くタップした。


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MMA MMAPLANET o UFC パット・シャウゴリ メイソン・ファウラー

【UFC FPI03】噂のヒザ破壊神童シャウゴリは、メイソン・ファウラーの王道柔術&腕十字に一本負け

<アブソリュート級T準々決勝/8分1R>
メイソン・ファウラー(米国)
Def.4分58秒by 腕十字
パット・シャウゴリ(米国)

すぐに座ったシャウゴリが足を絡ませていく。警戒して立ち上がり、続いて正座状態を創るファウラーはもう一度スタンドに戻り一気にパスから上四方で抑える。シャウゴリの取らせない力がどこまであるか。ファウラーは腕を狙いつつ、しっかりと抑え「アクション」の声がレフェリーからかかる。

腰を押すシャウゴリが足を振り上げると、ファウラーはワキをすくってキムラを狙う。シャウゴリは防ぐが、足を戻せず得意の50/50を創る展開に持ち込めない。上四方からワキを取るファウラーが、一気にマウントを奪う。残り3分30秒、キーロック狙いのファウラーがステップオーバーして腕十字へ。立ち上がろうとしたシャウゴリの左腕をしっかりと取ったファウラーは、頭を跨いできた腕を引き寄せる。シャウゴリは、前転と同時に正対しようと試みたものの頭を刈られるとタップした。


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ADCC2022 MMA MMAPLANET o ONE UFC クレイグ・ジョーンズ ゴードン・ライアン メイソン・ファウラー ヴィニー・マガリャエス

【UFC FPI03】UFCの本丸でグラップラーによるグラップリングショー開催。主役はゴードン・ライアンだ

【写真】ADCCに続き、ラスベガスで戦うゴードン・ライアン。本丸APEXでワンマッチはグラップリングが見せるスポーツに昇華しつつある証か (C)SATOSHI NARITA

15日(木・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC Fight Pass Invitational 03が開催される。

ワンマッチの目玉はADCC2022でスーパーファイト及び、99キロ級を制した──4年2カ月負け知らずのゴードン・ライアンが、ヴィニー・マガリャエスと対戦する。その無敵のゴードンに最後の土をつけたのが、マガリャエスだ。


両者は2018年9月にカリフォルニア州ロングビーチのUCLAピラミッドで行われたACB JJ13で対戦。ゴードンはマガリャエスのシングルレッグに引き込み、テイクダウンの2Pをまず献上すると、オーバーフックでストレートアームバーを狙った際にパスを許して5-0で敗れた。

もちろん今回の試合はサブオンリーで、これらの失点は計上されない。さらにいえば、ADCCでの無敵振りを見る限りゴードンはマガリャエスとの敗北した時より、トータル面で段違いに強くなっている。今回はサブオンリーでも、その総合的な強さという部分でここ最近ではSUBでメイソン・ファウラーやクレイグ・ジョーンズに敗れ、ADCCでも初戦敗退だったマガリャエスとは勢いも実力も違いがあると見て妥当だ。

UFCファイトパスがグラップリングに力を入れてきたのは、チーム戦でもMMAファイターを大挙揃えたイベントでなく、ガチすぎる8名が参加する無差別級トーナメントを実現させることでも明らか。

MMAファイターの余暇でない、グラップリングイベントがAPEXで開かれることは、Do Sportsの域を越えつつある表れといえよう。そして、マガリャエスとのリベンジ戦を組んだのはUFCがThe KING=ゴードン・ライアンをグラップラーの強さの象徴として認めた証といえる。

ONEが格闘混合イベントのなかでグラップリングに力を入れるのとは別に、UFCがグラップリング単体のショーを平日ながらベガスの本丸で開き、全世界に配信する。2022年12月15日は、グラップリングの歴史において最重要な1日になるやもしれない。

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ADCC2022 MMA MMAPLANET o WNO15   エオガン・オフラナガン シャンジ・ヒベイロ ジェイ・ロドリゲス ジャンカルロ・ボドニ マテウス・ジニス メイソン・ファウラー ルーカス・バルボーザ

【ADCC2022】88キロ級 次々と現れる組み技界の未来=ジャンカルロ・ボドニ─準決勝までの勝ち上がり

【写真】柔術とレスリングが見事に調和されたボドニ。上でも下でも勝てるスタイルは、ADCCルールとサブオンリーの両ルールでも同様の活躍が見込める選手だ(C)SATOSHI NARITA

9月17日(土・現地時間)&18日(日・同)にラスベガスのトーマス&マック・センターにて開催された2022 ADCC World Championshipが開催された。
Text by Isamu Horiuchi

ADCC史上、他のグラップリングイベントの追随を許さない最高の大会となったADCC2022を詳細レポート。第12 回からは88キロ級──まずはジャンカルロ・ボドニ×エオガン・オフラナガンの準決勝の模様と両者の勝ち上がりをお伝えしたい。

北米予選覇者のジャンカルロ・ボドニは、ベウナウド・ファリアの教えを受けてアリアンシの黒帯を取得し、昨年からジョン・ダナハー門下に移った選手。昨年のノーギパンナムでルーカス・バルボーザを倒した実績が光る。

7月のWNO15におけるジェイ・ロドリゲス戦ではグラップリングの未来といえる柔術とレスリングの融合体を見せてジャッジ3人の支持を得て勝利した試合も印象深い。

そのボドニは1回戦で元柔術世界王者のイザッキ・バイエンセと対戦。

巧みなシッティングガードやハーフガードでバイエンセの上からのプレッシャーに対抗。足関節合戦からのスクランブルで背後に回ってフック入れて3点を先取すると、一度フックを緩めてから入れ直してさらに3点追加。バイエンセの左腕を足で封じた状態でチョークを狙い続けて6-0で完勝した。


続く2回戦では前回王者にして優勝候補筆頭と見られたマテウス・ジニスとボドニは相対することに。

序盤にアームバーからニータップにつないでテイクダウンを奪いパスまで決めたボドニは、加点時間帯に入ってから場外際のスクランブルでボディロックを取り、ブレイク後に中央から再開されると直後にテイクダウンに成功。さらにニアマウントから腕十字を狙い、最後は三角絞めを完全にロックオンして本戦で一本勝ちを収めた。

バイエンセ&ジニス、柔術&グラップリング界の超ビッグネーム2人に完勝という驚くべき快挙を成し遂げて、絶好調のボドニは準決勝進出を決めたのだった。

そのボドニの相手はヨーロッパ予選覇者にして、こちらも前日に2戦連続で大物食いを果たして世界を驚かせた英国のエオガン・オフラナガンだ。

1回戦、下から柔軟なガードでレジェンド中のレジェンドであるシャンジ・ヒベイロのプレッシャーに対処したオフラナガンは、足関節攻撃でむしろ優位に本戦を終えた。

延長ではシャンジのタックルをギロチンで切り返したオフラナガンは、バックにまわってフックを入れて先制点。その後シャンジに脱出されるも、柔軟性を存分に活かしたガードワークと巧みな足関節の仕掛けをもってシャンジに反撃を許さず、3-0で完勝した。

続く2回戦も、オフラナガンは柔軟性を利したガードワークをもってメイソン・ファウラーのトップからの攻撃に対処。ファウラーが上から外ヒールを仕掛けてきたところを内ヒールで切り返し、最後は両腕を組むような形で極めてみせた。

世界的には比較的無名の存在ながら、大ベテラン世界王者のシャンジ、SUG王ファウラーを連覇したオフラナガンは、今大会のブレイクアウト・スターの1人といえるだろう。

<88キロ級準決勝/10分1R>
ジャンカルロ・ボドニ(米国)
Def. 2分18秒by トーホールド
エオガン・オフラナガン(英国)

揃って大物2人を撃破し勢いに乗る両者の準決勝。試合後すぐ座ったのはオフラナガンの方。自分の両足の間にあるボドニの右ヒザ裏を外から抱え、崩しながら下の足を抜いてサドルに入るフォールス・リープを狙うが、ボドニは同時に回転し、絡んでくる左足を両手で押し下げて回避する。

さらに絡もうとするオフラナガンの足を丁寧に捌くボドニは、やがて体勢を低くして上半身でオフラナガンの足を潰しにかかる。が、オフラナガンはインバーテッドから柔軟な股関節を利用して足をこじ入れて、回転しながらサドルを作る。

ここからが足関節を熟知しているダナハー門下のボドニの真骨頂だった。アフラナガンの動きに冷静に付き合うと、絡まれている足の支点をヒザより下に持ってきてから、改めて手で押し下げて絡みを解除し、再び低く体重を預けてゆく。オフラナガンは再びインバーテッドから鋭く回転してサドルへ。が、ここもボドニは落ち着いて回転しつつ、外掛けで絡むフラガナンの左足を右手で抑えて防御する。

それでもオフラガナンが左足を絡めようとするが、ボドニはその左足を左手で抱えて自らの胸部にかかとを付けると、右手を内側から入れて(自らの胸部とかかとの接着面を支点に)足首を捻りあげる。フリーだった左足首を突然極められたオフラガナンはすぐにタップ。ボドニはしてやったりと言わんばかりにニヤリと笑ってみせた。

今大会一躍注目の的となったオフラガナンの下からの攻撃に対し、抜群の安定感のベースを軸に慌てず騒がず、きわめて落ち着いた様子で対処し、段階を踏んで着実に潰していったボドニ。

その姿は、技の一つ一つの工程を丁寧に説明する師匠ジョン・ダナハーの教則映像の如しであった。そして最後は、人体の関節の構造を知り尽くしたかのようなカウンターの足関節。この階級では今まで見たことがないような類の緻密な技術を披露し、ボドニが決勝に進出した。

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ADCC2022 MMA MMAPLANET o ONE WNO Championships   ガブリエル・ソウザ コナー・マクレガー ジオゴ・ヘイス ジオ・マルチネス ファブリシオ・アンドレイ マイキー・ムスメシ メイソン・ファウラー 堀内勇 高橋SUBMISSION雄己

【ADCC2022】ADCCを深掘り─01─/高橋Sub&堀内勇。66キロ級はレス&柔術力でファブシリオ&ジオゴ

【写真】22歳のファブシリオ・アンドレイと比較すると20歳のベイビーシャークの童顔ぶりが凄まじい(C)CLAYTON JONES/FLOGRAPPLING

17日(土・現地時間)&18日(日・同)にラスベガスのトーマス&マック・センターで開催される2022 ADCC World Championship。2年に1度のグラップリング界最大のトーナメントが、コロナの影響で3年振りに開催される。

グラップリング界においても特殊なポイント制が用いられながら、世界最高峰の組み技の祭典を高橋Submission雄己とMMAPLANETグラップリング・ライター堀内勇氏が、独断と偏見と愛情をもって深堀り。第1弾は天才2人を中心に66キロ級について語ってもらった。


――昨年のWNO Championshipsに続き、1年振りに高橋選手と堀内さんに、グラップリング大会の見所を語ってもらうことになりました。まずはADCC世界大会、、まずは66キロ級からお願いします。

堀内 自分は予習でFight&Lifeの高橋選手のADCC2022ガイドを読ませていただいて、さすがの見立てというか。ファブリシオ・アンドレイのことを分かっていなかったのですが、記事を読んでチェックしてみたら『これはレスリングが強いわ』と(笑)。ADCCのルールを考えた時に、ファブリシオが本命というのは反論のしようがないと思いました。

だからこそ、僕はファブシリオのチームメイトでもあるベイビーシャークことと、ジオゴ・ヘイスに注目したいと思います。

──体のバネが異様にありますよね。

堀内 そこを頭に入れてMMAPLANETの読者の方には、彼の動画でのインタビューを見て欲しいのですが、本当に童顔なんです。中学生ぐらいにしか見えなくて、声変わりもしていない(笑)。ミカ・ガルバォンも含め、ファブシリオとジオゴ・ヘイスは同門なんですが、ミカが「米国のファミレスで食事をした時に、ジオゴ・ヘイスにキッズ・メニューが渡された」と話していて。

高橋 アハハハハハ。

堀内 今回の66キロ級はマイキーがいなくなったことで、強い選手はブラジルの若い選手に集約されたような状態ですけど、ジオゴ・ヘイスの可愛らしいキャラを認知していただければと。試合に関していうと南米予選の1回目の方を視ましたが、準決勝の同門対決でファブリシオに足関節で勝っています。でも、アレはいつも取ったり、取られたりしている延長戦上にあるものかと思いました。

それより決勝のジエゴ・パト戦、世界最高のガードプレイヤーのパトを相手に後半の加点時間帯のレスリング合戦になると、体力とレスリングの圧力でベイビーシャークの方が上回ってきて。反応が悪くなったパトからバックを奪いかけて優勢勝ちしました。

あの試合を見て、パトは再戦が実現しても正直勝てないと思いました。コレをやられると防ぎようがない。ADCCに必要なレスリングの消耗戦での強さをこの子は持っていますね。ADCCのレスリングってテイクダウンをされても、亀になって3秒過ぎればテイクダウンが無効になります。だからなかなかテイクダウンポイントが入らず、永遠にレスリングが続きます。

そういう風な展開になると、ファブシリオとジオゴがもう1度戦うとファブリシオが勝つかなというのは、正直なところですけど。でも、この強豪揃いのなかで決勝を勝ち上がってくることを考えると、ひょっとしてジオゴの方が強いかも。そういう見立てをしました。

高橋 トーナメント表が出ていないなかで、ワンツートップはファブリシオとジオゴだと思います。

──ファブリシオも体のバネが尋常ではないですね。

高橋 ジオゴがファブシリオからヒールで勝ったものの、試合で極められたモノって凄く残るから、2度同じモノは食らわないだろうというところで──僕はファブシリオかと。ポラリスで66キロ級のファブシリオが、88キロ級のメイソン・ファウラーをレスリングで吹っ飛ばしているのを見て、その強さは絶対だという想いを持っています。

いずれにせよ、ファブリシオとジオゴが一番の注目株です。全然、関係ないんですけどポラリスの時、ジオゴが隣の部屋でした(笑)。部屋を出るときに十字を切っていて、敬虔なクリスチャンなんだと。

──ファブシリオ・アンドレイのレスリング、裸の柔道のような技もありますよね。小内刈りからシングルレッグとか、大腰で投げた試合を見ました。あの背中からドンと落とせる柔道技はテイクダウンポイントを取り辛いADCCでも有効でないかと思いました。

高橋 立ち技のポイントになると、シングルレッグで引き倒したり、ダブルレッグでガチッと入るよりも柔道的な投げのほうが抑え込みっぽくなるので、ポイントになりやすい。そうなるとさらにファブリシオの線が濃くなりますね。

──この2人以外に名前を挙げるなら、道着世界一のパトと言いたいのですが、南米予選の決勝後にムンジアルの準決勝でジオゴと戦った試合を見て、道着を有効利用して最後は50/50でパトが勝ちました。柔術だから何も間違っていないです。と同時に、あの勝ち方を見て、ADCCでパトがジオゴに勝つことはないと感じました。

高橋 そうですね。パトはガブリエル・ソウザとやった試合が印象的で。切って、倒れないところを見せていますが、それでもゴリゴリに立ち技が強いファブリシオやジオゴに勝つ手札はないと感じました。消耗戦のレスリングとなると、攻め手の少なさが原因となってギリギリのところで勝てないと思います。

堀内 下手をするとレスリングが強い選手と当たって、ベスト4前に敗退ということもあるかと。

──道着柔術の世界のトップで、そっちが本職という気持ちが少しでもあると、諦めて引き込んで負けという展開も有り得るかと。

堀内 南米予選の決勝で、パトがボロボロに疲れた状態でバックを許すと、ベイビーシャークが離れたんです。『最大のチャンスで離れた。何をやっているんだ』という意見があるなかで、ジオゴは『あの場面ではパトに背中をつけてガードをプレーさせたくなかった』と振り返っていました。先ほど言いましたが、ADCCルールだと亀でヒザをつき3秒が過ぎるとテイクダウンにならない。

──なるほど、スクランブルゲームでなく引き込み選択できるということですね。

堀内 ハイ。3秒間、パトが亀で耐えると彼は減点無しでガードを選択できるようになります。でも、ジオゴはそれをさせなかった。そこにはミカのお父さん、メルキ・ガルバォンの指示もあったかと思います。あんな風に最後の手段までそうやって周到に封じ込まれると、下派の選手は厳しいですね。

高橋 パトはソウザとの試合でも、なんだかんだと減点なしで下を取りました。下になるとガンガン攻めて、レフェリー判定で勝ちました。ジオゴ・ヘイスのようなトップゲームの強い選手が、パトにガードは取らせたくないというのは逆に幻想が膨らみますね。

──66キロの見所を話してもらううえで、最初に堀内さんが言われたマイキー・ムスメシの不出場。これはもう本音をいえば「ONE、要らんことするなよ」と。

高橋 アハハハハ。

堀内 盲腸の手術をするから欠場といっても、その翌週にONEでサブミッション・グラップリングの世界王座決定戦に出場するわけですよね……。

高橋 出場して欲しかったですけど、正直なところルール的に勝てないと僕は思っています。

──マイキーにすら、極め幻想は持てないですか。

高橋 それはWNOでソウザが打ち破った感はあるじゃないですか。マイキーのレスリングって、ジオ・マルチネスにぶん投げられているんで(笑)。

堀内 ただマイキーがジョー・ローガンのポッドキャストに出て『僕は3回、コロナで陽性になった(笑)』と言っていたんですよ。きっとソウザ戦の前はコロナだったんじゃないかなって(笑)。

高橋 病み上がりでガードのリテンションを仕切るスタミナがなくて、削り切られたと。

──いずれにせよ、マイキーは今回の欠場といい、ONEで5万ドルのボーナスで泣いている姿といい、ちょっとガッカリ感があります。5万ドルって、いうたら普通に働いていたら1年間で手にデキる額で。それで柔術世界一が泣くなよって。

高橋 マイキーともあろうお方が(笑)。コナー・マクレガーが飲み食いして一晩で使っちゃいそうな額ですからね。業界IQでいえば同じところにいる人間が、そこで泣くなと(笑)。

<この項、続く>

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【SUG28】ハイサム・リダがメイン登場!! ケビン・リー✖レンチオーニ&タラ・ラロサも

【写真】いよいよハイサムが全米級の活躍をするようになってきた!!(C)CLAYTON JONES/FLOGRAPPLING

31日(日)、ポートランド州コーネリアスのコーチ・サーチ・シニでSUG28が開催され、ハイサム・リダが初出場でヘッドライナーの大役を担う。

ノーギワールズでメダルの獲得すらならなかったが、WNO Championshipsヘビー級3位という結果がUFCファイトパスでライブ配信されるケージグラップリング大会のメイン抜擢につながった。


ハイサムの相手アンディ・ヴェレラは今年の3月に石井慧を破り、4月にメイソン・ファウラーの持つSUGアブソリュート級王座挑戦経験もあるグラップラーだ。元MMAファイターでコンバット柔術や、グラップリングでも3CGやF2Wでも戦ってきた。

そのうえでSUG27度の歴史で10試合の出場経験があり、通算戦績は6勝4敗とケージグラップリング&OTの経験値は群を抜いている。とはいえ純粋に一本を取る技量ではハイサムがヴェレラに遅れを取ることはない。事前の掛け率でもハイサムは-415でヴェレラは+305と圧倒している。

ハイサムとしては5分という短時間、金網、何よりもOTという終着点があることを考慮し、この初チャレンジに挑まなければならない。そして、初物尽くしチャレンジを成功裏に終えると、見えてくるのはファウラーの持つベルトだ。

(C)Zuffa/UFC

また今大会ではUFCファイターのケビン・リーの出場も急遽決まった。

元Bellatorファイターで、AJ・アガザームに勝利しながら、その後ファイトの機会が与えられていないクリス・レンチオーニと対戦予定だったジョーダン・ホリーの欠場を受け、3日前のスクランブル発進にUFCライト級インターリムコンテンダーが同意した。

リーのベースはレスリング。ミシガン州のグランドバレー州立大時代の2年生の時にはレスリングクラブで37連勝を記録したが、MMAに専念するために大学を中退した過去を持つ。MMAではキャリア18勝のうち一本勝ちが8試合、うち7つの勝利がRNCというリー。

(C)BELLATOR

対するレンチオーニはSUGで3勝1敗、コンバット柔術でも勝利している。

パウンド有りとはいえアガザームのバックグラブを逃れ、Zハーフガードを潰すと、キムラの仕掛けにバックから3/4マウントを奪うなどグラップリングは1枚上手を行くか。あるいはレスリングでリーが試合を支配してしまうのか。両者の戦いでは、ケージを効果的に使ったサブミッション・レスリングおよびスクランブルというこれまでのグラップリングシーンでは見られなかった戦いが見られるかもしれない。

また10thPlanetのカイル・チェンバースとタナー・ウェイスグラムのマッチアップも決まっている。

ウェイスグラムはホベルト・ヒメネス、カイル・ベームに連敗中だけに、チェンバースはSUGの一線級であることを示す結果が必要だ。

(C)INVICTA FC

隆盛を究めつつあるグラップリング界にあって、独自路線をいくSUGらしいカード、ある意味、今大会のサプライズがテラ・ラロサの実戦復帰だ。

2002年にMMAデビュー、女子MMAのパイオニアは22勝5敗という戦績を誇りながら、UFCで戦うことなく2015年5月を最後に表舞台から離れていた。43歳になったラロサの相手はリッチー・ブギーマン・マルチネスがキラーの愛称で呼ぶジュリアナ・ミラーだ。

ミラーは10月の女子版コンバット柔術&EBI=メドゥーサのコンバット柔術女子バンタム級GP初戦であのビア・メスキータをOTのエスケープタイムながら破り、大番狂わせを起こした注目の選手だ。トーナメント自体は準決勝で、準優勝のニッキ・サリバンに敗れたが、OTの強さは立証済みといえる。

そんなミラーを相手に、ラロサは往年の重厚感あるサブミッション・グラップリングを披露できるか──非常に楽しみ一戦だ。

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