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【UFC300】ケイラ・ハリソンがUFCと契約。実力者揃いのALLSTAR戦=UFC300でホーリー・ホルム戦決定

【写真】PFLの顔だったケイラ・ハリソンが、このタイミングでUFCへ。33歳、バンタム級転向は最後の勝負か(C)PFL

23日(火・現地時間)、ダナ・ホワイトが自身のXでブレイキング・ニュースとしてUFCがケイラ・ハリソンと契約し、UFC300でホーリー・ホルムと対戦することを発表している。
Text by Manabu Takashima

さらにダナは動画で「皆、UFC300の新しい情報だ。2022年のボクシング殿堂入りのホーリー・ホルム。女子バンタム級で最多勝記録4位タイ、有効打撃6位、テイクダウン防御4位とその歴史を創ってきた彼女は、これまでボクシングとMMAで世界最高のファイターと戦い続けてきた。たった一人を除いて。米国の柔道史上、唯一の五輪二連覇を達成したケイラ・ハリソンとUFCは正式に契約した。16勝1敗、テイクダウンからのパウンドがヤバすぎる彼女は初めてバンタム級で戦うことになった。この試合はUFC300で行われる」と興奮気味に語っている。


ロンドンとリオの女子柔道78キロ級の金メダリストであるケイラは2016年にWSOFと契約し、女子ライト級を開拓していくという発言をしていた。

その後、WSOFを買収したPFLで2018年6月にデビューを果たすと3連勝し、PFLは2019年に女子ライト級を創設した。まさにケイラのための階級と呼ばれた女子ライト級2019年シーズンを制すると、コロナ禍でPFLは1年間活動を休止する。同年11月にケイラはフェザー級の試し切りを行うようにInvicta FCに参戦し、FFCフェザー級王者コートニー・キングをパウンドアウト──この試合が、現時点まで彼女にとって唯一のPFL以外でのMMA戦となっていた。

その後、PFLがフェザー級を開設かという憶測のなか、2021年もライト級でシーズンは実施されケイラが2連覇を達成し、PFLとの契約が切れてBellatorとサイン──と思いきや、マッチング期間に当たりPFLと再契約、女子ライト級2022年シーズンに参戦した。

しかし、11月の決勝でラリッサ・パチェコと3度目の対戦で判定負けを喫し、キャリア初黒星を喫した。2023年にPFLはライト級に代わり、女子フェザー級シーズンを採用したもののケイラは不参加。11月のファイナル大会に出場すると、150ポンド契約戦でアスペン・ラッドから判定勝ちを収めている。結果的にこの試合がPFLでのラストマッチとなった。

今回のケイラのUFC入りと、バンタム級転向は大きなトピックだが、Bellatorを買収したPFLでクリス・サイボーグとの一騎打ちが期待されていただけで、肩透かしを食らった感もある。いずれにせよ、PFLでは勝っても負けても女王、試合も横綱相撲だったケイラだが、UFCではOne of themとまではいかないが、オクタゴン内での特別扱いはない。そして、柔道時代と比較すると16キロも軽くなるバンタム級で、どのようなパフォーマンスを発揮することができるのか。そこはそこで、興味深い。

なおUFC300は4月13日にラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されレオン・エドワーズ✖ベラル・モハメッドのウェルター級と、女子ストロー級ではジャン・ウェイリ✖イェン・シャオナン──というUFC史上初の中国人同士の──世界タイトル戦2試合が組まれており、さらにジャスティン・ゲイジー✖マックス・ホロウェイのBMFタイトル戦も行われる。

イリー・プロハースカ、シャーウス・オリヴェイラ、アルジャメイン・ステーリング、ボー・ニコル、デイヴィソン・フィゲイレド✖コディー・ガーブラント、ジム・ミラーら実力者が勢ぞろいのオースターの様相を呈しているが、ケイラとホルムの女子バンタム級戦は同大会に巨大な華を添えるこのなる。

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MMA MMAPLANET o UFC UFC290   ボー・ニコル

【UFC290】テイクダウンしなくても、強いです。ボー・ニコルも38秒で代役ウッドバーンに圧勝

<ミドル級/5分3R>
ボー・ニコル(米国)
Def.1R0分38秒by TKO
ヴァル・ウッドバーン(米国)

テイクダウンのフェイクを見せながら、ニコルが右ジャブを伸ばす。ウッドバーンは思い切り右を振る。左を振るって組みに行ったニコルは間合いを取り直すと右オーバーハンドを打ち込む。ウッドバーンが前に出たところで 左フックを当てて足を泳がせたところで最後は左アッパーカット。腰から崩れたウッドバーンに拳を落とし、KO勝ちを決めた。

テイクダウンすることなく打撃で勝負を決めたニコルは打撃コーチと他のATTコーチに感謝の言葉を述べると、「現時点でダナやチームから言われた相手と戦う。構わず戦う。オクタゴンでKOすることは素晴らしいけど、一番は良き夫、良き父であることなんだ」と話した。


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MMA MMAPLANET o UFC UFC288 イクラム・アリスケロフ フィル・ホーズ ボー・ニコル

【UFC288】「どっちのレスリングが上か?」。KO勝ちでUFC初陣を飾ったアリスケロフがボー・ニコルを指名

<ミドル級/5分3R>
イクラム・アリスケロフ(ロシア)
Def.1R2分10秒by KO
フィル・ホーズ(米国)

昨年のコンテンダーシリーズで、UFCと契約した13勝1敗のアリスケロフのオクタゴン初陣。ホーズの右カーフをかわしたアリスケロフは、間合いを測りながらジャブからボディを狙う。左ミドルを蹴ったホーズに対し、アリスケロフが右カーフを蹴る。ホーズは左前蹴り、ミドルでアリスケロフを突き放し、ステップインに右クロスを合わせようとする。さらに左ミドルを入れたホーズはアリスケロフの右ミドルに右を当て、さらに左ミドルを続ける。

右に回っていたアリスケロフは右ハイもバランスを崩して、ヒザをマットにつく。アリスケロフはすぐに立ち上がり、ミスを打ち消すように距離を詰めてパンチを振るい首相撲へ。ヒザからヒジもバランスを崩したアリスケロフだったが、直後のワンツーの右がホーズのアゴを打ち抜く。この一発でホーズが完全にノックアウト──。

インタビューでボー・ニコルをコールアウトしたアリスケロフは「彼はダゲスタン人ファイターと戦いたいと言っていただろう。どっちのレスリングが上か決めよう」と話した。


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MMA MMAPLANET o UFC UFC285 ジェイミー・ピケット ボー・ニコル

【UFC285】フィニッシュは手こずるもレスリングは圧倒的。ニコルがピケットを肩固めで下して本戦デビュー

<ミドル級/5分3R>
ボー・ニコル(米国)
Def.1R2分54秒 by 肩固め
ジェイミー・ピケット(米国)

サウスポーのピケットに対し、上下にフェイントを掛けながらニコルが右ハイを繰り出した。ここで足を滑らせたニコルだが、すぐに組みついてドライブ。ピケットがケージ際で耐えると、投げてテイクダウンを狙う。起き上がったピケットをガブったニコルは、バックマウントを奪いRNCへ。これを凌がれると、左腕を真木るけて肩固めに移行する。

ピケットは両手をクラッチし、肩を押し出してディフェンスする。ピケットに背中を着かせたニコルは、そのまま肩固めで絞り上げる。一度ハーフガードのピケットを抑え込んでから、再び絞めたニコルがピケットからタップを奪った。

フィニッシュまでは時間のかかったニコルだが、やはりNCAAを3度制したレスリングの強さは圧倒的だった。


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ABEMA Cage Warriors MMA MMAPLANET o ONE PFL UFC UFC285   アマンダ・ヒーバス アレクサ・グラッソ イアン・ギャリー キャメロン・サーイマン シャクハト・ラクモノフ シリル・ガンヌ ジェイミー・ピケット ジェイリン・ターナー ジェシカ・ペネ ジュリアン・マルケス ジョン・ジョーンズ タバタ・ヒッチ ダン・フッカー デレック・ブルンゾン トレヴィン・ジョーンズ ドリキュス・デュプレッシー ファリド・バシャラット ブラック ベニール・ダリューシュ ボー・ニコル マテウス・ガムロ マナ・マルチネス マフクアンドレ・バリユー ヴァレンチーナ・シェフチェンコ ヴィヴィアニ・アロージョ 中村倫也 風間敏臣

【UFC285】計量終了 お腹ポッコリ、ジョン・ジョーンズが3年振りの実戦でヘビー級王座挑戦

【写真】この腹は驚き。これでも強い──と期待してしまうのが、JJの凄まじさだ (C)Zuffa/UFC

4日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC 285「Jones vs Gane」の計量が3日(金・同)に行われている。

メインはフランシスコ・ガヌーの王座返上とUFC離脱を受けて行われるUFC世界ヘビー級王座決定戦、ジョン・ジョーンズが3年振りのファイトでヘビー級王座に初挑戦。元暫定王者のシリル・ガンヌと戦う。

JJはライトヘビー級時代には2メートル15センチというリーチの長さを打撃とレスリングで最大限に生かし続けてきた。今回の248ポンドと計量結果は明らかに過去最大だが、206センチのリーチを誇るシリル・ガンヌを相手にライトヘビー級時代の圧を掛けることができるのかが最大の見どころだ。

セレモニアル計量で大ブーイングを浴びたガンヌと、対照的に大声援を受けたJJは輪郭から体のフォルムとライトヘビー級時代とはまるで違う容姿でスケールへ。

フェイスオフでは下腹ポッコリ、0.5ポンド軽いガンヌの方がグッドシェイプに見えた。そのガンヌは「この試合はビッグボーナス。この機会を手にできてハッピーだ。明日、勝てばベルトが手に入る。そしてこの惑星で一番のバッドアスに勝てるという2つ目のボーナスもある。ここにいられて、とても幸せだ」と話した。

対してJJは、「ただただ素晴らしい想いだ。皆のこと、もの凄く愛している。ここに来てくれてありがとう。皆の前で戦えることを光栄に思う。この贈り物を手にすることができて、本当に恵まれているよ。今も変わらずいえる。明日も楽しもうってね」と笑顔を見せ続けた。


コメインはUFC世界女子フライ級王者ヴァレンチーナ・シェフチェンコが、8度目の防衛戦でアレクサ・グラッソを迎え撃つ。今回のキャンプをパラエストラ柏で行うという前代美音の行動に出たシェフチェンコは、千葉滞在中に練習に対する向き合い方と人間性で、練習仲間の全てを魅了し絶賛された。

「みんな、ありがとう。皆の前で素晴らしい試合をすることが待ち切れない。この試合はウォーになる」と話したグラッソに続き、「明日は強敵と戦う。でも、どれだけ彼女が強くても私の方がより強い。2倍強いから。明日はそういうアクションを皆に披露する夜になるわ」とシェフチェンコは断言した。

2階級の世界戦が組まれた今大会。メインカードであ注目のウェルター級でジェフ・ニールが 175ポンドと計量オーバー、16連勝中のシャクハト・ラクモノフとの一戦の前にミソをつけてしまったのは残念だ。

ダン・フッカーの代役ながら、昨年10月にベニール・ダリューシュ戦の敗北から再起を賭けるマテウス・ガムロがジェイリン・ターナーと戦う。

さらに噂のボー・ニコルのオクタゴン・デビュー戦=ジェイミー・ピケット戦が組まれたメインカードは当然として、プレリミから世界最高峰らしい凄まじいカードが並んでいる。

オープニングマッチでニコルと同様にUFC初陣を迎えるロイック・ラジャポフはPFL2021シーズンのライト級準優勝者だ。

第2試合もUFCデビュー戦となる選手=ファリド・バシャラットが登場。

デモン・ブラックシアー戦で、兄ジャビッドの1年遅れで世界最高峰に到達した。兄はキャリア14連勝、弟はここで勝てば10連勝と、兄弟無敗記録を24に伸ばせるか。

女子ではSEI☆ZA出身タバタ・ヒッチ、元ストロー級クィーン・オブ・パンクラシストのヴィヴィことヴィヴィアニ・アロージョという日本からの支持率が高い両者が出場する。

タバタは昨年10月に戦う予定だったジェシカ・ペネ戦が再度組まれた。

前回はペネの体調不良で流れた一戦、元タイトルこんだーを相手にタバタはオクタゴン3勝目を狙う。

ヴィヴィは世界王座に挑むグラッソに敗れてからの再起戦、対戦相手のアマンダ・ヒーバスと同様にタイトル戦線に留まるためのサバイバルマッチに臨む。

さらにウェルター級ではアイルランドからキャリア10連勝中、Cage Warriors時代のようにエンターテイメント性が高い試合でなく、しっかりと勝つ試合を続けているイアン・ギャリーが、中国のソン・ケナンとの一戦も組まれた。

既にオクタゴンで3連勝のギャリー、上と戦う権利を得るためのパフォーマンス&フィニッシュを期待されているといっても過言でない。

復活を賭して、背水の陣のコディ・ガーブラントとトレヴィン・ジョーンズとの対戦。

さらに1ポンド・オーバーだったマナ・マルチネスとキャメロン・サーイマンの一戦など、中村倫也&風間敏臣の対戦相手になるやもしれないバンタム級ファイターの顔合わせも日本のファンにとっては見逃せない。

他プロモーションならタイトル戦もしくはメインカード、UFNならヘッドライナーというカードが連続しているてんこ盛りのPPVイベント、UFCの底力が見える大会だ。

■視聴方法(予定)
3月5日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOWプライム

■UFC285計量結果

<UFC世界ヘビー級王座決定戦/5分5R>
ジョン・ジョーンズ: 248ポンド(112.49キロ)
シリル・ガンヌ: 247.5ポンド(112.26キロ)

<UFC世界女子フライ級選手権試合/5分5R>
[王者] ヴァレンチーナ・シェフチェンコ(キルギス)
[挑戦者]アレクサ・グラッソ(メキシコ)

<ウェルター級/5分3R>
ジェフ・ニール: 175ポンド(79.37キロ)
シャクハト・ラクモノフ: 171ポンド(77.56キロ)

<ライト級/5分3R>
マテウス・ガムロ: 156ポンド(70.76キロ)
ジェイリン・ターナー: 155.5ポンド(70.53キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジェイミー・ピケット: 186ポンド(84.37キロ)
ボー・ニコル: 185.5ポンド(84.14キロ)

<バンタム級/5分3R>
コディ・ガーブラント: 136ポンド(61.69キロ)
トレヴィン・ジョーンズ: 135ポンド(61.24キロ)

<ミドル級/5分3R>
デレック・ブルンゾン: 185.5ポンド(84.14キロ)
ドリキュス・デュプレッシー: 185ポンド(83.91キロ)

<女子フライ級/5分3R>
ヴィヴィアニ・アロージョ: 126ポンド(57.15キロ)
アマンダ・ヒーバス: 126ポンド(57.15キロ)

<ミドル級/5分3R>
ジュリアン・マルケス: 186ポンド(84.37キロ)
マフクアンドレ・バリユー: 185ポンド(83.91キロ)

<ウェルター級/5分3R>
イアン・ギャリー: 171ポンド(77.56キロ)
ソン・ケナン: 171ポンド(77.56キロ)

<バンタム級/5分3R>
マナ・マルチネス: 137ポンド(62.14キロ)
キャメロン・サーイマン: 135ポンド(61.24キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
ジェシカ・ペネ: 116ポンド(52.62キロ)
タバサ・ヒッチ: 115.5ポンド(52.38キロ)

<バンタム級/5分3R>
ファリド・バシャラット: 136ポンド(61.69キロ)
デモン・ブラックシアー: 136ポンド(61.69キロ)

<ライト級/5分3R>
ロイック・ラジャポフ: 155.5ポンド(70.53キロ)
エステバン・リビヴィクス: 156ポンド(70.76キロ)

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ABEMA MMA MMAPLANET o ONE UFC UFC285 ジェイミー・ピケット ダナ・ホワイト ボクシング ボー・ニコル 堀口恭司

【UFC285】NCAA優勝3度、MMA3戦の平均試合タイム49秒!! ボー・ニコル「MMAファイターとして勝つ」

【写真】現世界ミドル級王者アレックス・ポアタンのキャリア8戦目、UFC4戦目で王座挑戦という記録を打ち破る可能性も (C)MMAPLANET

4日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC285「Jones vs Gane」でボー・ニコルが、UFCデビュー戦でジェイミー・ピケットと対戦する。

ペンステート時代にNCAA D-1優勝3度、東京五輪出場は逃したが、MMA転向後は3戦3勝、1試合平均の試合タイムは驚愕の1分切り、49秒だ。レスラー時代にグラップリングでライアン・ゴードンと対戦し、最終的には三角絞めで敗れたが、それまでカニバサミからヒールを防ぎ続けていた。

東京五輪を目指していた時期に、これだけの対応力を見せていたニコル。MMAのコアの部分では、すでに世界トップクラスにあるスーパールーキーはUFCで戦うことに自信しか持っていなかった。


──コンテンダーシリーズの圧倒的な2連勝からUFCデビュー。現時点で世界王者アレックス・ポアタンと対戦しても、無傷で組んで倒すことができれば勝利する力がある。そんな風に思わせるだけの圧勝劇を続けています。

「アハハハハ。そんな風に言ってもらって、最高だよ。サンキュー・ソーマッチ」

──そして今週末、オクタゴン初陣が控えています。今の気持ちを教えてください。

「楽しみでならない。素晴しい機会を得ることができたと思っている」

──ところでコンテンダーシリーズ初戦では3勝0敗の相手に62秒でRNCを極めたにも関わらず、サインはならずシリーズ最終戦でもう1試合を組むという結果となりました。同シリーズに出場権を得た時点で、経験云々は不問にすべきだと思うのですが、ボー自身は理不尽だと感じなかったですか。

「もちろん最初の試合でUFCと契約したかったよ。でも、またコンテンダーシリーズで戦う機会をダナ・ホワイトから与えられたのだから、凄く燃えた。より経験を積むチャンスを得られたわけだし、UFCでデビューする準備になると思ったからね」

──そうなのですね。いやぁ、でも次の試合がUFC本戦の方がよりセンセーショナルナルじゃないかと。

「まぁ、UFCで戦いたいと思わなかったわけじゃない。そのつもりだったし。ただし、このプランの変更は全てが良い方向に働いたんじゃないかな。実は僕は多くの対戦相手から、試合を拒否られてきたんだ。だから、あそこでもう1試合約束されたことは良いことだったよ」

──やはりボーのレスリングの実績が、そうさせるのでしょうか……。ところで日本にはフォークスタイルレスリングは行われていないのですが、試合を見るとパンチのないMMAと言っても過言でない。ずっとそう思ってきました。

「その通りだ。全てのレスリングがMMAで戦うことに役立つよ。でもカレッジ・フォークスタイルレスリングは、どの格闘技と比較してもMMAに転向したときに技術の応用がきく。テイクダウンをしてからも、エスケープという攻防がある。そこにたくさんの技術が詰まっているんだ。子供の頃からフォークスタイルレスリングをやってきたから、どんな相手が来てもコントロールして、抑えることができる自信がある」

──両手をホールドすることなく相手をコントロールできる。つまり、片手が自由になっています。

「MMAになるとコントロールして、殴れるってことだからね(笑)」

──米国のMMAには本当に多くのカレッジレスリング出身のファイターがいますが、NCAA D-1で3度優勝、残りの1回も1年生次の準優勝という結果を残しているファイターは、ほとんどないかと。

■NCAA D-1レスリングで複数回優勝し、MMAで一定以上の活動をして結果を残しているファイター

2回:マーク・コールマン、マーク・ケアー、ケヴィン・ランデルマン、ロイス・アルジャー、ジョニー・ヘンドリックス、スティーブ・モッコ、コール・コンラッド、ベン・アスクレン

3回:ジェイク・ロショルト、エド・ルース、スティーブン・アバス、

※3度優勝はこの他マーク・シュルツ(MMAは初期UFCで1戦1勝のみ)、カールトン・ハセルリグ(3勝2敗、ローカルショーとEXCのプリレミ出場が1度)。スティーブン・ジョーゲンス(活動1年3カ月。エクストリーム・チャレンジで3勝0敗)

「3度、NCAAで優勝したことに関して達成感はあるよ。現状、MMAファイターで僕と同じだけの達成感を持っている選手はいないだろう。まぁ、もう今ではそうやって文字にして伝えられるだけのことでしかないけどね。

ただし、これからUFCで活躍することで僕に続いて多くのカレッジレスラーがMMAで活躍してほしい。特に僕の母校のペンシルバニア州立大のレスラーたちがね」

──フォークスタイルレスラーは、大学を卒業すると長年トレーニングしてきたルールで戦う大舞台はないのですか。

「ないね。五輪スタイルに転向するしかない。レスリングを続ける者の多くは、フリースタイルで戦うようになる。僕自身、TOKYO2020のトライアルに出て2位だった。この結果を受けて、MMA熱の方が大きくなったんだ」

──やはり五輪を逃した時が、キャリアの分岐点になるのですね。

「五輪は大きいよ。オリンピックの金メダルは、ずっと僕の夢だった。だから2024年のパリ五輪を目指すという選択もあった。家族とも話したけど、MMAの方が燃えられると感じたんだ。簡単な決断じゃなかったよ。でも僕は今、とても楽しめている。あの時の判断は間違っていなかったと思っている」

──五輪が夢だと、カレッジまでフォークスタイルを続けるのは遠回りではないでしょうか。ずっとフリースタイルに集中している方が、有利ではないかと。

「きっとそうだろうね。フォークスタイルとフリースタイルは凄く違う。ピリオド、タイム、ルールとまるで別だからね。それでもアメリカン・レスラーは、五輪で活躍し続けているよ。何よりカレッジでのフォークスタイルレスリングは、本当にエキサイティングだからね。あのコンペティションの盛り上がりを知れば、大学に進まずフリースタイルに専念することなんて僕はできないな(※ヘンリー・セフードは大学に進学せず、コロラドのオリンピック・トレーニングセンターでフリースタイルに集中し、金メダリストとなった)」

──それほどレスリングに没頭していたボーですが、いつ頃からMMAファイターになることを考えるようになったのですか。

「子供の頃、8歳や9歳の時からUFCを見ることが大好きだった。レスリングを続けていても、将来的にはMMAに進む気持ちでいたよ。そしてカレッジの2年と3年の時、少しだけど柔術も習い始めていた。あの時、MMAを戦いたいという気持ちからMMAを戦わないといけないという風に意識が変化したんだ。

柔術、ボクシング、ムエタイと違うマーシャルアーツを学ぶことは凄く楽しいよ」

──レスラーがMMAで成功するか否かは、レスリングの能力以上に殴ること、何より殴られることにどれだけ耐久性があるかだと思われます。

「打撃には自信を持っているよ。プロ初戦はKO勝ち、コンテンダーシリーズの2戦目でもパンチでダウンを奪っている(※組むと見せて、左オーバーハンドを決めた)。殴るタイミングや距離は、僕にとっては新しい経験で新鮮だった。だからこそ、可能な限り時間を割いて練習している。今だって一番自信があるのはレスリングだけど、僕の打撃は日に日に良くなっているよ」

──ATTには堀口恭司選手が所属していますが、親交はありますか。

「実は初めてATTに練習に行った時、ドーム(ドミトリー=寮)で一緒だったんだ。キョージは最高だよ。ベストガイさ。ペンシルバニアの自分のジムからATTに練習に行くとき、キョージに会うのが楽しみでならない。

キョージのカラテ・スタイルで見せるパンチ、そして蹴りからテイクダウンという流れが大好きなんだよ。キョージのMMAを見るのが、楽しみでならない。彼は絶対的に世界のベストの1人だ。いくつかキョージのような打撃を自分のファイトのなかに採り入れることができればなって思うよ。本当にキョージは最高のヤツだから」

──それは楽しみです。ではUFC初戦の相手、ジェイミー・ピケットの印象を教えてください。

「喧嘩屋……喧嘩ボクサーだけど、経験豊かで何でもできるファイターだよ。運動神経も良いし、体も強い。ただし、アドバンテージを持っているのは僕の方だ。圧倒的にレスリングでは僕の方が上だから。テイクダウンから寝技に持ち込んで、僕の柔術がどれほどのモノか披露したい。彼をサブミットしてね。

まあKOでも、サブミッションでもフィニッシュして、どでかいインパクトを残すつもりだ。僕はただのレスラーじゃない、MMAファイターとして勝つ。もちろん勝利は大切だけど、それ以上にファンの皆がまた見たいと思うる試合をするつもりだ」

■視聴方法(予定)
3月5日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOWプライム

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DWCS2022#10 MMA MMAPLANET o UFC サム・パターソン ジャック・ジェンキンス ダナ・ホワイト ドノヴァン・ビアード ハファエル・エステヴァン ボー・ニコル マテウス・メンドンサ ラウル・ロサスJr

【DWCS2022#10】MMAの未来=3×NCAA D1王者ボー・ニコル、52秒三角絞め勝利。勝者5人が契約し終幕

【写真】この顔とボー・ニコルという名前はもうインプットしないわけにはいかない(C)Zuffa/UFC

<ミドル級/5分3R>
ボー・ニコル(米国)
Def.1R0分52秒by 三角絞め
ドノヴァン・ビアード(米国)

掛け率-3500のフェイバリット=ニコルは、慎重な立ち上がりのなかでダブルレッグのフェイクを繰り返す。と左オーバーハンドからダブルレッグを狙い、その左がビアードの顔面を捕らえダウンを奪う。

パウンドを連打したニコルは、スクランブルで頭を殺して上を取り切るとマウントへ。ビアードのロールに三角絞めをセットしながら下になったニコルは、そのままタップを奪う──とダナ・ホワイトは、シャッポを脱いだようでもありながら満面の笑みを浮かべた。

2022年最後の審判の時──ダナはマテウス・メンドンサ、ハファエル・エステヴァン、ジャック・ジェンキンス、サム・パターソン、そしてニコルと5人の勝者全員と契約した。ニコルに関して「信じられない可能性を持っている」と言及し、43人との契約を果たした2022年のコンテンダーシリーズを「今シーズンは世界的にも注目が高まり、ワールドワイドにトレンド入りしていた。注目度の高いなかで皆が爆発力を見せた」と振りかえった。

さらにダナは初めてUFCゲームのなかでコンテンダーシリーズの選手が採用されることになっているが、ボー・ニコルとラウル・ロサスJrの2人が選ばれたことを明らかにした。


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DWCS2022#10 MMA MMAPLANET o UFC ゴードン・ライアン ダナ・ホワイト ドノヴァン・ビアード ボー・ニコル 中村倫也 木下憂朔 河名マスト

【DWCS2022#10】2度目の正直なるか。2022年シーズン最終戦でNCAA3度優勝のボー・ニコル再登場

【写真】プロ3戦でUFC入りなるか。要注目のボー・ニコル(C)Zuffa/UFC

いよいよ明日27日(火・現地時間)、2022年のDana White’s Contender Seriesの最終週=第10週がネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催される。

木下憂朔がUFC行きを決めたことで、日本のMMAファンにとっても記憶に残るシーズンとなった今年のコンテンダーシリーズ最終章、そのオオトリ=第5試合に要・要注目のボー・ニコルが出場する。


第3週に出場し、ザック・ボレゴを62秒でRNCよって勝利しながら「経験不足。もう1試合、機会を与える」というダナ・ホワイトの達しを受けたニコルが、その言葉通りシーズン2戦目を迎える。

コンテンダーシリーズという舞台で戦う機会を得て、1分強で一本勝ちしながら経験不足を問われるのも不可解ではあるが、ニコルにとってボレゴ戦はプロMMA二戦目だった。アマMMAで2勝、プロ1勝というMMA歴でコンテンダーシリーズに出場したニコルは、カレッジレスリングでペンステートのエースとして活躍してNCAA D1王者に輝くこと3度、1年生の時は準優勝という凄まじい記録を残すエリート・レスラーだ。

最終学年時、3連覇を達成した2019年にはカレッジレスリング界のMVP=ダン・ホッジ・トロフィーを獲得し、最も優れたピンフォール奪いに贈られるシャーウス・アワードを2度獲得している。

中村倫也や河名マストと同期2019年のU23のフリースタイル92キロ級世界王者に輝き、TOKYO2020の米国予選で同五輪で金メダルを獲得したデヴィッド・テイラーに敗れ、MMA転向を果たした。

ニコルは2019年にプログラップリングでゴードン・ライアンと戦い三角絞めで敗れているが、実戦でグラップリングの怖さを知ったことも彼が短期間でMMAの精度高めた大きな要因になっているはずだ。

今回の対戦相手ドノヴァン・ビアードはキャリア7勝1敗、既にCage Fury FCミドル級王者という肩書を持っており、ニコルにとっては勝てば文句なし──UFCへの扉が開かれる相手となる。2022年コンテンダーシリーズ、最後の試合が用意されたのはUFCが如何にボー・ニコルに注目、期待しているのか表れであろう。

■視聴方法(予定)
9月27日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS

■DWCS2022#10対戦カード

<ミドル級/5分3R>
ボー・ニコル(米国)
ドノヴァン・ビアード(米国)

<ライト級/5分3R>
サム・パターソン(英国)
ヴィニシウス・センシ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
エミリアーノ・リナレス(エクアドル)
ジャック・ジェンキンス(豪州)

<フライ級/5分3R>
ハファエル・エステヴァン(ブラジル)
ジョアオ・エリアス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
アシーク・アジム(米国)
マテウス・メンドンサ(ブラジル)

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