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【UFN246】エイマン・ザハビ、ジャブをムニョスを突き放し文句なしの3-0判定勝ち

<バンタム級/5分3R>
エイマン・ザハビ(カナダ)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
ペドロ・ムニョス(ブラジル)

22度目のUFCバンタム級での戦いとなるムニョスは距離を取るザハビに対し、徐々に距離を詰めてジャブを伸ばす。そのジャブから右前蹴りを繰り出したムニョスは、ザハビの左ミドルに左フックを合わせる。ザハビも前に出るようになり、右オーバーハンドからジャブを繰り返す。ジャブを差し合い、続く一手を模索するなかザハビが首相撲&ヒザ蹴りを仕掛ける。

ムニョスはダブルジャブ、左リードフックも左ミドルを受ける。打撃の攻防のなかで一瞬、シングルレッグの素振りを見せたムニョスだが、再びヒザを貰いそうに。ザハビは右ボディを入れ、左リードフックと精度で上回っているか。それでも前に出るのはムニョスだったが、ザハビが左ジャブから左ハイを決めかけるなど良い形でラウンドを終えた。

2R、再びジャブ→左ハイという動きを見せたザハビが、しっかりとジャブを当てる。ショートのコンビで前に出るムニョス。ザハビはワンツー+左ミドルを決めた。近い距離でも打ち合うザハビが右を当て、ショートアッパー、ジャブ、ボディと精度ばかりか手数でも上回ってくる。ムニョスも負けじとジャブと蹴りを繰り出すも、間がザハビか。

ワンツーをクリーンに入れたザハビは、右ストレートにダブルレッグを合わされる。ムニョスはバックに回るが、すぐに正対され打撃の間合いになるとアッパーを被弾。左目の周囲を腫らしたムニョスのダブルレッグを切ったザハビが、ジャブを伸ばす。ムニョスは右ローを返し、ジャブや前蹴りへ。残り20秒でのダブルも切られたムニョスは、ボディにヒザを受けた。

最終回、ムニョスの前蹴りにも、ザハビが踏み込んで左フックを振るう。ジャブと前蹴りのムニョスが左フックを入れる。続いてガードの上から右フックを放ち、勢いで上回るムニョスだったが、ザハビが右フックを打ち込む。さらに左を続けたザハビは、ジャブを入れて右を伸ばす。ムニョスはジャブで殴られながら前に出るものの効果的なパンチはなく逆にワンツーで殴られる。

ダブルレッグにギロチンを合わせようとしたザハビ。ムニョスが頭を抜いて打撃の間合いも、ムニョスはワンツーを被弾して前方に姿勢を乱す。最後まで前に出るムニョスは「こいこい」と挑発するが、ザハビが乗ることなく最後もダブルレッグを切って勝利を確信した。

5連勝としたザハビは「トップ15の誰かと戦いたい。試合を組んでくれ」と話し、兄フィラスと勝利を喜んだ。プレリミに5選手が出場したカナダ勢は、4勝1敗と力を見せてメインにつないだ。


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UFC on ESPN+104:オッズ/予想と展望

ブランドン・モレノ 1.57
アミル・アルバジ 2.45
エリン・ブランチフィールド 1.77
ローズ・ナマユナス 2.10
デリック・ルイス 2.50
ジョナタ・ディニス 1.56
カイオ・マシャド 1.65
ブレンドソン・ヒベイロ 2.30
マルク・アンドレ・バリオー 1.49
ダスティン・シュトルツフス 2.70
マイク・マロット 1.37
トレヴィン・ジャイルズ 3.20
アイマン・ザハビ 1.85
ペドロ・ムニョス 1.98
アリアネ・ダ・シウバ 2.85
ジャスミン・ジャスダビシアス 1.44
シャルル・ジョーデイン 1.74
ビクター・ヘンリー 2.14
ジャック・ショア 3.35
ユーセフ・ザラル 1.34
アレクサンドル・ロマノフ 1.95
ホドリゴ・ナシメント 1.87
セルヒー・シーディー 1.70
ギャレット・アームフィールド 2.20
チャド・アンヘリガー 2.60
コーディ・ギブソン 1.52
ジェイミー・リン・ホース 1.46
イバナ・ペトロビッチ 2.80

メインは翌月にタイトルマッチが行われるフライ級のトップランカー対決。この試合の勝者と、今月平良に勝ったブランドン・ロイバルのいずれかが、次期挑戦者となる可能性が高い。タイトル戦の勝敗にもよるが、朝倉海のUFC2戦目の相手となる可能性も十分ある。

前王者モレノはタイトルを奪われた昨年7月のパントージャ戦も接戦で、スプリットでの判定負け。今年2月に地元メキシコでアルバジとの対戦が組まれた。当時、王者パントージャは5月の地元ブラジル大会での防衛戦の噂があったが、相手が決まっておらず、この試合の勝者が次期挑戦者となることが濃厚だった。しかし、アルバジは負傷欠場。モレノは代役のロイバルとの対戦が組まれ、またも僅差の試合でスプリット判定負けし、王座挑戦からは遠のいた。ロイバルもその試合で負傷し、結局タイトル挑戦は当時ランキング10位のスティーブ・エルセグになっている。

アルバジはUFCデビューから5連勝中。イラク生まれで、8歳の時に一家で出国し、16歳まではスウェーデンの難民キャンプで生活。そこで柔術を始めたことをきっかけに、後にMMAの転向。中東のBRAVE CFでキャリアを積んでUFCと契約した。キャリアで唯一敗れた相手はBRAVE CF時代に対戦したホセ・トーレス(後にUFCと契約したが、1勝1敗でフライ級ファイターの大量契約解除に遭いリリース)。現在はラスベガスのエクストリーム・クートゥアでトレーニングしているが、出稽古に行きアルバジとスパーをした鶴屋怜が言うには「余裕でボコった」とのこと。

モレノは前回敗れた後に長期休養を宣言していたが、4年間・6試合連続でタイトルマッチをやって、精神的に削れていたのかもしれない。結果として、8ヶ月ちょっとでの復帰となるので、普通よりちょっと長めな程度の試合間隔に。リフレッシュできたので戻ってきたのか。

アルバジは昨年7月の前戦でカイ・カラフランスと対戦したのが唯一のランカーとの対戦もだったが、スプリット判定勝ちしたものの、メディアのジャッジはほぼ全員がカラフランスを支持する内容での勝利。モレノはカラフランスをKOしていることを考えると、ちょっと力の差はあるか。

モレノ判定勝ち。

プレリムでは元DEEP王者ビクター・ヘンリーが登場。前戦は大ベテランのハニ・ヤヒーラをKOして、UFC戦績を3勝1敗1NCとした。今回の相手はランキング未満の中堅で地元カナダのシャルル・ジョーデイン。UFC戦績は負け越しだが、チェ・ドゥホやクロン・グレイシーに勝利している。オッズは地元のジョーデインがフェイバリットだが、ヘンリーは今後ランキング入りを狙っていくなら、このレベルの相手には星を落とせない。

今回はUFCで初めて新ユニファイドルールが適用されるイベントとなる。

変更となるのは「グラウンド定義の変更」と「12-6エルボー(垂直ヒジ)の解禁」。グラウンド定義は「足(足首から先)と手(手首から先)のみがついている場合」は、以前はグラウンドだったが、新ルールではスタンドとみなされる。そもそもこの手のみをマットにつく状態というのが不自然で、このルールを利用して顔面へのヒザを防ぐ場合などにしか発生しないポジションだった。例えば、ケージ際でスタンドバックを取った選手が、テイクダウンを狙いつつ、後方から相手の頭部にヒザを入れる場合などで、蹴られる選手がディフェンスとして手をマットにつくということが多く見られた。当然、新ルールではわざわざそういったディフェンスをすることは選手はいなくなるので、大きな影響はないと思われる(今後は片膝をつくことでグラウンド状態にするという対処が増えるかもしれない)。

第1試合開始は3日朝6時から。速報します。

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UFC on ESPN+103:セミファイナル・ロブ・フォント vs. カイラー・フィリップス

バンタム級。フォント10位、フィリップス12位。

フォントは直近5戦で1勝4敗。ランキングも2桁に落ちた。負けた相手がアルド、ヴェラ、サンドヘイゲン、フィゲイレードなので仕方がない部分もある。しかしサンドヘイゲン戦、前戦のフライ級から上げて初戦となるフィゲイレード戦は、テイクダウンサれ続けてポイントを取られ敗れている。6KO勝ちはUFCバンタム級最多タイ。37歳。

フィリップスは柔道・柔術レスリングがバックボーンのグラップラーで、UFC6勝1敗。柔道では中学時代にカリフォルニア王者となっている。ノーランカー時代にはソン・ヤドンにも勝利しているが、試合間隔が開いたこともあり、なかなかランカー挑戦の機会が得られず、前戦でようやくランカーのペドロ・ムニョス戦が実現。ステップで距離を取って打撃を入れる展開で判定勝ちし、ランキング入りした。29歳。

フォントが詰めていく。フィリップスシングルレッグでテイクダウン。フォントギロチンに抱えたが、フィリップスはサイドに回っている。外れた。マウントを狙うが足を絡めてハーフに。しかしフィリップスパスしてまたサイドに回る。またマウントを狙ったがハーフに。しかしヒジを入れるフィリップス。ガードに戻すフォントだが、フィリップスはヒジを落とすとすぐにパスしてサイド。ニーオンからヒジ。フォント下から脱出できない。足関狙いからようやく立ったフォント。パンチで出ていく。残り1分。アッパーで飛び込むとフォントがタックルに。スタンドバック。クラッチを切って離れたフィリップス。フィリップスのハイにパンチを返したフォント。四つで組んだがホーン。

1Rフィリップス。

2R。パンチで出るフォントだが、フィリップスのシングルレッグで倒され背中を付けた。しかしすぐにケージを使って立った。パンチで出るフォント。右。どんどん詰めるフォントにフィリップスはケージ際をサークリングする。ちょっと疲れが見えてきたフィリップス。詰めてくるフォントにパンチを入れるがケージに詰まった。右をヒットさせるフォント。圧されるフィリップス。フォントの右がヒット。右ボディ。さらに右を打ち込むと、バックステップするフィリップスを追ってパンチを入れる。組んでスタンドバックに着いたフォントだが、クラッチを切って離れるフィリップス。しかしすぐケージに詰められる。ボディ・顔面にパンチを入れるフォント。サークリングで逃れたフィリップスだが、すぐまた詰めるフォント。フィリップスのパンチ1発に3~4発返すフォント。すぐまたケージに詰まるフィリップス。ケージを背負ったところで左右のパンチを入れる。組んだフィリップスに首相撲。離れたフィリップス。また詰めるフォント。組んでパンチを入れる。フィリップスが足をかけてテイクダウンしたが、その瞬間にホーン。

2Rフォント。

3R。フィリップスすぐシングルレッグ。テイクダウン。しかしフォント押さえ込ませずに、バックを取らせて立った。すぐに振りほどいて正対し離れる。フォントまたすぐプレスしていく。ケージまで下がったフィリップス。パンチを入れる。四つに組み止めたフィリップス。離れ際にヒジ。が、離れるとすぐに詰めるフォント。ケージを背負うフィリップス。フォントも疲れが見えるが、前に出て攻めていく。詰めてフィリップスが手を出したところで打ち終わりにパンチを返すフォント。フィリップスタックルへ。小手に巻いてディフェンスしたフォント。左右のパンチがヒット。詰めたフォントが逆に組んでスタンドバック。正対したフィリップス。離れる。残り1分。なおも休まず出るフォント。パンチで出て組み付く。引き剥がすフィリップスだが、すぐまた詰めるフォント。タイムアップ。

三者29-28でフォント勝利。

1Rテイクダウンされてほぼ何もさせてもらえなかった時には一方的になるかと思われたが、2R以降打撃の圧でひっくり返した。

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【UFC303】UFCデビュー、鶴屋怜「『達郎君が戦ったことのある相手』というのは、プラスに考えています」

【写真】いよいよUFCデビューを迎える、鶴屋怜 (C)SHOJIRO KAMEIKE

29日(土・現地時間)、米国ネヴァダ州ラスベガスのT-モバイル・アリーナで開催されるUFC303で、いよいよ鶴屋怜がカーロス・ヘルナンデスとオクタゴンデビュー戦を戦う。
Text by Shojiro Kameike

今年2月にRoad to UFC2023のフライ級を制し、UFCとの契約を勝ち取った鶴屋が本当の意味で世界最高峰に挑む。そんな鶴屋にRTUの最中にスタートした土居進トレーナーによるフィジカルトレーニング、そして気になるあの2人についても訊いた。


ATTではペドロ・ムニョスがよく面倒を見てくれて

――試合から10日前のインタビューとなります(※取材は6月19日に行われた)。今は減量期に入っているのでしょうか。

「はい。現地入りまでに脂肪は落として、あとは水抜きという状態にしていきます」

――海外での水抜きは国内とも勝手が違うかと思います。Road to UFCの3試合では、いずれも現地で水抜きも順調に行うことができましたか。

「海外で水抜きするのはRTUが初めてでしたけど、問題はなかったですね。現地に5日間もいると意外と慣れてきて、日本と変わらない感覚で水抜きができました」

――そのRTUで3試合、さらにATTで練習することで、海外の滞在も慣れたのではないですか。

「やっぱり米国となると時差ボケは出て来ますよね。ちょっと気持ちが悪くなったりとか。でも現地に入ってから3日ぐらい経てば、普通の状態には戻ります」

――今年2月にRTUを制してUFCとの契約を勝ち取ってから、いつ頃に本戦デビューを迎えたいという希望はありましたか。

「あくまで自分の希望ではありましたけど、8月か9月ぐらいにランカーと対戦したいという気持ちはありました。初戦でランカーと試合して、あと年内はもう1試合ぐらい戦えばいいかな、という感じで。

だけどATTに行って1週間と少しぐらい経った頃、急に『ナンバーシリーズで試合をしないか? 』という連絡が、米国にいる時に来たんですよ。試合まで1カ月半ぐらい……自分も全然、気持ちが乗らなくて。でも、いろいろ考えて『出よう』と思いました。やっぱり初戦がPPV大会になるのは大きなことですし」

――試合順はともあれUFCデビュー戦がラスベガスで、しかもT-モバイル・アリーナというのは大きいですよね。

「そうですね。ファイターとしてはラスベガスの大きな舞台で試合をするのは夢ですから。『ひとつ小さな夢が叶ったな』という気持ちはあります」

――オファーが来た時には、大会のメインがマクレガー×チャンドラーになると決まっていたのでしょうか。

「まだ正式には決まっていないけど、チラホラ噂されていた――って状態でしたね。自分もオファーが来た時に『マクレガーが出るかもしれないなぁ』ということでOKしたのもあります」

――自分がT-モバイル・アリーナで試合をしたあと、現地でマクレガー×チャンドラーを観ることができたら一挙両得かもしれません(笑)。その後、マクレガーの試合はなくなりましたが……。

「アハハハ、そうなんですよ。T-モバイル・アリーナのPPV大会のほうが、APEXで試合をするよりも注目は浴びますし。だから少し急ではあってもオファーを受けました。

でも最初は『マクレガーと一緒に大会に出られて嬉しいな』と思っていましたけど、調整や減量を進めて、今はもう自分の試合が最優先になりますからね。マクレガーが出ないと聞いて残念ではありますけど(苦笑)」

――米国滞在中に試合のオファーが来たことで、現地で対策練習を始めたのでしょうか。それとも日本に帰国してからでしょうか。

「米国に行って1週間と少し経ってからオファーが来たので、そのことをコーチや周りの選手に伝えたら一緒に対策練習をやってくれました。ATTではペドロ・ムニョスがよく面倒を見てくれていて、ペドロに試合の話をしたら『じゃあオーソドックス(カーロス・ヘルナンデスはオーソ)対策のミットを持ってくれる人を呼ぶよ。今日は何時にジムへ来ることができる?』とセッティングしてくれたんですよ。ペドロも相手の動画を視て、いろいろ教えてくれたり。本格的に対策練習をしたわけじゃないけど、いろいろ対策を考えたりしてくれた――という感じです」

(C)HIROSHI TSURUYA

――なるほど。

ATTに行く前から、魔裟斗さんのフィジカルコーチを務めていたことで知られる土居進トレーナーによる、いわゆる「土居トレ」が始まっています。

「土居トレが始まったのは半年ぐらい前で、父(鶴屋浩)が土居さんにお願いしたそうです」

鶴屋浩 僕がずっとゴン格に掲載されていた土居トレの連載を読んでいたんですよ。ある時、試合会場で土居さんにお会いした際、ご挨拶して「今度ウチの選手をお願いします」と伝えました。最初はずっと土居さんに千葉へ来ていただいて、今は怜が土居さんのジム(新宿のパーソナルトレーニングジムSkyLive-R)に通っています。

――これまで行ってきたトレーニングと土居トレで何か違いはありますか。

「これまで、というか――もともと筋トレやフィジカルトレーニングはやっていなかったんですよ。高校までレスリングをやっていて、フィジカルで負けることもなかったし、練習もスパーリングばかりでした。

でも土居トレを取り入れてから、通常から筋肉質になってきました。昔は結構太った状態から減量していたんですけど、普段から脂肪もつかなくなってきて。さらに減量したあとも筋肉が残って、良い動きができるようになりましたね。筋肉量が増えたおかげで、減量も水抜きがやりやすくなりました」

――土居トレといえば、まずは走りこんだりパワーマックスを漕ぎまくるというイメージがあります。

「自分の場合はパワーマックスとローイングマシンを漕ぎまくっていますね。トレーニングが終わったあとは毎回、足が痛すぎて動かないぐらいです。終わって10分ぐらいジムの床に寝転がっている状態で」

――半年前ということは、RTUの時にはもう土居トレを始めていたのでしょうか。

「準決勝の後から、ですね。準決勝では腕がパンパンに張っていたんですよ。足を怪我していてトレーニングできていなかったこともあるでしょうけど。で、決勝戦の前から土居トレを始める時、土居さんに伝えました。すると『そういう時は――』って、腕が張りにくくなって、さらに力も継続するトレーニングを組んでくれましたね」

――本戦デビューに向けて、土居トレの効果は大きな武器となるでしょうか。

「そうですね。スタミナ面も今までとは違いますし、組んだ時の腕の張り方も変わってくるでしょうから。RTU決勝は1Rで終わったから良かったけど、これが3Rになったら大きく役立つと思います」

『達郎君が勝っているから、俺も普通に勝てるよな』

――その本戦デビュー戦の相手はカーロス・ヘルナンデスに決まりました。ヘルナンデスは2023年12月、平良達郎選手にKO負けを喫しています。どうしても今回の試合は、平良選手と比べられてしまうでしょう。

「どうなんですかね? 自分としては『達郎君が勝っているから、俺も普通に勝てるよな』と思っているぐらいですよ。まぁ『達郎君が勝っているから』と言ったら変かもしれないけど……、別に怖い相手じゃないですし。アハハハ」

――鶴屋選手が平良選手のことを知っているからこそ、ヘルナンデスの力量を測りやすいということですか。

「そうです。達郎君が2RでKOしているから、自分がどれくらいでフィニッシュできるかどうか。それで自分がランカーに通用するかどうかも分かりますしね。自分としてもフィニッシュできると考えていますし、『達郎君が戦ったことのある相手』というのは、自分はプラスに考えています」

――このマッチメイクは、むしろ鶴屋選手にとってアドバンテージになるかもしれないと。

「全く名前も知らないけど謎の強い選手と当てられるよりは、達郎君と対戦したことで日本でも知っている人はいるでしょうし、その相手をブッ飛ばせばオイシイと思っています」

――ではカーロス・ヘルナンデスの印象を教えてください。

「ストライカーなんだろうけど結構テイクダウンに来るな、というイメージですね。テイクダウンに来てくれれば、ありがたいです。そのほうが自分も疲れないし、1Rでフィニッシュできるんじゃないですか。逆にマウントを取りに行くと、バネで跳ね返してくる印象があるんですよ。バネの力は強いので、そこだけ気をつけて削っていけば問題ないです」

朝倉選手がフライ級でやるなら、自分は全然やります

――最後に、他の選手についてお聞きします。まずは先日、平良選手がアレックス・ペレスを下した試合について感想をお願いします。

「お互い5R戦うつもりでいてけど、結果的に2Rにああいう決着になったと思うんですよ。自分としては相手のランカーとしての力は分かりづらい試合でしたね。もうちょっと長く視たかったです」

――ではもう一人、朝倉海選手のUFC参戦が発表されました。ここ最近では日本人選手がRTUやDWCSを経ずに本戦出場というケースは珍しくなったと言えます。

「う~ん……、自分はRTUに出てUFCと契約するスタイルが多くなってくると思っていたので、『そういう形もあるんだ』と思ったぐらいですね。朝倉選手がフライ級でやるなら、自分は全然やりますし。まだ出場が決まったばかりなので分からないですよね」

――平良選手の活躍と朝倉選手の参戦もあり、またUFC日本大会の開催も話題になっていうるようです。

「日本大会が開催されたら面白いですね。もっと日本の人たちがUFCのことを知ってくれるでしょうし、そのためには良い機会だと思いますよ。まず自分がデビュー戦はしっかり1Rで、一本かKOで勝ちます。応援よろしくお願いします!」

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UFC301:オッズ/予想と展望

アレクサンドル・パントーハ 1.52
ティーブ・エルセグ 2.60
ジョナサン・マルチネス 1.62
ジョゼ・アルド 2.36
アンソニー・スミス 4.90
ビトー・ペトリーノ 1.19
ミシェウペレイラ 1.18
イーホル・ポティエリア 5.10
ポール・クレイグ 5.10
カイオ・ボハーリョ 1.18
ジャック・ショア 2.40
ジョアンダーソン・ブリート 1.60
カロリーナ・コバルケビッチ 4.30
ヤスミン・ルシンド 1.24
エルブス・ブレナー 3.15
ムイクティベク・オロルバイ 1.38
ジェアン・シウバ 1.80
ウィリアム・ゴミス 2.05
ジョアキム・シウバ 2.50
ドラッカー・クロース 1.56
マウリシオ・ルフィ 1.52
ジェイミー・ムラーキー 2.60
ディオネ・バルボサ 1.46
エルネスタ・カレツケイテ 2.80
イスマエル・ボンフィム 1.19
ヴィンス・ピシェル 4.90
アレッサンドロ・コスタ 1.70
ケビン・ボルハス 2.20

ブラジル大会のナンバーシリーズ。しかし先月の記念大会で駒を使い切ったせいで、苦しんだ跡が見えるメインとセミのカードに。

メインのタイトルマッチが地元の王者パントーハの防衛戦というのは決まっていたが、挑戦者候補が怪我などで次々にいなくなり、3月に判定勝ちしたランキング7位のモカエフまでが挑戦者枠に入っていたが、どうせ下位ランカーにするならありえないくらいの飛び級にした方が話題になると考えたのか、発表された挑戦者はランキング10位・UFCデビューから11ヶ月のエルセグ。

エルセグは去年の2月には地元オーストラリアのイベントで、日本の平井相手に防衛戦を行っていた。1Rチョークで勝利すると、試合後のバックステージでUFCとの契約が決まる。UFCデビュー戦はマット・シュネルの欠場で回ってきたランキング10位のドボジャーク戦で、僅差ならが判定勝ちしていきなりランクイン。2戦目はランカーと対戦予定が相手が欠場し、ノーランカーの代役との対戦で、またも接戦となり三者29-28の僅差判定勝ち。3月の前戦では、ベテランでランキング9位のマット・シュネルに初のフィニッシュ勝利となるKO勝ち。とはいえ、試合後のマイクでは「トップ5と戦いたい」という主張で、今回のような特殊な事情がなければ、王座挑戦が回ってくることはなかっただろう。

オッズは大差でパントーハ…と思いきや、そこまでの差ではない。それでもタイトル挑戦したモレノ戦、初防衛のロイバル戦よりは評価が高いが。

絞め技での勝利が多いグラップラーと思っていたが、前戦のシュネル戦ではKOパンチを持っているところも見せたエルセグ。が、それは相手のシュネルが打たれ弱くなっているという理由もあったし、1戦目・2戦目の内容を見ると、ランキング相応の実力で、底が見えないという印象ではない。順当にパントーハが防衛か。

パントーハ一本勝ち。

セミでは引退したジョゼ・アルドが復帰。もともと体力的に限界を感じての引退ではなかった。バンタム級でマルロン・ヴェラ、ペドロ・ムニョス、ロブ・フォントに3連勝し、ドバリシビリに判定負けした時点での引退表明。勝てばタイトル再挑戦もある試合だったが、負けたことで実績を積み直すよりも、新たな舞台であるボクシングへ挑戦を行うことを選択しての引退だった。

ボクシングではここまでエキシビションで1勝、プロ公式戦では1勝1分けで、同じ元UFCジェレミー・スティーブンスには引き分けているが、本人が希望するフロイド・メイウェザーなどのビッグネームとの対戦は実現していない。

引退が早かったとはいえ、もう37歳。あくまで地元大会で、目玉カードなく困っていたUFCが出したオファーを受けただけの限定復帰なのか、本格的に復帰するのか。相手はランキング12位でUFC屈指のローキッカー・ジョナサン・マルチネス。現在6連勝中で、ここ3戦はローキックを武器に勝利。特に前戦はエイドリアン・ヤネスからインローで戦闘不能に追い込んでKO勝ちしている。ボクシングに専念していたアルドにとっては危険な相手。

マルチネス判定勝ちと予想。

第1試合開始は5日朝7時から。速報します。

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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC299 キック ケイラー・フィリップス ペドロ・ムニョス

【UFC299】フットワーク&高速コンビネーションのフィリップスがムニョスを捌いてフルマーク判定勝ち

<バンタム級/5分3R>
ケイラー・フィリップス(米国)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27.
ペドロ・ムニョス(ブラジル)

ともにサウスポースタンスから、オーソドックスにスイッチしてフィリップスが左ジャブを伸ばす。ムニョスのシングルレッグをカットしたフィリップスは、右スピニングバックキックから距離を取った。右ストレート、右ハイを見せるフィリップスに対し、ムニョスがプレスをかけ続ける。打撃の交錯から、フィリップスの右ミドルをキャッチしたムニョスがグラウンドに持ち込んだ。ムニョスは腰を上げてパウンドを放つも、フィリップスは下から軽く足をかけて立ち上がる。しかし、その際にアイポークがありレフェリーから注意を受けた。

再開後もプレスをかけるのはムニョスだが、フィリップスのほうが手数は多い。ケージ中央でムニョスのダブルレッグをスプロールしたフィリップスは右ローから右ハイに繋げた。ムニョスの右ストレートに左フックを合わせて下がったフィリップスは、右スピニングバックキックをボディに突き刺す。ムニョスのダブルレッグをスプロールし、ボディから顔面へのパンチとヒザを効かせる。動きが落ちたムニョスに、さらに右跳びヒザを当てたフィリップスだが、打ち終わりのアイポークで再度注意を受けた。再開されると、ムニョスの左目尻から出血が見られる。さらにフィリップスが左ジャブからボディ、顔面へのコンビネーションを見せて初回を終えた。

2R、フィリップスが飛び込むとムニョスが左を合わせた。フィリップスの高速コンビネーションの打ち終わりに、ムニョスが右カーフを当てる。フィリップスがより頭を振って、フェイントから右ローを打ち込むようになった。フィリップスのワンツーをバックステップでかわしたムニョスが、スイッチしながらプレスをかけている。フィリップスの右ハイをかわしたムニョスが組みつくも、ここはフィリップスがすぐに離れた。ケージ中央でカーフを蹴り合う両者。フィリップスがパンチのコンビネーションから右ハイに繋げるも、これもムニョスがかわした。

徐々にムニョスが距離を詰めていく。フィリップスの左ジャブをパーリングでかわしたムニョスがプレスをかけるが、フィリップスも押し返して右カーフを蹴る。右サイドキックからサークリングするフィリップスは、左ボディから右ストレートへ。さらに対角線コンビネーションで右ローまで当て、残り10秒でムニョスがシングルレッグで入るが、これを切ったフィリップスが右スピニングバックキックをムニョスの側頭部に当てた。

最終回、開始早々ムニョスが前に出る。フィリップスの打撃に合わせてニータップで組みつくも倒せず。フィリップスがサークリングしながら打撃を繰り出していく。左のフェイントから右ボディストレート、さらに右スピニングバックキックへ。ムニョスの右は顔面に届かない。サウスポーにスイッチして右関節蹴りを繰り出したフィリップスが、オーソドックスに戻してボディロックで飛び込む。これはクリンチだったか、離れてフィリップスが打撃戦に戻った。

ケージを背負ったフィリップスが、右ストレートから返しの左フックをカウンターで当てる。ケージ中央で右ハイキックをヒットさせたフィリップスは、左ジャブと蹴りのコンビネーションでムニョスを削り続ける。前に出て来るムニョスを捌くフィリップスが、右スピニングバックキックをかわされるも、ムニョスのシングルレッグから足を抜いて試合終了のホーンを聞いた。

判定は文句なく、ジャッジ3名ともフルマークでフィリップスにつけた。これでフィリップスはオクタゴン3連勝だ。


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45 AB Brave CF CJ・ヴェルガラ MMA MMAPLANET o UFC UFC299 YouTube   アザット・マクスン アス・アルマバエフ イオン・クテレバ エディ・ブラボー カーティス・ブレイズ ケヴィン・ホランド コンバット柔術 ショーン・オマリー ジャイルトン・アルメイダ ジャック・デラ・マダレナ ジョアン・ウッド ジルベウト・ドゥリーニョ ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ ソン・ヤードン ダスティン・ポイエー ハファエル・ドスアンジョス ピョートル・ヤン ペドロ・ムニョス マイケル・ペイジ マテウス・ガムロ マルロン・ヴェラ メイシー・バーバー 平良達郎

【UFC299】カザフ・フライ級ツートップの1人=アス・アルマバエフ「ゴールはチャンピオンになること」

【写真】フライ級は要注目ファイターが揃っている(C)Zuffa/UFC

9日(土・現地時間)、フロリダ州マイアミはケイシーウア・センターで開催されるUFC 299「O’Malley vs Vera 2」。同大会でアス・アルマバエフがCJ・ヴェルガラと戦う。
Text by Manabu Takashima

中央アジアのパワーハウス=カザフスタンから世界最高峰のフライ級に挑むアルマバエフ。同朋のアザット・マクスンはオクタゴン2戦目でキャリア初黒星を喫した。アルマバエフは今回が、2戦目となる。対戦相手のヴェルガラは一昨年の10月に平良達郎に腕十字で一本負けを喫したあとは、2連勝と波に乗っている。

そんなヴェルガラがリトマス試験紙となって、平良の実力対比もできる一戦を前にアルマバエフに初インタビューを試みた。


──今週末、CJ・ヴェルガラとオクタゴン2戦目を戦います。今の心境は?

「全て上手くいっている。パーフェクトだよ。グレートシェイプで、試合でそれを立証してみせる」

──カザフスタン人選手が米国で練習するケースが増えていますが、アスは今回の試合に向けてどこで練習をしてきたのでしょうか。

「練習の多くはカザフスタンのアルマトゥイでやっている。その後、ロシアのオセチアで高所トレーニングをして、キャンプの仕上げは40日間ほどキルクリフFCでやってきた」

──キルクリフFCにフライ級のトレーニングパートナーは、それほどいないかと思うのですが、なぜキルクリフFCで仕上げを?

「キルクリフFCは素晴らしいチームで、ファミリーのような人間関係がある。ファイターもそうだし、最高のコーチが揃っているからだよ。確かにフライ級のファイターは少ないから、僕は主にバンタム級の選手と練習をしてきた」

──そのキルクリフFCでは日本人選手も練習していますが、交流はありましたか。

「タカヤ・スズキ、若くて元気な日本人選手と仲が良くなったよ」

──鈴木選手が初日にKOされたという話が伝わってきたのですが、ひょっとしてアスが張本人とか?

「ノー、ノー。そんなことないよ(笑)。彼は若くて、良いヤツだ。練習を手伝ってもくれたけど、実際はそれほど一緒にトレーニングはしていないんだ。今回の対戦相手と彼はスタイルが違うからね」

──了解しました。ところでアスは、いつMMAを始めたのでしょうか。

「子供の頃から、多くのスポーツを経験してきたなかで2013年にMMAの練習を始めた。MMA以外の格闘技だとコンバット柔術をやっていたよ」

──コンバット柔術!! エディ・ブラボーが考案した掌底有りの柔術というわけではないですよね?

「違うよ。コンバット柔術は、とてもコンバットサンボに似ているスポーツだ。道着を着て、打撃も投げもある」

──実は2年前にBRAVE CFでアスの試合を見たことがあります。UFCへの道は色々と存在していますが、アスが中東のプロモーションで戦った意味は?

「凄く良い経験ができた。しっかりと、自分の戦いができたことも良かったと思っている」

──同じカザフスタンのフライ級ファイターであるアザット・マクスンが、UFC2戦目でキャリア初黒星を喫しました。彼の敗北をどのように考えていますか。

「アザットとは凄く仲が良いけど、所属ジムは違うんだ。もちろんカザフスタンのファイターだから応援しているし、前回の敗北は相手が強かった。何よりアザットは高いポテンシャルの持ち主で、これからもっと成功を収めていくと思っている」

──では対戦相手のCJ・ヴェルガラの印象を教えてください。

「良いファイターだ。ただ僕は経験値も高いし、勝負の鍵はもう把握している。レスリングが僕の長所だからね。これまで人生を賭けて練習を続け、UFCと契約した。この次の試合は、過去のファイトと同じように一つの試合でしかない。僕のゴールはチャンピオンになることだ」

■視聴方法(予定)
3月10日(日・日本時間)
午前8時分~UFC FIGHT PASS
午後12時~PPV
午前7時30分~U-NEXT

■UFC299対戦カード

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ショーン・オマリー(米国)
[挑戦者] マルロン・ヴェラ(エクアドル)

<ライト級/5分5R>
ダスティン・ポイエー(米国)
ベノワ・サンドニ(フランス)

<ウェルター級/5分3R>
ケヴィン・ホランド(米国)
マイケル・ペイジ(英国)

<ウェルター級/5分3R>
ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ(ブラジル)
ジャック・デラ・マダレナ(豪州)

<バンタム級/5分3R>
ピョートル・ヤン(ロシア)
ソン・ヤードン(中国)

<ヘビー級/5分3R>
カーティス・ブレイズ(米国)
ジャイルトン・アルメイダ(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
ケイトリン・セーミナラ(米国)
メイシー・バーバー(米国)

<ライト級/5分3R>
マテウス・ガムロ(ポーランド)
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ペドロ・ムニョス(ブラジル)
ケイラ―・フィリップス(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
フィリッピ・リンス(ブラジル)
イオン・クテレバ(モルドバ)

<ミドル級/5分3R>
ミチェウ・ペレイラ(ブラジル)
ミハウ・オレキシェイジュク(ポーランド)

<ヘビー級/5分3R>
ロベルス・デスパイネ(キューバ)
ジョシュ・パリジアン(米国)

<フライ級/5分3R>
CJ・ヴェルガラ(米国)
アス・アルマバエフ(カザフスタン)

<女子フライ級/5分3R>
ジョアン・ウッド(キューバ)
マリナ7・モロズ(ウクライナ)

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45 AB CJ・ヴェルガラ MMA MMAPLANET o UFC UFC299 YouTube アス・アルマバエフ アンドレ・ペデネイラス イオン・クテレバ エディ・アルバレス カーティス・ブレイズ ケヴィン・ホランド ショーン・オマリー ジャイルトン・アルメイダ ジャック・デラ・マダレナ ジョアン・ウッド ジルベウト・ドゥリーニョ ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ ソン・ヤードン ダスティン・ポイエー トニー・ファーガソン ハファエル・ドスアンジョス ピョートル・ヤン ペドロ・ムニョス マイケル・ペイジ マテウス・ガムロ マルロン・ヴェラ メイシー・バーバー

【UFC299】39歳、UFC36戦目=ガムロ戦へ。ドスアンジョス「ゴールはベルトじゃない。ビクトリーだ」

【写真】300回大会に加速。豪華カードのなかで、ドスアンジョス×ガムロがプレリミという凄まじさ(C)MMAPLANET

9日(土・現地時間)、フロリダ州マイアミはケイシーウア・センターで開催されるUFC 299「O’Malley vs Vera 2」で元世界ライト級王者ハファエル・どすアンジョスが、マテウス・ガムロと対戦する。
Text by Manabu Takashima

ライト級からウェルターと転向を2度繰り返してきたドスアンジョスが、39歳にして1年8カ月振りにライト級で戦う。そして、この試合がUFCで36戦目となるベテランは、6試合契約を結び上を今でも目指している。


──ハファエル、今週末にマテウス・ガムロと対戦します。今の気持ちを教えてもらえますか(※取材は6日に行われた)。

「最高だよ。ライト級に戻し、素晴らしいキャンプができた。土曜日への準備はできている」

──今、言われたようにライト級に戻しました。1年8カ月ぶりの155ポンドですが、39歳のファイターが階級を下げることは多くはないかと思います。

「UFCがライト級で戦うことを望んだ。それに僕自身、ウェルター級では小さいことは承知していたる。165ポンド、スーパーライト級があれば丁度良いんだけどね。でも、そんな階級はなくて、ウェルター級では小さすぎる。また上を目指すなら、ライト級の方が自分に合っているだろうしね」

──ここまで進化したMMAで1階級の差が7キロというのは、大きすぎますよね。

「その通りだと思うよ。UFCが考えを変えてくれれば、僕はスーパーライト級で戦うよ。ただし、減量は順調だ。ウェルター級で戦う時と比較すると、時間をかけて落としている。ウェルター級だとキャンプ中も、食べる量も多い。ライト級で戦う時は、そういうわけにはいかない。でも前にライト級で戦った時よりも減量は上手くいっているよ」

──対戦相手の比較ではなくて、自分の動きとしてウェルター級とライト級ではどちらが良いと思っていますか。

「ライト級は完璧だ。上手く、減量が進めばね。エディ・アルバレスやトニー・ファーガソンと戦った時は、そうじゃなかった。減量が最悪で、パフォーマンスにも影響を与えてしまった。ウェルター級でも、マイケル・キエーザ戦は減量に失敗して、完調には程遠い試合をしてしまった。今回はさっきも言ったように、順調に体重が落ちている。この調子だと、オクタゴンのなかでも100パーセントの力を発揮できるだろう」

──技術だけでなく、減量方法も進化しているように思います。

「そうだね。ノヴァウニオンのアンドレ・ペデネイラスの指導を受けると、以前とは全く違って上手く体重が落ちるようになった。栄養士からアドバイスを受け、しっかりと栄養を摂ることもできているしね。それに汗をかくためのアイテムも進化している。最終日、ドライアウトの日にはアルミニウムのカバーも使うし、凄く助かっているよ」

──そして、土曜日の試合はUFCで35戦目となります。

「ただただハッピーだよ。家族と幸せに生活できる基盤を築けた。まずそこが一番大切な部分で。とにかく、この人生を楽しめている。それに39歳になり、36戦目になってもUFCは僕にマテウス・ガムロのような強い選手を当ててくれる。ただキャリアを楽しむだけじゃない。今も競争力があって、ハードトレーニングを続けることができている。それをUFCも理解してくれているんだ。これだけタフな相手を用意しているということは、今も僕がコンペティティブだと評価してくれているからだ。

まぁ、あと数年したら最後はレジェンドファイトも経験してみたいけどね(笑)。ただ、どうなってもUFCにイージーファイトはないからね。常に若いファイターが虎視眈々とこの座を狙っている。それがUFCだから」

──達成感を感じることはないですか。

「自分のキャリアには満足している。でも、まだできる。終わっていない。神がこのヘルシーな体を与えてくれた。このまま前進を続け、強くなり続ける。UFCとも6試合の契約を結んだ。しっかりとボディケアをしているし、上を目指していることを週末に証明してみせる」

──おお、素晴らしいです。ではガムロの印象を教えてください。

「トップファイターだよ。レスリング、柔術、ともに優れている。ただし、彼は最高のハファエル・ドスアンジョスの強さを味わうことになるだろう。今回、僕は自分のルーツに戻ろうと思っているんだ」

──というと?

「柔術だよ。寝技に力を入れ、レスリングもやってきた。ガムロを相手にレスリングでもやり合えることを見せ、上を目指す。今はタイトルを意識することはないけど、勝ち続ければまたそういう機会が巡ってくるだろう。ただ一度は世界のベルトを巻いたから、そこに固執することはない。それよりも、可能な限り勝ち続けたいんだ。もちろん、キャリアを続けるうえで目標は必要だ。ただし僕のゴールはベルトではなくビクトリーなんだ。勝ち続ければ、自然とベルトには手が届く。とにかく勝ち続けるためのに戦い続ける」

■視聴方法(予定)
3月10日(日・日本時間)
午前8時分~UFC FIGHT PASS
午後12時~PPV
午前7時30分~U-NEXT

■ UFC299対戦カード

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者]ショーン・オマリー(米国)
[挑戦者] マルロン・ヴェラ(エクアドル)

<ライト級/5分5R>
ダスティン・ポイエー(米国)
ベノワ・サンドニ(フランス)

<ウェルター級/5分3R>
ケヴィン・ホランド(米国)
マイケル・ペイジ(英国)

<ウェルター級/5分3R>
ジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ(ブラジル)
ジャック・デラ・マダレナ(豪州)

<バンタム級/5分3R>
ピョートル・ヤン(ロシア)
ソン・ヤードン(中国)

<ヘビー級/5分3R>
カーティス・ブレイズ(米国)
ジャイルトン・アルメイダ(ブラジル)

<女子フライ級/5分3R>
ケイトリン・セーミナラ(米国)
メイシー・バーバー(米国)

<ライト級/5分3R>
マテウス・ガムロ(ポーランド)
ハファエル・ドスアンジョス(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
ペドロ・ムニョス(ブラジル)
ケイラ―・フィリップス(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
フィリッピ・リンス(ブラジル)
イオン・クテレバ(モルドバ)

<ミドル級/5分3R>
ミチェウ・ペレイラ(ブラジル)
ミハウ・オレキシェイジュク(ポーランド)

<ヘビー級/5分3R>
ロベルス・デスパイネ(キューバ)
ジョシュ・パリジアン(米国)

<フライ級/5分3R>
CJ・ヴェルガラ(米国)
アス・アルマバエフ(カザフスタン)

<女子フライ級/5分3R>
ジョアン・ウッド(キューバ)
マリナ7・モロズ(ウクライナ)

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UFC299:オッズ/予想と展望

ショーン・オマリー 1.35
マルロン・ヴェラ 3.30
ダスティン・ポワリエ 2.80
ブノワ・サン・デニ 1.46
ケビン・ホランド 1.74
マイケル・ペイジ 2.14
ギルバート・バーンズ 2.24
ジャック・デラ・マダレナ 1.68
ピョートル・ヤン 1.85
ソン・ヤドン 1.98
カーティス・ブレイズ 1.87
ジャイルトン・アウメイダ 1.95
ケイトリン・サーミナラ 2.64
メイシー・バーバー 1.51
マテウス・ガムロット 1.24
ハファエル・ドス・アンジョス 4.10
ペドロ・ムニョス 3.05
カイラー・フィリップス 1.40
ミシェウペレイラ 1.60
ミハル・オレクシェイチュク 2.40
ロベリス・デスパイネ 1.29
ジョシュ・パリジアン 3.50
C.J.ベルガラ 4.30
アスー・アルマバイエフ 1.24
ジョアン・ウッド 2.85
マリナ・モロズ 1.44
イオン・クテラバ 1.77
フィリペ・リンス 2.10

メインは昨年8月にバンタム級王者になったオマリーの初防衛戦。相手はエクアドル初のUFCタイトル挑戦者となるマルロン・ヴェラ。王者オマリーが過去唯一敗れているヴェラにリベンジしたいという希望があり組まれた。

オマリー自身が語るように、過去にヴェラがオマリーに勝っていなかったら、このタイミングでのタイトル挑戦はありえなかった。ヴェラは1年前にコーリー・サンドヘイゲンに敗れた後、昨年8月の前戦で、当時ランキング10位のペドロ・ムニョスに勝っただけ。1位ドバリシビリ、3位サンドヘイゲンの方が挑戦者としてふさわしかったし、仮に組まれていたら、オマリーがアンダードッグになっていたかもしれない。

前回のオマリー vs. ヴェラは4年前で、1Rにオマリーが右足を負傷してダウンしたところにパウンドをもらってのKO負け。アクシデント的ではあったが、2Rにヴェラのカーフキックをもらってスイッチしてから右足の動きがおかしかったので、ただの事故とも言えない。

そこまでの打撃戦はほぼ五分だったが、オマリーにとって相性はいい相手。ヴェラは前回敗れたサンドヘイゲン戦はスプリット判定だったが、終始打撃で圧される展開で、メディアのジャッジは7割がフルマークでサンドヘイゲン、2割が49-46でサンドヘイゲンを支持する内容だった。

オマリーKO勝ちと予想。

セミ前ではMVPことマイケル・ペイジがついにUFCデビュー。相手はランキング13位のケビン・ホランド。ランク上のギルバート・バーンズ vs. ジャック・デラ・マダレナより後に組まれている好待遇。

ホランドはミドル級時代に5連勝してメインイベンターとなったが、テイクダウンされるとザルという弱点を露呈。ウェルターでの試合ではここまで4勝2敗で、敗れた相手はスティーブン・トンプソンとマダレナ。レベルが上のストライカー相手に星を落としている。

ペイジは「インパクトがある勝利をする能力」については全MMAファイターの中でも屈指だが、格下にも凡戦をすることもあり、UFCウェルター級でどこまで上がっていけるかは未知数。グラップラー相手だと勝ったとしても持ち味を出せない場合が多く、今回の相手ホランドはランカーの中でもっとも手が合う相手となる。しかしあくまで下位ランカー。UFCとしても、このあたりには勝ってもらわないと困るというマッチメイクだろう。

他団体の大物がUFCで力を出せないUFCジッターの影響もあるのか、オッズはペイジがアンダードッグ。ホランドに勝てないようだと、今後ランク外レベルの相手としか当てていけなくなるし、最低でも今回くらいは勝ってもらいたい。

第1試合開始は10日8時。速報します。

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AB o UFC カイラー・フィリップス キック ペドロ・ムニョス リッキー・シモン

UFC on ESPN+91:メインイベント・ソン・ヤドン vs. クリス・グティエレス

バンタム級ヤドン7位、グティエレス15位。

地元中国でメインを張る予定だったヤドン。UFC9勝2敗。カイラー・フィリップスにテイクダウンされる展開でUFC初黒星を喫したが、そこから4勝1敗。ランキングもじわじわ上げてきた。黒星はコーリー・サンドヘイゲン戦で、打撃で真っ向勝負したが、次第に被弾が増えて、4R終了時点でドクターストップ負け。しかし、負けても今後の可能性を感じさせる敗戦だった。前回は下位ランカーのリッキー・シモンとの対戦で、ヤドンが苦手とするレスラータイプだったが、前戦とは逆に次第に打撃のダメージを蓄積させて行って5RにKO勝ち。かつてはテイクダウンされると下のまま時間を使ってしまっていたが、シモン戦では素早くリカバリーしてスタンドに戻しており、成長を感じさせた。26歳。

グティエレスはUFC8勝2敗1分け。ストライカーでカーフキックの名手。前座~中堅で7戦負けなしだったがなかなかランカーと対戦できず。ようやく組まれたランカーが、現役引退試合のフランク・エドガー戦で、1RKO勝ちでランキング入り。しかし続くペドロ・ムニョス戦では1Rにダウンを奪われ、その後は両者手数が減っての判定負けで4年半ぶりの敗戦を喫した。10月の前戦はランク外でヤドンと同じ中国のアラテン・ヘイリと対戦。距離を取って打撃をヒットさせる展開で判定勝ち。32歳。

ともにバンタム級ランキングでは、一度上位の壁に阻まれた後に再度上を目指している途中。

牽制で足を出すグティエレス。蹴りではなく足に触れるだけ。ヤドンがカーフキック。グティエレスもカーフを出した。ヤドン右を打ち込んだ。グティエレス警戒している。パンチからバックブローを見せるヤドン。バックスピンのフェイントを盛んに見せているグティエレス。詰めてきたヤドンだが、グティエレス距離を取る。バックブローは腕にヒット。ヤドンがカーフキックを連打する。残り1分。グティエレスが飛び込んでジャブをヒット。ヤドンの右オーバーハンドはブロック。ヤドンのカーフをもらってスイッチするグティエレス。ホーン。

1Rヤドングティエレスがいつになく慎重なのは初の5Rということも関係しているのか。

2R。サウスポーにスイッチしたグティエレスにインロー、ミドルを入れたヤドングティエレスオーソに戻すと前蹴りをヤドンの顔面に入れる。グティエレスようやくカーフ。序盤から動きが硬かったが、ちょっとほぐれたか。カーフ。蹴られて足が流れたヤドン。またカーフ。リズムよく打撃が出るようになってきたが、ヤドンプレスしてケージに詰める。距離を取ったグティエレスヤドンが詰めるがサークリングでかわすグティエレスヤドン意表をついたシングルレッグ。テイクダウン。グティエレスはフックスイープを狙ったが変えさせないヤドングティエレスガードに。密着したままパウンドを入れるヤドン。下から三角を狙おうとするグティエレス。入れないが、ヤドンの攻めも防いでいる。グティエレスがケージを掴んだとのことで注意が入るが、ガードから再開。残りわずかでヤドンが右のパウンド3連打。ホーン。

前半ややグティエレス、後半ヤドンが上でコントロールし終盤にパウンド3連打。若干ヤドン優勢のラウンドか。しかしグティエレスもスタンドでの攻めが出るようになってきた。

3R。ヤドンタックル。ケージに押し込むが、離れ際にワンツーを入れた。しかしヤドンが出した手がアイポークに。再開。ヤドンジャブから右ボディ。グティエレスは前蹴り。足数が増えてきた。ヤドン飛び込んでまた右ボディ。プレッシャーをかけるとサークリングでかわすグティエレス。詰めてきたヤドン。ケージを背負ったところでワンツースリーを入れた。サークリングするグティエレスにカーフキック。左フックから右フック。グティエレスかわした。しかしヤドンのカーフキック。残り15秒で出したグティエレスの前蹴りをキャッチしてテイクダウン。ホーン。

3Rもややヤドン