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45 AB BELLATOR MMA MMAPLANET o ONE PFL PFL2024#09 アダム・ボリッチ アンドレイ・コレシュコフ エリック・アレキン ガブリエル・ブラガ ゴイチ・ヤマウチ シャミル・ムサエフ タイラー・ダイヤモンド チムール・カイズリエフ ドン・マッジ ネイマン・グレイシー バッバ・ジェンキンス ブレナン・ワード ブレンダン・ラウネーン ペドロ・カルバーリョ ムハメド・ベルハモフ ルカ・ポクリ レイ・クーパー3世 ローガン・ストーリー

【PFL2024#09】躍進のカマカ3世がラウネーンに挑むフェザー級。ウェルター級は4人揃って初ベスト4

【写真】カイ・カマカ3世が番狂わせを起こすことは──??(C)PFL

23 日(金・現地時間)、ワシントンDCのジ・アンセムでPFL2024#09が開催される。PFL2024年プレーオフも最終戦を迎え、フェザー級とウェルター級の準決勝が組まれている。
Text by Manabu Takashima

フェザー級準決勝はブレンダン・ラウネーン×カイ・カマカ3世とガブリエル・ブラガ×チムール・カイズリエフ。ウェルター級はハメド・ウマラトフ×ネイマン・グレイシー、シャミル・ムサエフ×ムラッド・ラマザノフという組み合わせだ。

ネイマンはシーズン5位だったが、3位のドン・マッジの負傷欠場により繰り上がりでセミファイナル進出を果たしている。


2022年のフェザー級王者ラウネーンはボーナスだけでも5Pの荒稼ぎで、11Pで堂々のシーズン1位通過。対するカマカ3世はアダム・ボリッチの脱落というのは大きなファクターになっただろうが、バッバ・ジェンキンスとペドロ・カルバーリョから連勝して4位通過というのは、想像できなかった躍進といえる。

カマカ3世はスイッチを織り交ぜ、オーソでも左右のどちらにも緩急をつけてサークリングし、一瞬の左リードフックや右を合わせるタイミングが非常に良くなっている。その左フックをテイクダウンの踏み込みにシャープに振り、相手の姿勢を崩させて好印象とダメージという2つのゲインがある攻撃も得意になってきた。

それでもさすがにジェンキンスにテイクダウンは奪われたものの、背中を譲って立ち上がるというスクランブルに即持ち込んでマイナス評価を与えない動きも徹底されていた。ラウネーンとは近い距離でやり合うことも増えそうだが、一発のKOパンチだけでなく、打撃の神経戦で精神とスタミナを削ることができた者が決勝に近づきそうだ。

昨年準優勝で引退報道から一転、シーズン参加を果たしたブラガは2位で、3位に入ったチムール・カイズリエフとファイナル進出を賭けて戦う。他方ウェルター級ではネイマンはBellatorから、ラマザノフはONEから、ムサエフはRCC経由でKSWからと、ウマラトフ以外はPFL参戦経験がない選手たちがベスト4に残ったことになる。

ウマラトフも昨年はシーズン途中で欠場を強いられ今回が初のプレーオフ進出だ。結果としてはアンドレイ・コレシュコフ、ゴイチ・ヤマウチ、ローガン・ストーリー、ブレナン・ワード、ルカ・ポクリというBellatorベテランが、PFLのニューフェイス&ロシアンの軍門に下った形ともいえる。

そんななかプレリミメインのウェルター級で組まれたレイ・クーパー3世✖ムハメド・ベルハモフのウェルター級戦も見逃せない。

連敗中の2度のウェルター級世界王者ブラダボーイが、15勝1敗という鳴り物入りでBellatorと契約も際立った印象を残せていないベルハモフを相手に、どのようなパフォーマンスを見せることができるのか。下手をすると、結果次第ではブラダボーイは、このままフェードアウトしかねない状況だけに、息の良さが戻っているのか気になるところだ。

■視聴方法(予定)
8月24日(土)
午前6時45分~U-NEXT

■ PFL2024#09対戦カード

<フェザー級準決勝/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン: 146ポンド(66.22キロ)
カイ・カマカ3世: 145.6ポンド(66.04キロ)

<ウェルター級準決勝/5分3R>
モハメド・ウマラトフ: 170.6ポンド(77.38キロ)
ネイマン・グレイシー: 170ポンド(77.11キロ)

<フェザー級準決勝/5分3R>
ガブリエル・ブラガ: 146ポンド(66.22キロ)
チムール・カイズリエフ: 145.8ポンド(66.13キロ)

<ウェルター級準決勝/5分3R>
シャミル・ムサエフ: 170.6ポンド(77.38キロ)
ムラッド・ラマザノフ: 171ポンド(77.56キロ)

<ウェルター級/5分3R>
レイ・クーパー3世: 171ポンド(77.56キロ)
ムハメド・ベルハモフ: 170.4ポンド(77.29キロ)

<ウェルター級/5分3R>
エリック・アレキン:──
ルカ・ポクリ: 170.2ポンド(77.2キロ)
※アレキンが計量を行わず、この試合はキャンセルとなった

<フェザー級/5分3R>
タイラー・ダイヤモンド: 145.6ポンド(66.04キロ)
エンリケ・バルゾーラ: 145.4ポンド(65.95キロ)

<フェザー級/5分3R>
ジェシー・スターン: 145.6ポンド(66.04キロ)
ホゼ・ペレス: 145.2ポンド(65.86キロ)

<ヘビー級/5分3R>
マックススウェル・ジャントォ・ナナ: 263.8ポンド(119.65キロ)
ケント・マフィーレオ: 248ポンド(112.49キロ)

<ウェルター級/5分3R>
シトー・ボリ・エスペランカ: 170.8ポンド(77.47キロ)
テイラー・ヒル: 171ポンド(77.56キロ)

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45 MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#06 ペドロ・カルバーリョ ボクシング

【PFL2024#06】ボクシング&壁レスで優位のカマカ3世が判定勝ちで6Pに。カルバーリョは2敗で、終幕

<フェザー級/5分3R>
カイ・カマカ3世(米国)
Def.3-0:30-27.29-28.29-28
ペドロ・カルバーリョ(ポルトガル)

序盤、様子見のなかにも倒す意志が感じられる打撃戦のなかで、カマカが右を伸ばす。右ローから左の蹴りを見せようとしたカルバーリョは、そのローに右を合わさせる。蹴り足を掴むシーンもあったカマカだが、組みにはいかない。カルバーリョは首相撲にボディを打ちは、離れてからは蹴りからパンチのコンビを狙う。カマカのテンカオは距離が合わず、右ミドルハイを繰り出す。リードアッパーから右と鋭いコンビを見せたカマカはボディから顔面という連係を近距離で効果的に使う。

カルバーリョは左ミドルを決めたが、右を2発被弾する。残り10秒を切り、ボディから顔面──そしてミドルを入れたカマカが初回をリードした。

2R、ジャブから前に出るカルバーリョだが、そこにカマカが右を当てていく。カルバーリョはガードの上からハイを蹴るも、直後にカマカがワンツーを打ち返し、右を入れて組みへ。バックに回ったカマカは後方からヒザをワキ腹や太腿に入れる。シングルレッグで浮かしたカマカは、足をフックできずカルバーリョが離れる。

ここで蹴りに右を合わせたカマカが、右ボディを決める。カルバーリョも左と蹴りのコンビを見せ、左ミドルを決める。カマカは右ミドルを返すが、右を被弾する。首相撲もケージに押し込まれたカマカが、体を入れ替えてバックコントロールへ。正対したカルバーリョのギロチンは不完全で、ここも背中に回ったカマカが後方から殴って時間を迎えた。

最終回、ミドルを蹴りあった両者、カマカが右ストレートをヒットさせる。さらにカルバーリョのパンチ後に左フックを入れ、ミドルを効かせる。動きが落ちたカルバーリョはジャブを被弾し、果敢に拳を振るいシングルレッグへ。切ったカマカは、続くレベルチェンジでバックを許す。前方に崩しつつ、正対したカルバーリョはここでダブルレッグを切られ逆にバックを取られてしまう、

カマカはスイッチを察知するが、離れたカルバーリョが初めてダブルレッグで尻もちをつかせる。半身から立ち上がったカマカは、ギロチンの頭を抜いて離れて右フックを入れる。カルバーリョは左ローに右を当てる。バランスを崩したカマカは、ガードを取ってタイムアップまで下になった。

3-0 の判定勝ちを手にしたカマカは2勝0敗の6Pで暫定3位に。カルバーリョは2敗で敗退が確定した。


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45 AB BELLATOR MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#06 YouTube   その他 アダム・ボリッチ アンドレイ・コレシュコフ エンリケ・バルゾラ ガブリエル・ブラガ キック ゴイチ・ヤマウチ シャミル・ムサエフ ジャスティン・ゴンザレス タイラー・ダイヤモンド チムール・カイズリエフ ドン・マッジ ネイマン・グレイシー バッバ・ジェンキンス ブレナン・ワード ブレンダン・ラウネーン ペドロ・カルバーリョ ラウレアノ・エスタロポリ ルカ・ポクリ ロレンツ・ラーキン ローガン・ストーリー

【PFL2024#06】計量終了 残念過ぎるボリッチの離脱。混戦フェザーと、ウェルター級は消化試合も??

【写真】この身長差があるうえで、大幅に計量失敗(C)PFL

28日(金・現地時間)、サウスダコダ州スーフォールスのサンフォート・ペンタゴンで開催されるPFL2024#06の計量が26日(木・同)に行われた。
Text by Manabu Takashima

レギュラーシーズン最終戦はフェザー級とウェルター級の2階級の2戦目が実施される。しかしフェザー級で2位で、6位のバッバ・ジェンキンスと戦うガブリエル・ブラガが150.6ポンド(68.31キロ)と1Pオーバー規約からも4.6ポンド──2キロもオーバーに。獲得Pから1Pをペナルティで失うが、これだけ体重オーバーでポイント獲得できるのは、如何ともしがたい。

現在ポイントのないジェンキンスは不戦勝の3Pではプレーオフ進出は果たせないので、計量失敗したブラガとの試合に臨むしかない状況下にある。とはいえ少しでも対等な条件で戦うというコンバットスポーツの前提から、大きく逸脱しているといっても良いだろう。


そのフェザー級、プレーオフ出場権圏内の4位(3P)につけていたアダム・ボリッチが負傷欠場で、残念ながらシーズン終幕を迎えた。SNSでボリッチは電動キックボードのような乗り物に台を置き、その上に固められた右足を乗せてヒザ立ち状態で欠場を報告し、再起を誓っていた。

残念すぎるボリッチの離脱、代役はリザーブ戦で勝利したテイラー・ダイヤモンドが務め、8位のブレット・ジョンズと対戦する。

1位のブレンダン・ラウネーンは9位のジャスティン・ゴンザレスと。3位(3P)のチムール・カイズリエフは無得点=7位のエンリケ・バルゾラと。5位(3P)のカイ・カマカ3世は最下位のペドロ・カルバーリョと戦う。

そして下位のファイターが上の選手を食う力を持っているなか、ブラガは勝利Pから1Pが差し引かれることもあり、プレーオフ進出の行方は最後まで予想がつかないフェザー級だ。

対してウェルター級は1位のドン・マッジと、0点で6位のネイマン・グレイシーとの対戦はウェルター級の初戦で組まれている。

結果マッジは3Rまでにフィニッシュをすれば、早々にプレーオフ進出が決まる。

この他、2位のムラッド・ラマザノフが3位のシャミル・ムサエフ、4位のマゴメド・ウマラトフは9位に甘んじるブレナン・ワードと。

3Pを持ち、5位のゴイチ・ヤマウチは7位のアンドレイ・コレシュコフと相対する。8位のローガン・ストーリーは最下位ラウレアノ・エスタロポリの欠場で、代役ルカ・ポクリとウェルター級最終試合で戦う。

その他の試合結果次第、特に2位と3位の潰し合いがあるなかで、プレーオフ進出のボーラーラインが何ポイントになっているのか。ローガン×ポクリは消化試合になる可能性もある。

なお今大会はレギュラー戦でなく、Bellatorからロレンツ・ラーキンがワンマッチでアラン・ドミンゲスとPFLデビュー戦を戦うことが決まっている。

■視聴方法(予定)
6月29日(土・日本時間)
午前7時15分~U-NEXT

■ PFL2024#06計量結果

<フェザー級/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン: 146ポンド(66.22キロ)
ジャスティン・ゴンザレス: 145.6ポンド(66.04キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ローガン・ストーリー: 170.4ポンド(77.29キロ)
ルカ・ポクリ: 170ポンド(77.11キロ)

<ウェルター級/5分3R>
マゴメド・ウマラトフ: 170.4ポンド(77.29キロ)
ブレナン・ワード: 171ポンド(77.56キロ)

<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・ブラガ: 150.6ポンド(68.31キロ)
バッバ・ジェンキンス: 146ポンド(66.22キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ロレンツ・ラーキン: 170.8ポンド(77.47キロ)
アラン・ドミンゲス: 170.6ポンド(77.38キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ムラッド・ラマザノフ: 170.4ポンド(77.29キロ)
シャミル・ムサエフ: 170.6ポンド(77.38キロ)

<フェザー級/5分3R>
チムール・カイズリエフ: 146ポンド(66.22キロ)
エンリケ・バルゾラ: 146ポンド(66.22キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ゴイチ・ヤマウチ: 170.6ポンド(77.38キロ)
アンドレイ・コレシュコフ: 171ポンド(77.56キロ)

<フェザー級/5分3R>
ペドロ・カルバーリョ: 146ポンド(66.22キロ)
カイ・カマカ2世: 146ポンド(66.22キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ドン・マッジ: 169.8ポンド(77.01キロ)
ネイマン・グレイシー: 170.4ポンド(77.29キロ)

<フェザー級/5分3R>
タイラー・ダイヤモンド: 145.4ポンド(65.95キロ)
ブレット・ジョンズ: 145.6ポンド(66.04キロ)

■視聴方法(予定)
6 月28日(金)
午後9時15分~ U-NEXT

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45 MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#03 ブレンダン・ラウネーン ペドロ・カルバーリョ

【PFL2024#03】ブレンダン・ラウネーン、96秒でカルバーリョを倒しファーストハーフを首位で折り返す

【写真】圧倒的な力の差を見せ、スタートダッシュを決めた(C)PFL

<フェザー級/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
Def.1R1分26秒by TKO
ペドロ・カルバーリョ(ポルトガル)

開始直後からスピーディーに動く両者。そして相手の動きをよく見ているなかで、カルバーリョの左のダブルをかわし、組みを切ったラウネーンが右を当てる。さらに右ストレートを打ち抜くと、後方に倒されたカルバーリョに立ったままでパンチを落とす。足にしがみつこうとして殴られるカルバーリョを見てレフェリーが試合を止めた。

不満そうなカルバーリョとは対照的に、ラウネーンは満面の笑みを浮かべた。


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45 AB BELLATOR MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#03 RIZIN UFC アダム・ボリッチ アンドレイ・コレシュコフ オットー・ホドリゲス ガブリエル・ブラガ ゴイチ・ヤマウチ ジャスティン・ゲイジー タイラー・ダイヤモンド チムール・カイズリエフ ドン・マッジ ネイマン・グレイシー バッバ・ジェンキンス ブレナン・ワード ブレンダン・ラウネーン ペドロ・カルバーリョ ローガン・ストーリー

【PFL2024#03】カルバーリョと対戦、ブレンダン・ラウネーン「エルボーの有無でゲームは別モノになる」

【写真】エルボーのない試合の経験差が、ラウネーンの言う通りに出るのか(C)MMAPLANET

19日(金・現地時間)、イリノイ州シカゴのウィントラスト・アリーナでPFL2024#03が開催される。フェザー級2024年シーズンの開幕戦でBellatorから転身のペドロ・カルバーリョと対戦するブレンダン・ラフネーン。
Text by Manabu Takashima

2022年シーズン・ウィナーは、PFLの日程とルールセットに対面するBellator勢の苦戦を断言。彼自身にはマッシブ・アドバンテージがあると話した。


──PFL2024シーズがスタートし、ペドロ・カルバーリョと対戦します。今の気持ちを教えてください。

「アメージングだ。また戦いの時が来た。やってやるよ」

──ところでPFLがBellatorを買収した時、ブレンダンはどのような想いでしたか。

「最高じゃないか。新しいコンペティターが参入してくることは、皆にとって素晴らしいことだからね」

──日本でもUFCに次ぐ世界第2位のプロモーション=Bellatorと第3のプロモーション=PFLが一つになることは大きな話題になりました。

「ノー、ノーノーノ―。PFLがナンバースリーなんて、勘弁してくれ(笑)。そして、いつの日かPFLがナンバーワンになることを願って僕らは戦っているんだ。Bellatorも素晴らしいプロモーションだったし、そこのファイターがPFLに合流することで目新しいマッチメイクが増える。

バッバ、ブレットと共にフェザー級のロースターとして今シーズンをPFL出身として戦えることが凄くハッピーだ。何しろ僕とバッバ以外は皆が新顔で、本当にどんな試合が実現していくのか。心の底から楽しみでならない」

──知名度のBellator、実力のPFLというイメージも実は持たれていたのですが、リヤドの大会ではPFLは大敗を喫してしまいました。

「PFLからはチャンピンが出場できない試合がいくつかあった。だからPFLが負けたという言われ方は心外だ。ピネドもマゴメドケリモフもあのショーでは戦っていないからね。ベストメンバーが揃えば、PFLが勝っていたはずだよ。

Bellator勢がシーズンに参戦してくるけど、僕らが如何にハードな戦いをやってきたのか身をもって知ることになるだろう。7カ月で4試合、この大変さは経験しないと理解できない。試合のたびに、色々と別の個所をケガする。その状態で試合は続く。目が腫れていようが、すぐに練習に戻らないといけない。これから実力がハッキリすることになる。そして、次のチャンプ・チャンプ決戦ではPFLが勝ち続けるよ」

──ではカルバーリョ戦に向けて、どのような試合になるとイメージしていますか。

「ペドロは凄く堅実なファイターだ。ただしレスリングでも、柔術でも僕の方が優れている。もちろん、打撃に関してはことさら強調する必要もない。僕の方がオールラウンダーだと証明するよ」

──ところでPFLで戦うようになったBellatorファイターは、エルボーが使えないことを危惧している選手が多かったです。ブレンダンは既にエルボーなしを4シーズンで11試合戦ってきました。エルボー無しで、勝ちパターンを構築したかと思います。

「エルボーの有無でゲームは別モノになる。寝技のポジション、スタンドでのクリンチは全く違う。それに何か無いところから増えるのはアジャストしやすいんだ。でも、有ったモノが無くなるのは調整が凄く難しい。つまりBellator勢は、この事実にすぐに直面することになる。

特にグラウンド&パウンドでエルボーがないことで、PFLではレスラーが上手く相手をコントロールして、殴ることができている。ぴったりと頭をつけていると、パンチのスペースがなくなるからね。さっきもいたけど、ずっとやってきた武器がなくなる。新顔にはタフな状況だよ」

──ではカルバーリョ戦でも、その点は有利になると?

「エルボーが使えないことだけでなく、僕にはアドバンテージだらけだよ。とにかくPFLで4年間戦ってきた僕にはマッシブ・アドバンテージがある」

──ところでBellatorはRIZINとクロスプロモーションというMMA界で稀なショーを開いてきました。11月にファイナルが終わった後、ニューイヤーイブ・ショーに出場する機会があれば実現させたいですか。

「とにかくファイトスケジュールによるよ。ただし、引退前に必ず日本で戦いたいと思っている。日本か中国、僕の知らない世界を目にしたいんだ」

■視聴方法(予定)
4月20日(土・日本時間)
午前7時45分~U-NEXT

■ PFL2024#03対戦カード

<ウェルター級/5分3R>
アンドレイ・コレシュコフ(ロシア)
マゴメド・ウマラトフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
ペドロ・カルバーリョ(ポルトガル)

<ウェルター級/5分3R>
ローガン・ストーリー(米国)
シャミル・ムサエフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・ブラガ(ブラジル)
ジャスティン・ゲイジー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ゴイチ・ヤマウチ(ブラジル)
ネイマン・グレイシー(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
バッバ・ジェンキンス(米国)
カイ・カマカ2世(米国)

<フェザー級/5分3R>
アダム・ボリッチ(ハンガリー)
エンリケ・バルボーザ(ペルー)

<フェザー級/5分3R>
チムール・カイズリエフ(ロシア)
ブレット・ジョンズ(英国)

<ウェルター級/5分3R>
ラウレアノ・エスタロポリ(アルゼンチン)
ムラッド・ラマザノフ(ロシア)

<ウェルター級/5分3R>
ドン・マッジ(南アフリカ)
ブレナン・ワード(米国)

<フェザー級/5分3R>
タイラー・ダイヤモンド(米国)
オットー・ホドリゲス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ホマン・ドゥビエンヌ(フランス)
サッド・ジーン(米国)

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45 AB BELLATOR MMA MMAPLANET o PFL PFL2024#03 UFC アダム・ボリッチ アンドレイ・コレシュコフ オットー・ホドリゲス ガブリエル・ブラガ ゴイチ・ヤマウチ ジャスティン・ゲイジー タイラー・ダイヤモンド チムール・カイズリエフ ドン・マッジ ネイマン・グレイシー バッバ・ジェンキンス パトリシオ・フレイレ ブレナン・ワード ブレンダン・ラウネーン ペドロ・カルバーリョ ローガン・ストーリー

【PFL2024#03】1年半振りの復帰はPFL、ヒザ神=アダム・ボリッジ「ザ・キッドは生まれ変わった」

【写真】溌溂としていたアダム・ボリッチ(C)MMAPLANET

19日(金・現地時間)、イリノイ州シカゴのウィントラスト・アリーナでPFL2024#03が開催される。2024年シーズン、最後に開幕を迎えるのはウェルター級とフェザー級だ。
Text by Manabu Takashima

例年、一・ニを争う混戦となる両階級にBellator勢が加わり、さらにタフになることは間違いない。そんなフェザー級にアダム・ボリッチが参戦、実に1年半振りのファイトでエンリケ・ベルゾラとBellator対決を戦う。長いレイオフから復帰するザ・キッドにPFLで戦う心境を尋ねた。


──アダム、実に1年半振りの試合がBellatorではなくPFLになりました。それにしても長いレイオフでしたね。

「パトリシオ・フレイレ戦の直後にACLの手術をして、回復するまで本当に長い時間がかかった。ようやく、戻ってくることができた。心の底から嬉しいよ」

──心身ともにリフレッシュできたと捉えて良いでしょうか。

「そうだね。でも去年は少しストレスを感じていた。手術後、ハンガリーに戻って、1年間は向うにいたよ。少しでも早く復帰したかったのに、1年以上も時間がかかってしまって。12月になってようやくトレーニングに戻ることができた。そこからはヒザの調子も良いし、心身ともに過去最高の状態にあるよ。なんていうのか……生まれ変わったような気分なんだ。

でもフロリダに戻って、驚いたよ。凄く日本のファイターが増えていた(笑)。皆、礼儀正しくて『アリガト』っていつも言ってくるよ(笑)」

──アハハハハ。ところで、この間にBellatorがPFLに買収されました。

「何が起こっているから分かっていなかったから、ちょっと怖かった。これは事実だ。結果、Bellatorも継続して活動できることになり、MMA界にとって良かったと思う。その上で僕自身はPFLで戦うことになった。しかも長い間、実戦を経験していない状況でのPFLでの試合だから新しいチャレンジになる。

とにかく戦えることが嬉しい。別に試合前にゴチャゴチャ言い合うとか、そういうことはどうでも良いから。最後の試合のデキが良くなくて、あのままのイメージを引きづってしまっている。体調はあの時とは全く違う。これで、ようやくあの時の記憶を上書きできると思うとホッとしているよ」

──ではPFLとの対抗戦でBellatorが5勝1敗と大勝したことに関して、どのように感じましたか。

「そりゃあ、嬉しかったよ。でも、その強いBellatorファイターがPFLに大挙参戦する。つまりPFLの選手が強くなるということになる」

──これまでは2カ月、3カ月間、1人の相手に集中して調整できました。そして試合が終わると休息をし、次の試合が決まるまでは対策練習でなく自身の技量を上げるトレーニングができた。PFLのシーズンフォーマットは、まるで違います。

「ハードになる。それは絶対だ。だからこそ、新しいチャレンジになるんだ。だって、これまでにやったことがないんだから。ノウハウもない。ただケージの中でフィニッシュをし、ケガをしないこと。それってこれまでと何も変わらない。フィニッシュを狙わないことはなかったし、ケガをしても構わないなんて気持ちで戦うこともなかったから。

フィニッシュが多くなるのは、ファンにとっては良いだろう。僕自身は目の前の相手に集中すること。シーズンフォーマットだからって、この先のことを考えてケージに上がるなんてことはない。4月19日のエンリケ・バルボサとの試合しか、頭にないよ。違いは試合が終わってもハンガリーに戻らず、フロリダで次の試合に備えること。それで100万ドルを狙うことができるんだ。最高だよ。凄くタフなテストになるけど、だからこそ遣り甲斐があるってもんだよ(笑)」

──では、そのバルゾラの印象を教えてください。

「経験豊かなファイターだ。UFCとBellatorで、その強さを見せてきた。良い選手──だけど、チャンピオンになるような能力はない」

──アダム・ボリッチのカムバックとニューチャレンジ、楽しみでしょうがないです。

「ありがとう。ザ・キッドは生まれ変わった。この世界でベストの1人であることを証明したい。前回の世界タイトル戦は、コンディションに問題があった。あれがアダム・ボリッチの真の姿ではない。体調さえ100パーセントなら、僕はチャンピオンになれる力が十分にある。そう皆が思える試合を、次は見せたい」

■視聴方法(予定)
4月20日(土・日本時間)
午前7時45分~U-NEXT

■ PFL2024#03対戦カード

<ウェルター級/5分3R>
アンドレイ・コレシュコフ(ロシア)
マゴメド・ウマラトフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
ペドロ・カルバーリョ(ポルトガル)

<ウェルター級/5分3R>
ローガン・ストーリー(米国)
シャミル・ムサエフ(ロシア)

<フェザー級/5分3R>
ガブリエル・ブラガ(ブラジル)
ジャスティン・ゲイジー(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ゴイチ・ヤマウチ(ブラジル)
ネイマン・グレイシー(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
バッバ・ジェンキンス(米国)
カイ・カマカ2世(米国)

<フェザー級/5分3R>
アダム・ボリッチ(ハンガリー)
エンリケ・バルボーザ(ペルー)

<フェザー級/5分3R>
チムール・カイズリエフ(ロシア)
ブレット・ジョンズ(英国)

<ウェルター級/5分3R>
ラウレアノ・エスタロポリ(アルゼンチン)
ムラッド・ラマザノフ(ロシア)

<ウェルター級/5分3R>
ドン・マッジ(南アフリカ)
ブレナン・ワード(米国)

<フェザー級/5分3R>
タイラー・ダイヤモンド(米国)
オットー・ホドリゲス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ホマン・ドゥビエンヌ(フランス)
サッド・ジーン(米国)

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【Bellator CS2024#01】パトリシオに挑戦、3大メジャーで勝ち越し=ジェレミー・ケネディ「GSPの影響」

【写真】UFCとBellator、PFLの全てで勝ち越している31歳って凄いだろう(C)MMAPLANET

22日(金・現地時間)に英国は北アイルランドのベルファーストにあるSSEアリーナで開催されるBellator Champions Series2024#01「Belfast」でジェレミー・ケネディがBellator世界フェザー級王者パトリシオ・フレイレに挑戦する。
Text by Manabu Takashima

当初の予定ではジェイムス・ギャラガーと対戦予定だったケネディだったが、パトリシオがPFL Champ vs Bellator Champでファイトを失し、急遽ベルファーストで世界戦が決まった。昨年2月にペドロ・カルバーリョを下し3連勝としたケネディは、それ以来パトリシオに挑戦することを念頭にトレーニングを続けてきたという。

UFCで3勝1敗、PFLで2勝1敗、Bellatorで4勝1敗。世界三大メジャーで勝ち越す実力者の世界挑戦前に初インタビュー。通のファンを唸らせるジェレミー・ケネディの内側に迫った。


──ジェレミー、同サイトで待望の初インタビューとなります。この機会を得られて凄く嬉しいです。

「こちらこそ、ありがとう」

──ジェイムス・ギャラガーとのワンマッチが一転、パトリシオ・フレイレの持つBellator世界フェザー級王座挑戦となりました。パトリシオが2月24日に試合ができなかったことで、急転直下のタイトル挑戦です。

「いずれにせよ、タイトルに挑戦できるのは素晴らしいことだよ。ずっと長い間タイトル挑戦の機会を待っていた。そして1年間、彼に挑戦することを期待して、その試合のためにトレーニングを積んできたんだ。この間パトリシオはバンタム級で戦い、RIZINで戦い、本来はPFLとのチャンピオン対決と僕にその機会は巡って来なかった。それが、今回の件でいなりタイトルに挑戦できることになった。

ギャラガーと戦うことも楽しみにしていたけど、このゴタゴタがあってタイトルショットが巡ってきた。より気合いが入ったよ。凄くエキサイトしている」

──ようやく巡ってきた世界挑戦ですが、4週間の準備ということに躊躇することはなかったですか。

「いつタイトル戦のオファーが来ても良いように、通常から5Rを想定したトレーニングをやってきた。もう、ずっとね。確かに試合まで1カ月もないオファーで、ラウンドも3Rから5Rに変わる。でも去年からファブリシオ戦を念頭に、世界戦の準備のために5R用のトレーニングをしてきた。つまりコーチはパトリシオ対策を考え、パトリシオと戦うためのゲームプランを練り、パトリシオと5R戦で戦うためにトレーニングパートナーとスパーリングをしてきたんだ。ギャラガーとの3回戦からパトリシオとの世界戦、5R戦は大きな違いだけど、やるべきことは大きく変える必要はなかった」

──なるほど、です。ところでジェレミーはとても興味深いキャリアを過ごしてきました。

「どういうことだい?」

──23歳でUFCにデビューして3連勝後にアレックス・ヴォルカノフスキーに敗れ、キャリア12戦目で初黒星を喫しました。それでもオクタゴン3勝1敗、立派な成績なのにUFCを離れ、BRAVE CFとサインをしてモロッコとサウジアラビアで戦いました。なぜ、勝ち越しているUFCとの契約を更新しなかったのでしょうか。しかも、中東ベースのプロモーションに転じるというのは例がないことではないかと。

「その通りだね。僕のキャリアの積み方って、どうにかしているよね(笑)」

──アハハハハ。

「凄く若い時にUFCと契約して、3勝1敗という戦績は成功といって良いだろう」

──ハイ。

「4試合の契約を終え、契約更新の交渉が始まった。でも、凄く時間が掛ってしまっていた」

──とはいってもヴォルカノフスキー戦からBRAVE CFで戦うまで半年のインターバルしかなかったです。

「僕はまだ若かった。初めて敗北を経験して、少しでも早く勝ち星を手にしたくてしょうがなかった。でもUFCの考え方は少し僕とは違っていて、時間を掛けて交渉してきた。ちょうどコンテンダーシリーズとか、TUFとかの時期と重なって僕の試合をすぐに組もうという気はなかった。その時、BRAVE CFからコンタクトがあり、極めて良い条件で試合も多くこなせるという条件を提示してもらったんだ。

あの時点において、BRAVE CFの条件こそが僕が求めているモノだった。ただ、ずっとBRAVE CFで戦っていこうとは考えてはいなかったよ。短期間で、試合を複数こなして現状を変えたかったんだ。BRAVEで連勝した時に、PFLから2019年シーズン出場というオファーがあった。PFLはUFCに戻るために最適だと思ったんだ。それを考えると今、またPFLに戻ったことになるのは興味深いよね」

──そのPFLではプレーオフ&準決勝進出もファイナルには残れなかったですが(準決勝でダニエル・ピネダに敗れるが、ピネダが禁止薬物使用でNCに)、2勝1敗1NCでベスト4。PFLはベスト4のファイターは契約を更新しますが、ジェレミーは2020年にはBellatorに転じました。

「UFCを離れた時、僕にはマネージャーがいなかった。この時はもういて、PFLで戦う気でいた。でもコロナ禍で、知っての通りPFLは2020年の全イベントをキャンセルした。僕といえば、頻繁に試合をしてアクティブに過ごしたいという軸に変わりはなかった。だぁらマネージャーに『何かオプションはない? 長い間、試合をしないで過ごすのは避けたい』と伝えたんだよ。

その結果、2020年10月にBellatorとサインし、翌月にBellator初戦を戦った。僕はただ試合数をこなしたいだけで、PFLがシーズンを続けていれば離れることはなかった。とにかく試合を続けていれば、一度は離れてもドアが完全に閉まることは決してない。勝っていれば、また機会を訪れると考えていたよ。

Bellatorでは5試合戦って4勝1敗という状況で、PFLに買収された。僕はPFL傘下のBellatorでベルトを巻いて、防衛戦を行っていくつもりだよ」

──UFC、PFL、Bellatorの全てで勝ち越しているジェレミーですが、試合としてはハイライトリールでガンガン流れるタイプではなくて、7つのKO勝ちと2つの一本勝ちをしてなお堅実かつ安定したファイトで勝ち星を積み上げてきました。

「僕はいつだって、試合の一瞬・一瞬で勝利を手にするという意識を持ち続けている。堅実で安定したファイトかもしれない。ただし、競り合いが好きでも接戦なんて好きじゃない。だから判定勝ちした時もジャッジは30-27をつけるし、スプリットで勝つのも嫌だ。試合を支配する。ドミネイトかフィニッシュ、常に勝利を意識してきた。確かにベストファイターと戦っていると、そんな風に戦えないこともある。でも、どのような試合展開になろうとも……KO、一本勝ちだけでなく判定勝ちでも、誰が見ても僕の勝ちは明白という試合を心掛けている」

──そのようなファイト哲学を持つようになったのは、誰かの影響を受けたからなのでしょうか。それとも、それがジェレミーの気質なのですか。

「哲学というか、ごく自然にそういう動きになるんだよね。柔術家がガードを取っても、僕には通用しない。レスラーと対戦しても、簡単にテイクダウンを奪われることもない。ストライカーは、自分の戦いに僕を持ちこむことはできない。こういう戦い方になったのは、やっぱりGSPの影響が強いよ(笑)」

──あっ、納得です(笑)。

「同じカナダ人だからってことでなく、誰が相手でも完全にドミネイトするGPSの戦い方が大好きで。50-45の判定勝ちを常にするって、凄いことだよ。一方的な試合をする。そこが最高に格好良かった」

<この項、続く>


■視聴方法(予定)
3月23日(土・日本時間)
午前1時30分~U-NEXT

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BELLATOR Bellator299 MMA MMAPLANET o アーロン・ピコ スコット・コーカー ペドロ・カルバーリョ

【Bellator299】完璧SB+コントロール&パウンド。アーロン・ピコがカルバーリョに圧勝。機は熟したか

<フェザー級/5分3R>
アーロン・ピコ(米国)
Def.1R3分05秒by TKO
ペドロ・カルバーリョ(ポルトガル)

左ローから左ミドルを蹴ったカルバーリョに対し、ピコは腹を殴る。ダブルレッグでテイクダウン、スクランブルでバックに回ったピコは離れて打撃の間合いへ。カーフを効かされた感のあったピコだが、すぐにダブルレッグからバックへ。ここもカルバーリョが距離を合わせると、離れて打撃の交換のなかで3度目のテイクダウンを決める。ここも2度のテイクダウンを同じく、スクランブルでバックを取り正対されると離れる。見事にシュートボックスを続けるピコは、直後に右アッパーでダウンを奪う。

カルバーリョはシングルを切られ引き込むが、ガードに入ったピコは左右のエルボーを打ち込む。ピコはパンチに移行し、カルバーリョのニーシルードにも拳を打ちつけ続ける。ついには背中を見せたカルバーリョを左で殴り続けたピコが、TKO勝ちを決めた。

「トップファイターが僕と戦いたがらないなか、試合を受けてくれたペドロに感謝している。100パーセント、世界チャンピオンになる準備はできている。僕は防衛もして、グレートチャンピオンになる。スコット・コーカー、マイク・コーガン、チャンスを与えてくれ。この団体で若い頃からやり始めて、少し年を取って長い時を過ごした。チームに誇りを持っている」とピコは話した。


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【Bellator299】展望。兄弟でUFC & Bellator制覇へ─ファビアン・エドワーズ×ミドル級最強の声=エブレン

【写真】昨日の計量でエブレンは184.6ポンド。エドワーズは185ポンドのリミット丁度でパスしている (C) BELLATOR

23日(土・現地時間)、アイルランドはダブリンの3アリーナ・ダブリンでBellator299「Eblen vs Edwards」が行われる。
Text by Isamu Horiuchi

大会名が示す通り、メインイベントは米国人王者ジョニー・エブレンに英国のファビアン・エドワーズが挑戦するミドル級世界選手権試合だ。


背中に韓国の太極旗と米国の星条旗が陰陽を形作るタトゥーを抱くエブレンは、韓国人の母と米国人の父を持つ。生まれはアイオワ州だが、両親が出会ったのは父親の駐屯先だった韓国だ。これは韓国と米国にルーツを持つ元UFC世界王者ベンソン・ヘンダーソンの両親が出会った形と同様のものだ。

とまれ高校時代にレスリングでカンザス州王者に就き、ミズーリ大学でもNCAA D-1で活躍したエブレンは、大学卒業後に出会った五輪レスラー、スティーブ・モッコの紹介でATT入りしてMMAを学び、2017年にプロデビューを果たす。デビュー4連勝後の2019年からベラトールに参戦し、その後も持ち前の無類の圧力とテイクダウン力を活かした戦いで連勝した。

勝ち星を重ねるうちに打撃との連係も上達し、パンチによるKO勝利も複数記録したエブレンは、昨年6月にゲガール・ムサシのミドル級王座に挑戦。

スイッチも駆使した戦いで初回に右フックを当ててダウンを奪うと、その後もテイクダウンと打撃を混ぜてペースを完全に支配──スタンド&グラウンドの双方において終始優勢に試合を進めて判定3-0(三者とも50-45のフルマーク)で完勝。世代交代を印象付ける戴冠となった。

さらに今年の2月には、当時ベラトール7連勝中にしてプロ戦績31勝2敗の戦績を誇っていたロシアのアナトリー・トコフを相手に初防衛戦に臨む。

被弾する場面こそあったものの要所でテイクダウンを決めて上から試合をコントロールし、これまた判定3-0で完勝、デビュー以来の連勝記録を13に伸ばした。

先日UFCのミドル級絶対王者といわれていたイスラエル・アデサニャがショーン・ストリックランドにまさかの完敗を喫し、またアデサニャのライバルと目されていたアレックス・ペレイラがライトヘビー級に転向した現在、無敗のエブレンを現在のミドル級世界最強候補に推す声も出始めている。

この王者に挑戦するファビアン・エドワーズは、言わずと知れた現UFCウェルター級王者レオン・エドワーズの2歳下の弟だ。兄同様にジャマイカで生まれ、幼少時に英国に移住。

昨年8月に兄が当時PFP1位と呼ばれた絶対王者カマル・ウスマンを5Rに大逆転の左ハイでKO勝利した後に叫んだ「俺は the trenches(塹壕=弾丸が飛び交うが如く犯罪と暴力に満ちた生活環境の例え)出身だが、そんなのは関係ねえ! そうして強くなってきた! 人生でずっと虐げられてきたんだ! でも今のこの俺を見ろ!」という言葉はUFC史上に残る名マイクパフォーマンスとなったが、当然兄と共にいたファビアンも”the trenches”育ちだ。

父は彼が11歳、兄が13歳の時にロンドンのナイトクラブで射殺されている。格闘技と出会うことで犯罪から身を離すことができたという兄に遅れてMMAを始めたファビアンだが、その戦い方は最も身近なコーチである兄とよく似ている。すなわち、サウスポーで距離を取り無数のフェイントを交えつつ、強烈かつ多彩な左の打撃を軸とするもの。主武器は左ストレートだが、兄がウスマンをKOした左ストレートを見せてからの左ハイも以前からファビアンは使っている。

2017年5月にいきなりベラトールのロンドン大会でプロ第一戦に臨み、見事な飛びヒザで衝撃のデビューを飾ったファビアンは、その後BAMMAで4試合(1KO&3つの一本勝ち)を挟んだ後、2019年2月にベラトール再登場を果たす。その後は同年5月のファルコ・ネト戦におけるアップキックでダメージを与えての鮮烈なKO勝利を含めて4連勝を果たす。

直後に2連敗を喫したものの、昨年5月にはUFCレジェンドのリョート・マチダと対戦。ケージに押し込んでからの離れ際の左ヒジを痛烈にヒットさせ、ふらついたリョートに左ストレートを連打で叩き込んで1RKOに下し、デビュー以来最大の勝利を掴んだ。

さらに1勝を重ねた後、今年5月には(昨年6月にエベレンに敗れてタイトルを失った)ゲガール・ムサシとのミドル級王座挑戦者決定戦に臨む。スピード差を活かして鋭い左ストレートを幾度となく当てたファビアンは、さらに左からニータップにつないでテイクダウンを奪う等優勢に進め3-0(三者とも49-46)で快勝し、今回のタイトル挑戦権を得た。

そして迎える両者の世界戦だが、下馬評は圧倒的にファビアン不利となっている。戦績差、相性やこれまでの両者のケージ内のパフォーマンスを比較したも、妥当といえるだろう。ファビアンとしては、当然スタンドで間合いを保って打撃で勝負を賭けたいところだ。が、それはこれまでのエブレンの対戦相手のほぼ全員が試みてきた戦い方であり、ただの1人として成功していない。

エブレンはそのMMAキャリアのほぼ全てにおいて、離れて打撃勝負を試みる相手に圧力をかけてコーナーに詰め、テイクダウンを奪ってみせている。グラウンドでのトップコントロール力も突出していて、寝技で相手に上のポジションを取られた場面自体ほとんどないほどだ。

対するファビアンは、お互い打撃を交換し合う場合の間合いの取り方は超一級品だが、距離を詰めてくる相手にケージ側に追い込まれることは少なくない。そして腰が抜群に強いとも言えず、そこから組み付かれてテイクダウンを許すこともしばしばだ。

さらにいえば、倒されてガードポジションを取った後で足を利かせて立ち上がる術に長けてはいるものの、完全にハーフで胸を合わされて背中を付けさせられてしまうと防戦一方になりがちだ。

実際ファビアンは2021年5月には、エブレンの同門ATT所属レスラーのオースティン・ヴァンダーフォードにそうやって「漬け」られて完敗している。エブレンはテイクダウン&コントロール力においてヴァンダーフォードに劣らぬばかりか、打撃で圧力をかけ、距離を詰めるスキルにおいてははるかに上回る。

さらにエブレンは、今回のキャンプで元Gloryミドル級王者のロシア人キックボクサー、アルテム・レヴィン──Gloryのリングではアレックス・ペレイラにも3-0で勝利している──とみっちり打撃スパーを繰り広げたとのことで、デビュー以来上達の一途を辿るスタンド打撃にさらに自信を深めている模様だ。

その打撃とテイクダウンを臨機応変に織り混ぜるエブレンの攻撃に、ファビアンが苦戦いを強いられる可能性は高い。

が、熱心なファンなら思い当たることだろうが、この状況はファビアンの兄レオンがウスマン相手に大番狂わせをやってのけた時のそれによく似ている。打撃で圧力をかけてくるウスマンにコーナーに詰められては、何度となくテイクダウン&コントロールを許す絶対不利の状況を耐え忍んだレオンは、最終5Rに大逆転のハイを炸裂させた。

そして7ヶ月後の再戦では、スタンドでウスマンの圧力に屈せず多くの打撃を当て、テイクダウン防御にも複数回成功して五分以上に渡り合うと、堂々の2-0判定勝利を収めたのは誰もが知るところだ。

今回の弟の大勝負に向けて兄は、ウスマン2連戦で得た経験の全てを伝えていることだろう。兄の教えがファビアンの大きな武器となることは間違いない。仮にファビアンが勝利すると、UFC&ベラトール兄弟同時王者という前人未到の快挙の達成することになる。

アイルランドで勝利し、2人でUFC&ベラトールの二本のベルトを持って英国での地元バーミンガムに凱旋、そしてかつての自分たち同様に過酷な境遇にいる人々、移住した異国で苦労する家族たちにインスピレーションを与えるという兄弟の夢は叶うだろうか。決戦の時は迫ってきた。

■視聴方法(予定)
8月23日(土)
午前11時30分~ U-NEXT

■ Bellator299対戦カード

<Bellator世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者] ジョニー・エブレン(米国)
[挑戦者]ファビアン・エドワーズ(英国)

<フェザー級/5分3R>
アーロン・ピコ(米国)
ペドロ・カルバーリョ(ポルトガル)

<女子フェザー級/5分3R>
シネード・カヴァナウ(アイルランド)
サラ・コリンズ(豪州)

<フェザー級/5分3R>
マス・ブーネル(デンマーク)
ダニエル・ヴェイケル(ドイツ)

<ウェルター級/5分3R>
レヴァン・チョクヒリ(ジョージア)
サバウ・ホマシ(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ピーター・クイリー(アイルランド)
ダニエレ・ミチェーリ(イタリア)

<ライト級/5分3R>
マンスール・ベルナウイ(フランス)
ジェイジェイ・ウィルソン(ニュージーランド)

<ミドル級/5分3R>
チャーリー・ウォード(アイルランド)
グレゴリー・バベン(フランス)

<140ポンド契約/5分3R>
キアラン・クラーク(アイルランド)
プシェミスワフ・グルヌイ(ポーランド)

<ウェルター級/5分3R>
ルカ・ポクリ(モルドバ)
ロマン・ファラルド(米国)

<フェザー級/5分3R>
カサン・マゴメドシャリポフ(ロシア)
ピオトル・ニジェルスキー(ポーランド)

<フェザー級/5分3R>
デラー・ケリー(アイルランド)
ヤラ・ゼイハース(オランダ)

<フェザー級/5分3R>
ブライアン・ムーア(アイルランド)
オットー・ホドリゲス(ブラジル)

<ライト級/5分3R>
デヴィ・ギャロン(フランス)
アッティラ・コクマス(ドイツ)

<フェザー級/5分3R>
アザエラ・アジョウジ(フランス)
イブラヒム・アルファキ・ハッサン(リビア)

<フェザー級/5分3R>
ケニー・モホノアナ(アイルランド)
ジョシュ・オコーナー(英国)

<ウェルター級/5分3R>
ニコロ・ソッリ(イタリア)
フーマン・ドゥビエンヌ(フランス)

<ヘビー級/5分3R>
セルゲイ・ビロシチェニ(ロシア)
カシム・アラス(ドイツ)

<ライト級/5分3R>
マーク・イーウェン(英国)
ノア・ギュニョン(フランス)

<女子ストロー級/5分3R>
キアラ・ペンコ(イタリア)
マッケンジー・スティラー(米国)
ミレス・ヴィダウ(ブラジル)

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BELLATOR Bellator291 MMA MMAPLANET o ジェレミー・ケネディ ペドロ・カルバーリョ

【Bellator291】テイクダウン&コントロール。ジェレミー・ケネディがカルバーリョを完封

<フェザー級/5分3R>
ジェレミー・ケネディ(カナダ)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
ペドロ・カルバーリョ(ポルトガル)

サウスポーのカルバーリョが右ローから左ハイを見せる。ケネディが右オーバーハンド、近づくとアッパーを繰り出す。左ロー、左ミドルを入れたカルバーリョ、続く左ミドルをキャッチされテイクダウン狙いにギロチンをセットする。スラム気味に上を取ったケネディは頭を抜いて、右腕を引き寄せてカルバーリョの背中をマットにつけさせる。ケネディは枕でしっかりと抑え、ハーフでから右のパンチを連続で顔面に打っていく。

立ち上がることいができず、パンチを引き続き被弾するカルバーリョは、結果的に背中を譲ってスタンドへ。ケネディは胸を合わされてもダブルレッグからボディロックで、ケージにカルバーリョを押し込む続けると、アンクルピックで上を取り直した。ここからエルボーを2発落としたケネディが初回を取った。

2R、左インローのカルバーリョがオーソに構えを変えるが、ケネディにケージに押し込まれる。カルバーリョは懸命にウィザーで耐えるも、ボディロックテイクダウンを許す。即バックを取り、両足をフックしたケネディがRNCの機会を伺う。胸を合わせに行くカルバーリョがスクランブルに持ち込むが、ケネディのバックコントロールが続く。ここもボディロックから持ち上げ、スラムでケネディが上を取る。足を一本抜い抑えたケネディが、この回も取った。

最終回、右ローから左フックを当てたケネディに対し、前に出たカルバーリョが自らクリンチへ。ケージに押し込まれたケネディは、レベルチェンジのダブルでバックを譲るが、キムラロックからスイッチするようにバックを奪い返す。カルバーリョのキムラにも、前方にテイクダウンを決めたケネディが、ここも四の字フックに捕える。

完全にケネディの術中にハマったカルバーリョは、上半身を起こしてエスケープを測るもケネディが許さない。正座状態から立ち上がろうとするカルバーリョをネルソンの要領でコントロールしたケネディは、最後にマウントに移行しようとしたところでタイムアップを迎えた。

自らの戦いをやり切ったケネディは、静まり返ったダブリンのファンの前でウィナーコールを受けた。終わって見れば完勝、「僕は自分がいつも一番だと思っている。僕にとって最悪の日でも30-27で勝てた。僕にとって残されたのはタイトルショットだけだよ」とケネディは話した。


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