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【Combate Global】芦田の相手は5lbs近くオーバー=ロベルト・ロメロ「気持ちで戦うのがMMAの本質」

【写真】計量では150.8ポンドと5ポンド近いオーバー。芦田はキャッチウェイトを飲んで戦う (C)COMBATE GLOBAL

27日(土・現地時間)、フロリダ州マイアミのユニヴィジョン・スタジオで開催されるCombate Global「Mexico vs Japan 2」で芦田崇宏と対戦するロベルト・ロメロ。
Text by Manabu Takashima

チーム・オーヤマ所属のメキシカン・ブルファイターは、試合まで2週間を切った時点で「試合があるかも」というオファーを受け、5日前に正式に決まった。そんなドタバタにも動じない、恐らくは体重を落とせないでも戦うという意志の持ち主は、拳と同様に硬いハートの持ち主に思われる。


──ロベルト、Combateで芦田選手と急遽戦うことが決まりました。まず、いつぐらいにこの試合のオファーがあったのでしょうか。

「最初にオファーがあったのは先週の月曜日だった。ラミロ・ヒメネスがビザの問題で試合ができないかもしれないという連絡があって。まだ試合ができるかどうかは確定していなかったけど、彼が戦えないなら僕の出番になるということだから、すぐに体重を落とし始めた。アシダの試合のチェックもしたし、もう戦うつもりでいたんだ」

──あるかどうか正式に分からないという状況で、減量をして試合の準備をするのは複雑ではなかったですか。

「正直に言うと、全てにおいて『チョット』という感じだったよ(笑)。試合があるならと少しエキサイトしていて、でも大きな期待はしないでおこうと。まだ戦えると決まったわけじゃないと自制もしていた。同時にどれだけ準備をしても試合ができず落ち込むんだろうなって、チョット考えもして。練習で疲れて、減量で腹は減るし。そうなると、そんなことを考えてしょうがないだろうと自分を言い聞かせたりして……」

──なかなか心身ともにハードでしたね。

「でも月曜日に試合ができると決まって、やってきたことが報われる。今、ここにいるわけだしね。ただ火曜日の夜のフライトでマイアミに向かう予定だったのが、飛行機が遅延するからという連絡があった。で時間を潰して、空港に着いたら本当に奇妙なことなんだけど、その便はまた出発時間が変わって定刻通りに出発してしまったんだ。結果、火曜の夜に飛行機には乗れず、水曜日の午前11時にカリフォルニアを出たんだ。

で、オースチンからマイアミに向かう便が遅延して、到着したのはもう夜の10時半とかだったよ。しかも、ロストバッゲージのオマケつきだで(笑)」

──OMG!!

「まぁ、大丈夫だよ(笑)。とにかく自分のやれることに集中するしかない。こういうことも起こるんだ。自分でコントロールできないことを気にしてもしょうがないしね。バッグは遅れて届くんのだから」

──まさにアスタマニャーナの精神ですね。ところで日本のファンはロベルトのことも、メキシコのMMA界のこともほぼ分かっていないです。今もボクシングのイメージが強い国ですが、そんなメキシコでロベルトがMMAに出会ったのはいつ頃なのでしょうか。

「8歳からキックボクシングをやっていて、2008年だったかな。メキシコではMMAは知られていなかったけど、兄がTVでブロック・レスナー×ケイン・ヴェラスケスの試合を見ていたんだ。で、このヴェラスケスっていうヤツはメキシコ人だぞって興奮していて。『メキシコ人がこういうことをやっているのか。僕もいつの日か、コレをやりたい』って思うようになった。

でも僕が生まれ育ったチワワの街には、MMAを習えるところなんてなくて10歳になった頃ぐらいから、兄と一緒にビデオでMMAを見て、サブミッションの真似事をするようになったんだ。ただ楽しいから、やっていたんだよ。で13歳の時には初めてアマチュアMMAを戦った」

──なんと!!

「フィットネスジムにケージを置いて、ローカルの大会が開かれた。戦わないかと誘われた僕は、キックだけ使って戦った。それから2試合ほどアマで試合をして、16歳になった時に初めて本格的に柔術を習うようになったんだ。あの時、僕らの街にも3つの柔術スクールができて。今では10以上のアカデミーがあるんだけど、当時は3カ所しか柔術を習う場所はなかった」

──2018年にプロデビューをして、4試合後にはCombateで戦うようになっていますね。

「2019年にカリフォルニアに移った。今では兄のように慕っているUFCファイターのフェルナンド・パディーヤもチワワ生まれなんだ。僕らは同じ場所で練習をしていたんだけど、フェルナンドはいち早く米国に行き、チーム・オーヤマでトレーニングをするようになっていた。そこでコーチ・オーヤマに僕の話をして、コーチが米国に連れてきたら良いと言ってくれて。それからチーム・オーヤマのファイターズ・ハウスで寝起きして、練習をするようになったんだ」

──チーム・オーヤマのファイターズ・ハウスといえば堀内佑馬選手も一緒だったのでは?

「その通りだよ。ブラザー・ユーマにあの時、初めて会ったんだ」

──チワワでの練習とチーム・オーヤマでのトレーニング、どこが一番違っていましたか。

「とにかくレベルが違った。チワワではフェルナンドが米国に行ってからは、プロは僕しかいなかった。だから、あれ以上成長することは難しかった。チーム・オーヤマではすぐに違いを感じたよ。とにかく練習仲間全員が強い。全てのスパーリングセッションがハードで、全てのスパーリングパートナーがタフなんだ。

ユーマが良い例だよ。アイツは小さいのに、スパーでは本当に苦しめられた。最初の半年間は、いつもボコボコにされていたよ(笑)。レスリングやグラップリング自体、当時のメキシコではそれほどやり込むことがなかったしね。君も言ったように、メキシコはボクシングの国だから。特にレスリングはもう初めてといって良い感覚で、グラップリングにしてもまるで質が違っていた」

──ロベルトの試合をチェックさせてもらったのですが、バチバチの殴り合いをしているかと思えば、柔術やレスリングも使っています。自分の強さはどこにあると考えていますか。

「どうなんだろう。正直をいえば、全ての局面が同じレベルにあると思っている。ただ、スタンドでやり合うのが好きだけどね。僕はメキシカンだから。でもレスリングやグラウンドが必要な局面になると、ちゃんとレスリングにも寝技にも付き合うよ。作戦が決れば、それに則してどの局面でも戦うことができると思っている」

──Combateはファンにエキサイティングな試合を届けるという意味でも世界有数のプロモーションです。メジャープロモーションにステップアップする上でも、Combateで戦うことにどのような意味を持っていますか。

「Combateはこの世界でも最高のプロモーションの一つだ。だからプレッシャーを感じることもある。でも本音を言えば、僕は機会が与えられるなら、どこでも戦う。舞台がどこになろうが、バチバチの試合の皆に見てもらう。自分のやってきたことを全てぶつけるだけだよ」

──なるほどです。では芦田選手の印象を教えてください。

「彼のことは尊敬しているよ。凄いキャリアを持つベテラン・ファイターだからね。良い大会で、良い選手と戦ってきた。ただ、僕は少し彼より背が高い。そこがアドバンテージになるだろう。リーチも僕の方が長いし、自分の距離で戦えるはずだ。フィジカルで上回っているけど、アシダはタフなファイトも辞さない。そこも尊敬しているよ。

だからこそ、ハートの勝負になると思っている。何より、気持ちで戦うのがMMAの本質だから。ボクシング、レスリング、柔術、自分の全てをぶつける。それが僕のやるべきことだからね」

──フェルナンド、今日はありがとうございました。最後に日本のファンにメッセージをお願いしますか。

「日本のファンは本物だ。MMAへの皆の想いをリスペクトし、感謝している。何よりユーマ・ホリウチは僕の日本人の兄弟だからね。日本の皆の心に何かを刻む戦いをする。皆、ありがとう」

■視聴方法(予定)
7月28日(日・日本時間)、
午前10時00分~ABEMA格闘チャンネル

■Combate Global 対戦カード

<150.8ポンド契約/5分3R>
ロベルト・ロメロ(メキシコ)
芦田崇宏(日本)

<ウェルター級/5分3R>
マルコス・ヨレーダ(メキシコ)
山田聖真(日本)

<女子フライ級/5分3R>
レヒーナ・タリン(メキシコ)
ギセラ・ルナ(アルゼンチン)

<バンタム級/5分3R>
イズマエル・サモラ(メキシコ)
フアン・プエルタ(米国)

<130ポンド契約/5分3R>
ヴィクトル・キンタナ(メキシコ)
ロイス・バトラー(米国)

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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN53 フェルナンド フェルナンド・パディーヤ ルイス・パフエロ

【UFC ESPN53】身長185㎝&リーチ193㎝のフェザー級パディーヤがスタンドダースチョークで一本勝ち

<フェザー級/5分3R>
フェルナンド・パディーヤ(メキシコ)
Def.1R2分45秒by ダースチョーク
ルイス・パフエロ(ペルー)

長身のパディーヤに対し、パフエロは右カーフ。パディーヤも右カーフを蹴り返して前蹴り、パフエロが距離を詰めようとするジャブで止める。パディーヤがスイッチすると、パフエロは右ボディで飛び込む。オーソに戻したパディーヤは右ストレートから左ミドル、右カーフ、右ストレートから左アッパー、右ヒジ、ジャブから右ヒザと手数を増やす。

パフエロも右カーフからワンツー、距離を詰めて左ボディから攻め込むが、パディーヤが左フックを合わせ、続く左ストレートでダウンを奪う。ハーフガードでトップキープしたパディーヤはパウンドとヒジを連打。パフエロが脇を差して立ち上がったところにダースチョークを極めて、スタンドのままタップを奪った。

試合後、パディーヤは「凄く練習してきたんだ。色々とあったけど、ポジティブに気持ちを保っていた。ここは僕のケージだ。グラウンドで試合の極める機会が訪れたら、仕掛ける」と振り返った。


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