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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN22 ビアンカ・バシリオ 市川奈々美

【ONE FN22】ムンジアル&ADCC世界王者の強さを発揮。わずか35秒、ビアンカが市川をRNCで絞め落とす

【写真】ビアンカのテイクダウンディフェンス、バックテイクからRNCのセットアップまで--すべてが速かった(C)ONE

<サブミッショングラップリング132ポンド契約/10分1R>
ビアンカ・バシリオ(タイ)
Def.0分35秒 by RNC
市川奈々美(日本)

ビアンカが頭を触ると、市川から組みに行った。しかしビアンカは首を取り、ガブってからバックへ。すぐさま左腕を首に回してから、バックマウントを整える。市川の体を伸ばし、RNCで絞め上げると市川はタップ直後に落ちた。

秒殺勝利でムンジアル&ADCC世界王者の実力を示したビアンカは、サブミッション・グラップリングの戦いとともにMMAへのチャレンジも語った。


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45 Interview JJ Globo ONE ONE FN22 ビアンカ・バシリオ ブログ 市川奈々美

【ONE FN22】ビアンカ・バシリオと戦うタイ在住柔術家、市川奈々美「サブオンリーのほうが柔道に近い」

【写真】すでに計量とハイドレーションテストをクリアしている市川。決戦は明日だ(C)SHOJIRO KAMEIKE

4日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN22で、市川奈々美がビアンカ・バシリオとのサブミッション・グラップリング戦に挑む。
Text by Shojiro Kameike

3歳から柔道を始めた市川は強化選手になり、2010年には東アジア選手権で優勝するほどの柔道家であった。しかし彼女は「柔道はそれほど好きではなかった。辞めた時にホッとした」と語る。そんな市川は柔術を始め、現在はタイで仕事を持ちながら、バンコクのアラテ柔術で柔術の練習や指導を行っている。知らないことだらけのタイ在住の日本人黒帯柔術家、市川奈々美のMMAPLANET初インタビューです。


――MMAPLANETでは初のインタビューとなりますが、他のメディアにも登場されていることは少ないですよね。

「まず拠点がタイで、柔術家としてそれほど試合にも出ていないこと。今回このような大会に出させていただくのですが、もともとプロ選手でもなく格闘技専業というわけではないので……。普段はフルタイムで仕事をしていて、仕事が終わったあとにジムでクラスを受け持っていたり、柔道をやっていたので柔道クラスでも指導しています」

――個人的なことを言えば、クインテットに出場された2019年頃は格闘技業界から離れており……失礼ながら市川選手のお名前を聞いたのが、彩綺選手のインタビュー時でした。

「彩綺ちゃんですね! 先日の試合は、たまたま日本に一時帰国していて、会場で観ました。彼女は全く何も知らない状態から――それこそ普通の女子という状態から柔術を始めたんです。もちろん本人の頑張りが一番ですし、今は日本でしっかりとMMAの寝技を習って練習していますが、ベースを教えたのが私なんだと思ったら、すごく嬉しいです」

――市川選手のベースは柔道で、強化選手でもあったそうですね。市川選手が1988年2月生まれということは、88年8月生まれの渡辺華奈選手とも強化選手として重なっていた時期があったのでしょうか。

「そうですね、彼女は1学年下で。私は同期で言うと松本薫(ロンドン五輪、女子57キロ級金メダリスト)がいて、いつも一緒に練習していました」

――市川選手は過去のインタビューで「柔道は好きではなかった。柔道を辞める時にホッとした」という旨の発言をされていたのが印象に残っています。

「アハハハ。そういうことを言うと、嫌な想いをする人もいるかもしれないけど――自分の正直な感想です。父が柔道の指導者で、私も3歳から柔道を始めました。今となってはジムで柔道を教えていて楽しいですし、柔道をやっていて良かったなと思っています。でも当時を振り返ると楽しくなかったし、早く柔道を辞めたいと毎日考えていましたね」

――柔道を辞めることになったキッカケは、勤務していた学校を退職された時ですよね。その前に柔道から離れようとは考えなかったのですか。

「正直言うと、辞められない環境でした(苦笑)。試合に出ることに対しても積極的ではなく、どちらかと言えば『出ざるをえない』という状況にいて。だから勝つとホッとしていたんです。『これで怒られない』って。そういう環境がプレッシャーにもなっていましたね」

――……。

「もう一つ、3歳の時から柔道だけをやってきたので『辞めても柔道以外に何があるんだろう?』という怖さもありました」

――柔道を辞めた自分を想像できなかったのでしょうか。

「まさに、そういうことです。かといって試合に出ても『勝って嬉しい』ではなくて。勝ってホッとする。そんな状況でしたから、勝負には向いていなかったと思います」

――同期の松本薫選手は「野獣」と呼ばれており、それほど勝負に賭けている気持ちはテレビの画面越しでも伝わってきました。だからこそ金メダルを獲得できたのでしょう。そんな松本選手を見ていた市川選手にとっては……。

「私にとって松本薫という選手は特別な存在です。遠征でも合宿でも松本選手と一緒になることが多くて……、彼女を見ていると『これほどまで柔道に賭けていないと上には行けないのか』と思いました。彼女ほど『絶対に勝ちたい』と思ったり、勝利に対するハングリー精神とか……『私とは違うんだな』って」

――柔道はナショナル競技で、競技人口も多く、上に行けば行くほど現実を突きつけられることも多いでしょう。

「結局、柔道を辞めても――3歳から23歳まで、20年間ずっと体を動かしていたわけじゃないですか。だから何も運動しない生活というものに慣れなくて(笑)。ダイエットも含めてスポーツジムに通ったり、たまに『柔道を教えてほしい』と言われて子供たちに柔道を指導することはありました。

そんな頃に柔術もやっている格闘技ジムに行く機会があって。最初は『絶対に道衣は着たくない』と思い、頑なにキックボクシングをやっていたんですけど(笑)。するとギは着ないけどグラップリングはやってみようかと思って。すると自然とギもやるようになりました」

――道衣にはトラウマのようなものを抱えていたものの、本格的に柔術を始めることになったのですか。

「なぜ本格的に柔術をやるようになったか――柔道の時って怒られてばかりだったんですよ。『ダメだ、お前は弱い』とか。強化選手になっても下っ端で、ずっと怒られていました。だけど柔術を始めたら、いきなり『君、すごく強いね』って。褒められたんですね。20年間、柔道ではそんな経験なかったです。『こんなに褒めてくれるなんて楽しい!』と思って。

あと私は柔道時代も寝技が得意だったんです。そんなに立ち技がキレるわけではなくて。だから柔術にも入りやすかったですね」

――柔道時代の試合映像も拝見しましたが、投げというよりも崩してバックを狙いに行く動きでした。全ての試合がそうではないと思いますが。

「私としても、投げたいのは投げたいんですよ。でも上のレベルに行くと、そんなに投げることができなくなる。すると自分の最善策として『寝技を強化したほうが良いな』と思って、寝技を強化していました」

――柔道時代に寝技が得意であれば、最初のうちは圧倒的に強いと思います。

「まず体が出来上がっている選手は多いですからね。たとえば柔術初日の私と、柔術を2~3年やっている方が組んでも、私のほうが体の使い方は分かっていますし。さらに力もスピードも私のほうが上で」

――MMA、グラップリング、そして柔術でもどこかの段階までは柔道時代の貯金で勝てる。しかしその競技で上を目指すかぎり、どこかの段階で壁にぶつかり勝てなくなる時があります。市川選手の場合、その壁にはぶつかりましたか。

「これも言ったら怒られるかもしれないけど、私は『柔道の人と思われたくない』という気持ちが強かったんですよ」

――というと?

「柔術では、なるべく柔道らしさを出さないように練習していました。白帯から始めて、もちろん白帯のなかでは強いです。でもそのなかで柔道の技は出さないようにしていて(笑)。できるだけ立ち技はやらずに、寝技もできるだけ柔術の技をやろうと練習していましたね。

たとえば柔道だと、いきなり引き込んでボトムになるのは反則になります。でも寝技になってからボトムに入るのはOKなんです。私は柔道時代からその動きが好きで。当時から柔道と柔術の中間のようなことをやっていたとは思います」

――そうなると、よほど詳しくなければ「この寝技の入り方は柔道だ!」とは気づかないでしょうね(笑)。

「アハハハ、そうなんですよ」

――そこからご結婚された方と一緒にタイへ移住されたのですね。

「はい。……ただ、もう離婚していまして(苦笑)。タイへ移住後に相手は仕事の都合で日本に帰りたい、私はタイで仕事を始めていてビザも取って。私としては、ようやくタイでの仕事に慣れて来たし、契約もあって。相手は日本、私はタイと別々の生活を始めましたが、ちょうどコロナ禍で行き来もできなくなり――という感じですね」

――その際に「柔術をやるなら日本で」とは思わなかったのですか。

「私はタイで柔術をやるほうが好きですね。やはり日本て、良い意味でも悪い意味でもキッチリしているし、真面目だなと思います。タイは良い意味で緩いんですよ」

――いわゆる「マイペンライ」の気質ですね。

市川が所属するアラテBJJ。高層ビルの上層階にある(C)MMAPLANET

「そうです(笑)。あとは、いろんな国の人たちがいることは大きいですね。今のジムでも日本人もいえばタイ人もいるし、ヨーロッパの方々もいる。さらに様々な国の方が仕事でタイに来て、ビジターで練習して帰国するとか。

あとは私も一緒に練習している人たちを沸かせるために、柔道の投げ技を見せたりするんですよ。日本では、それを見ると『危ない!』と思う方もいます。でもタイだとウォーッ! ナナミすごいな!!』と喜んでくれる人も多くて。

日本は静かに自分の技術を磨くという雰囲気もあって、それはそれで良いことだと思います。一方でタイは、みんなで楽しみながら強くなるという感覚が強い。私にとっては、そういう雰囲気の中にいるほうが楽しいだろうなって思います」

――そんななか、ONEでビアンカ・バシリオと対戦することが決定しました。

「最初に聞いた時は、『私が出て良いのかな?』と思いました。それほどギの試合に出ているわけではないし、ノーギの練習もそれほど多いわけではないので……。それと試合をするからには、それだけの覚悟が必要だと思うんです。試合が決まってから当日まで、死に物狂いで練習しないといけない。でも『大丈夫かなぁ』と悩んでいたら、チームメイトから『なぜ出ないの?』と言われました。私も『一生に一度の経験かもしれない』と思って」

――とはいえ、プロ初戦の相手がビアンカとは……。今年3月に山田海南江選手と対戦したマイッサ・バストスと共に、現在の柔術界で随一の実績を誇る世界王者です。

「ビアンカの場合、ADCC世界大会でも優勝しているじゃないですか。ノーギでも抜け目がなさそうですよね。私自身も相手どうこうより、ノーギに切り替える必要がありました」

――市川選手もノーギの試合には出ていながら、多くはIBJJFルールかADCCルールだと思います。ONEグラップリングのようなサブオンリーの経験というと……。

「クインテットだけですね。でも、これは矛盾するかもしれませんが――サブオンリーのほうが柔道に近い。柔術でもポイントを意識して試合をしているわけではなく、サブオンリーでも問題はないのかなと思っています。ONEの判定基準もサブミッションを取りかけたほうが勝っているので、そこは意識して練習していますね」

――「好きではなかった」と言えども、ご自身のルーツである柔道と繋がっていくのも不思議ですね。

「そう思います。『やっぱり私から柔道が抜けることはないんだな』って。あの頃は柔道が好きじゃなかったけど、今は柔道にも――柔道を始めさせてくれた父にも感謝しています。柔術でもグラップリングでも、柔道の技術が生きる部分は多くて。チームメイトにも『柔道を生かしていけ』と言われていますし」

――なるほど。5月11日にタイで開催されるADCC予選には出ないのでしょうか。

「チームメイトからは『出たほうが良い』と言われています。ADCCはスタンドレスリングが重要なルールですし、私の柔道も生かすことができるからと言われて。とにかく今は目の前の試合に集中しているので、そのあとに考えます。この1カ月でノーギの技術も伸びてきました。ビアンカ戦でどこまでできるか――全ては次の試合次第だと思っています」

■放送予定
5月4日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ ONE FN22対戦カード

<ONEムエタイ女子世界ストロー級王座統一戦/3分5R>
[王者]スミラ・サンデル(スウェーデン)
[暫定王者] ナタリア・ディアチコワ(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アクバル・アブデュラエフ(キルギス)
ハリル・アミール(トルコ)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
シンサムット・クリンミー(タイ)
ドミトリー・メンシコフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
モーリス・アベビ(スイス)
ジャン・リーポン(中国)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
秋元皓貴(日本)
ウェイ・ルイ(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リース・マクラーレン(豪州)
フー・ヤン(中国)

<キック・ライト級/3分3R>
ルンラーウィー・シッソンピーノン(タイ)
ボグダン・シュマロフ(ブルガリア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
澤田千優(日本)
ノエル・グランジャン(タイ)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
トンプーンPK・センチャイ(タイ)
ザガリア・ジャマリ(モロッコ)

<サブミッショングラップリング132ポンド契約/10分1R>
市川奈々美(日本)
ビアンカ・バシリオ(タイ)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ショーン・クリマコ(米国)
ホシュエ・クルス(メキシコ)

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45 K-1 MMA MMAPLANET o ONE ONE Championship ONE FN22   アクバル・アブデュラエフ ウェイ・ルイ キック ジャン・リーポン ハリル・アミール ビアンカ・バシリオ フー・ヤン ボクシング モーリス・アベビ リース・マクラーレン ルンピニー 中国武術 武尊 澤田千優 秋元皓貴 野杁正明

【ONE FN22】秋元皓貴と対戦、ウェイ・ルイ「彼は空手。私は散打。彼の長所が短所になる」

【写真】空手×散打のキックボクシング・ワールドクラスの戦い。非常に楽しみ(C)TAKUMI NAKAMURA

3日(金・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN22で、元K-1ライト級王者ウェイ・ルイが秋元皓貴と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

武尊や野杁正明がONEに戦いの場を求めるなか、中国のビッグネーム=ウェイ・ルイもONEへの参戦を決めた。しかも対戦相手は元ONEキックボクシング世界バンタム級王者・秋元。数カ月前には想像もできなかった夢の対戦がONEという舞台で実現すると言っていいだろう。日中の立ち技格闘技ファンにとって注目の一戦に向けて、タイで調整を続けるウェイ・ルイに話を訊いた。


――ONE初参戦が迫ってきました。今の体調やコンディションはいかがですか(※取材日は4月26日に行われた)。

「体調面を整えるために、ずっとタイで練習を続けていて、時差や気候にも慣れてきたよ。精神面の話をすると、ずっとONE Championshipで戦いたいと思っていたから、すごくエキサイトしている。気持ちは高ぶっているけど、しっかり体調を見極めて試合当日を迎えたい」

――いつからONEで戦うことを意識するようになったのですか。

「2022年頃からONEで戦いたいと思うようになった。ONEは世界的に影響があるプロモーションで、特にストライキングに関しては世界一の舞台だと思っている。またプロとしてもより良い条件のプロモーションで試合をしたいと思っていた。当時は別のプロモーションと契約が残っていて、すぐにONEで戦うことはできなかったけど、今年に入ってONEで戦うことが実現したんだ」

――前回の試合=昨年4月の東本央貴戦で拳を負傷したという話を訊いていました。もう怪我の箇所は万全ですか。

「確かにあの試合で怪我してしまったけど、練習を休むことはなかった。ゆっくりだけど治療・リカバリーしつつ、練習を続けていた。ちょうどチームメイトのリュウ・ツァーがK-1で試合が続いて、ずっと彼を練習面でサポートしていた。もう怪我もしっかり治ったし、準備万端だよ」

――対戦相手の秋元選手の印象を教えてもらえますか。

「ONEでチュー・ジェンリャンやジャン・チェンロンと戦った試合を見たのが初めてで、その時からすごく印象的なファイトをしていて、ウェルラウンドで何でもできる、技も綺麗でスピードもある選手だと思っていた。もしこの選手と戦えたら素晴らしい試合になると思っていたし、ONEのデビュー戦で彼と試合が組まれて夢が叶ったような気持ちだよ」

――ウェイ・ルイ選手も秋元選手と同様に、すべての技術のアベレージが高い選手です。どんな試合で勝つことをイメージしていますか。

「私と秋元選手は根本的なファイトスタイルが違う。私のベースは中国武術の散打で、彼のベースは空手だ。彼は動きがとても速く、それをアドバンテージに戦っている。でもそれが彼にとってディスアドバンテージにもなっているんだ」

――もう少し詳しく教えていただけますか。

「彼はとにかく動いてパワーのある攻撃を出しているけど、そのパワーが相手まで伝わっていないことが多い。そしてそういう攻撃を出し続けることによってスタミナ切れが早い。この試合において、彼の速い動きにおける欠点が私にとっての利点になる。それが私の勝つ自信になっている」

――この試合は日本のファンの間でも非常に注目を集めています。日本のファンに対してどのような試合を見せたいですか。

「2017年に初めて日本で戦って以来、日本のファンの応援に感謝しているし、日本では素晴らしい経験ができた。そしてこの試合は日本はもちろん、中国、世界中のファンが見る試合になる。そういうビッグファイトに対して、どんな試合になるかは言えないけれど、私はこの試合のためにしっかり準備してきたので、素晴らしい試合になることは保証するよ」

――先日野杁正明選手がONEに参戦することを発表しました。武尊選手、野杁選手、ウェイ・ルイ選手が同じONEの舞台で戦うことを日本のファンは楽しみにしています。それについても一言いただけますか。

「今ベストなキックボクサーが世界中からONEに集まっている。ONEは世界最高峰の舞台になっていると思う。野杁のことはずっと前から知っているし、彼がどれだけ素晴らしい選手かも知っている。僕はバンタム級(65.8kg)で彼はフェザー級(70.3kg)。まず彼がフェザー級でどれだけ素晴らしい選手かを証明して、もし体重を落とせるなら、キャッチウエイトで私と戦おうと言いたい。もしその試合が実現出来たらONEはさらに素晴らしい舞台になると思っている」

■放送予定
5月4日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ ONE FN22対戦カード

<ONEムエタイ女子世界ストロー級王座統一戦/3分5R>
[王者]スミラ・サンデル(スウェーデン)
[暫定王者] ナタリア・ディアチコワ(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アクバル・アブデュラエフ(キルギス)
ハリル・アミール(トルコ)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
シンサムット・クリンミー(タイ)
ドミトリー・メンシコフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
モーリス・アベビ(スイス)
ジャン・リーポン(中国)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
秋元皓貴(日本)
ウェイ・ルイ(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リース・マクラーレン(豪州)
フー・ヤン(中国)

<キック・ライト級/3分3R>
ルンラーウィー・シッソンピーノン(タイ)
ボグダン・シュマロフ(ブルガリア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
澤田千優(日本)
ノエル・グランジャン(タイ)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
トンプーンPK・センチャイ(タイ)
ザガリア・ジャマリ(モロッコ)

<サブミッショングラップリング132ポンド契約/10分1R>
市川奈々美(日本)
ビアンカ・バシリオ(タイ)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ショーン・クリマコ(米国)
ホシュエ・クルス(メキシコ)

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45 DREAM K-1 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN22 アクバル・アブデュラエフ ウェイ・ルイ キック ジャン・リーポン ジョナサン・ハガティー ジョン・リネケル ハリル・アミール ビアンカ・バシリオ フー・ヤン ボクシング モーリス・アベビ リース・マクラーレン ルンピニー 武尊 澤田千優 秋元皓貴 野杁正明

【ONE FN22】王座奪回への一歩=元K-1王者ウェイ・ルイと対戦、秋元皓貴「相手をだますのが上手い」

【写真】既に髪も編み込まれており、試合モード(?)だった秋元(C)TAKUMI NAKAMURA

3日(金・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN22で、秋元皓貴がウェイ・ルイと対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年11月のペッタノン・ペットファーガス戦後、秋元はイヴォルブMMAのファイトチームが事実上解散となり帰国。イヴォルブMMA時代のコーチ=シアー・バハドゥルザダがジムを構えるアメリカに行く計画もあったが、現在は日本のPOWER OF DREAMを拠点に練習を続けている。

今年1月のONE日本大会への出場が計画されるも最終決定には至らず、ペッタノン戦以来、約1年6カ月ぶりの復帰戦となるが、対戦相手は新生K-1で活躍した中国のビッグネーム=ウェイ・ルイに決定。日本の立ち技格闘技ファン注目の一戦を控える秋元に話を訊いた。


――2022年11月のペッタノン・ペットファーガス戦以来、約1年5カ月ぶりの試合が決まりました。しかも対戦相手は新生K-1でライト級(62.5キロ)王者にもなったウェイ・ルイです。試合が決まった時の心境から聞かせてもらえますか。

「長く試合を待つ期間があったので、試合が決まったことは純粋にうれしかったです。それと同時にウェイ・ルイ選手は新生K-1でチャンピオンになって、他団体でも実績を残している負けの少ない選手なので、そこをどうやって攻略しよう?と考えていました。あれからしっかり準備もできたので、あとは試合を待つだけですね」

――1月のONE日本大会ではジョナサン・ハガティーとキックルールでのタイトルマッチが打診されたものの、ハガティーの負傷のため消滅。その後はジョン・リネケルとのミックスルールなどのオファーやキックボクシングルールのオファーもあったそうですが、最終的に試合決定までに至らなかったとお聞きしました。

「キックルールで試合をしたいという気持ちもありましたし、僕は試合が決まってから試合までの期間も大事だと思っているんですね。しっかり練習して準備をして、それでお客さんにいいものを見せる。だからMMAグローブで試合をするのであれば、そのための練習をしなければいけないし、ミックスルールで試合をするのであれば、ミックススルールのための練習をしなければいけない。そうやって“見せられる”ものを創ってからじゃないと試合はしたくないという考えです」

――前回秋元選手に取材した時はイヴォルブMMAのファイトチーム解散に伴い、新たな所属先を探している状況でした。当時はイヴォルブMMA時代の恩師=シアー・バハトゥルザダがいる米国に行くことも検討していましたが、最終的には日本のPOWER OF DREAMを練習の拠点にする選択をしました。

「色々と考えているなかで、日本人で強いなとか魅力があるなと思う選手を誰が育てたかを見ているなかでPODに興味を持ちました。武居(由樹)くんにしても江川(優生)くんにしても子供の頃からPODで作られた選手なので、自分もPODで練習させてもらいました」

――特に交流やつながりがあったわけではないのですか。

「はい。『練習させてもらえませんか?』とコンタクトを取って、練習させてもらうことになりました」

――秋元選手は色んなジムで練習をしてきたかと思いますが、PODの練習はいかがですか。

「キックのジムでは一番練習がハードだと思いますし、そのなかでみんな集中してやっていて、指導も的確なのでここを選んでよかったと思いました」

――PODと言えば脱落者が続出することでも有名な過酷な朝練でも有名ですが、秋元選手も朝練から参加されているのですか。

「もちろんです。シンガポール(イヴォルブMMA)でもジムワークと別にカーディオのトレーニングもやるんですけど、週に数回なんですよ。それを毎日やるわけなので………ハードですね(苦笑)」

――技術面についても聞かせてください。PODはボクシング色の強いジムだと思います。

「スタイル的にはボクシング寄りだなと思います。でも今まで自分が培ったものにPODの技術をミックスして指導してもらっているので、自分としてはすごくやりやすいです」

――新しいエッセンスが入ってくるイメージですか。

「はい。今までの自分にプラスして新しい技術を吸収できていると思います。キックボクサーとして年齢的には上の方かもしれませんが、僕は空手からキックに行って、色んなことを学んでいるので、完全に自分はこうだというスタイルがないんです。だから言われたものはすべて吸収するし、なんでもやる。そういう感じなので、PODの練習がしんどいから場所を変えようとは思わないですし、今ここで学べるものをしっかり学ぼうと思います」

――自分の中でも変化は感じていますか。

「はい。自分でも変わったと思っているので、それを本番で試合で出せれば、見ている方も僕の変化が分かると思います」

――対戦相手のウェイ・ルイ選手にはどのような印象を持っていますか。

「キックボクシングにおける手足の使い方がすごく上手くて、ステップワークも上手いですよ。左ストレートがグーン!と伸びてくるのが特徴的だと思います。その左ストレートに気を付けながら今までやってきた技を見せたいですね」

――秋元選手はONEでチュー・ジェンリャンと対戦していて、ウェイ・ルイは中国ではジェンリャンと並ぶスター選手です。

「そこまでしっかり試合を見ることはなかったですけど、K-1でチャンピオンになったことは知っていましたし、SNSで試合のダイジェストや練習動画を目にすることが多かったので、こういう選手がいるんだなということは知っていました」

――ウェイ・ルイは純粋にスピードが速いわけでもなく、パンチや蹴りもボクシングやキックとは違う独特なものがあるように見えます。秋元選手の見立てはいかがですか。

「僕もそう思いますね。ステップもそうですし、左ストレートを打つまでの動き。そこにつなげる動きや相手をだますのが上手いなと思います」

――今回ウェイ・ルイにもインタビューしたのですが「秋元選手はスピードがあって手数も多い。でもそれが弱点でもある。そこを突いて倒す」と発言していました。それを聞いてどう思いますか。

「確かにそうだと思います。僕はスピード・スタミナがあるから手数を出せて、それで前に前に出るスタイルです。そこで左ストレートをもらう隙もあると思うし、彼が言っていることは間違っていないと思いますよ」

――秋元選手は自分の戦い方も客観的に見えているのですね。

「はい。そのうえでいくつか倒すパターンは用意しているので、そのどれかで倒したいですね」

――今回は日本の立ち技ファンにとっても注目の試合ですが、そういう試合を戦うことをどう捉えていますか。

「注目してもらえることはうれしいですが、いつも通り、僕にとっては負けられない一戦であることは変わらないですし、これに勝って次につなげる=チャンピオンに返り咲くことしか考えていないです」

――この1年間は試合数が少なかった分、今年はどんどん試合をしたいですか。

「この試合ともう1~2試合やって、年内もしくは来年の早いタイミングでベルトに挑戦したいですね。年齢的にバンバン試合ができるわけではないので、タイトルにつながる意味がある相手とやりたいです」

――先日野杁正明選手のONE参戦が発表されました。野杁選手とは同世代、同じ愛知県出身でいう共通点もありますが、野杁選手のONE参戦をどう感じていますか。

「年齢的には野杁選手が一つ下で、ジュニア空手時代には何度も試合をしていて。同じトーナメントに出て僕が決勝まで勝ち上がると、逆ブロックから上がってくるのが野杁選手、ということがよくあったんですよ。キックでは団体が違ったので接点はなかったのですが、70キロの世界の強豪がONEに集まっていて、同じ階級で戦っている以上、野杁選手もいずれONEに来るだろうなと思っていました。僕自身、野杁選手がONEで戦うことは楽しみです」

――今年に入って武尊選手や野杁選手がONEに参戦し、ONEの立ち技がさらに注目される舞台となりました。そのONEで戦い続けている秋元選手はどんな試合をファンに見せたいですか。

「いつもそうなんですけど、毎回毎回成長を実感して練習していますし、見ている人たちに『秋元、変わったな』と思ってもらえる試合をしたいです。ずっと見てくれる人にはそういう試合をしたいし、初めて格闘技を見る人には『あの選手、他と違うな』と思わせるような試合をして、楽しんで見てもらいたいです」

■放送予定
5月4日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ ONE FC22対戦カード

<ONEムエタイ女子世界ストロー級選手間試合/3分5R>
[王者]スミラ・サンデル(スウェーデン)
[暫定王者] ナタリア・ディアチコワ(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アクバル・アブデュラエフ(キルギス)
ハリル・アミール(トルコ)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
シンサムット・クリンミー(タイ)
ドミトリー・メンシコフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
モーリス・アベビ(スイス)
ジャン・リーポン(中国)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
秋元皓貴(日本)
ウェイ・ルイ(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リース・マクラーレン(豪州)
フー・ヤン(中国)

<キック・ライト級/3分3R>
ルンラーウィー・シッソンピーノン(タイ)
ボグダン・シュマロフ(ブルガリア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
澤田千優(日本)
ノエル・グランジャン(タイ)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
トンプーン・PK・センチャイ(タイ)
ザガリア・ジャマリ(モロッコ)

<サブミッショングラップリング132ポンド契約/10分1R>
市川奈々美(日本)
ビアンカ・バシリオ(タイ)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ショーン・クリマコ(米国)
ホシュエ・クルス(メキシコ)

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【ONE FN22】本戦2戦目、グホンジョン戦1カ月前に澤田千優が話していたこと「油断せず、フィニッシュ」

【写真】収録は3週間前、澤田の打撃は伸びしろばかりだが、その伸びが期待される打撃を使うことが絶対でないのがMMAの面白さ(C)SHOJIRO KAMEIKE

3日(金・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE FN22で、澤田千優がノエル・グホンジョンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

今年に入りONE本戦契約を得た澤田は、3月にONEアトム級5位のジヒン・ラズワンを判定で下した。前日計量をクリアできず、ハイドレーションテストもクリアできなかったなかで迎えたラズワン戦。澤田以上に体重をオーバーしていたラズワンに勝利した澤田は、その戦いの中で何を得たのか。改めてラズワン戦を振り返るとともに、グホンジョン対策も語ってくれた。


――1カ月前の試合になりますが(※取材は4月8日に行われた)、ラズワン戦の勝利おめでとうございます。

「ありがとうございます!」

――ONE出場は約1年振り、本戦契約の初戦となりました。改めて感想を教えてください。

「当然のことではありますが、ラズワン選手は今まで戦ってきた相手よりもパワーがありましたし、レベルも高かったです。これからもONEでレベルの高い相手と戦えることはワクワクしています。ランク5位のラズワン選手があれだけ強いのであれば、その上にいるハム・ソヒ選手やチャンピオンのスタンプ選手は、もっともっと高いレベルにいる。私もそのレベルの選手になれるように頑張らなきゃ、って思いました」

――勝利は勝利ですが、試合前の計量とハイドレーションテストはクリアできませんでした。どのような状況だったのでしょうか。

「やはりハイドレーションテストで難しい面はありました。今回の要因としては、提出の際に尿が出なかったことです。体重は予備計量でクリアしているかどうかは分かりますよね。でもハイドレーションテストの尿は……数値的なものは分からないので、クリアできるものかどうか色で判断していたんです。『今のは濃かったかなぁ』と考えたりしていると――」

――結果、提出のタイミングで尿が出なくなってしまったと。澤田選手がそのような状態にあるなか、ラズワンはハイドレーションテストをクリアしたものの、体重は2キロオーバーでした。

「相手のほうが先に計量を終えていて、ハイドレーションテストはクリアしていたから、体重を落とすのは諦めたのか……。私はクリアするために3時間ぐらい計量会場にいたのですが、ラズワン選手はもう戻ってきませんでした。

ただ、私も計量オーバーしているので、試合を拒否することはできなかったです。どちらもオーバーしているから平等である、という捉え方でした。さらにONEのルールではハイドレーションテストが優先されるので、あとはキャッチウェイトで戦うしかなくて」

――計量オーバー、ハイドレーションテストの失敗は試合に影響を及ぼしましたか。

「コンディションも良く、作戦を変えることはなかったです。ただメンタル面については……。小さい頃から体重に関してはシビアに考えていて、今回は『やってはいけないことをやってしまった』と考えました」

――……。

「でもセコンドの良太郎さんや松嶋こよみさんから『ここで泣いていても仕方ない。あとは勝つしかない。勝って状況を変えよう』と言われて、気持ちを切り替えることができました」

――確かに試合が成立すれば、あとは戦うしかありません。その点は海外の選手はハッキリしているように思います。

「あぁ、そうですよね。『何が悪いの?』というぐらいの感じの選手もいますし」

――試合では1Rに攻め急いでいる印象を受けました。それは計量オーバーが何か関係あったのでしょうか。

「計量オーバー云々ではなく、私の場合はよくあることなんですよね。もちろん良いことではないですけど(苦笑)。突っ込みすぎちゃったり、良いポジションを取りたいという気持ちが出すぎて、体が前のめりになってしまう。結果、三角に入られたりとか。

でも視野が狭くなることはなく、セコンドの声も全て聞くことはできていました。だから自分の中では冷静に戦うことはできていたんです。2R、3Rと進むにつれて落ち着きは出てきたと思います。でも視ている側からすれば、ヒヤヒヤしてしまう内容になりましたよね」

――2Rから何か変わったというのは、1R終了後のインターバルでセコンドからどのような声を掛けられたのでしょうか。

「まずスタンドの攻防は悪くない。だから安心して相手の動きを見ながら、ミットで練習したとおりにフェイントをかけて、タイミングが合えばテイクダウンに行け――という指示でした。そう言われて『いつも練習でやっていることが通用する相手なんだ』と思うことができて、私もいつもどおりの試合運びができたのかなって思います」

――ラズワンの打撃をかわしたり、相手に打撃を出させないようにしてテイクダウンに入る。それがチーム・アカツキのミット練習でやってきたことの成果だったのでしょうか。

「その成果が出た――と言っていいのでしょうか。あの試合内容であれば」

――そう言える試合内容だったと思います。

「ありがとうございます。しっかりとスタンドの攻防をしつつ、自分の良いところを出せたのは良かったですね。それが1Rだけでなく2R、3Rも続けることができましたし」

――一方で、ONE本戦契約の初戦として一本勝ちできず悔しいのか。あるいは勝つことができてホッとしているのか、どちらでしょうか。

「フィニッシュはしたかったです。でも相手のレベルが高いことは分かっていたし、まずは勝たないといけないっていう気持ちのほうが大きくて。もちろんフィニッシュして、目立つ試合をしなきゃいけなかったとは思いますが、まずは勝てたこと――しかも完封できたので良かったとは思っています。ファイターとしては完封したうえでフィニッシュすると、高望みしないといけないんでしょうけど(苦笑)。ただ、何より勝てて安心しました」

――前回の試合から2カ月のスパンでオファーが来たということは、ONEから評価してもらえているとのではないでしょうか。

「評価してもらえていると嬉しいです。特に前回はランキングに入っている選手に勝ったので、『サワダってどんな選手なんだ!?』と気になってくれているんじゃないかという手応えもあります。ラズワン戦の直後に、会場の廊下でマッチメイカーの方とすれ違って。その時に『おめでとう! またすぐ試合できるかい?』と訊かれたんです」

――おぉっ!? それは凄いですね。

「その時点では即答できなかったんですけど、帰国してからONEジャパン経由で正式なオファーが届いて、今回の試合が決まりました。やっぱり勝っただけじゃなく、すぐ次のオファーが来たことも安心できた理由でしたね」

――ラズワン戦と同日にグホンジョンはヴィクトリア・ソウザに判定勝ちを収めています。ONEとしても同日に同じ階級の試合で勝った者同士の試合は組みやすかったでしょうね。

「そのほうが選手側もそうですし、観ている人にとっても分かりやすいですよね。次の試合が想定しやすくて」

――ご自身の試合前に、グホンジョンに対して「勝てば次はこの選手かなぁ」と意識しましたか。

「絶対にこの選手と対戦するだろうとは思っていなかったです。でも体の大きさや動きも近い部分があって。控室も同じだったのでグホンジョン選手を見ながら『やっぱりラズワン選手は大きいなぁ』と考えていました(笑)」

――アハハハ。確かに澤田選手、グホンジョン、そしてソウザはフレームも近かったですね。ただただラズワンがONEアトム級の中では大きすぎるという。

「グホンジョン選手の試合を視て、MMAファイターとして全てできるというよりは柔道ベースで腰が重く、一発一発のパンチに体重が乗っていると思いました。一発もらったら危ないなという印象です。足さばきや組みついた時の投げも無意識でやっているように感じますね。あとはスイッチせずに自分の構えを貫きながら前に出てくるタイプなので、そこは警戒しつつ、私も相手の得意な部分に付き合わず戦いたいです」

――グホンジョンの特徴として相手がテイクダウンに来た際、自身がどんな体勢でもカウンターで投げてきます。今まであのようなタイプはいなかったのではないですか。

「今までは相手が投げのムーブに入ったとしても、その前に私が組みきっているからテイクダウンできていました。グホンジョン選手は投げの体勢に入るまでのスピードが速いので、警戒しないといけないですね。特に相手が投げの体勢に入れないよう、私から動いていきたいです。

あと、たとえば私の体が浮いてしまっていると、相手は投げやすくなってしまうじゃないですか。そこは気をつけて丁寧に倒していきたい。それとMMAなので、相手の意識を投げ以外に散らすことができるような打撃を出していきます」

――なるほど。では最後に、次のグホンジョン戦への意気込みをお願いします。

「2戦目で、まだまだ世界に強い人はたくさんいます。油断せず、フィニッシュして『この選手の試合を見たい』という勝ち方をして日本に帰ってきたいです」

■放送予定
5月4日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ ONE22対戦カード

<ONEムエタイ女子世界ストロー級選手間試合/3分5R>
[王者]スミラ・サンデル(スウェーデン)
[暫定王者] ナタリア・ディアチコワ(ロシア)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
アクバル・アブデュラエフ(キルギス)
ハリル・アミール(トルコ)

<ムエタイ・ライト級/3分3R>
シンサムット・クリンミー(タイ)
ドミトリー・メンシコフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
モーリス・アベビ(スイス)
ジャン・リーポン(中国)

<キックボクシング・バンタム級/3分3R>
秋元皓貴(日本)
ウェイ・ルイ(中国)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
リース・マクラーレン(豪州)
フー・ヤン(中国)

<キック・ライト級/3分3R>
ルンラーウィー・シッソンピーノン(タイ)
ボグダン・シュマロフ(ブルガリア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
澤田千優(日本)
ノエル・グホンジョン(フランス)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
トンプーンPK・センチャイ(タイ)
ザガリア・ジャマリ(モロッコ)

<サブミッショングラップリング132ポンド契約/10分1R>
市川奈々美(日本)
ビアンカ・バシリオ(タイ)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ショーン・クリマコ(米国)
ホシュエ・クルス(メキシコ)

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F1 o ONE ONE Championship   アレックス・シウバ オ・ホテク キック ハム・ソヒ ビアンカ・バシリオ ボクシング 山北渓人 平田樹

『ONE Fight Night 8』試合結果/ハイライト動画



▼ONEキックボクシング 世界フライ級選手権試合 3分5R
〇スーパーレック・キアトモー9(タイ)王者 ※初防衛に成功
[3R 1分54秒 KO] ※右ヒザ→右ストレート
×ダニエル・ウイリアムス(豪州)挑戦者
※当初の対戦相手のロッタン・ジットムアンノンは怪我で欠場

▼ONEムエタイ 世界アトム級選手権試合 3分5R
〇アリシア・ヘレン・ロドリゲス(ブラジル)王者
[判定3-0]
×ジャネット・トッド(米国)挑戦者
※ロドリゲスが王座防衛

▼ONE女子アトム級 5分3R
〇ハム・ソヒ(韓国)
[判定3-0]
×平田 樹(フリー)

▼ONEフェザー級 5分3R
〇アクバー・アブドゥラエフ(キルギス)
[1R 0分44秒 TKO]
×オ・ホテク(韓国)

▼ストロー級 キックボクシング 3分3R
〇ジャン・ペイメン(中国)
[判定3-0]
×トレペチ・ドンガク(ロシア)

▼128ポンド ムエタイ 3分3R
〇アスランベック・ジクレーブ(ロシア)
[判定2-1]
×ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)

▼ONEストロー級 5分3R
〇山北渓人(リバーサルジム新宿Me,We)
[判定3-0]
×アレックス・シウバ(ブラジル)

▼158ポンド ムエタイ 3分3R
〇エディ・アバソロ(米国)※計量ミスで158ポンド契約に
[2R 2分14秒 KO]
×ニコラス・ラーセン(デンマーク)

▼ストロー級 ムエタイ 3分3R
〇イマン・バーロウ(英国)
[判定3-0]
×エカテリーナ・ヴァンダリーバ(ベラルーシ)

▼ストロー級 サブミッション・グラップリング
〇タミ・ムスメシ(米国)
[判定3-0]
×ビアンカ・バシリオ(ブラジル)

 3月25日にシンガポール・インドアスタジアムで開催された『ONE Fight Night 8』の試合結果。ハム・ソヒは平田樹に判定勝ち。山北渓人はアレックス・シウバに判定勝ちしています。


 スーパーレック・キアトモー9 vs. ダニエル・ウイリアムス ハイライト動画。




 ハム・ソヒ vs. 平田樹ハイライト動画。


 山北渓人 vs. アレックス・シウバ ハイライト動画。続きを読む・・・
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MMA MMAPLANET o ONE ONE FN08 タミー・ムスメシ ビアンカ・バシリオ

【ONE FN08】タミーがバシリオに判定勝ち――もレフェリーの過剰介入で、サブオンリーの醍醐味消滅

<サブミッショングラップリング女子ストロー級(※56.7キロ)/10分1R>
タミー・ムスメシ(米国)
Def.3-0
ビアンカ・バシリオ(ブラジル)

足に触りに行くバシリオ、タミーのシッティングは相手を触っておらずレフェリーが立たせる。一瞬、怪訝な表情を見せたタミーは、続いてバシリオの手首を両手で掴んでガードを取り、リバースデラから足関節を狙う。左足首を掴まれてバシリオが足を抜いて両者が座ると、ここもレフェリーが試合をスタンドに戻した。

タミーのシッティングに注意が入るなか、バシリオがケージにタミーを押し込む。ジャンピングガードのタミーをマットに置いたバシリオが離れる。足首をコントロールし、距離を詰めたバシリオが足関節狙い&パスのコンビで攻撃態勢に。

タミーの足狙い距離を取ったバシリオ。すぐにスタンドに戻るよう指示が与えられ、さらには引き込んでハーフガードを取ったタミーに対し、「引き込むな」と強烈な勢いで叫んだレフェリーが立たせる。ジャンピンガードから引き込みに距離を取るバシリオが側転ガードへ。タミーが足狙いから、ダブルガードに。ここでタミーが立ち上がる。その刹那、バシリオがアームドラッグでトップを取り返した。

そんな攻防があっても、せわしなくスタンドに戻すレフェリー。このレフェリーの介入は、サブオンリーとしての妙はなくなる。タミーはそれでもリバースデラヒーバから内回り、バシリオはバックも足も取らせないよう切って、離れる。この離れた行為にバシリオに注意が入る。ヒザをついたバシリオが、後方に倒れ込みながらヒールへ。タミーの反撃に足を抜いたバシリオ、タミーは――険しい顔で試合を終えた。

と、ウィナーコールを受けたタミーは驚きの表情を見せた。タミーは立たされたが、下からの仕掛けを評価された形か。ならばイチイチ、試合を止めるべきではないだろう。


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ABEMA Brave CF IMMAF MMA MMAPLANET o ONE ONE FN08   アレックス・シウバ キック タミー・ムスメシ ダニエル・ウィリアムス チャンネル ハム・ソヒ ビアンカ・バシリオ ボクシング マイキー・ムスメシ ミレーナ・カオリ 山北渓人 平田樹

【ONE FN08】MMA初陣も間近?! タミー・ムスメシ戦、ビアンカ・バシリオ「上と下、どちらからでも」

【写真】英語はまだ苦手だが、明るくノリノリでインタビューに応じてくれたバシリオ(C)MMAPLANET

25日(土・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Fight Night08でビアンカ・バシリオが、タミー・ムスメシとサブミッショングラップリング・マッチで対戦する。

2019年ADCC60キロ級優勝のバシリオは1年前の今頃、IMMAFの国別対抗戦=SUPER CUPのバーレーン代表として、アマMMAを戦っている。その時はタジキスタンのショホナ・ゴゾエワを63秒腕十字で下し、そのままバーレーンのKHK MMAに所属しBRAVE CFでMMAデビューを果たすと見られていた。が、バシリオはONEと契約、グラップリングマッチで2度目のサークルケージ登場となる。

そんなバシリオに今回と組み技戦とMMAにデビューについて尋ねた。


――1年前の今頃、アマMMAで秒殺勝利を挙げ、KHK MMAに所属しBRAVE CFでMMAデビューを飾るのかと思いきや、ADCC後にONEと契約。11月にサークルケージ初戦となったグラップリング戦でミレーナ・カオリをRNCで下しました。

「他のプロモーションからデビューの誘いがあったのは確かよ。柔術では生きていけるだけの対価なら手にすることはできるけど、他のスポーツのようなファイトマネーは手にできない。私の柔術はベスト、それでもプロとして試合をして生活ができない。だから打撃とトップゲームを駆使してMMAを戦おうと決めたの。

そして神に祈り、話し合ってONEで戦うことに決めたの。ONEで戦うことが私の道だと思った。ベストの選択をしたと思っている。ONEは選手の待遇も良いし、チャトリも最高の良い人だったから。それにONEだと、グラップリングとMMAの両方で戦っていけるから。最初はもうMMAだけを戦おうと思っていたけど、ONEのオファーによってMMAだけでなくグラップリングで戦うことも可能になったの。すぐにでもMMAを戦いたいけど、ONEでのグラップリングも2試合目、ここでしっかりと勝って次はMMAを戦うつもりよ。グラップリングとMMAを同時に戦うことこそ、私の生き方だから」

――打撃はアマMMAでは、ほぼ使っていなかったです。

「でも私は子供の頃からムエタイとボクシングの練習もしていたの。カポエイラもね。それから柔術に出会った。今では世界で最高の柔術家になれたし、打撃を使ったMMAも挑戦したくなったの」

――ではいつ、MMAで戦おうと思っていますか。

「すぐにでも。来月でも構わないわ(笑)。ずっと準備してきたし、すぐにでも戦いたい。2年前からプロフェッサー・ウジ・リマの下で、MMAで戦う準備をしてきたの。私はもう柔術に関しては、何も証明する必要はない。だから新しいキャリアをスタートさせたくて。

プロフェッサーはヒーローというニックネームがあって、MMAを40戦以上も戦ってきた人。IMMAFの試合前も彼とトレーニングをしていたけど、正直、あの時はそれほどMMAを戦える自信はなかった。でもチャレンジしたかった。それが人生でしょ?」

――MMA熱が相当に高まってきていますが、その前にタミー・ムスメシとグラップリング戦があります。

「彼女は本当に本当に、優れた選手よ。彼女が黒帯で優勝しているとき、私は紫帯や茶帯を巻いていた。彼女とは対戦相手も共通している場合が多くて、凄く興味深い試合になると思う。でも私は自分を信じているし、私のゲームを信じている。そうなれるよう、たくさん練習をしてきたから」

――MMAが頭にあると、トップゲームを心がけるようになるということは?

「まず彼女がまず引き込んでくるはず。マイキー・ムスメシのようにね。私は彼女の動きをしっかり頭に入れて戦う。パスガードをして、フィニッシュしたい。トップかガードかは重要じゃない。上と下、どちらからでも攻めて、フィニッシュを狙うから」

■放送予定
3月25日(土・日本時間)
午前8時00分~ABEMA格闘チャンネル

■対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<ONE女子ムエタイ・アトム級選手権試合/3分5R>
[王者] アリシア・エレン・ホドリゲス(ブラジル)
[挑戦者] ジャネット・トッド(米国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
平田樹(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
オ・ホテク(韓国)
アクバル・アブデュラエフ(キルギス)

<キックボクシング・ストロー級/3分3R>
ジャン・ペイメン(中国)
トレプチ・ドガク(ロシア)

<ムエタイ128ポンド契約/3分3R>
アスランバック・ジグレーブ(ロシア)
ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アレックス・シウバ(ブラジル)
山北渓人(日本)

<ムエタイ・フェザー級/3分5R>
ニコラス・ラーセン(デンマーク)
エディ・アバソロ(米国)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
エカテリーナ・ヴァンダリーバ(ベラルーシ)
イマン・バーロウ(英国)

<サブミッショングラップリング女子ストロー級(※56.7キロ)/10分1R>
ビアンカ・バシリオ(ブラジル)
タミー・ムスメシ(米国)

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【ONE FN08】ノーギワールズ王者×ADCC王者。タミー・ムスメシ「タップせずに達成感? 理解不能」

【写真】マイキーよりクールで、厳しい一言も聞かれたタミー(C)MMAPLANET

25日(土・現地時間)にシンガポールのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE Fight Night08でマイキー・ムスメシの姉=タミー・ムスメシが、ビアンカ・バシリオとサブミッショングラップリング戦を戦う。

ノーギワールズ、4度優勝のタミーと2019年ADCC世界王者のビアンカのマッチアップ――2つの世界王者が、ONEで組みあう。初のケージでの試合を前にして、前回のマイキーとガンドゥルム・バヤンドォーレン戦を例に、グラップリングにおける見込み一本について話を訊いた。


──タミー、ビアと今週末に戦います(※取材は3月22日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「凄くワクワクしているわ。勝敗は別にして、自分のできる全てを出して戦うわ」

――マットでなく、ケージでグラップリングを戦う。この環境の違いをどのように捉えていますか。

「マットとケージは全く別物ね。でも、マイキーはしっかりとケージで戦えているし、ONEのグラップラーたちもそう。私もしっかりと戦えると思っている。ウォールレスリングを理解することで、よりダイナミックなグラップリングになるでしょうね」

――ビアと戦ううえで、自分のどこにアドバンテージがあると考えていますか。

「う~ん、どうなんだろう……。彼女はとても速いわ。ただ、計量後に彼女がどれだけ私と同じようにエネルギーを残せているのか。そこの部分は私にアドバンテージがあるんじゃないかしら」

――WNOでは115ポンドで戦っていましたが、今回は125ポンド。どちらが適正階級なのでしょうか。

「どっちの階級でも、しっかりと戦えるはず。125ポンドは、少し大きな状態で戦えるから、少し筋量を増やせることができて嬉しい。そうね、きっと125ポンドの方が良いと思う。私の体格は115ポンドでも、125ポンドで戦いたい」

――今回、ムエタイやMMAファンの前で戦うことについて、どのように考えていますか。ノーギや柔術のトーナメントのように柔術を理解しているファンではないです。

「UFCを観に行ったことがあるんだけど、グラウンドになるたびに会場の全観客が『立って戦え』って叫んでいるのが、おかしかった(笑)。スポーツバーでも同じ、『立てっ!!』って叫んでいるわ(笑)。あの野次はグラップラーにはプレッシャーになるわよね。ムエタイやキックのようにKOを見て楽しむものと、グラップリングのよう練習して楽しむという2つの楽しみ方がマーシャルアーツにはあるから。

ホント、見ている人が盛り上がるかどうかはもう顔合わせ次第。道着なんて、レベルが高くなれば高くなるほど、そういうファンが楽しめる試合にはならないし。でも、マッチアップ次第ということを考えるとビアンカと私の試合は、凄くエキサイティングになることは間違いない。私はストーリングするタイプじゃなくて、常にアタックするし。ビアンカも積極的な選手だから、楽しみな試合よ」

――ところで前回、マイキーがガンドゥルム・バヤンドォーレンと対戦した際、ヒールフックが完全に極まっているのに相手はタップをしませんでした。以前、タミーもミッシェル・ニコリニの腕関節にタップせずに負傷したことがありました。

「私の時と、あの試合は全然違うわ。私の場合はサブミッションを極められそうになっていることが分かっていなくて、気が付いた時にはどこか壊れた……ケガをしていたの。でも、あのモンゴル人選手は何度もタップする機会があったはず(笑)。私のケースは痛みはなくて、急に痛みを感じた。でも、あの選手はずっと痛かったはず。映像を見ていて、ゾッとしたわ(笑)。ホント、なんでタップしないのか意味不明だったし。

私って、マイキーの試合の時はいつも凄くナーバスになるのに、あの試合は相手選手のことを心配しちゃったぐらいよ(笑)」

――タップをしない精神力は凄まじいですが、あれはタップをしないと……選手寿命に影響しますね。

「精神力? あんな馬鹿げたことはないよ。レスリングのピンフォールと同じように、グラップリングはタップをして負けないと。優れた選手は練習でも試合でもタップをするもの。そうでないと、このスポーツは成立しないから。タップしないことでやり切ったと達成感を得て、それでハッピーなの? それなら、それで良いけど。私には理解できない」

――関節技に関して、レフェリーの見込み一本はあるべきでしょうか。

「レフェリーに判断を任せるのでなくて、自分で判断しないといけないと思う。ただ腕が伸びきってもタップをしないし、平気に見える人もいて……腕や足の柔軟性って、個人差があるから。KOや失神のように見た目で分かるモノじゃない。それにしてもあのモンゴル人は、つま先がありえない方角を向いていた……から、ああいう状況になるとレフェリーが試合を止めるのも有りだと思う。でも、止めなかったフェリーのミスじゃない。きっと、ルールにないことだろうし。

あの試合があったから、またああいう状況になったらレフェリーはもうストップしないとね。この問題は明白な判断基準がなくて、TKOやKOとは違ってグレーエリアだから」

――タミー、試合前に試合とは関係ない話にしっかりと答えていただきありがとうございました。では最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「日本のファンに?」

――ハイ。マイキーはいつもここで『イッコー』、レッツゴーと日本語で言います(笑)。

「日本語ね……オハヨー。トモ、マコト、柔術コミュニティの友人がこう言っているの(笑)。私の試合を日本の皆が視てくれて嬉しいわ。土曜日の朝、皆のためにベストを尽くして戦うから」

■放送予定
3月25日(土・日本時間)
午前8時00分~ABEMA格闘チャンネル

■対戦カード

<ONEキックボクシング世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] スーパーレック・ギアットムーガーオ(タイ)
[挑戦者]ダニエル・ウィリアムス(豪州)

<ONE女子ムエタイ・アトム級選手権試合/3分5R>
[王者] アリシア・エレン・ホドリゲス(ブラジル)
[挑戦者] ジャネット・トッド(米国)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
平田樹(日本)

<フェザー級(※70.3キロ)/5分3R>
オ・ホテク(韓国)
アクバル・アブデュラエフ(キルギス)

<キックボクシング・ストロー級/3分3R>
ジャン・ペイメン(中国)
トレプチ・ドガク(ロシア)

<ムエタイ128ポンド契約/3分3R>
アスランバック・ジグレーブ(ロシア)
ルイ・ボテーリョ(ポルトガル)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
アレックス・シウバ(ブラジル)
山北渓人(日本)

<ムエタイ・フェザー級/3分5R>
ニコラス・ラーセン(デンマーク)
エディ・アバソロ(米国)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
エカテリーナ・ヴァンダリーバ(ベラルーシ)
イマン・バーロウ(英国)

<サブミッショングラップリング女子ストロー級(※56.7キロ)/10分1R>
ビアンカ・バシリオ(ブラジル)
タミー・ムスメシ(米国)

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