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【PFL MENA2024#01】中東&マグレブ発、世界へ。PFL第2の地域戦はフェザー級&バンタム級で開幕

【写真】サウジMMA界期待のハッタン・アルセイフが、アマ女子アトム級でエジプトのナダ・ファフィマルと戦う一番も、現地では非常に注目を集めている(C)PFL

10 日(金・日本時間)、サウジアラビアはリヤドのザ・グリーンホールズで欧州に次ぎPFLの地域リーグ戦が、戦いの幕を切って落とす。
Text by Manabu Takashima

MENAとはMiddle East & North Africaの略称で中東&北アフリカ地域を指す言葉だ。特に明確な地域の特定はないが、PFLにおけるMENAとはアラビック&ムスリム世界で、今大会の出場選手を見る限りカナダやスウェーデン、フランスなど欧州や北米からもアラビックファイターが参戦している。


メインではご当地ファイターで2月のPFL vs Bellatorにも出場していたアブドゥラ・アルカタニが、ヨルダンのヤジット・ハサネインと戦う。もともとはラスベガス在住のモロッコ人ファイター=タハ・ベンドウドと対戦予定だったが、ベンドウドの計量失敗でハサネインと戦うことが決まった。

しかし145.6ポンドで計量をクリアしたアルカタニに対し、ハサネインは146.6ポンドとフェザー級リミットをオーバーしての対戦。この点についてPFLのリリースでは試合が実行されること以外、ペナルティなどが存在するかは明らかとされていない。リヤド大会でアルカタニの試合は欠かせないのは確かだが、プレーオフ進出を賭けたフォーマットだけに、この辺りは明確にしてほしいところだ。

資金が豊富な中東ではMMAは国家レベルで奨励されており、既に個人の能力でワールドクラスとなったアフリカ勢に続き、この中東&マグレブのファイターの強化が進むと、MMAはまさにサッカーと並ぶ、世界中で広まったスポーツとなる。現状は日本では知られていないファイターばかりなのは否めないが、将来(いや既に)日本勢のライバルとなりうる可能性を今回のPFL MENAが後押しすることになる。

そんななかメイン出場のアルカタニ以外の注目すべきファイターは、コメインでノウラス・アブザクと対戦するアリ・タレブか。タレブは吉野光に勝ち、コンテンダーシリーズからUFC進出を果たしたヴィニシウス・オリヴェイラを破り、UAEWバンタム級のベルトを巻いていた選手だ。その後、PFL欧州に転じ――PFLとUAEWで通算7勝1敗というレコードを残している。

そのオリヴェイラに敗れ、ベルトを失ったザビエル・アラウイはカナダ人の元UAEWバンタム級王者で、PFL欧州ベテランのスペイン人ラシッド・ハズと相対する。タレブ、アラウイの両者はバンタム級の本命という見方ができるだろう。

そんなバンタム級の対抗馬にはプレリミ出場となったエリアス・ブグズダムの名を挙げたい。アルジェリア国籍として出場となるブグズダムだが、フランス生まれフランス育ちのアルジェリア系フランス人ファイターは元BRAVE CFフェザー級王者で、そのBRAVEだけでなくUAEW、アレスFCで積み上げてきたキャリア18勝8敗。MENA大会では頭一つ抜けた試合数を誇る。

破れはしたがスティーブン・ローマン、ババ・ジェンキンスというレベルのファイターと戦ってきた経験値も他のファイターにはない。8人トーナメント形式のシーズン制、この3者の戦績を踏まえた上で、パフォーマンスを確認しアラビック&イスラム社会のMMAの今――を判断したい。

■視聴方法(予定)
5月11日(日・日本時間)
午前0時15分~U-NEXT

■ PFL MENA01対戦カード

<フェザー級/5分3R>
アブドゥラ・アルカタニ(サウジアラビア)
ヤジット・ハサネイン(ヨルダン)

<バンタム級/5分3R>
アリ・タレブ(スウェーデン)
ノウラス・アブザク(ヨルダン)

<バンタム級/5分3R>
ザビエル・アラウイ(カナダ)
ラシッド・ハズ(スペイン)

<フェザー級/5分3R>
イスラム・レダ(エジプト)
アダム・メスキニ(フランス)

<バンタム級/5分3R>
タリク・イスマイル(カナダ)
ジャラル・アルダジャ(ヨルダン)

<バンタム級/5分3R>
エリアス・ブグズダム(フランス)
ハッサン・マンドール(エジプト)

<アマチュア女子アトム級/3分3R>
ハッタン・アルセイフ(サウジアラビア)
ナダ・ファフィマル(エジプト)

<フェザー級/5分3R>
メラウン・ベラジュイット(モロッコ)
ミド・モハマッド(エジプト)

<フェザー級/5分3R>
アフマッド・ターラク(エジプト)
アブドゥルラフマン・アリヤサット(ヨルダン)

<アマ・フライ級/3分3R>
マリク・バサハル(サウジアラビア)
ハーシュ・パンディア(インド)

■放送予定
5月11日(土・日本時間)
午前0時15分~U-NEXT

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【PFL MENA】UFC、ONEも進出。BRAVE CFとUAE Warriorsが引っ張ってきた中東MMAをPFLが変える?

【写真】UFCとは明白に違う世界進出をPFLは続けている(C)PFL

24日(土・現地時間)にサウジアラビアのリヤドで行われたPFL Champions vs Bellator Champions内でPFL MENAのスタートが改めて発表され、出場選手がケージに上がった。
Text by Manabu Takashima

MENAとは聞きなれない言葉だが、Middle East & North Africaの略称で中東&北アフリカ地域を指す。特に明確な地域の特定はないが、PFLにおけるMENAとはアラビック&ムスリム世界という捉え方で間違っていないだろう。

実際に今大会で紹介された映像ではエジプト、UAE、バーレーン、ヨルダンの4カ国が映し出されており、ケージに上がった7名のファイターの国籍はエジプト、サウジアラビア、ヨルダン、クウェートという4カ国だった。


そのケージに登場したファイターとはアフメド・アミール、ムスタファ・ラシッド・ネダ、ムスタファ・ラシッド・ネダ、ジャラ・フセイン・アルシラウイ、アブドゥーラ・サリム、オマル・アルダフラウイ、アブドゥラ・アルカタニ、ハッタン・アルセイフという面。

エジプト勢はアミール、アルダフラウイの2選手で前者は12勝4敗1分というキャリア持ち主で昨年4月にPFLライト級本戦に出場もブルーノ・ミランダに敗れている。そのアミールだがBRAVE CFのライト級王者だったことを考えると、中東勢のなかでも国際舞台で戦う力を持っていることは間違いない。

一方でアルダフラウイは10勝6敗のウェルター級ファイターで、BRAVE CFとUAEWでキャリアを築いてきた。

今も珍しいクウェート人ファイターのサリムは戦績5勝0敗。エジプトのEvolution Championshipから修斗ブラジルを経て、母国のFera Championshipで戦ってきた。

そしてヨルダンからは日本でもコア・ファンなら顔と名前が一致しているであろうアルシラウイが参戦を果たす。戦績19勝6敗、ヨルダンのライオンの異名を持つアルシラウイは、BRAVE CFでウェルター&スーパーウェルター級の二冠王者となり、2022年にPFLチャレンジャーシリーズに挑んだ。

そこで本戦契約を勝ち取ると2022年と2023年シーズンに出場──プレーオフ進出はならなかったが、2022年にはグレイゾン・チバウに勝利している。直近の試合は昨年12月BRAVE CF80で判定勝ちを収めており、アルシラウイのPFL MENA参戦はUFCへのフィーダーショーを自認するUAEWと独立王国路線のBRAVE CFと中東MMA界の勢力分布に変化をもたらす可能性を示している。

そんなPFL MENAのスタートとともに注目を集めるのはサウジアラビア勢だ。実際にこの日もネダ、アルカタニ、アルセイフと最多の3選手が紹介を受けている。

ネダは中東MMAの生き字引といっても良い存在で、レコードは8勝3敗。Desert Force、Phoenix FC、UAEW、BRAVE CFと中東MMAをリードするプロモーションを制覇している古参ファイターだ。このミドル級ファイターは、昨年のPFLプレーオフ大会のワンマッチでも勝利を挙げている。

さらにPFL vs Bellatorのプレリミに出場しデドゥコンダラ・ラオからTKO勝ちをしたフェザー級のアルカタニ。アマチュアながらサウジアラビア女子選手として初めてPFLと契約を果たしたアルセイフと、サウジがPFL MENAの中心となる勢いが感じられた。

PFL MENAにはサウジのプロサッカーチームで、フランス代表のカリム・ベンゼマと契約したことでも注目されたアル・イテハドをスポンサードしていることでも知られているサウジアラビアのスポーツの振興を目的としたSRJスポーツ・インベストメンツが資金を投入している。

PFLとSRJの共同プロジェクトは4階級、32人のMENAファイターが集い、年間4大会が予定されている。UFC、ONEも進出する中東はオイルマネーのみならず観光、金融で抱負な資金を誇る一方で、スポーツにおいては多くは海外選手の投入、帰化、招聘という形で構築されている。そのなかで選手の発掘&育成を掲げるPFL MENA、資金力=選手の強化は既にある程度は立証されており、この巨大プロジェクトの行方には注目せざるを得ない。

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