【写真】サウジMMA界期待のハッタン・アルセイフが、アマ女子アトム級でエジプトのナダ・ファフィマルと戦う一番も、現地では非常に注目を集めている(C)PFL
10 日(金・日本時間)、サウジアラビアはリヤドのザ・グリーンホールズで欧州に次ぎPFLの地域リーグ戦が、戦いの幕を切って落とす。
Text by Manabu Takashima
MENAとはMiddle East & North Africaの略称で中東&北アフリカ地域を指す言葉だ。特に明確な地域の特定はないが、PFLにおけるMENAとはアラビック&ムスリム世界で、今大会の出場選手を見る限りカナダやスウェーデン、フランスなど欧州や北米からもアラビックファイターが参戦している。
メインではご当地ファイターで2月のPFL vs Bellatorにも出場していたアブドゥラ・アルカタニが、ヨルダンのヤジット・ハサネインと戦う。もともとはラスベガス在住のモロッコ人ファイター=タハ・ベンドウドと対戦予定だったが、ベンドウドの計量失敗でハサネインと戦うことが決まった。
しかし145.6ポンドで計量をクリアしたアルカタニに対し、ハサネインは146.6ポンドとフェザー級リミットをオーバーしての対戦。この点についてPFLのリリースでは試合が実行されること以外、ペナルティなどが存在するかは明らかとされていない。リヤド大会でアルカタニの試合は欠かせないのは確かだが、プレーオフ進出を賭けたフォーマットだけに、この辺りは明確にしてほしいところだ。
資金が豊富な中東ではMMAは国家レベルで奨励されており、既に個人の能力でワールドクラスとなったアフリカ勢に続き、この中東&マグレブのファイターの強化が進むと、MMAはまさにサッカーと並ぶ、世界中で広まったスポーツとなる。現状は日本では知られていないファイターばかりなのは否めないが、将来(いや既に)日本勢のライバルとなりうる可能性を今回のPFL MENAが後押しすることになる。
そんななかメイン出場のアルカタニ以外の注目すべきファイターは、コメインでノウラス・アブザクと対戦するアリ・タレブか。タレブは吉野光に勝ち、コンテンダーシリーズからUFC進出を果たしたヴィニシウス・オリヴェイラを破り、UAEWバンタム級のベルトを巻いていた選手だ。その後、PFL欧州に転じ――PFLとUAEWで通算7勝1敗というレコードを残している。
そのオリヴェイラに敗れ、ベルトを失ったザビエル・アラウイはカナダ人の元UAEWバンタム級王者で、PFL欧州ベテランのスペイン人ラシッド・ハズと相対する。タレブ、アラウイの両者はバンタム級の本命という見方ができるだろう。
そんなバンタム級の対抗馬にはプレリミ出場となったエリアス・ブグズダムの名を挙げたい。アルジェリア国籍として出場となるブグズダムだが、フランス生まれフランス育ちのアルジェリア系フランス人ファイターは元BRAVE CFフェザー級王者で、そのBRAVEだけでなくUAEW、アレスFCで積み上げてきたキャリア18勝8敗。MENA大会では頭一つ抜けた試合数を誇る。
破れはしたがスティーブン・ローマン、ババ・ジェンキンスというレベルのファイターと戦ってきた経験値も他のファイターにはない。8人トーナメント形式のシーズン制、この3者の戦績を踏まえた上で、パフォーマンスを確認しアラビック&イスラム社会のMMAの今――を判断したい。
■視聴方法(予定)
5月11日(日・日本時間)
午前0時15分~U-NEXT
■ PFL MENA01対戦カード
<フェザー級/5分3R>
アブドゥラ・アルカタニ(サウジアラビア)
ヤジット・ハサネイン(ヨルダン)
<バンタム級/5分3R>
アリ・タレブ(スウェーデン)
ノウラス・アブザク(ヨルダン)
<バンタム級/5分3R>
ザビエル・アラウイ(カナダ)
ラシッド・ハズ(スペイン)
<フェザー級/5分3R>
イスラム・レダ(エジプト)
アダム・メスキニ(フランス)
<バンタム級/5分3R>
タリク・イスマイル(カナダ)
ジャラル・アルダジャ(ヨルダン)
<バンタム級/5分3R>
エリアス・ブグズダム(フランス)
ハッサン・マンドール(エジプト)
<アマチュア女子アトム級/3分3R>
ハッタン・アルセイフ(サウジアラビア)
ナダ・ファフィマル(エジプト)
<フェザー級/5分3R>
メラウン・ベラジュイット(モロッコ)
ミド・モハマッド(エジプト)
<フェザー級/5分3R>
アフマッド・ターラク(エジプト)
アブドゥルラフマン・アリヤサット(ヨルダン)
<アマ・フライ級/3分3R>
マリク・バサハル(サウジアラビア)
ハーシュ・パンディア(インド)
■放送予定
5月11日(土・日本時間)
午前0時15分~U-NEXT