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【DWCS S08 Ep10】TDだけでなくダメージ考慮のピッチニーニ、グールレに非情なスプリット判定負け

<フライ級/5分3R>
ルイス・グールレ(米国)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
ニック・ピッチニーニ(米国)

試合開始直後に左を伸ばし、ワンツーから組んだピッチニーニがスラムダウンし、バックを奪取、そのワンフックに取る。スクランブルに盛り込んだグールレだが、スピニングバックフィスト空振りし、再びバックを許す。後方から細かいパンチを連打するピッチニーニは、胸を合わせて離れたグールレを前蹴りで後方に倒し、すかさす組んで背中に回る。後方からのハイが空振りになり、向き合ったグールレが右を当てる。

左フック、右アッパーと本来打撃で上回るグールレが、圧を掛け始める。ジャブのピッチニーニに対し、グールレがショートの連打をまとめる。左ボディショットを入れたグールレが、前に出てパンチから左ハイ。これは空振りになったが、打撃の圧でグールレの流れになりつつある。ピッチニーニはここでダブルレッグからリフト。グラウンドには持ち込めなかったが、譲らない姿勢を見える。それでも終盤の打撃戦は、グールレが優勢だった。

2R開始直後のショートのコンビをまとめたグールレが、左右のフックで前に出て右ハイを繰り出す。これをキャッチしてテイクダウンを決めたピッチニーニだが、ここから上下が激しく入れ替わるスクランブル戦へ。結果スタンドに戻り、組んでヒザのグールレに対し、ピッチニーニがワキを潜ってバックに回る。勝つためにレスリング勝負に出るしかないピッチニーニだが、グールレが前蹴りを効かせてからパンチを顔面にまとめる。

組もうとするピッチニーニに、エルボーを入れるグールレ。ピッチニーニもクリンチからボディを連打する。ダーティーボクシングからダブルレッグを決めたピッチニーニは、バックを取りつつ後方から左フックを連打。さらに正対してダブルレッグを決める。グールレはスイッチからシングルを狙うが、ピッチニーニが許さない。バックを取られた状態で、ジャンプしてケージを蹴ったグールレだが、バックコントロールから逃れることはできない。それでも最後の10秒の打ち合いで、グールレは五分の攻防に戻した。

最終回、左ジャブからローのグールレ。ピッチニーニはダブルレッグのフェイクから、右オーバーハンドを伸ばす。グールレは左ボディから左フック、そして近い距離で左ハイを繰り出す。ダブルを切られたピッチニーニは首相撲からヒザを使う。さらに前蹴り、右オーバーハンドと打撃戦に応じたピッチニーニはエルボーを受けても、根性のダブルレッグでテイクダウンを決める。

ここで終わらずパウンドからバックに回ったピッチニーニが、得意のレスリングとフィニッシュ狙いのノンストップアクション──コンテンダーシリーズに求められるファイトを展開する。

グールレも小外を耐え、勝負はオクタゴン中央でクリンチに。ここでピッチニーニがヒザ蹴りから離れると、左フックを振るいダブルレッグへ。切ったグールレは、ジャブを伸ばし右ストレート。そしてワンツーを入れるが、ピッチニーニがシングルレッグでドライブする。最後の5秒でリリースし、近距離で連打を見せたピッチニーニはタイムアップとともに勝利を確信しダナ・ホワイトの前へ駆け寄って、何やら言葉を発していた。

第3週の勝利にもダナは再戦要求、対戦相手が代わるという流れのなかでピッチニーニはスタイルをアジャストして今年のコンテンダーシリーズで2勝目を挙げたと思われたが、なんとスプリット判定で敗れる。なんとも気の毒きわまらない結果に終わったピッチニーニとは対照的に「4日間だけだ!」とショートノーティス出場をアピールしていた。

「ロイヴァルのサポートでラスベガスに来ていた。そこで試合を受けた。キャンプもしていないし、コンディションは論外だった。でも、この試合ができた」とバックステージインタビューで勝者は話した。


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【DWCS S08 Ep10】コンテンダーシリーズ最終週。ピッチニーニが2度目の正直目指し、グールレ戦へ

【写真】ある意味、よりタフな相手と戦うこととなったピッチニーニ (C)Zuffa/UFC

15日(火・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで今年のコンテンダーシリーズ最終戦が行われる。8月13日のシーズン開幕から9週で39人の契約が実現し最後の5試合を迎えることとなった。
Text Manabu Takashima

米国、ブラジル、キューバ、アルゼンチン、カナダ、そして豪州から計10選手、計66勝8敗1分とファイター達のラストバトルにはFURY FCフライ級王者ルイス・グールレ、修斗ブラジル・フェザー王者=アントニオ・モンテイロという北・南米のトップフィーダーショーの王者が参戦。

サムライファイトハウス王者!!!!

そしてアルゼンチン&ウルグアイのSamurai Fight House女子ストロー級王者フリエタ・マルチネス。

ブラジルのStandout Fighting Tournamentウェルター級王者エラルド・ソウザというローカル王者が出場する。


そんななかFury FC王者グーロォと対戦するニック・ピッチニーニは第3週以来、2度目──そしてラストチャンスに賭ける。オクラホマ州立大時代にD1レスリングでオールアメリカン3度なっているピッチニーニは、アルファメール所属のダック・ダフィーにカーフを効かされながら、組み勝負となりスプリット判定勝ちを収めた

ピッチニーニは10日前のショートノーティス出場でアップセットを起こし、契約できる材料は揃ったと思われた。しかし、ダナ・ホワイトは「ニックが勝ったと思った。両者が合意するなら第10週に再戦を組みたい」と非情な判断を伝える。この日はボグダン・グラッドにスプリット判定で敗れたマイケル・アズウェルがサインを果たしており、本当に神様の気まぐれ、匙加減に翻弄されたピッチニーニだ。

ダナの宣言通り、ダフィーとの再戦が組まれたが、ダフィーが欠場となりピッチニーニはグールレと戦うことに。キャリア9勝0敗のグールレもレスリングベースのファイターだ。そのレスリングだけならピッチニーニの方が、上をいくだろう。ただし、テイクダウンの圧にパンチを加え、テイクダウン後のパウンドの強さなどMMAファイターとしてはグールレの方が武器が多いのも事実。

組み勝負で勝利を手にしながら、契約に至らなかったピッチニーニがグールレを相手にどのようなファイトを挑むのか。コンテンダーシリーズという戦いの舞台を考えるとスタイルチェンジを考慮する必要があるピッチニーニは、アジャストしたファイトか、自分の強さを全面に押し出すファイトか、どちらを選択するのか興味深い。

■視聴方法(予定)
10月16日(水・日本時間)
午前9時~UFC FIGHT PASS

■ DWCS S08 Ep10対戦カード

<ミドル級/5分3R>
ニック・クレイン(米国)
エラルド・ソウザ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
ニック・ピッチニーニ(米国)
ルイス・グールレ(米国)

<フェザー級/5分3R>
ヤディエル・デルヴァリエ(キューバ)
アントニオ・モンテイロ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
レスリー・ヘルナンデス(米国)
フリエタ・マルチネス(アルゼンチン)

<ウェルター級/5分3R>
ムアメド・アドゥ(カナダ)
ジョナサン・ミカレフ(豪州)

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【DWCS S08 Ep03】プリャエフ、3-0勝利で合格&グラッドは敗者ともに。5人がINもピッチニーニは再戦指令!

<ミドル級/5分3R>
アンドレイ・プリャエフ(ロシア)
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
リアム・アンダーソン(米国)

開始直後から圧を掛けて、パンチを見せて組みついたアンダーソン。右を差してケージにプリャエフを押し込む。シングル、ダブルとテイクダウンを狙うアンダーソンだが防ぐプリャエフが鉄槌を打っていく。アンダーソンはボディロックに取るが、後方へ崩しを防がれる。残り2分半で離れたプリャエフが左カーフを蹴る。シングルのフェイクを見せたアンダーソンだが、プリャエフは左を入れ、前蹴り、右ジャブを繰り出す。スイッチしたアンダーソンに対し、プリャエフはインローからボディ、左ストレートを当てる。

さらに左ハイから左ストレートを入れたプリャエフは、打撃で攻勢に。アンダーソンもオーソに戻して右を当て、ダブルレッグで押し込んだところで時間になった。

2R、初回同様に開始直後に前に出るアンダーソンが右ミドルを決める。ここから組んでケージ際のクリンチから、シングルレッグへ。ヒザをつかされたが、すぐに立ったプリャエフはケージを背負った状態が続く。この時間が続くと契約へのアピールタイムが目減りするプリャエフが首相撲から肩パンチを入れて離れると、左ストレートをヒットさせる。

さらに右ストレート&左フックを振るうプリャエフに対し、疲れたアンダーソンは右ハイを狙って後方に崩れる。パウンドを落として、すぐにスタンド戦を選択したプリャエフがアンダーソンのクリンチにエルボーを打っていく。離れて左の三日月、ローを蹴ったプリャエフは自らボディロックへ。アンダーソンはこの機会を逃さず、テイクダウンを決めるとダースを狙う。リスト取って防いだプリャエフだが、背中をつかされてしまう。鉄槌とパンチを連打したアンダーソンは、マウントを取ると左右のパンチを落とし、スコアは分からない状態となった。

最終回、まず左ミドルを入れたプリャエフが、アンダーソンに組ませずパンチを振るう。それでも組んだアンダーソンはアッパーとヒジの応手のなかで間合いを取り直す。と、左を決めたプリャエフが2発、3発と左を打ち込む。ケージ中央のスナップダウンからがぶっていったアンダーソンだが、プリャエフがダブルレッグでテイクダウンを決める。ガードの中からエルボーを落とすプリャエフに対し、アンダーソンはハイガードから腰を切ろうとする。

腰を抱えて左のパンチを2発落としたプリャエフは左エルボーを振り下ろす。アンダーソンは左腕を差してレッスルアップを狙うも、ヒジを受けて背中をみせてしまう。頭部にカットが確認できるアンダーソンからバックを取ったプリャエフは、前方に落とされそうになって足を抱える。結果、下になったプリャエフはバックを許して、両足をフックされる。残り試合時間は40秒、プリャエフはマウント狙いを利してリバーサルを決めると左のパンチを落とし、スクランブルでバックに回ってタイムアップを迎えた。

結果はプリャエフがフルマークでラウンドを揃えるという結果に。「今日は最高の力を見せることができなかった。もっと、デキる。サインをして、それを証明したい。ミドルキックは作戦とはいえない。でも、入ると思ったから使った。契約が欲しい。ベストファイトとダナが思うなら、ボーナスも」と話したプリャエフ。他の4試合より組みの展開が多かったが、両者とも死力を尽くして戦ったことには変わりない──が、ショーン・シェルビーの熱のない拍手が気になるところだ……。

ダナ・ホワイトは「第1試合の判断は難しい。なぜなら、あのジャッジの裁定には納得できないからだ。ニックが勝ったと思っていない。ダメージが多かったのはニックだ。ニック、君の才能は疑いようがない。もし、両者が合意するなら第10週で再戦を組みたい。それがフェアだと思う」と何と、ニック・ピッチニーニの契約は見送られることに。

対して「君はコンテンダーシリーズで求められていることをやり切った」とマルコム・ウェルメーカーは大歓迎でUFCに迎え入れられる。続いてマルコ・トゥーリオも「コンテンダーシリーズでスピニングバックキックでのKOは初めてだ」と契約が告げられた。

激闘パート2の勝者ボグダン・グラッドは「コンテンダーシリーズ史上、最高の試合だった。両者にボーナスを贈りたい。2人には明るい未来が待っている。君は当然だが、マイケルもUFCだ。2人ともおめでとう」という言葉に大きく手を叩いた。

「アンドレイはまだいないよな。でも、私の言っていることは分からないだろうから、問題ない。彼のファイトIQは高い。少しの動きが本当に素晴らしくて、最高だ。彼も明るい未来が待っているだろう」とプリャエフの契約も決まった。


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【DWCS S08 Ep03】カーフで削られたピッチニーニが、組みに来たダフィーを逆転スプリット判定勝ち

<フライ級/5分3R>
ニック・ピッチニーニ(米国)
Def.2-1:29-28.29-28.28-29
ジャック・ダフィー(米国)

左ミドル、左ハイを放ったダフィーがシングルレッグへ。レッグリフトにも耐えたピッチニーニは、クリンチでダフィーをケージに押し込んでヒザをボディに入れる。ボディロック&小外掛けでテイクダウンを奪ったピッチニーニはギロチン、三角、オモプラッタを防いでパウンドを落としていく。ダフィーは蹴り上げを見せると、飛び込んできたピッチニーニに対してハイガード、Kガードから足を取りに行く。ピッチニーニがヒザ十字にヒザを抜いて立ち上がると、試合はスタンドに戻る。

ダフィーはヒザ蹴りから右カーフ、そして左ハイ、左ミドルと蹴りを多用する。ピッチニーニは右カーフを蹴られ、スイッチしたダフィーの左ミドルの受ける。腹、足をスイッチしながら攻め、ヒザも繰り出すダフィーがダブルレッグへ。切ったピッチニーニががぶりからヒザを突き上げる。ダフィーは右エルボーを打ち込み、左ミドルから右カーフを続ける。ピッチニーニの右ハイをかわして、カーフを続けるダフィーが残り10秒でも2発カーフを決めて試合を有利に進めた。

2R、フック、前蹴りのピッチニーニはスピニングバックフィストからカーフを蹴られ、ついに構えを変える。すぐにオーソに戻したピッチニーニに対し、ダフィーはテイクダウンを仕掛けて切られると引き込む。カーフを効かせているので、勿体ない展開だ。ガードの中からパウンドを落とすピッチニーニに対し、ダフィーは足を懸命にきかせて、ハーフを取らせない。それでも下が続くダフィーは、蹴り上げから立ち上がろうとしてバックを取られる。

サイドバックから崩し、真後ろに回ったピッチニーニはボディトライアングルを完成させて仰向きに。ピッチニーニは足を組み替えようとしフックを解いた刹那、ダフィーが胸を合わせてスタンドに戻る。ピッチニーニがクリンチでケージに押し込み、残り30秒を切って小外刈りでテイクダウンを決めると、再びスクランブルでバックを取り四の字フックへ。立ち上がったダフィーは背中からスラムするが、バックを許したまま時間となった。

最終回、ピッチニーニが右オーバーハンド。ダフィーのワンツーは届かないが、続く右ハーフでピッチニーニが尻もちをつく。直ぐに立ち上がったピッチニーニ。ダフィーはまたもテイクダウンを狙うが、切られる。ここはスタンドに戻ったダフィーはテンカオ、直後にピッチニーニはダブルレッグでテイクダウンを奪う。ギロチンを防御されたダフィーは背中を見せて、両足のフックを許す。

前方に落としに掛かったダフィーだが、ピッチニーニは位置を修正してフックを解きバックコントロールに転じる。正対してダブルレッグを仕掛けたピッチニーニは、ギロチンを警戒して離れると一気に動きが落ちる。ダブルを切ったダフィーはジャブの差し合いから前蹴りで顔面を蹴る。残り2分を切り、ダブルレッグからワキを潜ってバックに回ったピッチニーニはテイクダウンを狙う。胸を合わせたダフィーはがぶって離れると、スピニングバックキックをボディに入れる。

エルボーのダフィー、ダーティーボクシングのピッチニーニ。ここから互いにスピニングバックフィストを空振りと、白熱の根性戦に。と、ピッチニーニが組んでバックへ。前転を潰され、立ち上がったダフィーは背中を取られ厳しい展開に。残り15秒で胸を合わせたダフィー、最後の10秒は足を止めての打ち合いで終幕となった。瞬間、ダナ・ホワイトは立ち上がって両者に拍手を送った。

ジャッジの裁定は割れ、スプリット判定をピッチニーニが制した。10日前のショートノーティス・ファイト、厳しい戦いを勝ち抜いたピッチニーニは「2Rと3Rは僕の方がフィニッシュに近かったから、判定には自信があった。初回は落としたけど、前に進むだけだった。フィニッシュを目指して戦った。今後はオクタゴンで戦っていきたい」と話し、足を引きずってドレッシングルームに戻った。


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