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【UFC308】展望  このスポーツの模範ロバート・ウィティカー×危険かつ情緒不安定カムザット・チマエフ

【写真】心技体の合計点。高いのどっちだ (C)Zuffa/UFC

26日(土・現地時間)、アラブ首長国連邦アブダビのエティハド・アリーナにてUFC 308「Topuria vs. Holloway 」が行われる。新王者イリア・トプリアにBMF王者マックス・ホロウェイが挑戦するフェザー級タイトルマッチをメインとするこの大会のコメインは、元世界王者のロバート・ウィティカーとプロ無敗のカムザット・チマエフが激突する大注目のミドル級トップコンテンダーマッチだ。
Text by Isamu Horiuchi

ウィティカーは2017年の7月、ヨエル・ロメロとの5Rの激闘を制してミドル級暫定王者に就くと、同年末には当時の正規王者ジョルジュ・サンピエールのタイトル返上&引退を受けて正規王者に認定された。2019年10月にイスラエル・アデサニャに敗れて王座を失ったが、その後も常にミドル級トップ戦線で戦い続けている。

昨年7月には現王者のドリキュス・デュプレッシーに2RTKO負けを喫したものの、今年に入って2月にパウロ・コスタに判定3-0で快勝し、さらに6月にはUFC無敗のイクラム・アリスケロフと対戦。1R早々に必殺の飛び込んでの右ストレートを当てると、さらに右ハイ、そして右アッパーをスマッシュヒットして圧巻のKO勝利を飾っている。


対するチマエフはこれまでプロ13戦全勝。昨年10月には元ウェルター級王者のカマル・ウスマンに判定3-0で快勝し、UFC7連勝を飾った。ウィティカーとの試合は今年の6月に予定されていたが、チマエフの体調悪化により中止となり、上述のようにウィティカーは代役のアリスケロフに鮮烈な1RKO勝利。4ヶ月後の今回、両者の試合が改めて組まれた。

UFC王者✖BMF王者という豪華メインイベントに劣らぬ注目を集めているこの一戦。その理由は何よりもまず、チマエフが途轍もなく高い戦闘能力と心身の不安定さを併せ持つ、色々な意味で目の離せない存在であることだ。そしてウィティカーこそチマエフのキャリア上最強の相手であり、今回ついにその「底」が露呈する可能性が少なくないことだ。

2020年7月、チマエフは(コロナ禍による米国入国規制に対応して開催された)アブダビのファイトアイランドことヤス島大会に登場し、ジョン・フィリップスとのミドル級戦において2Rダースチョークで圧勝して鮮烈なUFCデビューを飾った。

その10日後には同会場に行われた大会にも欠場選手の代打としてウェルター級戦=リース・マッキー戦に登場。1RパウンドによるTKOで相手を葬り去り、10日で2勝という(ワンデートーナメント廃止以降の)現代UFCにおける最短記録を──しかも2階級をまたいで──樹立してのけた。

さらにその2ヶ月後には再びミドル級戦に登場し、今度はわずか17秒でジェラルド・マーシャートからKO勝ちを収め、66日で3連勝という新たな現代UFC記録をも達成した。

結果以上に圧巻だったのがこの3戦の内容だ。最初の2戦は試合開始と同時に距離を詰めてテイクダウン。そのまま相手を逃さず強烈なパウンドや肘で削り、一方的に攻撃してフィニッシュした。3戦目も試合開始直後から前に出て、テイクダウンを警戒する相手を右ショート一発で昏倒させた。

問答無用のテイクダウン力と相手に何もさせない圧倒的コントロール力、さらに精度と破壊力を併せ持つ打撃まで備えた男が、試合開始と同時に様子見を一切せず相手に迫り、一片の躊躇もなくフルスロットルで攻撃し続け、最短距離で粉砕する──見る者全てを戦慄させる戦いを披露したチマエフは、当然のようにデビュー3連続でパフォーマンス・オブ・ザ・ナイト・ボーナスを受賞した。

その言動も超攻撃的な戦い方に相応しく、二戦目の勝利後には「俺は全ての相手を破壊する!」と絶叫し、三戦目の前には「お前の顔面を粉砕してやる」と相手を挑発すると、17秒でその通りに実行。こうしてチマエフは、UFCデビューから僅か2カ月にて世界で最も熱い注目を浴びる若手MMAファイターの座に駆け上がったのだった。

3カ月後の12月には早くもウェルター級トップランカーのレオン・エドワーズとの対戦が組まれたが、両者とも新型コロナウィルスに感染して試合は延期に。その後この試合は二度リスケジュールされたものの、チマエフの回復が遅れて実現せず。21年3月にチマエフは肺の合併症を理由にSNSで「もう終わりだと思う。みんながっかりすると思うけど、僕の心と体が僕に全てを語っている」と引退の意志を表明し、洗面台に吐いた血を写したショッキングな写真を投稿した。

が、チマエフを治療のためにベガスに呼んだデイナ・ホワイトUFC代表は、これは一時的な気持ちの揺れによるものと説明して引退を否定。実際やがて症状が改善したチマエフは、2021年10月にリー・ジンリャンと対戦した。以前同様、開始同時に距離を詰めて組みついてチマエフは、ジンリャンをリフトしたままケージの中を歩きながらケージサイドのホワイト代表に向かって「俺が王者だ! 全員殺してやる!」と叫んでからテイクダウン。そのまま強烈なパウンドとチョークを織り交ぜて一方的に攻撃し、3分過ぎにジンリャンを絞め落として破天荒極まりない復活を遂げた。

が、その後チマエフは2022年9月に大会目玉カードのニック・ディアス戦を体重超過で飛ばしてしまう。そこで急遽組まれたケヴィン・ホランド戦に圧勝すると、試合後のインタビューでは謝罪するどころか「ウェイトオーバーなんてどうでもいい! 俺は落とせたのに医者に止められたんだ!」と前代未聞の開き直りを見せた。

次戦の昨年10月の元ウェルター級王者のカマル・ウスマン戦は快勝。が、今年6月に予定されていたウィテカー戦は、キャンプ途中で原因不明の体調不良に襲われて回復せず、キャンセルを余儀なくされた。

比類なき戦闘能力とアグレッシブネス、その激しさを反映するが如き精神面健康面の脆さも併せ持ったチマエフは、「次にいつ試合するのか」、「どんな戦いを見せるのか」、「そもそも本当に試合をするのか」とさまざまな形でファンの興味を掻き立て続ける存在だ。

ちなみに近年チマエフは、米国入国に必要なビザが降りないとのことで、昨年のウスマン戦はアブダビ大会、6月に予定されていたウィティカー戦はサウジアラビアのリヤド大会、今回改めて組まれたウィティカー戦は再びアブダビでの試合となる。ビザが降りない理由は、(18歳でスウェーデンに移住した)チマエフの生まれ故郷であるチェチェン共和国の首長ラムザン・カディロフ──米国当局からは人権侵害に関与したとして入国禁止の制裁対象とされている──とチマエフがごく親しい間柄であるためだと報道されている。

実際カディロフの二人の息子にMMAを指導し、長男のデビュー戦ではセコンドに付いたチマエフは、現在も頻繁にSNSでカディロフと親しくしている写真を投稿している。当然ファンからは批判の声も挙がっているが、本人は気にかける様子もなく、冗談めかして「(ホワイト代表と親しい)ドナルド・トランプが大統領になってくれない限り、僕は米国に入国できずにUFCタイトルに挑戦できないかもしれない。でも気にしないさ。僕はどこでも戦うし、ベルトなき王者というだけだ」と語る。このような政治的事情も、チマエフの激しくも儚く、そして危なっかしいイメージを増幅させている。

そんなチマエフの前に今回立ちはだかるウィティカーは、全く対照的なイメージを纏っている。常に若者のロールモデル(模範)であることを心がけ地域貢献活動にも精を出し、対戦相手へのトラッシュトークなどは一切行なわず、誰からも好かれ尊敬される存在だ。チマエフも以前ウィティカー戦との対戦可能性について聞かれた際に「できれば別の選手とやりたいよ。ロバートは良い人間で尊敬している。もっと憎むことのできる相手と対戦して殴りたい。彼とはむしろ一緒に練習したい」と語っており、両者の間には遺恨らしきものは存在しない。

下馬評では無敗のチマエフ(ミドル級ランキングは13位)が現在ランキング3位のウィティカーより有利と出ているが、チマエフ危うしとの声も小さくない。

最大の疑問は、チマエフの一番の強みであるテイクダウン&コントロールが、ウィティカー相手にどこまで通用するかだ。ウィティカーは、これまでウェルターとミドルを行き来してきたチマエフがはじめて戦う真のミドル級の体格のトップランカーだ。2014年から10年間ミドル級で戦い続けており、ヨエル・ロメロをはじめとする何人もの強力なレスラーのテイクダウンを凌いで勝利した実績がある。

レスリングの練習に余念のないウィティカーは「私はなかなかテイクダウンされないし、抑え付けるのも困難だよ」と自信を覗かせている。試合開始と同時に暴風雨のような攻撃を繰り出すチマエフは、これまで全ての相手から1R早々にテイクダウンを奪っている。が、仮に今回同じことをできたとしても、これまでのどの対戦相手よりも高い身体の出力を持つウィティカーをコントロールし続け、フィニッシュあるいは大ダメージを与えることができるのか。チマエフの攻撃力が最大値にある1Rの攻防こそ、一番の見どころだ。

もしウィティカーがチマエフの序盤の猛攻を凌いだ場合、ウィティカー有利説のもう一つの根拠=この試合が5R制だということが大きな意味を持ってくる。ウィティカーが何人ものミドル級トップ勢と5Rフルに戦い、制しているのに対して、チマエフはジルベウト・ドゥリーニョ・バーンズ戦とウスマン戦で3R判定の試合を二度経験しているのみ。この二戦ともに2R以降はノンストップラッシュを控えてペースを抑え、反撃をもらう場面もあった。試合が4、5Rに突入してもスタミナが残せるのか、フタを開けてみなければ分からない。

また、長期戦になればなるほどチマエフが距離を詰めてテイクダウンを取るのは困難となり、必然的にウィティカーが望むスタンドの攻防が多くなるだろう。そこでは近距離を得意とするチマエフの拳より、蹴りを多用して距離を保つウィティカーが、遠い間合いから一気にブリッツして(=飛び込んで)放つ必殺の右が炸裂する可能性が高い。チマエフも「もしロブがテイクダウンだけを警戒するのなら、僕のライトハンドでKOされる可能性もあるよ」と打撃戦にも自信を覗かせているが、どう出るか。

チマエフは前回の体調悪化を踏まえ、今回ロシアのコーカサス山中にある五輪選手用の訓練施設オゾン・ヴィレッジでキャンプを張った。世界レベルのレスラーやコーチ陣と練習を重ね、万全の調整ができた模様だ。試合前記者会見では、五分刈りではなく自然な短髪&眼鏡を着用して登場。今までのヤンチャなイメージから一変して、物静かにしてきわめて温厚な調子で受け答えをしたこと自体が反響を呼んでいる。

長年ミドル級世界トップに君臨する超実力者ウィティカーとの対戦で、底知れぬ強さを見せてきたチマエフの底が割れる日がついに来るのか、それとも予測不可能にして危険極まりない男チマエフがまたしても世界を震撼させるのか。興味は尽きない。

■視聴方法(予定)
10月26日(日・日本時間)
午後11時00分~UFC FIGHT PASS
10月27日 午前3時~PPV
午後10時 30分~U-NEXT

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45 AB LFA MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN62 UFC305   アンジェラ・ヒル イスラエル・アデサニャ エドマン・シャバジアン カイオ・ボハーリョ ジャレッド・キャノニア ジャレッド・キャノニアー ジョシアニ・ヌネス スラヴァ・ボルシェフ タバタ・ヒッチ デニス・ブズーキア ドリキュス・デュプレッシー ニール・マグニー ハメ・ジョントップ ホセ・メディーナ マイケル・モラレス マイロン・サントス 食事

【UFC ESPN62】キャノニアーと対戦、カイオ・ボハーリョ「過度な減量はしない。明日は水を11L飲む」

【写真】眼鏡からサングラスに変えて、計量をパス (C)Zuffa/UFC

24日(土・現地時間)、ネバダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC on ESPN62「Cannonier vs Borrlho」が開催される。
Text by Manabu Takashima

イベント・タイトルにあるようにメインはジャレッド・キャノニアー×カイオ・ボハーリョというライトヘビー級戦が組まれている。通算戦績16勝1敗、2021年にコンテンダーシリーズからUFCに昇格したボハーリョは、オクタゴンでも8連勝中だ。そのボハーリョ、実はLFAブラジル大会でコメンテーターを務めており、英語で同朋のファイターたちの試合の模様を解説している。眼鏡姿がトレードマーク、インテリジェンスさもセールスポイントといえるボハーリョに、コメンテイターとMMAファイターの兼業の利点を尋ねた。


──週末にジャレッド・キャノニアーとメインで対戦します。今の調子はいかがですか。

「過去最強のコンディションだよ。ファイトウィークは、常にそうなんだ。ハードな練習をしても、リカバリーに細心の注意を払っている。減量のことも常に頭にいれていて、極端な体重の落とし方はしない。そのために食事も摂っているし、水を大量に飲んで体重を調整しているんだ」

──ウォーターローディングを気に掛けているということですね。

「そうだね、凄く多くの水を飲んでいるよ。今日も6リットルほどの水運補給を行ってきた」

──6リットル!!

「イエース。明日は5リットル増やして、11リットルだ。そして明後日には、水分をカットする」

──何とも壮絶に感じるのですが……。それがカイオにとっては厳しいことにならないのですね。ところでカイオはLFAブラジル大会のUFC Fight Pass中継で英語を駆使してコメンテーターをしていますね。ネイティブ・イングリッシュ・スピーカーでないのに、凄く度胸があるなと最初に視た時は驚きました。

「確かに簡単じゃなかったよ。最初の時は怖かった。でも、与えられた役割をしっかりとこなすことを考えて頑張った。6度、7度と続けていると、自信もついた。それに引退後のことを考えても、いや現役中でもそうだ。ファイター以外の仕事に就くのは良い経験になるからね。

実際にファイターとしてオクタゴンを眺めるのとコメンテーターとして、あの場にいるのとではまるで違う。他の選手の試合をしっかりと見ることになって、ファイターとして視野が広がった。コメンテーターの仕事は、色々なことを習うことができて、選手としても役立つことばかりだ」

──コメンテーターは、ファイトを楽しんでもらうために試合について語る必要があります。解説者目線で、UFC305のメインで行われたUFC世界ミドル級選手権試合=ドリキュス・デュプレッシー×イスラエル・アデサニャを振り返ってもらえないでしょうか。

「ハハハハ。良い試合だったよ。両者、自分の戦いをしようと凌ぎ合っていた。アデサニャは下がりながら、距離をマネージメントしてカウンターを狙っていた。この距離感は良かった。ただ、デュプレッシーにはそういう計算高いファイトも関係ない。

そして、奇妙な技術を持つ。その奇妙な技術が、有効なんだ。自分の世界を創り、世界のベストと戦ってしまう。それで彼は勝った。それでも、全ての対戦相手を倒してきたアデサニャが偉大なファイターであることは変わりない。誰も彼のような成績をミドル級で挙げることはできないだろう」

──ではトップを倒すことが使命といえるミドル級コンテンダーの目線で、あの試合を印象を話してもらえますか。

「アデサニャは、疲れていた。体を大きくして、体重を重くし過ぎたようだ。とはいってもデュプレッシーのゲームは、穴だらけあんだ。闇雲に前に出て、パンチを当てることしかできない。しかも殴ろうとしたときに、相手の攻撃を受ける隙ができる。それだけ対戦相手はアドバンテージを握ることになる。

それでもテイクダウンからバックを奪うのは、効果的だ。グラップリングで、相手を削って行く。そういう局面になると、力強い攻撃ができる。それでもスタンドに戻ると、攻撃の精度が落ちているので、スタンドで倒すことは可能だ。そう感じた。

デュプレッシーが優れたアスリートであることは間違いない。なんせ、UFCで負け知らずだ。良い試合をしてきた。そうだね……あの世界戦はファンにとってはエキサイティングで、グッドファイトだったに違いない。ただし、技術的にはベストファイトではなかった。あの世界戦を見て、僕の技術力は全局面において世界のベストの1人だと自信を持っている。僕は彼らよりレスリングができ、打撃もグラップリングも併せ持つウェルラウンダーだ。全ての要素を融合させることで、相手にとっては予測困難な戦いが可能になる。ハードトレーニングを続けることで、誰と戦ってもアドバンテージを持って試合に臨むことができるんだ」

──その言葉をキャノニアー戦で立証できるのか。期待して見させてもらいます。

「キャノニアーはタフな相手だよ。経験豊かで、彼のやりたい試合をされると厄介だ。既に5R戦も経験しているし、僕の実力がこのスポーツの頂点にあることを証明するのにベストな相手といえる。

間違ってもイージーファイトになるなんて、口にすることはできない。でも、彼を疲れさせてからパンチを顔面に集中させる。ダウンを奪うと、サブミットだ。キャノニアーは過去に一本負けしたことがないけど、柔術、グラップリングと引き出しが多い僕には、それを可能にするだけのスキルが身についている。

勝負の鍵は、どれだけプッシュして戦えるかだ。キャノニアーはもう40歳、ラウンドの中盤にはペースが落ちる。対して、僕は31歳になったばかりでハイペースで戦い続けることは何も問題にならない。彼には居心地が悪い時間を創り、疲れさせる。そうすると、もう僕のファイトになる」

──ファンが見る上で、注目してほしいところは?

「接近戦で戦うことだ。彼と戦う相手は、そのパワーを警戒して距離を取りたがる。でも僕は、そういう危険なゾーンで戦うことを問題視しない。目の前に立ち、思い切り顔面にパンチをくれてやる。そしてキャノニアーに勝って、その次の試合も勝ってトップ5入りを傍すよ」

■視聴方法(予定)
8月25日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC FIGHT PASS
午前7時15分~U-NEXT

■ UFC ESPN62対戦カード

<ライトヘビー級/5分5R>
ジャレッド・キャノニアー(米国)
カイオ・ボハーリョ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
アンジェラ・ヒル(米国)
タバタ・ヒッチ(ブラジル)

<TUF32ミドル級決勝/5分3R>
ライアン・ロダー(米国)
ロバート・ヴァレンティン(スイス)

<TUF32フェザー級決勝/5分3R>
カーン・オフィリ(豪州)
マイロン・サントス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R
マイケル・モラレス(エクアドル)
ニール・マグニー(米国)

<ミドル級/5分3R>
エドマン・シャバジアン(米国)
ジェラルド・マーシャート(米国)

<ライト級/5分3R>
デニス・ブズーキア(米国)
フランシス・マーシャル(米国)

<ミドル級/5分3R>
ホセ・メディーナ(ボリビア)
ザック・リース(米国)

<ライト級/5分3R>
スラヴァ・ボルシェフ(ロシア)
ハメ・ジョントップ(ペルー)

<女子バンタム級/5分3R>
ジョシアニ・ヌネス(ブラジル)
タジャケリニ・カバウカンチ(ポルトガル)

<フェザー級/5分3R>
ジギマンタス・ラマスカ(リトアニア)
ネイサン・フレッチャー(英国)

<女子フライ級/5分3R>
ワン・ソン(中国)
ヴィクトリア・レオナード(米国)

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【RIZIN48】新井×ズールー、元谷×太田、牛久×将光、金太郎×秋元、ダウトベック×木下、矢地×宇佐美が決定

21日(水)都内にて、9月29日にさいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN48の追加対戦カードが発表された。
Text by Takumi Nakamura

超RIZIN3で発表されていたライト級選手権試合=ホベルト・サトシ・ソウザ×ルイス・グスタボ、バンタム級王座決定戦=井上直樹×キム・スーチョル、伊澤星花×浅倉カンナ、萩原京平×高木凌に続いて、以下の6カードが追加された。

フライ級:新井丈×エンカジムーロ・ズールー
バンタム級:元谷友貴×太田忍
バンタム級:牛久絢太郎×佐藤将光
バンタム級:金太郎×秋元強真
フェザー級:カルシャガ・ダウトベック×木下カラテ
ライト級:矢地祐介×宇佐美正パトリック


今大会でRIZINに初参戦するのがエンカジムーロ・ズールーと秋元強真だ。南アフリカ出身のズールーは地元EFCでフライ級王座に就いたあと、2016年に同国出身選手として初めてTUF(シーズン24)に出場し、ここではトーナメント一回戦で扇久保博正に一本負けを喫している。現在はEFCでフライ級・バンタム級の2階級でタイトルを保持し、RIZIN初参戦を果たすことになる。

また先日のUFC305でイスラエス・アデサニャに一本勝ちして、王座防衛を果たしたUFCミドル級王者ドリキュス・デュプレッシーとは同門で、今回の試合にもデュプレッシーが帯同するという情報もあり、現役のUFC王者がコーナーマンとしてRIZINのリングに立つというのも興味深い。

もう一つのRIZIN初参戦ファイター=秋元はパラエストラ柏(現THE BLACKBELT JAPAN)所属として2022年6月にGladiatorでプロデビューし、その後はDEEPに参戦。今年3月にJAPAN TOP TEAMに移籍し、その初戦となったABEMA「格闘代理戦争 THEMAX」でアラン“ヒロ”ヤマニハにTKO勝利し、プロ戦績を5戦5勝(3KO・1S)とした注目の18歳だ。各選手のコメントは以下の通り。

エンカジムーロ・ズールー(コメント代読)
「世界中の格闘技ファンのみんな、俺は日本のRIZINで試合をする事になった。対戦相手はとてもタフな相手だが、俺はいつも通りベストを尽くし、観客が喜ぶような試合をするだけさ。遊びに行くわけではない。アライをフィニッシュしに行く。会場で会おうぜ。チャオ」

新井丈
「昨年大晦日のRIZINでたくさんのものを失って9カ月。自分の穴を埋めるべくたくさん準備してきました。テーマはジョー・イズ・バック。また強い新井丈を見せて、観客のみなさんの心を振るわせる試合をするつもりです。チャオ」

カルシャガ・ダウトベック(コメント代読)
「9月29日に再びRIZINに戻る事になった。ボスには超RIZIN3に出場してもらいたいと言われたが良い対戦相手がいないという事で9月になった。RIZINは世界中の中でもビッグな団体だと思う。試合内容も良いし演出も最高だ。スタッフは皆プロフェッショナルだしファンも世界一だ。次の対戦相手は打撃レベルの高い選手だ。空手ベースでKOできる質の高い日本人選手だ。9月29日にはみんなに素晴らしいショーをお見せしたい。RIZIN48で私の試合を見逃さないで欲しい。間違いなく素晴らしい大会になるのでぜひ会場まで見に来てもらいたい。さいたまスーパーアリーナで会おう」

木下カラテ
「押忍。ダウトベック選手、すごく強い選手ですけど、しっかり空手をして倒せるようにやっていきたいです。よろしくお願いします。押忍」

宇佐美正パトリック(コメント代読)
「矢地選手との対戦が決まり、とても興奮しています。自分の力を証明する時が来たと感じています。全力を尽くして、最高のパフォーマンスをお見せします」

矢地祐介
「宇佐美選手とは過去に試合が決まりかえたことがあったんですけど、色々と事情があって流れてしまいました。それがこうやって決まるということは、彼とは縁があるのかなと思います。前回(宇佐美は)徳留一樹選手にいい勝ち方をしていますし、若くて強い、これからの選手だと思います。そういう選手と戦えるのはうれしいことなので、しっかりMMAで上回って決着をつけたいと思います」

牛久絢太郎(コメント代読)
「発表でもありました通り、9月29日に試合が決まりました。佐藤選手は強い選手ですが、僕の全てをぶつけて勝ちます」

佐藤将光
「初めてのナンバーシリーズで、初めてのさいたまで試合をするので、気合い入れてやっていきます。判定が続いているので、しっかり殺しがあるところを試合で見せたいと思います」

元谷友貴(コメント代読)
「太田選手とリマッチということですが、今の太田選手は僕が以前対戦したときよりも強くなっているだろうし、勢いもすごいと思います。僕はこの試合に対して、しっかり仕上げて、前回は判定勝ちだったのですが今回ははっきり決着させたいなと思います。少しでも成長した元谷を見せたいと思います。いい試合しましょう」

太田忍
「まず元谷選手、再戦・リベンジマッチを受けてくれてありがとうございます。リベンジマッチは簡単にできるわけじゃないと思っていましたし、ここまで辿り着いた自信もあります。この試合をクリアすることでタイトルマッチ、ずっと公言してきた2024年内のタイトルが現実的になってくると思うので、しっかりフィニッシュしてタイトルにつなげたいと思います」

秋元強真
「自分は金太郎選手とやりたくて、そういう声も多かったので試合が決まって気合いが入っています。ただ実力的には相手にならないと思っているので期待していてください」

金太郎
「前回の試合が終わってアメリカに戻ってATT所属になって、アメリカでしっかり準備してきました。むちゃくちゃ強くなっているので期待してください。(秋元の)試合したいというのを聞いて、しっかり後悔させてやろうと思います」

また会見には試合が発表されている8選手も出席し、試合に向けた意気込みを語った。

高木凌
「いい感じで練習できています。1分くらいで終わらせます」

萩原京平
「試合前から変な絡み方をされて、リスペクトがないやつだと思って、ムカついています。格の違いを見せて倒そうと思います」

浅倉カンナ
「改めて引退試合を組んでもらえたことをうれしく思います。自分の集大成として、今の自分が持っているすべての力をぶつけたいと思います。記念試合とは思っていないです。後悔ない試合をしたいと思います。

伊澤星花
「カンナちゃんの引退試合なので、カンナちゃんの試合のなかで最高の試合をして、しっかり自分が極めて勝ちたいと思います」

キム・スーチョル
「お久しぶりです。地獄から来たキム・スーチョルです。命を懸けて準備しているので、井上選手も覚悟して準備してきてください」

井上直樹
「タイトルマッチを組んでいただき、ありがとうございます。タイトルマッチなので誇りを持って、気合いでも勝ちに行きます」

ルイス・グスタボ
「今までやってきた練習がどれだけ辛かったかは自分だけが知っている。前回の試合も2Rに激しく戦って骨折もした。素晴らしい試合をしてブラジルにベルトを持って帰りたい」

ホベルト・サトシ・ソウザ
「グスタボがどれだけ相応しいかを知っている。すごくいい試合になると思います。このベルトを絶対に守ります」

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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC305 イスラエス・アデサニャ キック ドリキュス・デュプレッシー ライカ

【UFC305】アデサニャのボディ攻撃に耐えたデュプレッシーが、右連打から逆転のRNCで世界王座防衛

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
ドリキュス・デュプレッシー(南アフリカ)
Def.4R3分38秒 by RNC
イスラエス・アデサニャ(ニュージーランド)

左手を前に出しながらアデサニャが前に出た。サウスポーにスイッチしたアデサニャに対し、デュプレッシーが左カーフを蹴る。左右のカーフを狙いながら、デュプレッシーが左フックで飛び込むも届かず。アデサニャは左インローを打ち込み、下がって距離をつくる。アデサニャの左ミドルがヒット。デュプレッシーの左ミドルに右を合わせた。ジワリジワリとデュプレッシーを詰めていくアデサニャ。デュプレッシーもスイッチしながら左ミドルを打ち込む。

左ハイをブロックされたデュプレッシーはダブルレッグで組みつくも、切られてしまう。しかし強引に距離を詰めたデュプレッシーのパンチが、アデサニャの顔面をかすめた。アデサニャは右ストレートから左フックを返す。右を打ち込んだデュプレッシーがアデサニャを下がらせ、右カーフで追撃する。デュプレッシーの右とアデサニャの左が相打ちに。アデサニャは右ボディを突き刺した。

2R、アデサニャがサウスポーで距離を詰める。オーソドックスで右カーフを当てたアデサニャに対し、デュプレッシーもガードを固めて距離を詰める。デュプレッシーがダブルレッグでテイクダウンを奪い、立ち上がるアデサニャのバックに回った。ケージ際で組み潰し、バックマウントからパンチを浴びせるデュプレッシー。アデサニャの体を伸ばしてRNCを狙うが、凌いだアデサニャがスタンドに戻した。アデサニャは前蹴りを効かせ、さらに右ストレートを打ち込む。

動きが落ちたデュプレッシーはアデサニャの足を取ってグラウンドに持ち込む。バックに回ったデュプレッシーは、立ち上がったアデサニャの顔面にヒザ蹴りを突き刺したあと、ダブルレッグ→シングレッグに切り替えてヒザを着かせた。バックコントロールに入ったデュプレッシーが、後ろからパンチを突き上げる。正対したアデサニャが内股で投げるも踏ん張ったデュプレッシーが、シングルレッグでケージに押し込み続けた。

3R、ガードを固めるデュプレッシーが下がりながら左関節蹴りを繰り出す。アデサニャはデュプレッシーにショートのパンチを打ち込んで中に入らせない。右ボディストレートから左ボディアッパーに繋げるアデサニャ。ケージ中央で左ハイも見せる。右カーフキックを蹴り、距離をつくってからボディを狙うアデサニャ。右前蹴り、左ボディとボディ狙いのアデサニャに対し、デュプレッシーはガードを固めて左右フックを振るう。しかしアデサニャの右スピニングバックエルボーも頭部をかすめた。

左右フックで前に出るデュプレッシーだが、パンチはブロックとスウェーでかわされる。疲労が見られるデュプレッシーはシングルレッグを切られた。それでもパンチを受けたアデサニャもバランスを崩す。両者がスタミナを失ったタフファイトに突入するなか、アデサニャはボディ攻撃へ。デュプレッシーも打ち返すが、アデサニャが距離を取って凌いだ。

4R、アデサニャが左ジャブを突く。ガードを固めて距離を詰めるデュプレッシーが、ボディを受けながらダブルレッグで飛び込んだ。これをスプロールしたアデサニャはスタンドを要求する。レフェリーがデュプレッシーを立たせると、スタミナ切れが見える。アデサニャは回復したか、左ミドルを突き刺し、ジャブで距離を取って右を浴びせる。

デュプレッシーも肩で息をしながら前に出ていく。アデサニャは左ジャブでコントロールし、前に出て来るデュプレッシーに右を合わせる。下がるところにデュプレッシーの右を受けてバランスを崩したアデサニャ。背中を見せて下がるアデサニャを追いたて、右の連打からバックについたデュプレッシーが、すぐさまバックマウントに移行しパームトゥパームでRNCを極めた。

逆転勝利で世界王座の初防衛に成功したデュプレッシーは、試合後のインタビューで「最高のストライカーと戦うには、テイクダウンが絶対に必要だった。でも、彼のことは誰もテイクダウンできなかった。そのために立って戦わないといけなかった。パースの会場の雰囲気は、過去最高だった。打撃とテイクダウンを融合して戦った。結果、取れると思っていた。スタンドでは大変だったけど、落ち着いて戦うことに専念した。倒せば、こっちのモノだと思ったけど立ちあがられた。だからスタンドで戦う時間が長くなったけど、そういう想いがあったから勝てた」と語った。

敗れたアデサニャは「正直、タフな戦いになることは分かっていた。だから、この展開に驚くことはなかった。でもグラウンドでバカげたミスをしてしまった。そしてゲイブルグリップを組まれた。過去最高の仕上がりだったけど、皆をガッカリさせてしまい残念だ。彼の方が今夜は強かった。リスペクトしている。みな、僕がUFCでやってきたことを認めてくれていると思う。でも35歳だ。正しい選択必要だ。みな、俺がやられるところを見たくないだろう」と言ってから「アイム・ノット・〇ァッキン・リービング(引退なんかするか)」と2度、繰り返した。


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45 MMA Preview UFC UFC305 イスラエル・アデサニャ ドリキュス・デュプレッシー ブログ

【UFC305】展望  禁断の人種問題に発展?! 世界ミドル級選手権試合=デュプレッシー×アデサニャ

【写真】どういうつもりで両者が人種問題に発展しそうな発言をしたのかは不明だが、こういう問題は当事者と同じ国籍&人種の間で論議が交わされれば良いかと(C)Zuffa/UFC

18日(日・現地時間)、豪州のパースにあるRACアリーナにて、UFC305「Du Plessis vs Adesanya」が行われる。カイ・カラフランス×スティーブ・アーセグという注目のフライ級上位ランカー対戦コメインとするこの大会のメインは、初防衛を目指す新王者のドリキュス・デュプレッシーに、3度目の戴冠を狙うイスラエル・アデサニャが挑むミドル級タイトルマッチだ。
Text by Isamu Horiuchi

デュプレッシーは、アフリカ最大のMMA団体EFCやポーランドのKSWでの戴冠を経て、2020年10月よりUFCに参戦した。ダレン・ティル、デレック・ブルンソン、ロバート・ウィテカーといった強豪たちを連覇し、オクタゴン5戦無敗の戦績をもって今年1月に王者ショーン・ストリックランドに挑戦。判定3-0で快勝し、南アフリカ共和国初のUFC王座に輝いた。

対するアデサニャは、この階級のレジェンドと言うべき存在。2022年12月、キックボクシング時代からの天敵アレックス・ポアタン・ペレイラに5R逆転KOで敗れてミドル級王座から陥落したものの、昨年4月にリベンジ戦を挑み、2Rに劇的なKO勝利を挙げて二度目の戴冠を果たした。

その半年後の10月、伏兵ストリックランドの右ストレートで1Rにまさかのダウンを奪われると、そのまま挽回できずに判定負け。UFC史上に残る大アップセットをもって再び王座を失ったのだった。以来、今回は約1年ぶりの復帰戦だ。


打撃とテイクダウンの両方を使いこなす総合格闘家が、いかにプレッシャーをかけてストライカーの間合いを潰してゆくか

UFC無敗にして飛ぶ鳥を落とす勢いの新王者と、休養を経て三度目の戴冠を目指す元絶対王者によるファン垂涎のこの頂上決戦。下馬評はアデサニャ有利と出ているが、その差はごく僅かだ。それどころか、両者の直近の戦いぶりから判断するならばデュプレッシー有利という見方も十分成立する。

前戦においてアデサニャは、多少の被弾を気にせず前に出てくるストリックランドの戦法に大苦戦。常に下がりながらの戦いを強いられた上で、距離を詰められ打撃の間合いを潰されてまさかの敗戦を喫した。一方、その三ヶ月後にそのストリックランドと戦ったデュプレッシーは、前戦同様に前に出るストリックランドにスタンドで全く圧力負けすることがなかった。むしろ要所でテイクダウンも交えて優位に試合を進めたデュプレッシーは、打撃でもストリックランドを下がらせる場面まで作って完勝を収めたのだった。

つまり、卓越した精度を誇るストライカー・アデサニャ攻略においてもっとも有効と思われる戦い方=距離を詰めて打撃の間合いを潰すことを見事にやってのけたストリックランドを、まさにその戦い方で打ち破ったのがデュプレッシーというわけだ。

圧倒的な身体の力と底知れぬスタミナ、要所で絶対に退かない心の強さ、不恰好ながらも多彩にして強力な打撃、そしてレスリング&柔道の経験を活かした高いテイクダウン力とスクランブル力を持ち合わせた新王者は、アデサニャが一番やられたくない戦い方において誰よりも優れているのだ。

そしてこの戦い方は、先月のUFC304にて絶対不利と思われた挑戦者ベラル・モハメッドが、ウェルター級王者レオン・エドワーズの打撃の間合いを潰し続けて世界を驚かせたのと同種のものでもある。その半日後に我が国で行われた超RIZIN3において、久保優太相手に敗戦を喫した斎藤裕が実践することができなかった戦い方とも言える。

打撃とテイクダウンの両方を使いこなす総合格闘家が、いかにプレッシャーをかけてストライカーの間合いを潰してゆくか。逆にストライカー側は、フットワークや打撃をいかに駆使して相手の圧力を無効化するのか。現代MMAの攻防における最も重要な鍵の一つであるこの凌ぎ合いが、世界のどこよりも高いレベルで堪能できるのが、デュプレッシー×アデサニャ戦といえよう。

アデサニャにとってはこれが、格闘技キャリア最長の一年近くの休養を経ての復帰戦となる。「敗戦後に現実を受け入れ、自分を見つめ直し、生活の仕方から練習まで全てを変えた。生まれて初めてアスリートとしてトレーニングをしたよ」と語るレジェンドが、相性的にも最大の難敵と思われる新王者の驚異の圧力にどう対処してゆくのか、興味は尽きない。

この試合で証明されるのは「どちらが真のアフリカ人か」ではなく「どちらが真の世界最強のミドル級MMAファイターか」だ。

さて、かくも意義深く興味深いこの頂上決戦には、21世紀のグローバルスポーツMMAならではの因縁もつけ加わっている。

それが表面化したのは、昨年7月、デュプレッシーが元王者のウィテカーを2RTKOで仕留めてナンバーワンコンテンダーの座を勝ち取った時のことだ。勝利者インタビューを受けるデュプレッシーと対面した当時の王者アデサニャは、最初は静かな口調で「まあ落ち着こうか。ここにいるのは俺のアフリカン・ブラザーだ」と言った後、突然テンションを全開にし

「やるぞnigxxr!どうしたbxxch! そうだnigxxr! どうすんだnigxxr! 」と、(白人のデュプレッシーに対して)黒人に対する最大の侮辱表現を繰り返しまくし立て出したのだ。

デュプレッシーが「俺はアフリカ人だけど、あんたのブラザーじゃないな! あんたは(現在在住の)ニュージーランドのみんなにはなんて言うつもりなんだい?」と返すも、聞く耳を持たない様子のアデサニャは「俺はDNA検査を受けるまでもなく、自分の出自を知ってるぜ! 受ければ俺はナイジェリア出身だと出るんだ。お前も受けてみろや! お前の出自が分かるだろうよ! 俺がお前の出自を暴いてやるぜ!」と畳みかけ、その後もデュプレッシーの発言を遮っては喚き散らしたのだった。

当時の絶対王者によるこの過激すぎる挑発の背景にあるのは、デュプレッシーが常々口にしていた「自分が本物のアフリカ人(リアル・アフリカン)初のUFC王者に」という宣言だ。1RKOで見事なUFCデビューを果たした直後のインタビュー時にてすでにこの目標を口にしたデュプレッシーは、続けて「アフリカで生まれ、育ち、練習するというね」と説明を加えている。

実際、その前年にUFC王者に就いたアフリカ系のアデサニャとカマル・ウスマンの二人は、ともにナイジェリア出身だが現在は他国に在住している。2021年にUFCヘビー級王座に就いたカメルーン出身のフランシス・ガヌーも仏在住。確かにデュプレッシー以前、UFCには「アフリカ在住のアフリカ人王者」は存在していない。

デュプレッシーとしてはアフリカ大陸に拠点を置き、練習を行っていることに順天を置いた発言だったかもしれないが、迂闊だったと捉えることもできる。

10歳の頃に家族でニュージーランドに移住したアデサニャは、自身のアイデンティティの大きな部分をアフリカに見出しており、その胸にはアフリカ大陸をデザインしたタトゥーを抱いている。そんな自分(そしてウスマンとガヌー)のことを、あたかも「本物のアフリカ人」ではないと決めつけるかの如きデュプレッシーの言葉に、アデサニャが気分を害するのは無理もないことだろう。

先日もアデサニャはこの件について「奴の言葉は冒涜そのものだ。カマル、フランシス、俺の三人に対するな。自分の道を切り拓いた先人たちへの礼儀を知れ」と語っている。

さらに、自らを「リアル・アフリカン」と名乗るデュプレッシーが──南アフリカ共和国にてアパルトヘイト政策のもと長いこと黒人を虐げてきた──ヨーロッパ系白人の子孫であることも、アデサニャの暴言を助長したことは否めない。

デュプレッシーに彼が普段決して浴びることのないアフリカ系黒人への侮蔑表現をぶつけ、DNA検査を受けろと挑発したアデサニャの言葉の裏にあるのは「お前は本当に、俺たちを差し置いてリアル・アフリカンを名乗る資格があると思っているのか?」という問いかけだと考えていいだろう。

このようにこの試合の背景には、見方によってはセンシティブな人種とアイデンティティの問題が横たわっている。しかし、それはあくまで観客の興味を惹きつけるための「アングル」に過ぎない。他ならぬ対戦する両雄はともに、この試合の本質はオクタゴンの中のファイトにのみ存在すると語っている。

デュプレッシーはこの件に触れて「こっちは自分の目標を掲げただけ。向こうがどう受け取ろうがどうでもいい。個人的にアデサニャのことは好きではないけど、それも究極どうでもいいことだ。この試合で重要なのは、自分が世界最強であることを証明すること、それだけだ」と話している。

そして散々煽ってみせたアデサニャも、試合が近づくにつれて「別に奴に個人的な恨みなどないんだ。試合する、それが全てさ。3度目のタイトルを獲れたら確かにスペシャルだけど、自分のメインフォーカスはそこにはないよ。南アフリカが輩出した最高のファイター、ドリキュス・デュプレッシーの首を刈ることに意味がある。試合前の記者会見とかメディア対応とか、一応やるけど全て馬鹿げたことだと思っている。他人ではなく、ただ自分自身とチームのために戦うだけだ」と静かに語っている。

「史上初のアフリカ人同士のUFCタイトル戦」とも宣伝されるこの試合で証明されるのは、「どちらが真のアフリカ人か」ではなく「どちらが真の世界最強のミドル級MMAファイターか」だ。

■視聴方法(予定)
8月18日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
午前7時~U-NEXT

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45 MMA Report UFC UFC297 ショーン・ストリックランド ドリキュス・デュプレッシー ブログ

【UFC297】南アフリカ初のUFC王者誕生!デュプレッシーがストリックランドをスプリット判定で下す

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[挑戦者] ドリキュス・デュプレッシー(南アフリカ)
Def.2-1:48-47,47-48,48-47
[王者]ショーン・ストリックランド(米国)

ストリックランドがジャブと前蹴り、デュプレッシーは左ミドルを蹴り返す。ストリックランドはコツコツとジャブを突き、デュプレッシーは構えをスイッチしつつ、右フックからパンチをまとめ、右カーフを蹴る。ストリックランドはペースを崩さずにジャブ。デュプレッシーも左ミドルと右カーフを蹴り、右フックをかぶせるが当たらない。

残り1分30秒、デュプレッシーはダブルレッグでストリックランドに尻餅をつかせるが、ストリックランドは立つ。デュプレッシーはバックをとりかけると、ここは自ら距離を取る。デュプレッシーが右フックを振ると、ストリックランドも左フックを打ち返す。デュプレッシーは右カーフ、ストリックランドはジャブから右ストレートを合わせる。

2Rもストリックランドのジャブ×デュプレッシーの右カーフという展開が続く。デュプレッシーは構えをスイッチしながら左右のフックを放ち、スピニングバックフィストも狙う。ストリックランドはジャブ・左フックを当て続け、デュプレッシーのパンチをバックステップでかわす。

ストリックランドはジャブを当て、デュプレッシーが入ってくるところに右ストレートを打ち下ろす。デュプレッシーも右から飛び込んで返しの左フック。これがストリックランドの鼻先をかすめる。さらにデュプレッシーはシングルレッグでテイクダウン。ストリックランドはスイッチして立ち上がる。最後はスタンドの攻防で終わった。

3R、デュプレッシーはサウスポーにスイッチして左ハイキック。構えのスイッチも使って大振りのパンチと右カーフで前に出ていく。逆にストリックランドは構えを崩さずにジャブを打ち続ける。

デュプレッシーはサウスポーから左ミドルと右フック、スピニングバックフィスト、スピニングバックキックと攻撃のパターンを増やす。このラウンドもストリックランドはほぼジャブと右ストレートのみで試合を続けた。

4R、ストリックランドがジャブとワンツー。デュプレッシーがパンチで前に出ると、ストリックランドは下がりながら右ストレートを返す。デュプレッシーがシングルレッグに入るが、ここはテイクダウンには至らない。ここでストリックランドが左目尻をカットして流血する。

試合がスタンドに戻るとストリックランドはジャブだけでなく右フックも打ち込んで前に出る。ストリックランドもデュプレッシーのパンチに合わせて組むが、テイクダウンするのはデュプレッシー。ストリックランドが背中を見せて立ち上がった。

距離が離れるとストリックランドの流血が目立つ。デュプレッシーがワンツーと左ハイ。ダブルレッグでテイクダウンすると、ストリックランドが背中を見せて立つ。デュプレッシーは後方への投げも狙うが、ストリックランドが立ち上がる。デュプレッシーはスピニングバックキックと右ロー、ストリックランドはジャブから右フックにつなげる。

5R、デュプレッシーがジャブ・左フックから右ミドル。ストリックランドがジャブからパンチをまとめる。デュプレッシーは右ハイやシングルレッグも繰り出す。ストリックランドは大振りの右フックを打つがクリーンヒットはない。デュプレッシーもジャブから右フック、シングルレッグに入るがストリックランドは倒れない。

ストリックランドは右ストレートと右フック、デュプレッシーも右フックを返す。ジャブの差し合いが続くなか、デュプレッシーは左右のミドルとパンチで突進。ストリックランドも右フックを連打し、返しの左フック。最後はストリックランドの前進の印象が良かったか。終了のホーンが鳴ると両者ともに手を上げて勝利をアピールした。判定は2-1と割れてデュプレッシーの勝利。南アフリカ初のUFC王者誕生となった。


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MMA MMAPLANET o UFC UFC293   アブス・マゴメドフ アレキサンダー・ヴォルコフ アントン・トゥルキャリ イスラエル・アデサニャ オースティン・レーン カーロス・アルバーグ キック ショーン・ストリックランド ジェイミー・マラーキー ジャスティン・タファ ジャック・ジェンキンス ジャレッド・キャノニア タイソン・ペドロ タイ・ツイバサ チョン・ダウン ドリキュス・デュプレッシー ナスラ・ハクパレス ナソーディン・イマボフ フィリッピ・ドスサントス ブラッド・ダイアモンド ボクシング マネル・ケイプ ヤン・ブラホヴィッチ ロバート・ウィティカー

【UFC293】有言実行……いや嘘から出た実はなるか?!=アデサニャ✖ストリックランド戦展望「奇跡は?」

【写真】ジャブでミドル級無双のアデサニャをストリックランドは攻略できるのか(C)Zuffa/UFC

10日(日・現地時間)、豪州のシドニーにあるクドス・バンク・アリーナにて、UFC 293「Adesanya vs Strickland」が行われる。2017年11月以来、実に約6年ぶりにこの地での開催となる今大会のメインイベントは、王者イスラエル・アデサニャにショーン・ストリックランドが挑むミドル級タイトルマッチだ。
Text by Isamu Horiuchi

アデサニャは2019年6月にロバート・ウィティカーを破って正規王者に。当時のライトヘビー級王者ヤン・ブラホヴィッチに挑んでの二階級王者奪取こそ失敗したものの──実に5度の連続防衛に成功した。昨年12月にはキックボクシング時代からの天敵アレックス・ペレイラに5R逆転TKO負けを喫して王座陥落したが、今年の4月に再戦。

2Rに劇的なKO勝利を挙げてリベンジに成功した。ペレイラが階級を上げた今、ミドル級では頭二つほど抜けた存在だ。


ランキング5位のストリックランドと、チャンピオンの因縁は、昨年7月のUFC 276の試合前記者会見から始まっていた。同大会のメインでジャレッド・キャノニアの挑戦を受けるアデサニャと、アレックス・ペレイラとの対戦を控えたストリックランドは、お互いの対戦相手そっちのけで口論を交わしたのだ。

もちろん先制攻撃を仕掛けたのは、数秒に1回は放送禁止用語を口にするのが通常運転のストリックランドの方だ。アニメ好きで有名なアデサニャに対して「おい、Pornhub(世界最大のアダルトサイト)のお前のページはアニメばっかなんだよな! アニメでbeat off(自慰行為)している奴が、俺をbeat(ぶちのめす)することができるわけねーぜ!」と下品だが上手いことを言って挑発。

すると、王者も負けじと「もしお前が(ペレイラに)勝ったら、次に俺がお前と戦い、KOしてやる。そしてお前の墓の上でTikTokダンスを踊ってやるよ」と言い返す。

するとストリックランドはいかにも嬉しそうに──「ハ! 聞いたか? 大の大人がTikTokだってよ! こういうのがヤベーんだよ。こんな野郎がチャンピオンなんだぜ!」とさらに煽る。

その後も言い合いは続き──。

ストリックランド まあ、イジーはいい奴だぜ! 俺はポルノアニメ中毒の男をダメ野郎だと見下したりしねえんだ!

アデサニャ そのジャンルはHentaiって言うんだ。そのくらい知っとけや!

ストリックランド なるほど、Hentaiか。俺は大人だからそんなもん見ねーよ!

アデサニャ とにかくお前は、(ストリックランドの対戦相手のペレイラを指して)この男に集中したほうがいいぞ。マジだ。こいつはお前をあっという間に眠らせちまうからな。

などと──誰が得するのか分からない方向に話は展開し、アデサニャの警告通りストリックランドはペレイラに1RKO負けを喫し、続くジャレッド・キャノニアは1-2で競り負け、ランカー上位の壁に跳ね返された。

その後、今年1月にランキング12位のナソーディン・イマボフ戦(ライトヘビー級契約)に競り勝つと、7月にはノーランカーのアブス・マゴメドフを2RKOに下して現在2連勝中とはいえ、本来ならば挑戦権を得られるような実績ではない。

実際、現在アデサニャの挑戦者に最も相応しいとされているのは、7月にウィティカーを倒した南アフリカのドリキュス・デュプレッシーだ。が、デュプレッシーはその試合で負傷。当初よりシドニー大会への出場を熱望していたアデサニャ──10歳の頃に故郷のナイジェリアからニュージーランドに移住している王者にとって、同じオセアニアのシドニーは地元同然だ──の挑戦者が見当たらなくなってしまったのだ。

そこで今回白羽の矢が立てられたのが、ランキング6位までの選手中、デュプレッシー以外で唯一アデサニャとの対戦経験のないストリックランドというわけだ。

実績も地位も大きく差のある両者だけに、下馬評では王者が圧倒的有利だ。両者の主武器であるスタンド打撃を比較しても、王者有利説は揺らがない。まず武器の数が違う。アデサニャは自在にスイッチして左右の多彩な蹴りとパンチを使いこなすが、常にオーソのストリックランドの打撃は、前蹴り以外はほぼパンチのみ。もし遠い間合いで戦えば、アデサニャの蹴りで翻弄されローでダメージを蓄積される可能性が高いので、ストリックランドとしては得意のジャブを多用しながら前に出るしか勝機はないだろう。

しかし、打撃一発一発の精度と鋭さ、反応速度やスピードも目に見えて王者が上だ。抜群の距離感と巧みな足捌きを持つアデサニャが、前に出たいストリックランド相手に自分の間合いを保ちつつ、カウンターを面白いように当てる展開が容易に想像できる。

だが──それでもストリックランドには、大番狂わせを期待させる何かがある。幼少時代「とんでもねえ人種差別主義者の祖父とアル中で虐待癖のある父親」に育てられ、自分の性格も大きく歪んでしまった語るストリックランド。

内面の怒りを抑えきれずにハイスクールをドロップアウトされた後、MMAジムで練習を初体験したとき「人生で初めて幸せを感じた」と語る。

それ以来MMAに生活の全てを注ぎ、現在まで周囲が引くほどのハードなスパーリングを毎日重ねてきた。排外主義的、性差別的な発言で物議を醸すことも多く「MMAがなければ、俺は間違いなく今監獄にいるよ」と語るストリックランド(過去の犯罪歴もあり、今回豪州入りのためのビザ取得にも苦労があったようだ)には、MMAこそ社会で生きる唯一の術だ。

数限りないスパーを通して独自のスタイルを練り上げたストリックランドは、やや不格好だがよく伸びるジャブを持つ。さらに自己流L字ガード的な体捌きで、打撃を完全に避けきれなくても威力を逃す術にも長けている。

多少打たれても意に介さず前に出続ける闘志と、それを5R続けるスタミナも間違いなく持っている。遠距離では決して王者に当たらないであろうパンチも、距離を詰めることができれば話は別だ。前回のマゴメドフ戦では、一度ケージ側に詰めたら倒し切るまで延々と連打を放ち続けてみせた。組技のフィジカルに関しては王者を上回っており、ボディロックからのテイクダウンもあり、上をキープしパウンドで削るスキルも持っている。

技術的洗練を極めた王者の打撃を、戦う以外は社会に居場所のない挑戦者が、不格好かつ愚直にプレッシャーをかけ続け、最後には呑みこんでしまう奇跡は訪れるのだろうか。

■視聴方法(予定)
9月10日(日・日本時間)
午前7時30分~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前7時00分~U-NEXT


■ UFC293対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]イスラエル・アデサナニャ(ニュージーランド)
[挑戦者]ショーン・ストリックランド(米国)

<ヘビー級/5分3R>
タイ・ツイバサ(豪州)
アレキサンダー・ヴォルコフ(ロシア)

<フライ級/5分3R>
マネル・ケイプ(ポルトガル)
フィリッピ・ドスサントス(ブラジル)

<ヘビー級/5分3R>
ジャスティン・タファ(豪州)
オースティン・レーン(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
タイソン・ペドロ(豪州)
アントン・トゥルキャリ(スウェーデン)

<ライトヘビー級/5分3R>
カーロス・アルバーグ(ニュージーランド)
チョン・ダウン(韓国)

<フェザー級/5分3R>
ジャック・ジェンキンス(豪州)
チャペ・マリスカル(米国)

<ライト級/5分3R>
ジェイミー・マラーキー(豪州)
ジョン・マクデッシ(カナダ)

<ライト級/5分3R>
ナスラ・ハクパレス(ドイツ)
ランドン・キニョネス(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ブラッド・ダイアモンド(ニュージーランド)
チャーリー・ラドキー(米国)

<フェザー級/5分3R>
シェーン・ヤング(豪州)
ガブリエル・ミランダ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ケヴィン・ジュセ(フランス)
キーファー・クロスビー(米国)

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MMA MMAPLANET o UFC UFC290   ドリキュス・デュプレッシー

【UFC290】ウィティカーKOのデュプレッシーが挑戦者に。アデサニャはアフリカ対決も「DNA検査しろ!」

<ミドル級/5分5R>
ドリキュス・デュプレッシー(南アフリカ)
Def.2R2分23秒by TKO
ロバート・ウティカー(豪州)

サウスポーのデュプレッシーに対し、ウティカーが右の蹴りを見せる。ウィティカーのワンツー後に左ミドルを決めたデュプレッシーは前進にジャブ、右ストレート、さらに左ジャブを被弾する。左の蹴りにも左を当てるウィティカーの精度が高い。打撃でリードすると、ダブルレッグをテイクダウンを決めたウィティカーは、デュプレッシーのギロチンを許さず立ち上がる動きに合わせてスタンドに戻る。

デュプレッシーの右アッパーに右フックを決めたウィティカーは、右ミドルを入れる。直後に左ローから前に出てワンツーを届かせたデュプレッシーは、パンチ後に首相撲からヒザを突き上げる。殴られても前に出るデュプレッシーは、左の蹴りに右をカウンターでまたも受ける。それでも前に出るデュプレッシーは、組まれると頭を固めて、足車風の投げでトップに。ダース狙いからパンチに切り替えたデュプレッシーはパスを決めて、再びダースへ。さらにエルボーに転じて、ウィティカーを流血に追い込むとパウンドを続けた。

2R、ウィティカーが再びジャブから右という流れリード。デュプレッシーも左を当て返し、フックを被弾しても圧を掛ける。オーソからサウスポーに戻し左フックのデュプレッシー、ウィティカーは右ハイを狙う。と、右ストレートでダウンを奪ったデュプレッシーが、立ち上がったウィティカーの腹を抉り、顔面にパンチを集中させTKO勝ちを決めた。デュプレッシーが元チャンピオン越えを果たすと、観戦していたイズラエル・アデサニャが立ち上がって、鋭い視線を次期チャレンジャーに送る。

「正直に言うと、彼がダウンしたとき左フックが来ると思ってダックアンダーしていたんだ」と話すデュプレッシーを横目に、アデサニャがケージイン。胸を合わせてフェイスオフ状態になるや、チャンピオンは「リラックス、アフリカン・ブラザー。ワッツアップ、ビッチ! 俺にDNAテストは要らない。俺はナイジェリア生まれだ。お前はどうだ? DNAテストをして俺の前に見せてみろ」と挑発から激怒モードに。さらにマイクを向けられたデュプレッシーの言葉を遮り「イージーファイト。イージーマネーだ」と言い切った。


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【UFC290】「アフリカでUFCを開催できるのは南アだけ」。キャメロン・サーイマンに訊く南アのMMA事情

【写真】なんだか高校生と話しているような感じだったサーイマン。南アフリカのアピールが可愛らしかったです (C)MMAPLANET

8日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで開催されるUFC290「Volkanovski vs Rodriguez」で南アフリカの新鋭キャメロン・サーイマンがテレンス・ミッチェルとオクタゴン3連勝を掛けて戦う。

ミドル級トップのドリキュス・デュプレッシー、フライ級のJP・ベイスとアフリカ大陸の最南端からUFCに挑むサーイマンが、南アのMMA事情を説明し、今大会の試合とこれから──そしてUFC南アフリカ対決実現への強い想いを話してくれた。


──テレンス・ミッチェルとオクタゴン3戦目を週末に戦います。今の気持ちを教えてください。

「またラスベガスで戦えるということが、とても嬉しい。環境的にも完璧だし、全てがスムーズに行っているよ。インターナショナルファイトウィークで、南アフリカ人ファイターの力を示す機会を得られるなんて本当に光栄なことだよ」

──南アフリカからラスベガスは相当な長旅ではないですか。しかも季節すら正反対です。

「ホント、その通りだよ。30時間飛行機に乗って真夏の砂漠にやって来る。ベガスに合わせるのは、本当に大変だよ。だから2週間前に来て、着くと同時にトレーニングをしたんだ。3、4日すればもう大丈夫。100パーセントの体調を整えることができる」

──それにしても22歳の南アフリカの新鋭が、ここまで良いパフォーマンスをUFCで見せることができるなんて、昨年のコンテンダーシリーズ前まで思いもしていなかったです。

「僕がプロMMAファイターになったのは18歳の時だった。皆が『若すぎる』って言っていたよ。特に南アフリカでは10代のMMAファイターなんて、本当にいなくて。でも、じっくりとキャリアを積んでEFC Worldwideのバンタム級タイトルを獲った時は21歳で、最年少記録を創った。その結果、コンテンダーシリーズで戦う機会を得ることができたんだ。チームCITの皆にただ感謝している。CITの全コーチの存在なくして、今、僕はここにいることはできていないから。

手にすることができた機会で、常にベストの戦いをしようと心掛けていたら、UFCでも運よく勝ち続けることができた。土曜日の試合も今の状態を持続させたい。テレンス・ミッチェルをフィニッシュしたいと思う」

──キャメロンはアグレッシブかつスマートな打撃、それ以上に見事な組み技を披露しています。もともと、格闘技を始めたのはいつ頃だったのですか。

「12歳の時に家の近所にあった地元の小さなジムで、キックボクシングを始めた。学校が終わるとジムに直行して練習し、夜になると親が迎えに来るんだ。凄く楽しんで練習していたから、すぐに色々なことを学ぶことできた。

それが全ての始まりで、数カ月後にはキックだけでなくグラップリングの練習もするようになった。14歳の時にチームCITに移り、それからレスリングも習えるようになった。ただキックボクシングでは食っていくことはできないから16、17歳の時にMMAでやっていこうと決めたんだ」

──キックでは生活できなくてMMAへ。MMAでは生活できるということですか。

「そうだね。UFCとサインする前に戦っていたEFC Worldwideも凄く良いプロモーションだから。それは南アフリカだけでなく、他の国のMMAファイターにもいえることだろう。EFCで戦っていると、他の国で戦うチャンスを手に出来る。ボカン・マスンヤネやルサンド・ビコに続き、僕とEFCバンタム級王座を賭けた戦ったシンディレ・マネンゲラも、確か今週末に日本で戦うよね。

そういう国外で戦う選手が南アフリカのファイター達の存在を世に知らしめてくれた。彼らは間違いなくワールドクラスのアスリートだから。遠征はいつだって大変だけど、外国で戦うことで違うカルチャーに触れることができる。だから日本に限らず、アジアの大会で僕の試合を組んで欲しいと願っているよ」

──試合経験よりも選手を成長させるものはないと言われるなかで、日本などは毎週のようにMMAの大会が行われていますが、南アフリカでは実戦経験の場が少ない。そのなかで、これだけEFCから世界レベルのイベントへとステップアップをする選手がいるのは、キャメロン的には何が要因だと考えられますか。

「まず南アフリカでは凄くスポーツ全般の人気が高いということがあると思う。MMAを始める前に何らかのスポーツを経験している。今ではバーサス・プロモーションが、ファイトナイトというアマチュアの大会を開くようになり、そこで力を見せた選手がプロ契約をしているんだ。プロとして戦う舞台もEFC以外にもFightStar FCも活動している。

人材発掘と人材育成の両方が強化され、イベントの数も増えた。南アフリカのMMAの未来は明るいよ」

──それこそ南アMMAの未来といえるキャメロンですが、対戦相手テレンス・ミッチェルの印象を教えてください。

「15勝2敗、強いファイターだよ。フィニッシュの多くがグラウンドだよね。前に戦ったスティーブン・コースローのように、まだ表に表れていない良いレコードの持ち主だ。絶対的な質の高いグラウンドの攻防を繰り広げることができるだろうけど、僕は打撃で戦ってボーナスを狙いたい。とにかく、どのような展開になろうが良い試合になって僕が2Rで勝つよ」

──2Rと断言する故は?

「初回はあまり飛ばさない。じっくり相手の動き出しのタイミングを見ている。前の試合では判定勝ちになってしまったけど、好きな勝ち方じゃい。2Rになると仕留めるために戦うからね」

──今大会、日本から平良達郎選手が出場します。彼は4戦目で初のPPVショー出場です。対してキャメロンは過去2試合どちらもPPV大会、Tモバイル・アリーナで戦っています。

「本当に凄く機会を与えてもらっている。UFCに僕がどれだけの力を持っているのか、分かってもらえる舞台だ。PPVのビッグイベントの一員として、これからもキャリアを重ねていきたい。そういえば、その日本人選手とコーチにPIで会ったよ。凄く良いヤツで、めちゃくちゃリラックスしていたね。体調も良さそうで、凄い試合をやってくれそうで楽しみなんだ」

──キャメロンのその言葉が、日本のファンは相当嬉しいはずです。ところでバンタム級は常に層が厚いです。ここからトップ10、トップ5を目指すために土曜日の試合ではどのような点をアピールしたいと思っていますか。

「まずは絶対的に豪快なフィニッシュをすること。スタンドだろうが、グラウンドだろうが試合を終らせる。どの局面でもフィニッシュできるけど、今回の試合ではKOしたいと思っている。テレンス・ミッチェルはとても考えて打撃を使っているファイターなんだけど、僕からすると穴だらけだ。

この試合で勝って年内に最低でももう1試合、できればトップ15のファイターと戦いたい。コンテンダーシリーズも含めると4連勝になり、通算戦績は9勝0敗になる。なら上の選手と戦っても良いはず。そういう機会をモノにして、来年にはタイトルに挑戦したいと考えている」

──キャメロンやチームメイトのドリキュス・デュプレッシー、JP・ベイズら南アフリカ人選手、そしてジンバブエやアフリカ大陸がルーツの選手が増えており、UFCにアフリカでのイベントを開いてほしいという気持ちはないですか。

「今、アフリカからは才能あるファイターが誕生している。アフリカン・ファイターがアフリカで戦える機会が訪れるなら、最高だよ。もしUFCがアフリカに来るなら、海外からの観光客を受け入れる状態にあり、治安も問題ないのは南アフリカだけだよ。まぁ他の国も問題ないけど、なかでも南アフリカは一番安全な国だからね」

──……。

「ドリキュスは世界タイトル挑戦が見えている。そうなればチャンピオンはアフリカ──ナイジェリア出身のイスラエル・アデサニャだ。アフリカ勢同士のタイトルマッチが、アフリカで実現すればこんなに素晴らしいことはない。そしてホスト・カントリーになれるのは南アフリカだけだよ」

──素晴らしい想いですが、日本人からすれば南アフリカが安全だとは口にできないです(苦笑)。サッカーやラグビーのワールドカップで、キャメロンの母国に行ったメディアから、安全だという話を聞かされたことは正直ありません(笑)。

「それは……ツーリストが訪れない場所は、最高の環境だとは言えないね(苦笑)。でも僕のホームタウン、プレトリアはヨハネスブルクよりずっと良い場所だよ。それに素晴らしいアリーナもあるし、郊外にいけばアニマル・クルーズだってできるからね。UFCを開催する資格はあるはずだ。もし、そういう機会が訪れれば街は十分に安全になってメディアを迎えて入れるよ」

──なるほど(笑)。ではUFC南アフリカ大会実現へ向けキャメロンがプレトリアの観光大使にならないといけないですね。

「そうだね、そして安心して世界中の人を受け入れる体制を創っておくよ(笑)。ほんと、まだまだ南アフリカのことは間違って伝わっていることが多いと思うから、しっかりと本当の南アフリカを世界の皆に知って欲しい」

■視聴方法(予定)
7月9日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
午前11時~PPV
午前7時30分~U-NEXT

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MMA MMAPLANET o UFC UFC285 デレック・ブルンゾン ドリキュス・デュプレッシー

【UFC285】スタミナ度外視の乱打戦は、デュプレッシーのパウンド連打でブルンゾン側がタオル投入し決着

<ミドル級/5分3R>
ドリキュス・デュプレッシー
Def.2R4分59秒 by TKO
デレック・ブルンゾン(米国)(南アフリカ)

サウスポーのブルンゾンに対し、デュプレッシーがガードを固めて距離を詰める。左右のローとハイを散らすデュプレッシーに対し、ブルンゾンが左ミドルをキャッチしてグラウンドに持ち込んだ。すぐさまサイドを奪ったブルンゾンはデュプレッシーの左腕を狙う。さらに右腕を差し上げたブルンゾンは、エビを打つデュプレッシーを抑え込み続ける。

左腕を枕にしたブルンゾンは、起き上がってシングルレッグで組みついてきたデュプレッシーをギロチンに捕える。しかし頭を抜いたデュプレッシーが、フルガードのブルンゾンに右ヒジを連打していく。ブルンゾンはデュプレッシーの体を浮かせ、左足を取って外ヒールを狙う。デュプレッシーがアンクルで切り返すと、ブルンゾンもアンクルを仕掛けていく。ここでアンクルにこだわったデュプレッシーに対し、ブルンゾンがトップからバックを狙いにいく。

立ち上がったデュプレッシーを、ブルンゾンがパンチで追い込んでいく。左ストレートをカウンターで当てると、デュプレッシーがグラついた。すかさず下がるデュプレッシーを追うブルンゾンが、そのままグラウンドに持ち込んでバックからRNCを仕掛ける。これは凌がれたが、トップからパンチを落とすブルンゾン。しかしデュプレッシーも立ち上がり、ケージに押し込みながらパンチを当てた。

2R、またもデュプレッシーが前に出る。左ローを連打するも、ブルンゾンに左ストレートを合わせられてしまう。構わず前に出るデュプレッシーのパンチがヒットするも、ここでデュプレッシーの動きが落ちた。ブルンゾンのパンチが連続でヒットし、デュプレッシーをケージ際まで追い込む。ブルンゾンは左ミドルから左の前蹴り。下がるデュプレッシーを追い立てるが、デュプレッシーも前に出てパンチと左ミドルを繰り出す。左フックでブルンゾンの動きを止めたデュプレッシーは、続けてパンチを顔面に集める。

互いにスタミナを使ったか、やや動きが落ちた中で打ち合う両者。デュプレッシーの左ストレート、右フックを食らったブルンゾンの体が揺れる。ブルンゾンはダブルレッグを仕掛けるが、テイクダウンを奪うことはできない。デュプレッシーは肩で息をしながらパンチを振るい、ワンツーを当ててケージ際へ追い込む。さらに右ボディブローを打ち込むと、ブルンゾンの動きが止まった。しかしブルンゾンも打ち返す。デュプレッシーは残り1分30分でダブルレッグを仕掛け、しりもちを着かせたがブルンゾンも立ち上がる。

残り1分は両者フラフラになりながらの打ち合いを展開し、疲れ倒れかマットに背中を着いたブルンゾンにパウンドを浴びせるデュプレッシーだが、当のデュプレッシーも完全に疲労が見えて手が少なくなる。ところがデュプレッシーの左パウンドをアゴにもらったブルンゾンが背中を見せると、ブルンゾンのセコンドがタオルを投入してデュプレッシーのTKO勝ちとなった。


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