【写真】これはまた凄まじい相手との対戦が決まった工藤だ(C)PFL
16日(木・現地時間)、4月14日(金・同)にネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター・アット・ヴァージンホテルズで開催されるPFL2023年レギュラーシーズン=キックオフ大会の追加カードと出場参加選手が発表され、工藤諒司が2021年シーズン優勝者モヴリッド・ハイブラエフと対戦することが明らかとなった。
2023年シーズンはフェザー級とライトヘビー級が開幕戦となり、2022年フェザー世界王者のブレンダン・ラウネーンがマルロン・モラエス、同ライトヘビー級世界王者ロブ・ウィルキンソンがチアゴ・マヘタ・サントスという両UFCベテランと戦うことが既にアナウンスされていた。
昨年ベスト4の工藤の継続参戦は決定事項だったが、レギュラーシーズンは2戦しか実施されないなかで、初戦がハイブラエフとのマッチアップとは如何に彼が世界の高みで戦っているのかの表れだ。
しかも前述したラウネーンモラエス、そして昨年の準優勝で工藤を準決勝で破ったバッバ・ジェンキンスがもう1人のベスト4=クリス・ウェードと対戦する一番に並び、工藤ハイブラエフはESPNで中継されるメインカードに組み込まれている。
重量級大好き米国にあって今大会のメインカードはライトヘビー級が2試合、フェザー級が3試合となっている。それだけ注目度の高い階級で、2度目のシーズン挑戦となる工藤。しかしハイブラエフは簡単な相手でない。どころか非常に厳しい相手といえる。
キャリア19勝0敗1分──ロシアは北コーカサス、ダゲスタン生まれの32歳。同地のファイターの多くに見られるフリースタイルレスリングから格闘技を始めたハイブラエフも、コンバットサンボに転身しMMAという路を選択した。
アブドゥルマナップ・ヌルマゴメドフの指導の下、キャリア11連勝でONEと契約し、現UFCファイターのエウベウチ・バーンズを破るも僅か1試合でアジアを去り、母国で1試合を挟むとPFL 2019年シーズンに臨んだ。
初戦でデイモン・ジャクソンをヒザ蹴りで10秒KOという衝撃的な北米デビューを果たしたハイブラエフだったが、続くアンドレ・ハリソン戦はドロー、シーズン準々決勝でダニエル・ピエダのフックで沈みシーズン制覇はならなかった(※後にピエダがテストで陽性となり結果はノーコンテストに)。
初めてキャリアの挫折を経験したハイブラエフだが、UAEWを経て2021年シーズンに挑むとランス・パーマー戦、ラウネーン戦、ウェード戦などをクリアしPFLの頂点に立つ。連覇が期待された2022年シーズンは負傷欠場となり、今回の工藤戦が1年半ぶりの実戦復帰だ。
いわば工藤は優勝候補筆頭と対戦するわけだが、ポジティブに考えるとここで勝てば2年連続プレーオフ進出に大きなアドバンテージを持つことになる。ばかりか、他の選手にとってもハイブラエフの敗北はシーズン制覇の道を幾分か優しくするものだ。
レスリング&コントロールに徹して来られると、正直分は相当に悪いだろう。ただし、ハイブラエフが打撃で攻めてくるなら今や工藤は左右の両方の拳でノックダウンを奪うことができる。つまりは、テイクダウンを如何に切るかが鍵となってくる。
そして、テイクダウンを許してもスクランブルに持ち込み、凌ぐ。ハイブラエフを動かして疲れさせる。フィニッシュ勝利にはボーナスという利点があるが、工藤は15分のフルファイトで10分間は我慢の展開──残りの5分でボーナス1Pが付随するフィニッシュ勝利を目指すぐらいの開き直った心理状態から準備を始め、徐々に勝機が増す戦術を確立させていって欲しい。
メインカードの3試合以外のフェザー級レギュラーシーン出場選手も注目だ。まず昨年工藤にKO負けしているアレハンドロ・フローレスと元KSWフェザー級王者ダニエル・トーレスがプレリミでマッチアップされている。
2021年1月トーレスは当時、欧州で最強非UFCファイターという評判だったサラディーヌ・パルナスを右フックの上腕がテンプルをかすめるパンチでKOし、ベルトを巻いている。
工藤という物差しがあるフローレスとの試合で、トーレスの力量を測ることができる一番といえる。また対戦相手は未定だが、今回のリリースでチョ・ソンビンのシーズン出場も明らかとなっている。
元UFCファイターで、2021年シーズン以来のPFL参戦が決定したジョ・ソンビンは1月22日のGladiator020で中川皓貴を2分12秒でKOし、フェザー級のベルトを巻いたばかりだ。
そのフェザー級を越えた──ウェルター級を思わせる体躯で、北米再チャレンジを決めたチョ・ソンビン。PFLのマッチメイク次第で工藤との対戦をあり得るだけに、彼の試合も見逃せないシーズン開幕戦となる。
The post 【PFL2023#01】PFL開幕戦で工藤諒司が19勝0敗1分のハイブラエフと対戦。グラジ王者チョ・ソンビンも出場 first appeared on MMAPLANET.