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【PFL2023#04】計量終了 充実のフェザー級。ライトヘビー級はドラッグテストで半数が出場停止の異常事態

【写真】両者の目力の強さが、最高です (C)PFL

23日(金・現地時間)にジョージア州アトランタのオーバータイム・エリート・アリーナで開催されるPFL2023#06の計量が、22日(木・同)に行われている。

ライトヘビー級に出場のタイ・フローレスが211.2ポンドとリミットを6ポンド以上オーバーしたが、ファイトマネーの20パーセントを没収され、スタンディングポイントから1P差し引かれてダン・スポーンと戦うこととなった。

勝利しても0Pで、さらにマイナス1Pという昨年までの規則と比較すると、減量失敗に対して大甘になったPFL。それ以上にライトヘビー級は、ドラッグテスト陽性の嵐という異常事態に見舞われている。


フェザー級ではアレハンドロ・フローレスとダニエル・トーレスがドラッグテストで陽性反応が出て出場停止となり、シーズン脱落したのに対し、ライトヘビー級はモハマド・ファフレディン、ロブ・ウィルキンソン、チアゴ・マヘタ・サントス、クリシュトフ・ヨッコ、ウィル・フルーリーとシーズン参加の半数が陽性となる目を覆いたくなる事態に。

結果、シーズン初戦で敗れたデラン・モンチがランク3位となっており、いわば一発勝負で初参戦選手にもプレーオフ進出の可能性が多いある状態だ。

一方、工藤諒司が逆転を賭けてクリス・ウェードと戦うフェザー級は、実績重視で考えるとブレンダン・ラウネーンとモヴィッド・ハイブラエフが2強としてプレーオフ進出濃厚と見られる。が、ヘスス・ピネドとタイラー・ダイヤモンドが番狂わせを起こせば、他の選手もボーナスで獲得できるポイントが生き残りに大きく影響を及ぼすことになる。

そんなレギュラーシーズンをさらなるカオスに持ち込む可能性を持つダイヤモンドは「ここで得られた機会を絶対に生かす。神が与えてくれたこの試合のために過去8週間、朝の6時からハードトレーニングを続けてきた」と話している。

対してハイブラエフは「彼は良い性格をしているし、面白い人間だ。でも、何も脅威はない。2022年の1年間を失ったけど、2021年とトップの顔触れは変わらない。つまり僕はまだチャンピオンということだよ」とコメントした。

またピネドは「去年のチャンピオンとか関係ない。ただ勝利を目指している。人々がどう言おうが、知ったことじゃない。ベストを尽くして明日は勝つ」と言い、その昨年の世界王者ラウネーンは「何もプレッシャーは感じていない。リーチも足も長く、経験豊かな相手だけど十分に準備はできている」と余裕の表情を浮かべていた。

またシーズン第1戦を現地にいながら、メディカル提出物の不備で欠場となったチョ・ソンビンも今回は問題なく──一発大逆転を賭けてバッバ・ジェンキンスと戦う。そのチョ・ソンビン、フェイスオフで何やら英語でジェンキンスに話しかけ、云々と頷くジェンキンスの対応からもトラッシュトークの類ではないことは明白だった。

工藤とウェードも当然のように、熱い闘志のなかでも相手へのリスペクトを忘れず、フェイスオフ。ウェードはまだ体重が戻る余地が、相当残っているように見えた。

■視聴方法(予定)
6月9日(金・日本時間)
午前7時30分~DAZN

■ PFL2023#04計量結果

■ 対戦カード

<フェザー級/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン: 146ポンド(66.22キロ)
ヘスス・ピネド: 146ポンド(66.22キロ)

<フェザー級/5分3R>
モヴィッド・ハイブラエフ: 146ポンド(66.22キロ)
タイラー・ダイヤモンド: 145.8ポンド(66.13キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
マールシン・ハムレット: 205.8ポンド(93.34キロ)
サム・ケイ: 206ポンド(93.44キロ)

<フェザー級/5分3R>
バッバ・ジェンキンス: 146ポンド(66.22キロ)
チョ・ソンビン: 145.8ポンド(66.13キロ)

<ライトヘビー/5分3R>
ジョシュ・シルヴェイラ: 205.6ポンド(93.25キロ)
デラン・モンチ: 205.8ポンド(93.34キロ)

<フェザー級/5分3R>
マルロン・モラエス: 145.6ポンド(66.04キロ)
ガブリエル・アウベス・ブラガ: 144.4ポンド(65.49キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
タイ・フローレス: 211.2ポンド(95.79キロ)
ダン・スポーン: 206ポンド(93.44キロ)

<フェザー級/5分3R>
クリス・ウェード: 145.4ポンド(65.95キロ)
工藤諒司: 145.6ポンド(66.04キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
インパ・カサンガネイ: 204ポンド(92.53キロ)
ティム・キャロン: 205ポンド(92.99キロ)

<女子フェザー級/5分3R>
アビゲイル・モンテス: 145.8ポンド(66.13キロ)
ブランディ・ヘスター: 145ポンド(65.77キロ)

<フェザー級/5分3R>
アレクセイ・パーガンデー: 145.8ポンド
アキーム・バシアー: 146ポンド(66.22キロ)

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【PFL2023#04】2年連続トップ4へ。奇跡的に状況が揃った工藤諒司─01─「今年もやってやるぞ!!」

【写真】ファイトウィークと変わらないようでいて、言葉の出て来かた等は直前でない空気があった (C)SHOJIRO KAMEIKE

8日(木・現地時間)にジョージア州アトランタのオーバータイムエリート・アリーナで開催されるPFL2023#04で、工藤諒司がクリス・ウェードと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

工藤は2023年シーズンの初戦、モヴィッド・ハイブラエフで判定負けを喫した。現在のフェザー級ランキングでは0pで6位、対するクリス・ウェードも、バッハ・ジェンキンスとの初戦を落とし、0pでランキングは7位だ。

シーズン2戦目を前にして3p で4位だったアレハンドロ・フローレスが欠場、7位のダニエル・トーレスがドラッグテストで陽性となり失格。期せずしてランクが自動的に2つ上がったことで、ある意味──奇跡的な逆転プレーオフ出場が見えてきた。とはいっても工藤に求められるのは1Rフィニッシュ、クイックシックス=6pを獲得だ。つまりは昨シーズンと同じ状況で2戦目を迎える工藤、渡米直前に意気込みを訊いた。

【フェザー級ランキング】
1位 5p ブレンダン・ラウネーン
2位 3p バッバ・ジェンキンス
3位 3p モヴィッド・ハイブラエフ
4位 3p ガブリエル・ブラガ
──────────────────────────────────
5位 0p ヘスス・ピネド
6位 0p 工藤諒司
7位 0p クリス・ウェード
8位 0p マルロン・モラエス
9位 0p タイラー・ダイヤモンド
10位0p チョ・ソンビン



――8日(現地時間)に試合を控えている工藤選手です。このインタビューは日本時間の1日に行っておりますが、渡米はいつ頃ですか。

「日本時間の6月4日、日曜日に日本を出発します」

――現地に着いてからは、どのようなスケジュールを過ごすのでしょうか。

「写真撮影などは前回済ませているので、オフィシャルのインタビューやメディアの取材ぐらいかもしれません。だから前回よりは忙しいスケジュールにならないと思いますね」

――前回ということは、2023年シーズンの1試合目ですね。

「写真撮影と取材以外に、メディカルチェックなど結構キツキツのスケジュールでした」

――そうしたファイトウィークの対応というのは、ファイターにとってはストレスになるものですか。試合の勝敗や影響には関係ないとしても。

「自分はストレスには感じていないですね。『試合前はゆっくりしたい』と考える選手もいるとは思いますけど、僕は気にならないです。PFLもスタッフは意外と少人数で選手のケアをしているのですが、みんな本当によく動いてくれる人たちだなって思います」

――一方、現地では体を動かすことはあるのでしょうか。

「はい。PFLが取ってくれているホテルの中にマットルームや、食事を出してくれるレストランみたいなところが用意されているんですよ。そのホテルの中で全てのことを済ませられるので、現地にいる間はホテルから出ることもないです。そういう意味では楽ですね」

――現地に着いた段階で、ウェイト調整はどのような状態なのですか。

「もちろん日本を発つ前から体重は調整していますが、ホテルでは減量用のメニューを出してくれます。高タンパク低カロリーで、栄養価の高い食事ですね。プロモーターサイドが食事のことも考えてくれているのは凄いなと思いました」

――Road to UFCでは選手がSNSで、現地で主催者が用意してくれるお弁当のような減量食を紹介していました。

「PFLの場合はビュッフェ形式で、自分で好きなものを選ぶ感じですね。それこそ食べても食べても体重が増えないメニューで。むしろ食べるほど減っていくような(笑)」

――ハハハハ。それは良いですね。ところで2022年からPFLに参戦し始めて、そのような現地での過ごし方には慣れたのではないでしょうか。

「今は慣れました。それよりも現地に着く前——飛行機の不安です。絶対に何かトラブルがあるので(苦笑)」

――トラブルとは?

「荷物が届かなかったりとか。荷物は次の日に戻ってきたから良いものの……。あとは、どうしても飛行機に乗っている時間が長いので体にダメージが溜まります。今回は日本からアトランタまで、一度乗り継ぎはありますけど、それでも長いですからね」

――なるほど。さて本題ですが、まず今シーズンの初戦はモヴィッド・ハブライエフに判定負けを喫しました。その試合内容について感想を聞かせてください。

「シーズンの初戦を落とすというのは……うーん、なんとか取りたかった。もう落としてしまったことは仕方ないですが、内容的には悔しいです。3Rフルで抑え込まれてしまいました。あれだけ時間があったにも関わらず、何もできずに終わったので。ただ、昨シーズンも初戦を落としてから、2戦目でKO勝ちしてプレーオフに進みました。今年も、去年と同じ状況ですね」

――昨年のシーズンは初戦でブレンダン・ラウネーンに判定で敗れたものの、2戦目でアレハンドロ・フローレスを1RにKO。クイックシックスのポイントを獲得してプレーオフに進出しました。

「この2戦目で倒し切らないと、プレーオフには行けないという状況は去年と同じになりました。でも去年に一度経験しているので、『今年もやってやるぞ!』という気持ちしかないです」

――ではハブライエフ戦の敗因と、次に生かすべきだと感じた点について。さらにハブライエフ戦から取り組んできたことがあれば教えていただけますか。

「まず良かった部分がないですよね(苦笑)。あそこまで封じ込まれてしまうと、気持ち的にも『シュン』となってしまうといいますか……。自分が思っている以上に、相手のグラップリング、コントロールする力が凄かったです」

――そこはロシア勢や中央アジア勢の強さですね。

「はい。自分の強みは打撃なので、ハブライエフ戦のように封じ込まれると自分の強みを出せなくなります。なので、まずは倒されないこと。倒されても立ち上がるまでの部分を強化してきました。そして次の相手のことを考えた時、打撃で倒さないといけない。倒すための打撃も強化してきています」

<この項、続く>

■視聴方法(予定)
6月9日(金・日本時間)
午前7時30分~DAZN

■ PFL2023#04対戦カード

<フェザー級/5分3R>
ブレンダン・ラウネーン(英国)
ヘスス・ピネド(ペルー)

<フェザー級/5分3R>
モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)
タイラー・ダイヤモンド(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マールシン・ハムレット(ノルウェー)
サム・ケイ(豪州)

<フェザー級/5分3R>
バッバ・ジェンキンス(米国)
チョ・ソンビン(韓国)

<ライトヘビー/5分3R>
ジョシュ・シルヴェイラ(米国)
デラン・モンチ(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
マルロン・モラエス(ブラジル)
ガブリエル・アウベス・ブラガ(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
タイ・フローレス(米国)
ダン・スポーン(米国)

<フェザー級/5分3R>
クリス・ウェード(米国)
工藤諒司(日本)

<ライトヘビー級/5分3R>
インパ・カサンガネイ(米国)
ティム・キャロン(米国)

<女子フェザー級/5分3R>
アビゲイル・モンテス(メキシコ)
ブランディ・ヘスター(米国)

<フェザー級/5分3R>
アレクセイ・パーガンデー(米国)
アキーム・バシアー(米国)

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【PFL2023#04】工藤諒司、2戦目の相手はクリス・ウェード。プレーオフ進出の可能性は、まだまだある

【写真】いやぁ、良いマッチアップ。勝てる可能性はプレーオフ進出より、さらに高い(C)PFL

26日(水・現地時間)、6月8日(木・同)にジョージア州アトランタのオーバータイムエリート・アリーナで開催されるPFL2023#04の対戦カードが発表された。

フェザー級とライトヘビー級の2階級のレギュラーシーズン2戦目にして最終戦。工藤諒司はクリス・ウェードと対戦することが決まった。両者の対決に触れる前に、現状のランキングを確認しておきたい。

【フェザー級ランキング】
1位 5p ブレンダン・ラウネーン
2位 3p バッバ・ジェンキンス
3位 3p モヴィッド・ハイブラエフ
4位 3p アレハンドロ・フローレス
──────────────────────────────────
5位 3p ガブリエル・ブラガ
6位 0p ヘスス・ピネド
7位 0p ダニエル・トーレス
8位 0p 工藤諒司
9位 0p クリス・ウェード
10位 0p マルロン・モラエス


2021年シーズン準優勝&2022年ベスト4のウェードは、PFL活動初年度のライト級参戦時に川名雄生を初回にギロチンチョークで破っている確かな実力者だが、今年は初戦でバッバ・ジェンキンスに判定負けを喫している。その結果、0Pで初戦でブレンダン・ラウネーンに2RでKO負けしたマルロン・モラエスが最下位のランクで現状はブービー賞、下から2番目にランクされている。

工藤もまた、モヴィッド・ハイブラエフに敗れ0Pで8位だ。つまりは8位と9位の下位対決と見られがちだが、ここが僅か2戦のレギュラーシーズン、PFL首脳の──ウェードなのか工藤かのか、果てはそのいずれかにプレーオフ進出の期待が込められているマッチアップといえる。

今回PFLが明らかにしたマッチアップで0P同士の対戦はこの1戦のみ。首位のラウネーンは6位のピネドと。3位のハイブラエフの相手は7位のダニエル・トーレス、さらに4位のアレハンドロ・フローレスが最下位のモラエスと戦う。

さらにいえば5位のガブリエル・ブラガは、シーズン2戦目は用意されておらず、初戦直前にメディカル書類の不備で試合出場ならなかったチョ・ソンビンが大まくりを目指し、2位のバッバ・ジェンキンスと相対する。

勝手な予測だが、PFLサイドは1位から3位はこのままプレーオフ進出に順当な勝利を望んでいる。ラウネーンは最大11P獲得でき、他の2選手は勝てば6Pが約束されている。仮にこの3名がボーナスポイントを献上して敗北するなら、大穴の誕生でプレーオフをさらに興味深くなる。

他方、フローレスにはモラエスを当て、一発逆転ビッグネームのプレーオフ進出への可能性を残した。それは工藤とウェードにも当てはまる。仮に上位の大崩れがなく、順当に勝ち星を重ね、フローレスがモラエスを下すと工藤のプレーオフ進出はなくなる。

その一方でフローレスが敗れた場合、ウェードと工藤の勝者がボーナスを得られると、最後の4枠目を獲得できるというわけだ。また試合順を見れば、工藤✖ウェードはモラエス✖フローレスの一つ後。勝手ながら、非常に打たれ弱くなっているモラエスのひと踏ん張り、そして可能な限り最小得点獲得という流れがあれば、工藤にとって(もちろんウェードにとっても)最高の状況が整う。

そんな捕らぬ狸の皮算用に関係なく、工藤に必要なのは昨年度と同じクイックシックス。ウェードもそこを狙ってくることで、あのねちねちとしたフォークスタイルのコントロールではなく、大きな振りのパンチやバランスの悪い蹴りを多用してくる可能性は高くなる。となれば、工藤の左右どちらも倒せる拳の炸裂の確立も高くなる。

他力本願であるが可能性を秘めたウェード越え──に期待したいセカンド・ラウンドだ。

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【PFL2023#01】PFL2023#01 Gallery 大きくて動けるのは武器──計量Before & After

【写真】本計量でもデカいだろうと感じるジェンキンス、このリカバリーで15分間動き続けた(C)PFL

1日(土・現地時間)に開催されたPFL2023#01。フェザー級とライトヘビー級のシーズンが幕を開けたメインで昨年王者のブレンダン・ラフネーンがマルロン・モラエスの前足をカーフで破壊して勝利し、2021年王者で1年半ぶりの実戦復帰となったモヴィッド・ハイブラエフは、テイクダウン&コントロールで工藤諒司に判定勝ちを収めた。

そんなPFLシーズン開幕戦からフェザー級6選手の本計量~セレモニアル計量~ファイトのフレームの違いを比較。ダイエット&リカバリーを武器にできるかできないかは選手次第だ。そして、武器に出来る選手はケージの中でアドバンテージを得ることができる。

ここに挙げた6選手、ラフネーン、ハイブラエフ、バッバ・ジェンキンスの戻り方はやはり目を見張るものがある。一方でかつてはライト級で戦っていたクリス・ウェードはそれほどでもない。また本計量からセレモニアル計量の間に戻っている選手と、試合当日に大きくなっている選手がいる。

六者六様のフレームの変化、計量Before & Afterを見比べてみたい。


モヴィッド・ハイブラエフ

ブレンダン・ラウネーン

クリス・ウェード

工藤諒司

ダニエル・トーレス

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MMA MMAPLANET o PFL PFL2023#01 アレハンドロ・フローレス キック ダニエル・トーレス

【PFL2023#01】ダニエル・トーレス、コレといった攻撃を見せることなくフローレスに判定負け

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フローレス(メキシコ)
Def.3-0:29-28.29-28.29-28
ダニエル・トーレス(オーストリア)

肩を開き気味の構えのトーレスと半身のフローレス。思い切りトーレスが右フックを空振りする。スイッチを見せるフローレスが、近距離でヒザを狙う。フローレスのローが急所に入り、トーレスが憮然とした表情を見せて試合が中断。再開後、左リードフックをフローレスが当て、前に出てきたトーレスに組みついてケージに押し込む。スタンプ、肩パンチのフローレスがヒザを繰り出すが、左腕を差したトーレスが体を入れ替える。小外掛けを切り返され、下になったトーレスがガードを一瞬取るが即スタンドへ。

フローレスは左ボディから右ローを蹴り、ケージ際でクリンチの攻防に。ポジションを入れ替えながら、細かいヒザを両者が見せる。フローレスが押し込む状態が続き、最後はケージ中央で胸を合わせた状態から、シングルレッグでテイクダウンを決めた。

2R、前に出るトーレスが、回るフローレスに左を当てる。フローレスはローを蹴り、トーレスが組んで両ワキを差す。ヒザを顔面に突き上げたトーレス、試合はここからケージクリンチに。押し返したフローレスが離れ、左ロー。チェックしたトーレスは右を当てる。テイクダウンに切り替えたフローレスは、打撃の間合いに戻ると左の空振りで姿勢を乱す。

フローレスは左ハイでもバランスを崩すが、トーレスも思うように攻めることができない。互いがアンカンファブルな状態で攻撃を見せるという展開が続き、トーレスがテイクダウンを決める。クローズドからニーシールドのフローレスに対し、トーレスは立ち上がりなぜかスピニング。ここにフローレスの蹴り上げが急所に入り、レフェリーが試合を中断。再開と同時にフローレスが飛び込んでサイドキックも、届かず時間となった。

最終回、フローレスが左ローから右フック、サイドキックを放つ。トーレスはステップインして右、左フックへ。スイッチして左ミドルを蹴ったフローレスだが、ここから間合いを測る状況に。トーレスがケージに押し込み、体を入れ替えられてから押し返す。離れた両者、フローレスのスピニングバックフィストに左フックをトーレスが合わせる。

トーレスは右ロー、フローレスが左ボディショット。トーレスの右の大振りに、右のカウンターを入れたフローレスがダブルレッグを選択する。倒せず、打撃の間合い戻ってからもフローレスがシングルレッグへ。トーレスはギロチンも、セットしきれず胸を合わせクリンチに。大内刈りを失敗したトーレスは、左の相打ちからフローレスのダブルレッグでバックに回られそうになり背中をマットにつけてタイムアップを迎えた。

事前のインタビューでフローレスのことを「見るべきものがない」と言い切ったトーレスだが、これといった攻撃を見せることなく15分を戦い終え判定負けを喫した。


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【PFL2023#01】フローレスと対戦、大穴ダニエル・トーレス「全く見るべきモノがない相手だよ」

【写真】トラッシュ口調でなく、静かにフローレスをこき下ろした(C)PFL

1日(金・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター・アット・ヴァージンホテルズで開幕するPFLフェザー級の2023年シーズンには、マルロン・モラエスを筆頭に4人のニューカマーが参戦する。

その中の1人、ダニエル・トーレスは今もKSWで戦い続ける欧州MMA界最後の大物といっても過言でないサラディーヌ・パルナスと1勝1敗、前KSWフェザー級王者だ。ブラジル生まれ、生粋のブラジル人ながらオーストリア国旗の下、アレハンドロ・フローレスと戦うトーレスにインタビューを試みた。


──ダニエルはブラジル生まれですが、PFLや以前活躍したKSEでは国籍がオーストリアになっていますね。これはどういうことなのでしょうか。

「僕はブラジル人だよ。仕事のためにオーストリアに移り住んだんだ」

──仕事ですか……。

「ファイトだよ。MMAを戦うことは、僕の仕事だから。今はMMAファイトアカデミーに所属しているけど、あの時は別のジムから誘われて、プロファイターとして戦うためにオーストリアに移り住んだんだ。そしてオーストリア人女性と結婚して、オーストラリアに住むようになった。プロモーションは僕の旗をブラジルでなくオーストリアにしたがるんだ。それで構わないよ。何も問題ない」

──前のジムの時でしょうか──流浪のMMAコーチ、アンドレ・ベンケイからダニエルに関して「若くて将来性バッチリの選手がいる」と聞いたことがあります。

「アンドレ・ベンケイ!! もう5年も前に少しの期間だけど、一緒に練習していた時期があるよ」

──長らくKSWを始め、欧州を舞台に戦ってきたダニエルが北米=PFLに戦場を移すことになった決め手は何だったのでしょうか。

「PFLからオファーがあり、条件に納得いったからだよ。PFLは大きな会社で、良い大会を開いてきた。そして年々成長している、プロフェッショナルなプロモーションだ。シーズン・フォーマットを米国だけでなく欧州でも実施しようとしているし、大したものだと思う」

──ところでここ2試合はライト級で戦ってきましたが、フェザー級に戻したのは?

「ライト級で戦ったのは、ライト級の契約書が送られてきたからだよ(笑)」

──アハハハ。

「本当にそれだけが理由なんだ(笑)。ライト級……5キロほど重い体重で戦っても問題なかった。もちろん、フェザー級でも同じように調子が良いよ」

──適正体重としては、フェザー級なのでしょうか。

「僕の適正体重は、しっかりとトレーニングをして創った体重だよ(笑)。そして、今回の試合は間違いなく僕の適正体重だ。6カ月に渡り、PFLデビューに向けてトレーニングをしてきたからね。この試合がライト級だったとしても、ちゃんと練習をして70キロの体を創っていたに違いない。ライト級だろうがフェザー級だろうが、調整に問題がなければベストシェイプであり、適正体重さ」

──なるほどぉ。ではアレハンドロ・フローレスの印象を教えてください。

「アレハンドロ・フローレス──彼の試合をチェックしたけど、何も気になるところがなくて……。全く見るべきモノがない。間違いなく、勝てる相手だ」

──そんな強気のダニエルですが、ベースは柔術かムエタイなのですか。

「空手だよ。極真を6年間やり、同時にカポエイラもやっていた。でも、空手やカポエイラでは稼ぐことはできない。生活できないから、MMAに転向したんだ。お金が欲しかったからね。グラップリングを教えてくれる人間を探して、MMAを始めたんだよ」

──極真やカポエイラの経験は、MMAに生きていますか。

「う~ん、そんなことはないかな。僕のMMAファイターとしてのアドバンテージは、トレーニングによって得ることができている。練習が、僕を強くした一番の要因だよ」

──では、自身のストロングポイントをアピールしてください。

「頭。僕は頭が良くて、ファイトIQが高い。そこが一番の長所だ」

──頭の良さを武器に、土曜日はどのような試合を見せたいと思っていますか。

「僕が11年間積み上げてきたことを見せたい。そして、この半年間の成長を実感したいと思っている。本当に今回の機会に賭けて、準備してきたから。今、自分ができることを全て出し切りたい」

──シーズン突破に向けて、2戦目に戦いたい意中の相手はいますか。

「次の試合のことは、全く考えていない。この試合に全てを賭けている。次のことを考えるのは、土曜日の試合に勝ってからだよ。でも、相手のことは気にしないな。対戦相手は関係ない。しっかりと自分の戦いができるように準備するだけだよ」

──ダニエル、今日はありがとうございました。最後に日本のファンにメッセージをお願いします。

「本当に真剣に、ファイトに向き合ってきた。全てを賭けてきたから、この試合に負けると人生を失う。つまり、絶対に僕はこの試合に勝つということ。真剣にファイトに賭けている姿勢を日本の皆に見てほしい」

■視聴方法(予定)
4月2日(日・日本時間)
午前7時30分~DAZN

■ PFL2023#01計量結果

<フェザー級/5分3R>
ブレンダン・ラウレーン: 146ポンド(66.22キロ)
マルロン・モラエス: 145.4ポンド(65.95キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ロブ・ウィルキンソン: 205.4ポンド(93.16キロ)
チアゴ・マヘタ・サントス: 206ポンド(93.44キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
クリシュトフ・ヨッコ: 205.4ポンド(93.16キロ)
ウィル・フルーリー: 205.6ポンド(93.25キロ)

<フェザー級/5分3R>
モヴィッド・ハイブラエフ: 145.8ポンド(66.13キロ)
工藤諒司: 146ポンド(66.22キロ)

<フェザー級/5分3R>
クリス・ウェード: 145.6ポンド(66.04キロ)
バッバ・ジェンキンス: 146ポンド(66.22キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
マールシン・ハムレット: 205.6ポンド(93.25キロ)
モハマド・ファフレディン: 205ポンド(92.99キロ)

<ライトヘビー/5分3R>
ジョシュ・シルヴェイラ: 202.8ポンド(91.98キロ)
サム・ケイ: 206ポンド(93.44キロ)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フローレス: 145.4ポンド(65.95キロ)
ダニエル・トーレス: 146ポンド(66.22キロ)

<フェザー級/5分3R>
チョ・ソンビン: 146ポンド(66.22キロ)
ヘスス・ピネド: 144.6ポンド(65.58キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
デラン・モンチ: 205.4ポンド(93.16キロ)
タイ・フローレス: 206ポンド(93.44キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
コリー・ヘンドリックス: 205ポンド(92.99キロ)
インパ・カサンガネイ: 205.4ポンド(93.16キロ)

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【PFL2023#01】計量終了 チョ・ソンビン、メディカルにパスせず欠場。モラエス「今もベストの1人」

【写真】映像では、もっと身長差があったように見えたラウネーンとモラエスだった(C)PFL

1日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター@ヴァージンホテルで開催されるPFL2023#01の計量が、3月31日(金・同)に終了している。

1月にGladiatorで衝撃的な強さを見せたチョ・ソンビンは、2年振りのPFL参戦に向け本計量を146ポンドでパスしたが、何とメディカルをパスせず欠場に。

セレモニアル計量開始15分前にガブリエル・ブラガの代替出場が決まった。

3月のPFLチャレンジャーシリーズで勝利しているブラガは、144.5ポンドで計量をパス。

セレモニアル計量で体重計の上で「レッツゴー」と叫び声を挙げ、終始笑顔だった。


メインで対戦する昨年のフェザー級王者ブレンダン・ラウネーンと、マルロン・モラエスは明らかな身長差があり、フェイスオフでは上と下から視線をぶつけあった。

2014年3月にハードロックホテル&カジノ内ザ・ジョイントと呼ばれた同会場でWSOF世界バンタム級王座を獲得しているモラエスは「素晴らしい雰囲気だよ。会場は最高だ。PFLは最高の大会を開き、僕はここでベルトを巻く。戦い続ける理由? コレが好きだから戦い続けているんだ。そして、この試合で勝って、僕は今も世界のベストの1人だと証明してみせる」と話した。

一方ラウネーンは「チャンピオンになって、シーズンオフは少し休んだ。家族や友人と楽しい時を過ごしてね。けど、1月からタイに渡ってトレーニングをし、この日のためにほとんどを過ごしてきた。モラエスはジョゼ・アルド、アルジャメイン・ステーリングに勝っている。明日はベストバージョンのマルロン・モラエスと戦いたい」と意気込みを語っている。

なお日本から出場の工藤諒は+500というオッズがつき、対するは2021年度の世界王者モヴィッド・ハイブラエフは実に-675と掛け率では圧倒的な差がついている。

そんな両者はフェイスオフを終え、穏やかな表情で握手を交わした。

■視聴方法(予定)
4月2日(日・日本時間)
午前7時30分~DAZN

■ PFL2023#01計量結果

<フェザー級/5分3R>
ブレンダン・ラウレーン: 146ポンド(66.22キロ)
マルロン・モラエス: 145.4ポンド(65.95キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
ロブ・ウィルキンソン: 205.4ポンド(93.16キロ)
チアゴ・マヘタ・サントス: 206ポンド(93.44キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
クリシュトフ・ヨッコ: 205.4ポンド(93.16キロ)
ウィル・フルーリー: 205.6ポンド(93.25キロ)

<フェザー級/5分3R>
モヴィッド・ハイブラエフ: 145.8ポンド(66.13キロ)
工藤諒司: 146ポンド(66.22キロ)

<フェザー級/5分3R>
クリス・ウェード: 145.6ポンド(66.04キロ)
バッバ・ジェンキンス: 146ポンド(66.22キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
マールシン・ハムレット: 205.6ポンド(93.25キロ)
モハマド・ファフレディン: 205ポンド(92.99キロ)

<ライトヘビー/5分3R>
ジョシュ・シルヴェイラ: 202.8ポンド(91.98キロ)
サム・ケイ: 206ポンド(93.44キロ)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フローレス: 145.4ポンド(65.95キロ)
ダニエル・トーレス: 146ポンド(66.22キロ)

<フェザー級/5分3R>
チョ・ソンビン: 146ポンド(66.22キロ)
ヘスス・ピネド: 144.6ポンド(65.58キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
デラン・モンチ: 205.4ポンド(93.16キロ)
タイ・フローレス: 206ポンド(93.44キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
コリー・ヘンドリックス: 205ポンド(92.99キロ)
インパ・カサンガネイ: 205.4ポンド(93.16キロ)

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【PFL2023#01】過去最高のメンバー集結。ハイブラエフ戦へ、工藤諒司「自信を持って気持ちも創れている」

【写真】非常に落ち着いた様子の工藤。ラスベガスでは佐藤天のサポートを受けている(C)MMAPLANET

4月1日(金・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター・アット・ヴァージンホテルズで開催されるPFL2023年レギュラーシーズン第1戦。同大会で、工藤諒司が2021年シーズン優勝者モヴィッド・ハイブラエフと対戦する。

以下のように2023年シーズン開幕戦、史上最高といっても過言でないメンバーが集まったフェザー級戦線。「強い選手とやれることは凄く有難い」、現地とのリモート取材で工藤はそう言い切った。

【PFL2022フェザー級出場選手】

アレハンドロ・フローレス
1991年8月6日生まれ
メキシコ
MMA戦績21勝4敗
PFL2022フェザー級出場
PFL戦績2勝1敗
COMBATE戦績17勝2敗
DWCS戦績0勝1敗

工藤諒司
1993年4月3日生まれ
日本
MMA戦線11勝4敗1分
PFL2022フェザー級ベスト4
修斗世界フェザー級タイトルコンテンダー
修斗戦績5勝1敗1分
ONE Warrior Series戦績2勝0敗

クリス・ウェード
1987年9月30日生まれ
米国
MMA戦績22勝8敗
PFL2018ライト級ベスト4
PFL2019ライト級ベスト4
PFL2021フェザー級準優勝
PFL2022フェザー級ベスト4
UFC戦績5勝2敗

ダニエル・トーレス
1994年2月6日生まれ
オーストリア
(ブラジル生まれ、オーストリア人女性と結婚)
MMA戦績14勝5敗
KSWフェザー級王者
KSW戦績5勝2敗

チョ・ソンビン
1992年7月17日生まれ
韓国
MMA戦績10勝2敗
Gladiatorフェザー級王者
TOP FC暫定フェザー級王者
WORDOGフェザー級王者
A-Toys CFフェザー級王者
UFCs戦績0勝1敗

バッバ・ジェンキンス
1988年2月5日生まれ
米国
PFL2021フェザー級ベスト4
PFL2022フェザー級準優勝
BRAVE CFフェザー級王者
NCAA D1レスリング優勝&準優勝

ブレンダン・ラウレーン
1989年12月5日生まれ
英国
MMA戦績26勝4敗
PFL2022フェザー級チャンピオン
PFL2021フェザー級ベスト4
DWCS戦績1勝0敗(契約ならず)

ヘスス・ピネド
1996年6月22日生まれ
ペルー
MMA戦績20勝5敗1分
INKA FCフェザー級王者
INKA FC戦績6勝2敗
UFC戦績1勝1敗

マルロン・モラエス
1988年4月26日生まれ
ブラジル
MMA戦績23勝11敗
WSOF世界バンタム級王者
UFC世界バンタム級タイトルコンテンダー
UFC戦績5勝6敗

モヴィッド・ハイブラエフ
1990年10月16日生まれ
ロシア
MMA戦績19勝0敗1分1NC
PFL2021フェザー級チャンピオン
PFL2019フェザー級ベスト8
(準々決勝でダニエル・ピネダにKO負けも、勝者がドラッグテストで陽性となりNCに)


──工藤選手、モヴィッド・ハイブラエフ戦を今週末に控えていますが、まず前年度シーズンを振り返っていただけますか。

「初戦で結果的に優勝したブレンダン選手と戦って、圧倒的な差があるというわけではないかと思いました」

──ばかりかダウンも奪っています。

「そうですね。だから自分がPFLで戦っていくことに関して、自信を持っても良いかと去年は思えましたね。色々な選手がいて、どの選手も強い。その強いという枠のなかで、色々なタイプの選手がいて」

──これまでのキャリアと明確に違うのは8月に準決勝を終えて、4月まで試合がなかった。短期集中で試合が組まれて、オフがある。これはPFLならではかと。

「試合間隔が2カ月なくて、3試合というのは正直きつかったです。次の試合が来るのが早く感じられて、もう少しゆっくりとトレーニングを積んで、コンディションを整えてから減量に向かいたいという気持ちはありました。

反対にオフの期間は、バッバ・ジェンキンスに負けたことを受けてスキルアップするための練習環境を整えて、トレーニングができて良かったです」

──次があることが決まっているので、気持ち的にも落ち着けて取り組めたかもしれないですね。

「そうですね。課題が明確に分かっていたので、そこはしっかりと取り組んできました。出稽古もしてグラップリングの強化をして」

──出稽古先というのは?

「TRY Hスタジオです。上久保(周哉)さんが練習している場所なので、技術を教えてもらったり、ひたすらスパーリングをするということをやってきました。ジェンキンス戦は結構簡単にバックを許し、首を取らせてしまって。隙……甘い所が見えてきたので、そこを埋めたかったです」

──あの敗北を技術的な穴として捉えたわけなのですね。自分は打撃でなく、いきなり組みで圧をかけてきたことで、慌ててしまったと考えていました。

「確かに予想できなかった部分もありました。1Rからもの凄い勢いできたので。テイクダウンされ、慌てて立ちに行ったところで隙も出て。慌てたのもそうですし、ああいう場面における技術力をアップしないといけないと思いました」

──そこで上久保選手の力が必要になったと。

「ハイ。今回の対戦相手にも似ている部分があります。階級が違うので、さらに圧力が上がると想定しています」

──ハイブラエフの打撃に関しては、どのように思っていますか。

「相手の打撃に付き合いながら、テイクダウンを生かすための打撃。テイクダウンのチャンスを広げるために上手く使っていると思います」

─戦績的には19勝0敗1分とずば抜けているハイブラエフですが、2021年の準決勝戦でラウレーンとは僅差のスプリット判定勝ちでした。そのラウレーンとやり合えたことは、ハイブラエフと戦う上で自信になっていますか。

「彼ら2人の試合を見ると、そういう風に思います。けど、実際に組んでみないと分からない部分もありますし。ケガからの復帰戦、1年のブランクがあることでどれだけ進化しているのかも分からない部分もあります。でも自分の中では自信を持って、気持ちもしっかりと創れています」

──今回は過去最高のメンバーが揃っているともいえます。戦う当人は大変なのですが、出場選手についてはどのように感じていますか。

「なかなか凄いメンバーに挟まれていますね(笑)」

──ハイブラエフは2021年の優勝者で、優勝候補筆頭です。その相手から3Pを奪うことができれば、本当に大きいかと。

「去年も優勝候補のブレンダン選手が初戦の相手だったので、ハイブラエフ選手が優勝候補というのは全く気にしていないです。ただ強いことは認識していますし、何ならこれまでに戦った選手の中で一番強いんじゃないかという印象もあります。何よりも強い選手とやれることは凄く有難いです」

──今回の試合後、ポイント計算は抜きにしてレギュラーシーズンで戦ってみたい選手はいますか。

「負けた相手ですね。負けたままではいたくないので、ブレンダン選手とジェンキンス選手ともう1度戦いたいです。ただ1度戦っているので、レギュラーシーズンで当たる可能性は低いんじゃないかと」

──ポイント計算をした場合、3点取れるぞという相手もいるかと。

「いやぁ……そういうことは全く考えないです。強い相手と戦いたいので。だから、このメンバーのなかで戦うことは、MMAファイターとして充実しています。今回の相手はグラップリング中心の相手で、自分のやってきたことがそこだったので……試すということではないですが、ジェンキンス戦のようには行かないぞという自信はあります」

──これまでテキサス、ジョージア、ロンドンで戦ってきましたが、今回はMMAのメッカ、ラスベガスです。

「ラスベガスは米国のなかでも有名な都市なので、格闘技とは関係なく『ラスベガスに来たんだ。ギラギラしているな』っていう感じはしています(笑)」

──めっちゃ普通の人の感想じゃないですか(笑)。それだけリラックスできているという風に捉えさせてもらいます。

「リラックスはできています。だから普通にラスベガスを眺めることができるので」

──おお、心強い言葉です。では改めて、今回の試合への意気込みをお願いします。

「余り固くなり過ぎず、いつも通り、とことん楽しめる試合ができればと思います。好きなことをやっているので、好きなことをやるからには楽しみたいです」

■視聴方法(予定)
4月2日(日・日本時間)
午前7時30分~DAZN

■ PFL2023#01対戦カード

<フェザー級/5分3R>
ブレンダン・ラウレーン(英国)
マルロン・モラエス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
ロブ・ウィルキンソン(豪州)
チアゴ・マヘタ・サントス(ブラジル)

<ライトヘビー級/5分3R>
クリシュトフ・ヨッコ(ポーランド)
ウィル・フルーリー(アイルランド)

<フェザー級/5分3R>
モヴィッド・ハイブラエフ(ロシア)
工藤諒司(日本)

<フェザー級/5分3R>
クリス・ウェード(米国)
バッバ・ジェンキンス(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
マールシン・ハムレット(ノルウェー)
モハマド・ファフレディン(レバノン)

<ライトヘビー/5分3R>
ジョシュ・シルヴェイラ(米国)
サム・ケイ(豪州)

<女子ライト級準決勝/5分3R>
ラリッサ・パチェコ(ブラジル)
オレナ・コレスニク(ウクライナ)

<フェザー級/5分3R>
アレハンドロ・フローレス(メキシコ)
ダニエル・トーレス(オーストリア)

<フェザー級/5分3R>
チョ・ソンビン(韓国)
ヘスス・ピネド(ペルー)

<ライトヘビー級/5分3R>
エラン・モンチ(ブラジル)
タイ・フローレス(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
コリー・ヘンドリックス(米国)
インパ・カサンガネイ(米国)

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Gladiator Gladiator020 MMA MMAPLANET o ONE PFL PFL2023#01 UAEW UFC アレハンドロ・フローレス アンドレ・ハリソン エウベウチ・バーンズ キック クリス・ウェード ダニエル・トーレス チアゴ・マヘタ・サントス チョ・ソンビン バッバ・ジェンキンス ブレンダン・ラウネーン マルロン・モラエス モヴリッド・ハイブラエフ ランス・パーマー ロブ・ウィルキンソン 中川皓貴 工藤諒司

【PFL2023#01】PFL開幕戦で工藤諒司が19勝0敗1分のハイブラエフと対戦。グラジ王者チョ・ソンビンも出場

【写真】これはまた凄まじい相手との対戦が決まった工藤だ(C)PFL

16日(木・現地時間)、4月14日(金・同)にネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター・アット・ヴァージンホテルズで開催されるPFL2023年レギュラーシーズン=キックオフ大会の追加カードと出場参加選手が発表され、工藤諒司が2021年シーズン優勝者モヴリッド・ハイブラエフと対戦することが明らかとなった。

2023年シーズンはフェザー級とライトヘビー級が開幕戦となり、2022年フェザー世界王者のブレンダン・ラウネーンがマルロン・モラエス、同ライトヘビー級世界王者ロブ・ウィルキンソンがチアゴ・マヘタ・サントスという両UFCベテランと戦うことが既にアナウンスされていた。

昨年ベスト4の工藤の継続参戦は決定事項だったが、レギュラーシーズンは2戦しか実施されないなかで、初戦がハイブラエフとのマッチアップとは如何に彼が世界の高みで戦っているのかの表れだ。

しかも前述したラウネーン✖モラエス、そして昨年の準優勝で工藤を準決勝で破ったバッバ・ジェンキンスがもう1人のベスト4=クリス・ウェードと対戦する一番に並び、工藤✖ハイブラエフはESPNで中継されるメインカードに組み込まれている。


重量級大好き米国にあって今大会のメインカードはライトヘビー級が2試合、フェザー級が3試合となっている。それだけ注目度の高い階級で、2度目のシーズン挑戦となる工藤。しかしハイブラエフは簡単な相手でない。どころか非常に厳しい相手といえる。

キャリア19勝0敗1分──ロシアは北コーカサス、ダゲスタン生まれの32歳。同地のファイターの多くに見られるフリースタイルレスリングから格闘技を始めたハイブラエフも、コンバットサンボに転身しMMAという路を選択した。

アブドゥルマナップ・ヌルマゴメドフの指導の下、キャリア11連勝でONEと契約し、現UFCファイターのエウベウチ・バーンズを破るも僅か1試合でアジアを去り、母国で1試合を挟むとPFL 2019年シーズンに臨んだ。

初戦でデイモン・ジャクソンをヒザ蹴りで10秒KOという衝撃的な北米デビューを果たしたハイブラエフだったが、続くアンドレ・ハリソン戦はドロー、シーズン準々決勝でダニエル・ピエダのフックで沈みシーズン制覇はならなかった(※後にピエダがテストで陽性となり結果はノーコンテストに)。

初めてキャリアの挫折を経験したハイブラエフだが、UAEWを経て2021年シーズンに挑むとランス・パーマー戦ラウネーン戦ウェード戦などをクリアしPFLの頂点に立つ。連覇が期待された2022年シーズンは負傷欠場となり、今回の工藤戦が1年半ぶりの実戦復帰だ。

いわば工藤は優勝候補筆頭と対戦するわけだが、ポジティブに考えるとここで勝てば2年連続プレーオフ進出に大きなアドバンテージを持つことになる。ばかりか、他の選手にとってもハイブラエフの敗北はシーズン制覇の道を幾分か優しくするものだ。

レスリング&コントロールに徹して来られると、正直分は相当に悪いだろう。ただし、ハイブラエフが打撃で攻めてくるなら今や工藤は左右の両方の拳でノックダウンを奪うことができる。つまりは、テイクダウンを如何に切るかが鍵となってくる。

そして、テイクダウンを許してもスクランブルに持ち込み、凌ぐ。ハイブラエフを動かして疲れさせる。フィニッシュ勝利にはボーナスという利点があるが、工藤は15分のフルファイトで10分間は我慢の展開──残りの5分でボーナス1Pが付随するフィニッシュ勝利を目指すぐらいの開き直った心理状態から準備を始め、徐々に勝機が増す戦術を確立させていって欲しい。

(C)KSW

メインカードの3試合以外のフェザー級レギュラーシーン出場選手も注目だ。

まず昨年工藤にKO負けしているアレハンドロ・フローレスと元KSWフェザー級王者ダニエル・トーレスがプレリミでマッチアップされている。

2021年1月トーレスは当時、欧州で最強非UFCファイターという評判だったサラディーヌ・パルナスを右フックの上腕がテンプルをかすめるパンチでKOし、ベルトを巻いている。

工藤という物差しがあるフローレスとの試合で、トーレスの力量を測ることができる一番といえる。また対戦相手は未定だが、今回のリリースでチョ・ソンビンのシーズン出場も明らかとなっている。

元UFCファイターで、2021年シーズン以来のPFL参戦が決定したジョ・ソンビンは1月22日のGladiator020で中川皓貴を2分12秒でKOし、フェザー級のベルトを巻いたばかりだ。

そのフェザー級を越えた──ウェルター級を思わせる体躯で、北米再チャレンジを決めたチョ・ソンビン。PFLのマッチメイク次第で工藤との対戦をあり得るだけに、彼の試合も見逃せないシーズン開幕戦となる。

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KSW58 other MMA Report サラディーヌ・パルナス ダニエル・トーレス ブログ

【KSW58】トーレスの上腕が側頭部をかすめてKO!! こんなことが起こるのか、パルナスがまさかの王座陥落

<KSWフェザー級選手権試合/5分5R>
ダニエル・トーレス(ブラジル)
Def.1R1分49秒by KO
サラディーヌ・パルナス(フランス)

サウスポーの王者に対し、まずトーレスが右ミドルを入れる。パルナスは左ハイを繰り出し、左ミドルを入れる。鋭い左の蹴りを続ける王者は、トーレスの左手を制してワンツーを見せる。その左を振るって前に出たトーレス、一瞬の組みから離れたパルナスは右から左を狙ったところで、トーレスの右フックが──拳でなく上腕がテンプルの辺りをかすめる。このチップのような当たりで脳が揺れたか、チャンピオンがヒザから崩れマットに両手をつく。

そして亀の状態で顔をマットにつけたパルナスを見て、レフェリーが試合をストップ。思いもしないKO劇、非UFCファイター欧州最強と見られたパルナスは周囲も本人も唖然とする王座陥落となった。

新王者トーレスはインタビュアーに欧州全土にショックを与えたねと言われ「そうだろうね」と笑みを浮かべると、「ジム、家族のことを想うと凄く感傷的になる」と言葉静かに語った。


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