【写真】楽しそうななかで、集中力が増したように感じられた中村倫也だった(C)MMAPLANET
いよいよ今週末17日(土・現地時間)にカリフォルニア州アナハイムのホンダ・センターで開催されるUFC298「Volkanovki vs Topuria」で中村倫也がオクタゴン2戦目を戦う。
Text by Manabu Takashima
MMAPLANETでは代役カルロス・ヴェラとの戦いが決定する以前に、中村倫也インタビューを行い日常からの取り組み、レスリング練習の利点などについて尋ねた。その取材からほどなくヴェラと戦うことができ待った中村に追加取材。ヴェラ戦に向けての、取り組みとそので得られた自信について話を訊いた。
──カルロス・ヴェラ戦が決まったのは、いつ頃でしょうか(※取材は1月30日に行われた)。
「前に取材をしてもらった前日に最初の相手のキャンセルがあり、あれから2週間後ぐらいですかね」
──スライドでなく、対戦相手が代わったということに関しては?
「PPV大会に出られるのは、嬉しいです。それとデビュー戦はシンガポールだったので、本場のお客さんはまたエネルギー感が違うだろうし、凄く米国のお客さんの前で戦いたかったので。カルロス・ヴェラ選手には凄く感謝しています。
とにかく米国のアリーナで、満員のお客さんの前で早いうちに試合をしたかったです。シンガポールでも凄い盛り上がり方だったんですけど、米国だとまた違う感覚があるんじゃないかと。これから上がっていって、タイトルマッチとかになると米国のそういう状況での試合ばかりになってくるので。そういうファンの前で、自分の気持ちがどうなるのか。そのフィードバックを早めにしたいと思っていたので、ここで戦えて嬉しいです」
──懸命に対戦相手をUFCが探してくれたのではないかと。とはいえ、ヴェラの試合映像を視る限り──ピンキリでいえば、キリの類のUFCファイターであることは間違いないかと。
「映像を視た時、最初は皆がそういう印象を持つと思います。『えっ、近場にいって拳をぶん回せば良くない?』っていうのが第一印象としてありました。ただ練習仲間が、50/フィフティージムだとライアン・ホールに柔術を習っていて、タン・リーもいる。作戦を立てるのが上手いジムだから、自力の差をそういう点で誤魔化されないように──と。
そして、細かい対策を練るようになった段階で『ここが怖い』、『ここも怖い』、『ここもあるぞ』って思うようになって。ただ第一印象って大切で。その直感を信じて戦えば、問題ない相手だと思います」
──怖い点、つまり何を注意しないといけないのか?
「下からの仕掛けですね。足関節のエントリーを壁際でやられると、平場で大丈夫な対応ができなくなることがある。それとテイクダウンを狙った時のギロチンは、メチャクチャ練習して来ると思います。あとはカポエイラ特有の回し蹴りとか、関節蹴りですね。
でもKOできるような蹴りではないので、自分の立ち位置を確認している形ですね」
──あの足関節、風間敏臣戦前の練習が生きるのかと。
「風間選手とやる時も、野瀬(翔平)選手とやる時も、(アリアンドロ)カエタノとやる時もギロチンと足関節、下からの仕掛けをしのぐ練習をしてきたので。特別、そんなに焦ることはないです。試合前だけど、リラックスしています」
──足関節に対して、パウンドというのは?
「ガンガン入れていく展開にしようと思っています。う~ん、足関も仕掛けてくるか分からない。ぶっちゃけて、試合でもそんな上手いことやっていないので。でもやっぱりレスラーが相手のスクランブルで試合を受けたのだから、フィニッシュの一つの選択視にあると思って……仕掛けてくるかなって。う~ん、それでもTUFでは(ブラッド)カトーナに漬けられているので。それを自分ができないとも思えないです。
漬けて堅く勝ちに行こうと思えば、それができる相手で。さらにその上の課題を自分に課したいので、パウンドでダメージを与えて首を取るだとか。そういうことまで持っていくことができれば、一つステップアップできるかと思います」
──ギロチンのセットのし直し、アジャストは嫌でないですか。
「上半身が、がっちしタイプなのでアームインでもタイトになってくると思います。ギロチンはどう動くかを再確認して……今日も練習しました。でもスピードの差があるからなぁ……。エントリーが緩いのか、相手もあの場所で止まっていたのか。ジワジワと極めているんですよね。でも、俺だったらあの時間、あそこで止まらない。なので、あれも果たして……というのがあって。キャッチされた感じが緩いと感じ、その場にいるという罠にだけはハマらないように。とにかく先に足を跨いでいきます」
──UFCという場にきて、このヴェラの戦い方は一発こそあっても安定した結果を残せるスタイルではないと思います。
「そうですね」
──と同時にデビュー戦ということもあり、凄まじい集中力で挑んでくるのではないかという怖さもあります。
「ハイ……多分、そうですね。凄い集中力でピークを創ってくるんじゃないかと思っています。でも、バッチリです。大丈夫です。その自信もあります」
──世界中のファンに、何を見せたいですか。
「ちゃんとフィニッシュしきる姿を見せたいです。本当に見せたいです。前回の試合で、まだまだこういうMMAをしたいという課題がいっぱい見つかったんで。パウンドでしっかり削って、フィニッシュする。もしくはスタンドで決める可能性もプランとして全然あるので。中村、ついに本格的に自力をつけてきたなと思われる試合をしたいです」
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