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MIKE MMA ONE WNO11 ウィリアム・タケット クレイグ・ジョーンズ グレース・ガンドラム ケイド・ルオトロ ケネディ・マシエル ジオ・マルチネス タイ・ルオトロ ダンテ・リオン マイキー・ムスメシ マイサ・バストス ロベルト・ヒメネス

【WNO11】2021年、組み技の祭典。No-P&Sub Onlyの頂点が決まる5階級8人制Two DaysT開催!!

【写真】タイ・ルオトロ、ラミレス、ガルバォン、そしてジョーンズ。ノーポイント&サブオンリーの頂点が決まる (C)/WNO

ADCC世界大会が延期された2021年、グラップリング界をリードしているWho’s Number Oneが、9月25日(土)と26日(日)の2日間に渡り5階級の8人制チャンピオンシップ・トーナメントを開催し、女子ストロー級、ライト級及びミドル級のランナップが既に明らかとなっている。

2年に1度開催のADCC世界大会は16名参加で男女7階級と無差別級の9人の世界チャンピオンを輩出しているが、コロナパンデミックで1年延期されることが決まっている。

この間のグラップリングの盛り上がりが反映し、かつ8人制Tの実施により、精鋭が揃うという見方ができるロースターが階級ごとに発表が始めっている。


ミドル級は──クレイグ・ジョーンズ、タイ・ルオトロ、アンドリュー・ウィルツ、ウィリアム・タケット、ロベルト・ヒメネス、ジョン・ブランク、ダンテ・リオン、ミカ・ガルバォンの8名だ。まさに豪華絢爛、道着の実績でなくノーギで選ばれた8人のグラップラーといえる。

ライト級では──マイキー・ムスメシ、ケイド・ルオトロ、ジオ・マルチネス、ディエゴ・オリヴェイラ、コール・アベート、イーサン・クレリステン、ジョシュア・シスネロス、ケネディ・マシエルがリストアップされた。

圧倒的な存在感を誇るのが、道着から本格的にノーギに活躍の場を移したマイキーであることは間違いない。

この階級はADCCの66キロと77キロの中間、道着と並行して活躍してきた選手も少なくないだけに、ミドル級と比較するとビッグネーム感に欠けるきらいもある。が、その分AOJの青帯で16歳のアベートを筆頭に若い選手が目立っている。

マイサ・バストス、ダニエル・ケリー、ジェッサ・カーン、トゥディ・アレキン、グレース・ガンドラム、アレックス・グエン、ジェシカ・クラン、タミー・ムスメシの8人の参加が決まった女子ストロー級トーナメント。

2019年ムンジアル女子ルースター級王者でEBI女子ストロー級Tを制しているバストスと筆頭にムスメシ姉が大舞台に復帰、エレクトリックチェアーの王女ガンドラムらと粒揃いの女子グラップラーが集まっている。情勢が許すことはなかったのだろうが、バストスやケリー、そしてガンドラムというライバルや過去に対戦経験のある湯浅麗歌子の名前は見たかったのは偽らざるところだ。

とはいえ、これぞ2021年のグラップリング界の頂点を決めるワールド・ザ・ベスト決定戦といっても過言ないTwo Daysトーナメント、他の階級の出場選手のアナウンスが待たれる──組み技の祭典だ。

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MMA Report WNO10 クレイグ・ジョーンズ タイ・ルオトロ ブログ

【WNO10】上でも強いんです──クレイグ・ジョーンズが、タイ・ルオトロに盤石のチップゲームで勝利

【写真】ビクトル投げからヒザ十字、何でもできる (C)MIKE CALIMBAS/WNO

18日(金・現地時間)、テキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンにてWNO 10が開催された。
Text by Isamu Horiuchi

レビュー最終回はメインイベント、クレイグ・ジョーンズ✖タイ・ルオトロの一戦──ジョーンズがトップゲームで強さを見せた試合の模様をお届けしたい。


<ノーギ200ポンド契約/15分1R>
クレイグ・ジョーンズ(豪州)
Def. 3-0
タイ・ルオトロ(米国)

タイが徐々にウェイトアップしているとはいえ、10キロほどの体重差がある両者の戦い。試合開始後、ジョーンズはいつものように引き込むことはせず、タイと首を取り合い、足を飛ばしてスタンドの攻防を挑む。

やがてタイの左腕を両腕で掴んで体を寄せたジョーンズは内股を仕掛け、バランスを崩したタイの背中に素早く付く。

タイはすぐに前転するが、ジョーンズは重心を低くしてそこからのスクランブルを許さず、タイの背中をマットにつけさせてバタフライガードの中に入った。

腕を伸ばして距離を作りたいタイだが、ジョーンズは低く体重をかけて密着。タイはバタフライフックでジョーンズの右足を浮かせると、外掛けで絡んでの足関節狙いへ。いつもは下から足関節を狙うジョーンズが上を取り、普段は決して下にステイせずに上攻め専門のタイが下から足関節を仕掛けるという、通常とは逆の光景が展開されている。が、望まない攻防を強制されているのはタイの方だ。

足関節の攻防はお手のもののジョーンズは難なく足を抜くと、その後もバランスをキープする。

さらに上半身を低く密着させボディロック作ったジョーンズは、左にステップオーバーしてタイの右足を超えてパスガードを決めた。このボディロックパスは、足関節技やバタフライからの仕掛けと並ぶダハナー一門の得意パターンだ。

(C)CLAYTON JONES

が、次の瞬間タイは自らの左腕で左脚をフックして三角絞めのように下から締めるバギーチョーク狙いへ。

嫌がるジョーンズはタイの口を手で塞ぎ、さらに顔面を前腕で圧迫してディフェンス。そこでスペースができたところで、タイはバタフライガードに戻してみせた。

その後もタイが下からジョーンズを浮かそうと試みるが、体格に勝るジョーンズが密着し続ける展開が続く。タイは両足でジョーンズの鼠蹊部を蹴って距離を作って立とうとするが、ジョーンズはそれも許さない。さらにタイはデラヒーバフットロックや内回りを仕掛けるが、その度にジョーンズは容易くディフェンスをして上をキープする。

それでも、ついにバタフライでジョーンズのバランスを崩したタイは、両腕を伸ばしてジョーンズのワキを押して隙間を作って立つ。

追いかけるジョーンズを振りほどいたタイは、残り8分の時点でついにスタンドに戻ることに成功した。スタンドでタイはジョーンズの右足に触れてから、両差しをとる。が、ジョーンズはオーバーフックから内股へ。

タイが堪えると、ジョーンズはそのまま前転してビクトル投げに移行する。左足をワキに挟むと強烈なヒザ十字を仕掛けたジョーンズだが、タイは角度をずらしてみせた。

そこからジョーンズは50/50の体勢を作って必殺のヒールを狙ってゆく。最大のピンチを迎えたと思われたタイだが、捕らえられている左足を深く伸ばして防御する。

その後もジョーンズがフックを作ろうと動くたびに、タイは先に左に回転してそれを許さない。やがてジョーンズは自ら足の絡みを解き、上を選択した。

またしても下を余儀なくされたタイは下から浮かせたり、フレームを作って距離を作ろうとするが、ジョーンズは重心を低く保ってバランスキープし、やがて体を巧みにずらして再びボディロックへ。

ここでも下からのバギーチョークで抵抗するタイだが、ジョーンズは上から前腕でタイの顔を圧迫する。

やがてハーフに入ったジョーンズは、頭をタイの右ワキにこじ入れると、右腕で枕を作ってグリップを作り、右肩でタイの首を強烈に圧迫してゆく。続いて腰を切ったジョーンズは、タイの両足を重ねて潰すことに成功する。再びパスガードかと思いきや、タイは下から動いて体をずらしてエスケープ。

ジョーンズの右足に下から外掛けで絡んでゆく。が、ジョーンズはその絡みを難なく外して上をキープした。

その後もタイは下から足関節やスイープを仕掛けるものの、体重で勝り足関節の攻防を熟知しているジョーンズには通じず。結局ジョーンズが上をキープしたまま時間切れとなった。

判定は3-0でジョーンズに。笑顔でタイと健闘を称えあったジョーンズは、タイのセコンドにして、チームメイトのゴードン・ライアンと因縁のあるアトス総帥のアンドレ・ガルバォンとも笑顔で挨拶を交わした。

試合後のインタビューでジョーンズは、普段と違って上からの戦いを選択したことについて聞かれ、「いやあ、試合前にキミらが『クレイグは引き込む』、『あいつがやることは予想できる』って言いまくるから、『じゃあ違うことやってやるぜ!』って思ったんだよ。まあ俺たちはいつも全ての局面を練習し、ウェルラウンデットな選手を目指している。だからどんな体勢でも戦えるんだ。バキーチョークはちょっとヤバかったけど、ああいう技にはこっちも大袈裟なくらいにディフェンスするもんだ。だってあんな技で極められちまったら赤っ恥だろ。一番フィニッシュに近かったのは、(自分が仕掛けた)ヒザ十字だよ」と語った。

自身の一番得意な形をあえて使わず、相手に不得手なボトムでの戦いを余儀なくさせたジョーンズ。足関節だけではなく、スタンドでの内股からのテイクダウンと強力なトップゲームを披露し、引き出しの広さを見せつけた。このジョーンズの戦いは、一芸に秀でるだけでなく、全ての面で強いウェルラウンデッドであることの重要性を改めて教えてくれるものだった。

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MMA ONE WNO10 クレイグ・ジョーンズ タイ・ルオトロ ニッキー・ライアン ルイス・パンザ

【WNO10】クレイグ・ジョーンズ✖タイ・ルオトロ。ストップ・ザ・ダナハー流足関は、ベリンボロ?!

【写真】この形にさせないこと、それがルオトロの勝利への道だ(C)MIKE CALIMBAS/WNO

18日(金・現地時間)、テキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンにてWNO 10が開催される。レビュー第2弾はクレイグ・ジョーンズ✖タイ・ルオトロの一戦を深掘りしたい。
Text by Isamu Horiuchi

4月のWNO 08で実現予定だったものの、ジョーンズの欠場によって流れた一戦が実現する。最大の焦点は、足関節技をめぐる攻防だろう。


ラクラン・ジャイルズ、ジョン・ダナハーという世界が誇る二大足関節理論家から学んだジョーンズは、2月のWNO 06でホナウド・ジュニオールを、そして5月のWNO 09では、IBJJF系の足関節師ルイス・パンザを必殺の内ヒールで秒殺。その切れ味をまざまざと見せつけて復活を遂げている。

しかし今回の相手タイ・ルオトロは、近年猛威を振るう足関節技への対策において最先端を行く選手といえる。昨年ニッキー・ライアンの足関節を素早く対処して潰し、レッグドラッグでパスを奪って完勝したタイは、WNO 08ではジョーンズの代役にして、同じく足関節技を得意とするウィリアム・タケットと対戦した際も足関節を完封している。

その方法が、上から飛び込んでのベリンボロを駆使してタケットの足関節を潰すというもの。ここからパスの連続攻撃でタケットの足を何度も超えて完勝して見せた。

注目すべきは、同日にタイの双子の兄弟のケイドもまた、ジョーンズと同門のイサン・クレリンステン相手に完勝していることだ。

タイ同様に上から飛び込んでのベリンボロでクレリンステンの足関節技を封じ込めたケイドは、さらにクレリンステンがバタフライガードから足を抱えにきたところに、逆にダースチョークを極めて完勝。この日のルオトロ兄弟は、ダナハー一門の十八番であるバタフライガードからの崩しや足関節の仕掛けに対し、きわめて完成度の高いカウンターで上を行った。

このルオトロ兄弟流の足関節対処は、体格・実績で大きく上回るジョーンズにも通用するのか。またジョーンズは、たとえ足関節を封じられても精度の高いバックテイクや強烈な三角絞め等の極め技を持ち合わせている。常にサブミッションを狙うジョーンズと、相手が疲弊するまでノンストップでパスを狙ってゆくタイの戦いは、世界最高峰、最先端のエキサイティングな攻防になることは間違いないだろう。

■視聴方法(予定)
6月19日(土・日本時間)
午前9時00分~ FloGappling

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JJ Globo Preview WNO10 クレイグ・ジョーンズ タイ・ルオトロ ハイサム・リダ ブログ マイキー・ムスメシ ミカエル・ガルバォン ミカ・ペルハヴェッツ

【WNO10】クレイグ✖ルオトロ、マイキー&ミカ出場のWNOで、ハイサムがキーナンの愛弟子と対戦

【写真】F2WからWNOプレリミ、今回の試合を勝利してWNOメインカードに進出し名実ともに北米トップグラップラーの仲間入りを果たしたい(C)F2W

18日(金・現地時間)、テキサス州オースティンのJWマリオット・オースティンにてWNO 10が開催される。
Text by Isamu Horiuchi

今やワンマッチのプログラップリングイベントとして世界最高峰といえる同大会だが、今回もクレイグ・ジョーンズ✖タイ・ルオトロ、マイキー・ムスメシ✖ジュニー・オカシオという注目度の高い試合が組まれている。

さらには先のEUG02で組み技の世界を震撼させたといっても過言でないミカエル・ガルバォンがオリバー・タザと対戦するなど、豪華なだけでなく試合内容を予想するだけで、スリリングでたまらない顔合わせが揃ったといえよう。そんなWNO10にハイサム・リダが、5月大会に続き出場する。


スローン・クライマー戦の完勝を経て、当初の予定ではキーナン・コーネリアスという大物とメインカードで対戦という大抜擢を受けていたハイサムだが、そのキーナンが背中の負傷により欠場としてしまう。

結果、キーナンの愛弟子ミカ・ペルハヴェッツに対戦相手が変更され、またもプレリミ出場になってしまった。

残念すぎるキーナンの欠場だが、ペルハヴェッツは全くもって楽観できる相手ではない。ペルハヴェッツはバルカン諸国スロヴェニア出身で柔道をバックグラウンドに持ち、3カ月前にキーナンから黒帯を授与された。以前からヨーロッパのグラップリングシーンを印象的な活躍をしてきたペルハヴェッツは、英国のノーポイント&サブオンリー大会=Polarisでこれまでに3勝1敗というレコードを持っている。

唯一敗れたリッチー・ブギーマン・マルティネス戦も序盤に豪快な大腰で一本勝ち相当の投げでマットに叩きつけて場内を沸かせているなど、ポラリスでの活躍からも彼が欧州のトップレベルにあることは間違いない。。

跳びつき腕十字で秒殺勝利を挙げたことをあり、強烈な極めも持っているペルハヴェッツは、ハイサムとしては決して油断のできない猛者だ。それでもハイサムとして、ペルハヴェッツを相手にしっかりと勝利し、師匠キーナン・コーネリアスを引きずり出したい。

■視聴方法(予定)
6月19日(土・日本時間)、
午前9時00分~ FloGappling

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JJ Globo Report WNO08  ケイリン・メデイロス ウィリアム・タケット タイ・ルオトロ ブログ

【WNO08】タイ・ルオトロ強し。代役タケットをポジションで圧倒──クレイグ・ジョーンズ戦に自信!!

4月30日(金・現地時間)、テキサス州オースチンのJWマリオットで、限定有観客大会として開催されたWNO 08。

レビュー第5回はケイドに続きコ・メインに登場した──ルオトロ兄弟のタイとクレイグ・ジョーンズの代役ウィリアム・タケットとの10代対決の模様をお届けしたい。
Text by Isamu Horiuchi


<185ポンド/15分1R>
タイ・ルオトロ(米国)
Def. by 3-0
ウィリアム・タケット(米国)

スタンドで首を抱え合う2人。タイがアームドラッグから小外刈りでタケットを豪快に舞わすが、タケットもすぐに立ち上がる。

引き込んだタケットがシッティングガードを取ると、タイは右で迅速のニースライスへ。タケットはすかさず距離を作って正対するも、タイがもう一度ニースライスを仕掛ける。

タケットはそのヒザに左腕をねじ込み、両足を絡めてヒザ固めへ。タイが足を押し除けて右足を伸ばし、タケットはすかさず外掛けに。さらにヒールを狙うがタイはすぐに回転して取らせない。

やがてタイはタケットの左足のフックを外しながら立ち上がると、自らマットに倒れ込みながら、タケットの背中とマットの間に入り込んでのバック狙いに。背後からたすきを取るが、タケットは体をずらして脱出する。

下になったタケットは再びタイの右足に絡もうとするが、タイもすぐに上から飛び込んでバック狙い。タケットはまたしても体をずらして逃げた。

攻撃の手を休めないタイは、さらに右ヒザでニースライスへ。タケットはタイの右ワキを差して立ち上がると、ボディロックからリバーサルに成功した。さらに低く体重をかけて右足を越えようとするタケット。が、タイはすかさず距離を取って立ち上がった。

また引き込んだタケット。タイが今度は左右にパスを仕掛けてゆくが、インヴァーテッドで対応するタケットは、下からタイの右足を捉えて内掛けで絡む。タイが極めさせないように回転すると、タケットは組み方を外掛けに変化。そこからヒールを狙うが、タイはその動きを察知していたかのようにすぐにダイブして回転し、足を抜いてみせた。

その後もタイはタケットの足首を抑えて左右にパスを仕掛け、タケットが対応すると右のニースライス。ヒザのシールドと腕のフレームでタケットが守る。

7分過ぎ。タイは右のニースライスと同時に左足を大きくサイドにステップオーバーし、一瞬でサイドに。と思いきや、次の瞬間その左足をステップオーバーで戻し、マウントまで奪取する。上からプレッシャーをかけ続けたタイが、一瞬の早技で制圧に成功した。

体勢を低くしてタケットにぴったりと密着したタイは、自らの両腕を用いてタケットの両ワキを開けさせ、肩固めや左腕へのアメリカーナ狙いへ。タケットがしぶとく守ると、タイは右のニーオンザベリーに移行。さらにサイドに移行したところで、タケットが隙間を作って正対に戻すことに成功した。

上のタイは再び右のニースライスを仕掛けると、次は立ってタケットの両足首をコントロールして横にパス。タケットの頭側まで回り、そのまま低く体を預けてあっさり再びパスに成功してみせた。そのままタイはノースサウスチョークを狙うが、タケットが耐える。ならばとタイはニーオンザベリーに移行してダースを狙うものの、ここもタケットは距離を作って凌いで正対する。

俄然優勢のタイは、またしてもパスのプレッシャーをかけてゆく。タケットはその右足に絡もうとするが、タイは低く体重を預けてそれを潰し、上からベースボールチョークで首を圧迫する。それを凌いだタケットは再び下から外掛けを作るが、タイはここでまたしてもダイブしてのベリンボロ流のバックテイク。そのままトラックポジションからバックを奪ってみせた。

さらにバックからのチョークを狙うタイだが、タケットは体をずらす。残り1 分のところで再びマウントを奪ったタイは、ギロチン狙いから再びワキをあけさせに。タケットが簡単には諦めず時間が足りないと見るや、ヒール狙いに切り替えるタイ。それを逃げられると再び上から飛び込んでのバック狙いへ。それを逃げたタケットが逆に足を狙ったところで、試合は終了した。

判定は当然3-0でタイに。クレリンステンに一本勝ちした双子の兄弟ケイド同様、上から飛び込んでのベリンボロを駆使することで、タケットの足関節を完全に封じ込めてカウンターのバックを奪取。さらに絶え間なく仕掛け続けるパスの連続攻撃で、タケットの足を何度も超えての完勝だった。

試合後のインタビューで、当初はクレイグ・ジョーンズと対戦予定だったことに関して「今回対戦相手が変わっても、あまりゲームプランは変わらなかったよ。クレイグとウィリアムの戦い方は似ているから。たくさんパスを仕掛けて、足関節を防いでってね。クレイグには早く治ってほしいね。今日の試合で見せたのと、同じことをやってやるつもりだから」と堂々のコメントを残す。

階級上のタケットとのゴールデン・ティーンネイジャー決戦で、予想を超えた力の差を見せつけたタイ。さらに大きな体格差があり不利は否めないと予想されたクレイグ・ジョーンズとの対戦が改めて実現したとしても、十分に勝機があるのではないかと思わせるような圧巻のパフォーマンスだった。

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JJ Globo Preview WNO08 ウィリアム・タケット タイ・ルオトロ ブログ

【WNO08】クレイグ欠場で、ゴールデン・ティーンエイジャー対決=タイ・ルオトロ✖タケットが実現

【写真】10代グラップラーの台頭が目覚ましい北米組技界を代表するルオトロ兄弟が、同世代とトップの舞台で戦う。考えてみると恐ろしいことだ(C)SATOSHI NARITA

30日(金・現地時間)、テキサス州オースチンのJWマリオットで、制限を設けた有観客大会として開催されるWNO 08。

純粋にプログラップリングイベントとしてプレリミアム感を醸し出し、注目のカードが数多く見られる同大会──ここではクレイグ・ジョーンズ欠場で実現するウィリアム・タケット✖タイ・ルオトロ戦の見所を紹介したい。
Text by Isamu Horiuchi


<ノーギ/15分1R>
ウィリアム・タケット(米国)
タイ・ルオトロ(米国)

(C)F2W

クレイグ・ジョーンズの負傷欠場により、急遽代打としてルオトロの相手に名乗りを上げたのはウィリアム・タケット。

この変更によってメインからセミに降格してしまったが、体格差のある当初のカードよりもむしろ勝負論は増しており、今大会最注目のカードと言える。

19歳のタケットは、F2Wを中心に毎月のように北米の組技イベントのメインに登場するグラップリング界のニュースターだ。とにかく積極的に極めを狙うスタイルを身上とし、特に3月のF2W166でマニュエル・ヒバマーをカニバサミからのヒールで秒殺した試合は見事の一言に尽きた。

4月の3CGでは、最重量級の実力者ヴィクトー・ウゴにOTで敗れたものの、シングルレッグで先制点を奪って見せている。そして先週のF2W 171ではヴァグネウ・ホシャと対戦。ホシャのトップからのプレッシャーに下からの仕掛けで対抗したタケットは、試合後半には内ヒールを極めかける場面を作った。試合終了寸前にはホシャのニースライスパスでヒザを抜きかけられたが、守り抜いて試合終了。

F2Wの判定基準が「深く入ったサブミッションの仕掛け」を最重要視するものなので勝利は堅いと思われたタケットだが、地元のホシャへの大声援にジャッジが惑わされたせいか、1-2の判定負け。

それでも、中重量級の世界トップの一角であるホシャと互角に渡り合う実力を証明した。そして今回、なんと今月3度目のメジャーグラップリング大会登場だ。

対するタイ・ルオトロは現在18歳。双子の兄弟であるケイドと共にアトス新世代を代表するグラップラーとして幼少時から脚光を浴びていた。そして2019年のADCC世界大会66キロ以下級に弱冠16歳で参戦。無尽蔵のスタミナをもってノンストップにパスを仕掛け続ける戦いぶりで、大先輩のブルーノ・フラザトとパブロ・マントヴァーニに連勝して4位入賞し、世界にその名を知らしめた。

その後もタイはさまざまなプログラップリングイベントで活躍。なかでも出色は昨年のWNOにおけるニッキー・ライアン戦だ。ニッキーの下からの足関節の仕掛けに素早く対処したタイは、後半にはニッキーの両足をレッグドラッグで潰してのパスを2度決めて完勝している。

下からも上からも極めにゆくタケットと、もっぱらトップからのパスの波状攻撃を身上とし、下になったらすぐさまスクランブルで上を取り返すタイ。新世代グラップリングを象徴するノンストップバトルが繰り広げられるのは間違いないこの10代対決、動き勝つのはどちらか。

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JJ Globo News WNO08 クレイグ・ジョーンズ グレース・ガンドラム ジェッサ・カーン ジルベウト・ドゥリーニョ タイ・ルオトロ デヴィッド・ガルモ ハイサム・リダ ブログ ラファエル・ロバトJr

【WNO08】ギャビでなくタイ・ルオトロ✖クレイグ。ロバトJr×ドゥリーニョ、AOJ✖10thPlanet女子対決も

【写真】2019年9月のADCCにおけるクレイグとタイ・ルオトロ。同じレフェリーの横に立つと、当時はこれだけ体格差があった……(C)

30日(金・現地時間)に開催されるWNO08のラインナップがほぼ固まっている。

オンライン配信グラップリングが毎週のように開催されるなか、WNOはメインでクレイグ・ジョーンズ✖タイ・ルオトロ、コ・メインでラファエル・ロバトJr✖ジルベルト・ドゥリーニョ・バーンズなど、スペシャル感のあるマッチアップが用意されている。


ギャビ・ガルシアとの道場マッチばかりが話題のクレイグだが、2021年はまだWNOでホナウド・ジュニオールを内ヒールで破った試合しか実戦経験がなく、今回の試合が2戦目となる。

対してタイ・ルオトロは2021年になって初めてプログラップリング大会への出場となる。2019年のADCCでは66キロ級で注目を集めたルオトロだが、その後は160ポンドや170ポンドで試合をすることが多く、今回のクレイグ戦ではついに200ポンドとADCC時代と比べ25キロも違う体重リミットで戦うことになる。

ロバトJrは元Bellator世界ミドル級王者で、ドゥリーニョはUFC世界ウェルター級タイトルコンテンダー。MMAで最も成功を収めたムンジアル優勝者同士の一戦は、ライトヘビー級(205ポンド)で行われる。

女子マッチではグレース・ガンドラムがジェッサ・カーンという非常に興味深いマッチアップも決まった。カーンは2001年10月生まれの20歳のカンボジア系米国人。12歳で柔術を始めAOJに合流し、ギ・メンデスの指導を受け去年の10月に黒帯が巻かれている。

一方のガンドラムは2002年5月生まれの18歳、彼女もまた昨年7月にエディ・ブラボーから黒帯を授けられている。エレクトリックチェアーからの連係を使えば、その柔軟性もあって男子柔術家以上に10thPlanet柔術メソッドを使いこなすガンドラムと、モダン柔術の総本山AOJで鍛え上げられたカーン。両者の対戦は、異文化柔術交流戦となることは間違いない。

これらの試合以外、ついには175ポンドとなったニッキー・ライアンとPJ・バーチ戦、ケイド・ルオトロ、デヴィッド・ガルモが出場するWNO08──YouTubeとFacebookで配信されるプレリミで、ハイサム・リダとスローン・クライマーの対戦も決まっている。

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JJ Globo News WNO05 カイナン・デュアルチ グレース・ガンドラム ケネディ・マシエル ジオ・マルチネス タイ・ルオトロ ダンテ・リオン ブログ ホドウフォ・ヴィエイラ マイサ・バストス ロベルト・ヒメネス ヴァグネウ・ホシャ

【WNO05 】対戦カード Who’s Number ONE グラップリング・ワンマッチ大会、2020年ベストショー

【写真】グラップリング・オールスター戦、コ・メインはジオ・マルチネス✖ケネディ・マシエル──10th Planet✖IBJJF柔術だ(C)SATOSHI NARITA

2020年12月11日(土・現地時間)
WNO05

■視聴方法(予定)
12月12日(土・日本時間)
午前10時00分~Flo Grappling

■ 対戦カード

<ヘビー級/15分1R>
カイナン・デュアルチ(ブラジル)
ホドウフォ・ヴィエイラ(ブラジル)

<150ポンド契約/15分1R>
ジオ・マルチネス(ブラジル)
ケネディ・マシエル(ブラジル)

<女子ストロー級/15分1R>
グレース・ガンドラム(米国)
マイサ・バストス(ジョージア)

<ミドル級/15分1R>
ダンテ・レオン(ブラジル)
ロベルト・ヒメネス(米国)

<ミドル級/5分3R>
ヴァグネウタイ・ホシャ(ブラジル)
ジョン・ブランク(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
タイ・ルオトロ(米国)
コディ・スティール(米国)

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