カテゴリー
EMC05 Interview other MMA スチュアート・オースチン ブログ 石井慧

【EMC05】ドイツ、デュッセルドルフで戦う石井慧─02─「ケージ際でダーティボクシングを」

【写真】左はロシアのボクサー、アレクサンデル・ポベトキン。元WBA世界ヘビー級王者で、現WBC暫定世界ヘビー級チャンピオンだ (C)SATOSHI ISHII 5日(土・現地時間)。ドイツはデュッセルドルフのUFDジムで開催されるElite MMA Championship05のメインでEMCヘビー級王座を賭けてスチュアート・オースチンと対戦する石井慧インタビュー後編。 ロックダウン期間もミルコ・クロコップのジムでトレーニングを続けてきた石井は、注目度が上昇中のEMCで王座を取り、次へのステップを考えている。そんな石井の前に立ちはだかるスチュアートは、長身のストライカー。石井にとって、ここまでやってきた成果が問われる試合となる。そんなオースチン戦で石井はどのように戦うのかを訊いた。 <石井慧インタビューPart.01はコチラから> ──なるほど国単位ではなくて、地域別の対応があるのですね。陸続きのヨーロッパらしい判断ですね。 「賢いですね。そういう風なやり方で把握できるというのは」 ──ところで石井選手の出場発表があるまでEMCという大会のことは存在自体インプットできていなかったのですが、どのようなポジションの大会だと判断していますか。 「この大会を開いているのが、僕の海外の試合を用意してくれているイヴァン・ディヤコビッチさんなんです。今回は元UFCやBellatorの選手も出場しますし、注目度も高まっている大会なのでここでベルトを獲って次に繋げたいです」 ──無観客大会だと聞いています。 「ハイ、VIPだけ会場で観戦できるみたいです」 ──あぁKSWと同じ方式ですね。 「ハイ。KSWも250人ぐらい、会場にいるみたいです」 ──既に無観客ではないですね(笑)。感染予防対策も当然行われるかと。 「試合前に現地に行ってPCR検査をする感じですね」 ──では対戦相手のスチュアート・オースチンですが、かなり上背があります。 「ハイ、191センチだそうです」 ──こうなるといつも石井選手に対しては、リーチの差、身長差のある相手に真っ向勝負してしまっていた過去が思い出されてしまいます。 「アハハハハ。もうずっと大きな選手とやってきたので、その方がやりやすくなっているというのはあります。頭を振って、相手の攻撃を受けないで自分の攻撃を当てる練習はしてきました。 身長が高いので右アッパー、ヒザ蹴りを注意して、寝技も頭に入れておく必要がありますね。ただ攻撃を被弾して、一気に気持ちが弱くなるようなところがあるので、そこも考えて戦います」 ──どのような試合をしなければいけないと考えていますか。 「そうですね、頭を振って中に入る。ボクシングからテイクダウン、ケージ際でダーティボクシングを有効活用したいです」 ──ベルトを獲って次に繋げたいということですが、その次というのは、どの辺りのステージを考えているのでしょうか。 「11月7日にKSWがザグレブで大会を開く予定でいるので、正式に決まればそこになるかと思います。ただ、ザグレブで大会を開くことができるかどうか分からないんです。 ザグレブ大会はゲート収入に重きを置いているので、無観客ではできないみたいです。だから無観客ならポーランドで無観客大会を開くようです」 ──なるほど、KSWでの石井選手にも期待大ですが、まずは土曜日のEMCでチャンピオンになることですね。 「そうですね。しっかりと戦います。いつもありがとうございます」
■EMC05対戦カード <EMCヘビー級王座決定戦/5分5R> 石井慧(クロアチア) スチュアート・オースチン(英国) <ウェルター級T準決勝/5分3R> イスマイル・ナウディエフ(オーストリア) ティモテウス・ロパチェク(ポーランド) <ウェルター級T準決勝/5分3R> パヴェル・クシュ(ウクライナ) アミラン・ゴゴラゼ(ジョージア) <ヘビー級/5分3R> エルコ・ユン(ボスニア・ヘルツェゴビナ) ダミアン・オルシェフスキ(ポーランド) <ヘビー級/5分3R> カシム・アラス(ドイツ) サシャ・ミリンコヴィッチ(クロアチア) <ウェルター級/5分3R> コンラッド・ディルシュカ(ドイツ) ウォルタル・プリエジ(イタリア) <女子バンタム級/5分3R> サラ・ルザー・スマジッチ(クロアチア) ケイリー・フォス(オランダ) <フェザー級/5分3R> パルカル・ヒンツェン(ドイツ) セッド・アイディ(ドイツ) <ライト級/5分3R> イブラヒム・チョロ(ドイツ) トビアス・アイリッツ(ドイツ)
カテゴリー
EMC05 Interview スチュアート・オースチン ブログ 石井慧

【EMC05】ドイツ、デュッセルドルフで戦い石井慧─01─「HEATと連続で戦うつもりでいました」

【写真】盟友サシャ・ミリンコヴィッチもEMC05に出場し、ドイツのカシム・アラスと対戦する (C)SATOSHI ISHII

5日(土・現地時間)。ドイツはデュッセルドルフのUFCジムで一部VIPのみが観戦できるクローズド大会として開催されるElite MMA Championship05。

同大会のメインで初代EMCヘビー級王座決定戦で、石井慧がBELLATORベテランでBAMMAのチャンピオンだったスチュアート・オースチンと対戦する。

EMCはUFDジムのオーナーであるクロアチア人のイヴァン&トミ・ディヤコビッチ兄弟がプロモートする大会で、KSWウェルター級王者ロベルト・ソルディッチらクロアチア人ファイターのメネージメントも手掛けている。

石井もイヴァン・ディヤコビッチのマネージメント契約を結んでおり、今大会の出場が決まった。3月以降、欧州で爆発的な感染拡大が見られたCovid19だが、クロアチアはどのような状況だったのか。そして、そのなかでドイツで戦う心境について石井に話を訊いた。


──3月に新型コロナウィルスの感染がアドリア海を隔てた対岸にあるイタリアから欧州全体に拡大していきました。クロアチアはどのような状況なのでしょうか。

「クロアチアでは3月からロックダウンがあり、国境も封鎖されました。5月の中旬までそういう状況で、スーパーに行くのも必要最低限の回数だけに限定されて、皆がマスクだけでなく手袋もつけていましたね。

でもザグレブの皆は規律正しく国の方針に従っていました。その成果もあり、感染者数はかなり減少していたのですが、クロアチアは観光大国なので7月のバカンス・シーズンになると国境封鎖を解いて、色々な国から人が来るようになったのでまた感染者数は増えてきています」

<※9月2日午前の時点で、クロアチア国内の新型コロナウィルスの累計感染者数は10725名(前日比+311)、累計治癒者数は7968名(同+233)、累計死者数は191名(同+4)で、175346(+4122)の検査実績がある>

──クロアチアの人達の感染への意識はどのような感じなのでしょうか。

「今はお年寄りや持病のある人が亡くなることが多いという認識で、ロックダウンの時でサグレブでは1日の感染者数は30人ぐらいでした。感染が疑われる人が決められた病院に行くという感じで、だから僕もPCR検査をしたことはないです。

今も公共交通を使ったり、スーパーとかお店に入ったり、接客のあるお店に行くときはマスクをつけることがルールになっていますけど、南の方の観光地とか感染者が増えている状況は変わらないです」

──経済活動を再開したら、どこの国もそうなりますね。

「ハイ。1度、2カ月ほどロックダウンがあったので、もう政府がロックダウンをしても、皆は従えないような状況かと思います」

──では石井選手自身、ロックダウン中のトレーニングの方は?

「僕は練習しているのがミルコのジムなので、プライベートジムだからプロが集まって普通にやっていました。スポーツジムとか、一般の人が集まるジムはロックダウン中は閉められていましたけど」

──そのようななか、今回の試合はいつ頃に決まったのでしょうか。

「5月の中旬……ロックダウンが明けて、古傷の手術をしたのですが、そのあとに今回の試合の話があり復帰戦にしようと決めました」

──手術をしてから、練習再開までどれぐらい時間を要したのですか。

「手術が終わってから、もう10日後には始めていましたね」

──当初9月13日のHEAT東京タワー大会で、石井選手の名前も出場予定選手で見ることができました。

「ハイ。僕はドイツの試合に出て、HEATと2連戦で戦おうと思っていたんです」

──えぇ……5日にドイツで試合をして、13日に日本で戦うつもりだったのですか!!

「それも良い経験になるだろうって。でも、日本に行くと指定の場所で2週間の隔離とかあるようで。HEATの方も、またその方針がいつ、どう変わるか分からないという状況でややこしかったので、ドイツの試合に集中することにしたんです」

──クロアチアからドイツへ行くのは、隔離政策とかはないのでしょうか。

「クロアチアとしても僕が住んでいるザグレブと、感染者が多い南の方は状況が違うので。南のアドリア海沿岸の街に住んでいる人は隔離されるのですが、ザグレブの人間にはそういう処置はないんです」

<この項、続く>

カテゴリー
EMC05 News other MMA スチュアート・オースチン ブログ 石井慧

【EMC05】ドイツのElite MMA Championshipで石井慧がヘビー級王座決定戦に出場

【写真】石井とオースチン、ドイツの大会のヘビー級王座を争う(C) MMAPLANET&BELLATOR

24日(月・現地時間)、EMC=Elite MMA Championshipより9月5日(土・同)にドイツはデュッセルドルフで開催されるEMC05のメインに石井慧が出場し、スチュアート・オースチンと初代EMCヘビー級王座決定戦を戦うことが発表された。

EMCはデュッセルドルフにあるUFDジムのオーナーであるクロアチア人のイヴァン&トミ・ディヤコビッチ兄弟がプロモートする大会で2017年2月に活動を開始した。


ディヤコビッチ兄弟はMMAの指導者であり、KSWウェルター級王者ロベルト・ソルディッチや同バンタム級王者アントゥン・ラジッチ、UFCファイターのダービッド・ザワダ、PFLで活躍したアブススピアン・マゴメドフのマネージメントもしている。

そんなディヤコビッチ兄弟はドイツとクロアチアMMA界の架け橋であるばかりか、EMCではドイツ人ファイターは当然として、クロアチアに留まらずバルカン半島、その向かいのイベリア半島、さらにポーランドや東欧のファイターを招聘し大会を開いてきた。

今大会もメインでクロアチア国籍を取得している石井が元BellatorファイターでBAMMAではヘビー級王者となり、南アフリカのEFCではライトヘビー級王座に挑戦経験のあるオースチンとヘビー級王座を賭けて戦うこととなった。

セミではドイツMMA界の新鋭、10勝1敗のコンラッド・ディルシュカがベラトール・イタリア大会の常連ウォルタル・プリエジと対戦し、KSWで活躍するエルコ・ユンも出場。EMCで今回の大会を「4度の小さな大会を経てヨーロッパで認知度を上げたドイツ拠点のプロモーションにとって最大のショーであり、2021年に向けて正しいステップを踏む大会となる」としている。