【写真】まさに泰然自若。UFCデビューを前にしても緊張はまるで感じられなかった木下は、UFCジッターの心配もないか(C)MMAPLANET
4日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFN218:UFN on ESPN+76「Lewis vs Spivak」が開催され、日本の木下憂朔がオクタゴンデビューを果たす。
昨年8月のコンテンダーシリーズでジョゼ・エンヒッキを衝撃的なKOで破り、ダナ・ホワイトに大絶賛された木下が、アダム・ヒューギットを相手にいよいよ最高峰の舞台に立つ。11月から2カ月半、木下はフロリダのキルクリフCFに合流し心身ともに世界に挑む状態を創ってきた。浪速のワンダーボーイに試合前の心境を尋ねた。
──いよいよUFCデビュー戦が迫ってきました。今の心境を教えてくださいと尋ねても、「普通ッスね」という返答が予想される木下選手です。
「いやぁ……『う~ん』って感じですね。『早く試合がしたいな』って」
──それはワクワク感ですか。
「色々なことを含めて、全部ッスかね。早くゆっくりしたい。早く試合をしたい。今の期間って、一番楽しくないんで。減量があって、ろくに練習もできないからファイターとして面白くない時間なんですよ。だから、早く試合がしたいですね」
──その気持ちは、これまで通りですか。それとも強く感じることなのでしょうか。
「そこは同じなんですけど、楽しみはいつもより大きいです。ようやくスタートを切ることができるので」
──昨年11月からフロリダ、キルクリフFCで練習をしてきました。
「ハイ、2カ月半ほどですね。一旦ビザを取りに日本に帰国して、そのままラスベガスに直接入りました」
──では最終調整は日本で行ったと?
「ほぼほぼ、そんな感じですね。10日間ほど日本にいたので。でもセコンドには佐藤(天)さんとヘンリー(フーフト)についてもらいます。今日も佐藤さんと一緒にPIに行っていました」
──ではキルクリフFCでの生活を振り返ってもらえますか。
「超充実していましたね。やっぱり施設が違いますし、コーチが教えてくれる。何より人が多いので、そこが一番大きいですね。皆、上を目指して真剣に取り組んでいるので温度差がでないです。そんなつもりはないですけど、一瞬たりとも気が抜けない──と思えるような環境ですね。やっぱり聞いているだけなのと、実際に行ってみるのとでは違いました」
──特に中量級は充実しています。どのよう選手と汗をかいてきましたか。
「ベラトールのローガン・ストーリーとかジェイソン・ジャクソン、同じ日にベラトールで試合をするムハメド・ベルハモフともよく練習をしました。色々な選手と練習しているんですけど、相手がサウスポーなので佐藤さんとムハメドとよく練習していましたね」
──技術力の差が話題になるようになりましたが、その点はいかがでしたか。
「細かいですね、米国の方が。ちゃんとディティールとノウハウがあっての組み技なので。打撃はそんなに変わらないですけど、レスリングは全然レベルが高いですね」
──佐藤選手が「契約更新できれば、凄く強い選手になる」と期待していました。
「有難いですね。そう言って貰えて。まだ僕はそんなに強い選手ではないのですが、更新まで2年ぐらいあると考えると……このままいけば、僕も良い選手になれるんとちゃうかなって思っています。打撃は張れますけど、組み技はメチャクチャやられています。だからこそ、今の自分がどれぐらいなのかもキルクリフFCで分かりました。
同時にそのキルクリフFCで何をすれば選手としてレベルが上がるのかも分かりましたし、あとは僕が頑張るだけです」
──水曜日朝のレスリングクラスは、意識の高いキルクリフFCにあっても若干、参加人数が減ります(笑)。
「なんか、そこから日を重ねると人数が減っていくんですよ(笑)。週末に試合があることも関係しているでしょうけど。それも分かりやすいですね。まぁ、練習は全体的にハードです。そんなに時間は長くはないですけど、濃い練習をしているのでしんどいですね」
──では対戦相手のアダム・ヒューギットですが──サウスポーという言葉もありましたが、オーソでも構えてスイッチをしてくることもあるかと。
「そうですか、そこはあんまり気になっていなかったです。直近の試合を見たんですけど、基本サウスポーだったので。印象は蹴って来る手足の長いヤツみたいやなって。まぁ、全然行けるかなぁって思っています。ここは行かんとアカンところですね。UFCに出ているので強い選手やと思いますけど、ここで負けていると先はないかなって」
──荒くてアグレッシブ。そして前後移動が中心。木下選手としては、得意な相手ではないかと。
「その通りです(笑)。カウンターを当てる。そこはメチャクチャ思い描いています」
──勝利に向けて、ビジョンは描けていると思いますが、どのような戦いをしようと考えていますか。
「やっぱ前回の試合以上のインパクトを残す試合。ここはちょっと魅せないと、世界デビュー戦なんで。名前をバチっと上げる試合をしようと思います」
──メインカードですし。
「そうですね、ラッキーですね。ただ『やるぞっ!!』と思っていても、行き過ぎないようにしようという頭はあるので。メンタルをコントロールできるようには、頑張っています。自制しないとミスをしてしまいますからね。こうやって分かっていても、毎試合ミスはありますし」
──そこまで考えているうえで、バシッと決める。それが木下選手ですね。では、改めてUFCデビュー戦を楽しみにしている日本のファンに一言お願いします。
「いつも通りの僕で……あんまり考えてないので、そのままの僕を見てもらいたいです。あと……ボーナスはバチバチ狙っています。空回りさえしなければ、いつも通り倒せます」
■視聴方法(予定)
2月5日(日・日本時間)
正午~ABEMA格闘Ch(プレリミのみ)
正午~UFC FIGHT PASS
■ UFN218対戦カード
<ヘビー級/5分5R>
デリック・ルイス(米国)
セルゲイ・スピヴァク(モルドバ)
<ライトヘビー級/5分3R>
チョン・ダウン(米国)
デヴィン・クラーク(米国)
<ヘビー級/5分3R>
マルチン・ティブラ(ポーランド)
ブラゴイ・イワノフ(ブルガリア)
<フェザー級/5分3R>
チェ・ドゥホ(韓国)
カイル・ネルソン(カナダ)
<ウェルター級/5分3R>
木下憂朔(日本)
アダム・ヒューギット(米国)
<ミドル級/5分3R>
アブドゥル・ラザク(米国)
クラウジオ・ヒベイロ(ブラジル)
<Road to UFCライト級決勝/5分3R>
ジェカ・サラギ(インド)
ジェカ・サラギ(インドネシア)
<Road to UFCフェザー級決勝/5分3R>
イー・チャア(中国)
イ・ジョンヨン(韓国)
<Road to UFCバンタム級決勝/5分3R>
中村倫也(日本)
風間敏臣(日本)
<Road to UFCフライ級決勝/5分3R>
パク・ヒョンソン(韓国)
チェ・スングク(韓国)
<女子フライ級/5分3R>
キム・ジヨン(韓国)
マンディ・ブーム(ドイツ)
<フライ級/5分3R>
平良達郎(日本)
ヘスウ・サントス・アギラー(メキシコ)