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『ONE: Empower』試合結果/女子アトム級ワールドGP準決勝の組み合わせはファン投票で決定

ONE: Empower results: Xiong Jing Nan outpoints Michelle Nicolini to defend title(MMAFighting)
・Xiong Jing Nan def. Michelle Nicolini via unanimous decision
・Seo Hee Ham def. Denice Zamboanga via split decision
・Stamp Fairtex def. Alyona Rassohyna via split decision
・Ritu Phogat def. Meng Bo via unanimous decision
・Itsuki Hirata def. Alyse Anderson via unanimous decision
・Julie Mezabarba def. Mei Yamaguchi via unanimous decision

Kickboxing
・Anissa Meksen def. Cristina Morales via TKO (punches) - Round 2, 2:27

Muay Thai
・Jackie Buntan def. Daniela Lopez via unanimous decision


【One Empower】VV.Mei、メザバルバの強固な制空権を崩せず。ヒザとヒジを受け補欠戦で敗北(MMAPLANET)

【ONE Empower】平田樹、しっかりと投げから抑えアンダーソンを3-0で下し──準決勝へ(MMAPLANET)

【ONE Empower】初回にアッパーでダウン奪われたリトゥ、魂のクシュティ&パウンドで逆転勝ち(MMAPLANET)

【ONE Empower】組みで受けの強さ、寝技で攻めを見せたスタンプがラソヒーナにリベンジ(MMAPLANET)

【ONE Empower】これはもう恐怖判定。ダメージ無し、TD決めたザンボアンガがハム・ソヒに敗れる(MMAPLANET)

【ONE Empower】徹底して組みを警戒、パンチを当てたヂィンナンがニコリニに判定勝ち防衛(MMAPLANET)

 9月3日にシンガポール・インドアスタジアムで開催された『ONE: Empower』の試合結果。メインイベントの女子ストロー級タイトルマッチはション・ジンナンがミッシェル・ニコリニに判定勝ちし王座防衛。女子アトム級ワールドグランプリ1回戦はハム・ソヒ、スタンプ・フェアテックス、リトゥ・フォガット、平田樹が勝利し準決勝に進出。リザーブマッチに出場した山口芽生はジュリー・メザバルバに判定負けしています。


 準決勝の組み合わせはファン投票で決定します。続きを読む・・・
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【One Empower】VV.mei、メザバルバの強固な制空権を崩せず。ヒザとヒジを受け補欠戦で敗北

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP補欠戦/5分3R>
ジュリー・メザバルバ(ブラジル)
Def.3-0
山口VV.芽生(日本)

10センチ背の高いメザバルバが、左ジャブを伸ばす。VVは頭を動かすがジャブから右アッパーを被弾する。VVのジャブを叩くメザバルバは左フックをかわして、右フックを届かせる。VVはテイクダウンのフェイクを見せるも、メザバルバは右を伸ばして、ステップインに左を合わせる。さらに近距離でヒザをボディに突き上げたメザバルバが、自分の距離で戦い左をヒットする。VVも右を当てて前に出ると、メザバルバは笑顔を浮かべた。

ジャブから右ストレート、待っても、詰めてもパンチを当てることができるメザバルバが飛び込んで左、さらにヒザを狙ったところで初回が終わった。

2R、ジャブから右を伸ばし、リーチの差をしっかりと使って戦うメザバルバは、テイクダウン狙いを切ってヒザを突き上げる。メザバルバは左ジャブ、リードフックに右ストレートやアッパーを使い分け、テイクダウンは切ってヒザも的確な攻撃を続ける。、VVは厳しい状態のなかで、ステップインから右ストレートを当てる。近い距離でのフックのコンビに対し、冷静にヒザを繰り出すメザバルバが、首相撲からヒザでなくワンツーを打ち込む。残り2分を切り、VVは初めて組んでケージにメザバルバを押し込むも、ヒザを受ける。

VVは頭をつけてもショートエルボー、オーバーフックで距離を創るとヒザを狙う。左腕を差したVV、右のパンチを顔面に入れるもメザバルバはヒザ、ヒジを見せて離れるとスーパーマンパンチを狙ったところでラウンド終了を迎えた。

最終回、VVもパンチを貰わず、前に出てパンチを放つシーンもあったが、右ストレートや左フックを受け、組んでケージへ。ここも右腕でワキを差されたメザバルバだが、オーバーハンド取り、テイクダウンを許す気配はない。VVは細かいパンチやヒザを見せて、メザバルバを金網に押し込み続ける。残り2分30秒、体を入れ替えたメザバルバはヒザからヒジを入れて離れる。さらに右ロー、左で踏み込みを迎え撃つとメザバルバはVVの懸命にステップインに左右のパンチを打ち込む。

VVはここもケージには押し込めるが、ここからテイクダウンを取れない。メザバルバは体を入れ替えてヒザ蹴り。VVも即押し戻すが、メザバルバがここもヒザからヒジを入れて離れる。離れても組んでもVVは劣性のまま時間を迎えた。

結果、メザバルバが3-0の判定勝ち。VVの人生大逆転のGP制覇は補欠戦敗退で潰えた。


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【ONE】速報中!ONE Championship「ONE: EMPOWER」

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さてさて、今日は久しぶりのONE。シンガポールのインドアスタジアムでONE Championship「ONE: EMPOWER」が開催されます。ONE初の女子だけの大会。女子アトム級トーナメント1回戦4試合が行われます。日本からは平田樹、リザーブファイトにV.V Meiが参戦。さらに元RIZIN女子スーパーアトム級王者のハム・ソヒがONEデビュー戦を迎えるという豪華なラインナップ。こんな大会も無料配信してくれるABEMAは神様です。そんなわけで今宵も電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。


【第1試合 ONE MMA 女子アトム級 ワールドGP 交替試合】
×V.V Mei
(判定0-3)
◯ジュリー・メザバルバ
1R、ケージの中央でプレッシャーを掛け合うスタンドの展開。互いに単発ながら鋭いパンチをヒットさせる。しかしやや膠着。Meiはタックルに行くがメザパルバは簡単に切ってスタンドが続く。
2R、体格で上回るメザパルバが徐々にプレッシャーをかけ始める。決定的な攻撃はないもののパンチ、肘、膝をヒット。Meiはケージに押し込んで展開を作ろうとするが膠着してラウンドを終えた。
3R、あとがないMeiは前に出てパンチを出す。しかしメザパルバは決定打をもらわず、逆に肘や膝を打ち返す。Meiは事態を打開するため組みつくがケージ際で膠着。逆にメザパルバがボディに膝を入れて手数を稼ぐ。結局このまま試合終了。判定はメザパルバに軍配が上がった。


【第4試合 ONE MMA 女子アトム級 ワールドGP 一回戦 Bブロック】
◯平田樹(日本)
(判定3-0)
×アリース・アンダーソン(米国)
1R、序盤はスタンドの攻防。パンチの交差からアンダーソンが組みついて差し合い。ケージ際での投げ合いから上を取ったのは平田。インサイドガードになると細かいパウンド。しかしアンダーソンは下から三角絞めを狙う。平田は回避するがアンダーソンも下から肘を入れて抵抗。最後は平田が立ち上がって猪木アリ状態からローを入れてラウンドを終えた。
2R、序盤の差し合いから平田は腰投げでテイクダウン。サイドになるとアンダーソンが下からセンタク挟み。だが平田は身体を反転させて脱出するとガブリの体勢からコントロール。またしてもサイドを奪取。細かい鉄槌と膝を入れてラウンド終了。平田が完全に主導権を握った。
3R、一転してスタンドの打ち合い。アンダーソンのパンチがかすめてヒヤリとする場面が続く。するとついにアンダーソンの右フックがヒット。ダウンする平田だがすぐに組みつく。首投げでテイクダウンするがアンダーソンは下から足を利かせて脱出。スタンドに戻ると長い差し合い。そこから平田が投げでテイクダウン。サイドを固めて試合終了。判定は平田に軍配!1回戦突破です!
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【ONE Empower】ヂィンナンに挑戦、ミシェウ・ニコリニ「柔術で勝つとかは、関係ない」

【写真】挑戦者、でも女王の風格(C)MMAPLANET

本日3日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE「Empower」のメインで、ムンジアル黒帯8冠&DACC優勝のミシェウ・ニコリニが、ONE世界ストロー級王者シィオン・ヂィンナンに挑戦する。

組み技で彼女に比肩する選手はONEには存在しない。それでもMMAを戦う彼女にとって柔術は、勝つための一つの要素であることを明言した。

鍵は打撃。そんな世界挑戦を前にニコリニに話を訊いた。


──シンガポール入りして、今の調子はいかがですか(※試合は8月27日に行われた)。

「全てにおいて良い感じね。2日前にシンガポールに着いて快適に過ごしているわ。ホテルのバブルにいて、外出はできないけど問題ない。トレーニングもできているし、今もプールで泳いできたばかりなの。ファイトウィークだし、これで十分よ」

──フラストレーションはなさそうですね。

「この状況だしね。外をで出歩くことがショーを開くことに対して、どれだけ危険かは分かっているから。私はブラジルに住んでいるし、COVID19と向き合うには本当に色々な制約があることを経験してきたわ。シンガポールで試合をする。そのために必要な感染予防対策に従うのは当然の話よ」

──さすが大人ですね。ブラジルでは、大変なことを乗り越えてきたかと思います。

「そうね。今は練習も自由になったわ……でも、ようやくね。ブラジルでは国民の大体50パーセント以上がワクチン接種を済ませたから、よりオープンになってきていて。人々も以前のような生活を求めてワクチン接種を受けているわ」

──つまり、ワクチン接種が進むまで多くの制限があったということですね。

「今でも自主的に信頼のおける少人数のグループで練習をしているけど、街中はよりオープンになっているわ。1年半前、ブラジルでコロナ感染が爆発的に広まる前に、私はタイトル挑戦が決まっていて。パンデミックが始まった時も、懸命に練習だけは続けていたの。ずっとトレーニングパートナーと2人っきりで。来る日も、来る日も何カ月間と、彼女と2人で練習を続けたわ。8カ月前に練習場所が開放されるまで」

──パンデミック後、ブラジル国内でグラップリングの試合に出るようなこともなかったのでしょうか。

「ブラジルでは今年になるまで、ほとんどコンペティションが行われていなかった。私にとって、今回のタイトル戦はCOVID19が広まってからは初めての試合よ」

──今大会はONEで初めての女子だけのイベントになります。

「アメージングね。このショーのヘッドライナーになれて、凄く嬉しいわ。何より、本当に素晴らしい選手が揃っていることが最高ね。アトム級GPがあって、私はストロー級。アトム級のように層が厚いということはないけど、シィオン・ヂィンナンがいて、アンジェラ・リーもチャレンジした。これからストロー級にも強い選手が集まってくると思うわ。そうそう、名前は忘れたけど良い日本人選手(※三浦彩佳)もいるし。あの子も凄く良い選手だし、これからはストロー級の戦いも面白くなってくるはず。私自身、楽しみでしょうがない気持ちね」

──ではその頂点にあるチャンピオン、シィオン・ヂィンナン選手の印象を教えてください。

「個人的には知り合いじゃないんだけど、皆からとても良い人だと聞いているわ。打撃はもちろん、グラウンドゲームもできるし、上手く試合をまとめることができる選手ね。動きも速い。とても尊敬しているけど、ケージのドアが閉められたら倒すべき相手。どうなるのか、楽しみにしてほしいと思っている」

──いくら彼女が寝技ができても、ミシェルの寝技と比肩できる選手はONEにはいません。とはいえ、あのストライカーを相手にどれだけに寝技に持ち込むことができるのか。テイクダウンが鍵を握ってくると思いますし、そのためには打撃も必要です。

「ブラジルでずっと打撃の練習をしてきたわ。去年、シィオン・ヂィンナンと戦うことが決まってから。私のスタンドゲームは成長した。でもパンチを打たなくて、柔術に持ち込めるならそうするわ(笑)。彼女と私の距離が近づいた時、何かが起こるから。そこは期待してほしいわ」

──グラップラーが序盤からテイクダウン&コントロールしても、フィニッシュできないと疲れてガスアウト状態に陥るという試合は幾千と行われてきました。

「大丈夫よ。5Rのスパーリングを2度、3度と1日に行ってきたから、スタミナには問題はない。全てで、上手く仕上げることができてから。スタミナがどれだけもつか。多くの人はスタミナをつけるために走れというわ。でもファイターのスタミナはランニングではなくて、スパーリングで養われるもの。リアルなシチュエーションでのスパーリング、ケージのなかで起こる全てのことを予想し、全ての動きを使ったスパーリングでしかMMAファイターのスタミナは創れないと私は思っているの。

なにより、今回の試合にむけてデミアン・マイアとずっと練習してきて、ずっとアドバイスを受けてきたの。動き、技、思考とあらゆる面でデミアンはリードしてくれて。ずっとストライカーやレスラーと戦ってきたから、私にとってデミアン以上に参考になる選手はいないわ。彼は私のアイドルよ」

──デミアン・マイアは今も、そしてこれからもケージのなかで最高の柔術家です。ただし、彼はUFCで戦ってきました。ONEではグラウンドのヒザがあります。ここはどのように捉えていますか。

「グラウンドでのヒザは、私にとって追い風よ。寝技でのオプションが増えるし。使われることより、使う機会が断然多いはずだしね」

──ではデミアンのように引き込むことも考えていますか。

「デミアンのように引き込むのではなくて、私の戦い方として引き込むことはあるでしょうね。とにかくタイトに戦って、アタックすることが私を勝利に導いてくれることは確かよ」

──ところでミシェウは柔術の優秀性を示すためにMMAで戦う……という気持ちを持っていますか。

「ノー。そんなことは考えていないわ。私にとって本当に柔術は大切なものよ。簡単に身につくものじゃない。だからといってMMAを戦う上で、柔術は全てじゃない。私自身MMAを戦う時は、他のスタイルのトレーニングにより時間を割いているし。ボクシング、ムエタイ、レスリング、テコンドー、それらを混ぜた練習を、ね。

もちろん私は柔術のトレーニングをストップすることはないし、試合前以外は道着を着た練習も週に2、3度続けている。道着を着ることで、細かなディティールを知ることができるし、絶対に欠かせないわ。繰り返すけど、私にとって柔術はとても大切なもの。私は生涯、柔術家よ。

それは変わることはない。でも、打撃で勝つのか、柔術で勝つのか──とか、そういうのは関係ないの。勝つことが最大の目標だから、勝ち方にはこだわらない。ボクシングが成長しているから、そこを見せて勝ちたいとも決して思わない。私がウェルラウンダーだと試合で証明したいなんて考えていないし。チャンスがあれば柔術に持ち込んで、柔術で倒す。それで勝てるから。試合は勝つために戦うのよ。」

──ミシェル。色々と興味深い話、ありがとうございました。

「アリガト。日本の皆が私の試合を楽しんでくれることを願っているわ」

■視聴方法(予定)
9月3日(金・日本時間)
午後8時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時30分~ONE Super App

■ONE Empower 対戦カード

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者] ミシェル・ニコリニ(ブラジル)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
モン・ボー(中国)
リトゥ・フォーガット(インド)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
平田樹(日本)
アリス・アンダーソン(米国)

<キックボクシング女子アトム級/3分3R>
アニッサ・メクセン(フランス)
クリスティーナ・モラレス(スペイン)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
ダニエラ・ロペス(アルゼンチン)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP補欠戦/5分3R>
VV.Mei(日本)
ジュリー・メザバルバ(ブラジル)

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【ONE Empower】落選からの復活、モン・ボーと対戦、リトゥ・フォーガット「どの試合も一番大切」

【写真】インドで知らぬ者がいない、姉を持つリトゥ。インド女子MMAのパイオニアだ(C)MMAPLANET

本日3日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE「Empower」。同大会で開幕する女子アトム級ワールドGP1回戦でリトゥ・フォーガットがモン・ボーと対戦する。

4月29日に収録され5月15日に中継されたONE DangalでGP出場を1カ月後に控えながら、インド一有名なレスリング一家で育ったレスラーのリトゥは、打撃のスキルを確かめるために出場しビー・ニューイェンにキャリア初黒星を喫した。結果、GP出場権を失ったものの、大会の延期を経てで再び出場権を得ることとなった。

の延期期間、リトゥは今大会の1カ月強前──7月30日に開催されたONE Battle Groundにまたも強行出場するとリン・ホーチンを破り、GP出場を再び手繰り寄せた。この仕切り直しの一戦を経て、彼女が何となく掴んでいた自信は確信に変わったという。


──前回、インタビューをさせていただいた時はダンガル大会の直前でした。そしてビー・ニューイェンに敗れ、一度はGPメンバーから外れましたが、7月のBattle Ground大会でリン・ホーチンを下しGPメンバー返り咲きました。今の心境を教えてください。

「今は凄くワクワクしているわ。いよいよGPが始まるわけだし。ニューイェン戦の敗北……あの裁定には、ビックリして。信じられなかったし、残念というよりショックという表現の方が的を射ていたわね」

──打撃を効かされ、テイクダウンで疲れたリトゥでしたが、最後まで勝負を諦めていなかったです。特に最終回の魂のテイクダウンは素晴らしかったです。

「ありがとう。勝ち負けはどのスポーツでもつきもので、勝利から学べることよりも、敗北が学べることの方が大きいわ。そういう意味でも凄く勉強になった試合だった。戦いは少しでも早く、フィニッシュしなくちゃいけない。そういう気持ちで戦うことが必要だと、あの試合で学んだの。

それでも私は負けていなかったと思っているけど。できればスコアは皆が一目瞭然で分かるオープンスコアにしてほしいわ。確かに……試合中に少しミスもしたわ。GPのメンバーから外されたから、とんでもないぐらい動揺しちゃって。でも、私がONE女子アトム級で最強の1人だということを証明して、GPに戻るんだっていう気持ちでリン・ホーチン戦に臨んだの。あの試合ではGPで戦える力を証明できたと思っている」

──積極的に打撃を使っていましたね。

「毎試合、打撃は良くなっている。それでも自信をもって使うまでには至っていなかった。でも、この前の試合で確信をもって打撃を使えたわ。結果的にGPで戦うことができたので、この自信が上手く作用するはずよ。これから一つ一つ勝っていって、必ずタイトルを手にするわ」

──リン・ホーチン戦の前から、あの試合で勝てばGPに戻れるという確約があったのですか。

「皆、私がビー・ニューイェンに負けていなかったことは分かっていたはず。ジャッジがあんな風に裁定しただけで。だから私は自分の力を示そうと思って戦ったの。もう1度、自分の価値を上げないといけないから。ただ試合前に、勝てばGPに戻れるということは聞かされていなかった。でも私はその気でいたの」

──ではGP初戦の相手であるモン・ボーの印象を教えてください。

「タフな競技者で、私より経験が豊富ね。でも経験が全てじゃない。次の試合でファンはこれまでの私とは違う一面を見ることになるでしょうね。モン・ボーのようなタフな相手だからこそ、インドの虎はこのチャレンジに燃えているのよ」

──モン・ボーはGP参加者でも、特に体格に恵まれた選手だと思います。彼女のフィジカルをどのように感じていますか。

「このGPに出場する選手は、皆が揃って高い能力を誇っている。ただ、彼女がベストかどうかは戦ってみたら分かることよ」

──シンガポールは5月以降ロックダウンもあり、7月には再びジムがクローズされた期間もあったかと思います。

「練習に関しては少し難しい面もあったから、神経質になっていた時期もあったわ。でも、試合前だけ練習をしてきたわけじゃないし。ずっと練習してきたことが、この試合に生きることになると信じているわ」

──キャリアで最重要な試合になるかと思います。

「確かに、とても大切な試合ね。でも、それはこの試合がということではなくて、どの試合もとても大切な試合という意味で。この試合が重要で、他の試合がそうじゃないなんてことはないし。どの試合も一番大切な試合で、全力でチャレンジするモノよ。

何より私は、ONEにとって初めてのオール女子大会のGPで戦えることを誇りに思っているの。この大会がONEの未来に強い影響を与えることは間違いないでしょうね」

──リトゥのお父さん、お姉さんが題材になった映画「ダンガル きっと、つよくなる」では、ある女性が『インドの娘はただ子供を生むだけの道具。でも、あなたたちは違う。愛されている証拠』と話すシーンがありました。現状のインドがどうなのか、私は分かっていませんが、仮にそのような境遇にある女性たちに、今回の大会を通して伝えたいことはありますか。

「インドもあの映画の上映後、随分と変わったわ。それでも全てのインドの女性……インドの自身のことを顧みることができない女の子に対して、『揺ぎ無いに信念があれば、どんな逆境だって打開できないことは決してない』って伝えたいの。これ以上、言葉にすることは難しいけど、それは私の姉がやってのけたことだから」

■視聴方法(予定)
9月3日(金・日本時間)
午後8時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時30分~ONE Super App

■ONE Empower 対戦カード

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者] ミッシェル・ニコリニ(ブラジル)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
モン・ボー(中国)
リトゥ・フォーガット(インド)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
平田樹(日本)
アリス・アンダーソン(米国)

<キックボクシング女子アトム級/3分3R>
アニッサ・メクセン(フランス)
クリスティーナ・モラレス(スペイン)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
ダニエラ・ロペス(アルゼンチン)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP補欠戦/5分3R>
VV.Mei(日本)
ジュリー・メザバルバ(ブラジル)

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【ONE Empower】過去最強の相手=アンダーソン戦へ、平田樹─02─「気持ちは大事だけど、丁寧に戦う」

【写真】とにかく表情がイキイキとしていた(C)MMAPLANET

3日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE「Empower」。同大会で開幕する女子アトム級ワールドGP1回戦でアリス・アンダーソンと戦う平田樹インタビュー後編。

キャリア最強、これまでの相手とは違うことを理解しているという平田は、気持ちで負けないうえで、動きは雑にならないことを念頭に戦う。周囲の経験不足という声を「それを言われてもしょうがない。勝てば良いでしょ」と跳ね返すつもりで。

<平田樹インタビューPart.01はコチラから>


──踏ん張るところ、自制するところ。ほんと塩梅ですね。

「そうですね、ダラダラするより集中してパッとやるのも良いと思います。MMAは練習しないといけないこと多いけど、短時間で集中するのも有りですよね。今、そういうことを自分で考えている。そこに関しては、親からも『練習環境にしても、自分で考えるようになったことは良いことだと思うよ。自分に足りないモノを見つけるのも、自己判断は大切だから。人との関わり方も、これまで周囲の人がお膳立てしてくれて、スムーズにモノゴトが運んでたけど、自分でやるようになって、回りへの感謝という気持ちが生まれてきたでしょ』って言われていて。本当にそうだと思います」

──だからって勝てる保証にならないのが、格闘技の難しいところです。改めてアンダーソンのことをどのように思っていますか。

「そんなに重いパンチはなさそうですけど、分からないです。組みの方が強いと思います」

──テイクダウン防御をしつつ、下になっても手はありそうですね。さきほど言われたように、組ませないためにリーチを生かした攻撃もあるでしょうし。

「一番嫌なのは、距離を取られてそのまま終わることです。どれだけ詰めて組めるのか。倒してからの寝技勝負にはしたいです。でも、本当に分からないです」

──今朝、アンダーソンをインタビューしたのですが、とにかく経験が違うと。倒させないし、寝技になっても大丈夫という風でした。『穴がある』と言っていましたね。とはいえ、それも今年の2月までの平田樹の試合を見て言っていることです。だからこそ、問われるのは3月からどれだけ成長しているのか。

「雑さはなくなったんじゃないかと思います。ただ、寝技ができる相手がこれまでいなかったのでどうなるのか」

──リカ・イシゲはデキたと思います。ただし、フィジカルがない。

「柔術の動きはしていたけど、フィジカルはメッチャ弱かったです。ホントに(笑)。ポンってやったら倒れちゃうみたいな。でもアメリカ人はデカいし、フィジカルも強いと思う……けど、どうですかね。シンプルに勝てると思っています。そんなに深く考えることなくて。

キャリア不足、経験がないっていうのは、もう試合をするたびに言われることなんで。それを言われても、どうしようもないから。『そんなこと拘ってんの』って。まだ3戦でしょとか、4試合しかやっていないとか言われても、『勝てば良いでしょ』って思ってやっています。『そんなこと言っていて負けたら、そっちがヤバいよ』──みたいな。そう毎回思っています。

自分のMMAがどういうモノかも、全然分からないですし。だからこそ色々なタイプの選手と試合がしたい。自分が負ける時は、どういうタイプの選手に負けるのかも気なるんです。ホント、まだまだ全然なんで」

──そういうなかで、初めて自身より背の高い相手と戦う上で、何かトライしてみたいですか。

「う~ん、なんだろうなぁ。出せるモノは全部出したいです。できる限り、全てを出したい。何をしたいのかより、しちゃいけないということでは雑になっちゃいけないことだと思っています。気持ちは大事だけど、丁寧に戦う。熱くなって、突っ走らない」

──KRAZYBEEの若い選手、気持ちが前に出て雑になることが多くないですか。

「そうなんですよね。スパーリングも、そうで。パンチでいって、グラウンドでやられてとか。丁寧にいかないといけないのに、力任せになったり。ほんと、どれだけ冷静に試合を進めることができるのか。それこそ今回の相手はこれまでとは違うのも分かっていますし。

だから気持ちだけでは、どうにもできない。だけど気持ちで負けず、雑にならないようにいかないと。ここはホントに難しいです。何も考えずに前に出たくないし、気持ちがひけるのも嫌で。加減じゃないけど、熱くなりながら考えるって本当に難しくて。それができるようになれば、自分の成長は間違いないと思います。そこだけが課題かなって」

──そこだけ!?

「いや、取りあえずはそこを……そこだけはしっかりとやりたいなって(笑)。熱く、気持ちで前に出て、そこに冷静に技術がだせればもっと強くなれるから」

──ただ2月の中村選手との試合は、思うようにいかないからフラストレーションを感じて、バァ~と前に出ていったようにも見えましたが……。

「アハハハハ。2月の試合は、そういうところもありました。『もう、イイッ』って」

──ホント、試合では真っ新な……まんまの平田選手が出ると思います。だからこそ、この間にやってきたことを本人が言われているように、ケージで出して欲しいです。

パンチがイチ・ニのリズムだけでなく、イチで打つパターンも採り入れていた平田

「そうですね、自分でも楽しみにしています。回りに試されているっていう感じがしていますし。どれだけ自分がやれるのか。ここで勝って、やっぱりスタンプに上がってきてほしい。スタンプと戦いたいですね」

──当初の予定では5月末にスタートして、11月にはアンジェラ・リーが復帰してGPウィナーと防衛戦という超過密日程でしたが。

「このあとのことはまだ決まっていないです。2カ月後っていうのは、もうなくて年内に次があるのか、年明けか。でもリザーバーがいるからケガをすると代えられるとか気にしていましたけど、次の日程が出ていないから思い切りやります。日程を聞かされていないから、ワンマッチのつもりじゃないけど、ケガをしようが勝ちます。

ようやくです。ちゃんと始まるし。凄く楽しみです」

■視聴方法(予定)
9月3日(金・日本時間)
午後8時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時30分~ONE Super App

■ONE Empower 対戦カード

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者] ミッシェル・ニコリニ(ブラジル)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
モン・ボー(中国)
リトゥ・フォーガット(インド)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
平田樹(日本)
アリス・アンダーソン(米国)

<キックボクシング女子アトム級/3分3R>
アニッサ・メクセン(フランス)
クリスティーナ・モラレス(スペイン)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
ダニエラ・ロペス(アルゼンチン)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP補欠戦/5分3R>
VV.Mei(日本)
ジュリー・メザバルバ(ブラジル)

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【ONE Empower】平田樹と対戦、アンダーソン─02─「彼女はチェーンレスリングができないでしょ?」

【写真】どのような穴を見つけたのか。その答は3日後にハッキリする(C)ONE

9月3日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムONE「Empower」が開催される。同大会で開幕する女子アトム級ワールドGPで、平田樹と対戦アリス・アンダーソン・インタビュー後編。

MMA戦績は5勝1敗だが、アンダーソンは平田との違いを経験の差だと明言する。そして平田の投げ技について、3月の時点でバックを取れると話していたアンダーソンは、延期された3カ月の間にさらに研究が進み、勝利への道筋が見えているようにも感じられた。

<アリス・アンダーソン・インタビューPart.01はコチラから>

──より成熟しているということですが、平田選手はプロMMAで4勝0敗。アリスは5勝1敗。この2試合の差が大きいということですか。

「私が21歳のとき、もっと厳しい試合をして危ない場面を切り抜けている。彼女のように楽しんで試合はしてこなかった。この経験の差が、私たちがケージに向き合った時に違いとなって表れるわ。

立ち技、グラウンドで違うレベルの技術を持つファイターと戦う時に、それまでの自分が何をやってきたのか。どういうことに費やしてきたのかが問われることになるから。経験の差というのは、この試合で鍵になってくるはずよ」

──前回に話を聞かせて頂いた時、平田選手が柔道の投げ技を使ってきたらバックを取る絶好の機会になると言われていました。

「彼女の投げを狙った時にはワキを差した方とは逆の手を使って、頭を抱えてくる。バックに回らせないようにね。でも、そこにも穴はあるの。そして、その体勢に入るために前腕を伸ばしてくるのよ。でも彼女は、チェーンレスリング(連動したレスリング)ができない。そうでしょ?」

──……。

「グラウンドと連動性がないのよね、彼女の投げやテイクダウンには。それでも狙いは柔道スローだから、まずはそこを防いでフレストレーションを感じてもらうわ。でも、最終的にはラウンドが進むと、彼女は投げに成功しているのよね」

──随分と研究し、対策も練っていることが伝わってきます。ところでフロリダはもうパンデミック前のように、変わらぬ日常生活を送ることができているようですが、シンガポールでは再び隔離措置が待っています。

「フロリダはもうマスクもしないし、隔離もないわ。今回はシンガポールで試合をするということで、シンガポール政府が軍隊生活のようなことをまだ求めていることに関しては……少しナーバスになっているわ(笑)。ホテルの部屋に籠りっきりで、セキュリティが見張っていて……電話でしか外部と連絡が取れない。でも、なんのためにシンガポールへ行くのか。試合をするためだし、自分の仕事を全うするにはどんな状況も乗り越えるだけよ」

──米国以外での試合は初めてで、時差や移動距離を考えるとその辺りは平田選手の方がアジアの地の利が生きてきます。

「これまで海外って飛行機に乗って2時間で着く、メキシコにしか行ったことがなくて。30時間の飛行機の旅って想像もつかないわ。ただ時差に関して言うと、私はONEと契約するまで5年間、病院でナースとして働いていて。それも夜勤で夜の7時から朝の7時っていう時間帯だったの。ちょうどシンガポールとは昼夜がさかさまだけど、私はその時間帯でずっと生活してきたから。この体はその時のこと覚えていて、自然とアジャストできるんじゃないかと思っていて。

ただ飛行機のなかで水分を絶やさないようにして、ハイドレーションのことを常に頭においていることは必要ね。それも新しい経験だし、神経質になるよりも楽しみの方が大きいわ」

──ところで今大会はONEにとって初めての女子だけのイベントになります。歴史的なショーの一員になることに、どのような想いでいますか。

「嬉しいわ。ただ女子だけの大会はInvicta FCで経験してきたから。でもONEにとって初めてというのは、ワクワクしてくるわよね。しかもONEの女子選手もなかでも最高の面子が揃うわけだし、そこはファンも楽しめるはず」

──では日本でこの試合を視聴するファンにメッセージをお願いします。

「イツキと戦えることを光栄に思っているわ。良い試合が2人でできると思っているから、できれば、グランプリのウィナーになれるよう2人を応援してね」

■視聴方法(予定)
9月3日(金・日本時間)
午後8時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時30分~ONE Super App

■ONE Empower 対戦カード

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者] ミッシェル・ニコリニ(ブラジル)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
モン・ボー(中国)
リトゥ・フォーガット(インド)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
平田樹(日本)
アリス・アンダーソン(米国)

<キックボクシング女子アトム級/3分3R>
アニッサ・メクセン(フランス)
クリスティーナ・モラレス(スペイン)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
ダニエラ・ロペス(アルゼンチン)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP補欠戦/5分3R>
VV.Mei(日本)
ジュリー・メザバルバ(ブラジル)

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【ONE Empower】急成長する世界の女子MMA、山口V.V芽生─02─「日本に役立つものを持って帰りたい」

【写真】自分の役割、立ち位置についてはずっと理解してMMAを戦ってきたように思える(C)MMAPLANET

9月3日(金・現地時間)、シンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムONE「Empower」が開催される。同大会で開幕する女子アトム級ワールドGPの補欠戦でジュリー・メザバルバと対戦する山口V.V芽生インタビュー後編。
Text by Shojiro Kameike

地域の特性をもって、急速に進化する女子MMA。自らの置かれた状況を鑑み、日本のファイターが生き残るためには、何が必要なのか。国内でベルトを巻き、そしてONEで戦い続けているV.V Meiだからこそ発することができる言葉が大切な一戦を前にして、聞かれた。

<山口V.V芽生インタビューPart.01はコチラから>


――「そのぶん、実力プラス個性が求められるところもあるという理解」というヴィー選手自身も、独自の個性を押し出していた時期がありました。

「それ、随分と前の話ですよね(笑)」

――もともと空手、柔術、そしてMMAに対して武道の観点で語れる選手なのに、トラッシュトークでもなく、なんだか方向性の読めない言動があって……。

「アハハ。ONEで同じような発言をしていると、『そういうのはいらない』と言われました(笑)。ONEにはONEの求めているファイター像というのがあるのでしょうね」

――なるほど。GPに話を戻すと、リザーバーというポジションについては、どう受け止めているのでしょうか。

「私の中では割り切っています。同じようなトーナメントで、リザーバーから優勝したケースもありますし。あるいは、GP後の展開に向けて自分を作り直していくとか。いずれにしても、GP本戦に出られなかったから全てが終わる、ということではないので」

――GP優勝者が現アトム級世界王者アンジェラ・リーに挑戦することになります。その試合の勝者への挑戦者を決める戦いが展開されるでしょう。

「それに、まだGP自体どうなるか分からないですからね」

――というと?

「当日体重を落とせていない選手がいたり、あるいはコロナの影響で試合ができなくなったら、私が急遽GP本戦に出ることになったりすると思いますし。この状況下では何が起こるか分からないじゃないですか。もともと私の試合も、コロコロ変わりましたから」

――えっ、どういうことですか。

「いろいろ国ごとに事情が違うから、仕方ないとは思うんですけど……。リザーブマッチに出場するという話から、『出られるかどうか分からない』と言われて、その後また『リザーブマッチに』という連絡が来て。だから当日も何が起こるか分からないですよね」

――それだけ状況が変わるのは、選手としては不安ではないかと……。

「昔から日本の女子MMAでやってきているので、そういった部分を考えすぎることはなくなりましたね(笑)。それもキャリアのおかげです」

――そこでお聞きしたいのは、ヴィー選手のようなキャリアを積んできた選手にとって、今回GP本戦に出場する平田樹選手については、どのように思われているのでしょうか。

「……いいんじゃないですかね」

――微妙な回答ですね(笑)。

「いやっ、そういうことじゃないです(苦笑)。分からない、と言ったほうが正しいですかね。今までの対戦相手では査定できないというか。だから、今回のトーナメントで分かると思うんです」

――確かに、そのとおりです。

「ONEとしても彼女のような若いキャラクターが欲しいのでしょうし、今回のGPでは勝っても負けても未来がある。私も、良い選手になって日本の女子MMAを引っ張っていく存在になってほしいと思っていますよ」

――平田選手をはじめとする新しい世代の選手に対し、ライバル心などは無いのですか。

「……無いですね。それよりも、早く私たちの世代を超えてくれ、って(苦笑)」

――その考えは意外です。

「ここ数年、海外選手の成長が著しいじゃないですか。フィジカルが強いし、少々テクニックが荒くても、フィジカルでカバーしたり、あるいは気持ちが見える試合をする。それがONEに出ている女子選手だと思うんですよ。

UFCだと、みんな効率よく技術を学んで、レベルの高い試合を繰り広げるのが当たり前になってきていて。日本人選手も、そういうところで戦って、負けても新しいことを学んで強くなればいいと思います。日本はココが足りない、という点が分かることも大切なので」

――今は厳しい状況にありますよね。日本人選手が海外で戦う機会も少なくなりましたし、コロナ禍で海外から選手を呼ぶこともできない。

「そうなんです。でも米国は選手も多いし、UFCは開催されていて――そうなると、これからもっと海外との差が開いていくと思うんですよ」

――……。

「私自身はこれからもONEに出て、新しい技術を身につけながら、もう少し続けていきたいです。でも、そんなに長く現役を続けられるわけではない。そこで新しい選手のために……『育成』と言えるほどではないですけど、私は英語を生かして海外で試合したり練習したりして、日本の格闘技界に役立つものを持って帰りたいと考えています」

――ヴィー選手の世代も、そう考えるような立場になっているのですね。

「今、私たちが戦っているのも、諸先輩方が頑張ってくれたおかげですから。それを私たちが引き継ぎながら、世界で活躍する選手がもっと増えてほしいです」

――日本も選手層は確実に増えています。

「これから強くなりそうな、新しい世代の選手が増えているじゃないですか。そういった選手たちを応援していきたいですね。もう国内だけで争っていくのではなく、世界を視野に入れて全体的に頑張っていかないと」

――分かりました。そのためにも、次のメザバルバ戦は重要な試合となりますね。

「はい。でも対戦相手の情報が本当に少なくて……」

――これまでブラジル国内の大会で7勝2敗1分、次の試合がONE初戦となって、未知数の部分が多いです。

「試合映像を見るとガンガン打ってくる選手だから、私も取り組んでいる打撃を確かめるには、良い相手だと思います。相手が打ってきても下がらずに、しっかり打撃の展開から組んで、寝かせて勝ちたいですね」

■視聴方法(予定)
9月3日(金・日本時間)
午後8時00分~ ABEMA格闘チャンネル
午後8時00分~ONE Super App

■ONE Empower 対戦カード

<ONE世界女子ストロー級(※56.7キロ)選手権試合/5分5R>
[王者]シィオン・ヂィンナン(中国)
[挑戦者] ミッシェル・ニコリニ(ブラジル)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
ハム・ソヒ(韓国)
デニス・ザンボアンガ(フィリピン)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
アリョーナ・ラソヒーナ(ウクライナ)
スタンプ・フェアテックス(タイ)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
モン・ボー(中国)
リトゥ・フォーガット(インド)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP準々決勝/5分3R>
平田樹(日本)
アリス・アンダーソン(米国)

<キックボクシング女子アトム級/3分3R>
アニッサ・メクセン(フランス)
クリスティーナ・モラレス(スペイン)

<ムエタイ女子ストロー級/3分3R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
ダニエラ・ロペス(アルゼンチン)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP補欠戦/5分3R>
VV.Mei(日本)
ジュリー・メザバルバ(ブラジル)

<女子アトム級(※52.2キロ) ワールドGP補欠戦/5分3R>
ビー・ニューイェン(米国)✖ジェネリン・オルシム(フィリピン)の勝者
グレース・クリーブランド(ブラジル)

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