【写真】ONEデビュー戦でワンダーガールを下してから約3年9カ月、ブンタンはアニッサとONEのベルトをかけて戦うところまで来た(C)MMAPLANET
9日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE169で、ジャッキー・ブンタンがアニッサ・メクセンとONEキックボクシング女子ストロー級王座決定戦で対戦する。
Text by Takumi Nakamura
ONE初参戦となった2021年2月のワンダーガール・ジャルンサック戦では左フック一発でワンダーガールを前のめりになぎ倒す豪快なダウンを奪い、衝撃のONEデビューを果たしたブンタン。その後はムエタイルールでキャリアを重ね、キックルールでの王座戦のチャンスが巡ってきた。
「ONEでMMAグローブで試合をして初めて自分のパワーに気づいた」というブンタンは、文字通りONEのムエタイルールで培った強打で女子キックのレジェンド的存在=メクセン超えを目指す。
――アニッサ・メクセン戦まで3日となりました(取材日は11月6日)。今のコンディションはいかがですか。
「メンタルもフィジカルも絶好調で、ファイトキャンプで一つ一つのことをしっかりと調整することができたので自信があります」
――キックルールのタイトルマッチとしてメクセンと戦うというオファーを受けた時はどんな心境でしたか。
「レジェンドであるアニッサのような選手とONEで初めてベルトをかけて戦えるということで興奮したわ。ONEではずっとムエタイルールで戦ってきて、今回はキックルールだけどとてもワクワクしている」
――今のお話にもあったようにブンタン選手はONEではMMAグローブのムエタイルールで戦ってきました。今回はボクシンググローブでのキックルールでの試合となりますが、どんな違いがあると思いますか。
「自分が打つパンチに関していえば、MMAグローブでもボクシンググローブでもあまり変わらない。どちらのグローブでも同じようにパワフルなパンチを打つことが出来る。ただしディフェンスになると大きな違いがあって、どうしてもMMAグローブはグローブが小さい分、相手の打撃を受ける数が増えて傷つきやすい。逆にボクシンググローブのディフェンス面は安全面が上がる。そういった違いがあると思うわ」
――例えば被弾のリスクが少ない分、キックルールの方が打ち合いやすいという面はありますか。
「MMAグローブは正しい場所に当てることができれば一発で倒すことが出来るし、MMAグローブの試合が好きだけど、アマチュア時代はボクシンググローブで100戦以上やってきたから、ボクシンググローブに戻ることも楽しみにしている」
――ブンタン選手はONEデビュー戦でワンダーガール・ジャルーンサックから左フック一発でダウンを奪っていて、あの試合を見てこんなパンチ力がある女子選手がいるのかと驚きました。ブンタン選手は昔からパンチが得意だったのですか。
「実は昔は蹴りがメインのスタイルで、ONEでムエタイルールの試合をやるようになって、初めて自分のパワーに気づいたの。それからMMAグローブでやるうえでボクシングスキルを磨いて、そこに自信も持つことが出来た。ムエタイルールの経験は間違いなくキックルールでも活きると思う」
――ファイトスタイルという部分でもONEで試合をしたことがターニングポイントになったのですね。
「まさにそう。MMAグローブで試合をすることで自分のパンチ力を知り、自分のパンチに自信を持って戦えるようになったわ」
――対戦相手のメクセンは百戦錬磨の実力者です。どんな試合をイメージしていますか。
「細かいことは言えないけれど、アニッサは長身でリーチが長いので、彼女のゲームに付き合わないことが大事だと思う。今回のトレーニングキャンプでは新しいことを身につけたし、これまでとは違う新しい姿を見せられると思う」
――ブンタン選手はキャリア7戦、メクセンは109戦と大きな差があります。100戦以上キャリアがある選手と戦うことに不思議な感覚はないですか。
「私はONEで自分よりもキャリアが上の選手とばかり戦って、それで戦績を残してきた。それで私は自分の力を信じているし、それだけのことをやってきたからこそ、この階級のトップに立てると思っている」
――昨年現役引退した同門のジャネット・トッドはONEでキック・ムエタイ(暫定)の2つのベルトを巻きました。ブンタン選手もそれに続きたいという想いがありますか。
「もちろん。ジャネットは2つのルールでタイトルを獲った。私も彼女のようになりたいし、彼女が歩んだ道を私も歩いていきたい。今はキックでベルトを取ることが第一の目標で、来年はキックのベルトを防衛しながらムエタイのベルトを獲って、2つのルールで同時にチャンピオンになることを目標にしている」
――これまで女子のキックボクサーは大舞台で戦う機会がなかったですが、ONEが女子の試合を組むことで状況が変わったと思います。そのことをどう思いますか。
「ONEという世界的な舞台があることで世界中のベストファイターが集まるようになって、その中で誰がベストかを争っている。これ以上の場所はないと思う」
――MMAPLANETは日本のメディアですが、ブンタン選手は日本の格闘技を見ることはありますか。
「もちろん。日本にはK-1というビッグプロモーションがあるし、3年ほど前にKANAがジムに来て一緒に練習したことがあるの。その時に私は目を覚まさせられた、こんなにすごいレベルで戦っている女子選手がいるんだって。だからKANAがONEに来るという話を聞いてエキサイトしている」
――日本のファンもこの試合を楽しみにしています。ぜひ日本のファンにメッセージをいただけますか。
「私の試合を日本のファンが楽しみにしてくれていてうれしい。ファンに喜んでもらえるエキシティングな試合をすることがゴールなので、次の試合もも楽しみにしていてください」
■ONE169 視聴方法(予定)
11月9日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT
■ONE169 対戦カード
<ONE世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] アナトリ―・マリキン(ロシア)
[挑戦者] ウマウ・ケニ・ログログ(セネガル)
<ONEムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者] ジェイコブ・スミス(英国)
<ONEキックボクシング女子世界ストロー級選手権試合/3分5R>
ジャッキー・ブンタン(米国)
アニッサ・メクセン(フランス)
<フライ級((※61.2キロ)/5分3R>
アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
ダニー・キンガド(フィリピン)
<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)
タギール・カリロフ(ロシア)
<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ(米国)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)
<キック・ストロー級/3分3R>
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
ジャン・ペイメン(中国)
<ヘビー級/5分3R>
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ(ブラジル)
アミール・アリアックバリ(イラン)
<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
エディ・アバソロ(米国)
モハメド・ユネス・ラバー(アルジェリア)
<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
マカレナ・アラゴン(アルゼンチン)
<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(マレーシア)
ヴァウテル・ゴンサウベス(ブラジル)
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【ONE169】メクセンと王座戦。ジャッキー・ブンタン「MMAグローブで戦って、自分のパンチ力を知った」 first appeared on
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