【写真】平良が沖縄に戻った日にTheパラエストラ沖縄で練習していた面々と。向かって右が彼をパラエストラ沖縄にいざなったお兄さんの龍一さんだ (C)RYOTA MATSUNE
14日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されたUFC on ESPN36「Blachowicz vs Rakic」で、UFCデビュー戦で勝利した平良達郎と師匠=松根良太の対談、最終回。
UFC初陣を勝利を終え、師弟は今後をどのように考え──実力査定を済ませたのか。その自信のほどと尋ねた。
<平良達郎&松根良太対談Part.02はコチラから>
──あの健気さは受けると思います。やはり米国人には英語で話しかけないと。それにしても平良選手は、米国では高校生に間違われたりしないですか。
松根 色々なファイターに『何歳なの? 若すぎるだろ』とは言われました(笑)。
平良 22歳なんですけど……。
──あのメッセージの反応の方は?
平良 それは分からないですけど、会場では写真を撮ってと言われたり、SNSでの受けが凄いです。フォロワーがそもそも7000人ぐらいだったのが、外国の人のアカウントが一気に2万人ぐらい増えて。
──会場でもモテモテだったのではないですか。
平良 それなかったです(笑)。
松根 ファイトナイトなので。A-PEXでお客さんも少ないですし。PPVショーになれば(笑)。
平良 成田に着いた時に検査の手伝いをしていた外国人の人に「あなた、NARUTO(─ナルト─)好きね。知ってるよ。私も好きだし」って言われて。
──おおUFC出場効果ですか!!
平良 自分もUFCでNARUTOのアピールをしていたので、「UFC、視てくれたんだ」って伝えると、「? 携帯の待ち受けがNARUTOね」って。
──……。吉本ならズッコケていますよ。がっかりネタじゃないですか(笑)。
平良&松根 アハハハハ。
──とにかく最初のミッションはクリアしました。同時にカーロス・キャンデラリオやヴィクター・アルタミラノはUFCでも一番下のクラスです。これからどんどん対戦相手も強くなっていくでしょう。実際、同じくフライ級でデビュー戦だったジェイク・ハードリーはメインカードで戦い、しかもアラン・ナシメントに完敗を喫しました。ウェルラウンディット時代に下を取って、あそこまで強い選手が特に目立つことなく活動している。改めてUFCの奥深さを感じた次第です。
松根 ナシメントが計量の時から、凄く大きくて。ハードリーより達郎の方が大きくて。あのナシメントのサイズが、UFCフライ級の体格なんだろうと。試合でもナシメントがハードリーを上手くコントールしていました。ハードリーも良いところがあったのですが、全般的にナシメントの方が上回っていましたね。あのレベルは……高いです。
達郎に関しては段階を踏んでいきたいとは思ってはいるのですが、僕の中では今、ハードリーやナシメントとやっても達郎は競りてる自信があるとは思っています。
──おお、平良選手……スミマセン。いつも心配が先だって相手を大きく見て、過小評価をしてしまって。
平良 大丈夫です。僕もそうなので(笑)。
松根 とはいえランキングの上位に入って来る選手と戦うと、そうはいかないです。ただイリディアムのジェイソン・ハウス代表が凄く丁寧に考えてくれている方なので、『早急にステップアップさせるのではなくて、段階を踏ませたい』という意見なんです。だからUFCと直接交渉する彼の判断と手腕を信じて、オファーのあった相手と戦っていきます。
僕と達郎が試合を断ることはないので、届いたオファーはその都度飲んでやっていきたいです。そういう意味でもジェイソン・ハウスと出会えたことは、凄く大きいですね。
──1月のラスベガス行きからノンストップでやってきました。少し休息して、次への英気を養ってください。
平良 ありがとうございます。北海道に旅行に行くことは決まっているのですが、今、MMAが凄く楽しくて。試合が終わってか、北海道に旅行に行きたいということ以外は『次はどこを強化しようか』ってことばかり考えちゃうんです。アレもやりたい、これもやりたい。ここで練習したいとかばっかりで。
UFCと契約してからMMAが本当に楽しくて。次の試合までに、自分にしか分からない進化ってあると思うので、どんな相手が来ても自信を持って戦えるように強くなっていきたいです。
──UFCで1試合戦って、自分の位置を確認したいと試合前に言っていました。キャンデラリオ戦を終えて、UFCでやっていける手応えが掴めましたか。
平良 キャンデラリオに負けたら、どうしようという不安はありました。自分の力がそれだけしかなかったら、これからどうなるんだと。相手の力は戦ってみないと分からないので、そういう不安は相当ありました。
でも実際に戦ってみて、この局面は負けたとか怖かったということが特になかったです。ただし強化しないといけないポイントは、言いだしたらキリがないほど存在しています。UFCの上の選手を見て……いえ、上の選手じゃないですね。新しくサインをしたジェイク・ハードリーさんとか、ムハマド・モカエフとかに勝てるかと言ったら、自分も自信がないので。ただ、そういう選手と戦っていきたいという気持ちが強いです。新世代ということじゃないんですけど、僕と同じ時期にUFCと契約した選手たちと。
彼らとの潰し合いに加わりたいので、そういう試合が組まれるよう強化しようと思います」
──ハードリーにモカエフ、モカエフは6戦目でUFCデビューを果たし──勝手ながらMMAPLANETでは英国の平良達郎と呼ばせてもらっています(笑)。
平良 モカエフはジェイクさんより強いと思います。
──7月23日にモカエフはUFC第2戦で、LFAフライ級王者のチャールズ・ジョンソンと戦います。凄く楽しみな一戦です。
平良 モカエフが絶対に勝つと思います。ジョンソンのLFAの試合も視ましたけど……。
──なるほど、興味深い発言です。あとキャンデラリオ戦のパウンドとエルボー、久しぶりに荒々しい平良選手が見られたかと感じました。あの辺りもUFCで戦っていくことでリフレッシュした部分と、気合の入り方が違ってきたのかと。
平良 パウンドって思ったより疲れるなって……改めて思いました。思い出した感じですね(笑)。パウンドの練習もやらないとダメですね。
松根 平良達郎個人のことでいえば、これが第一歩です。UFCのベルトを獲るには、あと6連勝か7連勝が必要です。その途中で躓くことがあるかもしれないですが、これからの10試合でUFCのベルトに手を届かせたいです。ただし、簡単な道ではないです。それでも夢は口に出してこそ、叶うモノだと思っています。
平良達郎とはしっかりとUFCのベルトを目指し、これからも二人三脚で戦っていくのでファンの皆さんにも見守って欲しいです。同時に平良に皆さんの夢を乗っけて、期待してほしいですね。Road to UFCでもUFCという最高峰を夢見る選手たちが出場しますが、達郎も皆と共に日本の強さを知らしめていきたいです。
──押忍。とにもかくにも平良選手の勝利で、日本のファンが喜んだ。これは本当に良かったです。そんなファンの皆さんに改めて、感謝の気持ちをお願いします。
平良 日本からたくさんの応援があって、本当に嬉しかったです。僕がUFCと契約してからの周囲の盛り上がり方は、断トツで過去一番でした。応援してくれている皆の気持ち、期待が感じられたことが、最高のモチベーションになりました。また次の試合も、皆に喜んでもらいたいので──絶対に勝ちます。応援、ありがとうございました。
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