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【Road FC59】TD&極め狙いのパク・ジョンウンを打撃が優勢のシム・ユリが破り、リベンジ&アトム級王者に

【写真】スタンドの打撃は明白にシム・ユリ。テイクダウン&バックやリバースマウントでは、Road FCの加点法MMAだと追いつくことはできない(C)ROAD FC

<Road FC女子アトム級王座決定戦/5分3R>
シム・ユリ(韓国)
Def.2-0
パク・ジョンウン(韓国)

右を入れたシムに対し、パクがローを蹴る。シムは鋭い右を伸ばし、右前蹴りから左ローを蹴る。右に左フックを被せていこうとしたパクは、近距離でのパンチの交換から間合を測り左右のローを蹴る。シムは右オーバーハンドをかわし、ローに右をカウンターでヒット。さらに左から右を打ち込むなど、シムがボクシングで優勢だ。

右から左を当てたシムが、ハイにつなぐ。パクはこの局面でダブルレッグを仕掛けテイクダウンを奪うと、強引にマウントへ。背中を見せたシムにRNCをセットしていく。右手一本の絞めからセットアップするが極め切れないとみると、パクがトップキープに切り替える。このタイミングで立ち上がったシムが、鋭い右を見せるなど打撃で上回った。

2R、左ジャブを打ち合い、右を当てたパクが左フック、続いて右ローを入れる。シムは左を伸ばし、左に回るパクに右ジャブを当てる。パクは左ミドルを蹴り、ローへ。シムの前進に左を入れる。シムは前に出続けて前蹴り、ジャブ、ローと攻撃と散らす。ワンツーにダブルレッグを決めたパク。シムはすぐにケージを背にして立ち上がる。クリンチから小外のシムに対し、払い腰を決めたパクはリバースマウントで足を取りに行く。強引なヒザ十字に狙いに立ち上がったシムが、首相撲からヒザを連続でボディに入れた。

間合いを取り直した両者、前手のはたき合いからシムが左ハイを空振りする。パクは右を―を蹴ったが、シムがショートのコンビから左ミドルを決める。パクは右を被弾し、ローを蹴るもののシムが左から右、さらに左を当て攻勢のうちに2Rを戦い終えた。

3R、まず左ジャブを入れたシムが、右を2発連続でヒットさせる。続いて左フックを両者が打ち、シムが前蹴りへ。打撃で劣勢のパクは左フックを当てるが、すぐにワンツーを受ける。続いて右が相打ちとなると、ここからパンチを重ねたのがシム。シムの距離で打撃戦が続き、パクはダブルレッグを切られる。そのままケージに押し込んだシムが、細かいヒザを突きあげる。パクは離れて左に回るが、左フックに左ストレートを合わされる。パクも右を返し、ワンツーを打たれるとダブルレッグへ。

切ったシムが立ち上がり、パクは左フックに続き右ストレートを当てる。シムもコンビ&左ハイ、ダブルレッグを切りクリンチからヒザを入れ、離れてパンチを交換。最後までシムが打撃で攻勢のまま、タイムアップを迎えた。テイクダウンとポジションではパクだったが、加点方のRoad FC裁定ではシムが有利だ。結果、2-0でシム・ユリに凱歌が挙がり──その腰にRoad FC女子アトム級のベルトが巻かれ涙を流した。


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【Road FC49】女子アトム級王座決定戦へ。小狼=パク・ジョンウン「Roadの王者になり、DEEPでも……」

【写真】チビウルフ・ポーズは健在。明日の夜、どのようなパフォーマンスを魅せてくれるか。期待大のパク・ジョンウン(C)MMAPLANET

4 日(土・現地時間)、韓国はウォンジュのウォンジュ総合体育館で開催されるRoad FC59で女子アトム級王座決定戦が組まれ、パク・ジョンウンがシム・ユリと対戦する。

2015年、18歳でプロMMAデビューを果たした時の相手は藤野恵実だった。黒部三奈、ハム・ソヒら日韓のトップと戦い韓国女子MMAで最も経験豊かなファイターに成長したパク・ジョンウンだが、コロナにより1年8カ月実戦から遠ざかることとなった。

今回の試合を前にして、コロナ禍が彼女に何をもたらしたのか。また、これからについてどのように考えているのかを尋ねた。


──お久しぶりです。試合が近づいてきましたが、どのように過ごされていますか。

「御無沙汰しています。ジムの会員さんの指導をして、練習をして、いつも通り過ごしています。とても元気です(笑)」

──1年8カ月振りの実戦になります。

「久しぶりの試合なので緊張しています。一番気がかりなのは、コロナの影響でジムで練習できたり、できなかったりということを繰り返していて、今回は1カ月しか試合に向けて練習できなかったことです。これまでと比べると準備期間が短かったので、その分一生懸命練習しています」

──コロナ感染が広がってから、MMAファイター人生を考え直すということはなかったですか。

「長かったんですね。ジム経営など困難な局面もありましたけど、私はジムを代表して戦っている立場です。でも、まだこの世界でトップにもなっていないですし、ここで辞めてしまうようなことがあれば一生後悔することになるのは目に見えていたので、そういう気持ちは一切なかったです。練習を淡々としていました」

──コロナ感染拡大が収まり、渡航者への隔離措置が解除されればDEEPの佐伯代表はDEEP JEWELSアトム級王座決定トーナメントでパク・ジョンウン選手を出したかったという話をされていたことがあります。

「私自身はその話は知りませんでした。ただ、佐伯代表が韓国人選手を日本に呼びたいと言ってくれていることは伺っていました。私もDEEPから声が掛れば、絶対に試合をしたいと思っています」

──この間、パク・シウ選手が東京に滞在し、そのトーナメントに出場も含め、試合を重ねてきました。Double GFCやAngels FCという韓国内の大会で試合をしたいという気持ちになることはなかったですか。

「パク・シウ選手が日本で試合を続けていることは、しっかりと把握していました。ただ私はRoad FCの選手なので、他の団体で試合をしようとする気持ちはなかったです。逆にあのコロナ禍の状況下で大会を開いていることで、クラスターが発生しないか心配でした。この間、Road FCがイベントを行わなかったことこそ韓国のメジャー団体として正しい判断だと思っています」

──ではパク・シウ選手がチャンピオンになれなかった事実に関しては、どのように捉えていますか。

「この時期に選手が試合をできるということは、どこにいても有難いことです。ただし、彼女の判断と私の判断は関係ないです。パク・シウ選手は大島選手との試合でも、しっかりと寝技の対策はしていたと思います。現に1度勝っている相手ですし。ただ、これがMMAなんだと思います。100パーセントはありません。また次に向かって、パク・シウ選手も頑張っているはずです」

──韓国と日本が以前のように行き来できるようになった時、DEEP JEWELSアトム級タイトルはパク・ジョンウン選手のターゲットになりますか。

「私自身、前澤智選手と挑戦権を争って試合をしたこともあります。まずはRoad FCのタイトルを取り、そこからDEEP のチャンピオンも狙えることになれば光栄です」

──つまりは次のタイトル戦は落とせないということですね。一昨年、現時点で最後の試合でTKO勝ちをしているシム・ユリ選手が相手ですが。

「もう1度、試合をすることになるとは思ってもいなかったです。ただし、この間に私の研究も前回よりしているでしょうし、強くなっているはずです。今回は厳しい試合になると思うので、気を引き締めて準備しています」

──満足に練習できない時期もあったかもしれないですが、前回の試合からパク・ジョンウン選手はどこが一番成長していると思いますか。

「メンタルですね。この間、成長できたのは。そこは試合を戦ううえで、一番必要な部分ですし。そこが試合に出れば、より強くなれると思います。コロナという状況で、自分をよりコントロールできるようになったと感じています。

この状況でできることを黙々と最大限にやってきました。次の試合もただチャンピオンになるだけでなく、女子選手のモチベーションになるような選手になりたいと思っています。皆の目標になれるような。経済的に余裕ができて、女子選手の育成に役立てるならそうしたいですし、それが無理ならRoad FCと協力して、女子MMAを盛り上げたいと考えています。過去にRoad FCが行ってきたリアリティTVショーでも、女子選手の参加は少なく男子選手と戦ったりしている状況は歯がゆかったので」

──女子選手がオーディション番組で、男の選手と戦っていたのですか?

「ハイ。普通にありました……だから私が役に立てるなら、UFCのTUFのようなオーディション番組の女子版をやってみたいです」

──いつの間にか、韓国内でも最も経験が豊富な選手の1人になりました。ここでチャンピオンになると、下から伸びてきた選手の壁になるというキャリアを積んでいこうという考えなのですか。

「私は自分の立場を弁えることができていると思います。まだ韓国でもチャンピオンになっていないです。例えチャンピオンになっても、まだまだ経験は足りません。自分の力をまだケージのなかで全て見せることができたとも考えていません。

なのでチャンピオンになり、韓国の女子MMAを盛んにし……誰からも認められるような状況になって海外の試合に出ていきたいです」

──素晴らしい考えですね。パク・ジョンウン選手、今日はありがとうございました。では日本のファンに一言お願いします。

「日本で試合をしたときに、狼ポーズを日本のファンがしてくれたり……そういうことが本当に嬉しかったです。感激していました。今もSNSに日本のファンから応援のメッセージをもらいます。私は日本のファンの温かさを忘れていません。次の試合に必ず勝って、少しでも早く日本で試合をしたいと思います。引き続き、応援よろしくお願いします」

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【Road FC59】MMA復帰=フェザー級王座決定戦、キム・スーチョル─02─「毎日、泣きそうになる」

【写真】2019年12月にグラップリングでケージに復帰していたスーチョル。土曜日の夜はMMAグローブを装着した彼に会える(C)MMAPLANET

4 日(土・現地時間)に韓国ウォンジュのウォンジュ総合体育館で開催されるRoad FC59で、パク・ヘジンとRoad FCフェザー級王座決定戦を戦うキムキム・スーチョル・インタビュー後編。

女子アトム級王座決定戦=パク・ジョンウン✖シム・ユリと並び、ダブル・クラウンで4年5カ月振りのMMAを戦うキム・スーチョルは、ケージの中とともに人として強くなることを常に目指してきた。

コロナ禍でより大人に、そして内面が強くなったキム・スーチョルの今回の試合に賭ける意気込みとは。

<キム・スーチョル・インタビューPart.01はコチラから>


──コロナの時代を経験して、各々が人間として真価を問われると自分は感じています。スーチョル選手もこの間に、何か学んだという感覚はありますか。

「自分の周囲にも仕事を失ったり、命の危険に陥った人もいました。生きる上で危機感が高まった時期でした。そのなかで自分も子供はまだできていませんが、家庭を持っています。人として強くならないと、ここを生き残ることはできない。少しでも強くなろうと、覚悟を決めた期間でもありました」

──スーチョル選手も人として強くなったのは、もうずっと以前からですよ。ONEの頃、Road FCで戦っていた時、そして今はケージの外の顔つきが違います。ケージの中は以前からずば抜けて使ったのですが(笑)。

「ありがとうございます。以前より……前も少しは成長していたかと思っていたのですが、今は常に気を強くしないとダメです。だから、以前以上にその気持ちで頑張っています」

──押忍。今回、対戦相手はさきほども言われましたが、最近の韓国では寝技が秀でた選手です。その一方で打撃に穴があると思われます。

「そういう風に思わる選手かとは思います。確かに打撃のテクニックはそれほどではないです。ただし、一発があります。一発で相手を倒せますし、ダメージを与えるパンチの持ち主です。一発が重いので、そこは気を付けないといけない相手です。パク・ヘジン選手のパンチで危ないシーンに追い込まれることは十分にあると警戒しています」

──今回はフェザー級のタイトル戦です。今後もフェザー級で戦っていくということでしょうか。

「そこは考え中です。バンタム級とフェザー級の掛け持ちで戦う方が、チャンスが広がると思っています。ただし、バンタム級でも4、5キロほどの減量なのでフェザー級では小さいです」

──ここから先、キム・スーチョルのMMAファイター人生第2章、目標はどこに置いていますか。

「復帰を決めたので、世界一を目指しています」

──柔術の練習が多いということですが、明らかに青タンがありますし、万全の状態で復帰戦に臨めることを願っています。

「カムハサムニダ。これはシン・ドングク選手とのスパーリングで、頭が当たってしまったんです。頭を振って打撃を打って来る選手なので、これ以上のケガをしないように気をつけます」

──キム・スーチョルの復活を楽しみにしている日本のファンに一言、お願いします。

「今日はインタビューで、練習に制限があるということを話してきましたが、そのなかでも練習内容は過去にないほど自分を追い込んできました。毎日、泣きそうになりながら練習を続けています。絶対にファンの皆さんががっかりするような試合だけはしたくありません。最後の最後まで動き続けることができる、最高の戦いをするつもりです。応援、宜しくお願いします」

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【Road FC59】4年5カ月振りのMMA復帰、キム・スーチョル─01─「1人でトレーニングをするしか……」

【写真】とにかくスーチョルの復帰は嬉しい限りだ(C)MMAPLANET

9 月4 日(土・現地時間)に韓国ウォンジュのチアック体育館で開催されるRoad FC59で、キムキム・スーチョルがパク・ヘジンとRoad FCフェザー級王座決定戦を戦う。

女子アトム級王座決定戦=パク・ジョンウン✖シム・ユリと並び、ダブル・クラウンでキム・スーチョルのMMA復帰が決まった。キム・スーチョルは2017年にRoad FCバンタム級王者でキャリアのピークにありながら突然、引退を発表。2年後の2019年12月にグラップリングマッチで実戦復帰を果たすと、2020年に待望のMMA復帰を宣言していた。

しかしながら、ご存知のように世界はコロナ禍に見舞われ、Road FCの活動休止が長引いたため復帰戦も棚上げされた状態だった。ようやくケージに戻ってくる、しかもタイトル戦を戦うキム・スーチョルに話を訊いた。


──4年半ぶりのMMA復帰戦を控え、今の気持ちを教えてください。

「率直に良い気持ちでいます。MMAで再び戦えることが素直に嬉しいです。試合には出ていなかったですが、練習で色々なことをやってきました。ただし、その練習してきたことが実際に試合で通じるのかという不安もあります」

──2019年12月にグラップリングマッチを戦った際、『2020年にMMAに復帰したい』と言っていましたが、すぐにコロナパンデミックが世界を襲いました。あの時点では2020年のいつ頃にMMAを戦うつもりだったのですか。

「自分の気持ちとしては2020年の中頃には、戦いたいと思っていました。コロナウィルス感染拡大で酷いことになり、ここまで復帰が延びたことは致し方ないですが、残念でした」

──ROAD FC自体が活動を1年8カ月に渡り活動を休止していました。ただし、韓国内でもDouble GFCやAngel’s FC、そしてUFCへONEで戦うファイターは実戦経験をこの間も続けてきました。そこでキャリアの積み方を再考することはなかったですか。

「ロードFCはAfreeca TVとARCという大会を続けていて、自分の試合を組むという話が何度かありました。ただし、対戦相手の調整がつかなく結局できなかったんです。本当に何度も相手の名前が挙がってはなくなる。その繰り返しでした。でも、そうやって試合を組もうという風に周囲が動いてくれているのは確かだったので、またRoad FCで試合ができるという風に考えていました」

──しっかりとその日を待っていたわけですね。とはいえ、その間コロナ禍において、トレーニングに影響も出たのではないでしょうか。

「韓国の感染状況は今も良くないです。多くの人が集まって練習することはできないですから、当時は1人でトレーニングをするしかなかったです。スパーリングパートナーもなく、イメージトレーニングをして、あとはフィジカルを高める運動をしていました。

対人練習をするようになったのは、今年の始めからです。でも、すぐに国の感染予防対策が1段階から4段階まであるなかで、一番厳しい4段階に引き上げられることになりました(※イベントの開催が禁止、結婚式も親族のみ。スポーツ観戦は無観客、アルコールの販売が行われる店の影響は禁止。午後6時までは家族以外の会場は4人まで。午後6時以降は2人まで。スポーツ営業施設で試合の準備などの場合は、ワクチン接種が住んでいれば4人以上集まることも可)。

それからも規制段階の上下が繰り返されたので、それまでのように練習をすることは今もできていないです」

──UFCやONEに出ている選手は、人数制限はあっても以前に近い練習を行えていると取材で話してくれていましたが、また状況が違うようですね。

「きっとソウルやプサンの選手は、規制段階が緩和されればそういう練習ができるのだと思います。所属チームにプロ選手も多いですしね。そういう時期で政府や自治体から何か制限が特別に掛かるということはないのですが、自分が住んでいるウォンジュは地方都市ですし、コロナに対する見方も大きな都市とは違います」

──日本と同じですね。今やその段階を越えた感もありますが、当初は感染者を自分たちの街から出すな。東京から帰郷もしないでくれ──という空気でした。

「そこは日本と韓国も変わらないと思います。自主隔離を2週間ほどするという所もありました。実際に知人も陽性になり、隔離後もビジネスを2カ月間も休むということがあったんです。そういう地方都市独特の閉そく感はありました。

何よりチーム・フォースもそれほどプロ選手は在籍していないです。以前は他のチームの選手が出稽古に来て、またウォンジュに住んでいない選手も練習していました。規制段階が下がっても、ジムの方では出稽古で他のチームの選手が来館することを禁じていました。自発的に出稽古を中止にした形ですね」

──なるほどぉ、チーム内で練習するので練習相手も限りがあるということですね。

「ハイ。それでも今回の試合が決まってからは1週間に3、4回の対人練習をして2、3回はスパーリングです。それ以外は体力トレーニングですね。アジリティの強化に集中してきました。

ただ今回の対戦相手パク・ヘジンは柔術が強いので、自分の方からソウルに行き、柔術家のチェ・ワンギ選手(2017年アジアでイザッキ・パイヴァに勝利し準優勝)やチェ・ヨンスン選手(2019年アジア選手権ライト級でクレベル・コイケや森戸新士を下し優勝。MMAでも田村一聖に一本勝ちしている)とも練習をしています。

彼らはガードからの攻めが強い選手ですが、今回の試合はMMAということで自分に合わせてスクランブルやトップからの攻撃、足関節などを積極的に使ってくれています」

<この項、続く>

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【Road FC59】キム・スーチョルの復帰戦はフェザー級王座決定戦。パク・ジョンウンもアトム級王座決定戦

【写真】キム・スーチョル、パク・ジョンウンが揃ってタイトル戦に(C)MMAPLANET

9 月4 日(土・現地時間)に韓国ウォンジュのチアック体育館で開催されるRoad FC59の対戦カードが出揃い、メインでキム・スーチョルがパク・ヘジンとRoad FCフェザー級王座決定戦を戦うことが明らかとなっている。

このタイトル戦決定前からシン・ドンシグク✖バク・スンモ戦のライト級戦が決まっていた同大会だが、フェザー級に続き女子アトム級でもタイトル戦が決まり、パク・ジョンウンがシム・ユリと戦うことも発表されている。


Road FCバンタム級王者だったキム・スーチョルはキャリアの絶頂期にありながら、2017年一杯で引退を表明。2年後の2019年12月にRoad FC57でのグラップリングマッチを経て、2020年にMMAを戦うことを宣言していた。しかしながらコロナパンデミックで、Road FCの活動休止が長引いたため復帰戦も棚上げされた状態だった。

今回のカムバック戦に関しては、関西&打撃系MMAファイターが対戦相手になるという噂もあったが、結局──韓国も海外からの来韓者には隔離措置が取られている状態で、この案は見直されることに。

結果、キム・スーチョルはイ・ジョンヨンが返上したタイトルを──その前王者に10秒でKO負けしたパク・ヘジンと争うことになった。22歳でチャンピオンになった前王者=イ・ジョンヨンは、パク・ヘジンとのタイトル初防衛戦後、2年近く実戦から遠ざかっているが、UFCと契約を目指すためにタイトルを返上。Road FCから離れてフリーエージェントになる道を選んだそうだ。

彼の所属するセンジジムは、所属選手をRoad FCにしか出場させてないだけに、ここでRoadとの契約解除はUFCとの交渉が進んでいるのか、ありいは退路を断ってUFC行きに賭けているという見方もできる。スーチョルの復帰戦も楽しみだが、イ・ジョンヨンの行方も気になるところだ。

他方、ハム・ソヒが返上した女子アトム級王座を賭けて戦うパク・ジョンウンとシム・ユリは2019年12月、現状で最後の試合で直接対決しており、パク・ジョンウンがパウンドアウトでTKO勝ちを収めている。

トップどころは海外と契約し、コロナ期に活動を取りやめているベテラン&中堅勢も少なくなく、国際戦が組めないことで韓国のドメスティック・プロモーション全体が、マッチメイクに苦労の跡が見られる。

加えてRoad FCはDouble GFCやAngele’s FCと違いクロスプロモーションを行わないため、若い力の成長を待つ時期に入ったともいえる。そんななかで男女の軸となるべくファイターがタイトル戦に名乗りを挙げるのは朗報といえるだろう。

一方で日本国内とは数字は違うが、デルタ株により感染拡大が続く韓国だけに、現状で同大会はチアック体育館のキャパ20パーセント、800人程度の有観客大会で実施される予定だが、感染状況が悪化すれば延期もありうるというのが現地での見方だ。

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