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ADCC2022 MMA MMAPLANET o YouTube   ケイド・ルオトロ

【ADCC2022】77キロ級準決勝 That is Submission Fighting。ケイドがPJのスイッチ返しに腕十字!!!

【写真】このスイッチの攻防から、腕十字を極めきるとは。修練が生んだ閃き、閃きを結実できる練習量ということか……(C)SATOSHI NARITA

17日(土・現地時間)&18日(日・同)にラスベガスのトーマス&マック・センターにて開催された2022 ADCC World Championshipが開催された。
Text by Isamu Horiuchi

ADCC史上、他のグラップリングイベントの追随を許さない最高の大会となったADCC2022を詳細レポート。第5回は77キロ級─もう一つの準決勝、柔術の神の子を越えるようなレスリングと柔術の融合体からフィニッシュが見られたケイド・ルオトロ×PJ・バーチ戦の模様をお伝えしたい。


<77キロ級準決勝/10分1R>
ケイド・ルオトロ(米国)
Def.8分24秒by腕十字
PJ・バーチ(米国)

2回戦で絶対王者JTからまさかのクリーンテイクダウンを奪い、世界を驚かせる大殊勲の勝利を挙げたバーチの相手は弱冠19歳、アトスにおけるJTの後輩ケイド・ルオトロ。一回戦は豪州の足関節職人ラクラン・ジャイルズの下からの仕掛けを切り続け、8分過ぎにインバーテッドからフレームを張ったラクランの腕に一瞬で飛びついて十字を極めて一本勝ちを収めた。

さらに二回戦では、ルオトロ兄弟の宿敵とも言えるロベルト・ヒメネスと対戦。両者が極めを狙ってダイナミックに動き回る攻防の中、スクランブルで先を行き上を取ったケイドはヒメネスの右足を取る。さらに左足も捕獲した上でそのまま倒れ込んだケイドは、結局右足を内ヒールに極めて完勝。これまでなかなか勝てなかった若きライバル相手に、この一年の成長の差を見せつけるような形で準決勝進出を決めている。

試合開始後、スタンドで手足を飛ばし合う両者。体格的有利を活かして前に出て圧力をかけるバーチは、1分を経過した頃に右でワキを差しての投げを試みるが、ケイドは優れたバランスを発揮して倒れない。離れると、ケイドは両手を広げて誘う仕草を見せるが、カウンターのサブミッションを警戒してかバーチは誘いには乗らない。

さらに横に動いたと思いきや、おもむろに体勢を下げてしてバーチの右足をキャッチするケイド。しかしバーチも足を抜く。ケイドはまた両手を誘ったと思いきや右足を取るフェイントを見せ、さらには左右に動く。

ケイドが事前に「僕には不動のJTのペースをも崩す手がいくつかある」と言っていたのはこのような動きだろうか。とまれレスリングで培った体の圧力を全面に出して前に出るバーチに対し、ケイドが独自としか言いようのない動きで対抗してゆくなか、試合は加点時間帯へと入った。

前に出るバーチに、カウンターでダブルに入るケイド。バーチはそれを小手投げで切り返す。そ腕十字のチャンスかと思われたが、危険を察知したケイドは立ち上がりすぐに離れてみせた。

攻撃姿勢を崩さないバーチは、シュートインしてケイドの左足を取ると、そこから背後に付いてボディロックを組む。そのまま飛びついてバックを狙うが、ケイドは腕で足を振り払う。

強固なボディロックを解かないバーチに対して、ケイドは自ら座り込んでスイッチを狙うが、バックに回ることはできない。

グリップを襷にすると、再び両足フックを狙うバーチ。腰を当ててディフェンスするケイドに対し、シングルフックからでグラウンドに引きずり込んでのチョーク狙い。

ケイドは体をずらして起きようとするが、バーチは背後に付き続ける。タイトかつ強固に密着するさすがのレスリング力だ。ここでケイドは、再び自ら座り込むシットアウトからスイッチで体勢を入れ替える。が、バーチはすぐにスイッチ返し。

この瞬間、ケイドは体をずらしてバーチの左腕をワキで抱ええると、そのまま腕十字に。うつ伏せの形で入ったケイドは、亀の体勢のバーチの体を回して仰向けにしながら腕を伸ばし、極めてみせた。

レスリングの圧力で勝るバーチに強固に密着され、思うように動けなかったケイドだが、ついに自らの本領=動き続けるスクランブル合戦に持ち込むと一瞬でフィニッシュ。

タイトに密着して相手の動きを止め制圧する発想を、両者が動くダイナミックなカオス状態を創り出すことで制してみせた。二つの異なる価値観がぶつかり合う、大会の正式名称=「サブミッションファイティング」の魅力に溢れた一戦だった。

とまれ、これでケイドが決勝に進出。18歳のミカと19歳のケイド。今年6月の世界柔術におけるケイドの双子の兄=タイvsミカに続いて、ファン垂涎の新世代頂上決戦が実現することになった。

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ADCC2022 JT・トレス MMA MMAPLANET o YouTube   ケイド・ルオトロ トミー・ランガカー 岩本健汰

【ADCC2022】77キロ級 なんと連覇中のJT・トレスが2回戦で、ノーマーク=PJ・バーチに敗れる大波乱!!

【写真】アップセットは大興奮と、期待のマッチアップが実現しなくなるとガッカリ感と二つの効果を生み出す(C)SATOSHI NARITA

17日(土・現地時間)&18日(日・同)にラスベガスのトーマス&マック・センターにて開催された2022 ADCC World Championshipが開催された。
Text by Isamu Horiuchi

ADCC史上、他のグラップリングイベントの追随を許さない最高の大会となったADCC2022を詳細レポート。第2 回は77キロ級初戦で岩本健汰を破ったJT・トレス──大会2連覇中──の2回戦の模様をお伝えしたい。


<77キロ以下級2回戦/10分1R・延長5分>
PJ・バーチ(米国)
Def. 4-0 (-P0-2)
JT・トレス(米国)

岩本相手に改めてその難攻不落ぶりを見せつけたJTの次戦の相手は、10th planetのPJ・バーチ。1回戦のトミー・ランガカー戦では下からの仕掛けを捌き、本戦後半の加点時間帯にてランガカーのギロチンを耐えてスタンド戦に戻ると、バーチは自分の時間が来たとばかりにすかさずテイクダウン狙いからバックへ。そのままグラウンドに持ち込み、両足フックを完成して北欧の極め業師に快勝した。

トップゲームを得意とする両者だけあって、お互い頭を掴みいなし合ってのスタンドレスリングが続く。JTがシュートインするが、バーチはそれをかわす。次はバーチが前に崩してからのシングルでお押してゆくが、惜しくも場外ブレイク。

3分半が経過した頃、JTが得意の小内刈りからつなげるシングルを仕掛け、そのまま前進してテイクダウンに成功。そのままバーチの背中を付けさせて上を確立したが、これはまだ加点時間前。やがてバーチは腕でフレームを作って距離を取り、立ち上がることに成功した。

試合はスタンド戦に戻り、加点時間帯に。JTは岩本戦同様、きわめて静かな表情で口を閉じ鼻呼吸して攻防をしている。

6分半経過したところで、おもむろにバーチがダブルで飛び込む。深く入ってがっちりとグリップを組んだバーチは、そのままドライブして豪快にJTを倒すとそのままサイドに。

これが(即サイドポジションに入る)ビッグポイントのクリーンテイクダウンと認められ、なんとバーチは絶対王者から4点を先制してみせたのだった。

サイドを取られたJTはすぐに腕で距離を作って上半身を起こすと、左足でバーチの太腿を跳ね上げて立つことに成功。見事なリカバリーだが、残り3分ほどで0-4。3連覇を狙う王者が、誰もが想像せぬ大ピンチに陥った。

スタンドに戻ると、JTは前半に成功させた小内からのシングル狙い。が、予期しているバーチは距離を取る。さらに前に出るJTは再三テイクダウンを試みるが、バーチはその度に切ってみせる。そのうちJTのテイクダウンをがぶったバーチは、背後にまわってみせた。

亀の体勢のJTは、時間が経過してポイントが入らない状態になってから下に。そこから素早くオモプラッタを仕掛けるが、バーチはJTの体を跨いで腕をぬく。ならばとJTはバーチの右足を肩で抱えてのスイープを狙うが、バーチはここも足を抜いてみせた。

残り1分少々。JTはまたしても小内からシングルに入って右足を捕獲。が、バーチは右手でJTの頭を押して距離を取って足を抜く。ディフェンス一辺倒になったバーチにマイナスポイントが1つ与えられた。

さらに前に出ようとするJTを、バーチは4つに組んでそれを防ぐ。それでもシュートインするJTだが、バーチはここも距離を取る。ここでバーチは2つ目のペナルティをもらうが、ビッグポイントが効いてまだ勝っている。結局、バーチが最後までJTのテイクダウンを切り続け、大アップセットを演じてみせた。

決して隙を見せずリスクを負わず、難攻不落の絶対王者JTが、その本領であるはずのスタンドレスリングでまさかのビッグポイントを献上しての敗戦──前半でテイクダウンを奪ったこともあり、隙がないはずの精密機械に油断が生じたか。結果、ミカ・ガルバォン、ケイド・ルオトロといった自由奔放な新世代との夢の対決は実現せずに終わってしまった。

一方、大殊勲の星を挙げて準決勝に進出したバーチ。予選で敗れながらも本戦に招待を受け、はじめてADCCルールと真剣に向き合いそれ専用の戦略を練ってきたという。強力なレスリングをベースに持ちサブミッションを熟知したバーチのような選手は、ADCCルールでは常に危険な存在だということを改めて痛感させてくれる、この大アップセット劇だった。

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ADCC2022 JT・トレス MMA MMAPLANET o カイナン・デュアルチ ケイド・ルオトロ ゴードン・ライアン ジオゴ・ヘイス ジャンカルロ・ボドニ ハイサム・リダ ホベルト・アブレウ ユーリ・シモエス 岩本健汰

【ADCC2022】66キロはジオゴ・ヘイス, 77キロはケイド。88キロがボドニ。KINGはゴードン・ライアン!!

【写真】タイが初日に姿を消すというなか、ケイドがADCC最年少世界王者に (C)SATOSHI NARITA

17日(土・現地時間)&18日(日・同)にラスベガスのトーマス&マック・センターにて2022 ADCC World Championshipが開催された。

イベントの規模、試合レベル共に四半世紀を迎えようかというADCC世界大会の歴史において、また他のグラップリング・イベントと比較しても、過去最高のグラップリング・イベントとなった今大会。

そんななか日本でも特に注目された66キロ級ではジオゴ・ヘイスが優勝。77キロ級ではケイド・ルオトロがミカ・ガルバォンを足関節で下し頂点に。

88キロはノーマークだったといっても良いジャンカルロ・ボドニが、これが新時代のグラップリングだという戦い方を続けた。

結果、決勝でルーカス・バルボーサをRNCで仕留め優勝している。

99キロ級はカイナン・デュアルチ、99キロ超級はゴードン・ライアンがゴールドを獲得、ゴードンはスーパーファイトも制し文字通りグラップリング界のKINGに君臨。無差別級では古豪ユーリ・シモエスが復活を遂げる勝利を挙げている。

日本から出場した岩本健汰は初戦でJT・トレスと対戦し、非ポイントの時間帯から積極的に攻めるという戦い方を選択する。

岩本のテイクダウン狙いに序盤の5分間は倒れていたJTは5分以降と延長戦では、切ってバックを伺うという展開で大善戦の岩本をレフ判定でくだした。

ハイサム・リダは初戦でホベルト・アブレウを腕十字で破るジャイアントキリングを達成するも2回戦敗退。それでも多くの新しい力の台頭の象徴──その一員であることを大いに印象づけている。

※ADCCの詳細レポートは後日、掲載となります。


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ADCC2022 JT・トレス MMA MMAPLANET o ONE Road to ADCC   ケイド・ルオトロ ゲイリー・トノン コナー・マクレガー コール・アバテ ジョゼ・アルド タイナン・ダウプラ タイ・ルオトロ ニッキー・ライアン 堀内勇 高橋SUBMISSION雄己

【ADCC2022】高橋サブ&堀内勇がADCCを深掘り─02─。77キロ級、柔術の神の子とADCCルール王

【写真】巧さは強さなのか。そして強さは巧さにどう対抗するのか(C)CLAYTON JONES/FLOGRAPPLING& SATOSHI NARITA

17日(土・現地時間)&18日(日・同)にラスベガスのトーマス&マック・センターで開催される2022 ADCC World Championship。2年に1度のグラップリング界最大のトーナメントが、コロナの影響で3年振りに開催される。

グラップリング界においても特殊なポイント制が用いられながら、世界最高峰の組み技の祭典を高橋Submission雄己とMMAPLANETグラップリング・ライター堀内勇氏が、独断と偏見と愛情をもって深堀り。第2弾は66キロの米国勢から、77キロ級の2人の優勝候補の対照的なスタイルについて話を続けてもらった。

<高橋Submission雄己&堀内勇、ADCC深堀対談Part.01はコチラから>


──話を蒸し返すと、ONEでトップグラップラーのグラップリングが頻繁に視られるようになるのは嬉しいのですが、それでもADCC欠場はやはり勘弁してくださいと気持ちになります。

堀内 やっぱりマイキーは個性が際立っていますからね。最近も『僕はピザとパスタしか食べない』なんてことを言いだして。朝はアサイーを食べて、毎日同じピザを食べているという話で。毎日ピザを食べて世界一になるって、ダイエット界や栄養学界の常識を覆しているんじゃないかって。

高橋 アハハハハ。

堀内 そういう彼が抜けるのは残念ですが、今大会はファブシリオ・アンドレイとかベイビーシャークなど、新しい力を知るきっかけになりますね。

──きっと勝てないという意見もありますが、そうなると『ちゃんと負けろよ』と思ってしまうんですよね。バトンタッチしてくださいって。ただ、チャトリはADCCで優勝した人間全員とサインするぐらいのつもりでいるんじゃないかと思います。マイキー不出場はさておき、他に66キロで注目すべき選手は?

高橋 ONEへの恨み節に関しては、ルールが違うから良いじゃないかなって。そりゃあ見たかったですけど、別競技といって良いほど違う。まぁサブオンリーのレフ判も納得できるルールではあるし、ソレはソレ。コレはコレじゃないでしょうか。

──じゃあRoad to ADCCに出るなよって……ってまだ恨み節が続いてしまいます。

高橋 それは……確かに(笑)。でも、やった相手がジオですからね。66キロ級で注目したい他の選手は、ゲイリー・トノンですかね。なんか期待値が高いです。66キロ級に落としてきて体が大きいから、細かい技術はさておき、立ち技も強いだろうし、極め力でいえば抜けている気がします。

あとトノンと同様に米国勢だと、コール・アバテは注目ですね。

優勝候補とまでは言えないですが、若くてそれなりに66キロ級のなかではデカい。伸びしろの多さも期待して、コールがどんなもんなのか凄く気になりますね。

堀内 僕もコール・アバテは楽しみにしています。17歳で、最年少です。

ベイビーシャークは20歳なのに子供に見えて、コール・アバテは17歳なのにやたらと落ち着いていて。態度も凄く偉そうだし(笑)。ただ戦い方は兄弟子のタイナン・ダウプラを彷彿させるというか。もの凄く圧力がある戦い方で、極めも正確でガチッと入る。力強くて楽しみです。

なんかお父さんが結構熱心で、子供の頃からやっていたようですね。そのお父さんがガレージで、『我々は過去のADCCの66キロ級の試合は全て見た』とか言っているんですよ(笑)。そうとうにお父さんが賭けているというのが伝わってきました。

高橋 僕もコールは期待で。後は敢えて名前を出すなら、イーサン・クレリンステンですかね。

堀内 トライスタージムでフィラス・ザハビの下で学び、その後はザハビの師匠格といえるジョン・ダナハーの指導を受けた選手ですね。

高橋 結局、ブラジル✖米国の様相になっていて、ADCCルールにおいてはブラジルが育んできた柔術スタイルが優る。そう思います。

──では77キロに移らせていただきます。世界中の誰もが見たい選手と、試合は別に見たくないけど勝てる選手。そのどちらが強いのか。

高橋 その通りですね(笑)。

堀内 見たい選手がミカ・ガルバォンで。この対談を万が一、あまり柔術に興味がない人が読んでくださっているとしたら、ミカ・ガルバォンの凄さってどういう風に伝えることができるんだろうって考えました。

──ありがたい限りです。

堀内 そして思い出したのが、コナー・マクレガーの言ったことだったんです。マクレガーがジョゼ・アルドを倒した時、「精度とタイミングはパワーとスピードを打ち負かす」という素晴らしい言葉を残しています。つまり精度とタイミングを持っている人間は、パワーとスピードがない。でもミカ・ガルバォンはその4つの全てを持っている。

──おおっ!!

堀内 柔術家に良く見られる、問答無用の重厚な圧力。ベースが強くて、プレスがもの凄く強い。

1度体重を掛けられたら、対戦相手はもうどうにもならない。ああいうファンダメンタルの柔術の圧力がありながら、反応速度が素晴らしく良い。相手の体に一瞬に反応して、素晴らしい体捌きで技を決めます。精度もスバ抜けて高い。それを全て持っているのは、ズルいんじゃないかっていうぐらいで(笑)。

他の人にはない。ちょっと人間離れしたモノを見ることができる。そんな喜びをミカの試合からは感じます。

──反応の良さは、道着でモダン柔術の攻防になった時も際立つようにも感じます。

堀内 タイ・ルオトロとは2度試合をして、ノーギでは競り負けて、道着だとボコボコにしている。それを見ても分かるように、ミカが柔術の神の子たる所以、強さが最も出てくるのは道着の試合ですよね。道着があって滑ることなく、相手がなかなか逃げられないので。ノーギだとタイのようにバランスの良い選手は、そこを凌ぎ切って自分のペースに持ち込むこともできないことはない。そしてノーギのなかでもサブオンリーの方が、ADCCより適しているんじゃいかと思います。

──それは?

堀内 やはり圧倒的なレスリング力があるとは、言えないので。そうなった時に、同じノーギでもADCCルールの権化のJT・トレスと戦うとどうなるのか。試合は別に見たくないと言われたJTとミカは対照的な2人なので、本当に興味深いです。

高橋 そうですね、ミカはレスだとたまに転がされている場面を見ますよね。しかも77キロ級だと身体的な圧力は他の選手より劣るような気がします。本当に堀内さんの見立て通りだと思います。

──JTの強さはともかく、彼の試合のどこを楽しめば良いでしょうか。

高橋 トーナメント全体の見方として、誰がJTを倒すのか。それで良いと思います。ディフェンディング・チャンピオンだし、何が凄いってルールへの対応力。

組み技の質量、技量は皆が高いレベルで拮抗している。そこでJTが勝ち抜き続けているのは、勝負どころを見極め、自分だけでなく相手の特性を理解している試合運びの上手さがあるからで。ここは受けて、ここでは2Pを取るという判断と実行力がともに正確です。そこが絶対王者たる所以で。

対抗馬としてスタイル的にも対照的なのが、ミカですよね。ミカを筆頭に、誰がJTを打ち破るのか。JTはちょっと可哀そうですけどヒール的な見方をしてもらうのが楽しいのではないかと思います。JTを優勝させたら、つまらなくなるぞ──みたいな(笑)。

──JT・トレス=北の湖ですね。

堀内 アハハハハ。

──ルールもポイントも違いますが、ルールを研究し抜いて、ルールに合った技を駆使してギリギリで勝つ。それってフィロソフィーとしては、完全にIBJJF柔術の強い人のソレではないでしょうか。そうなると、JTとの競り合いに負けないのは、同じフィロソフィーの持ち主──IBJJFルールに強い柔術家なのかと。JTは柔術では準決勝ぐらいで勝ち切れなくなることが多い印象がありますし。

高橋 確かに、ホントにそうですね。

堀内 FLOGRAPPLINGが77キロ級出場の各選手の練習風景を追っているカウントダウン映像を流していたのですが、そこで主要メンバーがお互いの印象を話しているんです。だいたい皆がJTに関しては、高橋選手が言ったように隙の無さ、ルールを知り尽くした戦い方だと言っています。

そのなかでケイド・ルオトロはATOSの後輩で「JTのことは尊敬している。JTは隙が無くてペースを掴むのに長けている。でも俺はそのペースを乱すことができる手が、いくつかあるんだ」って話しているんです。ケイドは凄く動きますから、JTの不動のペースを乱すよう、色々と仕掛けてくるのかと。特にスタンドが注目です。あと、もう一人はニッキー……ニッキー・ライアンでねす。

<この項、続く>

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ABEMA BELLATOR MMA MMAPLANET o ONE UFC   エディ・アルバレス ケイド・ルオトロ ボクシング 佐藤天 青木真也

【ONE】エディ・アルバレスが語るエディ✖アオキIII & 日本─02─「日本は、その時を待っている」

【写真】エディが口にしたからこそ──の説得力。そして心の底から感謝したい言葉が聞かれた (C)MMAPLANET

エディ・アルバレス・インタビュー後編、38歳になったレジェンドが、日本のレジェンドとの3度目の対戦について言及した。

そして日本が強くなるための──助言を求めると、エディから珠玉という表現が相応しい言葉が聞かれた。

<エディ・アルバレス・インタビューPart.01はコチラから>


──ONEとの契約状況の詳細に関して自分は知りえないのですが、ONEは再び日本大会の開く方向にあると聞いています(※インタビュー後、見なおされたという話も……)。仮に日本大会が実現した時に、関係者はエディと青木真也選手との3度目の対戦を期待している模様です。

「フフフフ、メイビー。きっとね(微笑)。そこはONEと話をしていくよ。とにかく、どうなるのか話し合いが必要だ。メイビー……だよ(笑)。シンヤと、レジェンドファイトで戦えることは素晴らしいことだけどね。

僕はシンヤのやってきた全てのことを尊敬している。彼の試合はずっとチェックしているけど、本当にシンヤと戦ったのは大昔のように感じるよ(笑)。皆はさ、簡単に『シンヤは負けた』って言うよ。アキヤマとの試合や、ケイド・ルオトロとの試合を見て。でも誰も『シンヤはずっと最大のチャレンジをしている』とは言わないんだ。

シンヤがやってきたことを振り返ってみなよ。彼は一度でもノーって言ったことがあるかい? ずっと誰を相手にしても戦ってきたんだ。自分が不利だと分かっている試合も戦ってきた。そういうチャレンジを続けてきたんだ。だから、僕はシンヤのことが好きなんだ。

シンヤ・アオキは本当の意味でファイターであり、ウォリアーだよ。僕も自分はそうやってきたと思っている。この世界のベスト中のベストと戦ってきた。それって相手じゃないんだ。相手を見てチャレンジしているんじゃない。自分と戦い続けるってことなんだよ。その点において、僕は心から彼を尊敬している。エディ✖アオキIIIかぁ……まぁ、このクレイジーな世界では何が起こるかは、誰も分からないよ。フフフフフ」

──ところでエディが日本を主戦場にしていた時代と違い、日本人選手が国際的な舞台で勝てなくなっています。UFC、Bellator、そしてONEでも戦績的には厳しい状況です。エディから見て、何が日本のMMAに足らないと感じますか。

「日本の選手たちのトレーニング環境がどうなっているのか、僕は分かっていない。ただし、確かなことは選手のパフォーマンスというものは、毎日、どのようにジムで過ごしているかで創られていくものだよ。

ここキルクリフFCの環境を見て欲しい。ここには成功を収めるべき環境が数多く揃っている。互いに練習でプッシュし合っている。なぜ、日本人選手が負けているのか……僕はその理由が何かは口にできない。それを口にしても、事実に一致しないだろうから軽々しく話すことはではないだろう。

でも日本人の武士道ウェイは、現状が良くないからって諦めるはずがないことは知っている。勝つまで続けるんだろう? そのためには競争力のある練習環境が必要なことは間違いないよ。それは日本だけじゃない。米国、ロシア、世界中の選手にいえることだ。競争力のある練習環境を創ることさ。

だからジム単体でなく、ジム同士で強化策を練るとかあっても良いんじゃないかなか。競争力のあるユニットを創るんだ。現状として、それが足らないのであれば。米国に来て、そういうチームの一員になる手もあるよ。きっと日本はそういう意味で、世界で戦っていくために足並みが揃っていないんだろう」

──……。確かに練習環境という部分では、競技間の溝など米国とは違う現実が横たわっています。

「なぜ? そういうルールがあるのかい?」

──強制力があるのか、徹底できるかどうかというのは別にして暗黙の了解的なモノは確実に存在しています。ボクシングや空手の指導者から「指導中の写真は撮らないでほしい」という話は、本当に聞かれますし。

「ノー。そういうことは本当に良くないよ。コーチは誰にだって、指導する権利があるはずだ。空手だって、ボクシングだって……なんだって。そしてファイターは必要なことは、何でも練習できないと」

──ジムの広さや設備はもう言及してもしょうがない、現実で工夫をするしかないですが、その点だけは如何ともしがたいです。だから米国に移り住む、それこそ佐藤天選手のようなファイターが出てきました。

「素晴らしいことだよ。サトーが成功を目指して、フロリダにやってきたことは。チャンスを掴みにやってきたんだから。ここには真実がある。でもね、チャンピオンはどこにいてもチャンピオンになれるよ。チャンピオンになれる人間は米国に来るのも良いし、日本に留まっても構わない。どこで、誰とでも練習できる。それがチャンピオンだ。チャンピオンになれる人間だ。

どこで練習するかを問わない。これまでずっと数多くのファイターが『ここで練習しないといけない』と練習環境を変えてきた。そして、どこに行ってもトレーナーはその手助けをする。でも、チャンピオンは自分でなるものだ。世界中、どこにいても。誰もチャンピオンを創造できない。自分でなるんだ。

日本にいようが、米国にいようが……世界中、どこにいてもチャンピオンは自分でチャンピオンになる。そうだね……僕が想うには、日本で1人──象徴的な選手、日本を代表するファイターが生まれれば変わると思う。その1人が多くの若い世代に影響を与える。
そして若い世代が育つ。

今、日本はその1人を待っている時期なんだよ。そういう1人が現れれば、他の人間も『彼ができるなら、僕もできる』ってなるんだよ。そして一緒に成長していく。その時を待っている。それが今の日本なんだよ、きっと。

それって、どこの国でも見られることさ。そして、どこの国でも起こりえること。1人チャンピオンが現れれば、3人のチャンピオンが生まれる。そして日本のMMA全体が力をつける。誰がそういう1人になりたいのか。そういうチャレンジを誰がしているのか。僕も期待しているよ」

──エディ、泣かせないでください。本当に有難い言葉です。

「アハハハハハ。僕もまた東京で戦う日を楽しみにしている。いつだって、東京は僕のお気に入りの街だからね」

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F1 MMA o ONE ONE Championship   エドゥアルド・フォラヤン ケイド・ルオトロ 青木真也

セイジ・ノースカット「青木真也よ、7月か8月に対戦すると聞いてたのに戦わないのは何故だ?」

距離思考 曖昧な関係で生きる方法


ONE ChampionshipがアメリカのAmazonプライムビデオと5年契約(2022年04月28日)

『ONE 157: Petcmorakot vs Vienot』試合結果(2022年05月21日)

 こちらの続報。



 セイジ・ノースカットがツイッターで以下のコメント。

「ヘイ、青木真也。僕は君が(ケイド・ルオトロとの)グラップリングマッチでケガしなければONE Championshipの7月か8月の大会で対戦すると聞いていた。7月か8月のAmazonプライムビデオ大会で戦わないのは何故だ…何か問題でもあるのか?」

 ONE Championshipは最近アメリカのAmazonプライムビデオと5年契約を結んでいます。ノースカットは2019年5月の『ONE Championship: Enter the Dragon』でコスモ・アレッシャンドリに1R KO負けした際に顔面を骨折して以来3年以上試合をしていません。昨年4月の『ONE on TNT 4』で青木真也戦が組まれましたが、新型コロナウイルスの後遺症が長引いて欠場、青木は代わりにエドゥアルド・フォラヤンと対戦しています。続きを読む・・・
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【ONE158】アクメトフ戦前の和田竜光―02―「コントロールの有効性と凄さをケイドの試合で認めた」

【写真】ONEのグラップリング路線強化に関して、MMAに好影響が出ることを文句のつけようがなく論じた和田 (C)MMAPLANET

3日(金・現地時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで開催されるONE158でカイラット・アクメトフと戦う和田竜光インタビュー後編。

MMAにおいて、明白に打撃に比重を置いているONEにあって今春からグラップリングに力が入れられるようになった。その現状を和田は、MMAに好影響が出るのではないかと期待していた。

アクメトフとの大一番を前に、ここでは和田の論客振りを実感してほしい。

<和田竜光インタビューPart.01はコチラから>


J-MMAファンの目が翌週のRoad to UFCに集中するなか、同じシンガポールで日本を代表するフライ級ファイターが28勝2敗、難攻不落のアクメトフと相対する。MMAならでは、その妙が幾重にも折り重なるような高度かつ心身ともにタフな一戦に向かう和田の心境とは。


──そんななかONE X以降、ONEはキック&ムエタイばかりかグラップリングへ相当に力が入っており、MMAはどうなっているんだ……という印象があります。

「今回もムエタイがメインですよね……」

──ケージでMMAは今やスタンダードで、目新しくない。特徴として立ち技や組み技があることでONEの存在感を強調しているのか……。そんななか今大会で和田選手の試合に加えて、ブシェシャやファブシリオ・アンドラジが出て、マクラーレンもいてアレックス・シウバやヨッカイカーも出場しています。MMA勢にインパクトを残して欲しいところです。

「グラップリングに力を入れることは、僕は『おっ、良いじゃん』ってなりました。そうするとグラップリングのことをしっかりと判断できる人間がONEに増えるということでしょうし、ファンも組み技が何かを理解できる環境が整う。

テイクダウンをする大変さが理解できるようになってくるんじゃないかと。そんなことはないかもしれないけど、勝手に期待しています(笑)。そういう風にプラスに思っています」

──おおっ、そういう捉え方をしましたか!!

「ONEはムエタイをメインにしておけば良いという考えの人が多いから、MMAでも打撃への比重が高い。グラップリングに力を入れるなら、グラップリングへの評価が高まるかなって安直な考えです(笑)。

テイクダウンって大変じゃん。コントロールするって、凄いなぁって。ケイド・ルオトロが青木さんから一本は取っていないけど『ポジションを取ったことを評価したよね?』って。それで評価したけど、MMAだと極めていないと評価しないですよね。テイクダウンしただけでダメージは与えてない。でも、それを評価したということは、その有効性を理解しているということになるんで。

だからグラップリングが盛んになることで、MMAの評価も変ってくれればと」

──和田竜光流ONEの風刺ですね。いや、本当にそこに一貫性があれば日本のファンからもキレーごとと捉えられることもなくなって、ONEへの理解が深まると思います。

「しっかりとコントロールすることで、極めに通じるわけですし」

──別に休んでいるわけじゃないのに、「Go to Finish」はないだろうと。

「ハイ、その有効性と凄さをケイド・ルオトロの試合で認めたじゃないかって。MMAもそう思いませんか?とは言いたいです。グラップリングに力を入れるということは、そういうことでしょって。

あれだけグラップリングの価値を同じ大会のなかで見出して、MMAになるとその攻防への評価がないって、それは変だって思わないですか?ってなりますよね。ムエタイやキックで評価するところをMMAで評価しているんだったら、グラップリングで評価するところをMMAで評価してくれないとおかしい。ケイド・ルオトロと青木選手の試合を視て思いました。それで変わるか変わらないかは分からないですけど、そうなってくれれば良いなと思います」

──理論武装として100点です。そうでないとONEはそれぞれの競技に順位付けをしていることになります。バックコントロール、バックグラブを続けるのって楽じゃないんだぞってことですよね。

「ハイ。そう思います。本当にそうッスよ。それこそ、おたつロックなんてやっていますけど、アレ、足が疲れるんですよ。疲れた様子なんて見せないようにしていますけど(笑)。逃げる相手をコントロールするって大変で。もちろん、逃げようとする相手も大変で。それをパンチを一発も当ててないから評価しないと言われるのは……それがONEだとは理解しているんですけどね。

以前、ルールミーティングで『開始直後に一発パンチを当てられた方が、ダウンもせず10秒の時点でテイクダウンをする。そのまま抑え込み続けた。一発もパウンドを当ててない。でも4分50秒間抑えていた。どっちが勝ちますか』と質問したことがあります。そうしたら『パンチを当てた方が勝つ』という返答でした。

『あっ、なるほどね。本当にそういう判断なんだ』と分かりました。ONEとはそういう大会ですねと思って……」

──違うやんという裁定も時々ある(笑)。

「アハハハ。そうなんです。でも4分50秒間抑え込んで、削っている選手を支持するジャッジも絶対に出てくる。俺はそう思っています。ダウンじゃないですからね。結局はジャッジの主観だから、統一はできない。それでも、ONEとは一発のパンチなんだという認識でいます。ただしグラップリングを同時に組んで、コントロールを攻めと評価するならMMAも変ってくれないかなと」

──同時にグラップリングも動き続けないとイエローという北米グラップリング大会にはないシステムもあるのがONE流ですね。格闘技のルール、質は見る目によって変わってくると思います。

「あぁ……」

──寝技は面白くないよ、殴り合えって言うファンが多いと……やはりそうなる。だから主催者はお客さんの目でレギュレーションを固めていくと思っています。

「プロモーターは、お客さんが凄いと思うところを欲しがるのは確かですね。だからこそ、グラップリングの導入でONEのファンの組み技を見る目が変わってくれれば……ということになりますね。

ONEで組まれているグラップリングは相当にレベルが高いです。前回大会はMMAは少なかったけど、あの組み技の試合を視てグラップリングがONEで盛り上がることは、MMAにとっても良いことだと思いました」

──その影響はまだ出ないであろう今大会ですが、改めてカイラット・アクメトフ戦を戦ううえで、どのような意気込みでいるかをお願いします。

「シンプルに僕よりランクが上の選手ですし、僕が記録上は負けた選手に勝っている選手なのでやっぱり強いです。強いと思ったうえで挑むことができるので、ビックリすることはない。パンチを被弾し、テイクダウンを取られることもあるだろうけど、リカバリーして反撃に転じる場面を創って……向うにやり辛いと思わせる。その結果、ぐずぐずでも勝つ。それがプラン……ではなくて、イメージできています」

──強い相手を倒す、和田竜光。ひたすら期待しています。そのうえでJ-MMA界の目が、翌週に集中しているとは感じませんか。

「Road to UFCですね(笑)。UFCはUFCで素晴らしいです。ONEと契約しているけど、UFCが一番凄い大会で僕も出られるなら出たいです。ただし、やっていることは……ことフライ級に関していえば勝負できる選手はいると思っています。劣っているわけじゃない。

佑弥が行っても活躍できると思います。俺が行っても、それなりに活躍できる。アドリアーノが行ったら、チャンピオンになれるかもしれない。DJだって当然通用する。層でいうと違いはあっても、上の方の質でいえば同じで。やっていることは全然負けていない。

現にもう、古い話ですけど僕はカイ・カラフランスとやっていますし。世界チャンピオンになって、どんどん俺の株を上げろって思っています(笑)。だけど、僕と戦った時からカイ・カラフランスが爆発的に成長したわけじゃない。

ビックリするほど強くなっているとは思わないし、だからUFCに対する劣等感はなく、それ以上のことをやっているのでONEも楽しみに見て欲しいです」

■放送予定
6月3日(金・日本時間)
午後6時30分~ ABEMA格闘チャンネル
午後6時30分~ONE Supper App

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MMA MMAPLANET o ONE ONE157 ケイド・ルオトロ 青木真也

【ONE157】ショータイムガード!!、技のおもちゃ箱ケイドに青木真也はしてやったりの時間切れも裁定負け

<グラップリング・ライト級(77.1キロ)/10分1R>
ケイド・ルオトロ(米国)
Def. Judge decision
青木真也(日本)

スナップダウンから足を触りにいったケイド。青木はケージを背負って戦い、ケイドが左腕を差してから離れる。立ちレスが1分続き、ケイドが一瞬背中を見せた青木に対し、ボディロックから瞬時にバックに回り両足をフックさせる。

足を組ませなかった青木が、左足を掴む。ケイドはシートベルトで背中をつけるとアゴの上から右腕を回していく。青木の右腕ごと右足でフックしたケイドはトップを選択する。青木はシングルからバックを取らせず立ち上がることに成功する。

ケイドは再び左腕を差してケージに押し込、頭を抱えて離れる。青木はケイドを動かしている感があり、ケージを背負っていなしを見せ、シングルを切っていく。試合は残り5分、アームドラッグかツーオンワンになった青木だが、腕を抜いたケイドはケージを蹴ってジャンビングガード──ショータイム・ガードとでも呼びたくなる動きで青木のバランスを崩すとバックに回りこんでグランドに持ち込む。

四の字フックでRNC狙いのケイド、青木は残り3分30秒を逃げ切ることがデキるか。腹ばいされないよう半身の青木から、肩固めとRNCの機会をケイドが伺う。青木は両ヒザ立ちになると、ケイドはバックサイドからのアームインギロチンへ。バックに移行したケイドは前転してヒザ固めへ。これを防いだ青木はスタンドに戻り、試合タイムは残り1分に。

今成ロールをかわした青木に、スタンドレスリングでイエローカードが与えられる。引き込んだケイドはハイガードが取れずも、リバースバギーチョークへ。必死に絞めるケイドだが、青木は顔を上げて姿勢で耐えきり──してやったりの時間切れも、ジャッジ裁定でケイドが勝利を手にした。


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MMA o ONE ケイド・ルオトロ 青木真也

【ONE】速報中!ONE 157 青木真也×ケイド・ルオトロ

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バタバタが収まらない週末ですが、今日も今日とて格闘技。シンガポールのインドアスタジアムでONE 157: Petchmorakot vs. Vienotが開催されます。日本人ファンの注目は青木真也の復帰戦。サブミッショングラップリングでケイド・ルオトロと対戦します。MMAからグラップリングに戦いの場を移し復活を遂げる事が出来るか。電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。


【ONEライト級 サブミッショングラップリング】
×青木真也
(判定0-3)
◯ケイド・ルオトロ
立ちレスリングでプレッシャーを掛けるのはルオトロ。青木はケージを背負う展開。1分半が経過したくらいでルオトロはスタンドでバックに回ってグラウンドに引きずり込む。キープしていたが、青木は立ち上がって脱出に成功。立ちレスリングに戻るとやや膠着。しかしルオトロは金網を蹴って青木のバックに回るとまたもグラウンドに引きずり込む。バックをキープすると腕と首を狙うルオトロ。しかし青木はディフェンスを固める。残り1分で青木はスタンドに脱出。だかここで青木にイエローカード。最後にルオトロは差し合いから引き込んで下から変則的に絞め上げるがタイムアップ。判定はルオトロに軍配。青木は防戦で復帰戦を飾れず。
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o ケイド・ルオトロ

ONE157:青木真也 vs. ケイド・ルオトロ

ライト級グラップリングマッチ。10分1R(判定あり)。

タックルのフェイントを見せるケイド。ケージ際へ。青木がケージを背負う展開。タックルのフェイントを見せるが深く組まず離れる。組みついたケイドがバックに回った。足をフックしようとするケイド。青木は防いでいるが、同時に首も狙おうとするケイド。正対しようとする青木。がぶったケイド。青木立った。離れる。ケイドが組んで左脇を差す。青木はオーバーフック。離れた。ケイド離れる。ケージを背負う青木。組んでいったケイド。オーバーフックする青木だが腕を抜いたケイド。組んだ体勢からコーナーを蹴ってバックに回ったケイド。グラウンドに引き込んでバックマウント。四の字バックへ。チョーク。顎の上で放す。正対しようとする青木だがケイドついていく。首狙いは防いでいる青木だが攻めに転じられない。ギロチンに切り替えたケイド。浅い。放したケイド。またバックに。ハーフバックからツイスターフック。しかし解除して立った青木。残り1分。すぐケージを背負う青木。青木にイエローカードが出て再開。ケイド引き込んで下からバギーチョークを狙うがタイムアップ。

判定でケイド・ルオトロ勝利。

青木相手にほぼ一方的に攻め続けて勝ったが、フィニッシュできず悔しそうなケイド。