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45 AB ADCC2022 CJI MMA MMAPLANET o ONE   アンドリュー・タケット ケイド・ルオトロ ジョセフ・チェン タイ・ルオトロ トミー・ランガカー ニッキー・ライアン マテウス・ジニス リーヴァイ・ジョーンズレアリー ロベルト・ヒメネス

【CJI】ついにケイド&タイのルオトロ兄弟も、CJIに鞍替え。揃って80キロ以下級にエントリー! ミカは?

【写真】今年に限って、趨勢は決まった。ADCCの77キロ級とCJIの80キロ以下級を比較すると後者の方が楽しみなのは明白だ(C)ONE

20日(木・現地時間)、ついにCraig Jones Invitationalの公式SNSがケイド&タイのルオトロ兄弟の出場を発表した。8月16日(金・同)と17日(土・同)の両日、ネヴァダ州ラスベガスのトーマス&マック・センターで開催されるCraig Jones Invitationalにグラップリング界のアイコンでありアイドルでもあるルオトロ・ブラザースが登場。ADCCでなくCJIを選んだツインズは揃って-80キロ級で戦うことに。
Text by Manabu Takashima

ADCC2022の77キロ級世界王者で、現在はONEサブミッショングラップリング・ライト級世界王者のケイド。タイは無差別級の銅メダリストでONEサブミッショングラップリングでは世界ウェルター級王者に君臨している。

前回のADCCでタイは88キロ級に出場し、今年の世界大会も同級で招待出場となっていたため、CJIに移ったとしても+80キロに挑むものと思われていた。それが2人とも80キロ以下級にエントリー、兄弟100万ドルをどちらかが獲得するため……の判断といえるだろう。

決勝でケイドとルオトロが100万ドルを掛けて戦うのも夢のような話だが、決勝の同門対決はいずれかが勝利を譲るという柔術界の伝統に従う恐れもある。そこを避けるために同じ山となることも考えられるが、果たして。ともあれルオトロ兄弟の参戦決定でCJIの80キロ以下級は、以下のように16名中14名が埋まった。

■ケイド・ルオトロ
■タイ・ルオトロ
■ジョセフ・チェン
■アンドリュー・タケット
■ロベルト・ヒメネス
■ルーカス・バルボーサ
■ニッキー・ライアン
■リーヴァイ・ジョーンズレアリー
■マテウス・ジニス
■ヘナト・カヌート
■ジェイソン・ノルフ
■アンディ・ヴァレラ
■トミー・ランガカー
■オーウェン・オフラナゲン

こうなると気になるのが、柔術の神の子ミカ・ガルバォンの動向だ。ミカはONEからのオファーを固辞したことがあり、独特の感性の持ち主でもある。現時点でADCCのリストに残っているままだが、残り2枠に彼の名が連なることはあるのか──気になるところだ。


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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE167 ガブリエル・ソウザ ケイド・ルオトロ マイキー・ムスメシ

【ONE167】マイキーがカーフスライサーでソウザにリベンジ。9月にケイド・ルオトロとSG頂上対決へ

<サブミッショングラップリング・バンタム級(※65.8キロ)/10分1R>
マイキー・ムスメシ(米国)
Def.3分07秒 by カーフスライサー
ガブリエル・ソウザ(ブラジル)

サウスポーに構えるソウザが、開始早々に飛び込みテイクダウンを奪った。背中を着けたマイキーはケージ際まで下がり、下から右腕を差し上げてソウザの左腕を抱える。さらに対角線で逆の右足を抱え、ストレートフットロックへ。ソウザが起き上がると、その足を巻き取ったままバックを狙うマイキー。背中を着けたソウザがアンクルロックを狙うが、マイキーが足を巻き付けてカーフスライサーの形で利かせている。何とか脱しようとマイキーの足を触るソウザだが、マイキーからバックからボディロックで抱え、背中を反らせるとカーフスライサーがキッチリと極まってタップした。

両者は3年前——2021年9月にwnoで対戦しており、ソウザがノウスサウスチョークで勝利していた。マイキーが今回リベンジを果たした形だが、試合終了後から両者が何か言い合っている。試合後のインタビューでもfワードを使って、怒りとともに語り続けるマイキー。そこにMMAデビュー戦で勝利したケイド・ルオトロがケージインすると、マイキーも笑顔に。両者は9月6日(金・現地時間)、米国デンバーで開催されるONE168にて、ケイドの持つサブミッショングラップリングのライト級王座を賭けて対戦する。


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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE167 ケイド・ルオトロ ブレイク・クーパー マイキー・ムスメシ

【ONE167】ケイド・ルオトロがMMAデビュー。ムエタイ打撃を見せつけてからRNCでクーパーを仕留める

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ(米国)
Def.1R3分20秒 by RNC
ブレイク・クーパー(米国)

サウスポーのクーパーに対し、ケイドが右ハイを見せた。クーパーがプレスをかけてくると、左ジャブから右ハイ、そしてスイッチして左の蹴りに繋げる。ケージを背負わされたケイドがオーソドックスに戻し、中央に戻って右ローを当てる。組まれたクーパーがシングルレッグに切り替えると、ケイドが離れた。ケイドの右カーフが当たる。右前蹴り、右ハイを散らすケイドに、クーパーが左ストレートを当てた。距離を詰めてくるクーパーを右ミドルで止めるケイド。右ストレート、首相撲からのヒザとムエタイ技術を見せるケイドは、組むとバックに回ってグラウンドに引き込み、バックマウントへ。最後は左腕をクーパーの首に回し、RNCでタップを奪った。

12歳から学んでいたというムエタイの技術を存分に見せつけた末、得意のグラウンドでフィニッシュしたケイドに、当然のごとくボーナスが与えられた。次は9月にマイキー・ムスメシとグラップリングマッチで、王者対決に臨む。


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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE167 X-1 ガブリエル・ソウザ キック ケイド・ルオトロ シッティチャイ・シッソンピーノン ジョー・ナタウット デニス・ザンボアンガ ノエル・グホンジョン ブレイク・クーパー マイキー・ムスメシ ヴィクトリア・ソウザ 北野克樹 平田樹 武尊 野杁正明

【ONE167】ロッタン×ピューリックはキャッチウエイトに変更、リアム・ハリソン×北野克樹は中止

【写真】武尊戦の負傷欠場からの復帰戦となったロッタンだが計量オーバー……。(C)MMAPLANET

明日8日(土・現地時間)、タイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE167の公式計量&ハイドレーションが行われた。
Text by Takumi Nakamura

野杁は計量・ハイドレーション共にクリア(C)ONE

野杁正明のONEデビュー戦で注目を集める今大会だがロッタン・ジットムアンノン、リアム・ハリソン、北野克樹の3選手がハイドレーションテストをクリアするも計量オーバーという事態が発生した。

ONEから届いたプレスリリースによれば、ロッタンはフライ級のリミット135ポンド(61.2キロ)を6.25ポンド超過する141.25ポンド(64.07キロ)で最終的に計量を終了。対戦相手のデニス・ピューリックがキャッチウエイトでの試合を受けたことで、141.25ポンド契約のキャッチウエイトで行われることになった。(ロッタンの報酬の25%が対戦相手に渡される)

平田も計量・ハイドレーションしっかりとクリア(C)ONE

またハリソンと北野についても対戦者同士がハイドレーションテストをクリアするも計量オーバーという事態となり、キャッチウエイトでの試合も成立せず。試合そのものが中止となった。(ONEから届いた公式計量&ハイドレーションテスト結果では両者の体重は記載なし)

なお日本から参戦している野杁、平田樹は計量&ハイドレーションテストともにクリアしている。

■放送予定
6月8日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ONE167計量結果

<ムエタイ・フェザー級/ 3分3R>
タワンチャイ・PKセンチャイムエタイジム:70.3キロ
ジョー・ナタウット:69.05キロ

<キック141.25ポンド契約/3分3R>
ロッタン・ジットムアンノン:64.06キロ
デニス・ピューリック:61.12キロ

<サブミッショングラップリング・バンタム級(※65.8キロ)/10分1R>
マイキー・ムスメシ:65.31キロ
ガブリエル・ソウザ:65.54キロ

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ:76.77キロ
ブレイク・クーパー:74.95キロ

<キック・フェザー級/3分3R>
シッティチャイ・シッソンピーノン:69.28キロ
野杁正明:69.73キロ

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
デニス・ザンボアンガ:51.70キロ
ノエル・グホンジョン:51.93キロ

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
エイドリアン・リー:75.97キロ
アントニオ・マンマレッラ:76.31キロ

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ジョン・ガザリ:60.55キロ
ウェン・トゥラン・ユイニョク:61.12キロ

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
平田樹:51.82キロ
ヴィクトリア・ソウザ:51.82キロ

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ジョハン・エストゥピニャン:65.31キロ
ザファー・シャイック:65.77キロ

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45 ADCC2022 CJI Interview MMA MMAPLANET o ONE ONE167 アレックス・ペレス アンドレ・フィーリ キック クレイグ・ジョーンズ ケイド・ルオトロ トニー・ファーガソン ブレイク・クーパー ボクシング マイキー・ムスメシ ライカ レイモンド・ダニエルズ

【ONE167】MMAデビュー戦前のケイド・ルオトロ「数年でトップファイターに。ADCCかCJIか……」

【写真】いよいよ。本当にインタビュー中の表情、声はリラックスしていたケイドだ (C)CHOI WOO SUK

8日(土・現地時間)、タイはバンコクのインパクト・アリーナで開催されるONE167でケイド・ルオトロがブレイク・クーパーとMMAデビュー戦を戦う。
Interview by Choi Woo Suk

ADCC2022、77キロ級優勝。ONEではサブミッショングラップリングで世界ライト級王者に君臨しているケイドが、MMAに挑む。強い――だけでなく、フィニッシュ能力の高さ――だけでもない。正確無比ならが、無機質でなく華麗なグラップリングで組み技ワールドを変革した天才。もちろん、組んでしまえば圧倒的に強いだろう。ただし、グラップリングはない要素がMMAには存在する。

そんなMMAに対し、柔術家ではなくマーシャルアーチストとして全てに対応できる姿を見せたいというケイドにMMA、そしてADCCかCJIが揺れるグラップリング界について話を訊いた。


12歳の時からムエタイをやってきた

──MMAデビューを土曜日に控えているケイドです(※取材は5日に行われた)。今の気持ちを教えてください。

「そうだね、今の気持ちの大部分はワクワクしている――ということかな。実は柔術の時と比較すると、もっとナーバスになると思っていたから自分でも驚いているんだ。正直なところ、柔術の試合の時よりも緊張していない。きっとキャンプでの仕上がりが最高で、ワールドベストのコーナーマンがいてくれるから、凄く自信があるんだと思う。試合が楽しみでしょうがないんだ」

――ところでMMAを真剣に戦おうと思ったのは、いつからだったのでしょうか。そして、このタイミングになったのは?

「子供の頃から、いつかMMAを戦いたいと思っていた。MMAの練習もしていたけど、定期的っていうことじゃなかったんだ。去年ぐらいからは週に1度、あるいは2度ほどトレーニングをするようになっていたけどね。よりシリアスにMMAの準備をするようになったのは3カ月前から。前戦のキャンプ後、MMAを戦う時が来たと思ったから、今回のタイミングになったんだ」

――やはり気になるのは、打撃です。どれだけ準備ができているのでしょうか。

「その質問に対して、求められている答えにならないかもしれないけど、12歳の時からムエタイをやってきた。柔術のジムでやってきたから、それほど高度ではない。それでもMMAっぽい動き、MMAを考えた練習をずっとタイとやっていたんだ。MMA的な動きに関しては、適応できていると思っている。もちろん、過去3カ月ほど集中してやってきたわけじゃないけど、MMAに関しては週に1度とか2度トレーニングをしてきたことも生きるんじゃないかと思っている」

――このファイトキャンプで、打撃は誰の指導を受けてきたのでしょうか。

「タイラー・ウォンブルス(へナート・ババルの黒帯ムエタイ選手。クラシック・ファイトチームのヘッドコーチでレイモンド・ダニエルズ、アンドレ・フィーリ、トニー・ファーガソン、アレックス・ペレスらを指導してきた)だよ。ハンディントンビーチはムエタイ、キックボクシングで優れたストライカー、そして指導者がいる。なかでもエリック・パーソンには打撃単体だけでなくて打撃と柔術、そしてレスリングをミックスした動きを教えてもらってきた」

――ウォンブルス・コーチやエリックの指導を受けたということですが、主な練習場所や練習パートナーは誰だったのですか。

「タイはいつも一緒に練習してきたけど、タイラーとエリックのジムで彼らの生徒とやってきたよ。2つのジムの皆が僕をサポートしてくれたから、凄く成長が早かった。本当に彼らには感謝している」

――柔術、レスリングと同様に打撃もMMAの一部です。どのようなMMAを戦いたいと思っていますか。

「全てだよ。本当のマーシャルアーチストは、何か一つのことが特別に秀でているのではなくて何でも対応できないと。もちろん柔術は僕にとって最高の武器だ。でも柔道の投げ、レスリングのテイクダウン、特にパンチ、打撃の能力を……キックも含めて皆に披露したい。全てを見せることなく、試合を終わらせることになるかもしれない。それでも全力で今持ちうる力を使いたい」

――打撃は主に押す力。グラップリングは引く力。そういう筋肉の使い方をすると言われています。

「その通りだ」

――両方を使う時、タイムラグが生じることがあるという指摘もありますが、そのように感じることはありますか。

「それはあくまでも普通の生活における筋肉の使い方、その範疇の話だよ。僕らの肉体や心肺機能は、決定的に普通の人たちとは違う。打撃を使って組みつく。グラウンドで攻めていて、スタンドに戻ってすぐに打撃を使う。全てのスポーツで肉体の使い方は違っているけど、MMAはあらゆるスポーツの体の使い方が一体化している。そういうラグをなくすためにドリル、スパーリングで時間を費やしているんだよ。いkなる動きをしていても、肺機能を活発しないといけない。パンチ一つをとっても、脹脛だって連動している。そういう普段の生活にはない動きが、徐々に見についてくる。それこそがマーシャルアーツの練習の素晴らしい点だよ」

――なるほど、です。ではブレイク・クーパーの印象を教えてください。

「クーパー一族の一人だよね。一族の全員が重いパンチ、ノックアウトパワーを持っている。ハワイらしくて、家族の絆が太い。人生の中心にレスリングがあって、凄く尊敬しているファミリーだよ」

――では現状、ケイドにとってMMAでの目標は?

「チャンピオンになること。サークルケージに足を踏み入れ始めたばかりの僕が、こんな風に言うのは無礼なことかもしれないけどね。でも、数年以内に自分の階級のトップファイターになる」

――では、これからもMMAを続けていくということですね。

「絶対的に続けるよ。今年中にもう1試合戦いたいと思っている。この試合のあと、タイがONEで柔術マッチが控えている(※ケイドはグラップリングの試合も柔術と呼ぶことがある)。そして、1度柔術トーナメントに出るだろう。9月にはコロラドでマイキー・ムスメシとグラップリングマッチも決まっているし、どんどん試合をしていきたいんだ。希望としてはONEが11月にアトランタで開くUS大会で、MMAの2戦目を戦いたい」

ADCCかCJI、今はまだ心が揺れている状態。来週には答を出す

――今週末にMMAを控えているケイドですが、今、グラップリング界が揺れています。クレイグ・ジョーンズがADCC世界大会に100万ドルの賞金が懸かったトーナメントをぶつけてきました。

「ADCCは五輪のように世界最大の柔術トーナメントだ。未来永劫に、ね。クレイグ・ジョーンズは2階級で優勝賞金100万ドルの16人制トーナメントを行う。賞金目的で多くの選手がADCCを離れるだろう。僕とタイはADCCで戦うのか、クレイグ・ジョーンズ・インビテーショナルで戦うのか。まだ決めていない。

ADCCがなければ、ここまで柔術が脚光を浴びることはなかった。同時に100万ドルは大きいよ」

――8月、ケイドとタイがTモバイル・アリーナ、あるいはトーマス&マック・センター――どちらに姿を現すのか。いずれにしても、楽しみでならないです。

「2年前、トーマス&マック・センターでADCC世界大会を戦った時、4試合で4つの一本勝ちを収め生涯最高のパフォーマンスを見せることができたと思っている。あの会場は本当に思い入れがある。クレイグ・ジョーンズが、あの会場を使用する。そして、より大きなTモバイル・アリーナで開かれるADCC世界大会はチケットもほとんどソールドアウトらしい。二つのショー、それぞれが最高になるだろう。

ほんと、難しいよ。タイとずっと話し合ってきた。来週には答えを出さないといけないけど、今はまだ心が揺れている状態だよ」

■放送予定
6月8日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

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45 AB MMA MMAPLANET o Special YouTube キック ケイド・ルオトロ ジェレミー・スキナー ボクシング リース・アレン 世羅智茂 岩本健汰 海外

【Special】Fight&Life#102よりADCCアジア&オセニア2ndRに挑む、世羅智茂「こんな未来があるなんて」

【写真】黙々、淡々と──そして楽し気に話してくれました(C)MMAPLANET

11日(土・現地時間)、タイはバンコク郊外ランシット大で行われるADCCアジア&オセアニア二次予選に昨年11月の一次予選で77キロ級3位だった世羅智茂が出場する。
Text by Manabu Takashima

35歳、「2年後はないかもしれない」と世羅は気張ることなく現状を見据え勝利への方程式を紐解く。世羅はグラップリング界のルールの微差、時間の違い、そしてアジア&オセアニアの戦いをどのように捉えているのか。最後──かもしれない挑戦前に行った世羅智茂インタビューが現在発売中のFIGHT & LIFE#102 に掲載されている。そんな世羅智茂インタビューを全文掲載。成熟した柔術家の志向と思考とは。


──11日にADCCアジア& オセアニア予選第2ラウンドが行われます。欧州と同様に、米国やブラジルのように予選が2度行われるようになったことをどのように捉えていますか。

「それは嬉しいです。チャンスが2回あるのは。ただ、しんどい想いをもう1回しないといけないというのもあります(苦笑)。そこは素直に嫌だなって思います」

──アハハハ。しんどい部分というのはどこになるのでしょうか。

「ADCC予選は試合が絶対にしんどくなるんです。試合時間は決勝以外は6分で、決勝は8分。時間は短いのですが内容が濃い。優勝するためには5試合、6試合をこなさないといけないですし」

──日本の柔術家やグラップリング選手の生活の糧は他の仕事か、世羅選手のように指導ではないですか。

「はい、そうですね」

──勝っても賞金が出るわけでない。予選は遠征費も掛かる。35歳になって、それは「しんどい」だろうと。

「しんどいですね。ほかの地区のトライアルを見ると、10代の選手とかが優勝している。彼らは競技者で食っていくという希望もあり、エネルギー量が違います」

──それでもトライするのは?

「しんどいけど、まだ何とかなる。その体力はある。積み重ねてきた技術、経験値もあるのでギリギリ工夫して戦える年齢と思っています。正直、2年後は分からないです。今と同じ練習を続けられるのか、も」

──それでバリバリの相手と対戦するという…。

「そこは若い選手の方が、勢いがあります」

──シンガポールやタイは暑い。タイは余り英語も通じない。体育館へ行くのも、日本のように簡単ではない。年を重ねると、その全てが億劫になってこないでしょうか。

「確かに海外へ行くハードルは高くなっているような気がします。まだADCC予選は東南アジアですが、米国はもう……遠いですね。しんどくなります。でも、アジアだとまだ頑張ることができますね」

──意気込みという点でも、若さって大きな武器ですね。

「何より先がある選手と、後がない選手は違いますよね。後がないから追い込めるということもあるかれもしれないですが、後がないという意識だと、縮こまってしまうかと思います。集中力が高まる人もいて、個人差もあるでしょうけど」

──世羅選手の場合は?

「僕は半々かと(笑)。集中もできるけど、縮こまってしまう部分もある。でも、これだけレベルが上がり、注目度でも柔術を上回っているなかで世界大会に出ることができれば──少しでも可能性があるなら、挑戦した方が良いと思います。2年後はレベルも上がってくるだろうし。今、トライすることが最善かと」

──失礼ですが、世界大会への出場権を得られたとして、優勝ということを考えることはありますか。

「優勝は程遠過ぎて、そういうことは言えないです。口にはできないですけど、気持ちはそこを目指すという感じでしょうか」

──世界大会ではアジア&オセアニア予選勝者は一番の末席、特に2次予選は。つまりは世界に出ればケイド・ルオトロ、ミカ・ガルバォンと当たる可能性が凄く高いです。

「1番の人とやる……勝つことはぶっちゃけて凄く難しいけど、ラッキーといえばラッキーですよね。勝つとか自分は言えないですが、触れてみたい。自分のなかでは今が一番強いので。今のうちに出来るだけ、チャレンジしておきたい」

──そこに辿り着けるかという予選ですが、昨年11月の第一次予選は3位。そしてポイントを取られていません。高い安定度を誇っている表れかと思うのですが。

「ハイ。ただ注意、ウォーニングは受けました。相手の方が攻めていて、固まった時だったと思います」

──前半はポイントがないADCC。後半になると、ポイントを失わない意識と同様にポイントを取る意識も高まるのでしょうか。

「基本的に前半からポジションを取って削る。チャンスがあれば極める。後半に繋げるために、前半もポジションを意識しています。と同時にADCCは失点をしないことが大切です。3分や4分というポイントのある時間帯で、取られたモノを取り返すのは簡単ではないです。だからこそ、まず失点をしないこと」

──世羅選手が以前、レスリングの技術を知るにはレスリングのルールから頭に入れるべきということを話されていました。ADCC、グラップリングにおいても同じことが言えるのでしょうか。グラップリングはサブオンリー、IBJJFノーギとポイントの有無で、技の運用方法が違ってくるような気がするのですが。

「もちろん、ADCC予選に出るときはルールに合わせた試合、技術の組み立てを考えます。それとグラップリングに生かすためにレスリングを習ったのですが、レスリングの技術はレスリングのルールだから有効です。なので全てがグラップリングに生かせるわけではない。そこでグラップリングのことは意識せず、純粋なレスリングを学ぶ気持ちで、ルールから頭に入れました。そのうえで自分でグラップリングにどう生かすかを取捨選択したんです」

──MMAにはMMAの距離がありますが、そこで使う打撃のためにキックはキック、ボクシングはボクシングで学ぶのと同じという理解で良いでしょうか。

「ハイ。MMA用の打撃を学ぶ方が、短い時間で効率よく上達するかもしれないです。でも、それだと余り技術の幅が生まれない。自分が本当に打撃を身に着けるには、遠回りのようで純粋なキックやボクシングを学ぶ方が良いと考えます。短時間で結果を出したいなら、MMAの打撃だけを学ぶという選択で良いかと思いますけど。でも本当に強くなるにはMMAもグラップリングも時間がかかります。だから試合が決まっていない期間に他競技の技術を学ぶことは大事かと思います」

──前回の予選から、次の予選まで世羅選手には珍しく試合に出てこなかったです。

「ハイ。1回ぐらい試合に出たいという気持ちはあったのですが、出たい試合がなかったので。それはそれで良いかと思っています。その間に技術の練習もできましたし。何より、去年が出過ぎでした(笑)」

──そんな世羅選手ですが、体格的にはADCCの66キロと77キロの中間。減量をして66キロは難しいのでしょうか。

「間の階級があれば良いのですが、それはどうしようもないので。66キロに関しては、創れないことはないです。そうやって落としても、日本人選手が多いじゃないですか。66キロまで体重を落としても、そのアドバンテージがあるのか疑問ですし。結局、試合がしんどいのは変わらないので。減量から試合の苦しさをトータルすると66キロも77キロも変わらないと思います」

──前回の表彰台、優勝した岩本健汰選手も大きいですが、準決勝で世羅選手に勝った準優勝のリース・アレンは半端なく大きかったです。

「デカかったですね。ただフレームの違いは感じても、組んで力の差は誰とやっても感じなかったです。そこは意外にいけるなと」

──では岩本選手が一抜けしたアジア&オセアニア予選ですが、前回の出場選手のなかだと、注意しないといけない相手というのは?

「やっぱり今、名前が出たリース・アレン。そのリース・アレンと競っていた森戸(新士)選手ですね。あと2022年のトライアルの66キロ級で優勝したジェレミー・スキナーがまた77キロ級で出るなら、彼も警戒が必要ですね。前回は準々決勝でアレンにまけたのですが、それでも嫌な相手です。

──それを考えると、世羅選手は77キロが適正とは思えないです。

「まぁ減量をしたくない言い訳のようになりますけど、背の低い相手は戦いづらいかもとチョット思っています(笑)。減量でカツカツで、タイにいたくないですし。計量前日に現地入りするのですが、それなら日本でしっかりと日本食を食べて体力を温存している方が良いかと。77キロでも2、3キロは落とします。なのでバスタブ付きのホテルで水抜きもします。ある程度、77キロに適した体重を創っておくべきかと思ったので」

──そうやって77キロ仕様の体を創る世羅選手ですが、以前は超アグレッシブに攻めて後半に疲弊することも少なくなかった。反対にこのところ相手の動きへの反応という部分が、際立ってきたように感じます。

「今思えば、昔は何も考えていなかったです。対して、今は考えています。ADCCではさっきも言ったように失点をしないこと」

──背中を取られても、足をフックさせない。そこも鍵になってくるかと思います。

「皆、そこは意識していると思います。2Pだと、まだ追いつけます。でも1分や2分では、3Pリードされると逆転は無理です。それと簡単ではないですが、極めることができる相手は早い段階で極めたいです。どうしても試合数が多くなり、後半になるほど疲労が蓄積してくるので。1回戦、2回戦で極めて勝てると、あとが楽になりますね。

──逆をいえばバックだと3P。そこを取ると負けはない。ならば必然的にバックを取ることを到達点とする攻めの組み立てというのは?

「基本はパスガードのプレッシャーをかけて、バックですね。抑え込んでパスのポインドを取るのは、ADCCでは難しいです。でもパスを狙うと、相手は背中を向けてくるのでバックの展開になりやすい。つまりはバックテイクが強いと有利になります。でも、守りも堅いですからね。結果、ADCC予選ってポイント差が大きくなる勝負って、あまりないですよね」

──確かに。2-0で勝てば良くて、18-0にする必要はないです。

「トーナメントだから、先手を取ってから得点を重ねて取ろうということもないですよね。あとアクションがよく掛かります。試合時間が短いから、見合いをするなということなんでしょうね」

──もう一つ特徴的なのは、ジャッジ席などに突っ込まない限り、マットの場外でも攻防が続くことかと。

「僕は3面マットの中央だったので、両サイドは安全だったのですが、板の間に出るとか怖いですよね。そういう状況は無かったですけど、アレは嫌ですよね」

──ADCCを戦い抜く術の説明までしていただきありがとうございます。では改めて、第二次アジア・オセアニア予選に向けての意気込みをお願いします。

「今も強くなっているとかは正直ないです。でも上手くなっている。試合は出続けたいですが、トップレベルでどこまでできるのか。ちょっとずつ終わりに向かっているのは確かです。11月はトーナメント枠が良かったというのもあって3位でした。次のトライアルで優勝するには、運も必要だと思っています(笑)。

全力で挑みますが、運が良ければ優勝できればなと。でも運に頼るわけでなく、ベストを尽くした上で運が見方してくれればなと思っています。何よりキャリアの終盤にグラップリングが盛り上がってくれたのはラッキーで。コロナ禍で青木(真也)選手や岩本(健汰)君と戦い、クインテットも注目度が上がった。柔術と並行してグラップリングも好きでやってきたのですが、こんな未来があるなんて思っていなかったので、そこもラッキーです」

■視聴方法(予定)
5月11日(土・日本時間)
午後12時00分~Flo Grappling

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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE FN21 ケイド・ルオトロ フランシスコ・ロ ペドロ・マリーニョ

【ONE FN21】シートベルトRNC=ルオトロチンで、ケイドがフランシスコ・ロを一蹴。MMA初陣へ

<サブミッショングラップリング180ポンド契約/10分1R>
ケイド・ルオトロ(米国)
Def.4分48秒by ルオトロチン
フランシスコ・ロ(ブラジル)

コメインで防衛戦が控えているタイもコーナーに就いたケイド。ローシングル気味に足首を2度触ったロに対し、ケイドは首に手を回してスナップダウン。ロはジャンピングは外されたが、ケイドのボディロックに思い切りに投げを打つ。これをすかしたケイドがトップを取り、ロがクローズドガードを取る。四の字でフックして固めるロ、レフェリーがブレイクを命じて頭を中に向かせる。

右腕を狙うロを潰したケイドはガードを割りいくが、立ち上がったところでスタースイープからスクランブル──試合はスタンドに戻る。ロはジャンピングガ―ド、ここからスイープを狙う。ロのリバースデラヒーバを捌いたケイドは、一瞬背中を向けてたところで一気のダイブからバック奪取、シートベルトのままRNCでタップを奪ってしまった。

「ADCCでタイがペドロ・マリーニョに極めたフィニッシュで、あんなにきれいな一本は見たことなかった。絶対的な僕らの兵器で、今日見せることができて凄く嬉しい。RNCと肩固めの間なんだ。ルオトロチンだよ」と話したケイドは、6月7日のONE167におけるブレーク・クーパーとのMMAデビュー戦に向けて「人生を賭けて柔術をやってきたけど、より戦いを……マウントを取って殴ってパスみたいなことをやってみたいんだ」と話し、恒例となった5万ドルのボーナスを手にした。


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45 AB MMA MMAPLANET o Road to ADCC UFC UFC300 WNO22 YouTube アデーレ・フォーナリノ アマンダ・アレキン アンディ・ムラサキ アンドリュー・タケット ウィリアム・タケット ケイド・ルオトロ ジエゴ・パト・オリヴェイラ ジョセフ・チェン ダンテ・リオン トミー・ランガカー ニック・ロドリゲス ヴィクトー・ウゴ 岩本健汰

【WNO22】ミカ・ガルバォンに挑戦、岩本健汰─02─「これからのことは一切考えていない。どうでも良い」

【写真】この試合後のことは考えていない。ルックスもどうでも良い。そんな岩本健汰でした(C)MMAPLANET

9日(金・現地時間)、カリフォルニア州コスタメサはOCフェアー&イベントセンター内ザ・ハンガーで開催されるWNO22「Rodriguez vs Hugo」で、ミカ・ガルバォンの持つWNOウェルター級王者に挑戦する岩本健汰インタビュー後編。
Text by Manabu Takashima

柔術の神の子への挑戦が降ってわいたように巡ってきた岩本は、この完全無欠のグラップラーを相手に勝つには「どうすれば良いんだ」と笑う。が、インタビューを進めていくと笑顔の裏にADCC世界大会イヤーでありながら、全てを賭ける気持ちがヒシヒシと伝わってきた。

ワールドステージで戦う岩本、その覚悟のほどを知って欲しい。

<岩本健汰インタビューPart.01はコチラから>


──とはいえウィリアム・タケットをパスしまくったという状況も、WNOだとパスもポイントにならないので極めを防げる選手は、IBJJFルールのように絶対にパスを許さないという姿勢では望んでいないかもしれないです。

「そこもあるかもしれないですね」

──グラップリングといってもサブオンリーのWNO、ポイントがありスクランブルが欠かせないADCC、ポイント制のIBJJFノーギとルールの違いが戦いをまるで変えるものかと、と。いくら技術は共通でも。

「WNOルールだと確かにミカは強いなって。どうやったら勝てるのか。まぁ全力でやるしかないですね(笑)」

──結果、ベストを尽くすと。とはいえ、どのルールでも防御力が絶対かと思うのですか。

「サブミッションエスケープは、僕は得意な方だと思います。なので、そこは気にせずに戦うことができるのですが、エスケープは印象点を悪くするので。だから入らせない。入られたら、すぐにカウンターでいくというマインドで行くしかないですね」

──ドロドロになってきたら、チャンスが増えるのか。

「う~ん、ドロドロ……そうっすね。ミカってヨーロピアンに出ていますよね」

──ハイ。ミドル級決勝でアンディ・ムラサキを腕十字で破り優勝しています。

「ヨーロピアンって、ドーピング検査ないんですかね?」

──あっ、そこですか。

「そうなんですよ。WNOはチェックはないですけど、ヨーロピアンに出ていたら抜けている可能性がある」

──そうしたら、使い続けている岩本選手の方が有利だと。

「ハイ(笑)」

──アハハハハハ。勘弁してください。

「でも本当にミカには、以前のようなパワーがない可能性はあります」

──なるほどです。そこは当日の楽しみとして、岩本選手は今回もB-Teamで調整をしてきました。

「ハイ、香港でのセミナーが終わってそのまま来ました。ニッキーやクレイグが不在だったのですが、まだ名前がないB-Teamのメンバーがめちゃくちゃ強いです。めっちゃ強い。ここでやっていることが、自分のバロメーターになります。初めて来た時から比べると、強くなっていると思います。でも回りも強くなっているし、紫帯でもメチャクチャ強い人もいて。ほぼ無名で強い人が、結構います。ここで練習をしていると、力がつきます」

──これはまるで別件なのですが、ケイド・ルオトロとトミー・ランガカーの日本での試合は視聴されましたか。

「ハイ。ケイドが圧勝しましたね、凄い試合でした。ケイドは凄いです。本当に世界一だと思います」

──実はこの試合が決まるまで、岩本選手の位置関係としてアンドリュー・タケットやジョセフ・チェンとのライバルストーリーが綴られていくことが楽しみでした。ただミカと戦うことで、岩本選手の存在がケイド、ミカというところにやってきたのかと。

「ここで勝てば、そうです」

──それがまさに今大会でのタイトル挑戦に表れているのかと。メインがニッキー・ロッド✖ヴィクトー・ウゴ。他にダンテ・リオン✖ディエゴ・パト、タイナン・ダルプラ✖オリヴィエ・タザ、ジェイコブ・カウチ✖セブ・ロッドという面々の中に日本人グラップラーが出場する。それこそUFC300で日本人ファイターがタイトルに挑戦する……NBAやMLBのオールスターに日本人プレイヤーが出場するようなもので、グラップリング界での快挙かと。

「まぁ……それは難しいことじゃないと思います。勝たないと意味がないので」

──ただし一部のグラップラーしか出場できないイベントです。それだけケンタ・イワモトは世界で評価されていることかと。

「そうですね。知名度的に僕が高いから、選ばれたというのはあるかもしれないです」

──ここでインパクトを残せば、今後のレギュラー参戦もあるのかと期待が膨らみます。

「きっと僕は良い試合ができることを期待されているんだと思います。攻防が多い、スクランブルが多い試合。ミカと相性が良い試合になると思われているのかと。でも、この試合に限らず……ですけど、一つひとつの試合が一つの終わりと心得ているので」

──というと?

「むしろ、この試合が僕にとって最後の戦いだという感覚です。もう後のことは考えていない」

──つまり今回の試合はRoad to ADCC世界大会ではないと。

「ハイ。キャリアとかこれからのことは一切考えていないです。これが最後だと思ってやっています。帰りのチケットも買っていないです。試合までのことしか、考えていないので。そこしか見ていない。カリフォルニアから戻ることは今、頭にないです。とにかくミカとの試合に集中しています。終わってからのことは、どうでも良い。米国から帰国するチケットもキャンセルできるやつを買って、こっちに来ているので」

──凄まじい覚悟のうえでのミカへの挑戦ですね。

「もう、この試合で終わりです。それからのことは一切、考えていないです」

──押忍。そんな岩本選手を応援している人々に一言お願いします。

「うん……えぇと……。勝つことしか考えていないです」

──痺れる想いを持つ岩本選手ですが、最後に一つスミマセン。気になったことがあります。

「えっ、何ですか」

──岩本選手、インタビューの受け答えは英語の方が上手くないですか。あのFLOに挙がっているインタビューとか、凄く流暢で。

「アハハハハ、そんなことないですよ。英語より日本語の方が……多分、大丈夫です。今日は……最近、日本語を使っていないので。もうカタコトになって、表現力がないなって自分でも思っていました(笑)。本当に日本語をしゃべったのが、久しぶりだったので申し訳ないなって(笑)。言葉が上手く回らなかったです」

──それだけ動きは上がっていると、期待しています。

「ハイ。ありがとうございます。口はこうでも、体は動くので。そして日本語、勉強しなおします(笑)」

■視聴方法(予定)
2月10日(日・日本時間)
午前11時00分~Flo Grappling

■ WNO22対戦カード

<ヘビー級/15分1R>
ニック・ロドリゲス(米国)
ヴィクトー・ウゴ(ブラジル)

<WNOウェルター級選手権試合/15分1R>
[王者]ミカ・ガルバォン(ブラジル)
[挑戦者]岩本健汰(日本)

<WNO級ライト選手権試合/15分1R>
[王者]ダンテ・リオン(カナダ)
[挑戦者]ジエゴ・パト・オリヴェイラ(ブラジル)※フェザー級王者

<女子フライ級/15分1R>
アマンダ・アレキン(米国)
アデーレ・フォーナリノ(豪州)

<ミドル級/15分1R>
タイナン・デルプラ(ブラジル)
オリヴィエ・タザ(カナダ)

<ミドル級/15分1R>
ジェイコブ・カウチ(米国)
セバスチャン・ロドリゲス(米国)

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【WNO22】世界の頂=神童ミカ・ガルバォンに挑戦、岩本健汰─01─「じゃあ、どうするんだって(笑)」

【写真】B-Teamで練習中の岩本。世界に挑む、日本の格闘家(C)MMAPLANET

9日(金・現地時間)、カリフォルニア州コスタメサで開催されるWNO22「Rodriguez vs Hugo」に岩本健汰が出場し、ミカ・ガルバォンの持つWNOウェルター級王者に挑戦する。この一戦はある意味、タケルがスーパーレックと戦う、あるいは日本人がショーン・オマリーと戦うのに等しい──ただ単に世界と戦うということでなく、世界の頂点と戦う一戦となる。
Text by Manabu Takashima

神童ミカ・ガルバォンは2003年10月生まれの20歳。父マルキの指導の下、柔術とルタリーブリで黒帯を巻く。キッズ時代から輝かしい成績を残し、2019年のムンジアルではジュベニウで階級別と無差別を制覇し、アダルトへ。時代はコロナ禍を迎え柔術トーナメントが動きを止めるなか、ミカは配信大会で頭角をグングンと表し、一気に黒帯のトップ選手として認知されるようになった。

2022年のムンジアル制覇はドラッグテストで黒となり抹消され、その年のADCCでは77キロ級決勝でケイド・ルオトロにヒールフックで敗れるも、今や時代の寵児となったルオトロ兄弟よりも前評判は高かった。その後、BJJスターでイザッキ・バイエンセとフィリップ・アンドリューに敗れてはいるが、目下のところ24連勝中だ。

WNOは2021年の第9回大会から出場し、アンドリュー・タケット、オリヴィエ・タザに勝利すると、チャンピオンシップトーナメントでウィリアム・タケット、ジェイコブ・カウチを破り、決勝でタイ・ルオトロに敗れた。その後もダンテ・リオン、アラン・サンチェスに勝利し、昨年10月に王座決定トーナメントでジェイ・ロドリゲス、PJ・バーチを下し、ウェルター級のベルトを巻いた。

さらに12月にコディ・スチールをRNCで倒して王座初防衛に成功、今回は岩本と2度目の防衛戦を戦うことに。そのうえで1月の最終週にはヨーロピアンにミドル級出場したミカは、3試合連続で一本勝ちし決勝でアンディ・ムラサキと相対した。結果スイープを許し、パスのプレッシャーを受けるなか、左足でムラサキの左足を制し、右足で肩と頭をロックしつつ腕十字を極めるという神童の名にふさわしいフィニッシュで優勝を果たしている。

岩本にとって間違いなく過去最強の相手。ミカが持つベルトに挑む岩本──テキサス州オースチンのB-Teamで最後の仕上げを行うところでリモート取材を試みた。


──当初の予定ではニッキー・ライアンが挑戦するという話だったのですが、いつの間にか岩本選手が挑戦者になっていました。いつ頃、この試合が決まったのでしょうか。

「12月末ぐらいだったと思います。年末ですね、『どうか?』っていう連絡が来たのが。1度OKを出したのですが、それが無しになって。正月をゆっくりと過ごしていたら、またオファーがきてやることになったんです」

──それはニッキー・ライアンの出場がなくなったから、オファーがあったということですか。

「ハイ。最初の時はそうでした。ただ1度なくなった理由は分からないです(笑)。交渉の段階でなくなって、『やっぱりどうか?』という連絡があってからお金の話など、契約交渉の段階に入りました」

──とはいえADCCアジア&オセアニア予選で優勝した直後には、ADCC世界大会のトーナメント枠を良くするためにPJ・バーチなどと戦って結果を残すと言っていました。そしてミカへの挑戦、余りに言動が不一致です(笑)。

「アハハハハハ。最初はADCC世界大会でいきなりケイド・ルオトロやミカ・ガルバォンと当たらないためにもうちょい下の人を倒したいというプランでした。なので、まさかその本人が出てくるとは思わなかったです」

──ADCC世界大会に向けて、プランが変わる試合のオファーに躊躇はなかったですか。

「最初は『ミカか……』という感じはありました。2月の9日だと、準備期間も少ないですし。1月の15、16日に香港でセミナーがあり、その間はあまり練習ができない。ミカが相手なら、もうチョイ準備したいという気持ちがあったのですが、迷った末にやることにしました」

──目の前にミカというオファーがあれば、無視することはできない?

「う~ん、僕から求めていたわけじゃないですけど、舞い降りてきたチャンスを逃すことはできなかったです。頑張ってきたらチャンスは巡ってくる──そう思って、受けることにしたんです。僕的には勝ちたい。でもミカって一番強いから、他の選手と比べると勝つのは難しい。でも『良い試合をしたな』っていうことで終わってしまうのが、一番嫌なんです」

──ONE165でのケイド・ルオトロへの挑戦も断った。でもミカとは戦いたいというのは?

「それは契約の縛りの話があったからです。ONEは縛りがあって、縛りがなければやっていました」

──しかし、どうすればミカ・ガルバォンに勝てる見込みがあるのか。それは正直なところ思うところではあります。

「確かにWNOのルールはサブミッションの仕掛けを重視しています。以前、ミカとダンテが試合をしたときにダンテが何回もテイクダウンを奪ったのに、最終的にミカが一度腕十字の態勢に入ったことで勝てたんですよね。サブミッションが凄く重視されるので、ミカをWNOのルールで倒すというのは──勝ち筋を見つけるは難しいところがあります。

かといって何も見えない相手ではないです。僕が勝てる部分があるので、そこを利用して勝ち筋を見出すしかないです」

──勝てる部分というのは、どこになると考えていますか。

「立ち技とかだったら、行けるかなと」

──とはいえサブオンリーなので、ミカは立ちで敵わないとみると引き込んでくるのではないでしょうか。

「引き込んでくる可能性はありますね。印象を悪くしないために」

──テイクダウンされるより、引き込みの方が自分の形で組手を創れるような気もしますし。そうなると、引き込んでも攻撃になる。

「ハイ。そこはADCCとは違いますよね。ADCCルールの方が今の僕には合っていることは合っています。でも……う~ん、そうっすね。まぁ、う~ん。ミカをパスできないですもんね。ヘヘヘヘヘヘヘ」

──いや、笑いごとではないかと。

「じゃあ、どうするんだっていう話になるんですけど(笑)」

──ハイ……。

「だから、まあ……そのう……だから、まぁ……なるべく遠い距離で立っても良い感じでやるのか。それだとネガティブになっちゃいますよね」

──逆に岩本選手が引き込むということは?

「それはチョットきついです。プランにはないです。冗談ではあるかもしれないですけど。ミカはパスが強いですからね(笑)。ウィリアム・タケットを結構パスしていたので。ハハハハ」

──笑っている場合ですか!!

<この項、続く>


■視聴方法(予定)
2月10日(土・日本時間)
午前11時00分~Flo Grappling

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VITASさんのCMに『細川バレンタインの前向き教室の視聴者さんが作ったBGM』を使用させていただいてます!

第11試合 メインイベント ONEキック・フライ級(61.2kg)チャンピオンシップ 3分5R
スーパーレック・ギャットムーカオ[キアトモー9](タイ/ギャットムーカオジム/王者、ONEムエタイ同級1位、元ルンピニー認定スーパーフライ級&バンタム級王者)※2度目の防衛戦
武尊(team VASILEUS/挑戦者、ISKA K-1ルール世界ライト級王者、KGPライト級王者、元K-1スーパー・フェザー級・フェザー級・スーパー・バンタム級王者、元Krushフェザー級王者)

第10試合 コーメインイベント ONEサブミッショングラップリング・ライト級(77.1kg)チャンピオンシップ 10分1R
ケイド・ルオトロ(米国/Atos/王者)
トミー・ランガカー(ノルウェー/Wulfing Academy/挑戦者)

第9試合 MMA ライト級(77.1kg) 5分3R
青木真也(フリー/元王者)
セージ・ノースカット(米国/チーム・アルファメール)

第8試合 特別ルール 187.25ポンド(84.94kg)契約 3分3R
秋山成勲(チームクラウド)
ニキー・ホルツケン(オランダ/チーム・ホルツケン・ヘルモン/元GLORYウェルター級(77kg)王者)
※オープンフィンガーグローブを着用し、1R目はボクシング、2R目はムエタイ、3R目はMMAで争われる。決着はKOまたは一本のみで、時間切れの場合はドローとなる。

第7試合 キック 156.5ポンド(70.99kg)契約 3分3R
マラット・グレゴリアン(アルメニア/ヘマーズジム/フェザー級(70.3kg)2位、元K-1スーパー・ウェルター級(70kg)王者、元GLORYライト級(70kg)王者)
シッティチャイ・シッソンピーノン(タイ/シッソンピーノンジム/フェザー級(70.3kg)3位、ONEムエタイ同級2位、元GLORYライト級王者、元ルンピニー認定ウェルター級王者)

第6試合 MMA フェザー級(70.3kg) 5分3R
ゲイリー・トノン(米国/イヴォルブMMA/チーム・ヘンゾ・グレイシー/1位)
マーティン・ニューイェン(オーストラリア/ベトナム/キルクリフFC/3位)

第5試合 MMA 女子アトム級(52.2kg) 5分3R
平田 樹(フリー)
三浦彩佳(TRIBE TOKYO MMA)

 ~開会式~

第4試合 MMA フライ級(61.2kg) 5分3R
ダニー・キンガット(フィリピン/チーム・ラカイ/2位)
若松佑弥(TRIBE TOKYO MMA/4位)

第3試合 キック ヘビー級 3分3R
ラーデ・オパチッチ[Rade Opacic](セルビア/KBKSチーム)
イラジ・アジズプール[Iraj Azizpour](イラン)

第2試合 MMA ストロー級(56.7kg) 5分3R
ボカン・マスンヤネ(南アフリカ/Coach Quan University/2位)
山北渓人(リバーサルジム新宿Me,We/元パンクラス・ストロー級王者)

第1試合 MMA ストロー級(56.7kg) 5分3R
箕輪ひろば(STF/3位、元修斗世界ストロー級王者)
グスタボ・バラート(キューバ/アメリカン・トップチーム/4位)

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