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45 MMA MMAPLANET o ONE ONE169 アフメド・ムジタバ ケイド・ルオトロ

【ONE169】64秒でフィニッシュ! ケイドが右でダウンを奪い、ダースチョークでムジタバを仕留める

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ(米国)
Def.1R1分04秒 by ダースチョーク
アフメド・ムジタバ(パキスタン)

ケイドがプレスをかけ、右ローを繰り出す。ムジタバの右ストレートをかわし、左ハイを見せた。ムジタバのパンチをブロックしたケイドの右スイング一閃! これがアゴにクリーンヒットし、ダウンしたムジタバにパウンドの連打を浴びせるさらに相手の首を取り、ダースチョークを極めた。

試合後「大きな一発からダースという得意技で仕留めることができた。最高のチームのおかげで、この結果がある。来年も柔術の頂点でONEのベルトを守りたいし、MMAにも挑戦し続けたい。特別に戦いたい相手はいないけど、僕もタイも強い相手と戦って極めたいと思っている」と語ったケイドに、当然のように5万ドルボーナスが与えられた。


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45 AB MMA MMAPLANET o ONE ONE169 YouTube アドリアーノ・モライシュ アナトリ―・マリキン アニッサ・メクセン アフメド・ムジタバ アミール・アリアックバリ ウマウ・ケニ・ログログ キック ケイド・ルオトロ ゲイ・ババカール ゴントーラニー・ソー・ソンマイ サムエー・ガイヤーンハーダオ ジャッキー・ブンタン ダニー・キンガド ボクシング マカレナ・アラゴン マーカス・アルメイダ マーカス・ブシェシャ・アルメイダ ルンピニー ロッタン・シットムアンノン ヴァウテル・ゴンサウベス 三浦彩佳 水口清吾

【ONE169】三階級制覇、無敗&判定勝ち無し=マレキンに挑む、セネガル相撲出身ログログ

【写真】インスペクターも含め、怪獣総進撃のようだ(C)ONE

明日9 日(土・現地時間)にタイはバンコクのルンピニー・スタジアムでONE169が開催される。日本から三浦彩佳が出場する同大会。ONEムエタイ世界フライ級王座の防衛戦を行う予定だったロッタン・シットムアンノンが制限時間内に計量をパスできず、王座剥奪。キャッチ戦となった変則世界戦は、ジェイコブ・スミスが勝利した場合のみ王者に認定されることとなった。
Text by Manabu Takashima

トリプルクラウンがダブルクラウンとなったイベントのメインはONE世界ヘビー級選手権試合=王者アナトリ―・マリキン×挑戦者ウマウ・ケニ・ログログの一戦だ。ミドル&ライトヘビー&ヘビー級の三冠王者にとって、ヘビー級王座の初防衛戦となる。


マレキンはこれで2022年2月の暫定ヘビー級王座決定戦から、同年12月のライトヘビー級王座挑戦。昨年6月のヘビー級王座統一戦。そして今年3月のミドル級王座挑戦を経ての王座防衛戦で、5試合連続の世界戦となる。

ONE独自の階級により、北米階級ではヘビー級に相当する選手がライトヘビー級で戦える背景もある3階級制覇とはいえ、腰に巻き、両肩に掛けるベルトの数よりもマレキンの偉業はその圧巻の試合内容といえるだろう。

4試合の世界戦はおろか、ONEで戦った6試合の全てがフィニッシュ勝利。キャリア全般においても、敗北も判定勝ちも一度としてない。

対するログログはMMA二戦目からONEで戦い、通算戦績は5勝1敗。前回の試合ではムエタイ初陣をKO勝ちで飾っている。ONE特有のマルチウェイトカテゴリー、マルチスタイルが融合したMMAヘビー級のベルトに挑むこととなったログログのベースは、ルッ・セネガル=セネガル相撲だ。

セネガル相撲といえば、先月14日に第1回大会が実施されたROMANにゲイ・ババカールが出場し、僅か18秒で水口清吾をパウンドアウトしている。

ナチュラルにパンチを出せ、被弾しても怯まないレスラー。それがセネガル相撲勢といえる。殴ることが許されたレスリングだけに、MMAでいえばダーティーボクシングがクリーンファイトとなり彼らのDNAに組み込まれている。過去の試合からいえば序盤のテイクダウン能力の高さは、マレキンも警戒が必要だろう。とはいえ距離を取ったキックボクシングをされると、距離の詰め方とスタミナ配分には課題も残る。

グラップリングといえば攻めより、防御力の方が高いか。マーカス・アルメイダ・ブシェシャに極めさせなかったのは、ともに疲労困憊でグダグダのファイトであったとはいえ特筆すべきことだろう。

MMAファイターとしての完成度の高さでは、チャンピオン。そしてフィニッシュ力もマレキンだが、序盤の瞬発力ではログログも負けていない。加えて、そこから試合が長引くと……マレキンも持久戦には未知数な部分が残っている。とはいえログログのスタイルからも、試合がチャンピオンシップラウンドまで続く可能性は低い。

同時に短時間のファイトではマレキン有利だが、ログログも序盤にだからこそ発揮でいる一発を有しているかもしれない──そんな王者有利なヘビー級の頂点争いといえるだろう。

■ONE169 視聴方法(予定)
11月9日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT

■ONE169 対戦カード

<ONE世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] アナトリ―・マリキン(ロシア)
[挑戦者] ウマウ・ケニ(セネガル)

<ONEムエタイ世界フライ級変則選手権試合135.5ポンド契約/3分5R>
ロッタン・シットムアンノン(タイ)
ジェイコブ・スミス(英国)

<ONEキックボクシング女子世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者] ジャッキー・ブンタン(米国)
[挑戦者] アニッサ・メクセン(フランス)

<フライ級((※61.2キロ)/5分3R>
アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
ダニー・キンガド(フィリピン)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)
タギール・カリロフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ(米国)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)

<キック・ストロー級/3分3R>
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
ジャン・ペイメン(中国)

<ヘビー級/5分3R>
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ(ブラジル)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
エディ・アバソロ(米国)
モハメド・ユネス・ラバー(アルジェリア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
マカレナ・アラゴン(アルゼンチン)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(マレーシア)
ヴァウテル・ゴンサウベス(ブラジル)

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45 AB MMA MMAPLANET o ONE ONE169 RIZIN UFC YouTube   アドリアーノ・モライシュ アナトリ―・マリキン アニッサ・メクセン アフメド・ムジタバ アミール・アリアックバリ アレッシャンドリ・パントージャ ウマウ・ケニ・ログログ キック ケイド・ルオトロ ゴントーラニー・ソー・ソンマイ サムエー・ガイヤーンハーダオ ダニー・キンガド ボクシング マカレナ・アラゴン マーカス・ブシェシャ・アルメイダ ルンピニー ロッタン・シットムアンノン ヴァウテル・ゴンサウベス 三浦彩佳 朝倉海

【ONE169】1年半振りの実戦=アドリアーノ・モライシュがONEの現状&ATT同門パントージャ×朝倉海を語る

【写真】もう11年も太平洋、時には赤道を越えて、赤道付近まで戻るという遠征をしてきたアドリアーノだからこそ──という言葉が訊かれた(C)MMAPLANET

9 日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE169で元ONE世界フライ級王者アドリアーノ・モライシュが、昨年5月のDJ戦以来18カ月振りとなる戦線復帰でダニー・キンガドと戦う。
Text by Manabu Takashima

1年半振りの試合に向け、ONEでの現役生活も11年を数えるようになった元世界チャンピオンは、ここ数年のONEの変化を敏感に感じ取り、気持ちが途切れたこともあったと振り返る。

しかし、今年の6月の長女の誕生とともにやる気を取り戻したアドリアーノの心境とは。そしてATTチームメイト、アレッシャンドリ・パントージャと朝倉海のUFC世界フライ級選手権試合に関して、チームメイトとして見立てとは?


──アドリアーノ、お久しぶりです。調子はいかがですか。

「本当に久しぶりだよね。今は計量にむけて、体重の調整に入っているけど調子は上々だよ。この間もトレーニングを欠かすことはなかった。そして、家族と一緒の時間を過ごした。チームメイト、家族、皆が支えてくれて今を迎えている。凄くワクワクしているよ」

──その久しぶりというのも今回は18カ月振りの試合だから、ということもあります。ここまで試合間隔が空いたのは何か理由があったのでしょうか。

「ノー。ずっとONEに試合がしたいと伝えていたけど、今回まで実現しなかっただけだ」

──この2年ほど、ONEは明らかにキックやムエタイ、そしてサブミッショングラップリングに力を入れています。アドリアーノにもキックやグラップリングの試合のオファーはなかったのでしょうか。

「そこは……ちょっとね、ビックリさせられているよ。MMAは打撃とグラップリングの複合競技だ。そのMMAの根幹を引き裂いて、MMAファイターにどちらかの試合をさせようというのは……。僕らは打撃は打撃、組み技は組み技ということでストライキングやグラップリングのトレーニングをしているわけじゃない。

それでも僕はプロとして、契約下にあるのだからONEのために戦いたいと思っている。短期間でなく長い目で見てONEとやってきたのだから、僕は僕の役割を果たし金を稼ぐんだ(笑)」

──プロモーションとして必要なのでしょうが、世界的に見てネームバリューのあるMMAファイターを他競技に投入し、本職に敗れる姿を見るのは悲しいことです。

「MMAファンは悲しむよ。個人的にキックやムエタイの試合を見ることも好きだけど、戦うならMMAだ。MMAを戦うために、練習してきたのだから」

──そんななか9月にDJが引退を発表しました。彼がいなくなったことはONEで現役生活を全うしているアドリアーノの気持ちの部分に影響を与えないですか。

「3度目の試合が勝ち負けに関係なく、内容が良くなかった。だから、DJと戦う機会が永遠に失われたことは残念に思う。特に僕は試合にも負けたし、もっと積極的なアクションのある戦いをDJともう1度繰り広げたかったよ。

と同時にDJが全てをやり切って、引退を決意したことを祝福したい。全てをやり切ったレジェンドが、身を引く決意をした。その決断をリスペクトしているし、DJが決めたことだから正しいタイミングだったと思っている。でも、僕がベルトを取り戻すとDJも戻って来るんじゃないかな(笑)」

──なるほどです(笑)。DJと同様に、アドリアーノもMMAファイターとしてやり切ったと感じる年齢になりつつあると思います。DJが去った今、どのようなモチベーションを持って戦いの場に戻ってきたのでしょうか。

「そこはDJの引退云々でなく、6月に娘が生まれたことが一番大きいね」

──おお、それはおめでとうございます。

「ありがとう。彼女の誕生が、過去になかったモチベーションを僕に与えてくれた。実は試合がしたいと思っても、なかなかその機会が与えられないできた間は、もうどうでも良いやという投げやりな気持ちになることもあった。

ONEのMMAのなかでも、特にフライ級の試合は少ないと感じていたし。タイトル戦線も動かない。そりゃあ、やる気が削がれたよ。でも、娘が生まれて僕の心に再び火がついた。まだ契約が残っている。なら、やってやろうという気持ちになったんだ。

肉体的にも衰えはないし、そこに精神が融合すると今の僕は20代の時と何ら変わりない。大きなケガもないし、手術をしたこともない。同時に35歳になって、あと何年戦うことができるのか自分でも分からない。でも少なくとも契約が満了になるまでは、強い気持ちを持って戦い続けることができる。なにより、今回の試合でも娘が僕の力の根源になっていることは間違いないよ」

──娘さんがパパは何をやっているのかを理解できるようになるまで、アドリアーノには戦い続けてほしいです。

「そうだね。彼女が誇ることができる父でいたい。そうなるためにも、僕は気持ちを込めて戦い続ける」

──そのようななか7年前に戦ったダニー・キンガドと戦うことに関しては、何か想うところはありますか。

「そこに関しては、良い試合が組まれたと思っているよ。

2017年11月10日、ONE世界フライ級 王者だったアドリアーノは、1R4分45秒にRNCでキンガドを破り王座防衛に成功している

僕もダニーも7年前とは別人だ。お互いが成長してきた。ダニーは今も変わらずパワフルなパンチとキックを使う。何よりグラップリング面での成長は目を見張るものがある。

それでも、僕の方がまだ彼の前を行っている。技術的に僕の方が上だし、しっかりとフィニッシュしたい」

──ではリングでの試合をどのように考えていますか。

「リングとケージで、MMAが違うスポーツになるとは思っていない。でもアジャストが必要なのは絶対だ。ケージコントロールができないことは、大きい。それでもコーナーも使えるし、僕の戦いがものすごく変わることはない。リングでやれることをやるだけだよ。

レフェリーが試合を止めて、頭を中央に回す。パンチとキックが加わっただけで、その流れは柔術で十分に経験してきたからね(笑)」

──押忍。試合を今週末に控えて、そこに集中しているアドリアーノですが、一つチームメイトに関して質問をさせてください。

「パントージャのことだね(笑)」

──ハイ。12月に朝倉海選手の挑戦を受けます。朝倉選手とアドリアーノは、身長がほぼ同じ。パントージャの対策練習のパートナーだったのではないかと。

「パントージャとは、本当に多くの練習を繰り返してきたよ。キャンプ中も僕が彼を助けて、彼が僕を助けてくれた。パントージャは、次の試合に向けてめちゃくちゃ気持ちが入っている。

そうだね……カイ・アサクラはとても良い試合を日本でしてきた。ただし、それをラスベガスで再現できるかといえば疑問は残る。それに彼にとって、125ポンドで戦うのはいつ以来になるのか?」

──7年半振りかと思います。

「だろう? それは大変だよ。対してパントージャにとって、ラスベガスはホームのようなものだ。減量も問題ないだろう。グラップリングに関しては、絶対的な差が存在している。カイ・アサクラは125ポンドに落として、5Rを戦い切ることができるのか──お手並み拝見だよ。簡単なことじゃないはずだ。そこに関してパントージャはアドバンテージを持っている。UFCの世界戦、ラスベガスで戦う感覚を体が覚えているからね。

UFCデビュー戦で、UFC世界王座に挑戦できるなんて人生最大のチャンスをカイ・アサクラは手にした。だから、その状況を楽しんでほしい。そんな機会を得られる選手は、今やいない。それに勝てば、確か日本人で初のUFC世界チャンピオンになるんだよね?」

──ハイ。その通りです。

「そりゃあ、日本のMMA界にとっても凄く良いことじゃないか。皆がカイ・アサクラに期待しているのも分かるよ」

──初陣がタイトル戦というのは、国内でも様々な反応がありました。ただ、UFCが日本で盛り上がるために朝倉海選手への期待は相当に高まっています。

「小さいことに拘っていちゃダメだ。でも、本当にカイ・アサクラにとっては過去に経験したことがないようなタフな戦いになるだろう。時差、気候の違い、全てがファイトに影響してくる。本当にカイ・アサクラはRIZINで良い試合をしてきた。ただし、日本で戦っていた時のようなパフォーマンスを米国で発揮できるとは限らない。どうなるか、だね」

──そうはいってもアドリアーノ自身がかつてはブラジルから、今はフロリダから朝倉選手以上の長旅と時差、気候の違いを乗り越えて東南アジアで戦っているではないですか。そして、能力通りの力を発揮している。なら、朝倉選手も可能だということですよね?

「本当だ。メェ~ン、痛いところをついてくるね(笑)。僕らはファイターだ、世界のどこにいようが、しっかりと戦わないといけない。そうだね、どういう戦いになるのか見届けようじゃないか。一つだけ言えるのは、パントージャは本当にタフだということ。

彼はチャンピオンのマインドセットを備えて、戦っている。彼の武器、拳、蹴りは他にないモノだ。グラップリングも日々進化している。カイ・アサクラにとって、本当に手強い相手になる。それは断言させてもらうよ」

──ONEのメディアデーに関わらず、UFC世界戦について話していただきありがとうございます。では、アドリアーノの18カ月振りのファイト。期待しています。

「本当に長い間、待ち続けた。僕はまたフライ級王者になる。そしてONEフライ級タイトル戦線を活発化させるよ。日本のファンにも、期待してほしい。いつも、応援ありがとう」

■ONE169 視聴方法(予定)
11月9日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT

■ONE169 対戦カード

<ONE世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] アナトリ―・マリキン(ロシア)
[挑戦者] ウマウ・ケニ・ログログ(セネガル)

<ONEムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者] ジェイコブ・スミス(英国)

<ONEキックボクシング女子世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者] ジャッキー・ブンタン(米国)
[挑戦者] アニッサ・メクセン(フランス)

<フライ級((※61.2キロ)/5分3R>
アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
ダニー・キンガド(フィリピン)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)
タギール・カリロフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ(米国)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)

<キック・ストロー級/3分3R>
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
ジャン・ペイメン(中国)

<ヘビー級/5分3R>
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ(ブラジル)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
エディ・アバソロ(米国)
モハメド・ユネス・ラバー(アルジェリア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
マカレナ・アラゴン(アルゼンチン)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(マレーシア)
ヴァウテル・ゴンサウベス(ブラジル)

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45 AB ADCC2022 CJI MMA MMAPLANET o ONE ONE169 UFC YouTube   アドリアーノ・モライシュ アナトリ―・マリキン アニッサ・メクセン アフメド・ムジタバ アミール・アリアックバリ アンドリュー・タケット アンドレ・ガルバォン ウマウ・ケニ・ログログ キック ケイド・ルオトロ ゴントーラニー・ソー・ソンマイ サムエー・ガイヤーンハーダオ ダニー・キンガド ボクシング マカレナ・アラゴン マーカス・ブシェシャ・アルメイダ リーヴァイ・ジョーンズレアリー ルンピニー ロッタン・シットムアンノン ヴァウテル・ゴンサウベス 三浦彩佳

【ONE169】2度目のMMAへ。ケイド・ルオトロ「次にやってくる波は、失われた柔術の技だよ。それが……」

【写真】緊張しているようには、感じられたなかったケイド。インタビューでは、それを見せないだけかもしれないが──とにかく興味深い話が聞かれた(C)ONE

9 日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE169でケイト・ルオトロが2度目のMMAに挑む。
Text by Manabu Takashima

アフメド・ムジタバと相対するケイドは、8月にCJIを制し100万ドルを獲得。ADCC2022の優勝に続き、この惑星で一番のグラップラーであることを示した。グラップラーが競技で食っていける時代を突き進むケイドが、1億5000万円を獲得した3カ月後にMMAを戦う理由とは。

そして意外な師弟関係にあるエリック・パーソンについて尋ねた。


僕は頭のネジが外れてしまっている

──今週末、アフメド・ムジタバと2度目のMMAを戦います。今の気持ちを教えてください。

「凄くワクワクしているけど、少し緊張しているかな」

──ナーバスになっているというのは?

「いつだって試合前は、ある程度はナーバスになるものだよ。そしてMMAだから、柔術の時よりも緊張の度合いは強い。それでも、楽しみな気持ちの方が大きいけどね」

──もちろん今はムジタバ戦に集中しないといけないのですが、CJI優勝を振り返ってもらえないでしょうか。前回のADCCに続き、CJIの優勝はケイドが改めて世界一のグラップラーであることが証明されました。

「本当に特別な時だったよ。ADCC2022から今年のCJIまで、自分をさらに高めてきた。ただ、これまでのトーナメントで優勝した時のような清々しい気持ちにはなれなかったのも事実だ」

──えっ?

「ONEではタイもベルトを持っている。WNOもそうだ。2人でベルトを巻いた。CJIではタイは不運にもヒザの負傷に見舞われて、決勝まで一緒に進むことがならなかった。確かに100万ドルを手にできたことは、凄いよ。本当に素晴らしいトーナメントだったしね。そこで最高の選手たちに勝つことができた。アメージングな経験になったよ。ただ、タイと優勝をシェアしたかった……」

──ADCCとは違い、同じ階級に出場をしました。決勝に両者が揃って進んでいれば、最後の1試合は行われなかったわけですね。

「そうだね。ファイナルはタイとシェアするつもりだったよ。ただ、タイが2回戦で負ったヒザのケガは酷くて、次の試合に進めなかった。最悪だよ。技術的にタイは僕と比べても……いや、この階級の誰よりも優れているんだ。でも、それが競技の怖いところで、最高の選手が色々なことが要因となって、勝ち上がれるわけじゃない」

──タイの負傷は残念でした。と同時にCJIではアンドリュー・タケットとの準決勝戦、リーヴァイ・ジョーンズレアリー決勝戦など、ケイドや若い選手がグラップリングを観賞用スポーツに昇華させたともいえます。

「そうだね。CJIのルールが、大きく後押ししてくれた。そして、参加選手の多くがただ柔術を戦うだけでなく、エキサイティングな攻防を仕掛けることの大切さを理解していた。退屈な柔術の試合をしていても、生きていくにはアカデミーを開いて指導をしないといけない。

でも柔術を戦って生きていくには、エキサイティングな試合をすることは欠かせない。皆、そういう試合を楽しみにしているのだから。アンドリュー・タケット、そして僕も相当にエキサイティングなファイターだ。その2人が戦ったのだから、試合はああいう風になるよ(笑)」

──CJIはグラップラーが競技生活で、生きていける道筋を創りました。そして100万ドルを手にしたケイドが、3カ月もしないうちにMMAを戦うというのは?

「MMAを戦う理由……、それはCJIが生まれる前からMMAを戦うことを決めていたからだよ。ただし、CJIは本当にタフなトーナメントで体を酷使し過ぎてしまった。ケガも多くて、9月のデンバー大会には出場できなかった。体調はかなり戻せたけど、部分的にはヘルシーでない箇所もある。今週末のファイトが、今年最後の試合になる。タイと一緒に体の回復に努めて、来年はもっと強くなって戻って来るつもりだよ」

──ケイドやタイのグラップリング戦を見るのが楽しみなのは、100パーセントのリアルファイトでシリアスな戦いにあっても、2人も楽しく戦っているように映るからです。その一方で殴りに来る相手と戦うMMAで、ケイドは楽しむという気持ちがあるのでしょうか。

「MMAと柔術は違うね(笑)。正直、それでも楽しもうと思っているよ。その恐怖を楽しむような感覚があるんだ。サーフィンで、とてつもないビッグウェイブに挑む時のようにね。そして、海に投げ出されるとサメが回りにいる。そういう危険な状況を欲している自分がいるんだよ」

──命綱なしにクライミングに挑むようなモノですか。

「それっ!! その通りだよ。MMAって、僕にとってそれに等しいんだ。相手は僕を失神させようと殴って来るんだけど、僕は頭のネジが外れてしまっているのか……そこをエンジョイしているんだ」

──そんなMMAを戦う時に、コーナーにエリック・パーソンの姿が見られました。UFCの前から日本で、30年以上前に戦っていたエリックはいわばオールドスクール・ガイです。もちろん今のMMAに適応していますが、彼の指導をケイドが受けているのが凄く不思議で興味深いです。

左にエリック。右にタイ。6月のMMA初戦のケイド陣営(C)ONE

「エリックは日本に30回以上行っていると言っているし、そうか……顔見知りなんだね。

凄いや、それって!! 僕がエリックに初めて会ったのは、5年ぐらい前かな。まだガキの頃だよ。当時の僕にとって、プロフェッサー・アンドレ・ガルバォンこそが最高であり、唯一絶対的な指導者だった。

でもエリックって、別モノなんだよ。彼は柔術も学んでいるけど、それこそ柔術が失ってしまったモノを持ち続けている。シュートレスリング、キャッチレスリングには僕らが目にしなかった技術が存在していた。

技術の変遷って、サークルじゃないか。ADCCでもレスリングが全盛で誰もがレスリングに懸命になっている時期があった。その前はレッグロックの時代だ。皆がレッグロッグを学ぶ必要があった。で、僕が想うには次にやってくる波は、失われた柔術の技術だ。それがエリック・パーソンのシュートレスリング、キャッチレスリングに残っている技術なんだよ」

──もの凄く興味深いですね。

「レッグロックを見てみようよ。昔のテクニックだ。ダーティーだと忌み嫌われて、誰もが忘れていた。でも、今では絶対に欠かせない技術になっている。20年の年月を経て、エディ・カミングスがレッグロックを極めまくり、その重要性を皆が再確認した。

エリック・パーソンが見せてくれたテクニックは、僕が見たことがないものだった。殺しの術というのか、もの凄く興味深いモノだったんだ。加えてエリック・パーソンはMMAの経験も豊富でパンチ、キックも含めて知識の宝庫といえる。何もかも知り抜いているよ。

なによりも人として最高なんだよ。本当のナイスガイで、このスポーツで出会ったことがない人間性の持ち主だ。そんなエリックだから、彼の教えを受けることを決めたんだよ」

エリックは聖水で僕の体を清めてくれ、十字を切り、オイルを焚いて……

──いやぁ、ケイドがそんな風にエリックのことを話してくれると、こっちまで嬉しくなってしまいますね。

「エリックって、一度見たことを写真に収めるように忘れることがないんだよ。本当に凄まじい知識量を誇っている。100万にも及ぶ技術を、シェアしてくれるんだ。彼のMMAの技術、知識、そして重ねて言うけど素晴らしい人間性が僕を助けてくれる。

実はあまり言ってこなかったけどMMAデビュー戦の前夜、僕はものすごく体調が悪化していたんだ。凄く寒気がして、血を吐きだすぐらいで」

──えぇ、そうだったのですか!!

「寒くて寒くて。父もどうして良いか分からなくて。咳が酷くて、息苦しくもあった。でも真夜中にエリックが部屋に来てくれた。エリックは聖水で僕の体を清めてくれ、十字を切り、オイルを焚いてマッサージを1時間もしてくれた。すると体の毒素が洗い出されたみたいになって、もう別人かのように回復したんだ。マーシャルアーチストだけでなく、彼はヒーラー(宇宙や生命のエネルギーを活用して、人々を癒す人物)なんだ」

──その話、皆が訝しく思うかもしれないですが……。今日は時間がなくて、私の話をすることはできないのですが、実はカリフォルニアで体調不良に陥った自分は、エリックに同じ癒されたことがあります。いやか、いつの日かケイドとエリックの対談をさせて欲しいです。

「おお、そうなんだ!! 絶対、その取材をやろうよ!!」

──ハイ。ただ今日は試合前のメディアデーで、時間も限りがあります。なので……2度目のMMAファイトでケイドは、何を見せたいのか話してもらえますか(笑)。

「まずベストを尽くすこと。キックもパンチも使うよ。そして、最後は僕のルーツ……柔術を駆使してフィニッシュする。対戦相手はレスラーで、柔術も茶帯か紫帯で危険な相手だ。KO勝ちもできるしね。テイクダウンの距離もグラップリングとMMAでは違ってくる。でも、僕だって打撃とグラップリングの融合を目指して練習してきた。しっかりと、仕留めるよ」

──さきほど、年内は今回の試合が最後になると言っていました。では2025年はどのような目標を持っているのでしょうか。

「来年はよりMMAに集中して、戦績を積み重ねていきたい。ただ柔術家としても、ONEのベルトを保持続ける。そしてADCCやCJIのような機会があれば、頂点を目指すつもりだ。それでもMMAで戦績を増やすことに、より集中したいと思っている」

■ONE169 視聴方法(予定)
11月9日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT

■ONE169 対戦カード

<ONE世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] アナトリ―・マリキン(ロシア)
[挑戦者] ウマウ・ケニ・ログログ(セネガル)

<ONEムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者] ジェイコブ・スミス(英国)

<ONEキックボクシング女子世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者] ジャッキー・ブンタン(米国)
[挑戦者] アニッサ・メクセン(フランス)

<フライ級((※61.2キロ)/5分3R>
アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
ダニー・キンガド(フィリピン)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)
タギール・カリロフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ(米国)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)

<キック・ストロー級/3分3R>
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
ジャン・ペイメン(中国)

<ヘビー級/5分3R>
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ(ブラジル)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
エディ・アバソロ(米国)
モハメド・ユネス・ラバー(アルジェリア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
マカレナ・アラゴン(アルゼンチン)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(マレーシア)
ヴァウテル・ゴンサウベス(ブラジル)

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【ONE169】試合キャンセルから1カ月後のアラゴン戦へ。三浦彩佳「まだ私に需要があるんだとプラスに」

【写真】「今年は大変な1年でしたけど、報われるものにしたいです」と笑顔で語る三浦(C)SHOJIRO KAMEIKE

9日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニースタジアムで開催されるONE169で、三浦彩佳がアルゼンチンのマカレナ・アラゴンと対戦する。
Text by Shojiro Kameike

三浦にとって2019年のONE参戦以降、特にコロナ禍を経て2020年からは苦難が続いた。今年に入っても1月の平田樹戦からONEアトム級に転向し、2度のジヒン・ラズワン戦のキャンセル――そんななかでアラゴンとの試合が決まった三浦が、ONEアトム級で見出した光明とは。


――MMAPLANETではタイ入り直後にインタビューし、計量後にもコメントをもらってアップする予定でした。そこで試合中止というニュースが入り、三浦選手に連絡すると「怒りのミーティング中です」との返事があって『何が起こっているのか!?』と思いました。

「アハハハ! そうでしたね」

――公式発表は「ラズワンがハイドレーションテストをクリアできず、三浦彩佳との試合は中止」というものでした。計量当日、どのような状況だったのか教えてもらえますか。

前回は入国直後にインタビューを受けてくれていた三浦。計量後にアップ予定だったが……(C)SHOJIRO KAMEIKE

「まず私が計量をパスして、リカバリーに入ったんですよ。その間、トレーナーの堀江(登志幸)さんが計量会場に残ってくれていました。私はラズワンも計量をパスするだろうと思っていたけど、『ラズワンは体重もハイドレーションもオーバー』と聞いて……」

――最初はラズワンが両方ともクリアできなかったわけですね。

「はい。私は『えっ!?』という感じでした。そこで正直——私はラズワンに対して怒りを覚えてしまったんですよ。前回は怪我でキャンセル、今回は計量オーバーって……。

4月のキャンセルも、発表後にラズワンがSNSにラズワンがSNSに『これなら試合できただろ』と思えるような投稿をしていたんです。キャンセルの理由は怪我だったけど、体重が落ちなかったんじゃないかとも考えてしまいますよね」

――実際のところは分かりませんが、そう疑われても仕方ない面はあるでしょう。ラズワンは3月の澤田千優戦でも計量オーバーでしたし。

「それで私は気持ちを揺さぶられたくないと思って、堀江さんと長南(亮TRIBE代表)さんにリカバリーに専念します』と、その場を離れました。でも2時間リカバリーして食事も終えたあと、『ラズワンが体重は落とせていたけど、尿を提出できなかった。ラズワンは失格で、この試合は中止となる』という情報を、SNSで視たんですよ」

――……えっ!? 対戦相手に連絡する前にSNSで発表したのですか。

「……いろいろと衝撃的すぎました。日本に帰ってきてからは普通に過ごしましたけど、当日はホテルで大暴れしましたよ。『こんなに人って怒れるんだ』っていうぐらいに(笑)。

私としては前回、すごく調子が良かったんです。全てを研ぎ澄ますことができていて、長南さんもそれを信じて『やっと試合ができる』と喜んでくれていました。自分は人生を賭けてONEに来ている。もともとはONEでいえばストロー級なのに、アトム級に落としている――という、いろんな感情があって大暴れしましたね」

――その時の状況を想像するのも怖いです(苦笑)。

「アハハハ。もうあの場にもいたくなかったので、すぐ飛行機の便を変更してもらい、帰国しました」

――結果、自身が出場する大会を日本で視聴していたそうですね。あの時、冷静に大会を視ることはできたのでしょうか。

「落ち着いていましたけど、ちょっと変な感じはしましたよね。本当に何とも言えなかったです。でもすぐに試合を組んでくださって、帰国してすぐにファイトキャンプに入った形になりました。ここまでドタバタな1カ月でした(笑)」

――ラズワン戦に向けて「すごく調子が良かった」とは、それだけONEアトム級への減量も順調だったのですね。

「順調でした。『もともとアトム級なんじゃないか』って言われるぐらいで。それはもう本当にトレーナーさんのおかげです。私自身もすごく勉強になりましたし」

――初のONEアトム級戦であった、1月の平田樹戦よりも遥かに良かったのですか。

「遥かに――そうですね。遥かに良かったです。これは今だからこそ言えますけど……あの時は試合が決まってから、毎日お腹を壊したり、胃が痛かったりして。試合直前まで、いろいろありました。『こんなに苦しい試合ってあるんだろうか』と思うぐらい。それを乗り越えることができたのは自信になりました」

――なるほど。以前なら2度も試合をキャンセルされたら、ずっとモヤモヤした気持ちが残るタイプだったように思います。それは成長といえるのでしょうか。

「今日はまだ文句を言いいましたけど(笑)、もうラズワンのことは相手にしていません。なるべく記憶からなくすようにしている、と言いますか。それもONEがすぐに試合を組んでくださったおかげで、感謝しています。ラズワン戦がキャンセルになったあと、現地でも『すぐ試合を組む』とは言ってもらえていました」

――これまでONEで試合をし続けるなかで、様々な苦難がありました。しかし今回それだけのフォローをしてもらえたとは、嬉しいことではないですか。

「ありがたいですし、実はラズワンに勝ったら今後はこう――という提案も頂いていて。私が階級を落とすことで対戦相手の幅も広がったでしょうし、そういう提案を頂くことができているのは、『まだ私に需要があるんだ』と気持ち的にはプラスになりました」

――需要がある。つまり試合が組まれるということは、一番安心できる材料でしょう。

「はい。現地で提案を頂いた時は、『今はラズワン戦に集中します』と答えました。結果的に試合がなくなり――でも、すぐにファイトキャンプに入って。これが今年4回目のファイトキャンプなんですよ。この年齢(現在34歳)になっても、まだ自分を作り上げることができる。それもプラスになっています。……ということも、試合に勝ってから言えることかもしれないですけど、私は勝つと信じてやっているので」

――次の対戦相手、アラゴンはONE初戦で情報も少ないかと思います。

「情報はあまりないですね。柔道がベースで、MMAの試合ではアヤカロック(スカーフホールド・アメリカーナ)をやっている映像は視ました。

柔道ではアルゼンチン代表になっているみたいですけど、正直実力は分からないですね。まだMMAでは3戦しかしていなくて、そこは私のほうが場数は多いですし。MMAでは私のほうがいろんな経験をしてきていると思いますし、全てにおいて圧倒したいです」

■ONE169 視聴方法(予定)
11月9日(土・日本時間)
午前9時45分~U-NEXT

■ONE169 対戦カード

<ONE世界ヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] アナトリ―・マリキン(ロシア)
[挑戦者] ウマウ・ケニ(セネガル)

<ONEムエタイ世界フライ級選手権試合/3分5R>
[王者] ロッタン・シットムアンノン(タイ)
[挑戦者] ジェイコブ・スミス(英国)

<ONEキックボクシング女子世界ストロー級選手権試合/3分5R>
[王者] ジャッキー・ブンタン(米国)
[挑戦者] アニッサ・メクセン(フランス)

<フライ級((※61.2キロ)/5分3R>
アドリアーノ・モライシュ(ブラジル)
ダニー・キンガド(フィリピン)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
ゴントーラニー・ソー・ソンマイ(タイ)
タギール・カリロフ(ロシア)

<ライト級(※77.1キロ)/5分3R>
ケイド・ルオトロ(米国)
アフメド・ムジタバ(パキスタン)

<キック・ストロー級/3分3R>
サムエー・ガイヤーンハーダオ(タイ)
ジャン・ペイメン(中国)

<ヘビー級/5分3R>
マーカス・ブシェシャ・アルメイダ(ブラジル)
アミール・アリアックバリ(イラン)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
エディ・アバソロ(米国)
モハメド・ユネス・ラバー(アルジェリア)

<女子アトム級(※52.2キロ)/5分3R>
三浦彩佳(日本)
マカレナ・アラゴン(アルゼンチン)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(マレーシア)
ヴァウテル・ゴンサウベス(ブラジル)

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【ADCC2024】レポート─01─それでも激熱=77キロ級で、元柔術の神の子ミカがPJパーチに苦戦も決勝進出

【写真】ある意味、ADCCの権威を守ったといえるミカの出場。そして、しっかりと決勝進出を決めた(C)SATOSHI NARITA

8月17日(土・現地時間)と18日(日・同)の二日間にわたって、ラスベガスのT-モバイルアリーナにて、世界最高峰のグラップリングイベントであるADCC世界大会が行われた。今年は既報のように、破格の賞金100万ドルを掲げて日時と場所をあえて重ねて開催してきた対抗団体クレイグ・ジョーンズ・インビテーショナル(CJI)に多くの有力選手を奪われた形となった。
Text by Isamu Horiuchi

それでも世界の強豪が集まった今大会の中でも最注目と言える、77キロ以下級の前半ブロックの準決勝までの模様をレポートしたい。

この階級の最注目選手は、当然ミカ・ガルバォンだ。2022年の前回大会はケイド・ルオトロに敗れて準優勝に終わり、その数ヶ月前にタイ・ルオトロを倒して最年少で制覇したはずの世界柔術のタイトルも、禁止薬物の使用発覚によって剥奪されてしまった。

驚異的な強さの秘密の一端が神から与えられた才能ではなく、人工的な薬物だったことが明らかとなった以上、「柔術の神の子」という渾名は使いにくい。(ちなみに本人はこの件について、ハードトレーニングに起因するテストステロンの減少の治療に、医者が禁止薬物を使用してしまったせいだと説明している)

それでも昨年は主にWNO等のプログラップリングで活躍し、変わらぬ強さを見せ続けたミカは、今年になってIBJJF系の大会にも復活。ヨーロピアン、パン、ブラジレイロ、世界柔術とミドル級を全制覇し、このADCC世界大会はいわゆる「スーパーグランドスラム」達成が賭かったものとなる。宿敵ケイドがCJIを選択してここにいない今回、20歳のミカが飛び抜けた優勝候補筆頭だ。


そんなミカの一回戦の相手は、ブラジル予選勝者のルイス・パウロ。ミカとは練習仲間でもある選手だ。シングルレッグで右足を掴ってから、あえて下になってのフットロック狙いを見せたミカは、それを凌がれた後も支え釣り込み足等を積極的に仕掛けてゆく。

さらに飛びつきガードも見せたミカは、下から腕や足を狙ってゆき、さらに後転してシングルレッグに移行して上に。場外に出て抵抗を試みるパウロから流れるような動きでバックを奪ってみせた。ここからミカは相手の右腕を右足で押さえて封じると、左手で相手の左手首をコントロール。こうして両手を封じた後、残った右腕でワンアームチョークに。わずか3分06秒、ミカが流石の技の切れ味を見せつけた。

続く準々決勝でミカは、技師オリバー・タザと対戦。初戦でヴェテランのダヴィ・ハモスをわずか55秒、前転からのヒザ十字で仕留めて勢いに乗るタザだったが、ミカは序盤からニータップでテイクダウンからパス、マウントへと移行し腕を極めかける等圧倒する。

そして5分経過して加点時間帯を過ぎた後、スタンドで足を飛ばしてタザを崩したミカが、背後から飛びついてグラウンドに持ち込んで先制。その後も立ち、寝技どちらも終始優勢に試合を進めたミカが、バックやマウントでポイントを重ねて8-0で勝利。順当に準決勝進出を果たした。

もう片方の山の一回戦では、ポーランドの足関節師マテウス・シュゼシンスキが大会常連のゲイリー・トノンと対戦。6月のポラリス28では、リーヴァイ・ジョーンズレアリーに競り勝ち勢いに乗るシュゼシンスキが、延長でオープンガードから一瞬で抱え十字を極めてみせた。

そのシュゼシンスキは続く準々決勝で、前回大会にて当時の絶対王者だったJTトレスを倒して世界を驚かせた10thプラネット柔術のPJ・バーチと対戦。得意のオープンガードで互角に渡り合ったシュゼシンスキは、加点時間が過ぎた後にスイープで上になりかける。が、場外側でバーチにスクランブルされてブレイクが入り、試合が(バーチの土俵である)スタンドから再開されてしまうという不運に見舞われてしまう。

結局、残り1分でダブルレッグを仕掛けたバーチが、シュゼシンスキが仕掛けてきたギロチンから頭を抜いて先制点を奪い、2大会連続の準決勝進出を決めた。

<77キロ以下級準決勝/10分1R・延長5分>
ミカ・ガルバォン(ブラジル)
Def. Referee’s decision
PJ・バーチ(米国)

前回大会準優勝のミカと、4位のバーチ。その時は顔を合わせなかった両者だが、その後昨年のWNO 20におけるウェルター級王座決定トーナメントの決勝で対戦が実現し──僅か45秒でミカの跳び抱え十字が炸裂して一本決着している。ミカの尋常でない極めを体感したバーチは、今回どう挑むのか。試合開始後いきなりシングルを仕掛けたミカ。右足を取るがバーチは片足立ちで堪えて抜く。さらにミカはダックアンダーやシングルを仕掛けるがバーチが凌ぐ。

3分を経過した時点で、これまで守っていたバーチが首を取り合う状態からミカを捻って崩すと、そのまま回り続けて最初のテイクダウンを奪ってみせた。

ハーフからクローズドを作ったミカが下から仕掛けるが、バーチは固くワキを締めて守る。やがて試合は加点時間帯に。ミカはシッティングから逞しい脚をシザースイープのような形で使ってバーチを崩す。

そのままがぶってみせたミカは、倒れ込みながらのギロチンへ。しかしバーチは強靭な首で耐えて姿勢を崩さず、やがて頭を抜いてみせた。

残り3分。下のミカに対して右でワキを差したバーチは右ヒザも入れてニースライスに。ミカは左足で跳ね上げようとするが不発で、バーチがヒザを抜く。ピンチに陥ったミカはすかさず背中を向けて凌ぎ、さらに向き直る際に足を絡めてハーフに戻す。

ワキを差して胸を合わせているバーチは再びニースライスを狙うが、ミカが足を入れてバタフライに戻してみせた。

難を逃れたかに見えたミカだが、残り20秒のところでバーチが両ワキを差し、3点倒立の姿勢でニースライスの形を作る。上半身を完全に制して侵攻するバーチは、残り10秒でニアマウントまで持ち込み、残り1、2秒のところでついに足の絡みを解いてヒザを抜いたバーチが完全マウントを達成…したところで本戦終了を迎えた。

バーチ大殊勲の勝利かと思いきや、ポイントが成立するにはポジションを安定させてから数秒必要ということで、スコアは0-0のまま。試合は延長戦に持ち込まれた。それにしても、これまで階級上の世界王者たちを相手にした時でさえ鉄壁であり続けたミカのガードが、同体格のバーチに完全攻略されかけた場面は衝撃的だった。

延長戦。一つの失点が命取りになるとあって、両者譲らないスタンドの攻防が続く。バーチがシュートインを試み、ミカも積極的にアームドラッグ等を仕掛けるが崩し切るには至らない。

このままでは敗色濃厚のミカは、残り15秒のところでシングルからドライブ。

バーチに切られて腹這いになるミカだったが、次の瞬間体を起こしてワキをくぐって背中に回る。

ミカはここから瞬く間に飛びついてグラウンドに持ち込む。

残り10秒を切る中、ミカは柔軟な股関節を使ってまず左足をフックし、残る右足も入れようと試み、バーチがそれを手で凌ごうとしている時に試合終了。まだ完全にバックグラブの体勢に入り切っていないということで、ここはノーポイント。試合はレフェリー判定に持ち込まれた。

本戦終了寸前にマウントポジションの形を作り切ったバーチと、延長終了寸前にテイクダウンからバックグラブ狙いまで持ち込んだミカ。予想が難しい判定は…ミカに挙がった。

これはバーチにはなんとも気の毒な判定だ。試合終了寸前のミカのバック狙いよりも、本戦終了寸前のバーチのマウントの方がはるかにポイント獲得/完全制圧に近かった。加点時間前に見事なテイクダウンを決めたのもバーチのほうだ。前戦での秒殺負けを経て、今回は隙のない試合運びを見せながら、要所で有効な攻撃を繰り出して互角に渡り合った。さらに桁外れの攻撃力を持つミカのガードを正面突破するという、世界の同階級の誰もなし得ないような偉業を成し遂げる寸前まで迫る、出色の──おそらくキャリア最高の──パフォーマンスだった。

とはいえ、敗色濃厚だったこの試合にて、最後の最後で見事な瞬発力を技のキレをもって大反撃を見せて強引に勝利を引き寄せたミカもまた、改めてその非凡さを見せつけたと言える。人工的な手段に現在も頼っていようがいまいが、やはりこの選手は柔術の神から──ついでに審判からも──特別な愛を受けている…とこちらが思ってしまうような形で薄氷の勝利を得たミカが、昨年に続いて決勝進出を決めた。

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【CJI2024】レポート─04─己を貫きあった80以下級決勝。優勝はケイト・ルオトロ。リーヴァイが準優勝

【写真】ONEでのファイトマネーを含めると、試合だけケイドの2024年の年収は2億円越えか!!(C)SATOSHI NARITA

16日(金・現地時間)と17日(土・同)の二日間にわたって、ラスベガスのトーマス&マックセンターで開催されたクレイグ・ジョーンズ・インビテーショナル(CJI)。同大会のレビュー第4回は、80キロ以下級の決勝戦をレポートしたい。
Text by Isamu Horiuchi

<80キロ以下級決勝/5分5R>
ケイド・ルオトロ(米国)
Def.3-0:49-46.48-47. 48-47
リーヴァイ・ジョーンズレアリー(豪州)

卓越したガードワークと足関節をもってケイドの双子にして優勝候補筆頭のタイを倒したリーヴァイと、グラップリング史上最高の名勝負と呼べるような準決勝の大激闘を勝ち上がり、タイの仇を取らんとするケイド。現在のグラップリング界の風潮に反旗を翻すが如くスタンドを避け、徹底して下からの戦いを貫くガードプレイヤーと、それに真っ向から意を唱えスタンドでもグラウンドでも上からも下からも攻撃を仕掛け続けるダイナミックグラップラー。

二つの異なるスタイルの頂点を究めた両者による大注目の決勝戦だ。試合開始早々座るリーヴァイ。すると客席からはブーイングが。ケイドも少し離れたところであえて座り込み、そのまま尻で前進するガードプレイヤーの仕草を真似してみせる。そこでリーヴァイが立ち上がって距離を詰めようとするとケイドは立ち、ならばとリーヴァイはまた座ってみせた。観客の声も現在の風潮も一切気にせず、自分の戦いを貫く姿勢だ。


リーヴァイは近づいてきたケイドの右足に下から絡むと、回転してクラブライドの形を作りかける。ここでケイドは豪快にバク転するように体を翻し、振り解くことに成功。ルイトロ兄弟の哲学を象徴するかのごときガード対処法を見せた。さらにリーヴァイがケイドの右足に外から絡むが、ケイドは振り解く。次に左足に絡んだリーヴァイは、股下に潜り込み後転するようにケイドの体を崩しにかかる。

ケイドはあえてその動きに乗ってダイブするよう下になると、次の瞬間三角絞めのロックを完成。

ピンチと思われたリーヴァイだが、すぐに腰を上げて右足でケイドの体をまたぎながら回転して脱出。再び下に戻ってみせた。

リーヴァイは再び右足にからむと、Kガードから回転してケイドを崩しその足を狙う。

が、ケイドもすかさず動いてヒザの支点をずらす。それでも足を狙い続けるリーヴァイだが、ケイド回転して脱出しラウンドは終了した。

採点は二人が10-9でリーヴァイを支持し、一人が10-9でケイド。これを聞いた観衆からはブーイングの声もちらほら聞かれた。

しかし「有効な攻撃を先に仕掛けること」が今大会の最優先の採点基準であるので、何度かケイドを下から崩したリーヴァイ優勢と見ることはおかしくないだろう。また、そこは両者互角と見て第二基準の「ポジションの進行やサブミッションの試み」、さらに第三基準の「ポジションにおける優位やペースを支配」を検討したところで、考え方次第でどちらに付けることも十分可能。下からの仕掛けと上からのパスのどちらを優先するか、きわめて採点の難しいラウンドだ。

2R、横への動きを見せるケイドに対し、リーヴァイは左絡んでKガードを作り崩すと、そのままケイドの片足を持って立ち上がる。ここでケイドが片足で立つと、リーヴァイは深追いせずにその足を抜かせてすぐに座ってみせた。タイ戦と同様、無理にトップを取るための深追いはせずあくまで下からの勝負を貫くようだ。

その後も、ケイドがリーヴァイのガードの突破を試みるが、攻めあぐねる展開が続く。左右に動きニースライスも狙うケイドだが、その度にリーヴァイは巧みに足を絡めて、また腕を張って距離を作って防ぐ。

逆にリーヴァイが深く足を絡めてケイドを崩し、足関節を狙いかける場面もあるが、ケイドはそのたびにニーラインをクリアする。ならばとケイドも上からのトーホールドを狙うが、効果なし。こうして終了したこのラウンドは、三者とも10-9でリーヴァイを支持した。

ここ数年、ダナハー流の足関節の使い手等やリーヴァイをはじめとするガードプレイヤー達をことごとく打ち破り、自らのスタイルの優勢を確立してきたルオトロ兄弟。が、二年前にタイに敗れたリーヴァイはそれでもガードワークと足関節を磨き続け、ついにはルオトロ兄弟の攻撃に下から互角以上に戦うまでにその技術を高めるに至ったことが、決勝のここまでの攻防で改めて明らかとなった。

3Rもリーヴァイが下から足を効かせる展開が続く。ケイドはわざと背中を見せてクラブライドを作らせ、そこから側転してのパスを狙うが不発。残り1分、リーヴァイの頭側に回ったケイドは、インヴァーテッドガードを使うリーヴァイの足と胴体に自らの体を捩じ込む形で圧力をかけ、さらにリーヴァイの左足を抱えることに成功する。

そのまま対角線に流してのレッグドラッグを狙うが、リーバイも動いて隙間を作って防いでみせた。その後は両者特に攻め手のないまま終了。このラウンドは、終盤の攻撃が評価されて3者とも10-9でケイドに。リーヴァイのガードワークでケイドが手を焼いている状況は変わりないが、ここに来て上からのさまざまな試みとプレッシャーが、ガード=防御線をわずかにだが押し込みはじめているようにも見える。

4Rも座って下から絡むリーヴァイと、上から突破を試みるケイドによる攻防が延々と続く。ときにリーヴァイが深く足を絡めるとケイドは対処し、逆にケイドはアオキロックを見せたり、わざと背中を向けて足を取りにゆくが有効な場面は作れない。ラウンド終盤、リーヴァイが下からケイドの背中側に付きかける。

と、ケイドは下になりながらもリーヴァイの右足に外側から右腕をこじいれてのヒザ固め狙い。が、深く入らずこのRは終了。

最後のこの攻撃が評価されたか、はたまたケイドが崩される場面が少なくなっていると判断されたか、このラウンドは3者とも10-9でケイドを支持した。

中盤以降若干流れがケイドに傾きかけているように見えるものの、ここまで両者決定打なし。採点もほぼ互角という状況で、決着は最終5Rに持ち込まれた。最終回も開始早々座るリーヴァイ。するとケイドも逆に座る。

リーヴァイが立ち上がり近づいてゆくと、ケイドは立たずに下にステイ。

初めて上下逆での攻防がはじまった。低く入ったリーヴァイはケイドの左足を取ってレッグドラッグ狙い。これを距離を取って防いだケイドは立ち上がり、リーヴァイが座って結局試合は元の展開に戻った。

ケイドは上から手を伸ばし、リーヴァイの口を塞いでの嫌がらせ。さらに頭側に回ったケイドは、3R終盤同様にインヴァーテッドの中に身体を入れようとプレッシャーをかけてから、さらに足側に戻って担ぎの体勢に。しかしリーヴァイは腕でフレームを張って凌いだ。

ややケイドが攻撃する場面が増えてきている中、リーヴァイも下からケイドの足をすくうが、ケイドは距離を取って対処。

ケイドがニースライスを仕掛けるも、上の足で侵攻を止めるリーヴァイ。ならばケイドはその足を取ってのアオキロック狙いを見せる。

残り時間が少なくなるなか、ケイドはさらに激しく動き胸でプレッシャーをかけにゆくが、リーヴァイも足と腕のフレームを効かせて対処し続ける。残り20秒でケイドはバク転しながらのパスを仕掛け、リーヴァイが対処して5Rの激闘が終了した。

判定は、49-46 48-47 48-47の 3-0でケイドに。25分間、両者どちらも決定的な場面を作らせない接戦となったが、後半になるにつれ、ケイドが攻めこむ場面がやや増えてきていたこともあり、おかしな採点ではないだろう。

2022年のADCC世界大会に続いてCJIも制覇。改めてグラップリング界の頂点の座に立つとともに破格の優勝賞金を得たケイドは「信じられない。これで俺は金持ちだ! なんてね。このお金はコスタリカに創っているジムに使うよ。道場本体はもうすごく綺麗に建ったから、次はみんなが泊まれる場所を作るのさ! タイは『誇りに思う』って言ってくれたよ。今大会の顔ぶれで、僕よりタフな選手はタイだけだった。でも昨日の2試合目(リーヴァイ戦)の1Rで怪我してしまって力を発揮できなかったんだよ。タイこそが僕を倒せる唯一の人間なんだよ」と、最後まで双子の兄弟への想いを口にした。

優勝ケイドとアンドリュー・タケットによる準決勝の超激闘の印象が強烈すぎる今大会だが、決勝で惜敗したリーヴァイの活躍にも一言触れておきたい。二年前、本人がタイに完敗を喫したこともあり──ルオトロ兄弟によってガードプレイヤー達や足関節師達は完全攻略されてしまったという印象が確立しかけていた状況下で、今回下からの戦いを貫いてタイに雪辱を果たした。そして決勝ではケイドの上からの攻撃も全て遮断し、3R戦なら勝っていたのでは、と思えるほどの戦いを見せた。

ケイドの言葉にもあるように、準々決勝でのタイ戦のリーヴァイの勝利は、序盤でタイが足を負傷したが故のアップセットだという見方もあった。が、決勝のケイド戦を経て改めて明らかになったことは、リーヴァイがガードゲームとそこからの足関節等の仕掛けを、階級上の怪物王者バルボーザを制し、世界を席巻するルオトロ兄弟を脅かすところまで磨き抜いたということだ。世界中の下派のグラップラーたちに勇気を与え、今後のグラップリング界の展開にも影響するような素晴らしい戦いぶりだった。

ADCCへの対抗軸としてはじまったCJI第一回大会の軽量級は、歴史的な名勝負を生み出すとともにグラップリングのさらなる進化も告げる、極めて意義深いものとなった。

【リザルト 80キロ以下級】
優勝 ケイド・ルオトロ(米国)
準優勝 リーヴァイ・ジョーンズレアリー(豪州)
3位 アンドリュー・タケット(米国)、ルーカス・バルボーザ(ブラジル)

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【CJI2024】レポート─03─80以下級準決勝。堅実なリーヴァイ、ケイドはアンドリューとの歴史的バトル制す

【写真】静✖動、陰と陽というべき対象的なファイナリストが誕生した(C)SATOSHI NARITA

16日(金・現地時間)と17日(土・同)の二日間にわたって、ラスベガスのトーマス&マックセンターで開催されたクレイグ・ジョーンズ・インビテーショナル(CJI)。驚愕の優勝賞金100万ドルが用意されたこの大会のレビュー3回目は、80キロ以下級の準決勝2試合をレポートしたい。
Text by Isamu Horiuchi

<80キロ以下級準決勝/5分3R>
リーヴァイ・ジョーンズレアリー(豪州)
Def. 3-0 30-26. 29-27.30-26
ルーカス・バルボーザ(ブラジル)

前日同様にすぐに座ったリーヴァイ。

バルボーザは横に動いてのパスを仕掛けるが、リーヴァイは足を効かせて対処する。

さらにバルボーザが重心低くプレッシャーをかけてゆくが、リーヴァイが侵攻を許さないまま1R終了。このラウンドの判定は一人が10-9でバルボーザ、二人が10-9でリーヴァイと割れた。

ちなみに今大会の採点基準は、まず最優先事項として(1)「有効な攻撃を先に仕掛けること」があり、次に(2)「そこからさらにポジションを進めたりサブミッションを試みること」。もし、それらで優劣が付かないなら最後に(3)「ポジションでの優位性やペースの支配」が判断される。


そこを考えた場合、最初の採点基準である「先に仕掛ける」ことをしていたのはバルボーザの方だろう。だから彼に付けるべしという見解はあり得るが、その仕掛けが「有効」だったと言えるかは疑問だ。ならば(2)のポジションの進行やサブミッションの試みを見ることになるが、これらは両者ともに見られなかった。そこで(3)のポジションやペース支配が最後の判断基準となるが、きわめて拮抗したこのラウンドはここでも明確な勝者は存在せず、最終的にはジャッジ一人一人のグラップリング観やその時の視点により判断が分かれることだろう。かくしてジャッジが割れたことに不思議はない。

2Rも当然のように下のリーヴァイと上のバルボーザの展開が続く。

このラウンドはリーヴァイが内回りや内側から相手のヒザ下に腕を通して引きつけてのKガードの形から崩す場面が散見された。

また低く入ってくるバルボーザの首元に、リーヴァイが左足首を突っ込んでのゴゴプラッタ狙いを見せることもあった。

バルボーザも危なげなく対処はしていたものの、上記の採点基準で考えた場合、どちらが取ったかの判断はそこまで難しくない。ジャッジ3者とも3-0でリーヴァイを支持した。

3R。後のないバルボーザは右に動いてプレッシャーを掛け、さらにリーヴァイの頭側に回る。

インヴァーテッドの形で対処したリーヴァイは、下からバルボーザの右腕を抱えると、そのまま右足をファーサイドに回してワキにねじ込んでチョイバーへ。

腕を伸ばされまいと腹這いになって耐えるバルボーザ。ここでリーヴァイはそのまま体を旋回させて続けてバックに着くと、四の字フックを完成。ラウンド序盤に圧倒的な有利なポジションを確立してみせた。

その後バルボーザは腕で足のフックを解除しては懸命に体をずらそうと試みるが、リーヴァイはバックをキープ。再び四の字を組み直してそのままの体勢を保ったまま試合終了。このラウンドは大差が付き、リーヴァイが判定で完勝となった。

階級上の怪物バルボーザの恐るべき体圧を見事なガードワークで捌き切り、さらには見事なサブミッションの仕掛けからバックを奪って完勝したリーヴァイ。ルオトロ兄弟の台頭に代表されるように、トップゲームで圧力をかける戦い方が主流になってきている昨今のグラップリング界において、あえて下からのガードゲームを貫いて超大物を制してみせたことの意義は大きい。この世界は多様な方向で進化を続けるのだ。

<80キロ以下級準決勝/5分3R>
ケイド・ルオトロ(米国)
Def. 2-1 29-27.29-28.29-27
アンドリュー・タケット(米国)

前日素晴らしい戦いで観衆を魅了した21歳同士による、大注目の準決勝戦。まずはタケットが思い切り良くダブルに入るが、ケイドもすかさず必殺の小手に巻いての投げで豪快に切り返す。

すぐに立ったタケットはさらに前に出るが、ケイドはまたしても小手に巻いての内股へ。

再び大きく宙を舞わされたタケットだが、その体が傾斜壁に跳ね返って着地に成功すると、ボディロックをキープして突進。

またもや小手から投げを試みるケイドだが、両者の体が壁にぶつかる勢いで腕が抜けてしまい、すかさずタケットがバックに。

壁際ですぐにボディトライアングルを作ると、壁の傾斜にもたれかかった両者の体が滑り落ちて試合はグラウンドに移行した。開始早々、傾斜壁に囲まれた新しい舞台にて、恐るべき思い切りの良さとアグレッシブさを身上とする二人の若者による、ダイナミックにしてアンプレディクタブルな、今まで誰も見たことがないような攻防が展開されている。

とまれグラウンドで有利な体勢を奪ったタケットは、強烈なフェースロックへ。が、ケイドは体をずらして起き上がって正対に成功。するとタケットも立ち上がり、会場からは大歓声があがった。

ケイドは支え釣り込み足で崩すが、持ち直すタケット。すると今度は先ほどとは逆にケイドの方が差しからタケットを押してゆき、逆にタケットが投げに。

それをなんとか持ち堪えるケイド。

またしても差しにゆくタケットに対して、ケイドはその腕を一瞬でスタンディングのフランク・ミア・ロック(かつてUFCでフランク・ミアがピート・ウィリアムスを極めた形)に捉えて絞り上げるが、タケットは腕を抜く。

その後もお互い激しく組み合って足を飛ばしあい、バランスを保つ展開に。グラップリング試合においてレスリングの攻防が続くととかく退屈なものになりがちだが、この二人にはまったく当てはまらない。残り30秒、ケイドはタケットの体を崩して横に付くと、さらにワキを潜ってバックを狙う。

タケットはここでまたしても豪快に投げるが、ピッタリと背中に付いていったケイドはハーフ上の体勢でグラウンドに。

タケットがクローズドガードを取り、ケイドはその首を抱えてカンオープナーを仕掛けるなか驚愕の1Rが終了した。

判定は3者とも10-9でタケットに。2022年のADCC世界大会にて、神童ミカ・ガルバォンを倒して頂点に立ったケイドの真骨頂は、誰にも付いてゆけないほどダイナミックに動き続けることにある。しかし、タケットはまさにケイドの土俵であるはずのウルトラハイペースの混沌状況の中で動き勝つという離れ技をやってのけた。とはいってもラウンド終盤に近づくにつれケイドの勢いが増し、相対的にタケットの動きはやや落ちはじめてきているようにも見えた。

2R、引き続き激しくいなし合い崩し合う両者。ケイドは前に出るタケットの首を掴んで引き倒すと上からクルスフィクスを狙うが、タケットは立って凌ぐ。ならばとケイドはスタンディングからキムラに入るが、ここもタケットは腕を抜いてみせた。

さらに組み合う両者。やや体の軸がぶれてきたかのように見えるタケットだが、手四つに組んだ両手を上げてスペースを作ると同時にシュートインしてシングルへ。

ケイドの右足を抱えてタケットが立ち上がると、片足で堪えるケイドは豪快に飛んでカニバサミへ。

そのままタケットの右足に絡んで内ヒールを狙うケイド。ヒールを露出させられかけたタケットだが、回転して足を抜いて立つ。

と同時にまたワキを差してケイドを押してゆく。するとここでまたしてもケイド必殺の小手からの内股が豪快に炸裂。ハーフで上を取ってみせた。驚愕のノンストップバトルはまだ止まらないが、まるで動きの落ちないケイドが徐々にタケットを呑み込み始めているようだ。

ケイドは右を深く差してウィザーに。長い腕を用いて得意のダースを狙える体勢だが、ケここで一瞬逆に左腕を深く入れてアナコンダグリップを作る。そこから改めて右を深く入れ直して再びダースへ。

回転して逃げるタケットに対して、ケイドはノースサウスチョークに移行。絶体絶命と思われたタケットだが、右腕をケイドの顔の前に捻じ込んでスペースを確保して決して諦めない。やがて隙間を作ってガードの中にケイドを入れた。

タケットはそこから三角を狙うがケイドが防ぐ。

ならばとタケットは内側からケイドの左足を引き寄せると、外掛けからヒザ固めに。

しかしケイドは動じず、左足にトーホールドを仕掛け、上をキープしてこのラウンドを終えた。

判定は一人が10-8 残り二人が10-9でチョークを極めかけたケイドに。徐々に差を付けられはじめたタケットだが、勝負を諦める様子は毛頭ないようで、力の限りの攻撃を仕掛け続けている。

3R、いきなりシュートインしたタケットは、そこからワキをくぐってバックへ。ケイドが前転するがタケットは背中から離れない。それでもケイドは仰向けになり体をずらすと、タケットはケイドのガードの中に入って上のポジションを取った。

ケイドは下からバギーチョーク狙いを見せると、すかさず距離を取って立ち上がる。

が、その瞬間背中に飛びつくタケット。

ケイドはその足を両手で押し落としながら反転して上に。ならばとタケットも素早くワキを差して立ち上がる。ケイドが右で小手を巻くと離れる両者。残り3分。さすがにケイドの動きもやや落ちてきたように見えるが、会場を震撼させ続けているインクレディブル・ウォーはまだまだ止まらない。

ケイドはまたしてもスタンディングでミアロックを狙う。

凌いだタケットはダブルに入るが、ケイドは強靭な腰で受け止めると逆にダブルレッグのお返し。受け止めようとしたタケットだが、ケイドの勢いは止まらず。

キャンパスに雪崩れ込むような形でテイクダウンに成功した。上からケイドは右ワキを差してニースライスを狙うが、ニーシールドで耐えるタケット。グラウンドにおけるポジション争いの鍔迫り合いにおいても、両者の攻防は全く目が離せない。2Rを失ったタケットとしては、なんとかここを脱出して上を取り最後の攻撃を仕掛けたいところだ。

やがてガードの中に入ったケイドはタケットの首を抱えて圧をかける。立ち上がってタケットのガードをこじ開けると、すぐにタケットはスクランブルに。するとすかさず反応したケイドはスプロールしてアナコンダのグリップを作る。

そのまま傾斜壁に座るような形で絞り上げるケイド。さらにクローズドガードに移行してフィニッシュを狙うが、タケットは首の力と執念でケイドの全体重を持ち上げて抜いてみせた。

残り10秒、最後まで諦めないタケットがパスを狙いにゆくが、ケイドは右足首をタケットの喉元に捻じ込んでゴゴプラッタでカウンターするうちにタイムアップ。

立っても寝ても両者止まらない攻防のダイナミックさと激しさという点で見るなら、文句なくグラップリング史上最高の名勝負と呼べる試合が、ついに終了した。立ち上がってハグする両者。グラップリングの明るい未来を象徴するが如き、驚きに溢れた大激闘を展開した21歳の若者二人を、会場はスタンディングオベーションと大歓声で称えた。さらには「One more round!」という無茶なチャントまで発生するが、これほどの試合をこなしてなお余力十分、まさに無尽蔵のエネルギーの持ち主のケイドはこれを両手で煽り立てたのだった。

判定は29-27, 27-29, 29-28でケイドに。勝者は「まずタケット兄弟二人に敬意を表したい。これが本物の柔術さ! リアルなテクニックとアンリアルなスクランブルだ! こんな試合は一人じゃできないからね。(前日上の階級で大健闘を見せた)ウィリアム(タケット)も凄かったよね! 決勝戦に向けてものすごく気分が上がっているよ! ただ彼(決勝の相手のリーヴァイ)が、何をやりにここに来ているのか分からない面もあるよ。もうちょっと膠着に対する警告の仕方を変えた方がいいんじゃないかな! 最初からガードで座っているのって簡単すぎるじゃないか。ただの僕の意見だけどね。まあ僕だってガードをプレイするのは大好きだけど、もし僕が(腰を引いた姿勢を見せて)スタンドでこうやって下がって、相手が無理に仕掛けてくるのを待っているだったら、膠着の傾向を受けるべきだよね。まあともかくリーヴァイのガードは凄いよね! 決勝がものすごく楽しみだ!」と語る。

スタンドでもグラウンドでも攻撃を仕掛け続ける、現代グラップリングの魅力の全てを集めたような戦い方で大観衆を魅了したケイドは、このアピールを通して、自らとは対極的な──しかし別の意味で洗練を極めた──ガードの使い手であるであるリーヴァイとの興味深い対立軸までしっかり観客に提示してみせたのだった。

究極のダイナミックグラップラー=ケイド・ルオトロと究極のガードプレイヤー=リーヴァイ・ジョーンズレアリー。組技格闘技に深く拘っているあらゆる人間たちにとって興味深い、対照的なグラップリングスタイルとフィロソフィーの頂点を窮めた両者による対決
が実現することとなった。

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【CJI2024】レポート─02─80以下級、ケイド・ルオトロ&アンドリュー・タケット──躍進撃の21歳!!

【写真】躍動感あふれるファイトで、準決勝進出を決めたケイドとアンドリュー(C)SATOSHI NARITA

16日(金・現地時間)と17日(土・同)の二日間にわたって、ラスベガスのトーマス&マックセンターで開催されたクレイグ・ジョーンズ・インビテーショナル(CJI)。驚愕の優勝賞金100万ドルが用意されたこの大会のレビュー2回目は、80キロ以下級の後半ブロックの準々決勝までの戦いをレポートしたい。
Text by Isamu Horiuchi

一回戦第5試合は、双子の兄弟タイと並ぶ優勝候補であり、2022年ADCC世界大会77キロ以下級王者のケイド・ルオトロが登場、2019年ADCC世界大会級88キロ以下王者のマテウス・ジニスと新旧王者対決が実現した。

開始早々、ジニスが強烈に当てる足払いから頭を──「いなす」というよりむしろ──はたく動作を仕掛けてくると、なんとケイドは軽く掌打を3連打してお返し。もちろんこれはレフェリーから注意を受けたが、先日のMMAデビューを経て打撃勝負上等という姿勢を披露した。


その後もジニスの足払いにローキックを返したケイドは、突進してジニスの頭で顎を押し、傾斜壁まで押し付けて体勢を崩す。ジニスが横に逃げようとしたところでワキを差してのテイクダウン。相手を金網に押し付けるケージレスリングの技術を、傾斜壁がある今大会で利用した形だ。

ジニスはリバースハーフ下からのリバーサルを狙うが、卓越したバランスでこれを堪えるケイドは、四の字を組んだジニスの右足を引っ張り出してワキに挟むとそのままストレートレッグロックへ。

強烈に絞り上げるとすぐにジニスはタップ。残り18秒、階級差をまるで問題にせず、世界グラップリング界の先頭を走り続ける男の勢いを見せつけての勝利だった。

一回戦第6試合は、北欧の極め業師トミー・ランガカーがベテランのヘナート・カヌートと対戦。

上から飛び込んでのバック狙いや担ぎパスで終始圧倒したランガカーが、肩固めや腕十字狙いでカヌートを追い詰めて判定で完勝した。

一回戦第7試合は、2022年にADCC世界大会88キロ級において、レジェンドのシャンジ・ヒベイロやSUG王メイソン・ファウラーを連覇してブレイクアウト・スターの一人となった英国のエオガン・オフラナガンが登場。

(道着着用ルールでは)ベースボールチョークの名手として知られるマジッド・ヘイジと対戦した。

シッティングから相手の体を跳ね上げつつ後転するような動きで足を取ったオフラナガンは、そのままヘイジの両足を束ねて左ワキで抱える。

やがて右足を孤立させたオフラナガンがヒールを露出させて捻りかけたところで、ヘイジはすぐにタップした。

一回戦最終試合は、今大会の主催道場とも言えるB-teamの中量級エースであるニッキー・ライアンが道場し、今年のADCC西海岸予選を制し、またWNO大会でトミー・ランガカーにチョークで一本勝ちして波に乗る21歳のアンドリュー・タケットと対戦した。この注目の一戦は、1Rから両者のポジションが入れ替わる一進一退の凄まじい攻防が展開されたが、残り2分のところでタケットがノースサウスの形からニッキーのガードを超えて完全パスに成功。

足を戻したニッキーは必殺のレッスルアップで上を取り返すが、やがてまた上になったタケットは再びパス。初回を3-0でリードした。

その後のラウンドは動きの落ちたニッキーに対し、タケットが面白いようにパスを決めマウント、バックグラブから極めを狙う展開に。他大会のようにポイント制を採用していたら数十点差が付くほどの一方的な展開のなか、抑え込んだまま髪を整える仕草まで見せるほどやりたい放題のまま試合終了。

結局判定3-0でタケットの圧勝劇に。

ニッキーの実力を知る世界のグラップリングファン達に衝撃を与えたタケットは「僕のお母さんはヘアスタイリストだ! だから髪にはこだわりがあるんだ! 僕はまだ21歳さ! 相手を押さえる退屈な試合じゃなく、動き回ってどんどん狙っていかないとね!」と会心の笑顔を見せた。

<80キロ以下級準々決勝/5分3R>
ケイド・ルオトロ(米国) 
Def.3-0:30-26.30-26.30-27
トミー・ランガカー(ノルウェー)

ONEサブミッショングラプリング・ライト級世界王座を賭けて、1年で3戦目となる両者。過去2試合はどちらも判定決着だったが、ケイドが圧勝している。

試合開始すぐにランガカーに突進していったケイドは、一回戦同様に傾斜壁にランガカーを押し付ける。が、ランガカーは傾斜を登って上からのギロチン狙いという斬新な返しを見せる。

それを凌がれたランガカーが小内からのテイクダウンを仕掛けると、ケイドは下になった瞬間にオモプラッタを仕掛ける。するとランガカーもすぐに抜くという見応えのある攻防を展開する。

スタンドに戻ったケイドはワキを差して再び壁までランガカーを押していってガードを余儀なくさせ、上の体勢でラウンド終了、ジャッジ3者とも10-9でケイドを支持した。

2R、立ちから素早くワキを潜ったケイドがボディロックを取り上に。

ランガカーもオクトパスの形からの形成逆転を試みるが、ケイドは持ち前の腰の強さで競り勝ち、強引に押し倒すような形で上を譲らない。さらにランガカーの背中に付いたケイドは、まるでストレートパンチの如き鋭さで腕を捻じ込んでのギロチン狙い。

さらに右腕を首に回してRNCの形で絞め上げるが、ランガカーは驚異的な耐久力で凌いでみせた。

しかし、一方的にケイドが攻めた5分間は10-8というビッグラウンドとなった。

3R、後のないランガカーはシングルレッグからボディロックに移行してのテイクダウンを狙う。

ケイドは左腕で小手を巻く得意の形から払い腰で豪快に切り返す。

再びランガカーの背後に付いたケイドは、その左腕を両脚で捕らえてクルスフィクスに。

そこからチョークを狙ってゆくがケイドだが、ランガカーはここも極めさせず、体をずらして上を取り返した。その後インサイドガードから仕掛けたいランガカーだが、ケイドが決めさせずに試合終了。判定は30-26が二人、30-27が一人でいずれもケイドがフルマークの判定勝ちを手にした。

躍動感溢れる動きで攻め続け、なおかつ際の競り合いも凄まじく強いという魅力爆発の内容で準々決勝に進出したケイドは「勝てたことで安心した。僕ら兄弟はいつも俺が強いいや俺だって言い合っているけど、本当に正直のところを言うとタイの方が60-40くらいで強いんだよ。タイは僕にとって最高のトレーニングパートナーだ。でもさっきの試合、彼は初回に大怪我をしてしまい力の全てを見せることができなかった。だけど僕がこの階級で一番怖かったのはタイなんだよ。僕ら兄弟にとって、お互いが負けるのを見るのはすごく辛い。特に兄弟がもっと強いって分かっているときはね。でもタイなら怪我をすぐに治してトップに返り咲いてくれるはずだ。タイとガルバォンがセコンドにいるとものすごく心強いね」と、自分をそっちのけで、リーヴァイ・ジョーンズレアリーにまさかの敗戦を喫した双子の兄弟タイへの想いを語ったのだった。

<80キロ以下級準々決勝/5分3R>
アンドリュー・タケット(米国) 
Def.3-0:30-27.30-27.30-27
エオガン・オフラナガン(英国)

1R、すぐに座ったオフラナガンは下から素早く腕狙いへ。これをタケットが抜くと、さらに一瞬で右足に絡んでの内ヒールをセットしていく。

あわや踵が露出する状態だったが、タケットは回転しながら左足をこじ入れて逃れてみせた。

オフラナガンはさらに内回りから三角へ。そのまま右腕を伸ばしかけるも、タケットはここも抜き、同時に担ぎの要領でパスしてサイドへ。

一回戦でも見せたお得意の髪をかきあげる姿勢を作ると、ノースサウスに移行した。その後オフラナガンが足を入れて戻すと、タケットは左にプレッシャーをかけておいて右に回ってパス。さらにもう一度パスを決めたタケットはさらにマウントを奪取し、初回を3者とも10-9のスコアで先制した。

2Rになるとさらに勢いを増したタケットは、ノースサウスの体勢からのパスや、左右に回って担ぐ形のパスを面白いように決めて圧倒。

ここは三者とも10-8のスコアが付いた。一回戦の圧勝劇の主因はニッキーの不調やスタミナ切れにあるのではないかという見方もあったが、何よりもタケットのパスガード力が突出しているということがまざまざと証明された。

21歳という年齢を考えるとまさに恐るべしだ。

3Rには側転パスを仕掛けたタケット。オフラナガンは、それを三角でキャッチして大逆転の望みを賭けて右腕を伸ばしにゆくが、タケットは1Rと同じ要領の体捌きで担いでパスを決める。

こうしてオフラナガンの最後の攻撃も潰したタケットは、その後も好き放題にパスを決めてマウントも取り、最後まで圧倒したまま試合を終えた。判定は3者とも30-26。ニッキー・ライアンとオフラナガンという二人の超技巧派プレイヤーのガードゲームを完膚なきまでに破壊するという衝撃的な強さを見せつけた若者は「いやあ、もう夜の1時だぜ! みんなが帰れるように短くするよ。明日も行くぜ!」と叫ぶと、会場に設置されているトーナメント表の準決勝進出者の欄に、自らの名前のかわりに”I want sleep”と書いて去って行ったのだった。

こうしてもう一つの準決勝は、期待通りの動きで実力を見せつけた優勝候補タイ・ルオトロと、この日最大の衝撃と言えるほどの強さを見せつけたアンドリュー・タケットという二人の21歳による、グラップリングの未来を体現するような組み合わせが実現することになった。

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【ONE FN23】タイ・ルオトロ戦へ、ジョセフ・チェン「完璧な技術より、確実な技術が重要に」

【写真】なぜ、19歳でここまで理路整然としているのか。データと実戦に戻づいた強さ、ルオトロ兄弟はそこに発想の自由さがある。本当に楽しみにな一戦だ (C)MMAPLANET

6日(土・現地時間)、タイはバンコクのルンピニー・スタジアムで開催されるONE FN23「Ok vs Rasulov」で、ジェセフ・チェンがタイ・ルオトロと対戦する。
Text by Manabu Takashima

ONEサブミッショングラップリング世界ウェルター級王者にして、グラップリング界最高のアイドルといっても過言でない21歳のタイに、19歳のジョセフが挑む。

この一戦の僅か2週間前の時点でジョセフはWNOではADCC米国東海岸予選77キロ級優勝のアライジャ―・ドーシーをRNCで下し、他の大会でアンディ・ヴァレラに勝利している。そのジョセフ、ADCC欧州&アフリカ一次予選の77キロ級を制しているが、世界大会でなくB-TEAMの盟友であるクレイグ・ジョーンズ率いるCraig Jones Invitational出場を選択した。

組み技ファン垂涎のタイ×ジョセフだが、当のジョセフにとってはこの試合も結果が全ての勝負の時に向けてのプロローグ──。そう割り切ることができるからジョセフとの戦いだからこそ、タイにとってもONEで初めて苦戦する可能性が生まれてくる。


あのダイナミックな動きこそルオトロ兄弟の持ち味

――ジョセフ、今もまだオースチンなのですか(※取材は6月29日に行われた。

「明日、テキサスをでるよ。香港経由でタイまで、24時間のフライトが待っているんだ(笑)」

──おお……それは大変です。タイ・ルオトロとの戦いが迫っていますが、直近でも試合に出て続けていますね。

「先週の木曜日にWNOではアライジャ―・ドーシー、日曜日にアンディ・ヴァレラと戦ったよ」

──WNOの方は映像をチェックさせていただきました。ADCC米国東海岸予選77キロ級優勝者を相手に、見事な大内刈りからパス、そしてワンアームからRNグリップを組んでチョークで一本勝ち。でも、その3日後にもう1試合戦っていたとは……。

「メインキャラクター柔術っていうローカルショーに出て、ウェルター級のベルトを賭けて戦ったんだ。ポイント勝利だけどベルトを巻いたよ」

──それはおめでとうございます。

「ありがとう。予行演習を兼ねた実戦もこなし、しっかりとB-TEAMで練習もできているし、凄く調子は良いよ。技術的なことを磨くだけでなく、ハイペースで戦うことにも重点を置いてきた」

──仮想タイとなる練習相手は、B-TEAMでもなかなかいないのではないかと思ってしまうのですが……。

「そんなことはないよ。チームではハイペースの練習をしてきたんだ。タイはスピードがあって、凄くアグレッシブな柔術家だから。ダースもそうだし、肩固めも本当に強い。そこの対策もB-TEAMでしっかりとできているよ。タイの試合運びにも十分に対応できるはずだよ」

──タイもケイドも、あれだけ積極的なのにミスがないように見えます。ただしONEでのルオトロ兄弟は、観客にグラップリングの面白さを見せるために、必要以上に動くというか。そこまでしないで良いだろうというぐらい動いています。

「アハハハハ。それでミスをしてくれることを願っているよ(笑)。でも、あのダイナミックな動きこそルオトロ兄弟の持ち味で、それこそリスクのある攻撃をしている。それは本当に防御能力が高いから可能になるんだ。

下になっても、ずっと攻めているからね。そうだね、そういう展開になってミスがあれば良いけど、とにかくディフェンスも固いから。ルオトロ今日は受けに回っても、本当に強い」

──日本のグラップリングファンは、今もProgressルールでの森戸新士選手との試合。そしてQuintetで見せた動きを忘れていないです。パスの強さ、トップゲームの的確さが特に印象残っています。あの頃と比較して、今のジョセフはどこか一番進化しているのでしょうか。

「あの頃と比べると、レスリングは相当に伸びたと思う。以前は引き込んでガードゲーム、Kカードなんかと多用していた。でも、今はレスリングの組手が強くなり、あの頃よりも全然クリンチが得意になった。

タイは基本的にトップゲームを仕掛けてくるだろう。いずれにせよ、トップもボトムもしっかりと練習を重ねてきた。試合になっても、その時の判断で上でも下でも戦うつもりさ」

──ではリングでの戦いというのは?

「リングで試合をするのは始めてだし、リングを使った練習はしたことがあっても、普段からやってきたことではない。でも90度のコーナーがある戦いがどうなるのか、楽しみだよ(笑)。

ロープがあることで、どのような展開になるのか。リングでの試合が僕にとって最高の戦いやすい環境になる必要はないし、どんどん動き回るつもりだよ。でもルンピニーで戦うことも、とても興味深い」

──グラップリングの超新星もルンピニーに想い入れがあるのですか。

「うん? ないよ。ムエタイのメッカで、僕が戦ことが面白なって思っているだけで(笑)。でも歴史のある有名な会場だから、戦えて光栄だよ」

精度の高い動きで、非効率的にならないよう

──なるほど。ところで84キロという契約体重は、77キロ以下で戦うことが多いジョセフにとっては重くはないですか。

「最初はもっと軽い体重で話は進んでいたんだ。たしか80キロとか81キロで。そうしたら急に86キロになるって話が変わって。ノーノ―(笑)。それだと重すぎるから、83キロでは──とか、色々をあった。その結果、84キロになったんだ。

今もそうだけど、僕は普段から82キロだから通常体重で戦うことになるね。僕の柔術をタイにぶつけたい。ルオトロ兄弟ほど派手に動き回ることはないかもしれないけど、精度の高い動きで、非効率的にならないように戦う僕のスタイルを貫きたいね。

戦術的にはパーフェクトなテクニックが重要になってくるのではなくて、絶対的に確実な技術が重要になってくる。それこそが、最高レベルの相手と戦う時に必要なことだから」

──タイとの試合は楽しみでならないですが、8月にADCCでなくCJIを選択した理由を尋ねても構いませんか。

「理由はいくつかある。もちろん、マネーもその一つだ。そしてCJIが何をしようとしているのか。そこに関心があった。柔術の試合に出て、出場するだけで1万ドルが支払われる。こんなに素晴らしいことはない。そして、多額の資金がグラップリングに投入され、アスリートにも回って来る。そんな背景があるトーナメントだから、心が搔き立てられるよね」

──意義のある大会に出場すると。

「ADCCは1990年代から、優勝賞金が変わっていない。しかも貨幣価値は変わっているんだから、事実上の減額だよ。クレイグは出場費を払うことで、グラップリングの規模の拡張にトライしている。

それにクレイグはYouTubeでの無料配信を決めた。よって、より多くの人がグラップリングのトーナメントを視聴することになるに違いない。彼は他にないグラップリングのトーナメントを開こうとしている。Flo Grapplingはグラップリングの発展に大いに役立ってくれたけど、ファンを増やすという点において、無料配信は大きいよ。

プレーはしないけど、ただグラップリングを見るだけのファンがこのスポーツが大きくなるために欠かせないんだ。見る人が増えること。それがグラップリングの発展に欠かせないことだから」

──盟友の岩本健汰選手を始め、ADCCに残る選手もいます。

「ケンタは僕の上の部屋に寝泊まりしているんだ(笑)。まだ朝の8時過ぎだから、きっと寝ているね。本当にテイクダウンとスクランブルが強くて。ケンタは僕にとって最高のトレーニング・パートナーだよ。

ケンタがADCCに残ることは理解できる。僕も悩んだし、両方の良さが分かっているから。だからCJIの80キロ以下級も、ADCCの77キロ級も良いメンバーが集めっているんだ。どちらもハードなトーナメントになることは間違いない。

前回のADCCウィナーのケイド・ルオトロはCJIに出る。ただし準優勝のミカ・ガルバォン、3位のダンテ・リオンはADCCに出場する。出場選手のアベレージはCJIの方が高いだろう。でも頂点はとても似通っている。

ケンタがADCCに出ることで、僕的には彼と戦う可能性がゼロになった。そこは気が楽だよ。これは凄く個人的なことだけど、ケンタは必ずやってくれる。それが楽しみで。WNOのミカ・ガルバォン戦を見る限り、ケンタが世界のトップにあることは間違いからね。

ファンの立場からすると金曜日はCJI、土曜日は見たい試合をピックして視聴する。日曜日はADCCと、最高の試合を3日連続で楽しむことができるし、良いことじゃないかなって。ライブで観戦するにしても、会場は車で7分しか離れてないしね」

クレイグが動いたことで、過去には見られなかった変化が、既に起こっている

──いやジョセフ、そこに関していうと77キロの真の世界一は2024年には生まれないことになります。結果、どこかでADCCウィナーとCJIウィナーの戦いが組まれそうですが。

「う~ん、クレイグが同じ週末にCJIをぶつけたのは、ADCCに異議を唱えているということなんだ。ADCCという組織が、これでどう変わっていくのか。このままADCCの独占状態だったら、選手の待遇はずっと変わらないだろう?」

──我々のなかで、グラップリング競技で食べていくことは難しいという風に固定概念になっていたことを、クレイグは崩そうとしているのですね。

「そうなんだよ。クレイグが動いたことで、ADCCは出場費として2500ドルを選手に支払うことを決めた。過去には見られなかった変化が、既に起こっている。このスポーツにとって、素晴らしいことだよ。

これまで世界トップのグラップラーが試合をするのに出場費が支払われないばかりか、参加費を払う必要があったんだ。そうでなくショーペイがあるなら、選手は大歓迎さ。僕は、この方向にこのグラップリングが進んで欲しいと願ってやまないよ」

──純粋にアスリートとして、CJIで戦っておきたい相手は誰になりますか。

「う~ん、そうだなぁ……PJ・バーチとダンテ・リオンはADCCに残ったし──そうだねっ、アンドリュー・タケットとは戦いたいと思っている。彼とは1勝1敗で……まぁCJIに限らず、アンドリューとはこれから何度も顔を合わせることになるだろう」

──タイとONEで戦うという経験が、CJIで戦う時に武器になると考えていますか。

「そうなって欲しいね。僕は試合によってプライオリティが違う。勝つことが大切な試合と、そこで経験を積むことを重視している試合があるんだ。勝つことが絶対的な目標なのはADCCであり、今回はCJIなんだ。そのために、どれだけ自分を仕上げることができるか。ADCCはトーナメントに勝って、スーパーファイトで戦う。それが一番価値のあることだから、そこを目指していて。

ONEでタイと戦うことで、凄く確かな情報が僕に入ってくる。結果、CJIで最高の動きができるようになるはずだから」

──今回の試合の位置づけもそこなのですね。ところでONEで戦うと、ADCCやCJI以外の試合に出られなくなるのでは?

「ONEとの契約に関しては、本当に慎重に判断をした。だから1試合契約で、ノンタイトル戦なんだ。チャンピオンになると契約が延長されるから。その結果のキャッチウェイト戦だし。そこはクレイグを始め、色んな人が進言してくれたよ」

──ではCJI後にまたジョセフの雄姿が日本で見られるかもしれないですね。

「本当は柔術のアジアオープンに出たかった。来年のアジアには出場するつもりだ。それにProgress、あのケージで戦うグラップリングはルールやポイント制も凄く楽しかった。僕はいつだって、日本を訪れたいという気持ちでいる。試合に出るかどうか分からないけど、ケンタと練習するためにも年内にはまた日本を訪ねたい」

■放送予定
7月6日(土・日本時間)
午前8時45分~U-NEXT

■ONE Fight Night23対戦カード

<ONEライト級暫定王座決定戦/5分5R>
オク・レユン(韓国)
アリベグ・ラスロフ(トルコ)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
ニコ・カリーロ(英国)
セーマーペッチ・フェアテックス(タイ)

<サブミッショングラップリング186ポンド契約/10分1R>
タイ・ルオトロ(米国)
ジョセフ・チェン(ドイツ)

<ヘビー級(※102.01キロ)/5分3R>
カン・ジウォン(韓国)
キリル・グリシェンコ(ベラルーシ)

<ムエタイ・フェザー級/3分3R>
ルーク・リッシ(米国)
バンパラバムパラ・クヤテ(フランス)

<フライ級(※61.2キロ)/5分3R>
和田竜光(日本)
シェ・ウェイ(中国)

<ムエタイ・フライ級/3分3R>
アリ・サルドエフ(ロシア)
ブラック・パンサー(タイ)

<ストロー級(※56.7キロ)/5分3R>
箕輪ひろば(日本)
ジェレミー・ミアド(フィリピン)

<ムエタイ・ストロー級/3分3R>
アリーフ・ソー・デチャパン(マレーシア)
エリス・バルボーサ(英国)

<キック・ヘビー級/3分3R>
オマル・ログログ・ケニ(セネガル)
ブシェ・ケチャップ(セネガル)

<ムエタイ・バンタム級/3分3R>
アレクセイ・バリカ(ロシア)
ステファン・コロディ(アイルランド)

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