【写真】コラードはロッキングチェアーで、前後に揺れながらリモート取材に応じてくれた(笑)。MMA戦績は21勝10敗、ボクシングは9勝6敗2分け。上半身を揺らすのは日常となっている(C)MMAPLANET
14日(金・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのザ・シアター@ヴァージンホテルでPFL2023#03が開催され、西川大和が北米メジャー初陣を戦う。
その前に立ち塞がるのが、クレイ・コラードだ。ボクシングとMMAを並行して戦うストライカーは、2021年シーズンでアンソニー・ペティス、昨年はジェレミー・スティーブンスという元UFCファイターを破っている。
常にファンが喜ぶ試合をする一方で、100万ドルには届かないコラードに初インタビューを試みた。
──8日後に、西川大和選手と対戦します(※取材は米国時間の6日に行われた)。今の調子を教えてください。
「最高の状態だ。これ以上ないぐらい、準備はできている」
──2021年のシーズン開幕戦ではアンソニー・ペティスを相手にジャイアントキリングをやってのけ、昨年も元UFCファイターのジェレミー・スティーブンスを破りました。今回はビッグネーム相手でなく、米国では無名の日本人ファイターが相手です。試合に向け、気持ちを創るうえでこの違いは何か関係してきますか。
「正直、大物と戦う時は時々ナーバスになる。それが良いことか悪いことかは分からないけどね。ただニシカワは20歳で、10連勝中だ(※正確にはMMAでは14連勝中)。凄くハングリーに違いない。誰だって名前を上げたいからね。良いファイターだけど、俺と戦うんだからそうはならない。
彼との立ち位置では、俺の方がビッグネームだ。この格……上下関係がひっくり返ることは許さない。さっきもいったけどペティスやスティーブンスと戦った時の方が神経質になっていた。でも、最善の準備をするという点では変わりない」
──西川選手の試合に関しては、映像などチェックできましたか。
「なんか、ちょっと前の試合映像だけど視ることはできたよ。対戦相手の研究は必要だし、コーチと一緒にチェックした。サブミッション・スペシャリストで、俺と殴り合うことはしないだろう。俺としては立って戦い続けるつもりだ」
──西川選手が打撃もできることは、日本では知れ渡っています。ただ、その最大の特徴はガードを取り、下から相手をコントロールしてエルボーやパンチを使う点にあると思います。
「ヤツはゲーマーだよ。ファイトをしたがらない。映像で引き込むのは見た。そうさせないように戦うし、仮に引き込んでガードの中に入れられてもPFLではエルボーは反則だ。どうぞ、ヒジを出してくれって(笑)。それで俺は反則勝ちになるから。アハハハハ。楽してポイントを得ることができる。
でも日本からチャレンジしてくるファイターとの戦いは、楽しみでならない。日本の皆も、俺の勝利を見てもそんなに落ち込まないでほしい。できる限り、試合を楽しんでほしいと思っている。
俺自身PFLで戦うのは3年目で、ポイント制の大変さは身に染みている。だからこそ、PFLで戦っていると成長できるんだ。少しでも早く倒す、そのために皆が必死にペダルをこぎ続けているからね。レギュラーシーズンで終わらず、少しでも多く試合をするために皆が懸命になっている」
──PFLはシーズン制を敷いていますが、クレイはシーズンオフにはボクシングの試合に出て、オフになっていないですね。
「ただ、戦うのか好きで戦っていたいからだよ。もちろん、そうやって金を稼ぐ必要もあるしね。何より戦い続けることで、技を磨いておきたい。PFLはボクシングを戦うことは許可してくれるし、PFLがOKなことにチャレンジし、NOなことはしない。それがファイターとプロモーションの関係だし、彼らを尊重している。
ただシーズンを通してフェザー級で戦うのは、俺には厳しいけどシーズンオフにスーパーファイト的なショーがあって、そこでブレンダン・ラフネーンと戦ってみたいね。アイツとなら、最高の殴り合いができそうだから。1試合だけなら、フェザー級に落とせそうだしね」
──シーズンオフにスーパーファイト大会。グッドアイデアです。ぜひとも、レイ・セフォーに進言してください。
「そうだね。そうしよう(笑)。その前に、しっかりとヤマトを倒さないとな。ベイビー。俺の狙いはいつだって初回KO、6Pを取ることだから。ファイヤーワークス、魂が削られる殴り合いも望むところだけど、レギュラーシーズンはケガすることなくアッサリ倒して6P取るのが一番だからね」
──初戦で6Pを獲得すれば、プレイオフ進出に向け非常に有利な立場になります。ところで今シーズンでは、誰が最もタフな相手になると考えていますか。
「う~ん、どうだろうな。アレックス・マルチネスじゃないかな。アイツは良いファイターだ。去年、アイツと戦って……あの試合内容でスプリット判定負けっていうのは、俺も納得しているわけじゃない。けど、アイツは強いよ。
俺の試合はいつだってファンが喜ぶ。それが俺の戦いなんだ。だから、PFLもボーナス制度をスタートさせてほしい(笑)。ただし、俺のゴールはファイナルで勝つことだ。今年はチームを移り、新しいコーチや練習仲間の下で準備してきた。ハードかつスマートに調整してきたんだ。100万ドルを手にするために。それが俺のミッションだから」
■視聴方法(予定)
4月15日(土・日本時間)
午前8時00分~DAZN
■ PFL2023#03対戦カード
<ウェルター級/5分3R>
サディボウ・シ(スウェーデン)
ジャラ・フセイン・アルシラウィ(ヨルダン)
<ウェルター級/5分3R>
マゴメド・マゴメドケリモフ(ロシア)
ベン・エグリー(米国)
<ライト級/5分3R>
ナタン・シュルチ(ブラジル)
スティービー・レイ(英国)
<ライト級/5分3R>
ハウシュ・マンフィオ(ブラジル)
アレックス・マルチネス(パラグアイ)
<ウェルター級/5分3R>
ショーン・ミッチェル(豪州)
ナイブ・ロペス(メキシコ)
<ライト級/5分3R>
ブルーノ・ミランダ(ブラジル)
アハメッド・アミール(エジプト)
<ウェルター級/5分3R>
ザック・ユソラ(米国)
ブランドン・ジェンキンス(米国)
<ライト級/5分3R>
オリヴィエ・オバメルシェ(カナダ)
ショーン・バーゴス(米国)
<ライト級/5分3R>
クレイ・コラード(米国)
西川大和(日本)
<ヘビー級/5分3R>
デニス・ゴルソフ(ロシア)
パトリック・ブレイディ(米国)
<ウェルター級/5分3R>
カルロス・ヘアル(ブラジル)
ダービッド・ザワダ(ドイツ)
<ウェルター級/5分3R>
マゴメド・ウマラトフ(ロシア)
ディラノ・テイラー(米国)