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【UFN246】ヒジ&ヒザを有効に使ったサイディ、TDでは後手に回るもアームフィールドを判定で下す

<バンタム級/5分3R>
セルヒー・サイディ(カナダ)
Def.2-1:29-28.28-29.29-28
ギャレット・アームフィールド(米国)

身長で勝るサイディが右カーフを蹴り、アームフィールドはジャブとワンツーで飛び込む。サイディは前蹴りとミドルで距離を取り、アームフィールドのステップインに左の縦ヒジを狙う。アームフィールドがパンチで距離を詰めると、サイディは縦ヒジと首相撲からのヒザ蹴りにつなげる。構わずアームフィールドが前に出ると、サイディはガードを固めてジャブと前蹴り。アームフィールドがボディも混ぜたパンチのコンビネーションを見せてダブルレッグへ。

がぶったサイディがアナコンダチョークを狙うと、アームフィールドがダブルレッグでケージに押し込む形になり、サイディの身体を持ち上げてテイクダウンする。下になったサイディは半身になりつつ、バックを狙うアームフィールドに対して左腕を小手に巻いて立ち上がる。試合がスタンドに戻るとサイディはヒジ、ジャブからダブルレッグに入ってスタンドでバックにつく。

2R、サイディは左ハイと右の前蹴り、右カーフを蹴る。アームフィールドは細かくジャブを当てて右ストレート、ボディにジャブを振る。サイディは右のヒザ蹴りを返し、ヒジと右のヒザ蹴りを狙う。アームフィールドはジャブと左フック、サイディは左ミドルを蹴る。ジャブの打ち合いからアームフィールドが右ストレートで飛び込む。サイディが右の飛びヒザを見せると、アームフィールドも右フックを強振。サイディが組みつくと、ヒジを振って離れる。

サイディは右カーフ、ジャブとワンツー、右フックをかぶせて前に出る。アームフィールドもサイディの左ミドルに右ストレートで飛び込む。サイディはアームフィールドのジャブに右をかぶせて左右のヒジ、ジャブを当てる。アームフィールドもワンツー、そこから左ボディにつなげる。サイディがダブルレッグに入ると、アームフィールドがそれを切ってバックにつく。逆にアームフィールドがダブルレッグに入ったところでラウンド終了となった。

3R、サイディがスピニングバックフィストを狙うが空振り。アームフィールドはサイディのパンチにダブルレッグを合わせてテイクダウンを奪うと、サイディがギロチンを狙う。頭を抜いたアームフィールドがバックについてRNCを狙うが、サイディはが正対してインサイドガードで上になる。ここはアームフィールドもすぐに立ち上がる。

試合がスタンドに戻るとサイディが左ミドル。組みついたアームフィールドがテイクダウンすると、サイディのギロチンを抜いてマウントからバックへ。サイディはケージを蹴って正対して立ち上がる。スタンドではサイディが首相撲からヒザ蹴りと左ミドル。ここもアームフィールドがテイクダウンしてハーフからヒジ、そしてバックについて試合終了を迎える。判定は2-1と割れ、サイディに軍配が上がった。


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45 AB Brave CF DEEP MMA o UFC カイ・カラフランス ギャレット・アームフィールド ジャック・ショア チェ・ドゥホ チャド・アンヘリガー デリック・ルイス ハニ・ヤヒーラ ビクター・ヘンリー ペドロ・ムニョス ホドリゴ・ナシメント マイク・マロット 朝倉海 鶴屋怜

UFC on ESPN+104:オッズ/予想と展望

ブランドン・モレノ 1.57
アミル・アルバジ 2.45
エリン・ブランチフィールド 1.77
ローズ・ナマユナス 2.10
デリック・ルイス 2.50
ジョナタ・ディニス 1.56
カイオ・マシャド 1.65
ブレンドソン・ヒベイロ 2.30
マルク・アンドレ・バリオー 1.49
ダスティン・シュトルツフス 2.70
マイク・マロット 1.37
トレヴィン・ジャイルズ 3.20
アイマン・ザハビ 1.85
ペドロ・ムニョス 1.98
アリアネ・ダ・シウバ 2.85
ジャスミン・ジャスダビシアス 1.44
シャルル・ジョーデイン 1.74
ビクター・ヘンリー 2.14
ジャック・ショア 3.35
ユーセフ・ザラル 1.34
アレクサンドル・ロマノフ 1.95
ホドリゴ・ナシメント 1.87
セルヒー・シーディー 1.70
ギャレット・アームフィールド 2.20
チャド・アンヘリガー 2.60
コーディ・ギブソン 1.52
ジェイミー・リン・ホース 1.46
イバナ・ペトロビッチ 2.80

メインは翌月にタイトルマッチが行われるフライ級のトップランカー対決。この試合の勝者と、今月平良に勝ったブランドン・ロイバルのいずれかが、次期挑戦者となる可能性が高い。タイトル戦の勝敗にもよるが、朝倉海のUFC2戦目の相手となる可能性も十分ある。

前王者モレノはタイトルを奪われた昨年7月のパントージャ戦も接戦で、スプリットでの判定負け。今年2月に地元メキシコでアルバジとの対戦が組まれた。当時、王者パントージャは5月の地元ブラジル大会での防衛戦の噂があったが、相手が決まっておらず、この試合の勝者が次期挑戦者となることが濃厚だった。しかし、アルバジは負傷欠場。モレノは代役のロイバルとの対戦が組まれ、またも僅差の試合でスプリット判定負けし、王座挑戦からは遠のいた。ロイバルもその試合で負傷し、結局タイトル挑戦は当時ランキング10位のスティーブ・エルセグになっている。

アルバジはUFCデビューから5連勝中。イラク生まれで、8歳の時に一家で出国し、16歳まではスウェーデンの難民キャンプで生活。そこで柔術を始めたことをきっかけに、後にMMAの転向。中東のBRAVE CFでキャリアを積んでUFCと契約した。キャリアで唯一敗れた相手はBRAVE CF時代に対戦したホセ・トーレス(後にUFCと契約したが、1勝1敗でフライ級ファイターの大量契約解除に遭いリリース)。現在はラスベガスのエクストリーム・クートゥアでトレーニングしているが、出稽古に行きアルバジとスパーをした鶴屋怜が言うには「余裕でボコった」とのこと。

モレノは前回敗れた後に長期休養を宣言していたが、4年間・6試合連続でタイトルマッチをやって、精神的に削れていたのかもしれない。結果として、8ヶ月ちょっとでの復帰となるので、普通よりちょっと長めな程度の試合間隔に。リフレッシュできたので戻ってきたのか。

アルバジは昨年7月の前戦でカイ・カラフランスと対戦したのが唯一のランカーとの対戦もだったが、スプリット判定勝ちしたものの、メディアのジャッジはほぼ全員がカラフランスを支持する内容での勝利。モレノはカラフランスをKOしていることを考えると、ちょっと力の差はあるか。

モレノ判定勝ち。

プレリムでは元DEEP王者ビクター・ヘンリーが登場。前戦は大ベテランのハニ・ヤヒーラをKOして、UFC戦績を3勝1敗1NCとした。今回の相手はランキング未満の中堅で地元カナダのシャルル・ジョーデイン。UFC戦績は負け越しだが、チェ・ドゥホやクロン・グレイシーに勝利している。オッズは地元のジョーデインがフェイバリットだが、ヘンリーは今後ランキング入りを狙っていくなら、このレベルの相手には星を落とせない。

今回はUFCで初めて新ユニファイドルールが適用されるイベントとなる。

変更となるのは「グラウンド定義の変更」と「12-6エルボー(垂直ヒジ)の解禁」。グラウンド定義は「足(足首から先)と手(手首から先)のみがついている場合」は、以前はグラウンドだったが、新ルールではスタンドとみなされる。そもそもこの手のみをマットにつく状態というのが不自然で、このルールを利用して顔面へのヒザを防ぐ場合などにしか発生しないポジションだった。例えば、ケージ際でスタンドバックを取った選手が、テイクダウンを狙いつつ、後方から相手の頭部にヒザを入れる場合などで、蹴られる選手がディフェンスとして手をマットにつくということが多く見られた。当然、新ルールではわざわざそういったディフェンスをすることは選手はいなくなるので、大きな影響はないと思われる(今後は片膝をつくことでグラウンド状態にするという対処が増えるかもしれない)。

第1試合開始は3日朝6時から。速報します。

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o Road to UFC UFC UFC Fight Night ギャレット・アームフィールド マルチン・ティブラ 風間敏臣

【UFC】速報中!UFC Fight Night~風間敏臣×グリゴリオウ

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今日はUFC Fight Night: Tybura vs. Spivac 2。メインではマルチン・ティブラ×セルゲイ・スピバックが行われますが、日本人ファンの注目は風間敏臣。ROAD TO UFCで準優勝してUFCと契約。初戦はギャレット・アームフィールドにTKO負けを喫しているだけに、絶対に負けられない一戦を迎えます。真夏の3連休の中日の早朝ですが本日も電波と充電の続く限り速報します。乱筆乱文にはご容赦くださいませ。


【バンタム級】
○風間敏臣
(2R 三角絞め)
×ハラランボス・グリゴリオウ
1R、開始直後に風間は勢いよくタックルで組み付く。ケージに押し込んで白熱の差し合い。風間は足を掛けて崩すがグリゴリオウの腰は重い。それでも風間はスタンドでバックに周ってポジションをキープ。後ろから膝を頭部にヒットさせるがここでタイム。グリゴリオウの手がマットについてため風間の反則扱いとなってインターバルが取られる。再開するとまたも風間はダッシュして組み付く。すかさずバックに周るとグラウンドに引きずり込む。そのままグリゴリオウの首を狙う。さらにグリゴリオウを亀してバックマウント。風間は下になりながら腕十字→三角絞め。しかしグリゴリオウは首を抜いて脱出。風間は下になるが素早くスイープ!上を取り返すとバックに周って腕を狙うがタイムアップ。このラウンドは風間が一方的に攻め続けた!
2R、開始直後にグリゴリオウは飛び膝。かわされるがグリゴリオウはパンチでラッシュ。風間は被弾して後退。グリゴリオウは追いかけて左右の連打。風間はモロに食らってダウン。上からパウンド、肘を乱射。いつ止められてもおかしくなかったが風間は耐える。すると上からの攻撃に合わせて三角絞め!これがガッチリ極まるとグリゴリオウはタップ!風間が大逆転勝ち!
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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN57 キック ギャレット・アームフィールド ブレディ・ヒースタンド マイケル・キエーサ

【UFC ESPN57】攻めて凌がれ攻め返す。アームフィールドとタフマッチでヒースタンドが3RにRNC一本勝ち

<バンタム級/5分3R>
ブレディ・ヒースタンド(米国)
Def.3R1分52秒by RNC
ギャレット・アームフィールド(米国)

すぐに距離を詰めた両者、揃って重心が低めの構えでパンチを見せヒースタンドが組んでいく。テイクダウン狙いを2度に渡り切ったアームフィールドは、3度目のダブルレッグで尻もちをつかせるも、頭をステップオーバーして腕十字へ。アームフィールドの体を越えて腕を抜いたヒースタンドがシングルにきたところでアームインギロチンをセットする。やや半身だったことで、ネックロック気味に入った絞めは極め切れず、胸を合わせたヒースタンドがトップを取る。

アームフィールドはもう一度腕十字を狙い、防がれるとスクランブルへ。ヒースタンドがバックを取り前方にスラム。すぐに立ち上がったアームフィールドが離れるが、ヒースタンドは左にダブルレッグを合わせてクリーンテイクダウンを奪うと、バックに回ってスタンド状態で両足をフックする。自ら後方に倒れ込んだヒースタンドはRNCこそ完成させることはできなかったが、初回をリードした。

2R、アームフィールドは初回と同じように低い重心から組みへ。切ったヒースタンドは首相撲からヒザを狙い、さらに右を入れる。先手を取ったように見えたヒースタンドだが、直後に右でダウンを奪われる。アームフィールドはパウンドでラッシュを掛け、三角絞めを防ぐと立ち上がってパンチから左足を抜いて、そのままマウントを狙う。頭を抱え、ニーシールドで許さないヒースタンドだが、頭を抜いたアームフィールドがマウントを奪取る。パンチを落とされながらも、ケージキックデスクランブルに持ち込んだヒースタンドがすぐに組んでバックへ。

前方に崩し、ボディトライアングルに捕えたヒースタンドは、アゴの上から左右の上腕を滑り込ませRNCの機会を伺う。胸を合わせにいくアームフィールドに対し、背中に乗り続けられないと判断したヒースタンドが着地して、試合はスタンドへ。すぐにニータップを狙ったヒースタンド。切ったアームフィールドがクリンチでアッパーを突き上げる。離れてワンツーのヒースタンド、打撃戦を受けたアームフィールドもパンチを振るうが両者揃って疲れが見え、体の軸が乱れるようになっていた。

最終回、頭を下げてパンチ&蹴りのヒースタンド。かわしたアームフィールドが右アッパーを当てる。アームフィールドの蹴りの後に組んだヒースタンドがケージ押し込み、ダブルレッグへ。尻もちをつかさせ、背中を譲ったアームフィールドは立ち上がるが、正対できない。このままスラムし、ここも両足をヒースタンドがフックする。スタンドのバッククラブから、後方に倒れ込んだヒースタンドがRNCを極め、アームフィールドからタップを奪った。

ノンストップファイトのタフファイトを制したヒースタンドは「ドミネイトしたいんだけど、また3Rのフィニッシュになった。皆、僕のスタミナのことは知っているよね。8月3日、コーチのマイケル・キエーサと同じ日にアブダビで戦わせて欲しい」と話した。


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45 AB Brave CF K-1 LFA MMA MMAPLANET o Road to UFC UFC UFC ESPN57 UFC ESPN58   アス・アルマバエフ アダム・ヒューギット アレクサンダー・グスタフソン アレックス・ペレス イリル・ラティフィ ウェスティン・ウィルソン カムザット・チマエフ カーリー・ジュディシー ガブリエラ・フェルナンジス キック ギャレット・アームフィールド シャイラン・ヌルダンベク ジェカ・サラギ ジミー・フリック ジュリア・ポラストリ ジョシュア・ヴァン ジョシュ・クィンラン ソ・イェダム タジル・ウランベコフ ネイサン・メネス ブレディ・ヒースタンド ボクシング ヨセフィン・ヌットソン ライカ ルーカス・アルメイダ 平良達郎

【UFC ESPN58】日本のK-1からオクタゴンへ、ヨセフィン・ヌットソン「K-1を生かしたMMA」

【写真】日本格闘技LOVEのヌットソン(C)MMAPLANET

15日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC on ESPN58「Perez vs Taira」でヨセフィン・ヌットソンが、ジュリア・ポラストリとオクタゴン2戦目を戦う。
Text by Manabu Takashima

K-1、Krushと4度に渡って日本で試合経験があるヌットソンは、所属ジムで練習するMMAファイターを見て「いつの日かMMAを戦ってみたい」という想いを抱いていた。そしてコロナ・パンデミックが起こり、ファイトがなくなった日常にあった彼女はアマチュアMMAを戦う機会に跳びついた。

その2年後、コンテンダーシリーズで勝利も契約を逃した彼女だったが1カ月に世界の最高峰に辿り着いた。打撃に関しては既にトップレベル──そんなヌットソンはMMAにフィットしたファイトIQの持ち主だった。


――UFCでの2試合目を今週末に控えています。今の気持ちを教えていただけますか。

「土曜日のUFC第2戦目に向けて、凄くワクワクしているわ。長い期間、今回の戦いの準備をしてきたので。もう、ずっとジムに缶詰め状態で、ようやく外に出ることができたから(笑)。やっと、自分のやりたいことができる。そんな気分ね」

──押忍。ヨセフィンは日本で4度キックの試合をしています。K-1で3試合、Krushで1試合を戦っています。日本にはどのような印象を持っていますか。

「いつも言っているけど、本当に日本のことが大好きで。K-1のような大きな舞台で戦ってきて、日本に行くのはいつも試合の時だったけど、いつもファンが温かく接してくれたことが忘れようはない思い出ね。どこにでもあることでなく──本当にファンがファイターに優しくて、日本のファンの前で試合をすることが大好きだった。日本では人生で最高の日々を送ることができたわ。

今の私の夢はUFC日本大会が開かれ、今度はUFCファイターとして日本のファンに再会することなの」

──この言葉が嬉しい限りです。ところで2019年12月にK-1でKANA選手と対戦したのを最後にキックボクシングの試合を戦っていません。いつ頃からMMAに転向しようと考えていたのですか。

「K-1で戦っている頃から、所属するジムに練習に行くと横でMMAのトレーニングが行われていて。アレクサンダー・グスタフソン、カムザット・チマエフ、イリル・ラティフィ達がMMAの打撃練習をしていたの。彼らのトレーニングする姿を見ていて、いつかMMAに挑戦したいなって思うようになって。

そんな時にコロナ・パンデミックが始まり、試合機会が全くのゼロになったでしょ? そうしたらBRAVE CFからMMAファイト、アマチュアマッチのオファーがあって。もう何も考えることなく、そのチャンスに跳びついたわ。MMAとかキックとかでなく、ファイトの機会を逃したくなかったから」

2020年にBrave CFでアマチュアMMAを経験し、翌年プロデビュー (C)BRAVE CF

──BRAVE CFはUFC、Titan FC、KSW、LFAや日本のプロモーションと並び、いち早く活動を再開。2020年の8月にはストックホルムで4週連続のイベントを開催しました。ロックダウンが世界中であったなか、MMAを戦う準備はできていたのですか。

「あの時は大変だったわ。ただ、ファイティングチームで屋外に出て。1日に3時間、もしくはそれ以上のトレーニングをしていたの。1度の練習にテクニックからコンディショニングまで詰め込むから、その練習時間が長くて。

でも、それが許されたのもスウェーデン政府が緩和策をしていたからだと思う。それでも全てのジムは閉鎖されていたし、ジムで練習しようものならポリスに止められていたはず。ただ、外で練習することはそれほど問題視はされていなかったわ。正直、K-1でまた戦いたいと思っていたけど、パンデミックはアジアを直撃していたし、その機会が訪れることはなかったの」

──2022年6月にはRoad to UFCのワンマッチに出場しました。あの時はもうMMAを戦おうと決めていたのですか。

「そうね、シンガポールで試合をした時はもうMMAで戦っていくことを決めていた。UFCファイターになるって。だからRoad to UFCでの試合は、その一歩だしチャンスを掴むために全てを出し尽くそうと思って戦ったわ」

RTUのワンマッチでは、韓国のソ・イェダムを判定で下した(C)MMAPLANET

──実はBRAVE CFのアマチュア戦は配信で、Road to UFCシンガポール大会は現場で取材もしていました。ただ私はMMAの記者でキックボクシングのことを全然知らなくて、ヨセフィンが日本のK-1で戦っていることも実は知らなかったです。

「アハハハハ、全然大丈夫よ」

──ただ昨年8月のコンテンダーシリーズの時にK-1プロデューサーから、メディアの仕事に戻ってきた中村拓己氏からヨセフィンに注目してほしいと教えてもらったのです。

「なんて素敵な話なの。その話を今回の試合前に聞けて、本当に嬉しい。ハッピーな気持ちになったわ」

──コンテンダーシリーズから約1カ月後にUFCデビュー。当然のように立ち技では既にアドバンテージを持っていますが、グラウンドでも見事にBJJの技術を駆使していました。

「ありがとう!! グラップリングの練習には相当に時間を使ってきたわ。未知の領域だったから。レスリングもそうね。壁レスも。MMAでやって行こうと決めた時、特に怖いとは思わなかった。でも覚悟は必要だったわ。本当に多くの知らない技術を吸収する必要があるし、練習時間はいくらあっても足らないって感じていたから。

何より、再び自分がビギナーになることを受け入れないといけなかった。それってちょっと、気持ちが落ちるんだけど。キックの実績でMMAを戦っていくことはできない。だから懸命にレスリングとグラップリングに取り組んだの。もちろん、MMAの打撃もね」

──そこです。打撃もK-1とMMAでは距離もリズムも違います

「その通りね。別モノだった。K-1ファイターは前へのプレッシャーの強さが必要で、テクニックにも厚みを持たせないといけない。私は可能な限り、その技の厚みをMMAでも生かしたいと考えていて。MMAでもK-1ほどじゃないけど、近い距離でパンチ、キック、ヒザ、そしてエルボーを使う局面がある。あの小さなMMAグローブで、そこを戦うわけで。でも近い距離は絶対に私の世界だから。

MMAにはいくらでも戦いのバリエーションがある。なら、私だから可能になるK-1を生かしたMMAも存在しているはずで。同時にもっと距離を取った戦い方があって、その位置取りは限りなく存在しているわ」

──それでもヨセフィンの立ち技でのアドバンテージは絶対かと。レスリングにはまだ課題があっても、首相撲をよく使っていますね。

「逆にコーチから首相撲を使い過ぎるなって怒られるの。私自身がクリンチが好きだから、すぐに組んでしまう……それも必要のないところで。打撃をもっと使えるのにとか、色々と考えるわ。それにレスリングが強い相手に、首相撲を使う時間は最小限にしないといけないし。やっぱり、近づきたい相手を自分から迎え入れるのは良くない。打撃で突き放さないと。

結局のところ、どういう選手と向き合っているのか。それでやることが大きく違ってくる。それがMMAだと思う。それでも、ムエタイから使っている首相撲は私の武器になるのは絶対ね」

──ヨセフィンのファイトIQの高さは、絶対的にMMAにフィットしていますね。最高のキックボクサーでも、その考えがないと打撃は無力化してしまいます。

「ありがとう(笑)。凄く嬉しいわ。私はいつだってK-1とムエタイ、私のルーツをオクタゴンで見せたいと思っているから。それは、誰と戦った時も変わらないわ」

──つまりは次戦、ジュリア・ポラストリの戦いでも?

「彼女はグラップリングもデキる、ストライカー。でも打撃を使いたがる傾向にある。ブラジルの選手は本当に寝技が強いけど、彼女はストライカーだわ。打撃戦を好んでいる。その立ち技もあまりフットワークを使わないで、上半身は動いているけど、下半身はフラット。ボクシングね。それは良い面もあるし、悪い面もあるわ」

──前足が目の前にありますね。

「そこが狙いだから、これ以上は聞かないで(笑)」

──ハハハハ。では、どのようなファイトをしたいと考えていますか。

「ファンの皆が喜んでくれるK-1スタイルを見せるには、最適の相手。結果、彼女はテイクダウンを仕掛けてくる。その瞬間、きっと驚くことになるわ。グラウンドだって十分に対応できるけど、できるだけ立って戦う。皆に喜んでもらうファイトを見せたいから」

──では最後に日本のMMAファン、そしてキックボクシングファンに一言お願いします。

「今の私の戦いをフォローしてくれている全てのK-1ファンの皆、心から感謝している。日本でUFCが開催された際には、皆に会場で応援してほしい。また、皆に日本で会いたい。その日が来ることを願っているわ」

■放送予定
6月16日(日・日本時間)
午前8時00分~UFC Fight Pass
午前7時45分~U-NEXT

■UFC ESPN57対戦カード

<フライ級/5分5R>
アレックス・ペレス(米国)
平良達郎(日本)

<フェザー級/5分3R>
ルーカス・アルメイダ(ブラジル)
ティモシー・クアンバ(米国)

<バンタム級/5分3R>
マイルス・ジョンズ(米国)
ドゥグラス・アンドレージ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
アス・アルマバエフ(カザフスタン)
ホゼ・ジョンソン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
アダム・ヒューギット(米国)
ジョシュ・クィンラン(米国)

<フライ級/5分3R>
タジル・ウランベコフ(ロシア)
ジョシュア・ヴァン(ミャンマー)

<フライ級/5分3R>
ネイサン・メネス(米国)
ジミー・フリック(米国)

<バンタム級/5分3R>
ギャレット・アームフィールド(米国)
ブレディ・ヒースタンド(米国)

<女子フライ級/5分3R>
カーリー・ジュディシー(米国)
ガブリエラ・フェルナンジス(ブラジル)

<フェザー級/5分3R>
ジェカ・サラギ(インドネシア)
ウェスティン・ウィルソン(米国)

<フェザー級/5分3R>
シャイラン・ヌルダンベク(中国)
メルキザエル・コスタ(ブラジル)

<女子ストロー級/5分3R>
ジュリア・ポラストリ(ブラジル)
ヨセフィン・ヌットソン(スウェーデン)

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45 MMA MMAPLANET o UFC UFC297 キック ギャレット・アームフィールド ブラッド・カトーナ

【UFC297】的確にジャブを当てたアームフィールドがカトーナの反撃を振り切って判定勝利

<バンタム級/5分3R>
ギャレット・アームフィールド(米国)
Def.3-0:29-28,29-28,29-28
ブラッド・カトーナ(カナダ)

アームフィールドがジャブとインロー。カトーナはアームフィールドの前足に左右のローを蹴る。アームフィールドは顔とボディにジャブを振って、左ボディから右ロー、ワンツーで前に出る。カトーナも右ストレートから左フック、インローを蹴ると、これがローブローとなる。

再開後、アームフィールドはジャブと左ミドル、カトーナの前進に左フックを合わせる。カトーナも右ストレートから飛び込んでパンチをまとめるが、アームフィールドの右が当たる。カトーナはアームフィールドの左に合わせて組みつくが、アームフィールドは深く組ませない。距離が離れるとカトーナが再びアームフィールドのパンチに合わせて組みつき、スタンドでバックを取る。そのままカトーナはケージに押し込み、正対してヒザ蹴りを入れた。

2R、アームフィールドは左ボディから右ストレート、カトーナは右ストレートを返す。アームフィールドはジャブからワンツー、カトーナも飛び込むような右ストレート、左アッパーから右ストレートと打ち合う。カトーナはテイクダウンも狙いつつ、アームフィールドのジャブに右をかぶせ、アームフィールドの前足にローを集める。

アームフィールドは前に出るカトーナに右ストレートを狙いつつ、細かくジャブを当てて距離を取る。カトーナはジャブ・左フックで前に出て、アームフィールドは左ミドルとワンツー。カトーナがシングルレッグからテイクダウンし、背中を見せて立つアームフィールドに後ろからパンチとヒザ蹴りを入れる。

3R、アームフィールドは腰を低くしてジャブを突く。カトーナはその左に合わせて組みつくが、テイクダウンは出来ない。アームフィールドはジャブから右ロー、カトーナはジャブを当て、アームフィールドの左ミドルを流して組みつき、四つ組みからテイクダウンする。アームフィールドは後転して立ち上がり、カトーナはスタンドでバックをとる。アームフィールドが正対すると、カトーナはシングルレッグ→ダブルレッグでテイクダウンを狙うが倒せない。

距離が離れるとカトーナが左フック、アームフィールドはジャブと右ストレートを返す。カトーナが右ストレートと飛び込んで左ボディ、ダブルレッグでテイクダウンを奪う。アームフィールドはトップキープを許さず、背中を見せて立ち上がる。カトーナはしつこく組みつき、シングルレッグでケージに押し込む。離れたアームフィールドはパンチからテイクダウンを狙うが、カトーナもすぐに立ち上がる。最後はアームフィールドが右ハイキックを蹴って試合終了となった。判定はジャッジ3名が29-28でアームフィールドを支持した。


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45 AB BELLATOR Brave CF Cage Warriors MMA MMAPLANET o UFC UFC297 アーノルド・アレン ギャレット・アームフィールド クリス・カーティス サム・パターソン シャルル・ジョーダン ショーン・ストリックランド ジミー・フリック ジャスミン・ジュスダヴィチェス ジリアン・ロバートソン セルヒー・サイディ ブログ ユアン・リネス

【UFC297】UK~中東~UFC、サム・パターソン「遠征の方の方がファイトに向けて良い状態を創れるように」

【写真】 (C)MMAPLANET

20日(土・現地時間)、カナダはトロントのスコティアバンク・アリーナでUFC 297「Strickland vs Du Plessis」が開催される。
Text by Manabu Takashima

メインのUFC世界ミドル級選手権試合=王者ショーン・ストリックランド×挑戦者 ドリキュス・デュプレッシー。コメインのUFC世界女子バンタム級王座決定戦=ラケル・ペニントン×マイラ・ドスサントスの上位2カード以外には、ずらりとカナックMMAファイターの名が並んでいる同大会。

ウェルター級でそのカナダ勢のユアン・リネスと対戦するサム・パターソンは英国から中東を経て、UFCにたどり着いたキャリアの持ち主だ。オクタゴン初戦でショッキングなkKO負けを喫した英国の月見草=パターソンのMMAキャリアとは。


──英国のMMAファイターがUFCにたどり着くケースはローカルショーからCage Warriorsというのが王道ですが、対してサムは中東のBRAVE CFからコンテンダーシリーズを経てUFCと契約を果たしました。

「僕は物覚えが壊滅的に悪いんだけど(笑)、あの時はコーチや周囲の人間からBRAVE CFを勧められたんだ。チームメイトのチャーリー・レアリーがBRAVE CFとサインして、そのタイミングだったと思う。実は僕は当時Cage WarriorsからUFCという目標を持っていなくて、Bellatorで戦いたいという希望を持っていたんだ。

BBRAVE CFでは世界中で戦うことができた。あの頃のCage Warriorsは英国だけで大会を行っていた……そうだね、今回の試合はカナダで行われる。でも僕にとっては特別なことじゃない。BRAVE CFで既に飛行機に乗り、時差のある遠征をいくつも経験してきた。インドで試合をした時なんて、向こうの食事が合わなくて完全に体調を崩した(※サム・パターソンはBRAVE CF時代にバーレーン、ロシア、ベラルーシ、ヨルダン、サウジアラビアで戦っているが、インドで試合をしたのあSuper Fight Leagueでのファイト)。万全とは程遠い状態で戦ったけど、あの経験も自分を強くするためには必要だったんだ。

BRAVE CFにはワールドクラスのファイターが在籍していたし、凄く鍛えられたよ。UFCにその力を見出されるファイターも多かったからね」

――それだけリスクの高い試合も多かったかと思います。

「結果、僕は今UFCで戦うことができている。時差のある国での戦い、慣れない食事、異国でのファイトウィークの過ごし方、それらの対処法をBRAVE CFで学ぶことができた。凄く感謝しているよ。

英国シーンでだけキャリアを積んで、UFCというステージで戦うときに初めて海外での試合を経験するのは、本当に大変なことだと思う。その経験をUFCに来る前にできていたことは、とても大きい」

――しかし皮肉なことに昨年3月のUFC初戦は母国大会でショッキング初回KO負けを喫してしまいました。

「UFCロンドンでの試合は、全てが居心地が良かった。でも、その居心地の良さがもう僕にはフィットしていなかったんだ。4年振りの母国での試合で、遠征の方の方がファイトに向けて良い状態を創れるようになってしまっていたことに気づかされたよ。

でも、それを知ることもできのも大きな経験になった。もう、あのような試合は2度としない。最高のキャンプができ、状態も良かったから何も言い訳はできないしね。あの瞬間、ヤナル・エシュモズが正しい位置にいて、正しい攻撃をしたんだ。

もちろん、母国のファンの前で勝ちたかったよ。彼らも僕の勝利を見たかったはずだ。でも、あの負けを糧にして僕はより一層強くなれると確信している。実際、キャリア3戦目で敗れた僕は、そこから8連勝をした。UFC初戦での敗北から、立ち直ってあの時の練習を再現させるんだ」

――右ローをキャッチされ、直後の右フックをかわしましたが、足を掴まれていた左手で殴られた。マイケル・ビスピンは素晴らしく想像力のある攻撃だと解説していましたが、自分には偶然に見えました。あれは狙った攻撃でないと。

「あのタイミングでのパンチは、右だ。それは見えたからかわすことができた。そして右から左の攻撃につなげることは、全く持って普通の攻撃で。僕がバランスを崩していた時に、それが当たった。10回戦って、1回あるかっていう攻撃をヤナル・エシュモズは成功させた。彼もUFC初戦だったし、素晴らしい仕事をやってのけたんだよ。

あの敗北はメンタルの強化もそうだし、フィジカル的にもウェルター級に階級を上げるきっかけになったんだ」

――ウェルター級転向初戦、そして迎えたオクタゴン2戦目は、ユアン・リネスと彼の母国で戦います。どのような印象を持っていますか。

「とても危険な相手だよ。凄く真剣に彼のことを研究してきた。あとは階級を変えたことがどういう風に働くのか。16歳からずっと70キロで戦ってきた。実際、今でもライト級には落とせる。でも、体は大きくなり続けてきたので、筋肉まで削らないといけなくなった。階級を上げるときが来たと思ったし、僕がウェルター級で戦っていけるのか、この試合はテストになる」

――アグレッシブでラフ。リネスの攻撃は長所と短所が同居しているように感じます。

「だから僕の力を試す試合になる。彼の攻撃は、予期しない角度から襲い掛かってくる。そこが本当に危険なんだ。そして、一発で倒そうと振り回している。その一発を被弾すると、前回の試合の二の舞になりかねない。その一発を被弾しないよう、細心の注意が必要になってくるよ。

自分の戦いが如何にできるか。僕が何者かを証明する戦いになるだろうBRAVE CFで積み上げてきた経験、多くの人が知らないところで戦うことで身につけた力をワールドステージで発揮したい。ウェルター級にあげて、最高の状態にあると感じている。こんなにパワーを感じることは過去になかった。思いきり、前に出てくる相手に自分がどう戦えるのか。この試合は僕のMMAファイター人生の第二章の幕開けになる。世界中の皆に納得してもらえる戦いを見せるよ」



■視聴方法(予定)
11月12日(日・日本時間)
午前8時30分~UFC FIGHT PASS
午後12時~PPV
午前8時00分~U-NEXT

■UFC297対戦カード

<UFC世界ミドル級選手権試合/5分5R>
[王者]ショーン・ストリックランド(米国)
[挑戦者] ドリキュス・デュプレッシー(南アフリカ)

<UFC世界女子バンタム級王座決定試合/5分5R>
ラケル・ペニントン(米国)
マイラ・ドスサントス(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ニール・マグニー(米国)
マイク・マロット(カナダ)

<ミドル級/5分3R>
クリス・カーティス(米国)
マフクアンドレ・バリユー(カナダ)

<フェザー級/5分3R>
アーノルド・アレン(英国)
モフサル・エフロエフ(ロシア)

<バンタム級/5分3R>
ブラッド・カトーナ(カナダ)
ギャレット・アームフィールド(米国)

<フェザー級/5分3R>
シャルル・ジョーダン(カナダ)
ショーン・ウッドソン(米国)

<バンタム級/5分3R>
セルヒー・サイディ(カナダ)
ラモン・タヴェラス(米国)

<女子ストロー級/5分3R>
ジリアン・ロバートソン(カナダ)
ポリアナ・ヴィアナ(ブラジル)

<ウェルター級/5分3R>
ユアン・リネス(カナダ)
サム・パターソン(英国)

<女子バンタム級/5分3R>
ジャスミン・ジュスダヴィチェス(カナダ)
プリシラ・カショエイラ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
マルコム・ゴードン(カナダ)
ジミー・フリック(米国)

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お蔵入り厳禁【UFN239】3月16日にUFC2戦目。風間敏臣が話していたこと「打撃専門のジムに任せたい」

【写真】インタビューから1カ月半、また風間の話が聞きたい (C)MMAPLANET

3月16日(土・現地時間)にネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFN239:UFN on ESPN+97でチャラランポス・グリゴリユウと戦うことが報じられている風間敏臣。
Text by Manabu Takashima

(C)Zuffa/UFC

グリゴリユウはUFC唯一のキプロス人ファイター。

空手のキプロス、パンヘレニック(全ギリシャ)、欧州王者からキックボクサーとなりGLORYで戦った経験もあるストライカーで、Combat FCバンタム級王者から昨年8月のコンテンダーシリーズへ。第2週にキャメロン・スマーザーマンを60秒KOで破り、UFCとサインを果たした。風間はグリゴリユを通して、自らの課題と真っ向から向き合うUFC2戦目となった。

昨年8月の初陣は惨敗といって良い内容だった風間だが、その敗北と柔術ベースの自らのスタイルをどのように考えていたのか。MMAPLANETでは11月にWWEスーパースターの中邑真輔とシェイナ・ベイズラーの柔術公開トレーニングに参加した風間の胸中を訊いていた。お蔵入り厳禁、風間敏臣のUFCで戦っていくために下した──選択とは。


――実は8月のギャレット・アームフィールド戦の敗北以来、どのタイミングで風間選手の話を訊けば良いのか。そのような気持ちもありました。

「……(苦笑)」

──あれから3カ月、どのようにMMAと向き合ってきたのでしょうか。

「あの試合に向けて練習で創っていたのは、距離を大切にすることでした。それまでは、そういうことをしたこともなくて。でも試合が始まって……その大切にしてきた部分が、最初のジャブを貰ってから『全く距離感分かっていねぇじゃん』ってなりました。

それは試合中もそうですし、後から映像を見返しても本当にそうで。全部、ズレていました。中途半端で相手の距離にいました。やっていたことが体に沁み込んでいなかった。そう思いました」

──本音の本音をいえば、UFCと契約する前にその辺りのことを気付く経験をしている方が良かったはずです。ただし、UFCと契約できるのに契約しないなんてことはありえないわけで。その辺りにおいて、風間選手は難しいポジションにあると思っていました。

「葛藤は自分でもありました。これは誰にも言っていなかったのですが、試合が終わってから大沢(ケンジHEARTS代表)さんが部屋に来てくれた時に凄く無力感を感じて、『もう無理だよ』って言いそうになって。試合後は、それぐらいの気持ちでした。目も見えていないし、もう無理だよって。本当にそう口から出そうになっていました(苦笑)。

でも、なんというのか……正直、現状のままだとただ体を壊すだけだと自分でも分かっています。試合が終わってからも、ずっと考えてきました。やるとなった時、UFCで戦うとなった時──実際に今、僕が置かれている場がUFCで。自分は結構、流れを大切にしていて。今、置かれている場がUFCなら、その場でやらないといけないと思って。

日本に戻って来てからも自分一人で考えて……。その時にもケガを治し次戦までにUFCレベルに底上げしないと、ホントに体が壊れていくと思いました。一方的に倒されて終わる……と。今でも不安……不安よりも焦りですね。焦る気持ちはずっとあります」

──契約した時にも、『早い』という空気があり、跳ね返そうと努力してきたかと思います。そして初戦の敗北で突きつけられた現実を見て、練習環境など変えてきた部分はありますか。

「柔術……得意な部分を捨ててでも、苦手な部分を克服しないとあの舞台では勝負できない──と思っています。そこに向けて、少しずつではあるけど生活を変えています」

──海外の練習も経験しましたが、現状はどこに基盤を置こうと思っていますか。

「今は国内で十分です。そのことについては良く言う人も、そうでない人もいますが、打撃専門のジムに自分の打撃を任せたいと思っています。得意な部分をゼロにしても良いので、そこで打撃をやりこもうと。言っちゃえば、これで変われるのか・変われないのかで、自分の今後が決まってきます。だから、そこで打撃の成長の細部を任せるつもりです」

──風間選手には今も言われたように柔術という絶対的な武器がある。だからこそ、MMAの打撃云々以前に組み技がない打撃を身に着けることは凄く理に適っているように思います。

「そうッスね。それこそ、自分もキックのジムで打撃だけをやると話すとMMAの打撃をやれば良いという意見は出てきます。でも自分は納得できなくて。だから、自分の納得できる方法で、どういう風に未来を切り開くことができるのか。それは自分でも楽しみなことでもあります。自分がどうなるのか、自分で見ていきたい」

──その打撃練習は始めたのでしょうか。

「ハイ。ただ、まだ前回の負傷した箇所が完全でなくて、対人で当てることはできないですけど。体のこともあるし、次の試合まで少しは空くかと思いますが、その間にしっかりと創ります。ホント、次で魅せたいと思います」

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MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN52 ギャレット・アームフィールド 風間敏臣

【UFC ESPN52】風間はアームフィールドの右→追撃パウンドでTKO負け――オクタゴン初戦を勝利で飾れず

【写真】アームフィールドは徹底的なスタンド勝負。これも風間の寝技を警戒しての作戦か……(C)MMAPLANET

<バンタム級/5分3R>
ギャレット・アームフィールド(米国)
Def.1R4分16秒 by TKO
風間敏臣(日本)

アームフィールドが低い体勢で距離を詰め、風間にワンツーを浴びせる。風間も蹴りを返したが、そこにアームフィールドが右ストレートを合わせた。アームフィールドの右ストレートが風間の顔面を捕らえる。さらに連打を受けた風間が下がった。風間はダブルレッグで飛び込むもスプロールされてしまう。両者の右スイングが交錯したあと、アームフィールドが左ヒジで飛び込んだ。ケージ中央に戻った風間はシングルレッグへ。これを切ったアームフィールドは右クロスを浴びせる。

風間の左ジャブに対し、インサイドから右を打ち込むアームフィールド。風間の右ストレートがアームフィールドの顔面をかすめた。しかしアームフィールドが風間にケージを背負わせ、右ボディストレートを突き刺す。さらに左を効かせてダウンを奪ったアームフィールドが連打を浴びせる。亀になった風間が、アームフィールドの足を狙うも取ることはできず。立ち上がったアームフィールドがスタンドを要求し、レフェリーもブレイクをかけた。

スタンドに戻ると、アームフィールドのパンチを受けた風間が下がってしまう。出血が見られる風間の顔面にアームフィールドの右ストレートが決まり、風間はダウン。アームフィールドが追撃の右パウンドを浴びせると、レフェリーが割って入った。風間はストップに不満げな表情で立ち上がったが、ストップは致し方なかった。


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JJ・オルドリッチ MMA MMAPLANET o UFC UFC ESPN52 アレックス・カサレス アンソニー・スミス ギャレット・アームフィールド ジュニオール・タファ ジョン・チャンソン ソン・ケナン タイラ・サントス チェ・スンウ チディ・ンジョグアニ パーカー・ポーター ビリー・ゴフ ファーニー・ガルシア マックス・ホロウェイ ヤルノ・エレンズ ワルド・コルテスアコスタ 中村倫也 佐藤天 木下憂朔 河名マスト 風間敏臣

【UFC ESPN52】中村倫也、Tシャツを脱ぎ忘れる……。「さぁ、おっぱじめようぜ」(ホロウェイ)

【写真】何か意味があったのかと思われた中村倫也初の公開計量with Tシャツ―― (C)MMAPLANET

25日(金・現時間)にシンガポールはカランのシンガポール・インドアスタジアムで明日26日(土・同)に開催されるUFC on ESPN52「Holloway vs The Korean Zombie」のセレモニアル計量&フェイスオフが行なわれた。
Text by Manabu Takashima

中村倫也と風間敏臣のデビュー戦&木下憂朔のオクタゴン2戦目が組まれた今大会。シンガポールの熱心なファン、そして韓国系のファンの声援が会場内で多く聞かれた。


そんななか日本人の先陣を切り、佐藤天を帯同してステージに登壇した木下。

満面の笑みを浮かべて計量台の上で両手を広げると、フェイスオフでもビリー・ゴフを相手にゴンタ顔の笑顔を見せた。

木下とは対照的に厳しい表情でステージに現れた風間は、向き合ったギャレット・アームフィールドが叫び声を挙げると、さらに険しい顔に変わり――なんと額をぶつけるという行動に出る。ここまでのケンカ腰の風間は過去に見たことはない。

額をぶつける行為は褒められたものではないが、オクラゴンで何をする必要があるのが伝わってくる風間だった。

風間と同じく初めての公開計量に中村は目を輝かせ、会場を見上げるように姿を見せる。と――Tシャツを着たままスケールに乗り、フェイスオフになるとようやく脱いでファーニー・ガルシアと向き合った。

なぜ中村はTシャツを着たままだったのか。「何かハワイに対して、思うところがあったのかもしれないです。そういうところがあるので……分からないですけど」とは盟友・河名マストの弁。ただし、本人に確認すると「脱ぎ忘れましたっ!!」とのことだった。

会場一番人気のコリアンゾンビことジョン・チャンソンはマックス・ホロウェイとのフェイスオフを終えると、「たくさんの韓国人ファンの姿が見えた。コリアンゾンビの初めてのシンガポールでの試合を見に来てくれて感謝している。ホロウェイとハワイの人々の身に起こった惨事が、ここまでだと知らなくて申し訳ないと思っている。でもこのスポーツのパワーは、ハワイが立ち上がることを助けられると思っている」と話すと、ホロウェイは「シンガポールに戻ってこられて、アジアのレジェンドと戦えることは素晴らしいよ。今は何かをいうより、ファイトをするだけ。ラハイナの皆のため、アジアのために――さぁ、おっぱじめようぜ!!」と颯爽とした言葉を残した。

■視聴方法(予定)
8月26日(土・日本時間)
午後6時~UFC FIGHT PASS
午後5時30分~U-NEXT

■UFC ESPN52計量結果

<フェザー級/5分5R>
マックス・ホロウェイ: 146ポンド(66.22キロ)
ジョン・チャンソン: 146ポンド(66.22キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
アンソニー・スミス: 205.5ポンド(93.21キロ)
ライアン・スパーン: 205ポンド(92.99キロ)

<フェザー級/5分3R>
ギガ・チガゼ: 146ポンド(66.22キロ)
アレックス・カサレス: 145.5ポンド(66.0キロ)

<バンタム級/5分3R>
中村倫也: 135ポンド(61.24キロ)
ファーニー・ガルシア: 135.5ポンド(61.46キロ)

<女子フライ級/5分3R>
エリン・ブランクフィールド: 125.5ポンド(56.92キロ)
タイラ・サントス: 124.5ポンド(56.47キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ジュニオール・タファ: 255.5ポンド(115.89キロ)
パーカー・ポーター: 256ポンド(116.11キロ)

<ヘビー級/5分3R>
ワルド・コルテスアコスタ: 264 ポンド(119.74キロ)
ウーカシュ・プジェスキ: 265 ポンド(120.2キロ)

<バンタム級/5分3R>
風間敏臣: 135ポンド(61.24キロ)
ギャレット・アームフィールド: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ミドル級/5分3R>
チディ・ンジョグアニ: 185.5ポンド(84.14キロ)
ミハウ・オレキシェイジュク: 186ポンド(84.37キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ソン・ケナン: 170ポンド(77.11キロ)
ロランド・ベドヤ: 170.5ポンド(77.34キロ)

<ウェルター級/5分3R>
木下憂朔: 170.5ポンド(77.34キロ)
ビリー・ゴフ: 170ポンド(77.11キロ)

<女子フライ級/5分3R>
リャン・ナ: 126ポンド(57.15キロ)
JJ・オルドリッチ: 126ポンド(57.15キロ)

<フェザー級/5分3R>
チェ・スンウ: 146ポンド(66.22キロ)
ヤルノ・エレンズ: 145ポンド(65.77キロ)

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