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【RIZIN LANDMARK10】フライ級がヤバい!! 伊藤裕樹戦へ、イ・ジョンヒョン「自分にとって丁度良い獲物」

【写真】伊藤の情報を入手しまくり。パチンコネタで計量を盛り上げた(C)SHOJIRO KAMEIKE

RIZINフライ級戦線が熱い。豊富な日本勢に加え、海外勢の来日が増えている。明日17日(日)に名古屋市港区のポートメッセなごやで開催されるRIZIN LANDMARK10にイ・ジョンヒョン、アリベク・ガジャマトフ、そしてトニー・ララミーが来日する。
Text by Manabu Takashima

ダゲスタンのガジャマトフ、カナダのララミーに続き、今回は韓国のイ・ジョンヒョンのインタビューを掲載したい。コロナ禍のK-MMAが生んだ新鋭は、3分✖3Rで寝技限定という速攻型&打撃重視のMMA=ARCで4連勝を飾り、ROAD FCにステップアップを果たす。ここでも3連勝、2試合がKO勝ちというレコードを築き、19歳の若者は自らを「天才」と呼ぶようになっていた。

しかし、Road to UFCでは初戦でマーク・クリマコに敗れ、母国での再起後は今年4月にRIZINに初来日をしたものの神龍誠にキャリア初の一本負けを喫した。この2つの敗戦で自らの力不足を実感したイ・ジョンヒョンだが、今回の伊藤祐樹戦には絶対の自信を見せ、ビッグマウスも復活している。

その自信の裏には、チームAOMのイ・ユンジュン監督の気持ちを削り続ける猛トレーニングが存在した。


──RIZIN LANDMARK10で伊藤祐樹選手と対戦するイ・ジョンヒョン選手です。MMAPLANETには今から2年半前に初めてインタビューをさせて以来の登場となります。当時は戦績7勝0敗でまさに怖いモノ無し状態でしたが、昨年のRoad to UFCで初めて挫折を味わいました。Road to UFCの経験は如何に生きていますか。

「あの負けは、しばらくはトラウマになっていましたね……。デビューから無敗で……ずっと勝っていたので、心が折れて。格闘技を辞めようかと思い詰めるような状況に陥っていました。

でも、せっかく始めた格闘技です。初心に返るということではないですが、やっぱり自分は格闘技が好きですし、自然とやりなおそうと思えるようになりました。同時にあの敗北から、自分はまだまだ十分でないことを学びました。誰にも負けない自信を持っていたのですが、経験、スタミナ、パワーと足らないところだらけでした。だからこそ、もっと頑張ろうと思えるようになれました」

──その後Road FCで一度戦って、今年の4月にRIZINに初来日を果たしましたね。それこそ前回のインタビュー時に那須川天心選手と戦いという発言も聞かれました。

「Road to UFCを選んだということではなくて、オファーがRIZINより早かったから出場しました。日本のMMAには強い選手が多いですし、RIZINで自分の力を見せたいと思ってRIZINで戦うことを決めました」

──そして強い日本人、神龍誠選手に敗れました。

「十分に勝てると思っていました。結果的にRoad to UFCの時と同じですが、自分はまだまだ不足しているところが多いと勉強させてもらいました。RIZINという大舞台、そしてリングで戦うことも初めてだったので、経験不足を感じましたね」

──テイクダウンのある相手に、自分の打撃ができない。マーク・クリマコ戦、神龍誠戦はそのように見えました。これらの敗北を経て、レスリングに力を入れるなどトレーニングに変化はありましたか。

「正直、Road to UFCの時に相手選手の戦い方が怖いと感じていました。チームも移ったばかりで慣れないことが多く対処しきれていなかったですし、レスリングが強いことを意識過ぎて、持ち味である打撃の威力が半減してしまっていました。それ以前に、自分のファイトスタイルは完成度が低かったです。ただ、神龍戦以降の練習で打撃の感覚も取り戻し、レスリングは攻めも防御も成長したので今回の試合は大丈夫です」

──以前はフリーで活動していましたが、Road to UFCの時は特定のジムに所属していたのですね。

「2年前は確かにフリーでした。今はイ・ユンジュン監督のチームAOM(Art of MMA)で練習しています。金曜日のプロ練習にはキム・スーチョル選手のような王者クラスの選手や、外国人選手も来ているので良い練習ができています。

フリーで出稽古をしていた時も、自分では頑張っているつもりでした。でも、結果的に追い込めていなかったことは多々あると思います。今はイ・ユンジュン監督から、しっかりとプロの一流選手と同じだけの練習を課されています。力を抜くことなど一切できない。もの凄く追い込まれています。その結果、ようやくMMAが少しだけ分かってきたような気がします」

──イ・ユンジュン監督はキム・スーチョル選手によると「メチャクチャ、追い込まれる」という話ですが、相当に厳しい指導者なのでしょうか。

「いや、スーチョルさんより自分の方がもっと鍛えられていますよ(笑)。スーチョルさんは体力面、自分は精神面で鍛えられてきました。試合は5分✖3Rです。でも、イ・ユンジュン監督は僕らに5分✖3Rのスパーリングを3本やらせてから、6分✖3Rのスパーをするように命じています。その間、相手は5人も入れ替わるんです。

そんなスパーを週に2度……続けていると、本当に気が狂いそうになります。結果、スタミナもメンタルもメチャクチャ強くなりました。なのでイ・ユンジュン監督には感謝しています。

試合まで3週間残っていますが(※取材は10月24日に行われた)、試合の心配だけでなく……明日も6分✖3Rのスパーリングの日なので……もう、そっちの方に気持ちがいってしまって憂鬱でしょうがないです(苦笑)」

──それだけ厳しい練習を繰り返していると、2年前のインタビュー時とは違う自信を手にできているのではないでしょうか。

「自分はRoad to UFCでも、神龍戦でも結果を残せなかったです。もうRIZINで戦う機会は与えられないかもしれないと思っていました。だから、伊藤選手との試合は自分のMMAファイター人生で本当に大切な試合になります。緊張感を持って、戦うことができるはずです。

伊藤選手はストライカーです。でも自分の打撃は以前より、ずっと成長しているので必ずKOします。それに次の試合はケージなので、伊藤選手に本当のMMAを教えてやります」

──その打撃ですが、イ・ジョンヒョン選手はスイッチヒッターで伊藤選手はサウスポーです。

「サウスポーは苦ではないです。打撃で、伊藤選手を圧倒できると思います。伊藤選手はRIZINの中ではストライカーで通っていますが、自分にとっては丁度良い獲物になりますね」

──サウスポーと対戦する時に、相手の前足の外に立って中心軸をキープしたいかと思います。つまりスイッチをすると、その中心軸が変わって来るので、逆に中心を取られることもあるかと思います。そうならないように構えだけでなく、スイッチすると位置取りも変えていますが、そこは自然に動けているのか、意識して動いているのでしょうか。

「無意識ですね。自分は背も低いですし、リーチも短いです。なので距離を詰めて、自分も相手のパンチを被弾する距離で戦います。なので、それだけ動かないといけない。動くから、あの距離で戦うことが可能になるんです」

──押忍。ではインタビュー時間が無くなってきました。最後に日本のファンにどのような試合が見せたいか。教えてください。

「神龍戦の後、組み技の克服に努めてきました。ただ、伊藤選手との試合はその必要がなかったと思うほど、伊藤選手は寝技が下手です。今回はケージですし、ベストバウトを戦うつもりでいます。2025年にRIZINでフライ級GPがあるならぜひとも参戦したいですし、キックでもシン・ジョンミン選手を破った那須川龍心選手と戦いたいと思っています。驚くほど沢山、応援してくれる日本のファンの皆さんに感謝しています」

■視聴方法(予定)
11月17日(日)
午後1時00分~ABEMA、U-NEXT、RIZIN100CLUB、スカパー!、RIZIN LIVE

■ 対戦カード

<フェザー級/5分3R>
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)
摩嶋一整(日本)

<バンタム級/5分3R>
昇侍(日本)
芦澤竜誠(日本)

<女子スーパーアトム級/5分3R>
浜崎朱加(日本)
シン・ユリ(韓国)

<ライトヘビー級/5分3R>
イゴール・タナベ(ブラジル)
マルコス・ヨシオ・ソウザ(ブラジル)

<フライ級/5分3R>
伊藤裕樹(日本)
イ・ジョンヒョン(韓国)

<フライ級/5分3R>
柴田“MONKEY”有哉(日本)
ヒロヤ(日本)

<フライ級/5分3R>
村元友太郎(日本)
トニー・ララミー(カナダ)

<フライ級/5分3R>
北方大地(日本)
アリベク・ガジャマトフ(ロシア)

<バンタム/5分3R>
アラン“ヒロ”ヤマニハ(ブラジル)
山本聖悟(日本)

<ヘビー級/5分3R>
スダリオ剛(日本)
加藤久輝(日本)

<バンタム級/5分3R>
白川ダーク陸斗(日本)
マゲラム・ガサンザデ(アゼルバイジャン)

<ライト級/3分3R>
キム・ギョンピョ(韓国)
倉本大悟(日本)

<フェザー級/5分3R>
鈴木博昭(日本)
秋元強真(日本)

<バンタム級/5分2R>
窪田泰斗(日本)
日比野“エビ中”純也(日本)

<ヘビー級/5分2R>
稲田将(日本)
佐々木克義(日本)

<フェザー級/5分2R>
TATSUMI(日本)
平松翔(日本)

<キックボクシング55キロ契約/3分3R>
としぞう(日本)
JIN(日本)

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45 MMA MMAPLANET o other MMA RIZIN48 キム・スーチョル ブログ 井上直樹

【RIZIN48】新バンタム級チャンプ井上直樹「ノンタイトル戦でも海外の強い選手とやることには意味がある」

【写真】やはり強い外国人選手と、日本のトップの対決がRIZINの売りになってほしい (C)RIZIN FF

9月29日(日)に、さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで開催されたRIZIN48で、井上直樹がキム・スーチョルにTKO勝利し、第7代RIZINバンタム級王座に就いた。
text by Takumi Nakamura

朝倉海の王座返上による空位となったRIZINバンタム級王座をかけてスーチョルと対戦した井上。VS日本人無敗のスーチョルに対し、井上はリーチを活かしたジャブでペースを掴み、鋭いワンツーでダウンを奪うと、最後はスタンドの状態でパンチを入れ続け、レフェリーストップを呼び込んだ。

井上がセコンド陣と共に練り上げたスーチョル攻略法、試合に向けたコンディション作りも含めて、井上にスーチョル戦を振り返ってもらった。


――井上選手にとってRIZINのベルトがキャリア初のベルトとなりました。周りのみなさんの反応・反響はいかがですか。

「ベルトが手元にあって、しっかり自分がチャンピオンだということが分かって、みんなすごく喜んでいましたね。みんな僕を信じてチャンピオンになってくれると思っていたと言ってくれて、自分も嬉しい気持ちです」

――チャンピオンという肩書を手に入れたことを井上選手自身はどう感じていますか。

「ベルトを巻いた瞬間は嬉しかったし、応援してくれている人たちに挨拶に行って、ベルトを見せて喜んでもらっている時もうれしいです。ただ僕が目指しているところはここじゃないというか、まだまだ強い選手はたくさんいると思うんで、むしろここからもっと頑張っていかないといけないなという気持ちですね」

――試合も振り返っていただきたいのですが、改めてスーチョル戦は井上選手にとってどんな試合でしたか。

「あの日は自分の日だったかなと思いますね。試合当日の調子が良くて、いつもより動ける感じがあったんです」

――それは気持ち的に乗っていたということなのか、それともトレーニングや調整面で変えたことがあったのですか。

「なんか……………調子が良かったんですよ(笑)。強いて言うなら、いつもより疲れが抜けていたのかなと思います」

――それは体のケアに時間をかけるようになったのですか。

「体のケアを増やしたのもそうなんですけど、結構休みを多く取ったりとか、試合前でも動きたいところは動くけど、しっかり休むというのは意識していました。そのおかけで試合までに、ちゃんと疲れが抜けて体が軽かったです。リングに上がったときになんか今日は体が軽いなと思って、2回ぐらい飛び跳ねてみたんですけど、その感じも『今日は調子が良いな!』と思えました」

――井上選手は試合前まで追い込んでいないと不安になるタイプなのですか。

「今までは1週間前ぐらいまでしっかり動いて、そこから調整という感じだったんですけど、今回は2週間前ぐらいからじっくり調整していて、すごく動きが良かったです」

――周りからそういうアドバイスをされたのですか。

「自分はできるだけいつものルーティーンを崩したくないので、周りから休んだ方がいいと言われても、じゃあ休もうとは思えなかったんです。でも今回はセコンドからも(休んだ方がいいと)言われて、しっかり休みを取ったことで、試合までに疲れが抜けたというのもあると思います」

――しっかりとした理由があってよかったです(笑)。それでは試合展開についても聞かせてください。セコンドの水垣偉弥さんは試合序盤は距離が近いと思ったそうですが、井上選手はどう感じていましたか。

「試合に入った時はそこまで近くはなかったんですけど、こっちの攻撃が当たり始めてから、だんだん近くになっているなという感覚がありました。でもそこはセコンドの指示もあり、ジャブを当ててというところから、ちょっとずつ距離を修正していきました。もしセコンドの声がなかったら、どんどんどんどんガツガツ前に出ていたかもしれないです」

――試合の流れを決めたのは井上選手の左ジャブでした。スーチョル戦が決まった時点で、ジャブでいこうと決めていたのですか。

「スーチョルに対しては、最初の第一歩の攻撃としてジャブが有効だと思っていました。この試合に向けて水垣さんや安田(けん)さんたちと一緒に(ジャブを)作り上げて、試合でもジャブで自分の距離に持っていけたというのはありますね。だから試合運びはすごく順調でした」

――左のジャブは結構細かく打ち分けていたそうですね。

「目を狙ったり、アゴを狙ったり、あとは長いジャブ、それをフェイントにした左のショートフック…色々とパターンを分けてやっていました」

――ロープ際での右ストレートでダウンを取りましたが、その前の左フックが効いていましたよね。

「そうですね。あの左フックが入ってスーチョルが下がって、そこにワンツーを当ててダウンを奪った感じです。実はその前にもショートフックが入っていて、その時にスーチョルの動きが止まったのが分かったんです。それでショートフックは有効だなと思って、ジャブとフックの打ち分けを思いつきました」

――これも水垣さんが言っていたのですが、水垣さんを仮想スーチョルにして左フックを練習していた、と。

「水垣さんがスーチョルっぽくなってくれましたね。めちゃめちゃパンチを振って前に出て。練習では試合で当てたショートフックのようなシチュエーションもやっていたので、そこは水垣さんのおかげですね。ありがとうございます(笑)」

――フィニッシュに行くまでの流れは練習していたり、想定していた動きがそのまま出た感じですか。

「練習でやったことがそのまま試合に出て、それがハマったので練習でやった通りだなと。他にも色々とパターンはあったのですが、最初にそれ(ジャブから組み立てる)がハマったという感じです。スーチョルは本当に強い選手であるんですけど、そういう意味では楽に戦えました」

――ダウンを奪った右ストレートは手応えがありましたか。

「手応えはそんなになかったんですけど(腰が)落ちたなと思って。ここは攻める時かなと思って一気に攻めました」

――そこからパウンドアウトする流れですが、ポジション的にはバックを取ってRNCにいくよりも殴った方がフィニッシュに繋がるという判断だったのですか。

「あの時はロープ際でバックについてRNCを狙って、ロープに身体が引っかかったりするのがイヤだなと思いました。あとはまだスーチョルの目も割と生きていたし、ディフェンスもしていたので、今は脳を揺らす時だと思って、パウンドに切り替えました」

――こうしてお話を聞いていると、試合を通して冷静に戦えていたようですね。

「はい。焦らずに冷静にできたと思います」

――もちろんスーチョル選手に勝つつもりで戦ったと思いますが、ゲームプランを遂行して勝ちきったことは自信になりましたか。

「やっぱりスーチョル選手のように実績もある強い選手とやって勝つことに意味があるので、そこはもちろん自信になりましたし、これからどんどん強い選手と戦っていくと思うので、またモチベーションが上がってきています」

――さて試合後は大晦日に試合をしたいというマイクアピールがありました。今後はチャンピオンとして、どんな相手と戦っていきたいですか。

「強い選手とやっていきたいというのももちろんですし、今すごく調子がいいので、このタイミングで試合をしたいというのもあります。今の自分がどこまでできるのかも含めて、試合間隔はそんなに空けたくないですね。できることなら年末年始はゆっくりしたいですが(笑)、大晦日はたくさんの人が見てくれる大会なので、そこに出て自分が勝っている姿をみんなに見せたいです」

――同じ大会で太田忍選手に勝利した元谷友貴選手がタイトル挑戦をアピールしていますが、そこは意識していますか。

「元谷選手とやったのは結構前で、元谷選手ももちろん強くなっていると思いますし、前回とは違う展開になると思います。今バンタム級で勝っていて、トップにいるのは元谷選手だと思うので、やる可能性もあると思います。あとは海外の選手と戦えるなら、海外の選手ともやりたいです」

――✖外国人選手で言うと、井上選手はRIZINでスーチョル、トレント・ガーダム、フアン・アルチュレタの3選手としか対戦していないんですよね。それが少し意外でした。

「そうなんですよ。2020年2月にトレント・ガーダムとやってからはコロナの影響で日本人選手と試合が続いて、コロナが落ち着いてからはアルチュレタ選手とも出来たし、今回はスーチョル選手と出来て、これからどんどん強い外国人選手も出てくると思うんで、そういう相手としっかりやっていきたいと思います」

――日本人のトップ選手とはある程度対戦したと思うので、ここからは外国人選手と戦う機会も増えそうですね。

「仮に防衛戦じゃなくてノンタイトル戦でも海外の強い選手とやることには意味があると思うんで、やっていきたいです」

――井上選手がUFCに出ていた時期は20~21歳、戦績も9~10戦目で、キャリア的にはかなり初期だったと思います。今またRIZINでキャリアを作り直してベルトも巻き。ここから世界でも評価された選手や強いと言われている選手たちに挑戦していきたいという思いはありますか。

「はい。今でもその想いはありますし、自分が負けた相手のこともチェックしています。やっぱり挑戦を続けないとファイターじゃないと思うので、これからも挑戦していきたいです」

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45 MMA MMAPLANET o RIZIN ROAD FC Road FC70 キック キム・スーチョル キム・ヒョンウ コシェン・アカノフ ヤン・ジヨン 井上直樹

【Road FC70】総合力で勝るスーチョルが判定でヒョンウを撃破。63キロT決勝はジヨンと韓国対決

【写真】RIZINで井上直樹に敗れてから、わずか1カ月後——スーチョルが、これだけ顔面が腫れ上がるタフファイトを展開した(C)ROAD FC

<Road FC グローバル63キロT準決勝/5分3R>
キム・スーチョル(韓国)
Def.3-0
キム・ヒョンウ(韓国)

もう一つの準決勝=ヤン・ジヨン×コシェン・アカノフはアカノフが計量オーバーしたため、ジヨンが決勝進出。この試合の勝者がジヨンと決勝を争う形となる。

お互いにジャブのフェイントを見せてスーチョルが右フック、ヒョンウもワンツーを返す。スーチョルはジャブと右カーフ、ヒョンウは距離が詰まると左ボディから顔面への左フックにつなげる。

スーチョルが再び右カーフを蹴ると、ヒョンウは右ボディストレートを返す。スーチョルはダブルレッグでテイクダウンも狙いつつ、パンチのコンビネーションから左ミドルを蹴る。

ヒョンウが右アッパーからパンチをまとめるも、スーチョルはそれをしっかりブロックし、シングルレックからテイクダウンを奪う。ヒョンウがケージに体を預けて立ち上がろうとすると、スーチョルはボディにヒザ蹴りを突き刺す。

ここはヒョンウが立ち上がり、右ストレートから左フック。スーチョルはガードを上げて右カーフを蹴る。ヒョンウはスーチョルの左ミドルををとってパンチをまとめ、左ボディまでつなげる。スーチョルもヒョンウの左ミドルに左フックを合わせ、尻餅をついたヒョンウだが、すぐに立ち上がる。

ヒョンウは右ストレートから左ボディ。スーチョルも左フックで飛び込み、構えをスイッチして左ミドル。テイクダウンも見せつつ、ヒザ蹴りを突き刺す。ヒョンウはパワフルなパンチの連打で前に出てハイキックまでつなげる。

2R、スーチョルが左の蹴りのフェインから前に出る。ヒョンウはそこにパンチを狙う。スーチョルはシングルレッグで組みつくと、ヒョンウは足を持たれたままパンチを入れる。ここでスーチョルはニータップの切り替えてテイクダウンする。

スーチョルが立ち上がるとヒョンウは下から蹴り上げ。スーチョルはインサイドガードに収まって、細かいパンチを入れる。ヒョンウはケージに体を預けて立ち上がり、試合はスタンドに戻る。

両者の右ストレートが交錯し、ス―チョルはそこから左ボディにつなげて左ミドル。前に出るヒョンウも左ボディからヒザ蹴りを突き刺して、スーチョルの動きを止める。

さらにヒョンウはパンチから右ハイ。スーチョルのダブルレッグを切るが、四つで組んだスーチョルは大内刈りでテイクダウンし、パンチを落とす。ヒョンウが足関節を狙ったところでラウンド終了となった。

3R、ヒョンウがジャブを突いて前進。スーチョルはシングルレッグからテイクダウンを奪う。ヒョンウは尻餅をついてケージに背中を預けて立ち上がり、逆にスーチョルをケージに押し込んで離れる。

試合がスタンドに戻るとヒョンウが右ストレートから左ボディ。スーチョルはインローと左ミドルを蹴る。ヒョンウがオーソドックスにスイッチしてインローを蹴ると、スーチョルがそれをキャッチしてテイクダウン、立ち上がろうとするヒョンウのバックにつく。

スーチョルはヒョンウをバックコントロールし、亀にさせてパンチを入れる。そして両足をフックしてバックマウントをとってパンチを落とす。ここから腕十字も狙いつつ、再びバックマウントに戻り、バックキープから細かくパンチを入れる。

このまま試合終了となり、テイクダウンとグラウンドコントロールで差をつけたスーチョルがヒョンウを判定で下した。試合後は決勝進出が決まっているジヨンがケージに上がり、スーチョルとフェイスオフで向き合った。


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45 MMA MMAPLANET o RIZIN RIZIN48 キム・スーチョル 井上直樹

【RIZIN48】井上直樹が日本人無敗のスーチョルを撃破!TKO勝利で新バンタム級王座に就く

<RIZINバンタム級王座決定戦/5分3R>
井上直樹(日本)
Def.1R3分55秒 by TKO
キム・スーチョル(韓国)

スーチョルが右ローと左ミドル、井上は細かくステップしてジャブを突く。スーチョルがスイッチすると、井上が左フックを狙う。井上がジャブを突くと、スーチョルは右を振って前に出ていく。井上はサークリングしながら右カーフ、ジャブからワンツー。スーチョルは井上のジャブに右をかぶせて前に出る。

井上は変わらずジャブを当て、スーチョルは右カーフを返す。スーチョルは左右のロー、左フックから飛び込んで、左ミドルまでつなげる。井上もジャブを返して右ストレート、右のヒザ蹴りで譲らない。前に出るスーチョルに対し、井上がカウンターの左フックを合わせ、これでスーチョルの足が止まる。

ここから井上が前に出てワンツー、この右でスーチョルが前方に崩れ落ちる、井上はそのままバックについてパンチを連打。スーチョルがロープの外に体が出るが、そのまま殴り続けてレフェリーが試合をストップ。井上がVS日本人無敗のスーチョルを下し、新RIZINバンタム級王座に就いた。

キャリア初のベルトを巻いた井上は「ベルトを獲りました。実績もあるし、ずっと勝ってきた選手なのでリスペクトがあります。ありがとうございました。ベルトを獲ったんで、大晦日に防衛戦やりたいですね。また●△※×■でお会いしましょう………また会見でお会いしましょう(笑)」と締めた。


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RIZIN.48」が9月29日(日)にさいたまスーパーアリーナにて開催決定!

2つの王座戦でRIZIN”新章”が開幕。

ライト級王者で柔術スパーエリートのホベルト・サトシ・ソウザに挑むのは、
現在4連勝中で勢いの乗るルイス・グスタボ。悲願のベルト奪取は叶うのか。

そしてバンタム級新王者決定戦では「天才と呼ばれ続けたエンジェル」こと井上直樹と、韓国出身で対日本人10勝無敗の戦績を誇る「ゾンビ」ことキム・スーチョルが激突!日韓対決を制するのは果たしてどちらなのか。

その他、リベンジに燃える悪童こと萩原京平、今回で現役を引退を決意した浅倉カンナ、前戦では苦杯を喫した元谷を相手に再戦に挑む太田忍、朝倉未来の弟子として「格闘代理戦争」でアラン“ヒロ”ヤマニハに快勝した秋元強真など豪華選手が一挙に集結!

最強戦線、RIZINの新たな門出を、その目に焼き付けよう。

▼対戦カード
メインイベント
ライト級タイトルマッチ
RIZIN MMAルール:5分3R(71.0kg)
ホベルト・サトシ・ソウザ vs. ルイス・グスタボ

第10試合
バンタム級タイトルマッチ
RIZIN MMAルール:5分3R(61.0kg)
井上直樹 vs. キム・スーチョル

第9試合
RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg)
元谷友貴 vs. 太田忍

第8試合
RIZIN MMAルール:5分3R(66.0kg)
フアン・アーチュレッタ vs. ラジャブアリ・シェイドゥラエフ

第7試合
RIZIN MMAルール:5分3R(49.0kg)
伊澤星花 vs. 浅倉カンナ

第6試合
RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg)
牛久絢太郎 vs. 佐藤将光

第5試合
RIZIN MMAルール:5分 3R(71.0kg)
矢地祐介 vs. 宇佐美正パトリック

第4試合
RIZIN MMAルール:5分3R(66.0kg)
萩原京平 vs. 高木凌

第3試合
RIZIN MMAルール:5分 3R(61.0kg)
金太郎 vs. 秋元強真

第2試合
RIZIN MMAルール:5分 3R(57.0kg)
新井丈 vs. エンカジムーロ・ズールー

第1試合
RIZIN MMAルール:5分 3R(66.0kg)
カルシャガ・ダウトベック vs. 木下カラテ

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【RIZIN.48】アーチュレッタ、“盟友”朝倉海とのコンタクト&クレベル戦でのケガの状況を明かす “強敵”シェイドゥラエフ戦に意気込み 『RIZIN.48』試合前インタビュー

9月29日開催の『Yogibo presents RIZIN.48』(さいたまスーパーアリーナ)の試合前インタビューが27日に都内で行われた。

■『Yogibo presents RIZIN.48』対戦カード
第11試合/ホベルト・サトシ・ソウザ vs. ルイス・グスタボ
第10試合/井上直樹 vs. キム・スーチョル
第9試合/元谷友貴 vs. 太田忍
第8試合/フアン・アーチュレッタ vs. ラジャブアリ・シェイドゥラエフ
第7試合/伊澤星花 vs. 浅倉カンナ
第6試合/牛久絢太郎 vs. 佐藤将光
第5試合/矢地祐介 vs. 宇佐美正パトリック
第4試合/萩原京平 vs. 高木凌
第3試合/金太郎 vs. 秋元強真
第2試合/新井丈 vs. エンカジムーロ・ズールー
第1試合/カルシャガ・ダウトベック vs. 木下カラテ

#アーチュレッタ #シェイドゥラエフ #RIZIN48 #RIZIN #朝倉海

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【RIZIN48】キム・スーチョル解剖─02─最強の兄弟子イ・ユンジュン「スーチョルが負ける可能性は…」

【写真】病に倒れ、僅かキャリア13戦11勝2敗で引退を強いられたイ・ユンジュンはスーチョルのまさにブレインだ(C)MMAPLANET

29日(日)、埼玉県のさいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN48で、キム・スーチョルが井上直樹とRIZINバンタム級王座決定戦を戦う。
Text by Manabu Takashima

RIZINを舞台にその実力を日本のファンに見せつけるスーチョルだが、彼にはイ・ユンジュンという欠かせない兄弟子が存在している。元Road FCバンタム級王者イ・ユンジュンは、KTTからコリアンゾンビMMAを経てRoad Gym Wonju=Team Forceに合流し、若き日のスーチョルと切磋琢磨しあった。

技術的には明らかにスーチョルより優れていたユンジュン。病により絶頂期を迎える前に現役生活から身を引くことになった悲運はファイターは、スーチョルのRIZIN及びRoad FCでの躍進に欠かせないキーパーソンであることは間違いない。

MMAPPLANETではこの兄弟子を現地取材──キム・スーチョル徹底解剖第2弾イ・ユンジュン編をお伝えしたい。


──個人的にイ・ユンジュンこそK-MMA史上、一番のウェルラウンダーだったと思っています。同じバンタム級にはキム・スーチョルがおり、スーチョルはユンジュンと比べる荒くて勢いのある選手でした。そんなスーチョルのことをユンジュンはいつ頃から知っていたのでしょうか。

「もともと2人ともウォンジュ出身なので高校生の時から知っていました。違うジムだったのですが、キム・スーチョルというもの凄く強い子がいるということを聞いていました」

──4歳年下のスーチョルのことを高校生の時から知っていたのですね。

「ハイ、その頃から知っていましたね。彼がジョン・ムンホン代表の下で練習をしていて、自分はゴンクウォンユスル(空拳柔術)を習っていた頃ですね」

──デビューの年も同じですが、ユンジュンがKTTから独立したジョン・チャンソンの指導を受けてRoad FCで戦うようになった時にはスーチョルは、既にONEを舞台に海外でキャリアを積んでいました。やはりジムの力の差というのはあったと思いますが、同じバンタム級で年下の同期のシンガポールにおける活躍をどのように感じていましたか。

「当時、自分はまだRoad FCでデビューしたばかりの選手で、ONEで活躍していたスーチョルは自分よりずっと良い選手、素晴らしい選手だと思っていました」

──ちょっと変わった人間だなとは(笑)。

「まだ親しい仲ではなかったのですが、若いのにハゲているのが印象的でしたね(笑)」

──アハハハ。その後、ユンジュンがRoad FCバンタム級王者になり、スーチョルがONEから戻ってきた時に、日本を凌駕しつつあった韓国のMMAはこの両者が担って行くと感じました。そして、この2人が戦えばどのような試合になるのだろうと。当時、スーチョルのことはライバル視していたのでしょうか。

「スーチョルと戦ったらどうなるのか。そこは、本当に良く考えていました。打撃戦だと自分が少し有利で、レスリングになると互角。なので、かなり面白い試合になるんじゃないかと想像はしていました」

──打撃は自身の方が上というのは、当時のスーチョルは粗かったということでしょうか。

「当時を思い出すと、スーチョルの打撃はテイクダウンを取るための打撃でした。対して自分の打撃はキックボクシングを取り入れたダメージを与える、相手を倒す打撃でした」

──つまりは自分の方が強いと思っていたわけですね(笑)。

「もちろん。あの時はそう思っていました(笑)」

──Road FCではユンジュンがチャンピオン、スーチョルは海外勢と戦い再び国外を目指す。そのような構図だったと記憶していますが、両者が戦うというプランは存在していなかったのでしょうか。

「そうですね、自分ももうジョン・ムンホン代表に弟子入りして一緒に練習をするようになっていましたからね。ジョン代表が2人を戦わせることはないだろうと、スーチョルとも安堵していました。あの時は、もう同じチームのチームメイトでしたからね」

──いつ頃から練習を一緒にするようになっていましたか。

「自分がコリアンゾンビのジムを追い出されたのは、27歳の時でした。アハハハハ。ちょうど10年ぐらい前ですね」

Road FCフェザー級王者チェ・ムギョムとのチャンプ・チャンプでも勝利していたユンジュン

──タイトルを獲得したイ・ギルウ戦(2014年12月)。

そしてフェザー級王者とのスーパーファイト、チェ・ムギョム戦(2015年5月)の頃はもう一緒に練習していた?

「その通りです」

──対戦することがないなら、互いが強くなるために最高のトレーニングパートナーだったわけですね。

「親しいチームメイト。もう兄弟のようでしたね。自分自身、練習一本槍の生き方をしているつもりでしたが、スーチョルは練習一本鎗の上のレベルをいっていました」

──スーチョルの練習量はやはり尋常でなかったのでしょうか。

「あの時の自分の体力、スタミナはスーチョルから遅れを取っていました。スーチョルは練習量が半端でないので、そこは敵わなかったです」

──スーチョルも植毛をして、髪の毛が増えてきたころですね(笑)。

「ハゲているのは、男性ホルモンが溢れ出ているからという話がありますが、キム・スーチョルは確かに男性ホルモンの塊でした(笑)」

──スーチョルのことをハゲといえる人は、そうそういないかと(笑)。

「アハハハハ。血と涙を一緒に流していた仲間ですからね。自分たちはそういう間柄です」

──その後、ユンジュンはMMAを続けられなくなりましたが、アックジョンのジムを仕切るようになりました。その時点で、スーチョルとの練習はどのようになっていったのでしょうか。

「自分がRoad ジム・ロデオを任せるようになった5年前からで。その時から、今も毎週金曜日のプロ練習にスーチョルは来ています」

2016年5月、元UFCファイター=ジョージ・ループに1RTKO勝ちした試合が、ユンジュンにとって最後のMMAに。まだ27歳、これからがピークだったはず……

──ジムを任される前……2017年の終わりにスーチョルは一度、現役から退くことを表明しました。

実際に4年5カ月、MMAの試合に出場しなかったです。自らの意思でなく、病によってMMAが続けられなかったユンジュンからすると、あの引退宣言は複雑ではなかったですか。

「スーチョルをずっと見てきた自分からすると、彼は追い込み方が尋常ではなかったので『こんなことを続けていると、死んでしまう』という想いもあったんです。だからスーチョルが自ら引退を口にして、休息したことは本当に嬉しかったです。

スーチョルは自分から休むことが絶対にない。自分としては休むことに全く異論はなかったので、『しっかりと休め』という風な声を掛けていました」

──ではいずれガムバックすることは、既に分かっていた?

「もちろんです」

──その後も練習を続けてきたユンジュンですが、かつてしのぎを削っていた頃と、今のスーチョルの力量を比較してもらないでしょうか。

「自分は引退した人間です。選手でない立場なので、昔のスーチョルが懐かしいです。あの頃のスーチョルは獣のような荒いファイターでした。あのワイルドな一面が、魅力的でした。技術面では今の方がずっと上です。でも、自分としてはあの頃のスーチョルが懐かしいですね」

──成熟したという風に捉えることができるかと思います。荒々しかったスーチョルと、成熟したスーチョル。MMAファイターとして、どちらの方が強いですか。

「曖昧な答えになりますが、今のスーチョルの方が強いと断言できます」

──では奥さんと出会い、結婚して父親になったスーチョルのことを人としてどのように思っていますか。

「本当に大人になりました。もう人としては、スーチョルの方が先輩のようです。自分は子供が生まれたばかりですが、彼は子供をしっかりと育てています。家庭人として自分の先輩ですが、若かった頃も今もMMAへの情熱は一切変わりないです」

──3週間後に井上直樹選手と王座決定戦を戦うスーチョルとは、対策練習などをしているのでしょうか。

「普段と余り変わらないのですが、グラップリングに重きを置いて練習をしています。井上選手は全てにおいて優れた選手ですが、打撃やレスリング、そしてダーティーボクシングではスーチョルが圧倒できるはずです。それでも寝技では、一発で逆転される可能性は残っています。その可能性を無くすために、寝技のパーセンテージを高めた感じですね」

去年の10月、Road FCグローバルTで優勝したスーチョルを支えたユンジュン。その兄弟子にマスクを取って欲しいとリクエストすると、なぜかスーチョルが自らの口を手で覆ってしまう(笑)

──スーチョルのベルト奪取を信じて疑わない口振りですね。

「その通りです。井上選手は素晴らしいウェルラウンダーです。でも総合的に判断して、スーチョルが一枚上だと思います」

──一番のアドバンテージはどこだと思っていますか。

「スーチョルも自分と同じように自信を持っていると思いますが、クリンチをした時のダーティーボクシングがずば抜けて強いです。首相撲でヒザ、ボディアッパーで削ると、もう井上選手は思うように動けなくなるでしょう。そうさせることにスーチョルは秀でています。クリンチ、首相撲での打撃を使えば勝てます」

──世界最高峰で戦うイ・チャンホ、Road to UFCで最高峰を目指すユ・スヨンら韓国人バンタム級ファイターと比較して、スーチョルの実力はいかほどのモノだと思っていますか。

「イ・チャンホ選手も、ユ・スヨン選手も凄く成長しています。目に見えて強くなっている──良い選手だと思っています。ただ、完成度の高さではスーチョルに及ばないです。彼らに対してスーチョルは完成しています。鋼鉄のような硬いファイターになりかけています。そういう部分でもスーチョルの方が少し上だと思っています」

──ズバリ、試合の行方を占ってもらえますか。

「井上選手は凄くしつこい選手です。スーチョルが負ける可能性としては先ほども言いましたが、ラッキーパンチか一発逆転のサブミッションでしょう。この2つが現実とならなければスーチョルが判定勝ち、もしくは最終回にフィニッシュすることになるでしょう」


■RIZIN48視聴方法(予定)
9月29日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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【RIZIN48】2年2カ月振りの再戦=元谷友貴戦へ、太田忍「スキルは追いつかないけど、当たったら倒せる」

【写真】戦闘態勢になくても、強さ、ヤバさが伝わってくる(C)TAKUMI NAKAMURA

29日(日)さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナで行われるRIZIN48にて、太田忍が元谷友貴と対戦する。
Text by Takumi Nakamura

昨年10月の佐藤将光戦ではスプリットでの判定負けを喫して以降、3連勝と勝ち星を積み重ねている太田。今年4月には元RIZINフェザー級王者の牛久絢太郎に判定勝利し、6月の海外遠征=Bellator CSダブリン大会ではローゲル・ブランケから一本勝ちを収めた。

今大会では2022年7月に敗れている元谷との再戦を迎え、年内での王座挑戦という目標を達成すべく「いい勝ち方をすることが最低条件」と語った。


――6月のBellator CSダブリン大会ではローゲル・ブランケにノースサウスチョークで一本勝ちでした。大会直前に対戦相手がフランチェスコ・ヌッツィからブランケに変更になるアクシデントもありましたが、あの試合を振り返っていただけますか。

「ヌッツィがサウスポーだったのでずっとサウスポー対策をやっていて、ブランケはオーソドックスだったんですけど、試合の時に(ブランケが)スイッチしてミドルを蹴ってきたんです。だから事前にやっていたサウスポー対策は出た試合だったかなと思います」

――向かい合った時にいけるという感覚はありましたか。

「そうですね。前日計量の時点で相手はリミットをアンダーしていたので、通常体重がそのくらいの選手だったと思います。だから組みになったら体格差・フィジカル差が出るだろうと思っていて、いざ試合で組んでテイクダウンした時に、これだったらいけるなと思いました」

――ヌッツィ戦に向けて準備していて、そこで身についたもの・プラスになったものはありますか。

「ヌッツィは打撃をメインに組み立てて、テイクダウンの処理もできる相手だったんです。4月の牛久(絢太郎)戦はテイクダウンしてトップキープ出来たんですけど、そこがより強くなったかなと思います。自分のMMAが世界に通用するかどうかだったところで、それが世界にも通用できる準備はできていたと思います」

――前回のインタビューでは「今はMMAのMぐらいまではできるようになってきた」という言葉もありました。そこの理解度は上がっていますか。

「徐々に、ですね。僕はなんだかんだで次がMMA11戦目で、試合の感覚とか、場慣れはしている思います。ただ客観的に自分を見てMMAファイターとしてレベルが低いと思うので、MMA全体のスキルで見たときにはまだまだですね」

――MMAでは初の海外遠征で勝利したことで得られたものはありますか。

「ファイターとしてスキルが実力が飛躍的に変わったというのはないんですけど、世間の評価は変わりましたよね。Bellator CSに出て勝ったという部分で。そういう評価は得られた試合だったかなと思います」

――今大会では元谷選手と約2年2カ月ぶりの再戦となりました。太田選手にとってはリベンジマッチにもなりますが、オファーを受けた時はどんな心境でしたか。

「対戦カードが決まる時に、ここで勝ってタイトルマッチへという雰囲気もあったので、リベンジマッチですけどタイトルマッチにつながるステップの試合をやっと組んでもらえたなと思いました」

――最近の元谷選手にはどんな印象を持っていますか。

「全体的にレベルが高くてトータルファイターだと思います。今まで寝技の極めは強かったけど、あまり自分からテイクダウンしにいくタイプじゃなかったと思うんです。でも最近の試合は自分からテイクダウンにいくようになって、あの年齢ですけど、米国に行って戦いの幅が広がったなと思います。今年の5月にうちの平松(翔)とやった試合を見るとボクシングに穴があるし、撃たれ弱くなっていると思いますが、そこをリカバリーできる経験値もあって強い選手だと思います」

――太田選手自身は前回と今回ではどこが変わったと思いますか。

「打撃ですね。まだスキルの部分は追いつかないですけど、当たったら倒せる自信はついてきました」

――太田選手は純粋な打撃は誰の指導を受けているのですか。

「内山(高志)さんにボクシングを教えてもらっています。内山さんの指導はすごく分かりやすいんですよ、こういう動きのときはこういう対処をするとか。あとはどういうパンチが当たりやすいとか。まだまだ自分のスキルが高くないので、どこにどういう風に当てればいいとか、パンチの打ち方そのものも教えてもらっています」

――それまで打撃の練習はどうされていたのですか。

「ジムにいるムエタイのコーチにミットを持ってもらったり、選手同士でミットを持ったりですね。内山さんにはデビュー戦の前に教えてもらっていたんですけど、それをまた再開した感じです」

――打撃が伸びたことでMMAとして戦いの幅が広がった部分はありますか。

「パンチがあることを相手に印象づけられれば、自分の得意なテイクダウンにも有効だと思います。今までは相手が消耗していないところで組んで、決めきれないことがあったんですけど、今は打撃で相手を消耗させてから自分のいいところを出せるようになったかなと思います」

――今大会では同じ階級=バンタム級の王座決定戦として井上直樹×キム・スーチョルが組まれていますが、どちらと戦いたいですか。

「自分は今回元谷選手を倒して、チャンピオンになりたいので、勝った方とやりたいです。そこに関してはどちらでもいいですね。ただ井上選手には一度試合を飛ばされているから、そこを倒したいという気持ちもあるし、僕がタイトルマッチをやるなら井上選手と日本人対決をやった方が盛り上がるかなと思います」

――太田選手は2024年内にRIZINのベルトを獲るという目標を立てていますが、ここまでは計画通りに来たという感覚ですか。

「井上選手は年間の試合数が少ない方だから、大晦日にすぐ防衛戦をやるかどうか分からないし、ス―チョルもこの試合のあとにROAD FCのGlobalトーナメントを控えているので、年内に自分のタイトルマッチが組まれるかどうかは分からないですよね。ただ自分が今回いい勝ち方をして見たいという声が大きかったら実現する可能性もありえるので。まずは元谷戦でいい勝ち方をすることが最低条件ですね」

――今年のパリ五輪ではレスリングの日本代表がメダルを多数獲得しました。太田選手も元レスリングの銀メダリストとして刺激は受けましたか。

「凄すぎましたね。言い方は変かもしれませんが、僕からするとこいつらバカじゃねえの?と思うぐらい凄すぎます(笑)。僕は必死こいて銀メダルを獲ったのに、みんな金メダルをポンポン獲っちゃうから、凄いとしか言いようがないです」

――今のレスリングはルール的に日本人が勝ちやすいという側面もあるのでしょうか。

「僕が出た時とはあまりルールが変わっていないので、そこはないのかなと思います。メダルを獲った選手はそのための準備ができていたんだと思います。五輪は本来の力を出せない選手が多いので。僕がメダルを獲った時も、僕が強かったからメダルを獲れたというよりも、五輪というタイミングで自分が持っている力をすべて出すことができたからメダルを獲れたと思っています。今回はみんなそれができていたってことですよね」

――五輪は大会そのものが4年に1度ですし、そこに選手としてのピークを持っていけるかどうか。ライバルたちの仕上がりがどうかも影響しますよね。

「そうなんですよ。五輪にドン!とピークを合わせるには、そのための準備が必要だし、逆に五輪の合間の世界選手権を3連覇していても、オリンピックに出られない選手もいるわけですよ。そういう巡り合わせもあるだろうし、いろんな要素がピタッとハマらないと五輪で結果を出すことは難しいと思いますね」

――こういったお話を聞くと、改めて太田選手のファイターとしてのポテンシャルの高さを感じさせられます。ご自身でもまだまだ伸びしろがあると感じますか。

「伸びしろしかないと思います。僕は2020年にMMAに転向して、年齢的に若くはないし、MMAを始めたのも遅いです。でも言ったらMMAをやってまだ4年、4年生なんですよ。算数でいったらようやく3桁の割り算をやっているとか、そういうレベルじゃないですか。ようはまだ算数の段階で数学にすらいけてないわけですよ。そのくらい僕はMMAファイターとしてやらなきゃいけないことだらけです。

自分は去年・今年と定期的に試合が続いて、試合のための練習が中心になっていて、その準備のなかで強くなってはいますけど、MMAファイターとして自分を強化するための時間がどうしても少ない。試合を定期的に組んでもらえるのはありがたいことなんですけど、将来的にはバランスを見ながら試合をしていきたいです」

――もちろん元谷戦もそうですが、ここから太田選手がどう変化・進化していくかも楽しみにしています。

「僕はRIZINで戦う上で今年が一つの勝負だと思っています。僕は年内もう1試合やるつもりでいますし、そのなかで成長して、ファンの期待に応えられるかどうかも勝負だと思っています」

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9月29日(日)
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【RIZIN48】井上直樹とバンタム級王座決定戦、キム・スーチョル「距離を潰し、攪乱することが一番大事」

【写真】一心不乱にミット、パッド、スパーリング相手に向かっていくキム・スーチョル、3時間動き続けた(C)MMAPLANET

29日(日)、埼玉県のさいたまスーパーアリーナで開催されるRIZIN48で、キム・スーチョルが井上直樹とRIZINバンタム級王座決定戦を戦う。
Text by Manabu Takashima

ゲーム好きは日本のファンには浸透した。その裏でMMAの強さとは裏腹に、脆い人間性があったキム・スーチョル。2017年末の引退宣言と長期離脱にこそ、彼の陰陽──強さと脆さが表裏一体であったことが分かる。

そんなスーチョルを支えた内助の功と、自己啓発。そして自身を律する精神性が、RIZIN王座獲得直前という状況まで彼を引き上げた。MMAPPLANETでは本人、師匠、兄弟子を現地取材──3度のインタビューに分けて、キム・スーチョルを解剖したい。

第1回はキム・スーチョル自身が、今の強さと充実した人生を振り返る。


何年振りか、練習中に泣かされていますね(苦笑)

──1カ月後に井上直樹選手とRIZIN王座決定戦を戦いますが、今の調子の方はいかがでしょうか。

「練習がハードなので、体は疲れているのですが日程的にも大丈夫なように頑張っています」

──今日のスパーリングもハードでしたが、MMAのスパーリングはどれぐらいの間隔で行っているのですか。

「週に2、3回。3回ぐらいはやっていると思います」

──3度もあの打撃有りのスパーリングを!!

「かなり疲れています(苦笑)」

──トレーニングメニューは誰と考えているのですか。

「一応、ジョン・ムンホン代表が創ってくれています。代表が自分の状態を見て『そろそろ限界だな』と思われると、そこからさらに追い込まれています」

──体力的に相当に追い込まれる練習が控えているのですね。

「そうですね。今日も練習前から表情が暗かったのは『今日は死ぬな』って思っていたからでした(苦笑)。しんどい練習が続くから、しっかりしないとダメだと自らを鼓舞しました。精神的には追い込まれています」

──今日のスパーは打撃が多かったですが、MMAの経験値が高い選手とMMA全般のスパーリングを行うことは?

「できるだけ多くしたいと思っています。今日のようなスパーリングを始めて4週目に入っていますが、これからも続きます」

──Road gymウォンジュのスパーリングパートナーは、いつも今日と同じ顔触れなのですか。

「いつも同じではないですが、週に1、2度は今日の選手とやっています。彼ら以外にも他の地域、外国から来た人ともスパーリングをしようと思っています」

──この試合に向けて練習は、ほぼRoad gymウォンジュで行っている感じでしょうか。

「Road gymウォンジュが中心ですが、イ・ユンジュン監督の下に黒帯柔術家が4人いるので彼らとも週に10ラウンド以上のスパーリングをしていて、そこも厳しいスパーリングになっています」

──イ・ユンジュンさんのところ、つまりRoad gymロデオを拠点とするTeam AOMでの練習のために週に1度ソウルのアックジョンに行っているということですね。

「週に1度、寝技の練習をするのですが黒帯が多いので……シャークタンクのようになっています」

──獰猛なサメの生き残り合戦だと(苦笑)。イ・ユンジュン監督ともスパーリングを?

「ハイ。グラウンドで追い込まれた状態で、イ・ユンジュン監督とは打撃のスパーリングをして、食らっています(笑)。何年振りか、練習中に泣かされていますね(苦笑)」

──イ・ユンジュン監督……今も強いですか。

「まだバリバリの現役です(笑)」

──あの優しげなイ・ユンジュンも指導になると鬼コーチになると?

「自分だけにかもしれないですが、結構厳しいです(笑)。他の選手には厳しくないですが、自分にだけは厳しい叱責があります」

──それは古くからの仲だからでしょうか。

「中島太一選手に勝った(4月29日)後、ジョン・ムンホン代表とイ・ユンジュン監督に3時間ぐらい怒られ続けました。今も怒られ続けています」

──2人とも、そこまで追い込んでもスーチョル選手はやり抜くと思っているからではないですか。

「きっと2人のなかでどこまで戦えるのか設定を設けていて、その基準を満たさないと精神が擦り切れるまで怒られます」

──イ・ユンジュン監督はMMAを続けることができていれば、韓国でも最高のファイターになっていたと思います。彼の知識というのは、作戦面でもスーチョル選手の力になっているのでしょうか。

「KO率が高くなったのは、全てイ・ユンジュン監督のお陰です。ただ、監督は子供が生まれたばかりで次の試合はコーナーについてもらえないんです。残念なんですけど、しょうがないと思っています」

──イ・ユンジュン監督が来日できないことに不安を感じることは?

「ぶっちゃけ不安です。アハハハハハ。でも、こういう機会こそ自分の真価が問われる時だと思います」

トラクターは田んぼで稲作をするための乗り物

──このところ、インタビューの受け答えが本当にしっかりとしてきたスーチョル選手ですが、練習や試合の話になるとトーンが以前に戻ってしまいますね(笑)。

「今日の練習のように、ジョン・ムンホン代表がスパーリングの途中で怒鳴り始めると、なんでこんなにできないんだろうと落ち込みます。そこを解決するために、読書をするようにしています。最近は神田昌典の本がお気に入りで、たくさん読んでいるのですが、読書は自分を落ち着かせるために一番適していると思います」

──試合前になると不安を感じたり、感情にブレが生じしますか。

「自分は人間とは生きている間は、ずっとストレスと戦い続けると思っています。ストレスを解消するために瞑想とか、勉強や読書をしています。そうすることができていなかったら、今のキム・スーチョルは存在していないです。

正直なところ、最近の自分は収入が凄く増えていて感謝しています。その収入とともに、今の自分があるのは妻の内助の功があるからです。それとチームのサポートです。妻、チームに続いて読書や瞑想が自分の人生に欠かせないです」

──そのような状況で、RIZINのタイトル戦のオファーがあった時はどのように思いましたか。

「自分はやるべきことのリストを創っています。このタイトル戦が決まる前に、2024年にRIZINのチャンピオンになるとリストに書いていたんです。そして自分で書いた言葉を1日に100回、1000回と読み続けてきました。それぐらいの気持ちでいたので、RIZINからオファーが来た時には『やっと来たか』という想いでいっぱいになり、本当に嬉しかったです」

──そこまでするのは、自己暗示を掛けているということでもあるのでしょうか。

「書き続け、読み続けているのは自分の人生の目的を明確にするためです。例えばトラクターは田んぼで稲作をするための乗り物で、道路を走るためではないですよね。自分も目的を忘れず、常に目的に進む為にメモをして、常に考え、俺はこういう人生を生きて行くんだと、自分に言い聞かせています」

──続けることで、気持ちがより固まるということはありますか。

「周波数を合わせてラジオを聞くように、自分の意識を一点集中させています。自分の目標はただ2024年中にRIZINのチャンピオンになることなんです」

自分が井上選手より強いというより、自分の強味は井上選手に得意な形にさせないで戦うこと

──改めて井上直樹選手の印象を教えてください。

「若いのに、何でもできる選手です。リーチが長くて、スタミナもある。経験豊富なウェルランダ―ですね」

──打撃の距離を創るのが上手いという印象があります。

「井上選手は確かに距離を取るのに長けています。ただし、そこを気にしすぎると自分の体が反応し辛くなります。実はもう、それを崩す方法も見つけていますし、潰すこともできます。井上選手のやりたいことをさせないよう戦うことも十分に可能だと思っています」

──それは練習で確認できたように圧を掛けて、動き続けて手を出し続けることに関係していますか。

「井上選手の距離を潰し、攪乱することが一番大事だと思います。今日のスパーリングでも、自分と相手が互いの距離を取ることをシミュレーションしていていました。その状況で、どう制圧していくのかを。自分の好きな(堀口)恭司選手、扇久保(博正)さん、デメトリウス・ジョンソンの動きを参考にしています。

そのために自分が好きな選手を参考にして空手やボクシング、ムエタイと全て融合した複雑な動きを見せようと思います」

──構えた時の手の位置、ここにも工夫が表れているかと思いました。

「今言った選手たちの動きを真似して、自分だけのスタイルを創るよう努力しています。そのプロセスにある間は体力的には厳しいですが、同時に凄く楽しめています」

──井上選手の動きで、最も警戒するのはどこになりますか。

「打撃を使ってもスタミナが落ちないところです。そこは気を付けないといけないですし、加えてバックを取るのが上手いです。しっかりと時間を掛けて、井上選手の戦いをさせないよう対策をしてきたので不安が半分、自信が半分です」

──ここだけは井上選手に負けないという部分は、どこに持っていますか。

「自分が井上選手より強いというより、自分の強味は井上選手に得意な形にさせないで戦うこと。その自信がつきました」

──なるほどです。ところで日本でのタイトル戦はデビュー戦以来かと思います。

「そうです。あの時以来、初めてです」

──大阪の小会場でデビューをして、何万人という観衆の前でタイトル戦を戦う。そんな未来がやってくると思っていましたか。

「ジョン・ムンホン館長も『中学生のキム・スーチョルと今のキム・スーチョルもあまり変わらない』と言っていましたが、その通りです。一つだけ言えることは、自分はこの仕事がメチャクチャ好きだということです」

──日本ではスーチョルがニンテンドースイッチをいつ買ってもらえるのかという話題になります。その自信の程は?

「それが話題になるんですか(笑)。ニンテンドースイッチ本体だけでなく、やりたいゲーム・リストがあるんです。その全てを妻の財布から取り出す自信もあります」

──とはいえ井上直樹選手という強豪とのタイトル戦を終えると、1カ月後にはROAD FCグローバル63キロ級トーナメントの準決勝が控えています。このトーナメントに関しては、どのような想いを持っているのでしょうか。

「Road FCのトーナメント戦のことは、今は考えないようにしています。RIZINのベルトを巻いてからの楽しみとし、同時に心配しようと思います。ROAD FCのタイトルのことは、RIZINのタイトルを取った後で考えます」

──そこを考えると、タイトルマッチに集中できなくなる?

「周波数を間違えた所に合わせると音がちゃんと聞こえないですよね。自分が目指す目標も見えなくなります。目指した周波数の音をちゃんと出して、その後、次の周波数に早く合わせて次の音を聞くことが大事だと思います」

──では最後に改めて、井上選手とのタイトル戦の意気込みをお願いします。

「日本のファンの皆さんには感謝の気持ちしかありません。でも自分はそんなに大した人間でもありません。自分のことを実物以上に評価してくださる人たちがたくさんいます。日本のファンの皆さんが、自分のことを本当に高く評価してくださってくれて心より感謝しています。

自分は日本のファンに恩があります。今回は死ぬつもりで試合をするので、見届けてください。カムサハムニダ(ありがとうございます)」


■RIZIN48視聴方法(予定)
9月29日(日)
午後2時00分~ ABEMA、U-NEXT、RIZIN LIVE、RIZIN100CLUB、スカパー!

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井上直樹とサトシソウザ RIZINのリングで海外強豪選手を迎え撃つ決意【RIZIN.48】

「RIZIN.48」でキム・スーチョルとバンタム級王座をかけて戦う井上直樹が、ホベルト・サトシ・ソウザと共にRIZINでの戦いへの想いを語りました。井上は「アメリカに行くんじゃなくて、こっちに来てほしい」と述べ、海外強豪選手を日本で迎え撃つ姿勢を強調しました。

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