【写真】想いが拳に乗り移るか、1年5カ月振りのサークルケージへ (C)KOJI ANDO
7日(土・現地時間)にカリフォルニア州サンディエゴのペチャンガ・アリーナで開催されるBellator Champions Series 「San Diego」= Bellator CS2024#04にて、菊入正行がハーマン・テラドと対戦する。
text by Takumi Nakamura
昨年4月のBellatorデビュー戦ではアレクセイ・シュルケヴィッチにKO勝利を収めている菊入。ここからBellatorでのキャリアが本格的にスタートすると思った矢先、網膜剥離を2度も発症し、約1年以上も試合から遠ざかる形となった。
一時は現役続行も悩んだという菊入だが周囲の期待に応えること、そして何より志半ばでは終われないという想いから復帰を決意した。今回の復帰戦で菊入は「改めて『菊入は強い!』と思ってもらえる試合を見せる」と誓った。
次やったら終わりみたいな感じで、そうなるまでは続けようかなと
――サンディエゴ入り後のインタビューありがとうございます。いつから現地入りしているのですか(※取材は4日に行われた)。
「昨日の夜ですね。ファイトウィークのスケジュールをこなしつつ、今日も少し体を動かしました」
──試合そのものが約1年5カ月ぶりとなりますが、現地入りしてのコンディションはいかがですか。
「コンディションはいいですね。あとは試合までに試合の感覚が戻っていればいいなと思います」
──試合勘を取り戻すことも含めて、試合までにどんなことを意識して練習してきましたか。
「まず相手がどういう選手かということを考えて、ずっと練習してきました」
──今回の相手ハーマン・テラドにはどんな印象を持っていますか。
「ベースは柔術なので寝技が得意だと思うんですけど、MMAの試合を見ると打撃を振り回す感じだったので、打撃のできる寝技系みたいな、イメージです」
──決して洗練された打撃ではないですが、かなり思い切り打撃を出す印象です。
「打撃が上手ではないけど打撃をやるというか、ストライカーで寝技もできるのかなという感じで考えています」
──客観的に見ていて荒さや穴もある一方、いざ向かい合うと危険なものもあるファイターかなと思います。その相手にどんな試合をイメージしていますか。
「自分のリーチを活かした戦い方ができれば、それがハマってくれるのかなと。自分の対策してきた戦い方がハマればいけるのかなとは考えています」
──ご自身のSNSでも2度の網膜剥離を乗り越えての復帰戦だと明かしていましたが、怪我をした時はどんな心境だったのですか。
「もう終わりだなと思いました。2回目やった時はもう格闘技はできないかもしれないと思いましたね」
──キャリア的にも2021年にパンクラスで暫定王座のベルトを巻いて、2023年からBellatorに参戦してデビュー戦でアレクセイ・シュルケヴィッチにKO勝利と上り調子の時に長期欠場する形になったと思います。気持ちをキープするのが難しかったと思うのですが、そこはどう過ごしていたのですか。
「やっぱり手術した後は本当に視力が戻るのかなみたいな、そういう不安が一番大きかったのと、練習に復帰してまた(網膜剥離に)なっちゃうのかなという不安も大きくて、最初はちょっと考えました」
──それは現役を続けるかどうかをですか。
「はい。でも逆に次(目を)やったら終わりみたいな感じで、そうなるまでは続けようかなと思いましたね。前回の試合が終わって、周りには僕に期待してくれている人たちも多かったし、その期待にも応えたいという気持ちもあって、復帰しているという部分もあります。あとどれくらい格闘技ができるか分からないですけど、その中でしっかり皆さんに喜んでもらえるような試合をしたいなと思います。あとはもちろん自分自身、志半ばのままで終われないという気持ちもあります」
──では今回の復帰戦には熱い気持ちで臨めていますか。
「そうですね。ずっと試合したという気持ちがあったし、試合が決まってからはモチベーションをキープしてここまで来れました」
改めて『菊入は強い!』と思ってもらえる試合を
――この試合以降はどんなことを目標にしていきたいと思っていますか。
「自分は先の目標というのはあんまりなくて、決まった試合をして勝つというのが自分の目標なので、それ以上の目標は特に自分にはないです」
──先日のRoad to UFCでは日本人が準決勝で全滅という結果に終わりました。海外での日本人選手の苦戦が続いている中で、菊入選手はウェルター級でも日本人が海外で勝てるところを見せたいという想いはありますか。
「ここからは対戦相手のレベルも上がっていくし、まだ自分は本当にトップの強い相手とは戦っていません。これから相手のレベルが上がっても、ちゃんとKOできる試合を見せていきたいなと思います」
──スキル的な部分で試合が空いた期間で、意識してやってきた練習や伸ばしてきたものはありますか。
「本格的なMMAの練習に復帰できたのが7月に入ってからなので、今回はスキルを伸ばす練習ではなく、テラドに勝つために練習してきたという感じです。だから今は今回の試合をしっかり勝って、そこから色んな部分を伸ばしていきたいと思います」
──ファンの皆さんだったり、また試合を見たかったっていうファンの方もたくさんいると思うんですけど、最後にそういった方に向けてメッセージをいただけますか。
「1年半前に自分がBellatorに初参戦して、凄くいい勝ち方をしたんですけど、それを忘れている方たちもいると思いいます。今回の復帰戦では改めて『菊入は強い!』と思ってもらえる試合を見せるので、応援よろしくお願いします」
──期間が空いて、Bellatorの再デビュー戦というような気持ちもありますか。
「そうですね。初心に戻って。でも、ここは勝たないといけないという気持ちはあるんで、絶対に勝ちます」
■視聴方法(予定)
9月8日(日)
午前6時45分~ U-NEXT
■Bellator CS2024#04対戦カード
<Bellator世界ライト級選手権試合/5分5R>
[王者] ウスマン・ヌルマゴメドフ(ロシア)
[挑戦者] アレクサンデル・シャブリー(ロシア)
<ウェルター級/5分3R>
ロレンツ・ラーキン(米国)
レヴァン・チョクヒリ(ジョージア)
<ミドル級/5分3R>
ドゥグラス・リマ(ブラジル)
アーロン・ジェフリー(カナダ)
<女子フライ級/5分3R>
スミコ・イナバ(米国)
マッケンジー・スティラー(米国)
<ライト級/5分3R>
ヤンシー・メデイロス(米国)
ジョラ・アイヴァズヤン(アルメニア)
<ミドル級/5分3R>
ジョーダン・ニューマン(米国)
イマムシャフィ・アリエフ(ロシア)
<ウェルター級/5分3R>
菊入正行(日本)
ハーマン・テラド(グアム)
<バンタム級/5分3R>
ブライス・メレディス(米国)
ジョン・マッキャロイ(米国)
<ヘビー級/5分3R>
ジョシュ・ホキット(米国)
ショーン・ローズ(米国)
<女子ストロー級/5分3R>
エイージャ・コーテス(米国)
アシュリー・タイナー(米国)