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【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:4月:ステーリング✖ヤン「肉体的ダメージはない。でも……」

【写真】出来ていたことが、できなくなる。実体験をもとに水垣氏がピョートル・ヤンの心理面にメスをいれた (C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、水垣偉弥氏が選んだ2022 年4 月の一番。4月9日に行われたUFC273で組まれたUFC世界バンタム級王座統一戦=アルジャメイン・ステーリング×ピョートル・ヤン戦について語らおう。


────水垣さんが選ぶ2022年4月の一番をお願いします。

「アルジャメインとピョートル・ヤンのUFC世界バンタム級王座統一戦です。アルジャメインは自分が戦ったことがあり、ヤンは反則負けから王座を明け渡し暫定王者になっての再戦ということで注目をしていました。

1回目は最後に反則のグラウンドでのヒザがなかったら、ヤンの勝利はまず間違いなかったでしょうし、あの試合を踏まえて今回もヤンが有利だと思っていました」

──それは多くの人がそうだったはずです。実際、初回のヤンは良かったです。

「1Rは様子見をするのがヤンのパターンなんですが、結構前に出ていました。レスラーのテイクダウン狙いをストライカーが切ることができるのは、前に出ている時だと思います。下がると、取られやすいです。そこをしっかりとヤンはできていました。

それが2Rに流れのなかでテイクダウンからバックを取られ、3分ほどキープされて時間になりました。ラウンドを失いましたけど、肉体的なダメージはなかった。でも、そこがヤンの精神面に大きく影響を与えることになりました。実は僕がアルジャメインと戦った時も、こういう流れでした」

──ワンテイクでその後の流れが決まった? 水垣さんと戦った時は両手も突いて座るような低い位置からローシングルに入ったシーンが思い出されます。

「あれでダブルに移行され、ケージに押し込まれたところからテイクダウンされバックを許して……。最後は胸を合わせていったのですが、下から肩固めのような形で極められてしまいました。

あの試合、序盤はテイクダウンを切れていたのですが、一度組まれてしつこくされ、『嫌だな』と思ってしまって。そうなると、それまで前に出てプレッシャーを掛けることができていたのに、できなくなってしまったんです。心理面がその原因だったと思います」

──その前までできていたので、テイクダウンやバックを取られても『コレはコレ。この展開もある』いう風に割り切ることは難しいのですね。

「そうなんです。本当にほんの少しのことなんです。プレッシャーの掛け方の違いで。お互いが『取られるとマズい。取れるなら行く』という心理面のなかで、その気持ちがほんの少し揺らぐだけで、アルジャメインは足が触りやすくなったと思います。それが勝負の行方を分けてしまった」

──身体的なダメージでなく、内面……心の襞の部分なのですね。

「僕がヤンと同じことができるということではなく、あの心理面は理解できるというか……。『足を触られたくない』と思わされた時点で、メンタルの争いで遅れを取ったのだと思います。

実際ヤンは1試合目ではほぼ組まれていない。その戦いがデキていたのに1度倒されて、バックを取られたままラウンド終了を迎えた。ブザーで救われた形というのは、心理面でのダメージを与えた。『こうなると危険だ』と思わせたアルジャメインの勝ちでしたね」

──ステーリングはそこが得意なので、やられないようだけでなくバックに回られることも想定し、対策練習をしてきているかと思います。それでも、そこまで崩れるものなのですか。

「ホント、難しいですね。まず尻もちをつかされないことが第一で。スタンドをキープすること。だから立ちに行って、あの形になったので……これは結果論ですが、ガードポジションを取れば良いというメンタルの選手ならまた違ってくるかもしれないです。

と同時に時間も関係してきますが……下を続けるとラウンドを失いますし、ハーフで一本腕を差して立ち上がろうとしたり、レッスルアップからシングルとかを狙うとダースやギロチンが待っています」

──逃げ道が閉ざされ続ける。それは恐怖です。

「アルジャメインは、その形が出来上がっている。だからこそ、足を触らせてはいけないっていう心理になっていったのだと思います。それに4Rまで全てを失っている展開だと、最後は思い切った動きに出ていたかもしれないです。ただ2Rと3Rは失っても、4Rは取っていた。1Rはどうだろうかという風な心理では、賭けのような勝負には出られなかったのかもしれないです」

──いやぁ、深い。技術面と心理面が繋がっている試合だったのですね。本当に強い選手揃いのバンタム級だからこそ、王座挑戦までに潰し合いが続き、結果としてこの両者は二強になったような気もしますが、次の防衛戦が楽しみになりますね。

「僕はジョゼ・アルドが見てみたいです。ここにきてチート・ヴェラ、ペドロ・ムニョス、そしてロブ・フォントに勝って3連勝なんですよ。アルドは前に出てテイクダウンを切るだけでなく、シングルに取られても凄い反応で頭を押して後ろ向きから足を抜くのが上手いじゃないですか。

それにいざとなるとクローズドガードを取る。アルジャメインのテイクダウンに対して、ちょっと違った戦いを見せてくれるんじゃないかと。1周回ってアルドってなると、本当に凄いことですし……アルドはWEC勢最後の砦ですからね、タイトル戦線を争える。

WEC経験者としてはジョン・チャンソンが同じ大会でアレックス・ヴォルカノフスキーに切ない負け方をしてチャンピオンに近い選手と、チャンピオンになる選手の違いというか、そういうモノが見えたような気もしました」

<この項、続く>

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お蔵入り厳禁【Special】月刊、水垣偉弥のこの一番:3月:MMA SUPER CUP─02─「目を瞑っちゃあ……」

【写真】目を瞑ってはいけない現実が、MMA界に存在した(C)MMAPLANET

過去1カ月に行われたMMAの試合からJ-MMA界の論客3名が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観を通して、MMAを愉しみたい。3人の論客から、水垣偉弥氏が選んだ2022 年4 月の一番。4月9日に行われたUFC273で組まれたUFC世界バンタム級王座統一戦=アルジャメイン・ステーリング×ピョートル・ヤン戦について語らう前に──掲載が遅れていた2022 年3月の一番、3月9~10&12日に開催されたMMA SUPERCUPについて引き続き語らおう。

<月刊、水垣偉弥のこの一番:3月:MMA SUPER CUP Part.01はコチラから>


──水垣さんが見たカザフスタンの強さとは。

「バーレーンのダゲスタン人選手が見せていた近い距離に入ると組んでテイクダウンを仕掛けるという感じではなく、打撃も多かったですね」

──裸のコンバットサンボのようにも見えました。

「あぁ、確かに。あの中島太一選手を後ろ回し蹴りでKOしたアルマン・オスパノフのように遠い距離で後ろ回し蹴りを使ったり、寝技ではサブミッションという感じでしたね。繰り返しになってしまいますけど、この強さでアマチュアで。しかもバーレーンと違った帰化選手とかでなく、純粋にカザフスタンの人達なわけですよね?」

──ハイ。ただもう国か企業の援助があって、世界選手権の時などは合同合宿とかして早目に現地入りしているそうです。

「う~ん、上手く言えないのですが……体も強いし、纏まったMMAとも少し違う。日本ではアマチュアMMAってプロになるため。その資格を手に入れるための大会じゃないですか。対してIMMAFは違う価値のあることをやっているような気がします。

ボクシングだと五輪があって、そこに出場する選手たちって普通にジムでボクシングを始めてプロテストに受かってデビューした選手たちより、レベルが上で。彼らがプロになるなら、このIMMAFのSUPER CUPで戦っている選手達……いわばIMMAFの世界大会で上位の戦績を残している選手達は、MMAの世界でそんな風になっていくのではないかと感じました」

──ファイトマネーを得て試合をするからプロMMA。ただし、それで生活ができない選手が大半という世界に対し、バーレーンやカザフスタンの選手は試合で収入はなくても、これで生きていけている。

「そういうことですよね。多くの国のMMAと逆パターンですね。バーレーンとの準決勝でラマザン・ギチノフから先に大内刈りでテイクダウンを奪った選手(※ザクシノフ・アイマハノフ)とか、逆転されましたけど強かったです。あの2人の試合って、プロでもけっこう上のレベルだなって(苦笑)。

これまでIMMAFにさほど注目していなかったのですが、しっかり見てみるとレベルが高くて試合が面白いんですよね。ルール的にヒールと顔面へのヒザ蹴りがないのですが、カザフスタンの選手たちはヒザ蹴りが解禁されれば、さらに強くなると思います。

逆にバーレーンのダゲスタン勢は、顔面へのヒザ蹴りがないルールだからこそ、ここまで強さ発揮しているという見方ができるかと思いました」

──他の国でも気になったところはありましたか。

「決勝でバーレーンと戦ったアイルランドとか今のMMAに近くて、完成度も高かったです。ただし、バーレーン勢とはこのルールだと相性が悪い(笑)。ごり押しで負けてしまっていましたよね。バーレーンの選手はとにかくレスリングが強いです。

あのダゲスタン系の選手って、フォークスタイルとは違うけどコントロールという部分で似たレスリングに感じました。

僕は以前からフォークスタイルとダゲスタン・レスリングは繋がっていると思っていたんです。ダニエル・コーミエとカビブ・ヌルマゴメドフが同じAKAということもあったのもしれないですが、ケージレスリングで結構同じポジションを取って、同じように殴っていたので」

──バーレーンの選手たちが、UFCレベルのMMAファイターの打撃があっても、あのレスリングのごり押しスタイルで戦えるのか。

「実際、カザフスタンの選手にハイキックで負けた選手がいますよね。それほど打撃をやり込んでいるようには見えないです。女子のアリーサ・ベルトソとかは元々ブラジルで打撃をやり込んでいたので通用すると思うのですが、男子の選手はあのレスリングだけだとどうなるのか。

このルールだから圧倒的に有利で、一部のアマトップの国の選手以外にはアレで楽勝できるんでしょうね。でも、この先を見るとどうなるのか」

──バーレーン人選手はそこからBRAVE CFでプロデビューをしている選手もいます。もちろん他の国の選手もそうですよね。IMMAFの世界チャンピオンだとムハマド・モカエフなどが既にBRAVE CFを経てUFCファイターになっています。

「モカエフは僕もUFCで試合を見たのですが、IMMAFの大会で20数戦戦っていて無敗なんですよね。それだけキャリアがあって、プロになるとデビュー戦扱いなんですから、それは強いです。世界大会で初戦や2回戦はそれほどではなくても、準決勝や決勝は今回のSUPER CUPのレベルはあるでしょうから……それはもう経験値も積んでいます」

──先ほど水垣さんが言われた日本でプロのなるためのアマチュアMMAで成績を残した選手、こういう場で国際戦を経験する手はあるのではないかと思った次第です。

「その経験って、かなりデカいと思います。日本のMMA界はもっとIMMAFを視野に入れないといけないと感じました。最終的にUFCへ行きたいのであれば、レコードは大切です。なら、プロ戦績として結果が残らないアマチュアの大会で国際戦を経験すると、10戦分だとか力をつけてプロデビューできるかもしれない。そのアドバンテージは考慮しても良いんじゃないかと思いました。

かなりの状態に仕上がって、プロデビュー戦を迎えることになりますからね。あるいはIMMAFの実績で、もう普通に10戦、15戦のキャリアのある選手とプロデビューを行うとか、そういう日が来るかもしれない。そうなるとステップアップも早くなるという考え方もできます。さきほど名前が出たモカエフは6戦目でUFCと契約したわけですしね」

──IMMAFを重視する必要性は、本当に大ありだと私も現地で感じました。

「逆にいえば、ここに対して目を瞑っていると遅れを取ります。あの場を利用しない手はない。日本チームとして出られるなら、ぜひこの場を日本のレベルアップに使うべきだと思います。プロのレコードに傷つかないで、この経験ができるメリットを考えると、本当にそうです。

アマ修斗、アマ・パン、DEEPのフューチャーキングT優勝者が今回の大会に出ていたとして、チーム・オセアニアやアイルランドに勝てるとは限らないと思いました。もちろんバーレーンやカザフスタンは言わずもがな、です。準決勝以上の戦いはプロと比較しても、相応なレベルの高さでした。

これも繰り返しになりますが、バーレーンとか見ていると練習体系が出来上がっていないと、ああいう風に皆が似たスタイルにならないと思うんです。どういう練習をしているのか、凄く気になりますね」

──上久保選手が、KHKジムで練習がしてみたいと言っていました。

「あっ、僕も上久保選手とPROGRESSのグラップリングマッチの音入れで会った時に『ダゲスタンとかで練習したら良いのに』って言っていたんです。でも、現状はもうダゲスタンに行くこともできないでしょうし。ならバーレーンっていうのはありますよね。

あの練習があれば、彼らのようなスタイルでない選手が、あのテイクダウンとコントロールを手にすることができる。それこそベルトソのように、ですね」

──このIMMAFで世界王者を目指し、今やタイのAKAタイランド所属で練習している山口怜臣選手がいます。

(C)REO YAMAGUCHI

「以前、パンクラスで表彰とかされていた選手ですよね。

いやあIMMAFの大会に挑戦し続けているって、凄く良い経験になっていると思います。ただし、今の日本のアマMMAで優勝した子を集めて、ここに行っても勝てないですね……。ぶっちぎりで優勝した子、修斗で新人王トーナメントMVPになるだろうって思われるような。そんな選手とか、それこそ髙谷さんと岡見選手がやっていたLDHのオーディションで勝ち抜いた子が、プロになるのを一旦置いて。合宿とかしてIMMAFに挑まないと相当に厳しい。でも、それがあると僕は日本の強化につながると思いました。そして山口選手のこれからにも期待したいですね。

とにかく良い経験ができて、負けてもレコードに傷つかない。TUFのようで凄く良いことかと思います」

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MMA MMAPLANET o TJ・ディラショー UFC UFC273 アルジャメイン・ステーリング ピョートル・ヤン

【UFC273】打を捨てて、組んでコントロールを狙い続けたステーリングがヤンをスプリットで下す

<UFC世界バンタム級統一戦/5分5R>
アルジャメイン・ステーリング(米国)
Def.2-1:48-47.48-47.47-48
ピョートル・ヤン(ロシア)

いきなり左ミドルを見せたステーリングが、続いてミドルハイを繰り出す。中を取り、高いガードのヤンをフロリダのファンが後押しをする。すかさズUSAコールが起こる場内、ケージの中は静かな攻防が続き、ステーリングが右ミドルを蹴る。続いて右をボディに入れたステーリング、ヤンは右を伸ばし左フックを振るう。ミドルにも左フックを合わせに行ったヤンは、腹を蹴られてスイッチするや強烈な勢いで左ミドルを蹴る。

オーソに戻し、またサウスポーに構えたヤンが前に出て、ステーリングが回る展開が続く。追いかけてワンツーの暫定王者は右ミドルをスネでカットする。ジャブを連続で見せた正規王者が、当てる攻撃はミドルだ。ヤンが左2発で前に出ると、ステーリングは右エルボー。ヤンが左ハイを返す。ダブルレッグ狙いから細かいパンチの連打、最後に右をステーリングが振るった。

2R、踏み込みに力が入ってきたステーリングに対し、ヤンがミドルを入れる。シングルを一度は切ったヤンだったが、ステーリングの右を見せてシングルというトライで姿勢を乱して崩されると、マウントからバックに回られる。四の字フックで捕らえたステーリングはワキ腹を殴り、RNCを機会を伺う。時間は3分以上あり、じっくり攻める正規チャンピオン。ヤンは後方に拳を振り落としていく。勢いのある左のパンチを嫌がったヤンが暴れると、ステーリングがRNCをしかける。動かされたヤンはマウント、バックマウントで殴られる。厳しい展開でヤンはエルボーを打たれながらサバイブした。

3R、ロー、サイドローのヤンは、ステーリングのシングルレッグを切る。続く右フックにダブルレッグも、これも切ったヤンがガブるが当然ヒザで頭は蹴らない。立ち上がって離れると、腹を殴られたか動きが固まったヤンは、ダブルレッグで倒されてバックを許す。3分30秒と2Rと同じように時間があるなかで、背中に張り付き続けたステーリング。ヤンは胸を合わせることができず、ラウンド終了を迎えた。

4R、左を空振りしたステーリングに左をまとめたヤンは、ダブルレッグを切って殴りながらバックを伺う。それは許さず立ち上がって間合いを取り直したステーリングは、カーフにテイクダウンを合わせるが、切られてガブられる。ヒザをマットについたまま離れたステーリングのバックに回ったヤンは、徹底してテイクダウンを切る。

それでもシングルからバックに回ったステーリングだが、前方に落とされてガードを取る。時折り腰を切るステーリングだが、大きな仕掛けはないまま時間が過ぎる。起き上り、振りの大きなパンチを落としたヤンは、嫌がって立ち上がったステーリングのバックを取る。ステーリングはここで引き込み、ハーフガードからングルを狙う。足首を取ってクラッチして腹ばいになったステーリングは無理をせず、ラウンドを失ってリードを守った。

最終回、右ミドルを入れ、左ローでバランスを崩させたヤン。尻もちをついたステーリングが立ち上がってダブルレッグ、一度は切られてもそのままケージに押し込んでいく。4Rを捨てて効果を発揮するタイミングだが、ヤンが離れて立ち上がる。ワンツーのヤンに、ボディをいれるステーリングは執拗に組み、ボディロックからバックに回る。痛恨のバックコントロールを許したヤンは、ケージに体を預けポジションを入れ替えて離れる。

シングルを切ったヤンは、間合いを測り打撃を振るうこともなく組みに専念するステーリングに飛びヒザを見舞う。ステーリングがそれでもシングルレッグへ。切ったヤンがバックに回る。4Rを休んでなお、攻め込まれるステーリングはバックをとったヤンのハイが空振りに終わると──続くスタンドでも、組んで一度は尻もちをつかせる。ステーリングは抑えにいけず、切り返したヤンがバックに回る。

残り30秒、バックコントロールでヒザを入れ、ついに両足をフックしたヤンはステーリングが立ち上がると自ら着地し、時間となった。コントロール&ポイントアウトのグラップリングMMAは2Rと3Rは正規王者、4Rと5Rは暫定王者のラウンドに。初回は足を使ったステーリングに対し、追いかけていたヤンのラウンドでもおかしくない。

結果、ステーリングが2-1で判定勝ちを収め王座統一。MMAの打の要素を可能な限り省き、組んで倒す&バックに回るという戦いで正規王者が勝ち切った。試合内容はねちっこく、マイクは勇ましい王者はTJ・ディラショーを対戦相手に指名し、ヤンは「自分が勝った」と言い切った──が、2Rを取っているという主張は見当違いだ……。


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Interview Special アルジャメイン・ステーリング ピョートル・ヤン ブログ 青木真也

【Special】月刊、青木真也のこの一番:3月─その壱─ステーリング✖ヤン「片ヒザをついてのシングル」

【写真】独特のシングル、そこにいくまでの打撃の組み立て方に工夫が見られたステーリング。反則で王座を失ったピョートル・ヤンはこれまで見たことがない攻撃と防御を駆使して戦っていた (C)Zuffa/UFC

過去1カ月に行われたMMAの試合から青木真也が気になった試合をピックアップして語る当企画。

背景、技術、格闘技観──青木のMMA論で深く、そして広くMMAを愉しみたい。

青木が選んだ2021年3月の一番、第一弾は3月6日に行われたUFC259 からUFC世界バンタム級選手権試合=アルジャメイン・ステーリング✖ピョートル・ヤン戦について語らおう。


──青木真也が選ぶ2021年3月の一番、最初の試合をお願いします。

「ハイ、アルジャメイン・ステーリング×ピョートル・ヤンですね。この試合は『アルジャメインがある』って言っていたじゃないですか。で、結果的にアルジャメインだったと(笑)」

──本当に結果的に……でした。

「ただアルジャメインって、ヒザをついた状態からシングルレッグに入るじゃないですか、アレは盲点をついていて面白いと感じました。あの組み方を多用していると、相手は戦い辛いですよね。北米ルールだと、ヒザをキャンバスについている選手にヒザも蹴りも入れることができないから。

水垣さんも、あのヒザつきから組まれたんですけど、アレを身に着けることができれば強力な武器になると思ったんです」

──それは北米ルールならということですよね。

「ハイ。北米ルールだと凄く有効な策だと思います。日本国内では北米ルールを視野に入れている選手が、極端に少なくなっているかもしれないですけど」

──アルジャメインのようにそこから先があれば大丈夫ですが、それがないと打撃戦を避けているという風にとられないでしょうか。

「今のMMA、格闘競技でいうとそうなります。それでも凄く有効なテクニックだし、そこにいくまでもアルジャメインは組み立ても工夫している。そのための打撃も凄く良かったし。

まぁピョートル・ヤンの方が強いとは思うんだけど、その工夫が見られて良かったです」

──反則負けになってしまったのですが、ピョートル・ヤンの方が完全に盛り返していました。

「ピョートル・ヤンは完全に顔を覆う防御が興味深かったです。あれにはムエタイの影響が強いし、まだ倒されてないという強さが出ている戦い方だと思います。

そのうえで大外刈りを決めて。ロシアン・レスリングというか、ロシアン柔道というか……民族格闘技の集合体がサンボというのに通じていて、組み技の集合体を見せていますね」

──そのうえで2人とも妙なリズムの試合だったように感じました。ステーリングにしても、積極的な攻めは序盤に限られ、ピョートル・ヤンは戦い方自体がまるで変わってしまっていました。

「ピョートル・ヤンは練習環境が変わったというのも関係しているかもしれないですね。アルジャメインも5Rということがあったでしょうね。でも、僕はあのぐらいの試合で十分に満足できました。

ピョートル・ヤンのロシアっぽさと、アルジャメインの米国レスリングらしさが見られて。今、UFCでも世界戦で注目されても……アデサニャ×ブラボビッチがそうだったように、試合内容では引っ張ることができていないですよね」

──確かにその通りです。試合自体もペース配分が目立ちます。

「ハイ、だからMMA世界一を決めるっていう盛り上がりは試合内容からは感じられない。疲れないことが前提になっていると、ボクシングっぽいですよ。退屈になっていってしまうからこそ、ルールの改正はあるかもしれないです」

──それにしても青木選手が着眼するのは、他がやらない技術、青木選手も使っていない技術ということでしょうか。

「まさにアルジャメインのヒザをついてからシングルレッグは、そうですね。ONEルールだと、グラウンドでのヒザが認められているので──無理ですよね。向いていない。じゃあONEのルールだと何が向いているのかっていうことは考えています」

──MMAはここまで進化して、ルールに則して勝つ必要がある状態ですし、北米ルール、ONEルール、リング使用かケージ使用、そしてサッカーボール有りなど、MMAという一言では済まされない。そのルールに特化した勝ち方、技術体系ができてきていると思うのですか。

「もう別物です。立ち技だとK-1ルールが、独立したように。ムエタイとK-1は別物で。だからMMAも北米ルール、ONEルールという風に違ったモノになるかと思います。サッカーボールキックの有無もそうだし、ブレイクのタイミング、スクランブルの評価も含めて戦い方も違ってきますしね。RIZINのように背中をつけて良いなら、理屈では引き込んでも良いということですよね」

──それはONEにも当てはまるのではないでしょうか。テイクダウンを重視しないのであれば、引き込みをマイナス評価するべきでないと。

「だからこそ、引き込むという策もありで。ただし、実は一旦下になってすぐに起き上るというのはレスリング、それは北米MMAですよね。だから、そのような理屈の攻撃をガードポジションをとるのではなく、片ヒザをついた状態から組んでいっているアルジャメインが、発想として面白かったです。王道の勝ち方は存在しますが、それだけでない。だからこそ研究の余地が残っている」

──このルールの間を行き来できる選手と、そうでない選手が出てきそうです。

「行き来できない人間はいますね。僕はどっちに向いているというのもない。どっちにしてもない、技術体系なので。性格的にも何が向いていて、何が向いていないのかを見るのは得意なので。それをいじって分析したいですね」

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Report UFC UFC259 アルジャメイン・ステーリング ピョートル・ヤン ブログ

【UFC259】UFC史上初、反則負けでピョートル・ヤンがベルト失い。ステーリングが新バンタム級王者に

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
アルジャメイン・ステーリング(米国)
Def. 4R4分29秒 by DQ
ピョートル・ヤン(ロシア)

一気に距離を詰めて左ミドルを入れたステーリングが、ジャブの中で右ミドルや関節への蹴りを見せる。パンチから組みを見せたステーリングは、直ぐに離れつつ右を振るう。間断なく蹴り、パンチを続けるステーリングは、待ちの姿勢のヤンにヒザ蹴りを入れる。ヤンはローこそ返すが、打撃で前に出ることはなく蹴り足をキャッチしてテイクダウン。

蹴り上げで顔を蹴られ離れたヤンは、続いてスタンドに戻ったステーリングの跳びヒザを被弾する。残り半分でダブルレッグを決めたステーリングが大きな振りの鉄槌を落とす。ヤンはスクランブルから立ち上がりバックへ。胸を合わせてきたところで右を見せ、距離を取ったヤンが右ストレートを打ち込む。後方に倒れてから、起き上ったステーリングだがローでバランスを崩し、蹴り上げで足を振りまわして立ち上がる。

続く組みでワキを差されたステーリングが、なんとカニバサミから足関節を狙う。これを許さずスタンドに戻ったヤンはバックを取り、頭からスラムする。動きが落ちたステーリングはシングルレッグ、ハイクロッチでリバーサルを狙い、スタンドに戻るとスピニングバックフィストを狙ったところで時間となった。

2R、右フックの直後に組み、離れたステーリングが左ハイを狙う。ヤンはハイキックでバランスを崩したステーリングをがぶる。後方に引き込んだステーリングに、ヤンはローを蹴る。ブレイクで立ち上がったステーリングが腹を蹴り、シングルレッグも潰されダブルに移行し起き上り、ケージに詰めて再びダブルへ。

ケージを背にして耐えるヤンは、前方に崩されるもバックを取られないようにすぐに胸を合わせた立ち上がる。執拗にダブルを仕掛け、ヤンを削っていくステーリング。ただし、この攻防は自らの削られる可能性がある。シングルレッグはスネを当てて片足で耐えるヤンにセコンドはハラショーという声を掛ける。

ここからヒザを見せたヤンは、離れたステーリングのスピニングバックエルボーをかわす。それでもステーリングは細かいパンチからエルボーを入れて前に出るが、組み合いでバックに回ったヤンが、スナップダウンで背中から落とし立ち上がるところでバックコントロールに。そのままラウンド終了となった。

3R、打撃戦から組んでヒザを入れるステーリングだが、動きは落ちているか。ヤンは左を伸ばし、組みをがぶってヒザを突き出す。ボディを入れ、オーバーハンドは空振りになったが、テイクダウン狙いを切って離れたヤンは、左から右を当てる。ヤンは左ミドル、ステーリングは右ミドルを返すが、パンチを受けて下がる。ボディからヒザを放つステーリングが、シングルを切られバックから蹴られそうになる。左を当てたヤンは、右ローから組んで大外刈りを決める。

ステーリングが立ち上がるのを待ったヤンは、テイクダウン狙いを切って蹴りを入れる。ステーリングは徹底して組みを続けるも、ヤンは切ってヒザ蹴り。自らの回転拳でバランスを崩したステーリングは、立ち上がっても喉輪で倒される。スタンドで待ったヤンはハイをブロックし、シングルを切ると手をマットにつくステーリングにパンチを入れる。

立ち上がりながらスピニングバックフィストのステーリングは、一発狙いが目立って来る。ローを蹴り合い、右のパンチから組んでバックに回ったヤンが、スクランブルで上を取り時間に。

4R、蹴り足を捕まえ直ぐに倒れたステーリングは、シングルから立ち上がるもボディにパンチを受け、自らのボディを打ち返す。顔を守って腹を殴らせるヤンは、テイクダウンをことごとく切り左ストレートを打ち込む。右ミドルを入れたチャンピオンは、ケージに押し込まれても、右腕を差して押し返す。スピニングバックフィストは空振りにあったが、ステーリングが軸の無い回転系の蹴りやパンチを続ける。

腹を蹴られ、動きがさらに落ちたステーリングは左を被弾し、前に出ても右を打たれる。さらにヤンが左を入れると、ケージ際に下がりアイポークをアピールする。レフェリーは流し、テイクダウン狙いを切ったヤンがヒザを入れる。ステーリングは右ハイを2度見せるが力なく、テイクダウン切られ片ヒザをマットにつく。

ここでヤンは顔面にヒザを突き上げる。全く必要ない反則攻撃で試合が中断する。足を伸ばし、試合再開に消極的なステーリングだが、誰も文句を言うことはできない。

ステーリングは試合に戻ることはできず、試合はまさにアンフィニッシュド・ビジネスという感じでフィニッシュに。結果、ステーリングが反則勝ちで新UFC世界バンタム級チャンピオンに。しかし、ステーリングはベルトを放りだし、しゃがみ込んで涙にくれた。

ここまでの裁定ではステーリングが2票を集めていたということが明らかになったが、この裁定も首をかしげる。いずれにせよ、ヤンは全く必要のなかったUFC史上、初の反則攻撃でベルトを失うこととなった。

そして、ヤンはコーナーに蹴って良いかを尋ね、セコンドがイエスと返答して蹴ったということも明らかに。

勝利者インタビューでも涙のステーリングは「全てを賭けてやってきて、こんな形で終わるなんて、望んでいなかった。一進一退の攻防だけど2つ落としていた。こんなの……続けたかったけど、無理だったんだ。反則の攻撃で……。コーナーが蹴って良いと言った? 続けたかった。最初はハイペースでファンも楽しんでいたはずだ。フ〇ッ〇ン・ブ〇シ〇ト」と何とか言葉をつないだ。


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【UFC259】計量終了 ジョーンズ、メディッチ、アルバーグ。アーリープレリミも注目カードがズラリ

【写真】上背でアデサニャが、ブラボヴィッチを上回っている?! (C)Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXで開催されるUFC259「Blachowicz vs Adesanya」の計量が、5日(金・同)に行われた。

UFC世界ライトヘビー級選手権試合=王者 ヤン・ブラボヴィッチ✖チャレンジャーUFC世界ミドル級王者イスラエル・アデサニャ、UFC世界女子フェザー級選手権試合=王者アマンダ・ヌネス✖挑戦者ミーガン・アンダーソン、UFC世界バンタム級選手権試合=王者ピョートル・ヤン✖挑戦者アルジャメイン・ステーリングというトリプルクラウンに加え、メインカードからプレリミまで気になるカードが、並びに並んでいる今大会。


まずアーリー・プレリミの第1試合にトレヴィン・ジョーンズが出場する。

PXCからTOP FC、そしてACAを経てDEEPにも来日したグアムのジョーンズは、昨年に8月に劇的な大逆転KOでチムール・ワリエフという強豪を下しながら、マリファナの服用で勝利を取り消され今回が仕切り直しの一戦となる。

対するマリオ・バウティスタはCombate AmericasやLFAからUFCへステップアップ。コーリー・サンドハーゲンには敗れたものの、元DEEP王者キム・ジンス、元LFA王者マイルズ・ジョンズに勝利している実力者だ。ワリエフ戦同様に苦戦は避けられないジョーンズが、どのような戦いを見せるか。

アーリー・プレリミ第2試合に出場のウロス・メディッチは昨年8月にコンテンダーシリーズで見事なパウンドTKO勝ちを収め、ダナ・ホワイトに見初められたファイターだ。

KINGS MMAでハファエル・コルデイロに師事するセルビア人ファイターのメディッチ、どのようやUFCキャリアのスタートを切るのか。

メディッチと同様に昨年のコンテンダーシリーズから注目のデビューを果たすのが、カーロス・アルバーグだ。

アデサニャのトレーニング・パートナーのアルバーグは、NZのトップ・キックボクシング・プロモーションであるKing Of the Ringの8人制トーナメントを100キロと92キロ級で制している。アデサニャが86キロ級と100キロ級で3度頂点に立っているに続く、マルチ王者がアルバーグだった。

打撃の強さは絶対的。組みは未知数のアルバーグだけに、ハードヒッター=ケネディ・ンゼチェクウとは手の合う顔合わせといえるだろう。

さらにキャリア13勝0敗のショーン・ブレイディと豪州の親子鷹ジェイク・マシューズのウェルター級戦ら、他プロモーションならメインカードでもおかしくないカードがアーリー・プレリミから見られる。

プレリミではドミニク・クルーズ✖ケイシー・ケニー、ソン・ヤードン✖カイラー・フィリップスという2つのバンタム級戦と、ジョセフ・ベナビデス✖アスカル・アスカロフ、ホジェリオ・ボントリン✖カイ・カラフランスのフライ級マッチが組まれているが、アスカロフが今大会唯一の体重オーバーとなり、127ポンド契約マッチとなった。

WEC世代の生き残りベナビデスにとって、厳しくタフなアスケロフと背水の陣で戦うマッチアップだ。

群雄割拠のバンタム級の覇権争い、アデサニャがチャンプ・チャンプを目指すメインイベント。ここで注視したいのはアデサニャの体重がリミットより5ポンド近く軽いということ。ブラボヴィッチはリカバリーが見込まれるため、このライトヘビー級世界戦はパワー&瞬発力✖スピード&タイミングの争いとなりそうだ。

■視聴方法(予定)
3月7日(日・日本時間)
午前8時~UFC FIGHT PASS
正午~PPV
正午~WOWOライブ

■UFC259計量結果

<UFC世界ライトヘビー級選手権試合/5分5R>
[王者] ヤン・ブラボヴィッチ: 205ポンド(92.99キロ)
[挑戦者]イスラエル・アデサニャ: 200.5ポンド(90.94キロ)

<UFC世界女子フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者] アマンダ・ヌネス: 145ポンド(65.77キロ)
[挑戦者]ミーガン・アンダーソン: 144.5ポンド(65.54キロ)

<UFC世界バンタム級選手権試合/5分5R>
[王者] ピョートル・ヤン: 135ポンド(61.24キロ)
[挑戦者]アルジャメイン・ステーリング: 134.5ポンド(61.0キロ)

<ライト級/5分3R>
イスラム・マカチェフ: 156ポンド(70.76キロ)
ドリュー・ドパー: 156ポンド(70.76キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
チアゴ・マヘタ: 206ポンド(93.44キロ)
アレクサンドル・ラキッチ: 206ポンド(93.44キロ)

<バンタム級/5分3R>
ドミニク・クルーズ: 136ポンド(61.69キロ)
ケイシー・ケニー: 136ポンド(61.69キロ)

<バンタム級/5分3R>
カイラー・フィリップス: 136ポンド(61.69キロ)
ソン・ヤードン: 135.5ポンド(61.46キロ)

<フライ級/5分3R>
ジョセフ・ベナビデス: 125.5ポンド(56.92キロ)
アスカル・アスカロフ: 127ポンド(57.6キロ)

<フライ級/5分3R>
カイ・カラフランス: 125.5ポンド(56.92キロ)
ホジェリオ・ボントリン: 126ポンド(57.15キロ)

<フライ級/5分3R>
ティム・エリオット: 125.5ポンド(56.92キロ)
ジョーダン・エスピノーサ: 126ポンド(57.15キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
カーロス・アルバーグ: 205.5ポンド(93.21キロ)
ケネディ・ンゼチェクウ: 205ポンド(92.99キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ショーン・ブレイディ: 170.5ポンド(77.34キロ)
ジェイク・マシューズ: 169.5ポンド(76.88キロ)

<女子ストロー級/5分3R>
リヴィア・ヘナタ・ソーサ: 116ポンド(52.62キロ)
アマンダ・レモス: 116ポンド(52.62キロ)

<ライト級/5分3R>
ウロス・メディッチ: 156ポンド(70.76キロ)
アーロン・クルーズ: 155ポンド(70.31キロ)

<バンタム級/5分3R>
トレヴィン・ジョーンズ: 134.5ポンド(61.0キロ)
マリオ・バウティスタ: 135.5ポンド(61.46キロ)

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UFC Result UFC250 アマンダ・ヌネス アルジャメイン・ステーリング エディ・ワインランド コディー・ガーブラント コリー・サンドハーゲン ショーン・オマリー ハファエル・アスンソン ブログ ・ワインランド

【UFC250】試合結果 ヌネス無双。Ridiculous!! バンタム級=ガーブラント、ステーリング、オマリー!!!!!!

【写真】強烈なインパクトとともにカムバックを果たしたコディー・ガーブラント(C)Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC250が開催された。

ヌネスは確かに笑顔を浮かべるような感じで戦っていた(C)Zuffa/UFC

メインのUFC世界女子フェザー級選手権試合はバンタム級との二冠王アマンダ・ヌネスが、初回から最終回までフェリシア・スペンサーを打・倒で圧倒し、判定勝ちし無双ぶりを発揮した。

注目のバンタム級3カードはコディー・ガーブラント、アルジャメイン・ステーリング、ショーン・オマリーの3選手が、それぞれパフォーマンス・オブ・ザ・ナイトを獲得する内容で、ハファエル・アスンソン、コリー・サンドハーゲン、エディ・ワインランドを破っている。

パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト=コディー・ガーブラントアルジャメイン・ステーリングショーン・オマリーアレックス・ペレス

UFC250「Nunes vs Spencer」
<UFC世界女子フェザー級選手権試合/5分5R>
○アマンダ・ヌネス(ブラジル)5R
判定
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×フェリシア・スペンサー(カナダ)
<バンタム級/5分3R>
○コディー・ガーブラント(米国)2R4分59秒
KO
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×ハファエル・アスンソン(ブラジル)
<バンタム級/5分3R>
○アルジャメイン・ステーリング(米国)1R1分28秒
RNC
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×コリー・サンドハーゲン(米国)
<ウェルター級/5分3R>
○ニール・マグニー(米国)3R
判定
詳細はコチラ
×アンソニー・ロッコ・マーチン(米国)
<バンタム級/5分3R>
○ショーン・オマリー(米国)1R1分54秒
KO
詳細はコチラ
×エディ・ワインランド(米国)
<フェザー級/5分3R>
○アレックス・カサレス(米国)3R
判定
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×チェイス・フーパー(米国)
<ミドル級/5分3R>
○イアン・ハイニッシュ(米国)1R1分14秒
TKO
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×ジェラルド・マーシャート(米国)
<フェザー級/5分3R>
○コディー・ステーマン(米国)3R
判定
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×ブライアン・ケレハー(米国)

<ミドル級/5分3R>
○マキ・ピトロ(米国)2R1分10秒
TKO
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×チャールズ・バード(米国)
<フライ級/5分3R>
○アレックス・ペレス(米国)1R4分06秒
TKO
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×ジョズエ・フォルミーガ(ブラジル)
<ライトヘビー級/5分3R>
○デビン・クラーク(米国)3R
判定
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×アロンゾ・メニフィールド(米国)
<150ポンド契約/5分3R>
○エウベウチ・バーンズ(ブラジル)1R1分20秒
RNC
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×エヴァン・ダナム(米国)


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Report UFC UFC250 アルジャメイン・ステーリング コリー・サンドハーゲン ブログ

【UFC250】アルジャメイン・ステーリングがサンドハーゲンを98秒で絞め落とす!!!!

<バンタム級/5分3R>
アルジャメイン・ステーリング(米国)
Def.1R1分28秒by RNC
コリー・サンドハーゲン(米国)

左右に回り右ハイを見せたサンドハーゲン。ステーリングは左の蹴りをキャッチして組んでいく。右を差し、崩してバックに回ったステーリングは寝技に持ち込む。サンドハーゲンの背中を反らせて、RNCに入るステーリング。ヒジを押し上げて防御したサンドハーゲンだが、四の字フックでしっかりと背中を制される。左腕を差しいれたステーリングは、そのまま絞め上げ──サンドハーゲンはタップと同時に落ちた。

最初のチャンスをしっかりと手にしたステーリングは「この国は素晴らしいけど、多くの変化が必要なんだ。特にマイノリティに関しては」と話し、「人生で最大の勝利だ。僕はセラBJJの『ブラック』ベルトなんだ。ジャマイカで初のUFCショーをやろう」と興奮を隠しきれずコメントした。これはピョートル・ヤンとの王座決定戦は決定か──。


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【UFC240】計量終了 体重オーバーなし。拳タッチ、肘タッチ? コロナ時代のフェイスオフ

【写真】出場24選手が体重オーバーがなかった (C) Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEX開催されるUFC250「Nunes vs Spencer」の計量が5日(金・土)に行われた。

全12試合、出場24選手の全員に計量ミスは見られなかった。


もはやマスク姿の計量がノーマルとなったUFC。アレックス・カサレスだけが、計量パス後に口を覆っていたスカーフを外して笑みを見せ、チェイス・フーパーとのフェイスオフで握手を求めるも、フーパーはグータッチで応えた。

今回、普通にフェイスオフで握手をする選手も見られたなか、主流をしめたのがこのグータッチ。メインでUFC世界女子フェザー級のベルトを賭けて戦うアマンダ・ヌネスとフェリシア・スペンサーも別れ際にグータッチをしている。

他方、注目のPPVバンタム級3試合では、ショーン・オマリーはエディ・ワインランドの握手に対し、エルボータッチを求めた。アルジャメイン・ステーリングとコリー・サンだハーゲンはエアー・グータッチ、セミのコディー・ガーブラントとハファエル・アスンソンは握手系の動きは全く見せなかった。

■UFC250計量結果

<UFC世界女子フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]アマンダ・ヌネス: 146ポンド(66.22キロ)
[挑戦者]フェリシア・スペンサー: 145.5ポンド(66.0キロ)

<バンタム級/5分3R>
コディー・ガーブラント: 136ポンド(61.69キロ)
ハファエル・アスンソン: 136ポンド(61.69キロ)

<バンタム級/5分3R>
アルジャメイン・ステーリング: 136ポンド(61.69キロ)
コリー・サンドハーゲン: 135.5ポンド(61.46キロ)

<ウェルター級/5分3R>
ニール・マグニー: 171ポンド(77.56キロ)
アンソニー・ロッコ・マーチン: 170.5ポンド(77.34キロ)

<バンタム級/5分3R>
ショーン・オマリー: 136ポンド(61.69キロ)
エディ・ワインランド: 136ポンド(61.69キロ)

<フェザー級/5分3R>
チェイス・フーパー: 145.5ポンド(66.0キロ)
アレックス・カサレス: 146ポンド(66.22キロ)

<ミドル級/5分3R>
イアン・ハイニッシュ: 185.5ポンド(84.14キロ)
ジェラルド・マーシャート: 185.5ポンド(84.14キロ)

<フェザー級/5分3R>
コディ・ステーマン: 145.5ポンド(66.0キロ)
ブライアン・ケレハー: 146ポンド(66.22キロ)

<ミドル級/5分3R>
チャールズ・バード: 184.5ポンド(83.68キロ)
マキ・ピトロ: 185.5ポンド(84.14キロ)

<フライ級/5分3R>
ジョズエ・フォルミーガ: 126ポンド(57.15キロ)
アレックス・ペレス: 126ポンド(57.15キロ)

<ライトヘビー級/5分3R>
アロンゾ・メニフィールド: 205ポンド(92.99キロ)
デビン・クラーク: 205.5ポンド(93.21キロ)

<150ポンド契約/5分3R>
エヴァン・ダナム: 149.5ポンド( 67.81キロ)
エウベウ・バーンズ: 149.5ポンド( 67.81キロ)

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Preview UFC UFC250 アルジャメイン・ステーリング コリー・サンドハーゲン ブログ

【UFC250】世界最高峰のバンタム級、最注目株=サンドハーゲンがステーリングと対戦

【写真】コリー・サンハーゲン、ヘンリー・セフードが外れたバンタム級戦線で頂点に絡むことは間違いないだろう (C) Zuffa/UFC

6日(土・現地時間)、ネヴァダ州ラスベガスのUFC APEXでUFC250「Nunes vs Spencer」が開催される。5月30日のUFC ESPN09から1週間、今大会から13日、20日、27日とUFCは5週連続でUFC APEXでイベントを開催する。

UFC250のメインは5月9日大会出場要請に対し、時間が必要と返答した女子世界二冠アマンダ・ヌネスがフェリシア・スペンサーを相手に女子フェザー級王座初防衛戦を行う。そんな同大会ではメインカードに3試合のバンタム級マッチが組まれている。


コディー・ガーブラント✖ハファエル・アスンソン、アルジャメイン・ステーリング✖コリー・サンドハーゲン、ショーン・オマリー✖エディ・ワインランドというバンタム級3試合。昨年2月以来の実戦復帰となる元世界王者ガーブラントの再起戦、コンテンダーシリーズ出身で3月に2年振りのファイトでオクタゴン3連勝を達成したオマリーも注目だが、なかでも最注目なのはステーリングと対戦するサンドハーゲンといえる。

LFAからUFC復帰を狙う田中路教をして、「抜けています。こんなヤツが出てきてしまったのかと……。手足が長くて、正面からの打撃も上手く、スイッチもデキるのに組み技も普通以上にできます」と言わしめたのが、サンドハーゲンだ。

サンドハーゲンの特徴はまさに田中の言葉通りだ。オーソ基調のスイッチヒッターで、左ボディのエグさはオクタゴン髄一といえる。幼少期にテコンドーを習いながら顔面パンチがないことで辞め、両親に勝ってもらってグローブをつけてサンドバッグを殴っていたというサンドハーゲン。17歳になり地元コロラド州オーロラでネイト・マーコートの下でMMAを始めると、大学で同州ボルダーに移りハイアルティトゥード・マーシャルアーツでクリス・アレン門下に。

アレンはドゥエイン・ラドウィックもチームメイトで、本格的にキックボクシングやムエタイを習得した上でMMAに転向した──打撃が抜きんでたウェルラウンダーの第一世代といえるファイターだった。そのアレンの下でWKAノースアメリカン王座、さらに世界王座とキックで結果を残し、首相撲&ヒジ有りムエタイも経験したことがMMAファイター=サンドハーゲンの軸となっている。

加えてブラジリアン柔術でも茶帯の巻くサンドハーゲンは、師アレン以上の破壊力を持つウェルラウンダーに成長した。上に記したように左ボディで腹を効かせ、頭が下がった相手にヒザの追撃を掛けると、エルボーを叩きこむ。倒れた相手にも容赦なくヒジを織り交ぜてパウンドアウト。蹴りもローを利かせて、ハイを蹴り抜き、下がった相手に容赦なく飛びヒザを見舞っていくなど、とにかく嵩にかかって攻めるのがサンドハーゲンの信条だ。

2018年に7勝1敗の戦績でUFCと契約を果たすと、これまでで5連勝。3勝目となったマリオ・バウティスタ戦ではスタンドのキムラから後方に投げ、クラッチを支点に上を取るとマウントから腕十字、下になって三角クラッチに切り替えて、腕ひしぎ腕固めを極めている。サンドハーゲンは寝技でも上になろうが、下になろうが徹底して攻めの姿勢を貫く。

直近のハファエル・アスンソン戦では、組まれては上記のキムラクラッチから後方へ倒れ込み足関節に移行、または股間に腕を通してロール系の動きでスクランブルに持ち込むシーンも見られた。

さらにいえば、ジョン・リネケル戦では真正面、近距離の殴り合いでも競り勝っている。打撃で圧力をかけてダブルレッグを狙えば、クリンチでムエタイ流の崩しにも繰り出す──UFCバンタム級戦線にあって、これだけ引き出しの多いファイターもいないだろう。

サンドハーゲンの長所を書き並べると、ステーリングに勝ち目がないように映るが決してそうではない。逆にいえば、一瞬の打撃が交錯してダメージを負う展開を除くと、サンドハーゲンにとってステーリングのようなファイターが一番の苦手といえるかもしれない。キャリア唯一の敗北を喫したジャマル・エマーズは、テイクダウンからコントロールのみでなく積極的にサブミッションを仕掛けるタイプ。そのエマーズをより強固に、かつ執拗にしたのがステーリングだ。

動きも手数も多い。全ては組みつくため。テイクダウンもかなり遠い位置から、低く飛び込んで足を取るや、ヒザをついて前進し執拗に上を取ること狙い続ける。ステーリングは気持ちと体力が必要なファイトを厭わない。対して、サンドハーゲンはストライキングもテイクダウンに付き合う。あれだけ絵のストライカーながら、組みを拒絶して打撃勝負でなく、懐に入らせてレスリングに付き合う。

ある意味、何でもできるファイターかつ攻めの姿勢が強いサンドハーゲンにとって唯一の穴が──付き合わない姿勢を持たないことかもしれない。今回の試合ではステーリングのレスリングに付き合ったことで、バックを許し動きを止められた結果、削れるという過去に見せたことがない場面が起こる可能性も十分にある。

それが世界最高峰のバンタム級2位=ステーリングと4位サンドハーゲンの対決、だ。

■UFC250対戦カード

<UFC世界女子フェザー級選手権試合/5分5R>
[王者]アマンダ・ヌネス(ブラジル)
[挑戦者]フェリシア・スペンサー(カナダ)

<バンタム級/5分3R>
コディー・ガーブラント(米国)
ハファエル・アスンソン(ブラジル)

<バンタム級/5分3R>
アルジャメイン・ステーリング(米国)
コリー・サンドハーゲン(米国)

<ウェルター級/5分3R>
ニール・マグニー(米国)
アンソニー・ロッコ・マーチン(米国)

<バンタム級/5分3R>
ショーン・オマリー(米国)
エディ・ワインランド(米国)

<フェザー級/5分3R>
チェイス・フーパー(米国)
アレックス・カサレス(米国)

<ミドル級/5分3R>
イアン・ハイニッシュ(米国)
ジェラルド・マーシャート(米国)

<フェザー級/5分3R>
コディ・ステーマン(米国)
ブライアン・ケレハー(米国)

<ミドル級/5分3R>
チャールズ・バード(米国)
マキ・ピトロ(米国)

<フライ級/5分3R>
ジョズエ・フォルミーガ(ブラジル)
アレックス・ペレス(米国)

<ライトヘビー級/5分3R>
アロンゾ・メニフィールド(米国)
デビン・クラーク(米国)

<150ポンド契約/5分3R>
エヴァン・ダナム(米国)
エウベウ・バーンズ(ブラジル)