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【DEEP JEWELS32】3月7日、アトムGP開幕戦。ストロー級タイトル戦=本野✖伊澤、奈部ゆかりが復帰戦

【写真】富松恵美、青野ひかる、大島沙緒里、パク・シウ ──実績的には上位4名といって良いGP参加選手。にっせー、さくら、永尾音波、村上彩らが上位の壁をいかに破るのかも楽しみだ(C)KEISUKE TAKAZAWA & MMAPLANET

18日(月)DEEPより3月7日(日)に東京都文京区の後楽園ホールでDEEP JEWELS32~アトム級GP2001開幕戦~の開催とGP出場メンバー、DEEP JEWELSストロー級選手権試合を含んだ決定対戦カードの発表があった。

かねてより話に挙がったいたストロー級GP、3月の後楽園大会で1回戦が行われ、5月大会で4人制ワンナイトトーナメントで優勝者が決まる。そのトーナメント出場メンバーは以下の8人で、顔合わせは後日抽選で決定する。

【アトム級GP2001出場選手】
富松恵美
大島沙緒里
パク・シウ
青野ひかる
にっせー
さくら
永尾音波
村上彩


富松恵美は元アトム級暫定王者で、大島沙緒里は現DEEP女子ミクロ級チャンピオン。12月にその大島を破ったパク・シウが韓国から参戦する。また青野ひかるは昨年10月に前澤智の持つアトム級王座に挑戦して逆転負けを喫している。大島とのミクロ級王座決定戦に敗れた──にっせーらが出場する今回のGPトーナメント。今や海外ではトーナメントを年単位で行うようになったが、2大会の短期決戦はまさにJ-MMAスタイルといえるだろう。

なお今日の発表ではDEEP JEWELSストロー級選手権試合=チャンピオン本野美樹✖伊澤星花も明らかとなっている。このタイトル戦は昨年12月のノンタイル戦で伊澤に敗れたチャンピオンのリベンジ戦となる。

さらに一昨年12月にRoad FCに参戦し、試合前にヒザを負傷していながらローワン・ピルガーに激勝した奈部ゆかりが、実に1年4カ月振りの実戦復帰戦をミッコ・ニルバーナを相手に行うことも発表された。

DEEPとDEEP JEWELSのダブルヘッダーでなく、単独で後楽園ホールでの開催となる同大会、JEWELSの総力戦となる。

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DEEP97 J-CAGE Report にっせー ブログ 大島沙緒里

【DEEP97】最初の組みからTD→ポジション奪取、腕を極めた大島がニッセーを破りDEEP女子ミクロ級王者に

【写真】にっせーは大島の組み力に、立ちの展開に戻せず完敗を喫した(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

<DEEP女子ミクロ級王座決定戦/5分3R>
にっせー(日本)
Def.1R2分09秒by TKO
大島沙緒里(日本)

すぐに組みついた大島が、左腕を差してテイクダウン。サイドで抑え、マウントを狙う。ハーフで耐えるにっせーからマウントをとり、袈裟にからハンマーロックの形を採った大島がパンチを連打する。

腕が抜けず、動けないにっせーは殴られるばかり。それでも体を捩じり、ケージを蹴るが跳ね返すことができず、腕を極められながら連打されるとレフェリーが試合を止め、大島が初代DEEP女子ミクロ級チャンピオンの座に就いた。

「まだまだこれから総合的な力をつけないといけないと思っているので、皆さん、応援お願いします」と新チャンピオンは話し、ママに戻りケージサイドの双子の愛娘に駆け寄った。


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DEEP97 Interview J-CAGE にっせー ブログ 大島沙緒里

【DEEP97】にっせー「練習環境でなく、質」。キャリア4戦目同士の王座決定戦=大島沙緒里戦へ

【写真】笑顔も締まって見える? 県による緊急事態宣言が9月5日に終了したばかりの沖縄にベルトを持ち帰ることができるか (C)MMAPLANET

20日(日)、東京都文京区の後楽園ホールで行われるDEEP97 IMPACTのセミでにっせーが大島沙緒里とDEEP女子ミクロ級王座決定戦に挑む。

日本の老舗3団体の王座に共にプロ4戦目で挑むという前例のないタイトル戦を前に、新型コロナウィルスの感染がある意味、首都圏よりも深刻に受け止められている──県独自の緊急事態宣言が試合の2週間前まで続いた沖縄で、にっせーはどのような調整を積むことができたのだろうか。

「試合が楽しみでしかない」と言い切るにっせーが、計量直後に何を語ったのか。


──計量を終えたばかりですが、体調の方はいかがですか。

「去年の12月の試合が終わってから、ユカシカドさんが栄養管理をしてくれていて。そのサポートがあって減量はもの凄く上手くいきました。感覚的には……栄養管理をしてもらってから、体調不良がなくなり代謝が上がり体重が落としやすくなった感じです」

──凄く締まっていますね。広背筋がガッツリです。

「でも筋トレは一切していないんです。重たくなりたくないので、パワーではないところで勝負したいです」

──試合が発表になった時、新型コロナウィルス感染拡大で練習をするのも大変だということでしたが、沖縄県独自の緊急事態宣言もありましたか。

「試合の1週間前まで道場とかは閉まっていたので、砂浜でやっていた練習を公園の芝生の上に変えたり、走ったりしてきました。でも、不安はないです。勝つことしか考えていないので、フフフフ。寝技で抑え込まれたら、ちょっとヤバイと思います。

そういう練習は公園やビーチではできないのですが、ジムや道場というスペースないところの持ち主の方が、組み技も練習ができるように場所を貸してくれたりして、そのおかげで準備はできました」

──大島選手はAACCで万全を期すことができたかと思います。

「良いですよねぇ。でも練習環境とかではなくて、練習の質だと思うので……そうですね、負けないです」

──この試合で見せたい部分はどこでしょうか。

「やっぱり打撃が好きなので、打撃を見て欲しいなって思います。一応、寝技も練習をしてきているので、極められると思ったら腕十字だったり、チョークに行きたいと思います」

──そのチョイスですか(笑)。

「まだ4戦目? なので。アハハハハ」

──この試合で勝ってこそ、しなし戦の勝利が最大限に生きることになると思いますが、プレッシャーは?

「プレッシャーはないです。試合が9カ月振りなんで本当に楽しんで、お客さんが楽しんでくれたら嬉しいです」

──コロナ禍で大変ななか、沖縄からやってきてベルトを目指す。何か想うところはありますか。

「沖縄はコロナの影響で仕事ができなかったり、2カ月も休業している人とかもいます。自分の試合を見て、そういう人たちが少しでも元気になり、勇気づけることができればなって思います」

■視聴方法(予定)
9月20日(日・日本時間)
午後6時00分~PPV SPWN

■ DEEP97計量結果

<DEEPフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者] 弥益ドミネーター聡志:65.55キロ
[挑戦者] 牛久絢太郎:65.65キロ

<DEEP女子ミクロ級王座決定戦/5分3R>
にっせー:43.6キロ
大島沙緒里:43.9キロ

<ライト級/5分3R>
中村大介:70.45キロ
長倉立尚:70.6キロ

<キック63キロ契約/3分3R>
KINGレイナ:64.9キロ
熊谷麻理奈:62.9キロ

<フライ級/5分2R>
ランボー宏輔:56.6キロ
藤田大和:57.05キロ

<ウェルター級/5分2R>
米田奈央:77.4キロ
泰斗:76.0キロ

<バンタム級/5分2R>
原虎徹:61.5キロ
日比野純也:61.15キロ

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DEEP97 J-CAGE News にっせー ブログ 大島沙緒里 弥益ドミネーター聡志 牛久絢太郎

【DEEP97】計量終了 牛久絢太郎「全てを出し切って」&大島沙緒里「しっかりと出し切って」

【写真】メインでフェザー級王座に挑戦する牛久と、セミで女子ミクロ級王座決定戦に出場する大島 (C)MMAPLANET

19日(土)、明日20日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP97 IMPACTの計量が、中野区中野サンプラザ13階SKYで行われた。

キック戦に出場するKINGレイナが以外の13選手は問題なくクリア。計量のステージでそれぞれが抱負を語った。


弥益ドミネーター聡志
「明日は絶対に勝たないといけないという理由はないのですが、イイ大人が負けて恰好悪い姿を見せるのは嫌なんで頑張れるだけ頑張りたいと思います」
牛久絢太郎
「長い間、しっかりと準備できたので明日は全てを出し切って勝ちに来ます」

にっせー
「今回、計量も上手くいって体調もバッチリなので、明日は私がベルトを獲ります」
大島沙緒里
「初めてミクロ級なんですけど、しっかりと自分の出し切って勝ちに行きたいと思います」

中村大介
「格闘技を始めて、もう20年以上たつんですけど、凄い練習とか楽しくて。その楽しい気持ちを明日、発揮できれば──。長倉選手にぶつけられたらと思います」
長倉立尚
「これはこれで意義のある試合だと思うので、生き残ります」

KINGレイナ
※体重オーバーでコメントなし
熊谷麻理奈
「今回は再戦ということで、前よりもっと楽しい試合ができるように頑張ります」

ランボー宏輔
「明日は殴る準備も殴られる準備もできています。面白い試合になると思います」
藤田大和
「明日は強い選手とできるということで、ワクワクしてやってきました。勝ってタイトルに近づきたいと思います」

米田奈央
「明日は全てを出し切って圧倒したいと思います」
泰斗
「初参戦なんですけど、米田選手を踏み台にさせてもらいます」

原虎徹
「明日は自分の実力を見ませす。以上です」
日比野純也
「自分はエビ中を背負っているんで、ここでは負けられないです。エビ中を紅白に連れていくために、今回は勝たせてもらいます」

また全選手の計量後に佐伯繁代表より、マスクの着用、控室でも受け付けでもソーシャルディンスタンスを保つことを徹底する──という呼びかけがあり、「無症状で感染している人がいるかもしれないという前提で向き合ってほしいです」と訴えかけた。

■視聴方法(予定)
9月20日(日・日本時間)
午後6時00分~PPV SPWN

■ DEEP97対戦カード

<DEEPフェザー級選手権試合/5分3R>
[王者] 弥益ドミネーター聡志:65.55キロ
[挑戦者] 牛久絢太郎:65.65キロ

<DEEP女子ミクロ級王座決定戦/5分3R>
にっせー:43.6キロ
大島沙緒里:43.9キロ

<ライト級/5分3R>
中村大介:70.45キロ
長倉立尚:70.6キロ

<キック63キロ契約/3分3R>
KINGレイナ:64.9キロ
熊谷麻理奈:62.9キロ

<フライ級/5分2R>
ランボー宏輔:56.6キロ
藤田大和:57.05キロ

<ウェルター級/5分2R>
米田奈央:77.4キロ
泰斗:76.0キロ

<バンタム級/5分2R>
原虎徹:61.5キロ
西谷大成:61.15キロ

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DEEP97 J-CAGE News にっせー ブログ 大島沙緒里 弥益ドミネーター聡志 牛久絢太郎

【DEEP97】上限ありの有観客大会=DEEP後楽園ホール大会は、オープニングファイト無し=7試合で実施

【写真】4月の後楽園ホール大会は全13試合が組まれていたことを考えると、客席を減らして7試合で興行を打つ困難さは相当なはずだ。写真は8月23日のニューピアホール大会から(C)MMAPLANET

3日(木)、DEEPより20日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP97 IMPACTが全7試合で行われることが発表されている。

現状、後楽園ホールの使用時間がこれまでとは違い短縮されており、試合数は8月1日の修斗でも見られたように限定されてくる。そして、客入れの際にエレベーターの使用が禁止され、ソーシャルディスタンスを確保して検温、マスク着用のチェック、手・指の消毒、さらに連絡先の署名などを行うと、座席につくまでの時間がこれまで以上にかかりオープニングファイトに間に合わないことが予想される。

結果、原虎徹✖日比野エビ中純也の試合はオープニングファイトから本戦へと変更となった。

メインでDEEPフェザー級選手権試合=王者・弥益ドミネーター聡志✖挑戦者・牛久絢太郎、セミでDEEP女子ミクロ王者決定戦=にっせー✖大島早緒里、中村大介✖長倉立尚、KINGレイナ✖熊谷麻里奈、ランボー宏輔✖藤田大和、米田奈央✖泰斗というラインナップに、原✖日比野が加わった形だ。

試合数をしぼって上限を設けた有観客大会を行うDEEPでは、大会の1週間前・前後に選手、セコンド、競技運営陣、スタッフらが抗体検査をして、陽性反応が出るとPCR検査をするという段取りで感染予防対策を採っている。


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DEEP97 Interview J-CAGE にっせー ブログ 大島沙緒里

【DEEP97】大島沙緒里とDEEPミクロ級王座決定戦。にっせー「沖縄の夏が……沖縄のためにも絶対に勝つ」

【写真】試合に飢えている様子が、電話インタビューの声だけでも伝わってきた(C)KEISUKE TAKAZAWA/MMAPLANET

12日(木)、DEEPより9月20日(日)に東京都文京区の後楽園ホールで開催されるDEEP97 IMPACTで、DEEPフェザー級選手権試合=チャンピオン弥益ドミネーター聡志✖チャレンジャー牛久絢太郎に続き、2つ目のタイトルマッチ=DEEP女子ミクロ級王座決定戦=にっせー✖大島沙緒里戦が組まれることが発表された。

女子ミクロ級王座決定戦が組まれるということは、しなしさとこが同王座を返上することを意味する。以下、リリースに付記されたしなしのコメントだ。

「今現在、新型コロナウィルスにより生活や練習の状況が変わり、練習量がかなり減っています。私自身が納得するパーフェクトな状態で試合に出場出来ないと判断した為、苦渋の決断ではありますが、今期の試合を断念することにしました。その為ベルトを一度返上し、2021年は新たに挑戦者として戦わせて頂きます。必ず戻ってきますのでよろしくお願いします」

そのしなしを昨年12月に破り、5月に同王座に挑戦することが決まっていた──にっせーが、修斗女子スーパーアトム級王座決定トーナメントにも出場し、6月にDEEP JEWELSでさくらから一本勝ちを収めた大島とベルトを賭けて戦う。

DEEPにはJEWELSミクロ級王者アトム・ザ・ロケットというチャンピオンも存在しているが、もう一つのミクロ級王座を目指す一方で、新型コロナウィルス感染拡大で県独自の緊急事態宣言下にある沖縄のにっせーにタイトルマッチ出場に対してインタビューを行った。


──東京在住の私が言うのもどうかということですが、沖縄は大変ではないですか。

「もう、マジでヤバいです。地元の友達とかも感染していて……ただ無症状の人が多いです。感染していても分からないですし……国際通りもシャッター街になってしまって。沖縄の夏なのに……」

──そのなかで試合の準備というのは?

「それが……練習場所が全くないです。ジムも閉まり、プロ練習が行われているジムでも出稽古は禁止ですし。それに公共の体育館も開いていないので……。ビーチも立ち入り禁止で運動をできる場所が本当に限られています」

──試合の準備は大丈夫なのでしょうか。

「どうにか自主練をしています。安谷屋さん、それと熊谷さん時々練習させてもらっています。でも、5月も8月も試合ができなかったので、とにかく試合がしたかったです。今回はベルトも掛かっていますが、ベルト云々の前に試合がしたかったというのはあります」

──昨年12月にしなしさとこ選手を破り、5月に王座挑戦が決まっていましたが……コロナ禍で大会が中止になりました。

「あの試合に掛けていたので4月に仕事を辞めて練習に集中していたんです。格闘技一本でやろうと……でも、それから大会がなくなり8月も試合をしたかったのですが、できなくて。ファイトマネーが入らないから、午前中だけバイトをし始めました」

──う~む……コロナ禍の影響を受けているということですね。そして9月20日はしなし選手に挑戦ではなく、大島選手と王座決定戦です。

「私、本当はアム・ザ・ロケット選手と戦いたいんです。でもタイから選手が来日するのは今は難しいですし……、それでなくても大島選手は強いから本当にヤバい相手だと思っています」

──修斗の王座決定トーナメントに出ていた選手に遅れを取ることはできないという気持ちは?

「大島選手は修斗で良い試合をして、JEWELSでも凄く良い試合をしていました。普通に凄く強いです。正直、しなし選手より大島選手の方が強いと思っています。しっかりと仕上げて、強化した寝技を見せないと本当にヤバいです。でも負けられないです……。沖縄のためにも絶対に勝ちます」

今回のリリースではウェルター級2回戦で米田奈央✖泰斗のウェルター級2回戦と、オープニングバウト・バンタム級戦5分2Rが行われていることも明らかとなっている。

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DEEP95 Interview J-CAGE しなしさとこ にっせー ブログ

【DEEP95】5月6日のにっせー戦がなくなった、しなしさとこ─02─「家でデキることをエンジョイ」

Shinashi【写真】取材をした日の夜の献立はビーフシチューとズッキーニカルパッチョ、塩麹チキンと紫タメネギのサラダ。ご飯も土鍋で炊いている凝りようだ(C)SATOKO SHINASHI

5月6日、DEEP後楽園ホール大会でDEEP女子アトム級選手権試合で、にっせーと対戦予定だったしなしさとこインタビュー後編。

大会は中止となったが、それまで息子と離れて生活し、練習を続けていたという彼女は、試合がなくなったことに関しては淡泊なほどに「しょうがない」という感情しかなかったという。

家族と離れてまで練習をする──しなしの格闘家として性とは、正反対のように試合がなくなるとステイホームの楽しむ性質。コロナのある時代の日常生活と格闘技への取り組み方、常にベストを尽くす──しなしさとこの生態が明らかになった。

<しなしさとこインタビューPart.01はコチラから>


──それでも事態が変わってくるなか、中止に至るまで色々と気持ちがブレることはなかったですか。

「試合がある、ないに関係なく練習はしていました。今回はコロナウィルスという問題が加わりましたけど、私は小さいし、年はいっているし、弱いから常にケガに気を付けて、自分がやらないといけないことをしっかりとやるという気持ちでやってきました。

練習はサボらないこと。息子と離れていても、勝ちたかったです。でも私、ヤバイですよね(笑)」

──ヤバイですねぇ(笑)。ただ、中止になった時はホッとしたとかはなかったですか。

「K-1が開催されて、色々と叩かれた時点で大会は絶対にないと思っていました。だから、中止決定の時に感情のブレはなかったですね。自分は自分、それまではやることをしっかりとやるしかなかったですし。いつでも戦える準備をしておかないと、試合を戦うことはできないですから。命が大切だということは当然ですし、だから中止が決まった時も『しょうがない』と思っただけです。

それからはデキることをやる方向に切り替えましたけどね。実家の道場を使ったり」

──普段の生活も変わったのではないですか。

「だって犬としか会わないですから(笑)」

──アハハハハ。

「あとは家にこもって、掃除と料理を徹底してやっています。今は特に料理に走っていますね。スコーンとかマフィンまだ家で焼くようになりました」

──それは凝り性ですね(笑)。素敵なステイホーム方法だと思います。

「料理って……普段の生活では、そこまでできないから。もう、こんな時だからこそデキることで楽しもうかなって思っています。暗い話ばかりしてもしょうがないですしね。既に世界にはコロナが存在しているので。私自身は現状を見ると、年内は試合ができないかもしれないと思っているし」

──無観客大会を開くところ、そうでないところと2つの流れが日本の格闘技界も出てきそうですね。

「私はお客さんに来てもらわないと収入にならないので、今は試合をしなくて良いかと思っています」

──にっせー選手にリベンジしたいという気持ちも、それで抑え込むことができるのですね。

「う~ん、それとこれとでは問題が違いますからね。今はそういうことを言っている時期ではない。ただ試合がしたいという年齢でもないですし、世間体も大切です。これからコロナで不景気になることは間違いないですから。

そうなると一般の人が家計から削るのは、娯楽ですよね。格闘技観戦は娯楽で、今は皆がそこを楽しむ余裕がないです。ワクチンができるまでは、格闘技の大会があるのはそういう世間に対してイメージ的にも良くないと思います。人が一か所に集まるということを考えると、試合はしない方が良いと思っています。

私自身、道場には行っても実家にも寄らないですし。最悪の状況を考慮するからこそ、親とも2カ月半とか3カ月近く会っていないです。だから今、家でデキることをエンジョイしようと思って料理に凝っている感じですね(笑)」

──コロナがある時代だからこそ、できることを楽しむということですね。しなし選手は。

「ハイ。家で、できて。他の人の感染リスクを高めないなら、何でも良いと思いますよ。だから私は料理以外でも、映画を凄くたくさん視ています」

──あぁ、我が家でも娘も家内もNetflixで映画を視まくっていますよ。

「あのう……私はDVDです。私、そのネット系とか弱くて(笑)。BSとかWOWOWは視ているんですけど!!」

──Netflixの料理番組とか、凄く楽しいですよ。

「ネットフリックスぅ?? 私、アナログなんですよ。ちょっと調べてみますね。それで申し込みます」

──申し込むことは決定ですか(笑)。いやぁ、しなしさとこ面白いですね。一応、DVDもデジタルですけどね。DVDのDはデジタルですしね(笑)。

「アハハハハ。私、毎日のようにレンタルしに行っていました(笑)。早朝に行くと、人も少ないですし。今、早寝早起きなんです。朝5時に起きて、2度寝して7時に起きて料理を始める感じで」

──料理を趣味にしていると、バターが買えなくて困ったりしませんか?

「えぇ? 売っていないですか?」

──自分の家は基本は生協の宅配なんですが、足らないモノは人を避けてスーパーの閉店2時間ぐらい前に行くようにしているんです。1時間前からまた駆け込みで込んでくるので。

「あぁ、夜だからバターとかないんですね」

──はい。粉モノも。

「でも子供の時間に合わせていると、すぐに昼になってしまいますよね。分かるぅ、ソレ(笑)。私は夕方は行列が凄いので、その時間にスーパーに行くことはないです。午前中にすべきことを済ませ、それから出るのは犬の散歩ぐらいですね(笑)。

こんなこと言うと不謹慎かもしれないですけど、家から出ないのも結構良いものですよ。だから格闘技のファンの皆さんも、今、家でできる楽しいことを見つけて乗り切って欲しいです。そして、コロナが終息すれば格闘技を思いっきり応援してもらえればと思います」

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DEEP95 Interview J-CAGE しなしさとこ にっせー ブログ

【DEEP95】5月6日のにっせー戦がなくなった、しなしさとこ─01─「息子と別々に暮らし練習していました」

Shinashi【写真】なぜ、この写真なのかは──後編で明らかになります (C)SATOKO SHINASHI

5月6日、DEEP95=後楽園ホール大会でDEEP女子アトム級選手権試合で、ニッセーと対戦予定だったしなしさとこ。

大会は中止となったが、昨年4月にキャリア3戦目のにっせーに負けた事実を彼女はどのように捉えていたのか。そして、再戦に向けコロナ感染拡大が続くなかでの練習への取り組み方──中止決定後の生き方について──自由人しなしさとこに尋ねた。


──まず昨年12月に、にっせー選手に敗れてから4カ月。再戦する予定だった大会が中止になりましたが、まずキャリア3戦目の選手に敗れたことについて、どのように捉えていましたか。

「あの時は……交通事故にあっちゃったみたいな感じでした。勝ち続けないといけないっていうプレッシャーは格闘技を始めてから持ち続けてきたのですが……あの試合は、やっちゃたなって」

──周囲はどのような反応でしたか。

「(練習パートナーで、セコンドを務める若林)次郎さんは、『負けたんだから、またやって勝てば良いだろう』っていう感じで凄くクールでしたね。私は勝ち負けに拘り過ぎる人間で、常に勝たないと我慢できない性格なので……」

──分かります(笑)。

「なので、試合後に顔が腫れて次郎さんが『とりあえず氷を当てて』と言ってくれても『氷なんて要らないっ』、『キーっ』って感じで」

──キーっですか(笑)。

「ハイ、もう悔しいし負けを認めなくないし。そうしたら次郎さんは『まぁ今は考えられないかもしれないけど、次にやって勝てば良いのだから。今はとにかく休んで』っていう風でした」

──プロ練習に参加しているグランドスラムの勝村周一朗代表は?

「周ちゃんは会場にはこられなかったのですが、あとから会った時に『やっちゃったね』みたいな感じでした。それと『女子と練習する時間を増やして』と言ってくれて、5月の試合の準備をしているときも、周ちゃんところの女子選手と練習をするようになっていたんです」

──グランドスラムでは女子選手と練習できる環境が今あるのですか。

「あの試合に負けるまでは沙弥子がプロ選手ではいるのですが、彼女は日中に働いているからプロ練習に参加できることが少なくて。私は子供がいて逆に夜の練習に通うことはできないから、ほんの少ししか練習したことはなかったです。でも、あれからはアマチュアの子とも一緒に練習しています」

──しなし選手が女子と練習するのは、もう2000年代の序盤移行は印象がないです。

「でも滝本美咲ちゃんは近所に住んでいたので、週末は一緒に練習させてもらっていましたよ。今は道場が閉まっていてできないですが、今年はグランドスラムで女子とする練習は増えていました。女子とやるときは、なんか気持ちの持ちようが違いますね。やっぱり女子は女子と練習すべきだったんだって改めて思うようになりました」

──気持ちが違うというのは?

「ピリピリ感が違いますね。なんか私、子供を産んでからピリピリ感を失っていたなって。やっぱり人と揉めることが嫌いになるし、角が取れて丸くなってしまっていて。居心地良い生活を求めると、自分の世界が居心地の良くなっちゃっていて」

──ある意味、当然なのですが。

「ハイ、普通に生活しているなら当然です。でも私はまた戦うようになっていたし。それなのに練習中に他の人とぶつかると『大丈夫?』って気遣ったり、合間に笑顔で話すとか、そんなもん練習中に必要ないのに。

ピリピリしていないと、私は体が小さいから労わってって思ったりして(笑)。何のための練習だったのって。それがキャリアの少ない女子選手が、200パーセントで向かってきてくれて。組んじゃうと差があるので、打撃でガンガン来てくれるのが、今の私に必要な練習になっています。

もちろん次郎さんと繰り返して反復練習をするという軸は崩さないで、そこに女子選手とのスパーリングを取り入れて、凄く良い練習ができていました」

──女子、体格の二重苦をようやく解消しつつあったと。

「ハイ。そうやって練習していると、前の負けも吹っ切れちゃって。だって誰だって負けるのに。無敗なんて無理ですから。今からすると、ようやく自分の階級ができたことで浮かれていて集中力が欠けていたかもしれないです。でも、タイトルマッチでもないし普通の試合で、やっちゃっただけだから」

──負けの認め方も、負けず嫌いじゃないですか(笑)。

「アハハ。そりゃ1つの負けで、全てを持っていかれるのは嫌だなって思いますよ」

──ただ交通事故とはいっても、あの前蹴りはにっせー選手が練習してきた技で。そこを貰ってからペースが崩れたというのはあります。

「そうですね、見えていなかったです。(渡辺)久江の時のように一発でやられていたら納得できるのですが、それがないから『なんで止めるの?』とはなっちゃいました。

vs Nisse組んで大内に行った時にケージを掴まれて。それも想定していたのに、慌てていたから右フックとかもらっちゃいましたし。でも、離れ際のパンチとか足関節の対応とかはしっかりと対策を練られていたなって思います」

──いや、やはりメッチャ悔しそうですよ。

「そうそうそう(笑)。でも、良いことでしょ?  悔しいって。まぁまぁまぁ負けちゃったから、しょうがないですけど腹の底からクゥーってなりましたからね。私ってキキキキっていうオバサンの怒り方じゃなくて、クゥーっていう怒りが勝つまでずっと続くんですよ。それがあったから、なんか私はまだまだできるなって思いました」

──そして再戦が決まったのですが、格闘技に限らずスポーツ、エンテーテイメントが軒並み中止になるなかで、コロナ感染の恐怖などはなかったですか。

「ハイ、格闘技の対人練習は濃厚接触ですからね。そこは……ですね。私には息子がいるし、あの子に感染させちゃ絶対にダメだと思っていました。かといって私が実家へ行っても両親も高齢ですから、寝泊りなんてできない。だから小学校が休みになった時点で息子と別々に暮らして、練習をしていたんです」

──えっ? いや……しなし選手、それは正気の沙汰ではないですね。

「ですよね。でも、勝ちたいから練習をしないわけにはいかないし」

──う~む……。

「そうしたら、犬を飼うようになっちゃいました(笑)」

<この項、続く>